JP3814733B2 - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関し、詳しくは、塩素化時の浮き樹脂を防止し、優れたフリーフロー性を有し、かつ加熱成形時の初期着色性および熱安定性にも優れた塩素化塩化ビニル系樹脂を得ることのできる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、「CPVC」ともいう)は、塩化ビニル系樹脂(以下、「PVC」ともいう)を塩素化することにより得られる。塩化ビニル系樹脂を水性懸濁下で塩素化する方法は公知であり、例えば、特開昭58−103507号や特開昭64−6002号等に記載されている。
【0003】
塩素化塩化ビニル系樹脂を水性懸濁下で塩素化すると、樹脂は浮きやすくなり、反応終了後の払い出し時に樹脂が反応器に残ったり、樹脂スラリー移送時に、送液ポンプがキャビテーションを起こす等により生産性が低下する問題があった。
【0004】
一方、塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂が有する優れた特徴を保持しながら塩化ビニル系樹脂より耐熱性に優れる特徴を持ち、耐熱性を要求されるパイプ、継手、工業板、シート等に用いられている。
【0005】
しかしながら、塩素化塩化ビニル系樹脂は塩化ビニル系樹脂より熱安定性が悪く、加工成形時に樹脂が焼けやすく長期間の加工成形がしにくい等、透明用途で着色する等の問題点があった。
【0006】
また、塩素化塩化ビニル系樹脂は、帯電しやすくフリーフロー性が悪いため、押出器ホッパー内でブロッキングを起こし易く、定常的な押出しにはトラブルが発生するといった問題点があった。
【0007】
そこで、これまで塩素化時の浮き樹脂対策として、特開平9−95513号に開示する技術が提案された。すなわち、特定のポリビニルアルコールからなる分散剤を特定量加え、懸濁重合して得られた塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法が提案された。この方法によれば、確かに塩素化時に浮き樹脂が発生しないため生産性が向上する。しかしながら、成形加工時の熱安定性や透明用途での着色性が劣るといった問題は依然として残り、更には、フリーフロー性の点についても未解決であり、そのため、定常的な押出作業でホッパー内のブロッキング等の問題点があった。
【0008】
[発明の目的]
本発明の目的は、塩素化時の浮き樹脂を防止するとともに、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性が優れ、更に、加熱成形時の初期着色性および熱安定性が優れた塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する方法を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決せんとして鋭意研究の結果、特定の平均粒子径を持ち、なおかつ特定の粒子空隙率を持つ塩化ビニル系樹脂を水性懸濁下で塩素化することにより、塩素化時の浮き樹脂が防止されるとともに、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性が優れ、更に加熱成形時の初期着色性および熱安定性が優れることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、平均粒子径が150μm以上であり、かつ2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Paにおける粒子空隙率が0.15cc/g以上であり、かつ嵩比重が0.54g/cc以上である塩化ビニル系樹脂を反応器内において水性媒体中に懸濁させ、当該水性懸濁液中で前記塩化ビニル系樹脂塩素化反応することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でいう塩化ビニル系樹脂は塩化ビニル系単量体の重合体である。塩化ビニル系単量体としては、塩化ビニル単量体の他に、塩化ビニル単量体と共重合し得る他の単量体が含まれる。塩化ビニル単量体と共重合し得る他の単量体とは、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル等の単量体であり、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられ、その使用量は塩化ビニル単量体100重量部当たり0〜20重量部程度である。
【0012】
塩化ビニル系樹脂の平均重合度に限定はないが、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂がパイプ、継手、バルブ、工業板、シート等に用いられることから平均重合度は400〜2,000が好ましい。平均重合度が400未満ではCPVC成形体の衝撃強度が低く、2,000を超えるとCPVCの溶融粘度が高くなり、加工しにくいものとなる傾向がある。
【0013】
本発明でいう塩化ビニル系樹脂の平均粒子径とは、42メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、100メッシュ、120メッシュ、150メッシュ、200メッシュの標準篩を使用し、JIS Z 8801に準拠して、累積分布から求めた値である。
【0014】
本発明では、塩化ビニル系樹脂の平均粒子径は、150μm以上に限定される。平均粒子径が150μm未満になると、塩素化時に浮き樹脂が生じやすくなり、かつ得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性が低下して好ましくない。
