JP3818565B2 - N−メチルアニリン誘導体の製造方法 - Google Patents
N−メチルアニリン誘導体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアニリン誘導体からN−メチルアニリン誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、N−メチルアニリンの工業的製法としては、三塩化リンなどを触媒として、アニリンとメタノールを脱水縮合させることにより製造する方法が知られている。この方法はメタノールの沸点以上の高温(例えば 170℃)で反応させるため、オートクレーブのような高圧反応装置を必要とする。更に、本発明のように原料としてベンゼン環の水素原子の一部がハロゲン置換したアニリン誘導体を使用する場合、副反応として脱ハロゲン反応を生じてしまい収率が低下する。
【0003】
その他、濃硫酸存在下でクロロアニリンとオルトギ酸メチルとを反応させて酸アミドにした後、加水分解によりクロロ−N−メチルアニリンに誘導する方法も知られている(Org.Synth.,IV,1963,p420 )が、この方法は反応工程が煩雑で、収率が40%前後と低い。また、原料のオルトギ酸メチルが高価であるので実用的な方法ではなかった。
【0004】
他に、アルカリ水溶液存在下で、アニリン誘導体とホルマリンとを反応させた後、亜鉛で還元することにより、N−メチルアニリンを得る方法も知られている(J.Chem.Soc.,115,1919,p198 )がこの方法は反応時間が長く、収率も40〜50%と低く、また、亜鉛の廃棄物処理の問題もあるので実用化が困難である。
また、アルカリ存在下で、アニリン誘導体とパラホルムアルデヒドとを反応させた後、還元することによりN−メチルアニリン誘導体を得る方法もある(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1984,p1334 )が、この方法では、収率は70〜90%と良いが、パラホルムアルデヒドが反応中に急激に分解し、爆発する恐れがあるので危険であり、スケールアップによる工業化が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは上記の諸問題点を解決する方法、即ち、原料が安価で、反応時間が短く、反応工程が簡明で、収率が高く、特別の反応装置を必要とせず、原料ロスの原因となる副反応や危険な反応を伴わない、副成物や触媒の廃棄物処理の問題が無い方法を鋭意研究の結果、本発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明はアルカリの非水溶液中で、下記一般式(化3)で表わされるアニリン誘導体とホルマリンとを反応させた後、有機層を分液により分取し、これを還元剤で還元することを特徴とする下記一般式(化4)で表わされるN−メチルアニリン誘導体の製造方法である。
【化3】
【化4】
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における、アニリン誘導体とホルマリンとの反応は、アルカリの非水溶液中にホルマリンを加え、次いでアニリン誘導体を滴下し反応させることによりシッフ塩基を形成させる。
本発明におけるアルカリの非水溶液とは、例えばアルカリをアルコール類に溶解させた溶液である。具体的には、メタノール、エタノール溶液が好ましい。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコキシドあるいはカリウムアルコキシドが好適である。アルカリの量は、アニリン誘導体1mol に対して0.02〜0.4mol、好ましくは0.05〜0.2molがよい。
本発明におけるホルマリンのホルムアルデヒド濃度はなるべく高い方がよく、25%以上、好ましくは30%以上がよい。ホルマリンのホルムアルデヒド濃度が低いと、反応系内の水の割合が増えるためシッフ塩の形成を阻害し、収率低下を招くことがある。通常はホルムアルデヒド濃度が40%前後の市販のホルマリンが好ましい。
本発明におけるホルムアルデヒドの量は、アニリン誘導体1mol に対して 1.0〜2.0mol、好ましくは 1.1〜1.5molである。本発明における反応温度は20〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、反応時間は 0.5〜2時間、好ましくは1時間である。反応液は水層と有機層に分かれ、反応により生成したシッフ塩基は有機層に含まれるのでこの有機層を分液により分取する。未反応のホルムアルデヒドは水層に残る。これにより、目的とする化合物(シッフ塩基)を効率よく得ることができる。
【0008】
本発明における還元反応は公知の方法が使用可能である。例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムによる還元、亜鉛による還元、ラネーニッケルによる接触還元など、いずれの方法でもよいが、ベンゼン環に結合するハロゲン原子を還元してはならないこと、取り扱いの容易さ、反応性などの観点から、水素化ホウ素ナトリウムによる還元が最も好ましい。
本発明における還元反応方法を具体的に述べると、有機溶媒中に水素化ホウ素ナトリウムを溶解、懸濁させておき、これに、上記で得られた有機層(シッフ塩基)を滴下し反応させればよい。
水素化ホウ素ナトリウムを溶解、懸濁させる有機溶媒としては、水素化ホウ素ナトリウムによる還元反応を阻害するものでなければ、いずれのものでもよく、例えばTHF、トルエン、キシレン、ヘキサン、DMF、エタノール、1,2−ジメトキシエタンなどが挙げられる。
本発明における還元反応の水素化ホウ素ナトリウムの量は、上記のアニリン誘導体1mol に対して 0.5〜1.5mol、好ましくは 0.6〜1.0molである。
本発明における還元反応の反応温度は、溶媒にもよるが、室温〜150 ℃、あるいはその範囲に溶媒の沸点がある場合には、室温〜溶媒の沸点温度の範囲でよい。好ましくは、50〜120 ℃で上記有機層を水素化ホウ素ナトリウムの懸濁液に徐々に滴下し反応させるのがよい。
【0009】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
ジムロート、滴下ロート、温度計、マグネティックスターラーを備えた 500mlの四つ口フラスコに、ナトリウムメトキシドを28%含有するメタノール溶液19.3gを仕込み、次いで37%のホルマリン48.6gを滴下ロートでゆっくりと加えた。その後、3−クロロアニリン63.8gを約10分かけて滴下し、滴下終了後、50℃で約1時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、分液ロートに移して分液し、有機層を85.9g得た。
次いで、ジムロート、滴下ロート、温度計、マグネティックスターラーを備えた 500mlの四つ口フラスコに水素化ホウ素ナトリウム13.3gとTHF55.0gを仕込み、60℃に加温したところへ、有機層成分85.9gを滴下ロートで約30分かけて滴下した。反応の進行に伴い発熱するため、滴下中はTHFがリフラックスする状態で行った。滴下終了後、70℃で30分熟成した後、室温まで冷却し、 7.2%の塩酸水溶液 150gをゆっくりと投入して未反応の水素化ホウ素ナトリウムを水溶性化合物に変換させた後、分液ロートでTHF層を89.2g分取した。これを蒸留したところ、沸点が86℃/3mmHgの留分59.8g(ガスクロ純度98.1%)を得た。 1H−NMR、赤外線分析および元素分析した結果、3−クロロ−N−メチルアニリンであることを確認した。収率は83%であった。
【0010】
(NMR分析結果)
δ2.69(s,N−CH3 ,3H)
δ3.35(bs,N−H,1H)
δ6.2 〜7.2 (m,arom,4H)
(赤外線分析結果)
3427cm−1 νN−H
1601cm−1 arom.
1508cm−1 arom.
(元素分析結果)
結果を表1に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
(比較例1)
37%のホルマリン48.6gの代わりに19%のホルマリン96.0gを使用した以外は実施例1と同様の操作で反応を行った。最終的に蒸留によって得られた留分は42.5g(ガスクロ純度97.5%)であり、これから計算される収率は59%であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明の方法によればアニリン誘導体のN−メチル化が通常の反応器で、反応時間が短く、簡明な反応工程で、収率が高く、原料ロスの原因となる副反応や危険な反応を伴わず、廃棄物処理の問題がなく且つ安価な原料で行うことができる。
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