JP3820596B2 - 制御盤用コントローラ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、動力用モータ等の負荷を制御、監視する制御盤用コントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビル等の建物には動力負荷が多数設置されているが、これらの動力負荷Mを制御する場合、図15に示すように制御シーケンスを制御盤用コントローラ1として組み込んだ制御盤2が用いられている。
制御コントローラ1は操作表示ユニット3と、制御入出力部4とからなり、操作表示ユニット3と、制御入出力部4との間ではデータの授受を行う伝送系で結び、操作表示ユニット3はモード切換スイッチの内「手動」スイッチSW1 で手動モードが設定されている時には、運転/停止操作のためのオン用、オフ用の各手動操作スイッチS 2 、S 1 の操作に基づいて動力負荷Mを運転/停止するための制御データを制御入出力部4に与えて動力負荷Mの制御出力をオン/オフし、「自動」スイッチSW3 で自動モードが設定されている時には、制御入出力部4が取り込んだ外部入力装置5からの操作データに基づいて動力負荷Mを運転/停止するための制御データを制御入出力部4に与えて動力負荷Mの制御出力をオン/オフし、「切」スイッチSW2 で切モードが設定されている場合には、手動操作及び自動操作を不可とするように働く。La、Lb、Lcは夫々の設定モードを表示する表示素子である。
【0003】
制御入出力部4は操作表示ユニット3からの制御データに基づいて動力負荷Mの電源を開閉する電磁接触器Mgを開閉する制御出力を発生し、また上記のように外部入力装置5からの動作データを取り込んだり、電磁接触器Mgの開閉に連動する補助接点を通じて、又は電磁開閉器Mgの開閉のためのコイルに流れる電流を検出することによって運転/停止の状態を受け取り、操作表示ユニット3に与えるようになっている。
【0004】
操作表示ユニット3は制御入出力部4の運転/停止の状態データや、ブレーカBrのトリップ動作によって発生する警報出力を受け取り、表示素子L1 、L2 、L3 で、停止、運転、故障を夫々表示するようになっている。
このように制御コントローラ1は動力負荷Mの運転/停止の制御の実行や、その運転/停止の状態表示は可能であるが、運転/停止回数は別途カウンタ装置で計数し、動作電流値は主回路電源線8に挿入したCT7及び電流計6を用いて計測し、表示を行っていた。
【0005】
更に建物全体の動力負荷Mと、集中管理するためのネットワークとの接続する場合には、図15に示すようにネットワーク専用の端末装置9A,9Bを制御盤2内に設け、端末装置9Aによりネットワークを通じて外部操作のデータを受け取とるとともに、また動力負荷Mの運転/停止の状態をネットワークへ送信し、端末装置9Bで、動力負荷Mの動作電流を検出するCT7’からの検出電流値をネットワークへ伝送するようになっている。10はネットワーク幹線を、11は制御盤2内の端末装置9A,9Bへのネットワークの分岐のための分岐部を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来例の場合、建物全体の動力負荷Mの個別操作及び動作状態や保守点検のためのデータを表示させ、且つ各データをネットワークで送受信するための装置や配線接続が必要であり、また保守点検等の為やシステム上の必要によりネットワークと送受信するデータの種類を変更するためには上記装置及び配線接続の物理的変更が必要であった。特に物理的変更には時間的、経済的コストがかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、負荷をネットワーク上の機器や外部入力装置或いは操作表示ユニットのスイッチの操作データにより制御することができ、しかも外部入力装置やネットワークとの接続を行なうための配線を先行させておくこともできる制御盤用コントローラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、負荷の動作状態を検出する検出手段から負荷の動作状態データを取り込んで該動作状態データを出力する機能と、負荷の運転/停止を制御する制御出力を発生させる機能と、負荷の操作データを外部入力装置から取り込んで該操作データを出力する機能とを備えた制御入出力部と、
