JP3822461B2 - デューティサイクル補正機能を有する遅延同期ループ回路及び遅延同期方法 - Google Patents

デューティサイクル補正機能を有する遅延同期ループ回路及び遅延同期方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遅延同期ループ回路及び遅延同期方法に係り、特にデューティサイクル補正機能を有する遅延同期ループ回路及び遅延同期方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遅延同期ループ回路は半導体装置に多用されるものであって、入力された外部クロック信号から半導体装置の内部で使用される信号を同期させるための内部クロック信号を生成する。内部クロック信号は外部クロック信号より所定時間だけ先に生成される。
【0003】
図1は従来の遅延同期ループ回路及びデューティサイクル補正器のブロック図である。図1に示すように、デューティサイクル補正器111と遅延同期ループ回路121は直列に接続される。デューティサイクル補正器111は外部クロック信号Clk_extのデューティサイクルを補正し、デューティサイクルが補正されたクロック信号Clk_dccを出力する。遅延同期ループ回路121はデューティサイクルが補正されたクロック信号Clk_dccを入力し、その位相が外部クロック信号Clk_extより所定時間だけ先立つ内部クロック信号Clk_intを生成する。デューティサイクル補正器111から出力されるクロック信号Clk_dccにはジッタ(jitter)、すなわち、位相ノイズが常在する。そして、遅延同期ループ回路121自体もジッタを生成する。したがって、遅延同期ループ回路121から出力される内部クロック信号Clk_intにはデューティサイクル補正器111で生成されたジッタと遅延同期ループ回路121で生成されたジッタとが合わせられたジッタが存在することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
遅延同期ループ回路121は入力されるクロック信号Clk_dccの位相と出力される内部クロック信号Clk_intの位相とを一致させるロッキングタイム(locking time)を必要とし、デューティサイクル補正器111も入力される外部クロック信号Clk_extの位相と出力されるクロック信号Clk-dccの位相とを一致させるためのロッキングタイムを必要とする。したがって、デューティサイクル補正器111と遅延同期ループ回路121とを直列に接続して使用することによってロッキングタイムが倍加される。
【0005】
従って、本発明の目的は、ジッタとロッキングタイムとを削減した遅延同期ループ回路を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、ジッタとロッキングタイムとを削減可能な遅延同期方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、入力される第1クロック信号を一定量遅延させて第1出力信号を生成するとともに、前記第1クロック信号を可変量遅延させて第2出力信号を生成する遅延部、及び前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると立上り、前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると立下る第2クロック信号を出力する出力信号発生部を具備することを特徴とする遅延同期ループ回路を提供する。
【0008】
望ましくは、前記遅延同期ループ回路は前記第2クロック信号を積分する積分器をさらに具備し、前記遅延部は前記積分器の出力信号に応答して前記第1クロック信号の遅延量を可変して前記第2出力信号を生じる。
【0009】
また、望ましくは、前記遅延部は前記第1クロック信号を一定量遅延させて前記第1出力信号を生成する第1遅延器、及び前記第1クロック信号を可変量遅延させて前記第2出力信号を生成する第2遅延器を具備する。
【0010】
また、望ましくは、前記出力信号発生部は、前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると第1パルス信号を出力する第1パルス信号発生器、前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると第2パルス信号を出力する第2パルス信号発生器、及び前記第1パルス信号に応答して立上り、前記第2パルス信号に応答して立下る前記第2クロック信号を生じる。
【0011】
また、前記目的を達成するために本発明は、入力される第1クロック信号を所定時間だけ遅延させて第1及び第2出力信号を生成し、第1及び第2出力信号の出力時間を選択的に可変させる遅延部、及び前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると立上り、前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると立下る第2クロック信号を出力する出力信号発生部を具備することを特徴とする遅延同期ループ回路を提供する。
