JP3818471B2 - 転がり案内及び転がり案内を用いた免震用転がり支承 - Google Patents

転がり案内及び転がり案内を用いた免震用転がり支承 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり案内及び転がり案内を用いた免震用転がり支承に関する。
【0002】
【従来の技術】
免震建物、免震床、免震台等の免震構造を構成するために用いる免震装置の機能としては、1)建物、床、台等の水平方向の変位を許容しつつ鉛直荷重を支える、2)その水平方向の変位に対して復元力を与える、3)その水平方向の運動に対して減衰力を与える、という3つの機能が必要とされる。
積層ゴムは、上記1)と2)の機能を有するように構成することも、また、上記1)〜3)の全ての機能を有するように構成することもでき、しかもその構成が非常に簡明であるが、ただし積層ゴムが適合する用途は、例えば中高層のコンクリート造建物や大規模橋梁等のように、かなり大きな重量を有する構造物の免震構造に殆ど限られてしまう。
支える重量が比較的軽量である場合には、上記1)の機能を担う転がり支承ないし滑り支承と、上記2)の機能を担うスプリング機構と、上記3)の機能を担うダンパ機構とを組み合わせて免震装置を構成するのが一般的である。
また、積層ゴムは引き抜き力に対する抵抗力が弱いため、大きな引き抜き力が加わるような用途には適しておらず、そのような場合にも、引き抜き力に耐えられる構造の支承に、スプリング機構及びダンパ機構を組み合わせて構成した免震装置が一般的に用いられる。
また、そのような免震装置を介して上部構造と下部構造とを連結した免震構造において、その下部構造から上部構造へ伝達される振動力を特に小さく抑えたいという場合には、摩擦がより小さいという理由で、滑り支承より転がり支承の方が好んで用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記1)〜3)の3つの機能を、支承と、スプリング機構と、ダンパ機構とに個別に担当させるようにした免震装置には、その免震特性を精密に設定し易いという利点があるが、一方では、部品点数が多くなり免震装置が複雑化しがちであるという不利な点がある。
この点を改善するために、支承そのものに減衰機能を付与することが考えられるが、ただしその場合には、減衰機能を付与するために必要な付加構造が複雑でないこと、そして、その減衰機能を所望の減衰特性に設定できるものであることが望まれる。
これらの要求を満足する減衰機能を備えた免震用転がり支承は、簡明な構成で高性能の免震装置を構成する上で大いに役立つものと期待されるが、従来はそのような免震用転がり支承はなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、構成が簡明で減衰機能を備えその減衰特性を容易に様々に設定することのできる免震用転がり支承を構成するのに適した、転がり案内を提供することにある。
本発明の第2の目的は、構成が簡明で減衰機能を備えその減衰特性を容易に様々に設定することのできる免震用転がり支承を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、本発明にかかる転がり案内は、細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は弾性部材を介して前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の前記摩擦摺接部に対して接近及び離隔する方向の高さが前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記摩擦摺接機構が、前記摩擦抵抗力の大きさを調節する摩擦抵抗力調節機構を備えていることを特徴とする。
また、本発明にかかる転がり案内は、細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、前記摩擦摺接面は前記ガイドレールの両側面に形成されており、前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は一対の摩擦パッドで構成されており、前記摩擦摺接機構は前記一対の摩擦パッドを前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧する押圧機構を含んでおり、前記一対の摩擦パッドは弾性部材を介して前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の側方張り出し量が前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記一対の摩擦パッドと前記摩擦摺接面との間に発生する前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記摩擦摺接機構が、前記一対の摩擦パッドと前記摩擦摺接面との間に発生する摩擦抵抗力の大きさを調節する摩擦抵抗力調節機構を備えており、該摩擦抵抗調節機構が前記一対の摩擦パッドを前記摩擦摺接面へ押圧する押圧力を調節する押圧力調節機構から成ることを特徴とする。
