JP3815554B2 - スキャナユニット及びこれを用いた複合処理装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば小切手等に印字された文字等を読み取るスキャナ及びこれを用いた複合処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、プリンタに、イメージスキャナ等の処理デバイスを追加して複合的な処理を装置として、例えば、印字ヘッド、イメージスキャナ及び磁気ヘッドを備えた小切手処理装置が提案されている。
【０００３】
このような小切手処理装置は、小切手への必要事項の印字処理、印字後の小切手の読取処理、必要に応じ決済機関への読取画像の送信処理を行い、取引内容を電子データとして交換することにより、小切手のオンライン決済がその場で可能になるので便利である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の小切手処理装置は窓際、照明下、屋外等、外乱光が入射する場所に設置される場合があり、そのため、スキャナヘッドと用紙の間から外乱光が侵入して画像の読取品質を低下させるという問題がある。
【０００５】
また、インクリボンカセット方式のプリンタを備えた装置においては、装置の構成上、印字ヘッドがスキャナヘッドの近傍に配置される場合もあるが、その場合には、インクリボンカセットの交換時にインクリボンがスキャナヘッドに接触してスキャナヘッドが汚れ、画像の読取品質が低下するという問題もある。
【０００６】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、外乱光の侵入やインクリボンの接触による画像の読取品質の低下を防止する技術を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、所定の押圧部材に対向する位置に配置され、前記押圧部材によって押圧される用紙を支持した状態で読み取る読取面を有するスキャナヘッドと、前記押圧部材と前記スキャナヘッドにより構成される前記用紙の搬送路と、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分に設けられ、該読取面に対して前記押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部とを備えたスキャナユニットであって、読取時に前記搬送路上で前記押圧部材によって前記用紙が前記スキャナヘッドの読取面に押圧されると、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の前記用紙が前記段状支持部の支持面上に乗り上がって撓むことを特徴とするスキャナユニットである。
【０００８】
この場合、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向端部に設けられていることも効果的である。
【０００９】
また、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向両端部に設けられていることも効果的である。
【００１０】
さらに、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向端部に設けられていることも効果的である。
【００１１】
さらにまた、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向両端部に設けられていることも効果的である。
【００１２】
さらにまた、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分を覆うように形成された光遮蔽部を有することも効果的である。
【００１３】
さらにまた、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドを保持する保持部材に設けられていることも効果的である。
【００１４】
加えて、インクリボンを案内するためのガイド部が前記段状支持部の近傍に設けられていることも効果的である。
【００１５】
一方、本発明は、前記搬送路に沿って搬送される用紙に対して印字を行う印字ヘッドと、前記スキャナユニットとを備え、前記印字ヘッドによって印字された情報を前記スキャナヘッドによって読み取り、この読取情報に基づいて所定の処理を行うように構成されていることを特徴とする複合処理装置である。
【００１６】
本発明においては、スキャナヘッドの読取面の周縁部分（例えば主走査方向両端、副走査方向両端）に、読取面に対して押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部を備えていることから、読取時に押圧部材によって用紙をスキャナの読取面に押圧した場合に、スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の用紙が段状支持部の支持面上に乗り上げて撓み、用紙の弾性力（腰）によって用紙が段状支持部の支持面に密着する。
【００１７】
その結果、本発明によれば、読取時に用紙とスキャナヘッドの読取面との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００１８】
