JPH11190390A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH11190390A
JPH11190390A JP36892597A JP36892597A JPH11190390A JP H11190390 A JPH11190390 A JP H11190390A JP 36892597 A JP36892597 A JP 36892597A JP 36892597 A JP36892597 A JP 36892597A JP H11190390 A JPH11190390 A JP H11190390A
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JP
Japan
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guide
guide rail
seismic isolation
isolation device
rail
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JP36892597A
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English (en)
Inventor
Takashi Miyama
剛史 三山
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡明で低コストで製作することのでき
る免震装置を提供する。 【解決手段】 免震装置10は、構造物の下部構造に水
平に取り付ける第1ガイドレール12aと、上部構造に
水平に取り付ける第2ガイドレール12bとを備え、そ
れらガイドレールは90°の角度で交差する方向に延在
している。第1ガイドレールに沿って摺動する第1ガイ
ド14aと、第2ガイドレールに沿って摺動する第2ガ
イド14bとを、上下に重ねて連結してある。ガイドが
ガイドレールに沿って移動することで上部構造の下部構
造に対する相対的な水平方向の移動を許容しつつ、上部
構造から加わる垂直荷重を第1及び第2ガイドレールと
第1及び第2ガイドとで支持することができる。また、
上部構造の下部構造に対する相対的な水平方向の運動
を、ガイドレールとガイドとの間に働く摺動摩擦力によ
って減衰させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震装置に関し、
より詳しくは、構成が簡明で低コストで製作することの
できる免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免震建物、免震床、免震台等の免震構造
の機能としては、一般的に、1)免震化しようとする建
物、床、台等の水平方向の変位を許容しつつ、それらか
ら加わる鉛直荷重を支える機能、2)それらの水平方向
の変位に対して復元力を与える機能、それに、3)それ
らの水平方向の運動に対して減衰力を与える機能が必要
である。積層ゴムは、上記1)と2)の機能を有するよ
うに構成することも、また、上記1)〜3)の全ての機
能を有するように構成することもでき、しかもその構成
が非常に簡明であるという利点を有する。ただし、積層
ゴムを使用して得られる免震特性は、例えば中高層のコ
ンクリート造建物や大規模橋梁等のように、かなり大き
な重量を有する構造物の免震構造には適した特性である
が、比較的軽量の構造物の免震構造にはあまり適さな
い。そのため、支える重量が比較的軽量である場合に
は、上記1)の機能を担う転がり支承や滑り支承等の支
持構造と、上記2)の機能を担うスプリングやゴムで構
成した復元機構と、上記3)の機能を担うダンパ等で構
成した減衰機構とを、適宜組み合わせて免震構造を構成
するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、支持構造
と、復元機構と、減衰機構とを組み合わせて構成した免
震構造には、免震特性の最適化が容易であるという利点
があるが、一方では、部品点数が多くなり、構造が複雑
化し、製作コストも高くなるという短所がある。本発明
は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的
は、構成が簡明で低コストで製作することのできる免震
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる免震装置は、構造物の下部構造に略
々水平に延在させて取り付ける細長い第1ガイドレール
と、前記第1ガイドレールに沿って摺動する第1ガイド
と、前記構造物の上部構造に略々水平に延在させて取り