【0012】
望ましくは、前記遅延同期ループ回路は前記第2クロック信号を積分する積分器をさらに具備し、前記遅延部は前記積分器の出力信号に応答して前記第1クロック信号の遅延量を可変する。
【0013】
また、望ましくは、前記遅延部は、基準電圧と制御信号とを入力して選択信号に応答して前記基準電圧と前記制御信号のうち何れか1つを選択して出力する第1マルチプレクサ、前記第1マルチプレクサの出力に応答して入力される第1クロック信号の遅延時間を調整して第1出力信号を出力する第1遅延器、前記基準電圧と前記制御信号とを入力して前記選択信号の反転信号に応答して前記基準電圧と前記制御信号のうち何れか1つを選択して出力する第2マルチプレクサ、及び前記第2マルチプレクサの出力に応答して前記第1クロック信号の遅延時間を調整して第2出力信号を出力する第2遅延器を具備する。
【0014】
また、望ましくは、前記第1遅延器は前記第1マルチプレクサが前記基準電圧を出力すれば前記第1クロック信号を一定量遅延させ、前記第2マルチプレクサが前記制御信号を出力すれば前記第1クロック信号を可変量遅延させる。
【0015】
前記他の目的を達成するために本発明は、第1クロック信号を入力する段階、前記第1クロック信号を一定量遅延させて第1出力信号を出力する段階、前記第1クロック信号を可変量遅延させて第2出力信号を出力する段階、前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると第2クロック信号を論理ローから論理ハイに立上げる段階、及び前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると第2クロック信号を論理ハイから論理ローに立下げる段階を具備することを特徴とする遅延同期方法を提供する。
【0016】
望ましくは、前記第2出力信号を出力する段階は前記第2クロック信号を積分する段階をさらに具備し、前記第2出力信号の出力時間を前記第2クロック信号を積分して出力する信号に応答して変化させる。
【0017】
また、前記他の目的を達成するために本発明は、第1クロック信号を入力する段階、前記第1クロック信号を第1所定時間だけ遅延させて第1出力信号を出力する段階、前記第1クロック信号を第2所定時間だけ遅延させて第2出力信号を出力する段階、前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると第2クロック信号を論理ローから論理ハイに立上げる段階、及び前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると前記第2クロック信号を論理ハイから論理ローに立下げる段階を具備し、前記第1出力信号の出力時間が一定であれば前記第2出力信号の出力時間が可変され、前記第1出力信号の出力時間が可変されると前記第2出力信号の出力時間は一定であることを特徴とする遅延同期方法を提供する。
【0018】
望ましくは、前記第1及び第2出力信号を出力する段階は各々前記第2クロック信号を積分する段階をさらに具備し、前記第1及び第2出力信号の出力時間を前記第2クロック信号を積分して出力する信号に応答して選択的に変化させる。
【0019】
【実施例】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには本発明の望ましい実施例を例示する添付図面及び添付図面に記載された内容を参照しなければならない。
【0020】
以下、添付した図面に基づき本発明を詳しく説明する。図面において、同一な参照番号は同一な構成要素を示す。
【0021】
図2は本発明の第1実施例に係る遅延同期ループ回路201を示すブロック図である。図2を参照すれば、遅延同期ループ回路201は遅延部211、出力信号発生部221及び積分器231を具備する。
【0022】
遅延部211は入力される第1クロック信号Clk_extを一定時間に遅延させて第1出力信号INCDを生成するとともに、第1クロック信号Clk_extを可変な時間遅延させて第2出力信号INVDを生じる。第1クロック信号Clk_extとしては外部から入力される外部クロック信号を用いる。
【0023】
遅延部211は第1及び第2遅延器241、242を具備する。第1遅延器241は第1クロック信号Clk_extを一定時間だけ遅延させて第1出力信号INCDを出力する。すなわち、第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上った後、一定時間が経ってから第1出力信号INCDが論理ローから論理ハイに立上る。遅延する一定時間は遅延同期ループ回路201の設計時に設計者により所定の値に設定される。
【0024】
