JP3045018U - 免震装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造により製造コストを低減すること
ができる免震装置を提供する。 【解決手段】 基台１と、対象物を載置する載置台２
と、対向して配置される前記基台１と載置台２とのあい
だに設置され、該載置台２を水平方向に移動させうる直
動軸受ユニット３と、該直動軸受ユニット３の周辺部位
に配置され、両端部４ａ、４ｂが前記基台１と載置台２
にそれぞれ連結される弾性部材であるコイルスプリング
４とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は免震装置に関する。さらに詳しくは、美術館や博物館などに展示され る貴重な美術品や工芸品などを地震の揺れから守ることができる免震装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来の免震装置として、たとえば上板を偏心ローラーで支承する装置、または 上板の四隅をボール軸受で支承する装置などがある。これらの装置は、展示台と して設置したり、または展示ケースの下に設置することにより、地震の水平方向 の揺れを抑え、貴重な美術品や工芸品などの文化財を守ることができる。

【０００３】 しかしながら、かかる装置では、偏心ローラーまたはボール軸受の組み付けが 複雑になりやすく、製造コストが高くなる惧れがある。

【０００４】 本考案は、叙上の事情に鑑み、簡単な構造により製造コストを低減することが できる免震装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の免震装置は、基台と、対象物を載置する載置台と、対向して配置され る前記基台と載置台とのあいだに設置され、該載置台を水平方向に移動させうる 直動軸受ユニットと、該直動軸受ユニットの周辺部位に配置され、両端部が前記 基台と載置台にそれぞれ連結される弾性部材とからなることを特徴としている。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面に基づいて本考案の免震装置を説明する。

【０００７】 図１は本考案の免震装置の一実施の形態を示す平面図、図２は図１における免 震装置の正面図、図３は図１における免震装置の内部透視図、図４は載置台の固 定手段を示す部分拡大断面図である。

【０００８】 図１〜３に示すように、免震装置は、固定台である基台１と、美術品または工 芸品などの対象物を載置する、基板２ａと化粧板２ｂからなる載置台２と、対向 して配置される前記基台１と載置台２とのあいだに設置される直動軸受ユニット ３と、両端部４ａ、４ｂが前記基台１と載置台２にそれぞれ連結される弾性部材 とから構成されている。前記基台１と基板２ａは、たとえば鋼板製であり、化粧 板２ｂは、たとえばラワンベニアにラシャを貼り付けたものとすることができる 。

【０００９】 前記直動軸受ユニット３としては、前記基台１に固定され、長手方向の両側に 軌道５が形成された第１のレール６と、該第１のレール６に直交して前記載置台 ２に固定され、長手方向の両側に軌道７が形成された第２のレール８と、前記第 １のレール６および第２のレール８の軌道５、７に転動体である鋼球９を介して スライド自在に組み付けられたスライド軸受１０とからなるものを用いることが できる。前記鋼球９は、保持器（図示せず）に保持されており、スライド軸受１ ０内を循環できるようにされている。なお、前記鋼球９は循環式にされているが 、とくにこれに限定されるものではなく、非循環式にすることもできる。１１は 、鋼球９および保持器の抜け止めのための保持部材である。また前記第１のレー ル６および第２のレール８の両端部には、各レール６、８の中央部から充分な可 動距離を保って、前記スライド軸受１０の抜け止めを防止するための係止片１２ が加締めにより固着されている。

【００１０】 なお、本実施の形態では、直動軸受ユニット３として、前記２本の平板のレー ル６、８と上面および下面の凹部に該レール６、８が組み付けられたスライド軸 受１０とからなるものを用いているが、本考案においては、これに限定されるも のではなく、たとえば直動玉軸受ユニット、ボールスプライン型軸受ユニットま たはクロスローラガイド軸受ユニットなどを用いることができ、またこれらの軸 受ユニットの転動体も循環式または非循環式とすることができる。

【００１１】 前記直動軸受ユニット３は、基台１と載置台２の中央部に十字状に設置されて いるが、大きな重量物の対象物を安定して載置し、水平方向に移動できるように 、前記基台１の四方向位置に載置台２の撓み防止手段であるボールキャスター１ ３または滑り軸受などを設置するのが好ましい。

【００１２】 前記弾性部材としては、復元できるものであればとくに限定されないが、コイ ルスプリング４または棒状のゴムなどを用いることができる。かかるコイルスプ リングを用いるばあい、たとえば一端４ａを、基台１に固着された雌ねじ孔付固 定片１４に螺入されるスプリング４の張力調整用ビス１５にＷナット１６により 連結し、他端４ｂを載置台２に小ねじ１７とナット１８により連結することがで きる。