付ける細長い第2ガイドレールと、前記第2ガイドレー
ルに沿って摺動する第2ガイドとを備え、前記第1ガイ
ドレールと前記第2ガイドレールとが互いに交差する方
向に延在するようにして前記第1ガイドと前記第2ガイ
ドとを連結し、前記上部構造の前記下部構造に対する相
対的な水平方向の移動を、前記第1ガイドレールに沿っ
た前記第1ガイドの移動と前記第2ガイドレールに沿っ
た前記第2ガイドの移動とで許容しつつ、前記上部構造
から加わる垂直荷重を前記第1及び第2ガイドレールと
前記第1及び第2ガイドとで支持するようにし、前記上
部構造の前記下部構造に対する相対的な水平方向の運動
を、前記第1ガイドレールと前記第1ガイドとの間に働
く摺動摩擦力と前記第2ガイドレールと前記第2ガイド
との間に働く摺動摩擦力とで減衰させるようにしたこと
を特徴とする。また、本発明は、前記第1及び第2ガイ
ドに前記第1及び第2ガイドレールの表面に摺接する摺
接パッドを取り付け、該摺接パッドの摺接面を四フッ化
エチレン樹脂で形成したことを特徴とする。また、本発
明は、前記第1ガイドレールと前記第1ガイドとの間に
働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記第2ガイ
ドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩擦力に関
する摩擦係数の値とを、0.01〜0.20の範囲内の
値としたことを特徴とする。また、本発明は、前記第1
ガイドレールと前記第1ガイドとの間に働く摺動摩擦力
に関する摩擦係数の値と、前記第2ガイドレールと前記
第2ガイドとの間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の
値とを、0.02〜0.07の範囲内の値としたことを
特徴とする。また、本発明は、前記第1ガイドレールと
前記第1ガイドとの間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係
数の値と、前記第2ガイドレールと前記第2ガイドとの
間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値とを、夫々前
記第1ガードレール及び前記第2ガイドレールの長手方
向の位置に応じて変化させたことを特徴とする。また、
本発明は、前記第1ガイドレールと前記第1ガイドとの
間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記第2
ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩擦力
に関する摩擦係数の値とを、夫々前記第1ガードレール
及び前記第2ガイドレールの長手方向の中央近傍では比
較的小さく両端に近付くにつれて大きくなるようにした
ことを特徴とする。また、本発明は、前記第1ガイドレ
ールのガイド案内面を下方に凸の部分円弧状に湾曲さ
せ、前記第2ガイドレールのガイド案内面を上方に凸の
部分円弧状に湾曲させることで、前記上部構造から加わ
る垂直荷重によって、前記第1ガイドが前記第1ガイド
レールの長手方向中央へ向かって付勢され、前記第2ガ
イドが前記第2ガイドレールの長手方向中央へ向かって
付勢されるようにしたことを特徴とする。また、本発明
は、前記第1ガイドが前記第1ガイドレールの長手方向
にのみ移動可能であってそれ以外の方向の移動が前記第
1ガイドレールによって規制されるように前記第1ガイ
ド及び前記第1ガイドレールを構成し、前記第2ガイド
が前記第2ガイドレールの長手方向にのみ移動可能であ
ってそれ以外の方向の移動が前記第2ガイドレールによ
って規制されるように前記第2ガイド及び前記第2ガイ
ドレールを構成することで、前記上部構造を上方へ引き
上げようとする荷重に耐えられるようにしたことを特徴
とする。
【0005】本発明によれば、略々水平に延在するガイ
ドレールと、このガイドレールに沿って摺動するガイド
とで荷重を支持するようにしたため、転がり案内を使用
した免震装置と比べて構造が簡明となり、高い加工精度
も必要とされないため、免震装置を低コストで製作する
ことができる。また、構造物の上部構造の下部構造に対
する相対的な水平方向の運動を、ガイドレールとガイド
との間に働く摺動摩擦力によって減衰させるようにした
ため、減衰機構を別設する必要がなく、その分構造が簡
明となり、それによっても免震装置の製作コストが軽減
される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明して行く。図1は本発明の第
1の実施の形態にかかる免震装置の斜視図、図2は図1
の免震装置のリニアガイドを取り出して示した斜視図、