また、本発明によれば、リボンカセットの交換時に、スキャナヘッドの読取面より高くなるように形成された段状支持部の支持面によってインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触が阻止されるので、この読取面が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００１９】
一方、本発明において、スキャナヘッドの読取面の周縁部分を覆うように形成された光遮蔽部を設けるようにすれば、より確実に外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００２０】
また、本発明において、スキャナヘッドを保持する保持部材に段状支持部を設けるようにすれば、装置構成を簡素にするとともに部品点数を削減することが可能になる。
【００２１】
さらに、本発明において、インクリボンを案内するためのガイド部を段状支持部の支持面の近傍に設けるようにすれば、より確実にインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触を阻止することができるとともに、リボンカセットの交換作業を円滑に行うことが可能になる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスキャナユニット及びこれを用いた複合処理装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【００２３】
図１は、本実施の形態の複合処理装置の概略構成を示す側面図である。
【００２４】
図１に示すように、本実施の形態の複合処理装置１は、その内部に、挿入口２から排出口３に至る用紙Ｓ（図５参照）の搬送経路Ｐが設けられている。
【００２５】
ここで、搬送経路Ｐは、挿入口２側が水平方向を向く一方で、排出口３側が鉛直方向を向き、側方から見てＬ字状に屈曲するように形成されている。
【００２６】
搬送経路Ｐ上には、挿入口２側から順に、用紙後端検出器４、ＭＩＣＲヘッド５、第１の送りローラ対６、用紙先端検出器７、用紙位置決め部材８、裏印字ヘッド９、第２の送りローラ対１０、表印字ヘッド１１、用紙排出検出器１２、後述するスキャナヘッド２１及びスキャナ送りローラ（押圧部材）３０が配設されている。
【００２７】
図２は、本実施の形態の表印字ヘッド及びスキャナユニットの外観構成を示す斜視図、図３は、同スキャナユニットの外観構成を示す分解斜視図である。
【００２８】
また、図４は、同スキャナユニットの要部を示す断面図、図５は、同スキャナユニットの要部を示す断面図で、読取時の状態を示すものである。
【００２９】
本実施の形態の表印字ヘッド１１は、例えば、小切手等の用紙Ｓの表面に、支払先、日付、金額等の表書き印字を行うものである。
【００３０】
図２に示すように、この表印字ヘッド１１は、キャリッジ軸１５に支持されたシリアル式の印字ヘッド１１ａを有し、用紙Ｓの幅方向に移動しつつ、リボンカートリッジ１６から繰り出されるインクリボン１７のインクを用紙Ｓに転写するように構成されている。
【００３１】
そして、本実施の形態においては、リボンカートリッジ１６が装着されるキャリッジカバー１８に、スキャナユニット２０が組み付けられる。
【００３２】
図２に示すように、スキャナユニット２０は、表印字ヘッド１１の上方に位置するように構成されている。
【００３３】
本実施の形態のスキャナユニット２０は、用紙Ｓを読み取るためのスキャナヘッド２１と、このスキャナヘッド２１を保持するための保持部材２２とを有している。
【００３４】
ここで、スキャナヘッド２１は、密着型イメージセンサ（ＣＩＳ：Contact Image Sensor ）であり、スキャナヘッド２１内には、用紙Ｓの幅方向に発光素子、受光素子がそれぞれライン状に配置されている。本実施例では用紙Ｓの幅方向がスキャナヘッド２１の主走査方向、搬送経路Ｐが副走査方向となる。
【００３５】
このスキャナヘッド２１は、透明な例えばガラスからなる平面状のスキャナ読取面２５を有し、このスキャナ読取面２５が搬送経路Ｐと平行になるように配置される。本実施の形態の場合は、スキャナ読取面２５が鉛直方向を向くように配置される。
【００３６】
図１に示すように、スキャナ送りローラ３０は、搬送経路Ｐを挟んでスキャナ読取面２５と対向する位置に配置され、搬送経路Ｐに沿って搬送される用紙Ｓをスキャナ読取面２５に押圧するように構成されている。
【００３７】
保持部材２２は、例えば樹脂を用いて一体的に形成され、この保持部材２２には、図３に示すように、スキャナヘッド２１とほぼ同じ大きさの収容開口部２２ａが設けられている。
【００３８】
そして、本実施の形態のスキャナユニット２０は、保持部材２２の収容開口部２２ａにスキャナヘッド２１を挿入して例えば金属製の押圧プレート２６によって前記スキャナヘッド２１の上側部と背面を保持部材２２の収容開口部２２ａの内壁２２ｂに押圧することにより保持するように構成されている。
【００３９】
なお、図２に示すように、スキャナヘッド２１が保持部材２２に保持された状態では、スキャナ読取面２５は露出するようになっている。
【００４０】
本実施の形態においては、保持部材２２の収容開口部２２ａの内壁２２ｂは、スキャナ本体２４とほぼ密着してスキャナ読取面２５の周縁部分を覆うように形成され、これにより光遮蔽部として機能するように構成されている。
【００４１】