前記制御入出力部との間でデータの授受を行う第1のインターフェースと、負荷の運転/停止の操作を行う一のスイッチと、負荷の動作状態を検出する別の検出手段からの負荷の動作状態データを取り込む第2のインターフェースと、負荷操作用端末器や負荷状態表示用端末器が接続されるとともにこれら端末器をアクセスして端末器の監視制御を行う伝送ユニットが接続されたネットワークに接続され、該ネットワークを通じて前記伝送ユニットとの間でデータの授受を行うネットワーク接続装置と、表示部と、前記一のスイッチによる前記負荷の操作データ、若しくは前記負荷操作用端末器に接続される二のスイッチの状態に基づいて前記伝送ユニットからネットワーク接続装置宛に送られくる負荷の操作データ又は前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部から取り込む負荷の操作データに基づいて負荷の制御データを生成して前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部へ与えるとともに、前記制御入出力部から前記第1のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データや、前記第2のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データに基づいて負荷の動作状態を前記表示部に表示させ、且つ前記ネットワーク装置から前記ネットワークを通じて前記伝送ユニットへ負荷の動作状態を示す動作状態データを送る信号処理手段とを備え、前記制御入出力部とは別置される操作表示ユニットとからなり、
前記制御入出力部は、前記操作表示ユニットからの前記負荷の制御データに基づいて前記制御出力を発生させて前記負荷の運転/停止を制御し、前記伝送ユニットは前記ネットワーク装置を介して前記操作表示ユニットから送られてくる動作状態データに基づいて負荷状態表示用端末器宛に負荷状態表示の制御データをネットワークを通じて送出するものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作表示ユニットは、前記一のスイッチとして、操作期間のみ負荷をオンする操作データを前記信号処理手段に与えるスイッチを備え、前記信号処理手段は前記操作期間のみ負荷を制御させる制御データを前記制御入出力部へ与えるものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記負荷が二系統の負荷であって、前記操作表示ユニットには前記二系統の負荷の何れかのみを運転するモードと両負荷を交互もしくは同時に運転するモードとを設定できる手段を備えるとともに、前記モードの設定内容に応じた制御データを生成する機能を前記信号処理手段に備え、前記制御入出力部には前記信号処理手段からの制御データに基づいて二系統の負荷を制御する制御出力を発生する機能を備えているものである。
【0012】
【作用】
請求項1の発明によれば、動力モータ等の負荷をネットワーク上の機器や外部入力装置或いは操作表示ユニットのスイッチの操作データにより制御することがができ、しかも外部入力装置やネットワークとの接続を行なうための配線を先行させておくこともでき、更にネットワークに障害が発生した場合には単独で負荷を制御することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、負荷をモーメンタリに操作制御することができる。
請求項3の発明によれば、二系統の負荷を同時運転や交互運転することが自動的にできる。
【0014】
請求項6の発明によれば、設定データをEEPROMに書き込むため、停電等があっても設定内容が保持できる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例の制御盤用コントローラ1の機能のブロック構成を示しており、制御盤用コントローラ1は従来と同様操作表示ユニット3と、制御入出力部4とからなり、その内の操作表示ユニット3は、ユニット全体の信号処理を行うCPU31と、運転モード設定のスイッチ、運転/停止の手動操作のスイッチ、設定のためのスイッチ等からなるスイッチ部と、運転、停止等の状態表示を行う表示素子や運転モードを表示する表示素子と運転/停止の回数や動作電流値を表示するための表示部とからなる表示手段と、表示手段を駆動する表示駆動部33と、これら表示駆動部33及びスイッチ部とCPU31との間に介在するマンマシンインターフェース32と、制御入出力部4とCPU31との間でデータ授受を行うための制御入出力インターフェース30と、CT等の計測手段とCPU31との間に介在する計測入力インターフェース35と、電源部36と、設定データを書込み登録するEEPROM37と、ネットワークとの間をインターフェースするネットワーク接続装置38と、設定データや、計測データを外部に光ワイヤレス信号で送信したり、設定データを受信するための光ワイヤレス送受信部39とで構成される。この光ワイヤレス送受信部39は読み出し/設定器50とでデータ読み取り/データ設定装置を構成する。また制御入出部4と操作表示ユニット3とを別置としたのは制御盤2内の配置の自由度を考慮したためである。読み出し/設定器50は、図1(b)に示すように光ワイヤレス信号の送受信部51と、キースイッチ部52と、受信したデータを記憶するRAMからなる記憶部53と、液晶表示器54と、RS232Cの通信ポート55と、プリンタ用ポート56と、これら各部の制御と信号処理を行なうCPU57と、電池電源とから構成される。
