(実施形態1)
実施形態1のスイッチ装置SWは、壁面などの施工面(造営面)に取り付けられる所謂埋め込み型のものであって、図1〜図4に示すように、接点開閉機構部1が収納された器体2と、当該器体2の前面側に揺動自在に取り付けられ接点開閉機構部1の開閉操作に用いられる反転ハンドル3と、当該反転ハンドル3の前面側に取り付けられ反転ハンドル3と一体に移動する手動操作用の操作ハンドル4とを備え、反転ハンドル3には、発光源5が器体2の前面よりも前方に位置する形に取り付けられ、操作ハンドル4において発光源5と対向する部位には、発光源5が放射した光を前方に出射する表示窓(表示部)Wが形成されている。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、図1(a)における上下方向を厚み方向とし、図1(a)における左右方向を長さ方向とし、図1(a)における紙面に垂直な方向(図1(b)における左右方向)を幅方向とし、特に、図1(a)における上方をスイッチ装置SWの前方と規定し、図1(a)における下方をスイッチ装置の後方と規定する。また、図1(a)は、図4(a)におけるA−A線断面矢視図であり、図1(b)は、図4(a)におけるB−B線断面矢視図である。
器体2は、前面(厚み方向一面)が開口した直方体の箱状のボディ20と、ボディ20との間に接点開閉機構部1を収納する形でボディ20の前面側に取り付けられるカバー21とで構成されている。ところで、ボディ20およびカバー21それぞれは絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品である。特にカバー21には、色のなかでも相対的に明度(光に対する反射率)が低い色である暗色系の色の材料により形成してあり、本実施形態では、黒色の樹脂材料を用いている。
ボディ20の幅(短手)方向(図1(b)における左右方向)における両外側面それぞれには、ボディ20の長さ(長手)方向(図1(a)における左右方向)に離間する一対の組立突起20a,20aが突設されている。これら組立突起20a,20aはボディ20にカバー21を結合するために用いられる。また、ボディ20の底壁部(後壁部)の四隅それぞれには、外部電源(例えば商用電源など)や負荷(例えば照明負荷など)の電線(図示せず)をボディ20内に挿入するための電線挿入孔20bが貫設されている。さらに、ボディ20の底壁部の長さ方向両端側それぞれにおける電線挿入孔20bの近傍には、工具(一例としてはマイナスドライバ)の先端部が挿入可能な操作孔20cが形成されている。この操作孔20cは後述する解除釦15を操作するために使用される。
カバー21は、後面(厚み方向他面)が開口した直方体の箱状に形成されており、その外形サイズは、ボディ20とほぼ同じ大きさである。カバー21の幅方向の両外側面それぞれの後端部には、一対の組立舌片21a,21aが、カバー21の長さ方向に離間する形で突設されている。各組立舌片21aには組立孔21bが形成されており、この組立孔21bに組立突起20aを挿入して、組立舌片21aに組立突起20aを係合させることによって、ボディ20とカバー21とが結合される。
また、カバー21の長さ方向の両外側面それぞれには、後述する取付枠100の取付孔120に挿入される一対の取付爪21cがカバー21の幅方向に離間する形で突設されている。したがって、器体2は各取付爪21cを取付枠100の取付孔120にそれぞれ挿入することによって、取付枠100に取り付けられる。ところで、カバー21の幅方向の両側面それぞれの前端縁の中央部には、前方に突出する突片21dが設けられ、カバー21の短手方向の両内側面それぞれには、反転ハンドル3を揺動自在に取り付けるための係合溝21eが突片21dに至るように形成されている。また、突片21dの前端部間には、一対の遮光体21f,21fが一体に架設されている。
ところで、上記スイッチ装置SWを、壁面などの施工面(造営面)に取り付けるにあたっては、器具取付用の窓孔110を備え器体2を保持する取付枠100と、取付枠100の前面側を覆うプレート200とが用いられる。
取付枠100は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、器体2の前面を露出させる窓孔110を中央部に備えた矩形枠状に形成されている。この窓孔110の短手方向(図4(d)における上下方向)における両内側面それぞれには、器体2の取付爪21cが挿入される前述の取付孔120が複数設けられている。これら取付孔120は、窓孔110の長手方向(図4(d)における左右方向)において離間している。
したがって、取付爪21cを取付孔120に挿入することによって、器体2を取付枠100に取り付けることができ、器体2を取付枠100に取り付けた状態では、器体2の前面が窓孔110から前方に露出する。つまり、取付枠100にスイッチ装置SWの器体2を取り付けるにあたっては、器体2を取付枠100の後方から挿入して器体2の取付爪21cを取付孔120に挿入すればよい。
このような取付枠100の長手方向両端側それぞれは、壁などの造営材に埋込配設された埋込ボックス(図示せず)の開口側に設けた取付舌片(図示せず)に螺合するボックスねじ(図示せず)を挿通するための長孔130が形成され、さらに、施工面が石膏ボードのようなパネル材であるときに使用するはさみ金具の一端部を係止するはさみ金具取付孔140が取付枠100の短手方向において各長孔130の両側に位置する形に設けられている。また、取付枠100の四隅には、プレート200を取り付けるためのプレート係止孔150が形成されている。
プレート200は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、取付枠100の窓孔110を前面に露出させる開口窓210を中央部に備えた矩形枠状に形成されている。また、プレート200は、取付枠100の前面を全面に亘って覆うことができる大きさに形成されている。このようなプレート200の後面側における四隅には、プレート200を取付枠100に取り付けるための係止片220が突設されており、プレート200は、各係止片それぞれを取付枠100の各プレート係止孔150それぞれに挿入して、取付枠100の後面に係止片220の先端部を係止することによって、プレート200が取付枠100に取り付けられる。なお、プレート200の開口窓210は取付枠100の窓孔100よりも長寸かつ広幅としている。