【００１３】 本考案では、免震装置における載置台を水平に据え付けるために、基台１の四 方向位置に水平調整用アジャスター１９を設置するのが好ましい。またかかるア ジャスター１９を調整して水平状態を知るために、載置台２の上部、たとえば中 央部に円型気泡管の水平器２０を埋め込んでおくのが好ましい。さらに免震装置 の運搬に際して、載置台２が自由に揺れ動かないように、載置台２を基台１に固 定するため、図１および図４に示すように、固定用ビス２１を載置台２に形成さ れる貫通孔２２に通したのち、基台１のねじ孔２３に螺着させるのが好ましい。

【００１４】 本実施の形態では、基台と載置台の基板を剛性の高い鋼板で形成するとともに 、振動を逃がすために、Ｘ方向とＹ方向に自由に動き、円運動を起こさせる直動 軸受ユニットを載置しているので、基台にあらゆる角度からの力および振れが起 きても、載置台の揺れを、１／８〜１／１２程度に抑えて、載置台上の対象物の 転倒を防ぐことができる。

【００１５】 また直動軸受ユニットの直交ユニット設置により、基台と載置台は離れること がなく、スプリング、ボールキャスターなどにより、常に元の位置に戻るように しているため、メンテナンスなどは簡単でスプリングの調整程度で済む。また大 きな対象物を載置するばあい、ガススプリングなどを取り付け、さらに精度を保 つこともできる。

【００１６】 なお、本実施の形態では、基台と載置台とのあいだに十字状の直動軸受ユニッ トが１個設置されているが、本考案においては、これに限定されるものではなく 、たとえば長手展示ケースなどの長尺対象物を載置するばあい、前記直動軸受ユ ニットを複数個設置することができる。また大きな重量物を載置できるように、 剛性を高めるために、井型形状の直動軸受ユニット、すなわち基台に平行な一対 の第１のレールと載置台に平行な一対の第２のレールをそれぞれ固定し、各レー ルの４箇所の交差部にそれぞれスライド軸受を組み付けた直動軸受ユニットを１ 個または複数個設置することができる。また十字状の直動軸受ユニットおよび井 型形状の直動軸受ユニットを組み合わせて設置することもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案によれば、基台と載置台とのあいだに水平移動で きるスライド型の直動軸受ユニットが載置されているだけなので、構造が簡単に なり、製造コストを低減させることができる。またかかるスライド型の直度軸受 ユニットにより基台から載置台までの高さを低くできるため、薄型でコンパクト な免震装置をうることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の免震装置の一実施の形態を示す平面図
である。

【図２】図１における免震装置の正面図である。

【図３】図１における免震装置の内部透視図である。

【図４】載置台の固定手段を示す部分拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 載置台 ３ 直動軸受ユニット ４ コイルスプリング（弾性部材） ６ 第１のレール ８ 第２のレール １０ スライド軸受 １３ ボールキャスター １９ 水平調整用アジャスター

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、対象物を載置する載置台と、対
   向して配置される前記基台と載置台とのあいだに設置さ
   れ、該載置台を水平方向に移動させうる直動軸受ユニッ
   トと、該直動軸受ユニットの周辺部位に配置され、両端
   部が前記基台と載置台にそれぞれ連結される弾性部材と
   からなる免震装置。
2. 【請求項２】 前記直動軸受ユニットが十字状または井
   型形状を呈してなる請求項１記載の免震装置。
3. 【請求項３】 前記直動軸受ユニットが、前記基台に固
   定され、長手方向に軌道が形成された第１のレールと、
   該第１のレールに直交して前記載置台に固定され、長手
   方向に軌道が形成された第２のレールと、前記第１のレ
   ールおよび第２のレールの軌道に転動体を介してスライ
   ド自在に組み付けられたスライド軸受とからなる請求項
   １または２記載の免震装置。
4. 【請求項４】 前記基台の四方向位置に前記載置台の撓
   み防止手段が設置されてなる請求項１、２または３記載
   の免震装置。
5. 【請求項５】 前記撓み防止手段がボールキャスターで
   ある請求項４記載の免震装置。
6. 【請求項６】 前記基台の四方向位置に前記載置台の水
   平を調整するための水平調整用アジャスターが設置され
   てなる請求項１、２、３、４または５記載の免震装置。