【0016】
制御盤用コントローラ1には一台の動力負荷Mの運転/停止の制御を行う一般用の単独運転系と、二台の動力負荷M1 、M2 を自動的に交互に切り換えて運転を行うための自動交互運転系と、一台の動力負荷M1 をモーメンタリー動作させるオイルギア用の単独運転系等が具体例として存在している。
つまり一般用の単独運転系の制御盤用コントローラ1の操作表示ユニット3Aは図2に示すように7セグメントの発光ダイオードからなる3桁の数字表示部34Aと、表示されている数値の単位が時間かアンペアかを示す単位表示部34Bと、動力負荷Mの状態を発光色で示す状態表示素子L0 と、運転モード表示のための表示素子La、Lb、Lcとを表示手段として備え、一方スイッチ部は「手動」「切」「自動」の運転モード設定のためのスイッチSW1 、SW2 、SW3 、運転/停止の手動操作スイッチS1 、S2 の他にデータ設定のための設定切換スイッチSWaと、数値表示部34Aで表示される内容を切り換えるための表示切換スイッチSWbとを備えているもので、その構造は図3に示すように回路及びスイッチ部、表示手段を実装したユニット本体20の前面開口部に固定ねじ21で中蓋22を固定し、中蓋22に開けられた各窓孔から露出した数字表示部34A、単位表示部34B、設定切換スイッチSWa、表示切換スイッチSWbの各操作釦に対応する文字や露出用孔等を設けた光透過可能な表示カバー23と、中蓋22に設けた窓孔から露出したスイッチSW1 、SW2 、SW3 及びS1 、S2 の操作釦及び表示素子La、Lb、Lcを露出する窓孔を設けた操作カバー24とを中蓋22の前方でユニット本体20の前面開口部に被着し、更にユニット本体20の後部にはコ字型の固定金具25を化粧ナット26で固定した構成となっており、ユニット本体20の側面からネットワーク幹線10に一定間隔で設けられたコネクタに着脱自在に接続するコネクタ27を先端に設けた接続ケーブル28を導出している。
【0017】
一台の動力負荷M1 をモーメンタリー動作させるオイルギア用の単独運転系の制御盤用コントローラ1の操作表示ユニット3Bは、外面的には図4に示すように上記の操作表示ユニット3Aと同様な表示部を備えるとともに、手動操作スイッチS1 、S2 の代わりにモーメンタリー動作をオンするための手動操作スイッチS3 を備えているものであり、構造的にも図5に示すように、図3に示す操作表示ユニット3Aとは手動操作スイッチS3 回りの実装構造及び中蓋22、操作カバー24の構造が異なるだけである。
【0018】
二台の動力負荷M1 、M2 を自動的に交互に切り換えて運転を行うための自動交互運転系の制御盤用コントローラ1の操作表示ユニット3Cは二つの動力負荷を制御するために、図6に示すように夫々の負荷に対応するように二系統の数値表示部34A1 、34A2 及び単位表示部34B1 、34B2 、状態表示素子L01、L02を表示手段として備え、これらの表示手段に対応して二系統の設定切換スイッチSWa1 、SWa2 、表示切換スイッチSWb1 、SWb2 を備えている。更に運転操作のモードを設定するために一方の動力負荷M1 のみの運転を設定するスイッチSc、二つの動力負荷M1 、M2 を交互に切り換えて運転する自動を設定するスイッチSd、他方の動力負荷M 2 のみの運転を設定するスイッチSeを備えるとともに、、これらの設定モードを表示する表示素子Lg、Lh、Liを備え、外部入力やネットワークからの制御を不可とするとともに、上記スイッチSc又はSeで選択された動力負荷M1 又はM2 をオンする「試験」モード、運転を切り状態にする「切」モード、外部入力やネットワークからの制御で運転する「自動」モードの各運転モードを設定するためのスイッチSW11、SW12、SW13を備えるとともに、これらのモードを表示する表示素子Ld、、Le,Lfを備えている。構造的には上記の単独運転系の操作表示ユニット3A,3Bの構造に対して図7に示すようにスイッチ部及び表示部の実装構造と、この実装構造に対応するように中蓋22、表示カバー23、操作カバー24が変更されている。
【0019】
図8はこれら操作表示ユニット3A,3B、3Cに対応した制御盤用コントローラ1A,1B、1Cをネットワークに接続したシステム例を示している。