本実施形態における器体2の幅方向の寸法は、取付枠100の窓孔110の長手方向の寸法の略3分の1の寸法(以下の説明ではこの寸法を1個モジュール寸法と呼称する)に形成されている。そのため、つまり、取付枠100は、1個モジュール寸法の器体2を3個まで取り付けることができるようになっている。
上述の取付枠100では、取付孔120は、窓孔110の短手方向における内側面における長手方向両端部それぞれに5つずつ設けられており、5つの取付孔120は、器体2の取付爪21c間の間隔の半分の間隔で並んでいる。また、窓孔110の長手方向一端部(図4(d)における右端部)の5つの取付孔120における長手方向他端側(図4(d)における左端側)の取付孔120と、窓孔110の長手方向他端部(図4(d)における左端部)の5つの取付孔120における長手方向一端側(図4(d)における右端側)の取付孔120との間隔は、器体2の取付爪21c間の間隔と等しくなっている。上記構成により、窓孔110内で器体2の取付位置を、複数箇所(図9〜図12参照)から選択できるようになっている。
このような器体2には、長さ方向の一端部(図1(a)における左端部)に第1の端子板10が収納される一方で他端部(図1(a)における右端部)に第2および第3の端子板11,12が収納され、長さ方向の中央部には開閉素子13が揺動自在に収納されている。また、器体2には、各端子板10とともに電線を狭持する鎖錠ばね14と、当該速結端子による電線の鎖錠を解除するための前述の解除釦15と、開閉素子13と反転ハンドル3とを連結する連結部材として用いられるコイルスプリング(コイルばね)からなる反転ばね16とが収納される。
そして、第1〜第3の端子板10〜12と、開閉素子13と、鎖錠ばね14と、解除釦15と、反転ばね16とによって、接点開閉機構部1が構成されている。なお、各端子板10〜12および開閉素子13は、いずれも導電性材料(例えば銅系の金属材料など)からなる板材を用いて形成されている。
第1の端子板10には、ボディ20の内底面に沿ってボディ20の中央部に向かう向きに支持片10aが延設され、支持片10aの先端部には前方に突出するへ字状に屈曲された支点突部10bが形成されている。開閉素子13は、支点突部10bの先端に当接するように配置され、支点突部10bの先端付近を支点として揺動可能になる。
第2および第3の端子板11,12は、互いに異なる長さの接点保持片11a,12aを延設してあり、第2の端子板11の接点保持片11aの先端部に設けた第1の固定接点11bと、第3の端子板12の接点保持片12aの先端部(第1の固定接点11bと対向する部位)に設けた第2の固定接点12bとの間に、開閉素子13を配置してある。
ここで、開閉素子13は、前方が開放されたコ字状に形成されており、両脚片それぞれに第1の可動接点13aおよび第2の可動接点13bが設けられている。この開閉素子13は、第1の可動接点13aが第2の端子板11の第1の固定接点11bに接離し、第2の可動接点13bが第3の端子板12の第2の固定接点12bに接離する形に配置される。したがって、第1の可動接点13aと第1の固定接点11bとで1つの接点を構成し、第2の可動接点13bと第2の固定接点12bとで1つの接点を構成しており、開閉素子13は、第1の固定接点11bおよび第2の固定接点12bと択一的に接触される。この開閉素子13の両脚片間には、反転ばね16の後端部が嵌入される。ここで反転ばね16は、導電性を有する材料を用いて形成されている。なお、上述した第1の固定接点11b、第2の固定接点12b、第1の可動接点13a、第2の可動接点13bそれぞれは、各端子板11,12または開閉素子13を加工することによって形成したものであってもよいし、耐溶着性、耐環境性、及び耐熱性の高い導電性金属材料(例えば、銀系の金属材料)を用いて形成したものであってもよい。
この接点開閉機構部1は、操作ハンドル3の幅方向における両端部を交互に押し込むことによって、反転ばね16から開閉素子13に作用するばね力の向きが反転し、いずれか一方の可動接点13a,13bが、当該可動接点13a,13bに対応する固定接点11b,12bに接触するようになっている。つまり、第1の端子板10は、第2の端子板11と第2の端子板12のいずれか一方に択一的に接続されることになる。この種のスイッチは3路スイッチ(所謂C接点型のスイッチ)として知られているものである。
ところで、第2および第3の端子板11,12にはそれぞれ1個ずつの鎖錠ばね14が配置され、第1の端子板10には2個の鎖錠ばね14が配置されている。鎖錠ばね14は、帯状の板ばねの一端部をS字状に曲成して接触片14aを形成し、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片14bを形成し、接触片14aと鎖錠片14bとの間を接続片14cにより連続一体に連結した形状に形成される。なお、接触片14aおよび鎖錠片14bは接続片14cに対して厚み方向の同じ側に突出している。
このような鎖錠ばね14は、ボディ20に形成された電線挿入孔20bに対応する形でボディ20に収納されるようになっており、これによって、電線挿入孔20bを通してボディ20の内部に挿入した電線の先端部が、鎖錠ばね14の鎖錠片14bおよび接触片14aとそれぞれ対応する各端子板10〜12との間に挟持されるようにしてある。
ここに、鎖錠片14bは接続片14cの後端から斜め前方に向かって延設されており、つまりは、電線の挿入方向において接続片14cから離れる向きに延設されており、電線挿入孔20bを通して挿入された電線は鎖錠片14bの先端縁が食い込むことにより、電線に作用する引張力に抗するようになっている。