また、本発明は、前記ガイドの位置が前記ガイドレールの長手方向の中央に近付くほど前記摩擦抵抗力が大きくなるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記ガイドの位置が前記ガイドレールの端部に近付くほど前記摩擦抵抗力が大きくなるようにしたことを特徴とする。
また、前記第2の目的を達成するため、本発明にかかる免震用転がり支承は、前記転がり案内を使用した免震用転がり支承において、水平に配設した1本の前記ガイドレールまたは同一水平面上に互いに平行に配設した複数本の前記ガイドレールと、そのように配設したガイドレール上を走行する1個または複数個の前記ガイドとで転がり案内機構を構成し、2組の前記転がり案内機構をそれら転がり案内機構のガイドレールが互いに交差する方向に延在するようにして上下に二段に重ね合わせて構成したことを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、ガイドレールに設けた摩擦摺接面とガイドに設けた摩擦摺接機構の摩擦摺接部との間に発生する摩擦抵抗力を利用して、転がり案内ないし免震用転がり支承に減衰機能を付与している。そのため、簡明な構成で減衰機能を備えた転がり案内ないし免震用転がり支承が得られ、しかもその減衰特性を容易に様々に設定することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明して行く。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる転がり案内の側面図、図2は図1の転がり案内の正面図である。
図1及び図2において、転がり案内10は、細長いガイドレール12と、鋼球(ボール)または鋼製ころ(ローラ)から成る転動体を介してこのガイドレール12上をこのガイドレール12の長手方向に走行するガイド14とを備えたものである。
このような構成の転がり案内は、リニアガイドないしリニアベアリングという名称で様々なものが市販されている。また、ボールを使用したものはボールガイド、ローラを使用したものはローラガイドとも呼ばれ、ガイドレール上を走行するガイドはベアリングと呼ばれることもある。
本発明は、市販のリニアベアリングのうちの適当なものに改造を加えて実施することも可能であり、リニアベアリングとしての本来の機能を得るために必要な構造は一般的なものでよく、従ってそれについては簡単に説明するにとどめる。
【0007】
ガイドレール12は、図2に示すように、その断面形状が略々矩形であり、互いに平行な両側面を有する。また、各側面の上下方向中央よりやや上方に、このガイドレール12の長手方向に延在する断面円弧形のボール係合溝16が形成されている。
ガイド14は、一対のボール循環保持機構を備えており、それらボール循環保持機構は、このガイド14の内部の、ガイドレール12の両側に位置する箇所に組み込まれている。
各々のボール循環保持機構は、複数個の鋼球(例えば20個程度)を循環可能に保持しており、常にそれらのうちの所定個数の鋼球(例えば9個程度)がガイドレール12のボール係合溝16と係合した状態にあるようにしており、それら鋼球が転動しつつボール循環保持機構の中を循環することによって、ガイド14がガイドレール12上を滑らかに、非常に小さな抵抗力しか作用しない状態で走行できるようにしてある。
また、鋼球がボール係合溝16と係合することで、ガイド14とガイドレール12とはしっかりと係合しており、それによって、ガイドレール12の長手方向に作用する荷重以外の全ての荷重が支えられるようになっている。
【0008】
ガイドレール12の表面に、このガイドレール12の長手方向に延在する摩擦摺接面18を設けるようにしており、図示例では、ガイドレール12の両側面のボール係合溝16より下方の平面部分をもって、摩擦摺接面18としている。
一方、ガイド14に、摩擦摺接機構20を設けるようにしており、図示例では、この摩擦摺接機構20をボルト22でガイド14に固定している。
摩擦摺接機構20は、ガイド14と略々同じ幅の支持ブロック24と、この支持ブロック24をガイド14に連結する一対のステー26と、支持ブロック24から下方へ延出するパッド支持アーム28と、それらパッド支持アーム28の下端に取り付けられた一対の摩擦パッド30と、摩擦抵抗力調節機構32とで構成されている。
一対の摩擦パッド30はガイド14に連結されていてガイド14と一体に運動する。これについて更に詳しく説明すると、支持ブロック24は、一対のステー26を介してガイド14に連結されており、更にこの支持ブロック24に、一対のパッド支持アーム28の上端が固定されている。