そして、保持部材２２の前面側には、収容開口部２２ａの周縁部分（スキャナヘッド２１の主走査方向両端、副走査方向両端）すなわちスキャナ読取面２５の周縁部分に対応する部位に、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置する支持面２７ａ〜２７ｄを有する段状支持部２７が設けられている。
【００４２】
ここで、段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄは搬送経路Ｐと平行な平面状に形成されている。
【００４３】
そして、保持部材２２の収容開口部２２ａのスキャナヘッド２１の主走査方向両端に形成された支持面２７ａ、２７ｂは、スキャナ読取面２５より１ｍｍ程度高く、すなわち、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置するように構成されている。この場合、保持部材２２の支持面２７ａ、２７ｂ間の距離は、読み取る用紙Ｓの幅より若干小さくなるように設定されている。
【００４４】
一方、保持部材２２の収容開口部２２ａのスキャナヘッド２１の副走査方向両端に形成された支持面２７ｃ、２７ｄは、スキャナ読取面２５より０．５ｍｍ程度高く、すなわち、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置するように構成されている。
【００４５】
さらに、本実施の形態においては、保持部材のスキャナヘッド２１の主走査方向両端部の支持面２７ａ、２７ｂの近傍に、インクリボン１７を案内するためのガイド部２８ａ、２８ｂが設けられている。これらガイド部２８ａ、２８ｂは、リボンカセット１６の両端部方向に傾斜させたテーパ状に形成されている。
【００４６】
このような構成を有する本実施の形態において読取時に紙送りローラ３０によって用紙Ｓをスキャナ読取面２５に押圧すると、図４及び図５に示すように、保持部材２２の収容開口部２２ａの周縁部分上の用紙Ｓが段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄ上に乗り上げて撓み、用紙Ｓの弾性力（腰）によって用紙Ｓが段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄに密着する。
【００４７】
その結果、本実施の形態によれば、読取時に用紙Ｓとスキャナ読取面２５との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００４８】
また、本実施の形態によれば、リボンカセット１６の交換時に、スキャナ読取面２５より高くなるように形成された段状支持部２７の支持面２７ａ〜２７ｄによってインクリボン１７のスキャナ読取面２５への接触が阻止されるので、スキャナ読取面２５が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００４９】
さらに、本実施の形態によれば、インクリボン１７を案内するためのガイド部２８ａ、２８ｂが段状支持部２７の支持面２７ａ、２７ｂの近傍に設けられていることから、より確実にインクリボン１７のスキャナ読取面２５への接触を阻止することができるとともに、リボンカセット１６の交換作業を円滑に行うことができる。
【００５０】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
【００５１】
例えば、上述の実施の形態においては、スキャナヘッドの読取面の周縁部分全てに段状支持部を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、スキャナヘッドの読取面の周縁部分の一部（例えばスキャナヘッドの主走査方向両端部）のみに段状支持部を設けることも可能である。
【００５２】
また、段状支持部の支持面の高さや形状については、スキャナヘッドの種類や装置構成等に応じて適宜変更することができる。
【００５３】
さらに、上述の実施の形態においては、スキャナヘッドの保持部材に段状支持部を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、段状支持部のみを単独で設けることも可能である。ただし、部品点数の削減等の観点からは、保持部材に設けることが好ましい。
【００５４】
さらにまた、本発明は小切手等を読み取って印字する複合処理装置のみならず、種々の読み取り、印字を行う装置に適用することができる。
【００５５】
ただし、上記実施の形態のような複合処理装置に適用した場合に最も有効となるものである。
【００５６】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、スキャナヘッドの読取面の周縁部分に、読取面に対して押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部を備えていると共に、読取時に搬送路上でスキャナ送りローラによって用紙がスキャナヘッドの読取面に押圧されると、スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の用紙が段状支持部の支持面上に乗り上がって撓むことから、読取時に用紙とスキャナヘッドの読取面との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００５７】