解除釦15は、鎖錠ばね14の鎖錠片15bによる電線の機械的保持を解除するためのものであって、前後方向を軸方向とする角柱状に形成された合成樹脂成形品からなる。ボディ20には解除釦15が2つ収納されている。一方の解除釦15は、ボディ20の長さ方向一端部において、第1の端子板10に対応する2個の鎖錠ばね14の鎖錠片14bの両方に対向するとともに、操作孔20cより外部に臨む形で収納されている。他方の解除釦15は、ボディ20の長さ方向他端部において、第2および第3の端子板11,12それぞれに対応する鎖錠ばね14の鎖錠片14bの両方に対向するとともに、操作孔20cより外部に臨む形で収納されている。ボディ20には上述したように解除釦15が収納されているので、ボディ20の操作孔20cを通して工具の先端部をボディ20に挿入することによって、当該先端部により解除釦15を押圧することができる。そして、解除釦15を工具で押圧することにより鎖錠片14bの先端が接続片14cに近づく向きに撓み、鎖錠ばね14が電線を保持する力が低減することになる。つまり、工具で解除釦15を押圧した状態では、電線を引き抜くことができるようになっている。この種の端子の構成は速結端子として知られている。
反転ハンドル3は、器体2に取り付けられるハンドルボディ30と、ハンドルボディ30の前面側に取り付けられるハンドルカバー(中カバー)31とで構成されている。
ハンドルボディ30は、絶縁性を有する樹脂からなる樹脂成形品であって、矩形枠状の本体部30aと、反転ばね16を保持する保持部30bと、保持部30bの前端部に形成され発光源5を支持する台座部30cとを備えている。ここで台座部30cは、その前面(すなわち発光源5が載置される面)が、器体2の前面を含む平面P(図1(a),(b)において破線で示す面)よりも器体2の前方に位置するように形成されている。したがって、発光源5を台座部30cに支持させた際には、発光源5が器体2の前面よりも前方に位置する。
本体部30aの幅方向の両外側面それぞれの中央部には、カバー21の係合溝21eに揺動自在に係合される係合突起30dが突設されている。係合突起30dは前後方向を長手方向とする略矩形状に形成されるとともに、前端部が先細りとなる形状に形成されている。また、本体部30aの長さ方向の両外側面それぞれには、操作ハンドル4を取り付けるための結合爪30eが突設されている。さらに、本体部30aの幅方向の両外側面それぞれの前端部には、本体部30aの長さ方向に離間する一対の逃げ溝30f,30fが設けられており、この逃げ溝30f,30fは、反転ハンドル3の揺動時に、カバー21の各遮光体21fが反転ハンドル3と干渉することを防止するためのものである。
保持部30bは、前後方向を軸方向とする角筒状に形成されており、図1(a),(b)に示すように、後端側が本体部30aより後方に突出する形で本体部30aの幅方向の両側それぞれの長さ方向中央部と一体に連結されている。この保持部30bの後端部には、反転ばね16の前端部が嵌入される円形状の保持孔30gが開口されている。
上述したハンドルボディ30には、発光源5が実装されたプリント基板6が取り付けられる。ここで、発光源5は、例えばネオンランプであって、両端が閉塞された円筒状のガラス管からなる気密容器にネオンガスなどの封入ガスおよび一対の電極(図示せず)を封入してなる発光部5aと、発光部5aに封入された一対の電極5bとを備えている。なお、発光源5としては、ネオンランプに限られるものではなく、発光ダイオードなども用いることが可能である。
プリント基板6は、反転ハンドル3のハンドルボディ30の開口部のサイズよりやや小さいサイズの長方形状に形成され、その中央部には台座部30c用の挿通孔6aが厚み方向に貫設されている。このプリント基板6には、発光源5に直列接続される限流用の抵抗素子60と、発光源5の一対の電極5bそれぞれを第2の端子板11および第3の端子板12それぞれに電気的に接続する一対の接触端子61とが設けられている。つまり、本実施形態のスイッチ装置SWでは、第2の端子板11と第3の端子板12との間に、発光源5および抵抗素子60からなる直列回路が挿入される。ここで、抵抗素子60の抵抗値は発光源5を点灯させるのに好適な値に設定される。また、接触端子61には、各端子板11,12に弾接するように弾性が付与されており、反転ハンドル3の揺動にかかわらず接触端子61が常に端子板11,12に弾接するようにしている。
ハンドルカバー31は、図5(a)〜(e)に示すように、樹脂材料として、色のなかでも相対的に明度が高い色である明色系の色の材料(本実施形態では、白色の材料)を用いてなる樹脂成形品であり、その内面が鏡面仕上げされている。このようなハンドルカバー31は、ハンドルボディ30の開口部のサイズよりやや小さいサイズ(ハンドルボディ30の開口内に配置できるサイズ)の箱状に形成され、後面が開口された主部31aを備えている。また、ハンドルカバー31は、図5(c)に示すように、主部31aの前面の長さ方向両端部それぞれより前方へ突出し内部に抵抗素子60が収容可能な突部31bと、主部31aの前面の長さ方向中央部より前方へ突出し内部に発光源5が収容される保護部31cとを備えている。
保護部31cの前端部は断面形状が発光源5の発光部5aの管壁に沿った弧状に形成されている。また、保護部31cの前端には、保護部31c内に収容された発光源5が放射する光を通過させる開孔部31dが形成されている。開孔部31dは略矩形状に開口している。なお、保護部31cにおける幅方向(図5(a)における左右方向)の両側面それぞれには、窓部31eが形成されている。
ところで、ハンドルカバー31の前面側における一対の突部31bと保護部31cとの間には、図5(c)に示すように、それぞれ逃げ溝31fが形成されており、逃げ溝31fは、反転ハンドル3の揺動時に、カバー21の各遮光体21fがハンドルカバー31に干渉することを防止するためのものである。なお、逃げ溝31fは、ハンドルカバー31をハンドルボディ30に取り付けた際に、ハンドルボディ30の逃げ溝30fと連通する位置に設けられている。
このように、反転ハンドル3は、器体2に取り付けられるハンドルボディ30と、発光源5が放射した光を通過させる開孔部31dを有しハンドルボディ30との間に発光源5およびプリント基板6を収納する形でハンドルボディ30の前面側に被着されたハンドルカバー31とで構成されており、反転ハンドル3を器体2に取り付けた際には、発光源5は、器体2の前面を含む平面Pよりも前方に位置することになる。
操作ハンドル4は、発光源5が放射する光に対して透光性がない絶縁性樹脂製の樹脂成形品からなる。操作ハンドル4の前後方向において発光源5と重なる操作ハンドル4の部位には、複数(図示例では3つ)の窓孔4aが形成されている。ここで、複数の窓孔4aは、発光源5の発光部5aの軸方向(図1(b)における左右方向)において所定間隔を隔てて並ぶ形に形成されており、中央の窓孔4aが発光源5の発光部5aの中心部(輝度が最も高くなる部分)に対応し、両側の窓孔4aが発光源5の発光部5aの両端側に対応している。