図3は図2のA−A線に沿った断面図、第4図は本発明
の第2の実施の形態にかかる免震装置の斜視図、図5は
図4の免震装置を使用して構成した免震構造の説明図、
図6は本発明の免震装置のリニアガイドの変更実施例を
示した断面図である。図1において、本発明の第1の実
施の形態にかかる免震装置10は、構造物の下部構造
(例えば図5に示した建物のべた基礎42等)に略々水
平に延在させて取り付ける細長い第1ガイドレール12
aと、この第1ガイドレール12aに沿って摺動する第
1ガイド14aと、構造物の上部構造(例えば図5に示
した建物の免震床44等)に略々水平に延在させて取り
付ける細長い第2ガイドレール12bと、この第2ガイ
ドレール12bに沿って摺動する第2ガイド14bとを
備えるものである。
【0007】第1ガイド14aと第2ガイド14bとは
上下に重ねてあり、第1ガイドレール12aと第2ガイ
ドレール12bとが互いに交差する方向に延在するよう
にして、それら2つのガイド14a、14bを相互に固
定連結してある。第1ガイドレール12aと第2ガイド
レール12bとの交差角度は、図示例では90°であ
り、一般的にはこの角度とすることが好ましいが、ただ
し場合に応じて、その他の角度とする方がよいのであれ
ば、適宜の角度にすればよい。
【0008】第1ガイドレール12aと第1ガイド14
aとで摺動式のリニアガイドが構成されており、また、
第2ガイドレール12bと第2ガイド14bとでもう1
つの摺動式のリニアガイドが構成されている。これらリ
ニアガイドは互いに同一構成であるため、第1及び第2
のガイドレールを代表してガイドレール12で表し、第
1及び第2のガイドを代表してガイド14で表すことと
して、以下に図2及び図3を参照してそれらリニアガイ
ドの構造を詳細に説明する。図2及び図3に示すよう
に、ガイドレール12は断面が長方形の直線状の部材で
あり、ステンレス鋼材等で製作する。ガイド14は断面
がコの字形のサドル形状に形成した部材であり、鋼材等
で製作する。ガイド14の内側には、ガイドレール14
の3つの面(図3で見て上面及び両側面に相当する面で
あり、以下、摺接面と呼ぶ)に対向する夫々の面に、摺
接パッド16が固定して取り付けられている。摺接パッ
ド16はガイドレール14の摺接面と摺接する部材であ
り、四フッ化エチレン樹脂で製作してある。別法とし
て、硬質プラスチックや金属材料で形成した部材の摺接
面に四フッ化エチレン樹脂をコーティングすることで、
この摺接パッド16を製作するようにしてもよい。これ
らいずれも場合にも、摺接パッド16の摺接面は四フッ
化エチレン樹脂で形成されることになる。尚、四フッ化
エチレン樹脂以外の適当な材料を使用することも可能で
ある。
【0009】摺接パッド16が摺接するガイドレール1
2の摺接面は、滑らかに仕上げてある。ただし、本発明
においては、摺接パッド16とガイドレール12の摺接
面との間に(従ってガイド14とガイドレール12との
間に)働く摺動摩擦力を利用して、構造物の上部構造の
下部構造に対する相対的な水平方向の運動を減衰させる
ようにしているため、その摺動摩擦力に関する摩擦係数
の値が、この減衰機能に適した好適な値になるようにす
る。この摩擦係数の好適な値は0.01〜0.20の範
囲内の値であり、0.02〜0.07の範囲内の値とす
ればなお好ましい。摩擦係数を所望の値にするために
は、例えば、ガイドレール12の摺接面を仕上げる際に
使用する研削盤の砥石の粗さを適宜選択することで、表
面粗度を調節するようにしてもよく、また、ガイドレー
ル12の摺接面に適当な材料をコーティングするように
してもよい。尚、ガイドレール12とガイド14との間
に作用する力としては、上下方向の荷重がその他の力よ
りも圧倒的に大きいため、通常は、図3で見て両側面に
相当する摺接面の摩擦係数はそれほど重要ではなく、図
3で見て上面に相当する摺接面の摩擦係数だけを適切に
設定するだけで十分なことが多い。また、ガイドレール
12とガイド14との間に働く摺動摩擦力に関する摩擦
係数の値を、ガードレール12の長手方向の位置に応じ
て変化させるようにしてもよい。例えば、その摩擦係数
の値がガードレール12の長手方向の中央近傍では比較
的小さく、両端に近付くにつれて大きくなるようにすれ
ば、比較的大きな地震が発生して構造物の上部構造と下
部構造との間に水平方向の大きな相対変位が発生したと
きには、平均摩擦係数が大きくなるため減衰性能が高ま
り、一方、振幅の小さな相対変位に対しては、平均摩擦
係数が小さいために、震動を遮断する免震効果が高まる
という利点が得られる。
【0010】この免震装置10を使用して建物等を免震
化する際には、一般的に、複数台の免震装置10を並べ
て使用する。図5に示したのは、後に説明する本発明の