図7において、一般用単独運転系の制御盤用コントローラ1Aを内装する制御盤2A及びオイルギア用の単独運転系の制御盤用コントローラ1Bを内装する制御盤2Bには主回路の保護、電源との開閉を行うとともに運転動作電流を検出する計測手段を内蔵し、また、漏電、欠相等を検出してトリップ動作し、これらの計測情報や動作情報を出力する機能が備わったブレーカBrと、動力負荷Mの運転/停止を制御入出力部4からの制御出力により動作する電磁接触器Mgと、主電源回路線とからなる主回路を組み込み、制御入出力部4と電磁接触器Mgとの間の信号線及び、操作表示ユニット3とブレーカBrとの間の信号線が配線され、更に外部のネットワーク幹線10及電源主幹路15が導入され、また外部入力装置5の動作データや、動力負荷Mに設けた温度センサや振動センサを接続してあるセンサ装置16の検出データを制御入出力部4に送るための信号線が導入されている。
【0020】
一方自動交互運転系の制御盤用コントローラ1Bを内装する制御盤2Bには受水装置等のポンプ運転に用いられる二系統の動力負荷M1 、M2 に対応するように二系統のブレーカBr1 、Br2 と、電磁接触器Mg1 、Mg2 と、夫々の主電源回路線とからなる主回路を組み込み、制御入出力部4と電磁接触器Mg1 、Mg2 との間の信号線が配線されるとともに操作表示ユニット3とブレーカBr1 、Br2 との間の信号線が配線され、更に外部の液位センサ18から信号線を介して受け取った検出信号に基づいた液位データを制御入出力部4に入力する液位リレー19を内装してある。
【0021】
図示するシステムのネットワークは照明負荷等を遠隔制御する監視制御システムを構築しているもので、中央監視装置40に設けた伝送ユニット41から時分割多重伝送信号が送られ、この時分割多重伝送信号に含まれるアドレスが夫々の制御盤用コントローラ1A〜1Cの操作表示ユニット3A〜3Cに設定してあるアドレス等の端末のアドレスと一致した時に、制御盤用コントローラ1A〜1Cの操作表示ユニット3A〜3C等の端末はデータを受け取り、またアンサーバック領域として設けてある返送待機期間に負荷状態等のデータを返送するようにして、伝送ユニット41と、各制御盤用コントローラ1A〜1C等の端末との間でデータの授受が行えるようにしたもので、中央監視装置40では伝送するデータの作成や、状態の表示が伝送ユニット41と通信によりデータの授受を行うディスプレィステーション42により行えるようになっている。
【0022】
ここでネットワーク幹線10は図9、図10に示すように上記の時分割多重伝送信号を伝送するための2線の信号線101 、102 と、制御盤用コントローラ1A〜1Cのバックアップ電源を供給するための2線の電源供給線103 、104 とからなる4芯のケーブルで構成され、この4芯のケーブルには一定間隔Xで接続用コネクタ17が設けられ、この接続用コネクタ17に各操作表示ユニット3A〜3Cに設けてあるコネクタ27を接続することによりネットワークと接続することができるようになっており、ねじ端子を用いる場合に比べて接続作業が簡単に行える。尚伝送ユニット41から送られる電源はDC24Vであり、また時分割多重伝送信号はVP-0 が24Vのベースバンド信号であって、図11(a)に示すようにスタートマークS1,S0と、この後に続くデータ可変長のデータ送信帯DAと、返送待機期間WTと、休止帯Eとからなり、データ送信帯DAには制御データや宛て先を示すアドレスデータが書き込まれる。また返送待機期間WTは操作表示ユニット3A〜3C等の端末側で信号線101 、102 間をインピーダンスを介して短絡することにより電流モードの可変長の返送信号を伝送ユニット41へ返送する期間である。
【0023】
そして通常は伝送ユニット41からこの時分割多重伝送信号が所定のアドレスに対してサイクリックに伝送が為され、状態変化等が端末側であった場合に上記スタートマークS1のタイミングで電流モードの割り込み信号Siを図11(b)に示すように発生させて返送待機期間WTのタイミングでデータを伝送ユニット41に返送し、この返送に伴って伝送ユニット41では割り込みをかけた端末のアドレスサーチを行った後そのアドレスに対して時分割多重伝送信号でアクセスし、データを端末より受け取るようになっている。
【0024】
制御盤用コントローラ1A〜1Cの操作表示ユニット3A〜3Cはこのようにしてネットワークを通じて動力負荷M、M1 、M2 を制御するための操作データを受け取ったり、或いは負荷動作の状態データを随時伝送ユニット41へ送り、中央監視装置40側による集中監視制御が可能となっている。
またネットワークに設けた壁スイッチ型の操作用端末器60を用いてスイッチ操作データを伝送ユニット41に返送させ、この返送データに基づいて対応する操作表示ユニット3に対して負荷制御データを操作データとして伝送し、また操作表示ユニット3からの負荷動作の状態データを受けた伝送ユニット41では表示用端末器61に表示制御データを伝送して、その表示用端末器61に接続される表示器を用いて動力負荷の状態を表示することもできる。