一方、操作ハンドル4の後面側における窓孔4aの近傍には、後方へ突出する4本の結合爪4bが設けられ、この結合爪4bは操作ハンドル4と反転ハンドル3とを結合するために使用される。具体的には、操作ハンドル4の結合爪4bを反転ハンドル3の結合爪30eに係合することで、操作ハンドル4は反転ハンドル3に結合される。また、操作ハンドル4の後面側には後述する透光カバー7を取り付けるための一対の取付リブ4cが、操作ハンドル4の長さ方向において複数の窓孔4aを挟み込む形に形成されている。
図4に示す操作ハンドル4は、3個用の取付枠100に1個モジュール寸法の器体2を1個取り付ける際に用いる操作ハンドル(プレート200の開口窓210を1個で覆う程度の寸法を有する操作ハンドル、以下このような操作ハンドルを1個用の操作ハンドルと呼称する)4である。本実施形態のスイッチ装置SWに用いる操作ハンドル4としては、上述の1個用の操作ハンドル4に限られるものではなく、例えば、図9,10に示すように、3個用の取付枠100に1個モジュール寸法の器体2を2個取り付ける際に用いる操作ハンドル(プレート200の開口窓210を2個で覆う程度の寸法を有した操作ハンドル、以下このような操作ハンドルを2個用の操作ハンドルと呼称する)であってもよく、また、図11,12に示すように、3個用の取付枠100に1個モジュール寸法の器体2を3個取り付ける際に用いる操作ハンドル(プレート200の開口窓210を3個で覆う程度の寸法を有した操作ハンドル、以下このような操作ハンドルを3個用の操作ハンドルと呼称する)であってもよい。なお、上述した3種類の操作ハンドル4の長さ方向(器体2の幅方向に沿った方向であり、図4(a),図9(a),図11(a)それぞれにおける左右方向)の寸法の関係は、(1個用の操作ハンドル4の長さ方向の寸法)≒(2個用の操作ハンドル4の長さ方向の寸法)×2≒(3個用の操作ハンドルの長さ方向の寸法)×3になる。また、プレートの開口窓は取付枠の窓孔よりも長寸かつ広幅であり、この窓孔に器体を挿入して取り付けるから、3個用の操作ハンドルの上下寸法は器体の上下寸法よりも大きくなっている。なお、上述したように、プレート200の開口窓210は取付枠100の窓孔110よりも長寸かつ広幅としており、器体2は、窓孔110に挿入された状態で取付枠100に取り付けられるから、3個用の操作ハンドル4(図11,12参照)の長さ寸法は器体2の幅寸法よりも大きくしている。
このような操作ハンドル4の後面側には、発光源5が放射する光に対して透光性を有する絶縁性樹脂製(本実施形態では透明な絶縁性樹脂製)の樹脂成形品からなる前述の透光カバー(ランプカバー)7が取り付けられる。透光カバー7は、図1(b)および図6(a)〜(d)に示すように、操作ハンドル4の複数の窓孔4aを包括的に覆うことができる大きさの長尺板状に形成されている。透光カバー7の前面側には、操作ハンドル4の窓孔4aに嵌め込まれる直方体状の突出部7aが、複数の窓孔4aそれぞれに対応する形に突設されている。なお、突出部7aの突出量は、突出部7aを窓孔4aに嵌め込んだ際に、突出部7aの前面が操作ハンドル4の前面より前方に突出しないような寸法としている。また、透光カバー7の長さ方向(図6(a)における左右方向)の両端部には、操作ハンドル4の一対の取付リブ4cがそれぞれ挿通される挿通孔7bが形成されている。さらに、図6(d)に示すように、透光カバー7の後面において3つの突出部7aのうち中央の突出部7aに対応する部位7cは、シボ加工などを利用して凹凸形状に形成されている。また、透光カバー7には、ハンドルカバー31の保護部31cの前端部が挿入される切欠部7dが設けてあり、透光カバー7はその後端部が開孔部31d内に位置するとともに、切欠部7d内に保護部31cの前端部が位置することになり、これによって、透光カバー7と発光源5との間の距離を短くしている。
この透光カバー7は、複数の突出部7aそれぞれを操作ハンドル4の複数の窓孔4aそれぞれに嵌め込むとともに、一対の挿通孔7bそれぞれに操作ハンドル4の一対の取付リブ4cそれぞれを挿通させた状態で、操作ハンドル4の後面側に取り付けられる。本実施形態のスイッチ装置SWでは、操作ハンドル4の前後方向において発光源5と重なる操作ハンドル4の部位に形成された複数の窓孔4aと、複数の窓孔4aを包括的に覆う透光カバー7とによって、表示窓Wが構成されている。
そして、本実施形態のスイッチ装置SWは次のようにして組み立てられている。器体2を構成するボディ20には、上述したように、接点開閉機構部1を構成する第1〜第3の端子板10〜12と、開閉素子13と、4つの鎖錠ばね14と、2つの解除釦15と、反転ばね16が収納される。
一方、反転ハンドル3を構成するハンドルボディ30には、発光源5、抵抗素子60、および接触端子61を備えたプリント基板6が配置される。このときプリント基板6の挿通孔6aには、ハンドルボディ30の台座部30cが挿通され、台座部30cの前面には、発光源5の発光部5aが載置される。その後には、ハンドルボディ30にハンドルカバー31が被着される。ハンドルカバー31は、ハンドルボディ30の前面側からハンドルボディ30の開口内に挿入され、一方の突部30bの内側に抵抗素子60を収容するとともに保護部30cの開孔部30dより発光源5を前方に臨ませる形で、ハンドルボディ30に被着される。
その後に反転ハンドル3は、器体2を構成するカバー21に取り付けられる。ここで、反転ハンドル3は、ハンドルカバー31の保護部31cの前端部を、カバー21の一対の遮光体21f間の隙間から前方に突出させた状態で、各係合突起30dをカバー21の各係合溝21eに揺動自在に係合させることによってカバー21に揺動自在に枢支される。また、反転ハンドル3をカバー21に枢支させた際には、ハンドルカバー31の窓部31eそれぞれには、図7(b)に示すように、カバー21の遮光体21fが対向し、これによって、発光源5から放射された光が窓部31eから外方に出射することが防止される。