第2遅延器242は第1クロック信号Clk_extと制御信号Vcを入力とし、第2出力信号INVDを出力する。第2遅延器242は制御信号Vcの電圧レベルによって定まる時間、第1クロック信号Clk_extを遅延させ、遅延された信号を第2出力信号INVDとして出力する。例えば、制御信号Vcの電圧レベルが高ければ、第2遅延器の遅延時間は小さくなり、第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上った後、第2出力信号INVDが論理ローから論理ハイに立上るのにかかる時間は短縮され、制御信号Vcの電圧レベルが低ければ、第2遅延器の遅延時間は大きくなり、第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上った後、第2出力信号INVDが論理ローから論理ハイに立上るのにかかる時間は延びる。このように第2遅延器242は第1クロック信号Clk_extを可変時間遅延させる可変遅延器の役割をする。
【0025】
出力信号発生部221は第1及び第2出力信号INCD、INVDを入力として第2クロック信号Clk_intを出力する。第2出力信号Clk_intは第1出力信号INCDが第1論理状態から第2論理状態に遷移すると立上り、第2出力信号INVDが第2論理状態から第1論理状態に遷移すると立下る。第2クロック信号は半導体装置、特にラムバスDRAM半導体装置の内部クロック信号として多用される。
【0026】
出力信号発生部221は第1パルス発生器251、第2パルス発生器252、インバータ271及びフリップフロップ261を具備する。
【0027】
第1パルス発生器251は第1出力信号INCDに応答して第1パルス信号PUL1を出力する。すなわち、第1出力信号INCDが第1論理状態から第2論理状態へ遷移する度に、例えば、論理ローから論理ハイに立上る度に第1パルス発生器251は第1パルス信号PUL1を出力する。第2出力信号INVDはインバータ271により反転されて第2パルス発生器252に入力される。第2パルス発生器252は第1パルス発生器251と同一な動作を行うパルス発生器を具備する。したがって、第2パルス発生器252は反転された第2出力信号INVDBが第2論理状態から第21論理状態へ遷移する度に、例えば、論理ハイから論理ローに立下る度に第2パルス信号PUL2を出力する。
【0028】
フリップフロップ261は第1及び第2パルス信号PUL1、PUL2を入力とし、第2クロック信号Clk_intを出力する。すなわち、フリップフロップ261は第1パルス信号PUL1に応答して第2クロック信号Clk_intを論理ローから論理ハイに立上げ、第2パルス信号PUL2に応答して第2クロック信号Clk_intを論理ハイから論理ローに立下げる。フリップフロップ261としては多様なフリップフロップが使用でき、ここではRSフリップフロップを例として説明する。したがって、第1パルス発生器251はRSフリップフロップ261のセット端子Sに連結され、第2パルス発生器252はRSフリップフロップ261のリセット端子Rに連結される。
【0029】
積分器231は第2クロック信号Clk_intを入力とし、制御信号Vcを出力する。制御信号Vcの電圧レベルは第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルが短ければ低まり、第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルが長ければ高まる。
【0030】
図3Aは第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より短い時、図2に示す遅延同期ループ回路201によってデューティサイクルが50%に補正されると同時に遅延同期される様子を説明する信号のタイミング図である。図3Aを参照すれば、第1クロック信号Clk_extの論理ハイ区間t1が論理ロー区間t2より短い。すなわち、第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より短い。図3Aに基づいて図2に示された遅延同期ループ回路の動作を説明する。
【0031】
まず、デューティサイクルが50%より短い第1クロック信号Clk_extが遅延部211に入力されると、第1所定時間t3が経過した後に第1及び第2遅延器241、242から第1及び第2出力信号INCD、INVDが出力される。なお、本実施例において、第1及び第2遅延器241、242の動作開始時の遅延時間は等しく設定されているものとする。第1パルス発生器251は第1出力信号INCDの立上りエッジに同期して第1パルス信号PUL1を出力する。第2パルス発生器252は第2出力信号INVDの反転信号INVDBの立上りエッジに同期されて第2パルス信号PUL2を出力する。第1パルス信号PUL1が入力されるとフリップフロップ261は第2クロック信号Clk_intを論理ローから論理ハイに立上げ、第2パルス信号PUL2が入力されるとフリップフロップ261は第2クロック信号Clk_intを論理ハイから論理ローに立下げる。この際、生じた第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは第1クロック信号Clk-extのように50%より短い。