【0025】
次に各制御盤用ユニット1A,1B,1Cの動作について説明する。
制御盤用ユニット1Aの操作表示ユニット3Aでは操作スッチSW1 〜SW3 の釦操作で運転モードが選択でき、この手動モードの選択時にはCPU31の制御の下で手動操作スイッチS1 、S2 の操作による操作のみを受け付け、手動操作スイッチS1 が押されると、CPU31は動力負荷M1 をオンさせる制御データを制御入出力部4に与え、制御入出力部4はこの制御データに基づいて電磁接触器Mgをオンさせる制御出力を発生保持する。また操作スイッチS2 が押されると、CPU31は動力負荷M1 をオフさせる制御データを制御入出力部4に与え、制御入出力部4はこの制御データに基づいて制御出力をオフして電磁接触器Mgをオフさせ、制御出力のオフ状態を次のオンさせる制御データが与えられるまで保持する。
【0026】
自動モードの時にはCPU31は外部入力装置5若しくはネットワークからの操作データに基づいて制御入出部4に制御データを与え、動力負荷Mの運転/停止を行うようになっており、操作データを外部入力装置5又はネットワークの何れかから受け取るかは後述の設定操作により設定できる。切モードの時には運転停止状態となり、制御入出力部4からの制御出力はオフとする。
【0027】
ここで操作表示ユニット3Aの数字表示部34A、単位表示部34Bとで、CPU31の制御の下で、現在の運転電流値、個別警報データ、ピーク電流値、累積運転/停止回数、積算運転時間がモニタでき、このモニタの切換えは表示切換スイッチSWbの操作で行え、また突入電流回避時間、過負荷予告レベル、軽負荷警報レベル、停電時の際始動開始の遅れ時間、外部制御方式等の設定が設定切換スイッチSWaと表示切換スイッチSWbの操作で設定ができるようになっている。
【0028】
まずモニタでは、表示切換スイッチSWbの押し操作の度にCPU31の制御の下で、数字表示部37Aの表示及び単位表示部37Bの表示内容が上記の順で切り換わり、積算運転時間の表示が終わると常時の表示つまり現在の運転電流値の表示に戻る。また呼出表示項目の表示継続時間中に表示切換スイッチSWbの操作が無ければ、常時の表示状態に戻り、また個別警報データにおいて、報知する警報がない場合には、この表示はスキップされて次の表示項目に飛ぶようにもなっている。
【0029】
ここで個別警報データは、ブレーカBrのトリップ情報、過負荷予告、軽負荷警報、ネットワークの伝送不良、CPU31の異常、EEPROM37の異常、制御入出力部4のリセット、操作表示ユニット自体のリセット等を数字とアルファベットの組合わせコードで表示される。
運転/停止の回数は、CPU31でカウントし、また積算運転時間もCPU31で計測し、内蔵RAMに保持するようになっている。
【0030】
データ設定は運転モードが切モードの時に可能となっており、設定切換スイッチSWaを操作すると、数字表示部37Aの表示内容が設定項目に応じて切り換わり、この設定項目の表示時においてユーザ設定が行えるものにおいては、表示状態で表示切換スイッチSWbの操作を行うと表示数値が切り換わり、所定の数値の表示時に設定切換スイッチSWaを操作すれば、その表示数値が設定数値としCPU31の制御の下でEEPROM37に書き込まれることになる。ここで外部制御方式としてネットワークを設定した場合には、上述の自動モードの時には、ネットワークの操作データが有効となり、逆に外部入力を設定した場合には外部入力装置5の操作データが有効となる。
【0031】
勿論EEPROM37に書き込まれるデータとしてはネットワーク上の固有アドレスもある。
尚これらの設定とモニタとを光ワイヤレス信号を利用した図12に示す設定器50を用いて行うようにしても良い。この場合操作表示ユニット3側に光ワイヤレス送受信部39を図1に備え、この光ワイヤレス送受信部39の送受光部をユニット本体20の外に露出させ、外部から設定器50との間で信号の送受信を可能とし、設定器50からのコマンドに応じて設定データの書き換え、或いは設定データの設定器50への送信を行ない設定データの確認を設定器50の表示部51で表示して確認することができる。
【0032】
勿論制御盤用ユニット1を制御盤2に組み込む際に上記の操作表示ユニット3の送受光部を外部に露出させるようにすれば、盤の扉を開けることなく容易に設定確認ができることなる。図13はこの時の設定状態を示す図面である。
以上のようにデータ設定が行えることにより、制御盤2内の物理的変更を伴うことなくネットワークとのデータの送受信の設定、点検保守のデータ設定等が簡便に行なえるのである。