反転ハンドル3が揺動自在に取り付けられたカバー21と、接点開閉機構部1が収納されたボディ20とは、組立舌片21aに設けた組立孔21bに組立突起20aを嵌め込み、組立孔21bの内面に組立突起20aを係止させることによって結合される。このとき、反転ハンドル3の保持部30bの保持孔30gには反転ばね16の前端部が嵌入される。また、各接触端子61それぞれが、第2の端子板11および第3の端子板12それぞれに接触される。したがって、発光源5および抵抗素子60の直列回路が、第2の端子板11と第3の端子板12との間に挿入され、各端子板11,12間の電位差によって発光源5が点灯可能となる。
そして、操作ハンドル4は、図7(a)に示すように、透光カバー7を反転ハンドル3の開孔部31dより前方に臨む発光源5に対向させた形で、反転ハンドル3に結合される。操作ハンドル4と反転ハンドル3との結合は、上述したように、操作ハンドル4の4つの結合爪4bを反転ハンドル3の4つの結合爪30eにそれぞれ係合することによって行われる。なお、操作ハンドル4の取り付けは、器体2を取付枠100に取り付けた後に行われる。
次に、本実施形態のスイッチ装置SWの動作について図1および図7を参照説明する。なお、この説明においては、説明の簡略化のため、図1(a)における右方をスイッチ装置SWの右方、図1(a)における左方をスイッチ装置SWの左方と規定する。
図1(a)に示すように操作ハンドル4の左端部を押し下げた場合、反転ハンドル3の左端部も同様に押し下げられることから、開閉素子13は右側に傾き、開閉素子13の第2の可動接点13bと、第3の端子板12の第2の固定接点12bとが接触する。これによって、第1の端子板10に接続された電線と、第3の端子板12に接続された電線とが電気的に接続される。
逆に、操作ハンドル4の右端部を押し下げた場合(図1(a)に示す状態から操作ハンドル4を図1(a)における時計回り方向に回転させた場合)、反転ハンドル3の右端部も同様に押し下げられることから、開閉素子13は左側に傾き、開閉素子13の第1の可動接点13aと、第2の端子板11の第1の固定接点11bとが接触する。これによって、第1の端子板10に接続された電線と、第2の端子板11に接続された電線とが電気的に接続される。
このような接点の切り替えによって、第2の端子板11と第3の端子板12との間の電位差が所定の電圧以上となったときに、発光源5が点灯する。
発光源5が点灯すると、発光源5(の発光部5a)から放射された光は、ハンドルカバー31の開孔部31dより反転ハンドル3の外部に向かい、透光カバー7を通過して操作ハンドル4の窓孔4aより操作ハンドル4の前方に出射される(表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射される)。これにより暗闇中でもスイッチ装置SW(主として操作ハンドル4)の位置を使用者に知らせることができる。
以上述べた本実施形態のスイッチ装置SWによれば、発光源5が器体2の前面よりも前方に位置し、発光源5から放射された光は、発光源5に対向する表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射されるので、従来例のように発光源5が器体2に収納されている場合や、発光源5が放射する光をプリズムなどの導光部材を利用して操作ハンドル4の前方に出射させる場合に比べれば、操作ハンドル4の前面と発光源5との距離が短くなって、発光源5から放射された光が操作ハンドル4より前方に出射されるまでの期間における光の減衰を小さくすることができ、発光源5に供給する電力を増やして発光源5を明るく(輝度を向上)しなくても、操作ハンドル4から前方に出射される光の量を増やすことができるから、発光源5を発光させるために必要な電力を抑えることができて、消費エネルギの低減が図れる(省エネルギ化が図れる)。
本実施形態における発光源5は、例えばネオンランプであって、指向性を有する光源ではないから、発光源5からは、様々な方向に光が放射される。例えば、図7(a)に示すように、発光源5より操作ハンドル4側に放射された光L1は、透光カバー7を通過し、窓孔4aより操作ハンドル4の前方に出射されることになるが、それ以外の光、例えば発光源5よりハンドルカバー31側に放射された光L2は、表示窓Wより外方には出射されない。また、本実施形態における発光源5は、その中心部において輝度が最も高く、中心部から離れるほど輝度が低くなる。
そのため、ハンドルカバー31の開孔部31dより出射される光の分布は、発光源5の発光部5aの中心部の前方において最も高く、中心部から外れると急峻に低くなるといった変化を示す(図8(b)参照)。この場合、中央の窓孔4aとその両側の窓孔4aとでは、操作ハンドル4の前方に出射される光の量の差が大きく、見栄えが悪くなってしまう。
そこで、本実施形態のスイッチ装置SWでは、ハンドルカバー31の材料として、色のなかでも相対的に明度が高い色である明色系の色の材料(本実施形態では、白色の材料)を用いており、その内面を鏡面仕上げしている。
このようにすれば、発光源5からハンドルカバー31側に放射された光L2をハンドルカバー31の内面で反射することが可能となる。したがって、図7(a)に示すように、発光源5からハンドルカバー31側に放射された光L2を、ハンドルカバー31の内面で反射して、表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射することが可能となるので、表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射される光の量を増やすことができるから、さらなる消費エネルギの低減が図れる。特にハンドルカバー31で反射された光L2は、発光源5から操作ハンドル4側に放射された光L1よりも広がり易くなるから、この場合におけるハンドルカバー31の開孔部31dより出射される光の分布は、発光源5の発光部5aの中心部の前方において最も高く、中心部から外れても急峻に低くならないといった変化を示す(図8(a)参照)。そのため、中央の窓孔4aとその両側の窓孔4aとでは、操作ハンドル4の前方に出射される光の量の差が小さくなり、見栄えを改善できる。