ステー26、支持ブロック24、及びパッド支持アーム28は、ボルト34で一体に連結されており、こうして組み立てられた摩擦摺接機構20の全体が、既述の如くボルト22でガイド14に固定されている。
【0009】
パッド支持アーム28は、例えばばね鋼の薄板等を用いて、上下方向及びガイドレール12の長手方向には剛性を有し、ガイドレール12の幅方向には弾性を有するように形成する。
摩擦摺接機構20の摩擦摺接部である一対の摩擦パッド30は、ガイドレール12の両側面の摩擦摺接面18の夫々に摺接する位置に取り付けられている。
そして、摩擦パッド30を摩擦摺接面18に摺接させることで、それらの間にガイドレール12上のガイド14の運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにしている。
以上の説明から明らかなように、摩擦パッド30は、パッド支持アーム28の弾性力によって摩擦摺接面18へ押圧されている。
【0010】
前述の摩擦抵抗力調節機構32は、一対のパッド支持アーム28の夫々に形成した孔に挿通したねじ棒36と、このねじ棒36の両端に螺合して夫々のパッド支持アーム28の外側面に係合する各一対のナット(即ち、ダブルナット)38とで構成されており、ダブルナット38のねじ棒36上での螺合位置を任意に変更することで、ダブルナット38と係合した位置における一対のパッド支持アーム28の間隔を調節できるようにしている。
即ち、この間隔を狭めれば、摩擦パッド30が摩擦摺接面18を押圧する押圧力が増大して両者間に発生する摩擦抵抗力が増大し、この間隔を広げれば発生する摩擦抵抗力が減少する。
従って、一対の摩擦パッド30をガイドレール12の両側面の摩擦摺接面18へ押圧する押圧力を調節することで、両者間に発生する摩擦抵抗力を調節するようにしており、この方式によれば簡明な構成で容易に摩擦抵抗力を調節することができる。
【0011】
摩擦パッド30の材質を適切に選択すれば、市販のリニアベアリングのガイドレールの表面をそのまま摩擦摺接面18として使用することも可能である。
ただし、より大きな摩擦抵抗力が望まれる場合には、そのガイドレールの表面の摩擦摺接面18とすべき領域に、テープ状に形成した適当な摩擦材料を貼着したり、塗料状の摩擦材料を被着するようにしてもよい。
更に、ガイドレール12の表面のうちの摩擦摺接面18とすべき領域に粗面加工を施して摩擦係数を増大させるのも有力な方法である。
【0012】
転がり案内10は、その粗面加工により、ガイドレール12の両側面の摩擦摺接面18の表面粗度をガイドレール12の長手方向位置に応じて変化させることで、一対の摩擦パッド30とそれら摩擦摺接面18との間に発生する摩擦抵抗力の大きさがガイドレール12の長手方向におけるガイド14の位置に応じて変化するようにしている。
そして、図示例では、ガイド14の位置がガイドレール12の長手方向の中央に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなるようにしている。
ただし、ガイド14の位置がガイドレール12の端部に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなるようにする場合もあり、摩擦抵抗力をどのように変化させるかは、いかなる減衰特性が望まれるかに応じて様々に設定することができる。
【0013】
例えば、ガイド14の位置がガイドレール12の長手方向の中央に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなり、従って減衰力が大きくなるように設定した転がり案内を用いて製作した免震装置は、ガイド14の位置がガイドレール12の中央付近にとどまる小振動に対しては大きな減衰力を発生するのに対して、ガイド14がガイドレール12の端部付近まで移動するような大振動に対してはそれより小さな減衰力を発生するような減衰特性を持つことになる。
また、ガイド14の位置がガイドレールの端部に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなるように設定した転がり案内を用いて製作した免震装置は、それとは逆の減衰特性を持つことになる。
更に、摩擦抵抗力の変化のさせ方は以上のものに限られず、免震装置によって免震化すべき構造物の振動特性に応じた好適な減衰特性が得られるように、様々に変化させることができる。
【0014】
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる転がり案内について説明する。
図3は本発明の第2の実施の形態にかかる転がり案内の平面図、図4は図3の転がり案内の正面図である。