また、本発明によれば、リボンカセットの交換時に、スキャナヘッドの読取面より高くなるように形成された段状支持部の支持面によってインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触が阻止されるので、この読取面が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る複合処理装置の実施の形態の概略構成を示す側面図である。
【図２】同実施の形態における表印字ヘッド及びスキャナユニットの外観構成を示す斜視図である。
【図３】同スキャナユニットの外観構成を示す分解斜視図である。
【図４】同スキャナユニットの要部を示す断面図である。
【図５】同スキャナユニットの要部を示す断面図で、読取時の状態を示すものである。
【符号の説明】
１ 複合処理装置
１１ 表印字ヘッド
１１ａ 印字ヘッド
１６ リボンカセット
１７ インクリボン
２０ スキャナユニット
２１ スキャナヘッド
２２ 保持部材
２２ａ 収容開口部
２２ｂ 内壁（光遮蔽部）
２５ スキャナ読取面（読取面）
２７ 段状支持部
２７ａ、２７ｂ、２７ｃ、２７ｄ 支持面
２８ａ、２８ｂ ガイド部
３０ スキャナ送りローラ（押圧部材）
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば小切手等に印字された文字等を読み取るスキャナ及びこれを用いた複合処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、プリンタに、イメージスキャナ等の処理デバイスを追加して複合的な処理を装置として、例えば、印字ヘッド、イメージスキャナ及び磁気ヘッドを備えた小切手処理装置が提案されている。
【０００３】
このような小切手処理装置は、小切手への必要事項の印字処理、印字後の小切手の読取処理、必要に応じ決済機関への読取画像の送信処理を行い、取引内容を電子データとして交換することにより、小切手のオンライン決済がその場で可能になるので便利である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の小切手処理装置は窓際、照明下、屋外等、外乱光が入射する場所に設置される場合があり、そのため、スキャナヘッドと用紙の間から外乱光が侵入して画像の読取品質を低下させるという問題がある。
【０００５】
また、インクリボンカセット方式のプリンタを備えた装置においては、装置の構成上、印字ヘッドがスキャナヘッドの近傍に配置される場合もあるが、その場合には、インクリボンカセットの交換時にインクリボンがスキャナヘッドに接触してスキャナヘッドが汚れ、画像の読取品質が低下するという問題もある。
【０００６】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、外乱光の侵入やインクリボンの接触による画像の読取品質の低下を防止する技術を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、所定の押圧部材に対向する位置に配置され、前記押圧部材によって押圧される用紙を支持した状態で読み取る読取面を有するスキャナヘッドと、前記押圧部材と前記スキャナヘッドにより構成される前記用紙の搬送路と、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分に設けられ、該読取面に対して前記押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部とを備えたスキャナユニットであって、読取時に前記搬送路上で前記押圧部材によって前記用紙が前記スキャナヘッドの読取面に押圧されると、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の前記用紙が前記段状支持部の支持面上に乗り上がって撓むことを特徴とするスキャナユニットである。
【０００８】
この場合、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向端部に設けられていることも効果的である。
【０００９】
また、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向両端部に設けられていることも効果的である。
【００１０】
さらに、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向端部に設けられていることも効果的である。
【００１１】
さらにまた、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向両端部に設けられていることも効果的である。
【００１２】
さらにまた、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分を覆うように形成された光遮蔽部を有することも効果的である。
【００１３】
さらにまた、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドを保持する保持部材に設けられていることも効果的である。
【００１４】
加えて、インクリボンを案内するためのガイド部が前記段状支持部の近傍に設けられていることも効果的である。
【００１５】