しかも、本実施形態における透光カバー7では、発光源5において最も明るく発光する部位(発光部5の中心部)に対応する窓孔4aを覆う透光カバー5の部位の後面(すなわち、透光カバー7の後面において3つの突出部7aのうち中央の突出部7aに対応する部位7c)は、凹凸形状に形成されているため、発光源5において最も明るく発光する部位に対応する窓孔4aを覆う透光カバー5の部位の後面によって光が拡散されるので、発光源5において最も明るく発光する部位に対応する窓孔(本実施形態では中央の窓孔)4aより出射される光の量が減る代わりに、他の窓孔(中央の窓孔4aの両側の窓孔)4aより出射される光の量が増えるから、複数の窓孔4a間における光の量の差を小さくすることができ、複数の窓孔4aの明るさを揃えることが可能となり、見栄えが良くなる。
また、本実施形態におけるカバー21は、上述したように、発光源5から放射された光のうち表示窓W側に向かう光以外の光(ハンドルカバー31の窓部31eより外方に出射する光)を遮光する遮光体21fを備えているから、発光源5から放射された光が、表示窓W以外の部位(例えば、操作ハンドル4と反転ハンドル3との隙間)から操作ハンドル4の外方に出射してしまうことを抑制することができ、光の漏れを少なくすることができる。その上、遮光体21fはカバー21の一部であるから、遮光体21fは、色のなかでも相対的に明度が低い色である暗色系の色の材料により形成されている。そのため、遮光体21fに当たった光を反射せずに、吸収し易くなるから、光の漏れをさらに少なくすることが可能となる。
ところで、上記の例では、ハンドルカバー31の材料として、色のなかでも相対的に明度が高い色である明色系の色の材料を用いているが、ハンドルカバー31の材料としては、必ずしも明色系の色の材料を用いる必要はなく、例えば、暗色系の色の材料を用いてもよい。この場合、ハンドルカバー31の内面に、発光源5が放射する光に対する反射率がハンドルカバー31に用いた材料よりも高い材料(例えば、上記のようにハンドルカバー31の材料として暗色系の色の材料を使用した際には、明色系の色の材料)からなる反射膜(図示せず)を形成すればよい。
このようにすれば、ハンドルカバー31の材料として明色系の色の材料を用いた場合と同様に、発光源5から放射された光を、ハンドルカバー31の内面に形成された反射膜で反射して、表示窓より操作ハンドルの前方に出射することが可能となるので、表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射される光の量を増やすことができるから、さらなる消費エネルギの低減が図れる。上記反射膜は、例えば銀色の塗料でハンドルカバー31の内面を塗装したり、ハンドルカバー31の内面に銀を蒸着したり、ハンドルカバー31の内面に銀色のシールなどを転写したりなど、種々の方法によって形成することができるから、詳細な説明は省略する。
ところで、本実施形態のスイッチ装置SWでは、操作ハンドル4として、窓孔4aを3つ備えたものを例示しているが、操作ハンドル4としては、図13(a),(b)に示すように、窓孔4aは2つ備えたものであってもよい。この場合、透光カバー7としては、突出部7aを2つ備えたものが採用される。また、図13(a),(b)に示す例の他に、窓孔4aを1つだけ備える操作ハンドル4や、4以上の窓孔4aを備える操作ハンドル4なども採用することができる。これらの場合においても、透光カバー7の構成を適宜変更することはいうまでもない。
また、本実施形態のスイッチ装置SWでは、操作ハンドル4に設けた窓孔4aと、透光カバー7とで表示窓Wを構成しているが、透光カバー7を採用せずに、操作ハンドル4の窓孔4aを表示窓Wとして利用することもできる。
また、ハンドルカバー31に用いる材料の例としては、白色の材料が挙げられるが、必ずしも白色の材料である必要はなく、色のなかでも相対的に明度が高い色である明色系の色の材料、特に、発光源5が放射する光に対する反射率が高い色であればよい。
同様に、カバー21に用いる材料の例としては、黒色の材料が挙げられるが、必ずしも黒色の材料である必要はなく、色のなかでも相対的に明度が低い色である暗色系の色の材料、特に、発光源5が放射する光に対する反射率が低い色であればよい。また、カバー21に用いる材料としては、ハンドルカバー31に用いる材料よりも、発光源5が放射する光に対する反射率が低いものを用いることが好ましい。
また、本実施形態における発光源5は、位置表示(主として操作ハンドル4の位置表示)のために点灯する位置表示灯に使用されているが、この他、接点への通電時に点灯するパイロット灯などに使用されるものであってもよい。このような点は後述する実施形態2〜5においても同様である。また、上記の例では、スイッチ装置SWとして3路スイッチ(単極切替型のスイッチ)を例として挙げているが、本発明の技術的思想は、3路スイッチの他に、片切りスイッチ(単極単投型のスイッチ)や、4路スイッチ(2極切替型のスイッチ)、両切りスイッチ(2極単投型のスイッチ)など、その他様々なスイッチに適用することができる。
また、スイッチ装置SWの構成も本実施形態のものに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない程度に変形することができる。例えば、本実施形態における接点開閉機構部1は、芯線が単線である電線(例えば線径が1.6mmあるいは2mmの電線)を用いるタイプのものであるが、接点開閉機構部1としては、例えば、図14に示すように、芯線が単線である電線と、芯線が撚線である電線(例えば線径が1.5mm〜4mm程度の電線)との両方を用いるタイプを採用することもできる。
図14に示すスイッチ装置SWは、接点開閉機構部1の構成が上記図3に示すものと異なっているから、接点開閉機構部1についてのみ説明し、その他の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図14における接点開閉機構部1は、特に鎖錠ばね14および解除釦15の構成が図3に示す例と異なる。
図14に示す鎖錠ばね14は、接触片14aの構成が図3に示すものと異なっている。図14に示す鎖錠ばね14の接触片14aは、接続片14cとの連結部位よりも先端部側で接続片14cとの間隔が最も狭くなるように曲成されている。つまり、図14に示す接触片14aでは、接触片14aの接続片14cに対向する方向への曲げ部と接続片14cとの間隔を、接続片14cから離れる方向への曲げ部と接続片14cとの間隔よりも大きくしているので、図3に示すものに比べて鎖錠ばね14全体の寸法増大を抑えながら、接触片14aの接続片14cとの連結部位から先端部までの寸法を長くすることができるから、接触片14aを撓ませるのに必要な力を低下させ、かつ接触片14aへの応力集中を分散させることができる。これによって、図3に示すものに比較して適用電線の範囲を拡大できるようになっており、しかも接触片14aを撓ませる際に撚線が広がる(ばらける)ことを防止できるから、撚線の結線が可能となる。