【0032】
次いで、積分器231は第2クロック信号Clk_intを入力として制御信号Vcを生成し、第2遅延器242に提供する。この際、第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルが50%より短いために、制御信号Vcの電圧レベルは低くなる。この状態で第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上ると、第2遅延器242は制御信号Vcの電圧レベルが低いために第2出力信号INVDが論理ローから論理ハイに立上る時間を初期状態(t3)より第2所定時間t4だけさらに遅延させる。そうすると、第2パルス発生器252から出力される第2パルス信号PUL2も同様に初期時より第2所定時間t4だけさらに遅延されて出力される。従って、積分器231の出力する制御信号Vcの変化量と、対応する第2遅延器242の遅延変化量を適切に設定することにより、第1パルス信号PUL1と第2パルス信号PUL2との時間間隔は同一にすることができる。フリップフロップ261は第1パルス信号PUL1の立上りエッジと第2パルス信号PUL2の立上りエッジに同期されて第2クロック信号Clk_intを出力するので、第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは50%に補正されて出力される。
【0033】
このように、第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが短いほど積分器231から出力される制御信号Vcの電圧レベルが低くなり、これによって第2出力信号INVDの立上りエッジの発生時間も遅延されるので、結局第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは50%に補正される。また、第2クロック信号Clk_intは第1クロック信号Clk_extより一定時間だけ先に生じる。
【0034】
図3Bは第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より長い時、図2に示す遅延同期ループ回路201によってデューティサイクルが50%に補正されると同時に遅延同期される様子を説明する信号のタイミング図である。図3Bを参照すれば、第1クロック信号Clk_extの論理ハイ区間t11が論理ロー区間t12より長い。すなわち、第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より長い。図3Bを参照して図2に示された遅延同期ループの回路201の動作を説明する。
【0035】
まず、デューティサイクルが50%より長い第1クロック信号Clk_extが遅延部211に入力されると、第1所定時間t3が経過した後に第1及び第2遅延器241、242から第1及び第2出力信号INCD、INVDが出力される。第1パルス発生器251は第1出力信号INCDの立上りエッジに同期して第1パルス信号PUL1を出力し、第2パルス発生器252は第2出力信号INVDの反転信号INVDBの立上りエッジに同期して第2パルス信号PUL2を出力する。第1パルス信号PUL1が入力されるとフリップフロップ261は第2クロック信号Clk_intを論理ローから論理ハイに立上げ、第2パルス信号PUL2が入力されるとフリップフロップ261は第2クロック信号Clk_intを論理ハイから論理ローに立下げる。この際、生じた第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは第1クロック信号Clk-extのように50%より長い。
【0036】
第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルが50%より長いために、積分器231が第2遅延器242に出力する制御信号Vcの電圧レベルは高くなる。この状態で第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上ると第2遅延器242は第2出力信号INVDが論理ローから論理ハイに立上る時間を初期状態(t3)より第3所定時間t5だけ早めて出力する。そうすると、第2パルス発生器252から出力される第2パルス信号PUL2も同様に初期時より第3所定時間t5だけさらに早く出力される。従って、積分器231の出力する制御信号Vcの変化量と、対応する第2遅延器242の遅延変化量を適切に設定することにより、第1パルス信号PUL1と第2パルス信号PUL2の時間間隔は同一にすることができる。したがって、フリップフロップ261から出力される第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは50%に補正されて出力される。