一方、本発明は、前記搬送路に沿って搬送される用紙に対して印字を行う印字ヘッドと、前記スキャナユニットとを備え、前記印字ヘッドによって印字された情報を前記スキャナヘッドによって読み取り、この読取情報に基づいて所定の処理を行うように構成されていることを特徴とする複合処理装置である。
【００１６】
本発明においては、スキャナヘッドの読取面の周縁部分（例えば主走査方向両端、副走査方向両端）に、読取面に対して押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部を備えていることから、読取時に押圧部材によって用紙をスキャナの読取面に押圧した場合に、スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の用紙が段状支持部の支持面上に乗り上げて撓み、用紙の弾性力（腰）によって用紙が段状支持部の支持面に密着する。
【００１７】
その結果、本発明によれば、読取時に用紙とスキャナヘッドの読取面との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００１８】
また、本発明によれば、リボンカセットの交換時に、スキャナヘッドの読取面より高くなるように形成された段状支持部の支持面によってインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触が阻止されるので、この読取面が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００１９】
一方、本発明において、スキャナヘッドの読取面の周縁部分を覆うように形成された光遮蔽部を設けるようにすれば、より確実に外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００２０】
また、本発明において、スキャナヘッドを保持する保持部材に段状支持部を設けるようにすれば、装置構成を簡素にするとともに部品点数を削減することが可能になる。
【００２１】
さらに、本発明において、インクリボンを案内するためのガイド部を段状支持部の支持面の近傍に設けるようにすれば、より確実にインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触を阻止することができるとともに、リボンカセットの交換作業を円滑に行うことが可能になる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスキャナユニット及びこれを用いた複合処理装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【００２３】
図１は、本実施の形態の複合処理装置の概略構成を示す側面図である。
【００２４】
図１に示すように、本実施の形態の複合処理装置１は、その内部に、挿入口２から排出口３に至る用紙Ｓ（図５参照）の搬送経路Ｐが設けられている。
【００２５】
ここで、搬送経路Ｐは、挿入口２側が水平方向を向く一方で、排出口３側が鉛直方向を向き、側方から見てＬ字状に屈曲するように形成されている。
【００２６】
搬送経路Ｐ上には、挿入口２側から順に、用紙後端検出器４、ＭＩＣＲヘッド５、第１の送りローラ対６、用紙先端検出器７、用紙位置決め部材８、裏印字ヘッド９、第２の送りローラ対１０、表印字ヘッド１１、用紙排出検出器１２、後述するスキャナヘッド２１及びスキャナ送りローラ（押圧部材）３０が配設されている。
【００２７】
図２は、本実施の形態の表印字ヘッド及びスキャナユニットの外観構成を示す斜視図、図３は、同スキャナユニットの外観構成を示す分解斜視図である。
【００２８】
また、図４は、同スキャナユニットの要部を示す断面図、図５は、同スキャナユニットの要部を示す断面図で、読取時の状態を示すものである。
【００２９】
本実施の形態の表印字ヘッド１１は、例えば、小切手等の用紙Ｓの表面に、支払先、日付、金額等の表書き印字を行うものである。
【００３０】
図２に示すように、この表印字ヘッド１１は、キャリッジ軸１５に支持されたシリアル式の印字ヘッド１１ａを有し、用紙Ｓの幅方向に移動しつつ、リボンカートリッジ１６から繰り出されるインクリボン１７のインクを用紙Ｓに転写するように構成されている。
【００３１】
そして、本実施の形態においては、リボンカートリッジ１６が装着されるキャリッジカバー１８に、スキャナユニット２０が組み付けられる。
【００３２】
図２に示すように、スキャナユニット２０は、表印字ヘッド１１の上方に位置するように構成されている。
【００３３】
本実施の形態のスキャナユニット２０は、用紙Ｓを読み取るためのスキャナヘッド２１と、このスキャナヘッド２１を保持するための保持部材２２とを有している。
【００３４】
ここで、スキャナヘッド２１は、密着型イメージセンサ（ＣＩＳ：Contact Image Sensor ）であり、スキャナヘッド２１内には、用紙Ｓの幅方向に発光素子、受光素子がそれぞれライン状に配置されている。本実施例では用紙Ｓの幅方向がスキャナヘッド２１の主走査方向、搬送経路Ｐが副走査方向となる。
【００３５】
このスキャナヘッド２１は、透明な例えばガラスからなる平面状のスキャナ読取面２５を有し、このスキャナ読取面２５が搬送経路Ｐと平行になるように配置される。本実施の形態の場合は、スキャナ読取面２５が鉛直方向を向くように配置される。
【００３６】