図14に示す解除釦15の前端部は、図3に示すものよりも前後方向における寸法が長く形成されており、電線の挿入方向(つまり前後方向)において電線挿入孔20b付近から鎖錠ばね14の接触片14aと電線との接触位置よりも前方までの間において、第1の端子板10において電線と接触される部位10cの間、および第2の端子板11と第3の端子板12との間にそれぞれ介在されるようになっている。なお、この変更に伴い、第1の端子板10には、解除釦15配置用の切欠部10dを形成してある。また、開閉素子13としては図3に示すコ字形のものに変えて板状のものを採用しており、第1の端子板10の支持片10aには、支持突部10bが設けられる代わりに、開閉素子13の後端部が差し入れられる溝部10eを形成してある。
したがって、図14に示す解除釦15を採用することによって、撚線を芯線とする電線の一部が広がっても、解除釦15によって電線が上記接触位置まで案内されるから、電線が不要な部位に挿入されるのを防止することができ、電線の広がりが抑制され、各端子板10〜12と鎖錠ばね14との間に電線を保持できて、電線に対する比較的大きい保持力を確保することができ、撚線を芯線とする電線であっても、結線が可能となる。
上述したように図14に示す例では、芯線が単線である電線に加えて、芯線が撚線である電線も結線することが可能であるから、スイッチ装置SWを使用するケースに応じて、図3に示すものと図14に示すもののどちらを使用するかを決定すればよい。
(実施形態2)
本実施形態のスイッチ装置SWは、ハンドルカバー31の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから同一の符号を付して説明および図示を省略する。
本実施形態におけるハンドルカバー31は、図15〜図17に示すように、発光源5から放射された光の一部を通過させる薄肉部31gを有している点で、実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
薄肉部31gは、開孔部31dの短手方向(図17(a)における左右方向)の内側面同士をその中央部で一体に連結する形に形成されて、操作ハンドル4の中央の窓孔4aと発光源5との間に介在されている。つまり、薄肉部31gは、図15に示すように、発光源5において最も明るく発光する部位(発光部5aの中央部)を覆う形に形成されている。この薄肉部31gは、図17(c)に示すように、ハンドルカバー31の短手方向(図17(a)における上下方向であって、発光源5の軸方向に沿った方向)に直交する面内における断面形状が、前方に凸な円弧状となっている。また、薄肉部31gの厚みは、発光源5が放射する光の全てを遮断せずに、一部が透過可能となるような厚みに設定されており、どの程度の光を通すようにするかは、発光源5の明るさなどに応じて適宜設定すればよい。なお、本実施形態におけるハンドルカバー31には窓部31eが設けられていない。
また、本実施形態における透光カバー7には、薄肉部31gとの干渉を防止するために、薄肉部31gが入り込む溝部7eが設けられている。
以上述べた本実施形態のスイッチ装置SWによれば、実施形態1と同様の効果に加えて、発光源5から放射された光の一部を通過させる薄肉部31gを、発光源5において最も明るく発光する部位(発光部5aの中央部)を覆う形に形成したので、薄肉部31gによって発光源5において最も明るく発光する部位に対応する窓孔(中央の窓孔)4aより出射される光の量を減らすことができるから、複数の窓孔4a間における光の量の差を小さくすることができ、複数の窓孔4aの明るさを揃えることが可能となる。
ところで、図15〜図17に示す例では、薄肉部31gは厚みが一様なものであるが、図18(a),(b)に示すように、薄肉部31gにおける発光源5との対向面(図18(a),(b)それぞれにおける下面)を、凹面としてもよい。図18に示す例では、薄肉部31gは、発光源5の軸方向に沿った方向(図18(b)における左右方向)における中央部ほど厚みが薄くなっている。
このようにすれば、薄肉部31gの対向面が平面(つまり図17(b)に示すように厚みが一様)である場合に比べれば、発光源5から放射された光を、発光源5に戻さず、発光源5の側方に反射しやすくなるから、表示窓Wより操作ハンドル4の前方に出射される光の量を増やすことが可能となり、さらなる消費エネルギの低減が図れる。
(実施形態3)
本実施形態のスイッチ装置SWは、透光カバー7の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して図示および説明を省略する。
本実施形態における透光カバー7は、図19(a),(b)に示すように、その前面において窓孔4aに臨む部位である突出部7a以外の部位(透光カバー7の前面において窓孔に臨む部位の周辺)には、遮光膜8が形成されている。なお、図19(a)では遮光膜8を分かり易く表示するために、遮光膜8をハッチングで示している。また、遮光膜8の厚みは透光カバー7の厚みに比べれば非常に薄いが、図19(b)では、説明を分かり易くするために、遮光膜8と透光カバー7との比率を異ならせている。
このような遮光膜8は、例えば、透光性を有していない塗料(少なくとも発光源5が放射する光に対して透光性を有していない塗料)で透光カバー7の突出部7a以外の部位(突出部7aの周辺部)を塗装することによって、透光カバー7に形成されている。このような塗料としては、色のなかでも相対的に明度が低い色である暗色系の色(一例としては、黒色)のものを用いている。