【0033】
上記説明は制御盤用ユニット1Aの操作表示ユニット3Aについてであるが、制御盤用ユニット1Bの操作表示ユニット3Bは操作スイッチSW4 が押し操作されているときのみ、或いはネットワーク又は外部入力装置5からの操作データが継続している間だけ、制御入出部4を通じて制御出力を発生させ、操作データ或いは操作スイッチSW4 の操作が解除されると、制御出力をオフするモーメンタリー動作を行なう点で制御盤用ユニット1Aの操作表示ユニット3Aと異なるだけで、その他の動作は制御盤用ユニット1Aの操作表示ユニット3Aに準ずる。
【0034】
また二台の動力負荷M1 、M2 を自動的に交互に切り換えて運転を行うための自動交互運転系の制御盤用コントローラ1の操作表示ユニット3Bは、二系統の動力負荷M1 、M2 に対する制御処理を行なう点で他の操作表示ユニット3A,3Cと異なっているだけで、基本的には同じような動作を為す。但し、二系統の動力負荷M1 、M2 の自動反転や、同時運転等のバックアップ運転方式の設定や、水槽数、種類とバックアップ運転用の警報等の設定が行なえるように成っている。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明は、負荷の動作状態を検出する検出手段から負荷の動作状態データを取り込んで該動作状態データを出力する機能と、負荷の運転/停止を制御する制御出力を発生させる機能と、負荷の操作データを外部入力装置から取り込んで該操作データを出力する機能とを備えた制御入出力部と、前記制御入出力部との間でデータの授受を行う第1のインターフェースと、負荷の運転/停止の操作を行う一のスイッチと、負荷の動作状態を検出する別の検出手段からの負荷の動作状態データを取り込む第2のインターフェースと、負荷操作用端末器や負荷状態表示用端末器が接続されるとともにこれら端末器をアクセスして端末器の監視制御を行う伝送ユニットが接続されたネットワークに接続され、該ネットワークを通じて前記伝送ユニットとの間でデータの授受を行うネットワーク接続装置と、表示部と、前記一のスイッチによる前記負荷の操作データ、若しくは前記負荷操作用端末器に接続される二のスイッチの状態に基づいて前記伝送ユニットからネットワーク接続装置宛に送られくる負荷の操作データ又は前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部から取り込む負荷の操作データに基づいて負荷の制御データを生成して前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部へ与えるとともに、前記制御入出力部から前記第1のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データや、前記第2のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データに基づいて負荷の動作状態を前記表示部に表示させ、且つ前記ネットワーク装置から前記ネットワークを通じて前記伝送ユニットへ負荷の動作状態を示す動作状態データを送る信号処理手段とを備え、前記制御入出力部とは別置される操作表示ユニットとからなり、前記制御入出力部は、前記操作表示ユニットからの前記負荷の制御データに基づいて前記制御出力を発生させて前記負荷の運転/停止を制御し、前記伝送ユニットは前記ネットワーク装置を介して前記操作表示ユニットから送られてくる動作状態データに基づいて負荷状態表示用端末器宛に負荷状態表示の制御データをネットワークを通じて送出するので、動力モータ等の負荷をネットワーク上の機器や外部入力装置或いは操作表示ユニットのスイッチの操作データにより制御することがができ、しかも外部入力装置やネットワークとの接続を行なうための配線を先行させておくこともできるという効果がある。
【0036】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作表示ユニットは、前記一のスイッチとして、操作期間のみ負荷をオンする操作データを前記信号処理手段に与えるスイッチを備え、前記信号処理手段は前記操作期間のみ負荷を制御させる制御データを前記制御入出力部へ与えるので、負荷をモーメンタリに操作制御することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記負荷が二系統の負荷であって、前記操作表示ユニットには前記二系統の負荷の何れかのみを運転するモードと両負荷を交互もしくは同時に運転するモードとを設定できる手段を備えるとともに、前記モードの設定内容に応じた制御データを生成する機能を前記信号処理手段に備え、前記制御入出力部には前記信号処理手段からの制御データに基づいて二系統の負荷を制御する制御出力を発生する機能を備えているので、二系統の負荷を同時運転や交互運転することが自動的にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御盤用コントローラの機能を示すブロック図である。