【0037】
このように、第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが長いほど積分器231から出力される制御信号Vcの電圧レベルが高まり、これによって第2出力信号INVDの立上りエッジの発生時間も繰り上げられるので、結局、第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルは50%に補正される。しかも、第2クロック信号Clk_intは第1クロック信号Clk_extより一定時間だけ先立って生じる。
【0038】
図4は本発明の第2実施例に係る遅延同期ループ回路401のブロック図である。図4を参照すれば、遅延同期ループ回路401は遅延部411、出力信号発生部421及び積分器431を具備する。
【0039】
遅延部411は入力される第1クロック信号Clk_extを所定時間だけ遅延させて第1及び第2出力信号INCD1、INVD1を出力する。すなわち、遅延部411は第1クロック信号Clk_extが入力された後、第1及び第2出力信号INCD1、INVD1が出力される時間を選択的に可変させる。遅延部411は第1及び第2遅延器441、442及び第1及び第2マルチプレクサ481、482を具備する。
【0040】
第1及び第2マルチプレクサ481、482は各々基準信号Vrefと積分器431から出力される制御信号Vc1を入力し、選択信号selに応答して基準信号Vrefと制御信号Vc1のうち何れか1つを信号P1として出力する。第2マルチプレクサ482の入力端にはインバータ472が接続されるので、第1マルチプレクサ481と第2マルチプレクサ482に入力される選択信号selの電圧レベルは反対となる。例えば、第1マルチプレクサ481に入力される選択信号selの電圧レベルが論理ローならば第2マルチプレクサ482に入力される選択信号selの電圧レベルは論理ハイとなる。したがって、第1マルチプレクサ481から基準信号vrefが出力されると第2マルチプレクサ482からは制御信号Vc1が出力され、第1マルチプレクサ481から制御信号Vc1が出力されると第2マルチプレクサ482からは基準信号Vrefが出力される。基準信号Vrefの電圧レベルは遅延同期ループ回路に供給される電源電圧Vccの半分に設定するのが望ましい。
【0041】
第1及び第2遅延器441、442のうち基準信号Vrefが入力される遅延器は第1クロック信号Clk_extを一定時間遅延させ、制御信号Vc1が入力される遅延器は第1クロック信号Clk_extを制御信号Vc1に応じて変化する時間遅延させる。すなわち、第1遅延器441が第1クロック信号Clk_extを一定に遅延させれば第2遅延器442は第1クロック信号Clk_extを可変的に遅延させ、第1遅延器441が第1クロック信号Clk_extを可変的に遅延させれば第2遅延器442は第1クロック信号Clk_extを一定に遅延させる。第1遅延器441から出力される第1出力信号INCD1は第1パルス発生器451に入力され、第2遅延器442から出力される第2出力信号INVD1は第2パルス発生器452に入力される。
【0042】
出力信号発生部421から第2クロック信号Clk_intが出力される。出力信号発生部421は第1パルス発生器451、第2パルス発生器452及びフリップフロップ461を具備する。出力信号発生部421と積分器431の構造及び動作は、図2に示された出力信号発生部221及び積分器231と類似しているためにその説明を略す。
【0043】
第2遅延器442への制御信号Vc1の入力時、第1遅延器441への基準信号Vrefの入力時の信号のタイミング図は図3A及び図3Bのようである。第1遅延器441に制御信号Vc1が入力され、第2遅延器442に基準信号Vrefが入力される場合、第2遅延器442は第1クロック信号Clk_extを一定に遅延させ、第1遅延器441は積分器431から出力される制御信号Vc1に応答して第1クロック信号Clk_extを可変的に遅延させる。このように、本実施例においては、第2パルス信号PUL12の発生時点を固定し、第1パルス信号PUL11の発生時点を調整することにより、第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より長いか短い場合にフリップフロップ461から出力される第2クロック信号Clk_intのデューティサイクルを50%に補正することも可能である。
【0044】
前述したように、第1及び第2遅延器441、442は必要に応じて第1クロック信号Clk_extを可変的に遅延させるために第1クロック信号Clk_extのデューティサイクルが50%より長いか短い場合に遅延同期ループ回路401はこれを50%に補正して出力しうる。