第2の実施の形態にかかる免震装置20を使用した建物
の免震構造の具体例であるが、第1の実施の形態にかか
る免震装置10も、図5の免震装置20と同様に配置し
て使用することができる。図1及び図5から明らかなよ
うに、この免震装置10を使用した場合には、地震等に
よって発生する、構造物の上部構造の下部構造に対する
相対的な水平方向の移動を、第1ガイドレール12aに
沿った第1ガイド14aの移動と第2ガイドレール12
bに沿った前記第2ガイド14bの移動とで、許容する
ことができる。またそれと同時に、上部構造から加わる
垂直荷重が、第2ガイドレール12bから第2ガイド1
4bへ伝達され、更にそこから第1ガイド14aと第1
ガイドレール12aとを介して下部構造へ伝達されるた
め、その垂直荷重を、第1及び第2ガイドレール12
a、12bと、第1及び第2ガイド14a、14bとで
支持することができる。
【0011】従って、免震装置10を使用した免震構造
においては、免震化しようとする建物、床、台等の水平
方向の変位を許容しつつ、それらから加わる鉛直荷重を
支える機能と、それらの水平方向の運動に対して減衰力
を与える機能とが、この免震装置10によって得られ
る。この場合、免震化しようとする建物、床、台等の水
平方向の変位に対して復元力を与える機能は、別設の復
元機構によって得るようにし、例えばスプリング機構や
積層ゴム等を使用すればよい。積層ゴムを使用する場合
には、例えば、構造物の下部構造にその積層ゴムの下端
を固定し、構造物の上部構造とその積層ゴムの上端とは
垂直なダボピンで連結することによって、上部構造から
積層ゴムへ垂直荷重が加わらないようにすることが好ま
しい。
【0012】次に、図4及び図5を参照して、本発明の
第2の実施の形態にかかる免震装置20について説明す
る。図4及び図5において、本発明の第2の実施の形態
にかかる免震装置20は、構造物の下部構造42(図示
例では建物のべた基礎である)に略々水平に延在させて
取り付ける細長い第1ガイドレール22aと、この第1
ガイドレール22aに沿って摺動する第1ガイド24a
と、構造物の上部構造44(図示例では建物の免震床で
ある)に略々水平に延在させて取り付ける細長い第2ガ
イドレール22bと、この第2ガイドレール22bに沿
って摺動する第2ガイド24bとを備えている。
【0013】第1ガイド24aと第2ガイド24bとは
上下に重ねてあり、第1ガイドレール22aと第2ガイ
ドレール22bとが互いに交差する方向に延在するよう
にして、それら2つのガイド24a、24bをユニバー
サルジョイント構造を介して相互に連結してある。第1
ガイドレール22aは、そのガイド案内面を下方に凸の
部分円弧状に湾曲させてあり、第2ガイドレール22b
は、そのガイド案内面を上方に凸の部分円弧状に湾曲さ
せてある。そのため、第1ないし第2ガイド24a、2
4bが、第1ないし第2ガイドレール22a、22bの
中央から端部の方へ移動すると、第2ガイドレール22
bが上方へ持ち上げられ、従って構造物の上部構造44
が持ち上げられる。この構造によれば、構造物の上部構
造44から加わる垂直荷重によって、第1ガイド24a
は第1ガイドレール22aの最低位部分である長手方向
中央へ向かって付勢され、また、第2ガイド24bは第
2ガイドレール22bの最高位部分である長手方向中央
へ向かって付勢される。図から明らかなように、第1な
いし第2ガイド24a、24bは、第1ないし第2ガイ
ドレール22a、22bの中央から端部の方へ移動する
に従って傾動する。第1ガイド24aと第2ガイド24
bとをユニバーサルジョイント構造を介して相互に連結
したのは、この傾動を吸収するためである。
【0014】第1の実施の形態にかかる免震装置10と
同様に、この第2の実施の形態にかかる免震装置20で
も、第1ガイドレール22aと第1ガイド24aとで摺
動式のリニアガイドが構成されており、また、第2ガイ
ドレール22bと第2ガイド24bとでもう1つの摺動
式のリニアガイドが構成されている。これらリニアガイ
ドにおけるガイドレールとガイドとの間の摺接部のの構
成は、ガイドレールのガイド案内面が湾曲していること
を除いて、第1の実施の形態におけるリニアガイドと同
一であるため、その摺接部についての説明は省略する。
この免震装置20を使用して建物等を免震化する際に
は、一般的に、複数台の免震装置20を並べて使用する
ようにし、図5に、そのように免震装置20を使用した
建物の免震構造の具体例を示した。この免震装置20を
使用すれば、第1の実施の形態にかかる免震装置10を
使用した場合に得られる機能及び効果が全て得られるこ
とに加えて、更に、免震化しようとする建物、床、台等
の水平方向の変位に対して復元力を与える機能が得られ