第2の実施の形態にかかる転がり案内10’と、上に説明した第1の実施の形態にかかる転がり案内10との相違点は、ガイドレールの長手方向におけるガイドの位置に応じて摩擦抵抗力を変化させる方式だけであり、従って以下の説明ではその方式に関する部分だけを詳述することとし、同一部分には同一参照番号を付して説明を省略することにする。
【0015】
図3及び図4に示すように、転がり案内10’は、細長いガイドレール12’と、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介してこのガイドレール12’上をこのガイドレール12’の長手方向に走行するガイド14とを備えている。
ガイドレール12’の両側面に、摩擦摺接面18’を設けてあり、図4において実線で描いたガイドレール12’の輪郭線は、このガイドレール12’の端部における断面形状を表し、想像線で描いた輪郭線は、このガイドレール12’の長手方向の中央における断面形状を表している。
図からも明らかなように、摩擦摺接面18’は、それら摩擦摺接面18’の、各摩擦パッド30に対して接近及び離隔する方向の高さが、ガイドレール12’の長手方向位置に応じて変化するように形成してあり、これによって、一対の摩擦パッド30とそれら摩擦摺接面18’との間に発生する摩擦抵抗力の大きさがガイドレール12’の長手方向におけるガイド14の位置に応じて変化するようにしている。
更に詳しくは、既述の如く、一対の摩擦パッド30は弾性部材であるパッド支持アーム28を介して夫々の摩擦摺接面18’へ押圧されており、それら摩擦摺接面18’の側方張り出し量がガイドレール12’の長手方向位置に応じて変化するように、それら摩擦摺接面18’を形成してある。
そして、摩擦摺接面18’の側方張り出し量が大きいところでは、図4に想像線で示したように、パッド支持アーム28が大きく外側へ撓むため、摩擦パッド30を摩擦摺接面18’へ押圧する押圧力が大きくなり、従って発生する摩擦抵抗力が大きくなる。そして、摩擦摺接面18’の側方張り出し量が小さいところでは摩擦抵抗力が小さくなる。
【0016】
このような形状のガイドレール12’を安価に製作する方法としては、例えば、両側面が平行なガイドレールを用いた市販のリニアベアリングを用意し、そのガイドレールの摩擦摺接面18’に対応する領域に、発泡プラスチック等で形成した側方張り出し部の形状の部材を接着し、更に、その部材の表面にテープ状に形成した適当な摩擦材料を貼着するという方法がある。
図示例では、ガイドレール12’の長手方向の中央に近付くほど、摩擦摺接面18’側方張り出し量を大きくしており、それによって、先に説明した転がり案内10と同様に、ガイド14の位置がガイドレール12’の長手方向の中央に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなるようにしている。
ただし、ガイド14の位置がガイドレール12’の端部に近付くほど摩擦抵抗力が大きくなるようにすることもでき、また、更にその他の変化の仕方で摩擦抵抗力が変化するようにすることもできる。
いずれの場合にも、摩擦摺接面18’の形状を適宜に定めるだけで、ガイドレール12’の長手方向における摩擦抵抗力の変化の仕方を所望のものとすることができ、それによって減衰特性を様々に設定することができる。
例えば、ガイドレール12’の両端付近において摩擦摺接面18’の側方張り出し量が急に大きくなるようにすれば、ガイド14がガイドレール12’の端部に接近したときに摩擦抵抗力を急増させることができる。
【0017】
次に図5の斜視図を参照して、本発明の実施の形態にかかる免震用転がり支承について説明する。
以上に説明した本発明にかかる転がり案内10、10’は、それを使用して免震用転がり支承を構成するのに特に適したものであり、その場合には、上で説明したガイドレールとガイドとを次のように組み合わせればよい。
即ち、先ず、水平に配設した1本のガイドレールまたは同一水平面上に互いに平行に配設した複数本のガイドレールと、そのように配設したガイドレール上を走行する1個または複数個のガイドとで転がり案内機構を構成する。
そして、そのように構成した2組の転がり案内機構を、それら転がり案内機構のガイドレールが互いに交差する方向に延在するようにして上下に二段に重ね合わせて免震用転がり支承を構成する。
【0018】
更に詳細に説明すると、図5に示したように、免震用転がり支承50は、図1のガイドレール12と同じ構成の4本のガイドレール12A、12B、12C、12Dと、図1のガイド14と同じ構成の8台のガイド14A1、14A2、14B1、14B2、14C1、14C2、14D1、14D2とを使用して構成したものであり、各ガイドレールに2台ずつのガイドが搭載されている。
そして、2本のガイドレール14A、14Bを、例えば基礎スラブの表面等の同一水平面上に互いに平行に配設し(これらを下段ガイドレールという)、それら下段ガイドレール12A、12B上を走行するように4台のガイド14A1、14A2、14B1、14B2を装着することで、第1案内機構を構成する。