【0045】
図5は前記図2に示された第2遅延器242及び図4に示された第1及び第2遅延器441、442のうち何れか1つを示す回路図である。図5を参照すれば、遅延器501は第1クロック信号Clk_extと信号P1を入力とし、出力信号INDを出力する。出力信号INDは図2の第2出力信号INVD、あるいは図4の第1または第2出力信号INCD1、INVD1のうち何れか1つである。遅延器501が図4の第1または第2遅延器441、442のうち何れか1つとして使われる場合、遅延器501は可変遅延器として動作することになる。
【0046】
遅延器501はNMOSトランジスタMN1乃至MN4、PMOSトランジスタMP1乃至MP3、インバータINV1、INV2、抵抗R1及びキャパシタC1を具備する。PMOSトランジスタMP1、MP2とNMOSトランジスタMN2、MN3は各々電流ミラーを形成する。信号P1の電圧レベルがNMOSトランジスタMN1のスレショルド電圧より高い状態から徐々に増加すれば抵抗R1を通じて流れる電流は増加する。これにより、PMOSトランジスタMP1、MP2で構成された電流ミラーによりNMOSトランジスタMN2に流れる電流が増加し、NMOSトランジスタMN2、MN3で構成された電流ミラーによりNMOSトランジスタMN3を通じて流れる電流が増加する。この状態で、第1クロック信号Clk_extが論理ローから論理ハイに立上ればNMOSトランジスタMN3を通じて接地端GNDに流れるインバータINV1のプルダウン(pull-down)電流が急激に増加してロードN1の電圧レベルは接地電圧レベルへ急激に低下する。ロードN1の電圧レベルが低まるとインバータINV2により出力信号INDは論理ハイとなる。
【0047】
ここで、信号P1の電圧レベルが高まるとロードN1の放電時間が速くなって出力信号INDの出力時間が速くなり、信号P1の電圧レベルが低まるとロードN1の放電時間が遅くなって出力信号INDの出力時間が遅くなる。このように、信号P1の電圧レベルによって出力信号INDの出力時間が調整される。
【0048】
インバータINV2とNMOSトランジスタMN4はラッチを形成するので出力信号INDの電圧レベルは論理ハイまたは論理ローに保ち続けられる。また、ロードN1の電圧が論理ハイから論理ローに遷移される傾斜が緩慢な際に、高い周波数を有する第1クロック信号Clk_extに対してインバータINV1の出力信号がフルスウィングできない場合が生じることを防止するため、ロードN1の電圧レベルがインバータINV2のスレショルド電圧より低くなるとNMOSトランジスタMN4は直ちにロードN1を放電させる役割をする。PMOSトランジスタMP3とキャパシタC1がロードN1電圧の放電時にその放電速度を速くすることによって出力信号INDのスイッチングタイムが速くなる。
【0049】
遅延同期ループ回路201、401は半導体装置、特にラムバスDRAM半導体装置に多用される。
【0050】
【発明の効果】
前述したように本発明によれば、遅延同期ループ回路201、401がデューティサイクル補正機能を有することによってデューティサイクル補正器を別に備える時に比べてその同期時間が大幅に短縮され、かつ第2クロック信号Clk-intに含まれるジッタも大幅に減少される。
【0051】
図面と明細書において最適の実施例が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは単に本発明を説明するために使われたものに過ぎず、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者ならこれより多様な変形及び均等な他実施例が可能なのを理解しうる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によってのみ決まるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデューティサイクル補正器及び遅延同期ループ回路のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る遅延同期ループ回路のブロック図である。
【図3A】第1クロック信号のデューティサイクルが50%より短い場合のデューティ補正及び遅延同期の過程を示すタイミングチャートである。
【図3B】図3Bは第1クロック信号のデューティサイクルが50%より長い場合のデューティ補正及び遅延同期の過程を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係る遅延同期ループのブロック図である。
【図5】図2の第2遅延器及び図4の第1及び第2遅延器のうち何れか1つを示す回路図である。
【符号の説明】
201 遅延同期ループ回路
211 遅延部
221 出力信号発生部
231 積分器

Claims (10)

  1. 第1クロック信号を入力とし、第2クロック信号を出力とする遅延同期ループ回路において、