図１に示すように、スキャナ送りローラ３０は、搬送経路Ｐを挟んでスキャナ読取面２５と対向する位置に配置され、搬送経路Ｐに沿って搬送される用紙Ｓをスキャナ読取面２５に押圧するように構成されている。
【００３７】
保持部材２２は、例えば樹脂を用いて一体的に形成され、この保持部材２２には、図３に示すように、スキャナヘッド２１とほぼ同じ大きさの収容開口部２２ａが設けられている。
【００３８】
そして、本実施の形態のスキャナユニット２０は、保持部材２２の収容開口部２２ａにスキャナヘッド２１を挿入して例えば金属製の押圧プレート２６によって前記スキャナヘッド２１の上側部と背面を保持部材２２の収容開口部２２ａの内壁２２ｂに押圧することにより保持するように構成されている。
【００３９】
なお、図２に示すように、スキャナヘッド２１が保持部材２２に保持された状態では、スキャナ読取面２５は露出するようになっている。
【００４０】
本実施の形態においては、保持部材２２の収容開口部２２ａの内壁２２ｂは、スキャナ本体２４とほぼ密着してスキャナ読取面２５の周縁部分を覆うように形成され、これにより光遮蔽部として機能するように構成されている。
【００４１】
そして、保持部材２２の前面側には、収容開口部２２ａの周縁部分（スキャナヘッド２１の主走査方向両端、副走査方向両端）すなわちスキャナ読取面２５の周縁部分に対応する部位に、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置する支持面２７ａ〜２７ｄを有する段状支持部２７が設けられている。
【００４２】
ここで、段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄは搬送経路Ｐと平行な平面状に形成されている。
【００４３】
そして、保持部材２２の収容開口部２２ａのスキャナヘッド２１の主走査方向両端に形成された支持面２７ａ、２７ｂは、スキャナ読取面２５より１ｍｍ程度高く、すなわち、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置するように構成されている。この場合、保持部材２２の支持面２７ａ、２７ｂ間の距離は、読み取る用紙Ｓの幅より若干小さくなるように設定されている。
【００４４】
一方、保持部材２２の収容開口部２２ａのスキャナヘッド２１の副走査方向両端に形成された支持面２７ｃ、２７ｄは、スキャナ読取面２５より０．５ｍｍ程度高く、すなわち、スキャナ読取面２５に対してスキャナ送りローラ３０側に位置するように構成されている。
【００４５】
さらに、本実施の形態においては、保持部材のスキャナヘッド２１の主走査方向両端部の支持面２７ａ、２７ｂの近傍に、インクリボン１７を案内するためのガイド部２８ａ、２８ｂが設けられている。これらガイド部２８ａ、２８ｂは、リボンカセット１６の両端部方向に傾斜させたテーパ状に形成されている。
【００４６】
このような構成を有する本実施の形態において読取時に紙送りローラ３０によって用紙Ｓをスキャナ読取面２５に押圧すると、図４及び図５に示すように、保持部材２２の収容開口部２２ａの周縁部分上の用紙Ｓが段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄ上に乗り上げて撓み、用紙Ｓの弾性力（腰）によって用紙Ｓが段状支持部２７の各支持面２７ａ〜２７ｄに密着する。
【００４７】
その結果、本実施の形態によれば、読取時に用紙Ｓとスキャナ読取面２５との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００４８】
また、本実施の形態によれば、リボンカセット１６の交換時に、スキャナ読取面２５より高くなるように形成された段状支持部２７の支持面２７ａ〜２７ｄによってインクリボン１７のスキャナ読取面２５への接触が阻止されるので、スキャナ読取面２５が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００４９】
さらに、本実施の形態によれば、インクリボン１７を案内するためのガイド部２８ａ、２８ｂが段状支持部２７の支持面２７ａ、２７ｂの近傍に設けられていることから、より確実にインクリボン１７のスキャナ読取面２５への接触を阻止することができるとともに、リボンカセット１６の交換作業を円滑に行うことができる。
【００５０】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
【００５１】
例えば、上述の実施の形態においては、スキャナヘッドの読取面の周縁部分全てに段状支持部を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、スキャナヘッドの読取面の周縁部分の一部（例えばスキャナヘッドの主走査方向両端部）のみに段状支持部を設けることも可能である。
【００５２】
また、段状支持部の支持面の高さや形状については、スキャナヘッドの種類や装置構成等に応じて適宜変更することができる。
【００５３】
さらに、上述の実施の形態においては、スキャナヘッドの保持部材に段状支持部を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、段状支持部のみを単独で設けることも可能である。ただし、部品点数の削減等の観点からは、保持部材に設けることが好ましい。
【００５４】