る。従って図5に示した免震構造は、別設の復元機構を
付加せずとも機能することができるため、第1の実施の
形態にかかる免震装置10を使用したときよりも、更に
簡明な構造とすることが可能である。ただし、復元機構
を付加すれば免震特性の設計の自由度が高まるため、必
要に応じて適宜な機構を付加することも任意である。
【0015】以上に説明した2つの実施の形態では、構
造物の上部構造を上方へ引き上げようとする荷重に対し
ては、免震装置10、20は何ら抵抗することができな
い。通常の免震装置の用途においては、そのような荷重
が加わることはないため特に不都合はないが、ただし、
以上に説明した免震装置10、20に僅かな改造を加え
るだけで、そのような荷重にも耐えられる免震装置が得
られる。それには、図6に示したようにガイドレール及
びガイドの断面形状を変更すればよい。 図6に示した
構造では、ガイドレール32の(図6で見て)上面と両
側面とに加えて更に下面にも摺接面を設けてあり、ガイ
ド34に固定して取り付ける摺接パッド36もそれら摺
接面に対応して5個にしてある。従って、ガイド34は
ガイドレール36の長手方向にのみ移動可能であって、
それ以外の方向の移動がガイドレール36によって規制
されている。この図6の構造を、第1ガイド及び第1ガ
イドレールと、第2ガイド及び第2ガイドレールとの両
方に採用することで、上部構造を上方へ引き上げようと
する荷重に耐えられる免震装置が得られる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる免震装置は、構造物の下部構造に略々水平に延
在させて取り付ける細長い第1ガイドレールと、前記第
1ガイドレールに沿って摺動する第1ガイドと、前記構
造物の上部構造に略々水平に延在させて取り付ける細長
い第2ガイドレールと、前記第2ガイドレールに沿って
摺動する第2ガイドとを備え、前記第1ガイドレールと
前記第2ガイドレールとが互いに交差する方向に延在す
るようにして前記第1ガイドと前記第2ガイドとを連結
し、前記上部構造の前記下部構造に対する相対的な水平
方向の移動を、前記第1ガイドレールに沿った前記第1
ガイドの移動と前記第2ガイドレールに沿った前記第2
ガイドの移動とで許容しつつ、前記上部構造から加わる
垂直荷重を前記第1及び第2ガイドレールと前記第1及
び第2ガイドとで支持するようにし、前記上部構造の前
記下部構造に対する相対的な水平方向の運動を、前記第
1ガイドレールと前記第1ガイドとの間に働く摺動摩擦
力と前記第2ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働
く摺動摩擦力とで減衰させるようにしたことを特徴とす
る。従って、略々水平に延在するガイドレールと、この
ガイドレールに沿って摺動するガイドとで荷重を支持す
るようにしたため、構造が簡明で、高い加工精度も必要
とされず、免震装置を低コストで製作することができ
る。また、構造物の上部構造の下部構造に対する相対的
な水平方向の運動をガイドレールとガイドとの間に働く
摺動摩擦力によって減衰させるようにしたため、減衰機
構を別設する必要がなく、それによっても構造が簡明と
なり、免震装置の製作コストが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる免震装置の
斜視図である。
【図2】図1の免震装置のリニアガイドを取り出して示
した斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【第4】本発明の第2の実施の形態にかかる免震装置の
斜視図である。
【図5】図4の免震装置を使用して構成した免震構造の
説明図である。
【図6】本発明の免震装置のリニアガイドの変更実施例
を示した断面図である。
【符号の説明】
10、20 免震装置 12a、22a 第1ガイドレール 12b、22b 第2ガイドレール 14a、24a 第1ガイド 14b、24b 第2ガイド 16、36 摺接パッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の下部構造に略々水平に延在させ
    て取り付ける細長い第1ガイドレールと、前記第1ガイ
    ドレールに沿って摺動する第1ガイドと、前記構造物の
    上部構造に略々水平に延在させて取り付ける細長い第2
    ガイドレールと、前記第2ガイドレールに沿って摺動す
    る第2ガイドとを備え、 前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとが互い
    に交差する方向に延在するようにして前記第1ガイドと
    前記第2ガイドとを連結し、 前記上部構造の前記下部構造に対する相対的な水平方向