【図2】同上の単独運転系の一般用操作表示ユニットの正面図である。
【図3】同上の単独運転系の一般用操作表示ユニットの分解斜視図である。
【図4】同上の単独運転系のオイルギア用操作表示ユニットの正面図である。
【図5】同上の単独運転系のオイルギア用操作表示ユニットの分解斜視図である。
【図6】同上の自動交互運転系の操作表示ユニットの正面図である。
【図7】同上の自動交互運転系の操作表示ユニットの分解斜視図である。
【図8】同上を使用したシステム構成図である。
【図9】同上に用いるネットワーク幹線の説明図である。
【図10】同上に用いるネットワーク幹線と制御盤用ユニットの接続説明図である。
【図11】同上に用いるネットワークに使用する時分割多重伝送信号のフォーマット説明図である。
【図12】同上に用いるワイヤレス設定器の斜視図である。
【図13】同上に用いるワイヤレス設定器の使用説明図である。
【図14】従来例の説明図である。
【図15】別の従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 制御盤用コントローラ
3 操作表示ユニット
4 制御入出力部
31 CPU
37 EEPROM
38 ネットワーク接続装置
Claims (3)
- 負荷の動作状態を検出する検出手段から負荷の動作状態データを取り込んで該動作状態データを出力する機能と、負荷の運転/停止を制御する制御出力を発生させる機能と、負荷の操作データを外部入力装置から取り込んで該操作データを出力する機能とを備えた制御入出力部と、
前記制御入出力部との間でデータの授受を行う第1のインターフェースと、負荷の運転/停止の操作を行う一のスイッチと、負荷の動作状態を検出する別の検出手段からの負荷の動作状態データを取り込む第2のインターフェースと、負荷操作用端末器や負荷状態表示用端末器が接続されるとともにこれら端末器をアクセスして端末器の監視制御を行う伝送ユニットが接続されたネットワークに接続され、該ネットワークを通じて前記伝送ユニットとの間でデータの授受を行うネットワーク接続装置と、表示部と、前記一のスイッチによる前記負荷の操作データ、若しくは前記負荷操作用端末器に接続される二のスイッチの状態に基づいて前記伝送ユニットからネットワーク接続装置宛に送られくる負荷の操作データ又は前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部から取り込む負荷の操作データに基づいて負荷の制御データを生成して前記第1のインターフェースを通じて前記制御入出力部へ与えるとともに、前記制御入出力部から前記第1のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データや、前記第2のインターフェースを通じて取り込む前記負荷の動作状態データに基づいて負荷の動作状態を前記表示部に表示させ、且つ前記ネットワーク装置から前記ネットワークを通じて前記伝送ユニットへ負荷の動作状態を示す動作状態データを送る信号処理手段とを備え、前記制御入出力部とは別置される操作表示ユニットとからなり、
前記制御入出力部は、前記操作表示ユニットからの前記負荷の制御データに基づいて前記制御出力を発生させて前記負荷の運転/停止を制御し、前記伝送ユニットは前記ネットワーク装置を介して前記操作表示ユニットから送られてくる動作状態データに基づいて負荷状態表示用端末器宛に負荷状態表示の制御データをネットワークを通じて送出することを特徴とする制御盤用コントローラ。 - 前記操作表示ユニットは、前記一のスイッチとして、操作期間のみ負荷をオンする操作データを前記信号処理手段に与えるスイッチを備え、前記信号処理手段は前記操作期間のみ負荷を制御させる制御データを前記制御入出力部へ与えることを特徴とする請求項1記載の制御盤用コントローラ。
- 前記負荷が二系統の負荷であって、前記操作表示ユニットには前記二系統の負荷の何れかのみを運転するモードと両負荷を交互もしくは同時に運転するモードとを設定できる手段を備えるとともに、前記モードの設定内容に応じた制御データを生成する機能を前記信号処理手段に備え、前記制御入出力部には前記信号処理手段からの制御データに基づいて二系統の負荷を制御する制御出力を発生する機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の制御盤用コントローラ。
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