さらにまた、本発明は小切手等を読み取って印字する複合処理装置のみならず、種々の読み取り、印字を行う装置に適用することができる。
【００５５】
ただし、上記実施の形態のような複合処理装置に適用した場合に最も有効となるものである。
【００５６】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、スキャナヘッドの読取面の周縁部分に、読取面に対して押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部を備えていると共に、読取時に搬送路上でスキャナ送りローラによって用紙がスキャナヘッドの読取面に押圧されると、スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の用紙が段状支持部の支持面上に乗り上がって撓むことから、読取時に用紙とスキャナヘッドの読取面との隙間が生じないので、外乱光の侵入を阻止して画像の読取品質の低下を防止することができる。
【００５７】
また、本発明によれば、リボンカセットの交換時に、スキャナヘッドの読取面より高くなるように形成された段状支持部の支持面によってインクリボンのスキャナヘッドの読取面への接触が阻止されるので、この読取面が汚れることがなく、画像の読取品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る複合処理装置の実施の形態の概略構成を示す側面図である。
【図２】同実施の形態における表印字ヘッド及びスキャナユニットの外観構成を示す斜視図である。
【図３】同スキャナユニットの外観構成を示す分解斜視図である。
【図４】同スキャナユニットの要部を示す断面図である。
【図５】同スキャナユニットの要部を示す断面図で、読取時の状態を示すものである。
【符号の説明】
１ 複合処理装置
１１ 表印字ヘッド
１１ａ 印字ヘッド
１６ リボンカセット
１７ インクリボン
２０ スキャナユニット
２１ スキャナヘッド
２２ 保持部材
２２ａ 収容開口部
２２ｂ 内壁（光遮蔽部）
２５ スキャナ読取面（読取面）
２７ 段状支持部
２７ａ、２７ｂ、２７ｃ、２７ｄ 支持面
２８ａ、２８ｂ ガイド部
３０ スキャナ送りローラ（押圧部材）
Claims (10)
- 所定の押圧部材に対向する位置に配置され、前記押圧部材によって押圧される用紙を支持した状態で読み取る読取面を有するスキャナヘッドと、
前記押圧部材と前記スキャナヘッドにより構成される前記用紙の搬送路と、
前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分に設けられ、該読取面に対して前記押圧部材側に位置する支持面を有する段状支持部とを備えたスキャナユニットであって、
読取時に前記搬送路上で前記押圧部材によって前記用紙が前記スキャナヘッドの読取面に押圧されると、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分上の前記用紙が前記段状支持部の支持面上に乗り上がって撓むことを特徴とするスキャナユニット。 - 請求項１において、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向端部に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項２において、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの主走査方向両端部に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項２又は請求項３のいずれかにおいて、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向端部に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項２乃至請求項４のいずれかにおいて、前記段状支持部が、前記スキャナヘッドの副走査方向両端部に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項１乃至請求項５のいずれかにおいて、前記スキャナヘッドの読取面の周縁部分を覆うように形成された光遮蔽部を有することを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項１乃至請求項６のいずれかにおいて、前記段状支持部は、前記スキャナヘッドを保持する保持部材に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項１乃至請求項７のいずれかにおいて、インクリボンを案内するためのガイド部が前記段状支持部の近傍に設けられていることを特徴とするスキャナユニット。
- 請求項１乃至請求項８のいずれかに記載のスキャナユニットと、
前記搬送路に沿って搬送される用紙に対して印字を行う印字ヘッドとを備え、
前記印字ヘッドによって印字された情報を前記スキャナヘッドによって読み取り、この読取情報に基づいて所定の処理を行うように構成されていることを特徴とする複合処理装置。 - 請求項９において、前記スキャナユニットは、前記印字ヘッドの上方に配置されていることを特徴とする複合処理装置。
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