    入力される前記第1クロック信号を所定時間だけ遅延させて第1及び第2出力信号を生成し、外部からの選択信号に応答して選択された前記第1及び第2出力信号の何れか一方の出力時間を選択的に可変させる遅延部と、
    前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると立上り、前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると立下る前記第2クロック信号を出力する出力信号発生部とを具備することを特徴とする遅延同期ループ回路。
  2. 前記遅延同期ループ回路は前記第2クロック信号を積分する積分器をさらに具備し、
    前記遅延部は前記積分器の出力信号に応答し、前記外部からの選択信号に応答して選択された前記第1及び第2出力信号の何れか一方の出力時間を選択的に可変することを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  3. 前記第1出力信号の第1論理状態は論理ローであり、
    前記第1出力信号の第2論理状態は論理ハイであることを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  4. 前記第2出力信号の第1論理状態は論理ハイであり、前記第1出力信号の第2論理状態は論理ローであることを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  5. 前記遅延部は、
    基準電圧と制御信号とが入力され、前記選択信号に応答して前記基準電圧と前記制御信号のうち何れか1つを選択して出力する第1マルチプレクサと、
    前記第1マルチプレクサの出力に応答して、入力される前記第1クロック信号の遅延時間を調整して前記第1出力信号を生成する第1遅延器と、
    前記基準電圧と前記制御信号とが入力され、前記選択信号の反転信号に応答して前記基準電圧と前記制御信号のうち何れか1つを選択して出力する第2マルチプレクサと、
    前記第2マルチプレクサの出力に応答して、前記第1クロック信号の遅延時間を調整して前記第2出力信号を生成する第2遅延器とを具備することを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  6. 前記出力信号発生部は、
    前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると第1パルス信号を出力する第1パルス信号発生器と、
    前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると第2パルス信号を出力する第2パルス信号発生器と、
    前記第1パルス信号に応答して立上り、前記第2パルス信号に応答して立下る前記第2クロック信号を生じるフリップフロップとを具備することを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  7. 前記第1遅延器は前記第1マルチプレクサが前記基準電圧を出力すれば前記第1クロック信号を一定量遅延させ、
    前記第2マルチプレクサが前記制御信号を出力すれば前記第1クロック信号を可変量遅延させることを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  8. 前記基準電圧は前記遅延同期ループ回路の電源電圧の半分であることを特徴とする請求項に記載の遅延同期ループ回路。
  9. 第1クロック信号を入力し、第2クロック信号を出力する遅延同期方法であって、前記第1クロック信号を入力する段階と、
    前記第1クロック信号を第1所定時間だけ遅延させて第1出力信号を生成する段階と、
    前記第1クロック信号を第2所定時間だけ遅延させて第2出力信号を生成する段階と、
    前記第1出力信号が第1論理状態から第2論理状態に遷移されると前記第2クロック信号を論理ローから論理ハイに立上げる段階と、
    前記第2出力信号が第2論理状態から第1論理状態に遷移されると前記第2クロック信号を論理ハイから論理ローに立下げる段階とを具備し、
    外部からの選択信号に応答して、前記第1出力信号の出力時間が一定であれば前記第2出力信号の出力時間が可変され、前記第1出力信号の出力時間が可変されると前記第2出力信号の出力時間は一定とされることを特徴とする遅延同期方法。
  10. 前記第1及び第2出力信号を生じる段階は各々前記第2クロック信号を積分する段階をさらに具備し、
    前記外部からの選択信号に応答して、前記第1及び第2出力信号の何れか一方の出力時間を前記第2クロック信号を積分して生じる信号に応答して選択的に変化させることを特徴とする請求項に記載の遅延同期方法。
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