以上述べた本実施形態のスイッチ装置SWによれば、実施形態1と同様の効果に加えて、透光カバー7の前面において窓孔4aに臨む部位以外の部位からは光が出射されないから、操作ハンドル4における複数の窓孔4a間の部位が光って見えることがなくなり、表示窓Wの輪郭を明確にすることができ、メリハリのある表示が可能となる。また、遮光膜8を上述したような暗色系の色とすることによって、遮光膜8による光の反射を低減できて、遮光膜8で覆われている透光カバー7の部位と、遮光膜8で覆われていない透光カバー7の部位とにおける光の明暗の差がさらに明確になるから、表示窓Wの輪郭をさらに明確に表示することができる。
また、上記のような遮光膜8を透光カバー7に形成する代わりに、図20および図21に示すような遮光カバー9を利用することもできる。
遮光カバー9は、透光性を有していない樹脂材料(少なくとも発光源5が放射する光に対して透光性を有していない樹脂材料)からなる樹脂成形品であって、透光カバー7の前面を覆うことができる大きさの長尺板状に形成されている。また、遮光カバー9には、透光カバー7の複数の突出部7aそれぞれを前方に突出させる窓部9aが厚み方向に貫設されている。この窓部9aは突出部7aと凹凸嵌合可能な形状に形成されている。遮光カバー9は、図20に示すように、各窓部9aから透光カバー7の各突出部7aを前方に突出させた状態で、透光カバー7の前面側に被着される。
このようにすれば、遮光膜8を設けた場合と同様に、透光カバー7の前面において窓孔4aに臨む部位以外の部位から光が出射されないから、操作ハンドル7における複数の窓孔4a間の部位が光って見えることがなくなり、表示窓の輪郭を明確にすることができ、メリハリのある表示が可能となる。また、遮光カバー9の材料として、色のなかでも相対的に明度が低い色である暗色系の色(一例としては、黒色)のものを用いれば、遮光カバー9による光の反射を低減できて、遮光カバー9で覆われている透光カバー7の部位と、遮光カバー9で覆われていない透光カバー7の部位とにおける光の明暗の差がさらに明確になるから、表示窓Wの輪郭をさらに明確に表示することができる。
なお、本実施形態のハンドルカバー31にかかる構成は、実施形態1のみならず、実施形態2にも採用できる。
(実施形態4)
本実施形態のスイッチ装置SWは、カバー21の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については、同一の符号を付して図示および説明を省略する。
本実施形態におけるカバー21は、図22〜図24に示すように、一対の遮光部21gを一体に備えている点で実施形態1と異なっている。なお、その他の構成は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
遮光部21gは、長尺矩形状に形成されており、一対の遮光体21fの前端部間に、操作ハンドル4の各窓孔4aと前後方向で重ならない形に架設されて、透光カバー7と発光源5との間に介在されている。したがって、遮光部21gは、透光カバー7の後面において操作ハンドル4の前後方向で窓孔4aと重ならない部位を覆うようになっている。
なお、本実施形態における透光カバー7には、図22に示すように、一対の遮光部21gそれぞれが入り込む一対の溝部7fが設けられている。
以上述べた本実施形態のスイッチ装置SWによれば、実施形態1と同様の効果に加えて、遮光部21gによって、透光カバー7の前面において窓孔4aに臨む部位(突出部7a)以外の部位から光が出射されないように遮光するから、操作ハンドル4における複数の窓孔4a間の部位が光って見えることがなくなり、表示窓Wの輪郭を明確にすることができ、メリハリのある表示が可能となる。その上、遮光部21gはカバー21の一部であるから、遮光部21gは、色のなかでも相対的に明度が低い色である暗色系の色の材料により形成されている。そのため、遮光部21gに当たった光を反射せずに、吸収し易くなるから、光の漏れをさらに少なくすることが可能となる。
なお、本実施形態のカバー21にかかる構成は、実施形態1のみならず、実施形態2,3にも採用できる。
(実施形態5)
本実施形態のスイッチ装置SWは、ハンドルカバー31の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符合を付して説明を省略する。
本実施形態におけるハンドルカバー31は、図25に示すように、開孔部31dの周縁部に突設された遮光壁31gを備えている点で実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから同一の符号を付して説明を省略する。
遮光壁31gは、図25に示すように、ハンドルカバー31の保護部31cの前端部に形成された開孔部31dの短手方向(発光源5の軸方向に直交する方向)両側の周縁部から操作ハンドル4の後面となる透光カバー7の後面に当接する形に延設されている。
そのため、発光源5から操作ハンドル4側に放射された光は、遮光壁31gで囲まれた空間部を通って透光カバー7に入射し、透光カバー7を通過して、窓孔4aから操作ハンドル4の前方に出射されることになる。
したがって、以上述べた本実施形態のスイッチ装置SWによれば、実施形態1の効果に加えて、発光源5から放射された光が、表示窓W以外の部位から操作ハンドル4の外方に出射してしまうことを遮光壁31gによって抑制することができ、図7(b)に示すように、ハンドルカバー31の開孔部31dの周縁部と、操作ハンドル4との間に隙間がある場合に比べれば、光の漏れを少なくすることができる。
また、発光源5と操作ハンドル4との距離を短くするために、発光源5を操作ハンドル4の後面に接触(あるいは近接)する形に配置した場合に、操作ハンドル4の後面に遮光壁31gが当接していることによって、操作ハンドル4の操作時に生じた荷重をハンドルカバー31で受けることができるから、操作ハンドル4の操作によって発光源5が破損してしまうことを防止できる。
その上、遮光壁31gはハンドルカバー31の一部であるから、遮光壁31gは、色のなかでも相対的に明度が高い色である明色系の色の材料により形成されており、その内面は鏡面仕上げされている。そのため、遮光壁31gは当たった光を反射し易くなるから、操作ハンドル4から前方に出射される光の量を増やすことができる。なお、ハンドルカバー31が明色系の色の材料により形成されていない場合であっても、実施形態1で述べた反射膜が形成されていれば、同様の効果が得られる。
なお、本実施形態のハンドルカバー31にかかる構成は、実施形態1のみならず、実施形態2〜4にも採用できる。