更に、第1案内機構の4台のガイド14A1、14A2、14B1、14B2の各々に上下を逆にしたガイド14C1、14D1、14C2、14D2を夫々固定し、それら4台のガイド14C1、14D1、14C2、14D2を2本のガイドレール12C、12D(これらを上段ガイドレールという)に装着することで、第2案内機構を構成する。。
この構成によれば、上段ガイドレール12C、12Dは、下段ガイドレール12A、12Bと同様に同一水平面上に互いに平行に配設されることになり、また、上段ガイドレール12C、12Dと下段ガイドレール12A、12Bとは互いに交差する方向に(図示例では直交する方向に)延在し、第1案内機構と第2案内機構とが上下に二段に重ね合わされた構造となる。
こうして構成された免震用転がり支承50が、簡明な構成で減衰機能を備え、しかもその減衰特性を様々に調節し得るものであることは、上述した転がり案内10、10’の説明から明らかである。
【0019】
図5の転がり支承50を使用して様々な構成の転がり免震装置を製作することができるが、その一例を簡単に説明すると、例えば次のとおりである。
先ず、下段ガイドレール12A、12Bを建物の基礎に固定し、上段ガイドレール12C、12Dに床スラブを固定する。そして、その床スラブを中立位置へ付勢するための適当なばね定数を有する複数のスプリングを、その床スラブと基礎との間に架設するだけで、免震床を支持するための免震装置を構成することができる。
これによって、簡明な構成で減衰機能を備え、しかもその減衰特性を様々に調節することのできる転がり免震装置が得られる。
【0020】
尚、図3及び図4に示した第2の実施の形態にかかる転がり案内10’を使用した場合でも、第1の実施の形態にかかる転がり案内10を使用した上述の免震用転がり支承50ないし転がり免震装置と同様の免震用転がり支承ないし転がり免震装置を構成し得ることはいうまでもない。
また、転がり案内に装備する摩擦摺接機構ないし摩擦抵抗力調節機構の構造や、ガイドレールの長手方向位置に応じて摩擦抵抗力を変化させる方式は、以上に説明した形態のものに限られず、様々な形態とすることができ、そのようにした転がり案内も本発明に含まれる。
また、そのようにした転がり案内を用いて免震用転がり支承や転がり免震装置を構成することで、以上に説明したものと同じ作用効果を奏する転がり支承や転がり免震装置が得られる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる転がり案内は、細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は弾性部材を介して前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の前記摩擦摺接部に対して接近及び離隔する方向の高さが前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するように構成した。
また、本発明にかかる転がり案内は、細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、前記摩擦摺接面は前記ガイドレールの両側面に形成されており、前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は一対の摩擦パッドで構成されており、前記摩擦摺接機構は前記一対の摩擦パッドを前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧する押圧機構を含んでおり、前記一対の摩擦パッドは弾性部材を介して前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の側方張り出し量が前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記一対の摩擦パッドと前記摩擦摺接面との間に発生する前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するように構成した。
そのため、本発明にかかる転がり案内を使用することによって、構成が簡明で減衰機能を備えその減衰特性を容易に様々に設定することのできる免震用転がり支承を構成することができる。
また、本発明にかかる免震用転がり支承は、以上のように構成した転がり案内を使用した免震用転がり支承において、水平に配設した1本の前記ガイドレールまたは同一水平面上に互いに平行に配設した複数本の前記ガイドレールと、そのように配設したガイドレール上を走行する1個または複数個の前記ガイドとで転がり案内機構を構成し、2組の前記転がり案内機構をそれら転がり案内機構のガイドレールが互いに交差する方向に延在するようにして上下に二段に重ね合わせて構成した。