    の移動を、前記第1ガイドレールに沿った前記第1ガイ
    ドの移動と前記第2ガイドレールに沿った前記第2ガイ
    ドの移動とで許容しつつ、前記上部構造から加わる垂直
    荷重を前記第1及び第2ガイドレールと前記第1及び第
    2ガイドとで支持するようにし、 前記上部構造の前記下部構造に対する相対的な水平方向
    の運動を、前記第1ガイドレールと前記第1ガイドとの
    間に働く摺動摩擦力と前記第2ガイドレールと前記第2
    ガイドとの間に働く摺動摩擦力とで減衰させるようにし
    た、ことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2ガイドに前記第1及び
    第2ガイドレールの表面に摺接する摺接パッドを取り付
    け、該摺接パッドの摺接面を四フッ化エチレン樹脂で形
    成したことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 前記第1ガイドレールと前記第1ガイド
    との間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記
    第2ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩
    擦力に関する摩擦係数の値とを、0.01〜0.20の
    範囲内の値としたことを特徴とする請求項1または2記
    載の免震装置。
  4. 【請求項4】 前記第1ガイドレールと前記第1ガイド
    との間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記
    第2ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩
    擦力に関する摩擦係数の値とを、0.02〜0.07の
    範囲内の値としたことを特徴とする請求項3記載の免震
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1ガイドレールと前記第1ガイド
    との間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記
    第2ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩
    擦力に関する摩擦係数の値とを、夫々前記第1ガードレ
    ール及び前記第2ガイドレールの長手方向の位置に応じ
    て変化させたことを特徴とする請求項1または2記載の
    免震装置。
  6. 【請求項6】 前記第1ガイドレールと前記第1ガイド
    との間に働く摺動摩擦力に関する摩擦係数の値と、前記
    第2ガイドレールと前記第2ガイドとの間に働く摺動摩
    擦力に関する摩擦係数の値とを、夫々前記第1ガードレ
    ール及び前記第2ガイドレールの長手方向の中央近傍で
    は比較的小さく両端に近付くにつれて大きくなるように
    したことを特徴とする請求項5記載の免震装置。
  7. 【請求項7】 前記第1ガイドレールのガイド案内面を
    下方に凸の部分円弧状に湾曲させ、前記第2ガイドレー
    ルのガイド案内面を上方に凸の部分円弧状に湾曲させる
    ことで、前記上部構造から加わる垂直荷重によって、前
    記第1ガイドが前記第1ガイドレールの長手方向中央へ
    向かって付勢され、前記第2ガイドが前記第2ガイドレ
    ールの長手方向中央へ向かって付勢されるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の免震
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1ガイドが前記第1ガイドレール
    の長手方向にのみ移動可能であってそれ以外の方向の移
    動が前記第1ガイドレールによって規制されるように前
    記第1ガイド及び前記第1ガイドレールを構成し、前記
    第2ガイドが前記第2ガイドレールの長手方向にのみ移
    動可能であってそれ以外の方向の移動が前記第2ガイド
    レールによって規制されるように前記第2ガイド及び前
    記第2ガイドレールを構成することで、前記上部構造を
    上方へ引き上げようとする荷重に耐えられるようにした
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の免
    震装置。
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