そのため、構成が簡明で減衰機能を備えその減衰特性を容易に様々に設定することのできる免震用転がり支承が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる転がり案内の側面図である。
【図2】図1の転がり案内の正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる転がり案内の平面図である。
【図4】図3の転がり案内の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる免震用転がり支承の斜視図である。
【符号の説明】
10、10’ 転がり案内
12、12’ ガイドレール
14 ガイド
18、18’ 摩擦摺接面
20 摩擦摺接機構
28 弾性部材(パッド支持アーム)
30 摩擦摺接部(摩擦パッド)
32 摩擦抵抗力調節機構
50 免震用転がり支承

Claims (7)

  1. 細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、
    前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、
    前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、
    前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、
    前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は弾性部材を介して前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の前記摩擦摺接部に対して接近及び離隔する方向の高さが前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するようにした、
    ことを特徴とする転がり案内。
  2. 前記摩擦摺接機構は、前記摩擦抵抗力の大きさを調節する摩擦抵抗力調節機構を備えている請求項1記載の転がり案内。
  3. 細長いガイドレールと、鋼球または鋼製ころから成る転動体を介して前記ガイドレール上を該ガイドレールの長手方向に走行するガイドとを備えた転がり案内において、
    前記ガイドレールに該ガイドレールの長手方向に延在する摩擦摺接面を設け、
    前記ガイドに摩擦摺接部を有する摩擦摺接機構を設け、
    前記ガイドに設けた前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部を前記ガイドレールに設けた前記摩擦摺接面に摺接させることで、それら摩擦摺接部と摩擦摺接面との間に前記ガイドレール上の前記ガイドの運動に対する摩擦抵抗力を発生させるようにし、
    前記摩擦摺接面は前記ガイドレールの両側面に形成されており、前記摩擦摺接機構の前記摩擦摺接部は一対の摩擦パッドで構成されており、前記摩擦摺接機構は前記一対の摩擦パッドを前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧する押圧機構を含んでおり、
    前記一対の摩擦パッドは弾性部材を介して前記ガイドレールの両側面の前記摩擦摺接面へ押圧されており、前記摩擦摺接面の側方張り出し量が前記ガイドレールの長手方向位置に応じて変化するように前記摩擦摺接面を形成することで、前記一対の摩擦パッドと前記摩擦摺接面との間に発生する前記摩擦抵抗力の大きさが前記ガイドレールの長手方向における前記ガイドの位置に応じて変化するようにした、
    ことを特徴とする転がり案内。
  4. 前記摩擦摺接機構は、前記一対の摩擦パッドと前記摩擦摺接面との間に発生する前記摩擦抵抗力の大きさを調節する摩擦抵抗力調節機構を備えており、該摩擦抵抗調節機構は前記一対の摩擦パッドを前記摩擦摺接面へ押圧する押圧力を調節する押圧力調節機構から成る請求項記載の転がり案内。
  5. 前記ガイドの位置が前記ガイドレールの長手方向の中央に近付くほど前記摩擦抵抗力が大きくなるようにした請求項1乃至4の何れか1項記載の転がり案内。
  6. 前記ガイドの位置が前記ガイドレールの端部に近付くほど前記摩擦抵抗力が大きくなるようにした請求項1乃至4の何れか1項記載の転がり案内。
  7. 請求項1乃至の何れか1項記載の転がり案内を使用した免震用転がり支承において、水平に配設した1本の前記ガイドレールまたは同一水平面上に互いに平行に配設した複数本の前記ガイドレールと、そのように配設したガイドレール上を走行する1個または複数個の前記ガイドとで転がり案内機構を構成し、2組の前記転がり案内機構をそれら転がり案内機構のガイドレールが互いに交差する方向に延在するようにして上下に二段に重ね合わせて構成したことを特徴とする免震用転がり支承。
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