【0015】
また、平均粒子径が200μm以上である塩化ビニル系樹脂を用いると、塩素化時の浮き樹脂防止の点および得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性の更なる向上の点から特に好ましい。
【0016】
また、2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Paの粒子空隙率とは、2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Paにおいて塩化ビニル樹脂内に存在する空隙の平均口径が5.9〜0.17μmの空隙の全容量を水銀圧入法ポロシメーターにより求めた値を樹脂重量で除算した値である。
【0017】
本発明では、塩化ビニル系樹脂の2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Paにおける空隙率が0.15cc/g以上に限定される。該空隙率が0.15cc/g未満になると、塩素化塩化ビニル系樹脂のゲル化性が悪くなったり、加熱成形時の初期着色性および熱安定性が悪化して好ましくない。
【0018】
前記空隙率が0.19cc/g以上で、かつ嵩比重が0.54g/cc以上である場合には、平均粒子径に基づく浮き樹脂の防止効果、および得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性向上効果に加えて嵩比重に基づくフリーフロー性向上効果、および空隙率に基づく加熱成形時の初期着色性と熱安定性の改良効果が更に増加し特に好ましい。
【0019】
塩化ビニル系樹脂を塩素化して塩素化塩化ビニル系樹脂を得る塩素化方法は、水性懸濁下で行う公知の方法によって行われ、特に限定はないが、塩素ガスを吹き込みながら水銀灯を照射することが設備的に最も簡略で好ましい。
【0020】
また、塩素化時の反応温度は、設備的な耐腐蝕性の観点および得られた塩素化塩化ビニル系樹脂の加工成形時の初期着色性や熱安定性の改善のために40〜90℃で行うことが好ましい。
【0021】
更に、塩素化時の反応圧力は設備的な耐腐蝕性の観点および耐圧の観点から0〜1.5kg/cm2 ・Gで行うことが好ましい。
【0022】
塩素化反応中の浮き樹脂防止効果および得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性改善効果と加熱成形時の初期着色性および熱安定性の改良効果は、用いる塩化ビニル系樹脂が懸濁重合により製造され、更に、その重合の際に用いる分散剤として少なくとも1種類のポリビニルアルコールを用い、なおかつ連鎖移動剤を重合系に加えて得られたものであるとき、最も好ましい効果が見られる。
【0023】
この際に使用するポリビニルアルコールとして鹸化度が65〜93モル%であるものであることが好ましい。
【0024】
また、連鎖移動剤として特に限定はなく、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、チオプロピレングリコール、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオ酢酸、イソオクチルチオグリコレート、n−ブチル3−メルカプトプロピオネート、n−ブチルチオグリコレート、グリコールジメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、アルキルメルカプタン等から選ばれる。
【0025】
この発明で得られる塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素化度に特に限定はないが60〜73重量%であることが好ましく、加熱成形による加工性が良好であるという点で62〜70重量%であることが更に好ましい。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、塩素化時の浮き樹脂を防止するとともに、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂のフリーフロー性が優れ、更に、加熱成形時の初期着色性および熱安定性が優れた塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する方法を提供することができた。
【0027】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0028】
以下の記載において「部」または「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」または「重量%」を表す。
【0029】
なお各塩化ビニル樹脂の特性値は下記の測定法によって測定した。
【0030】
(平均粒子径)
JIS Z 8801に定められた標準篩(42メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、100メッシュ、120メッシュ、150メッシュ、200メッシュ)を使用し、累積重量分布曲線より50重量%となる粒子径をもって平均粒子径とした。
【0031】
(粒子空隙率)
アミンコ社(AMINCO CO.LTD.)製「ポロシメータ」を使用し、塩化ビニル樹脂約0.2gを精秤し、ペネストロメータ中に入れ、このペネストロメータを減圧ユニット内にセットして0.1Torr以下に減圧した後大気圧に戻すと同時に、ペネストロメータ内に水銀を充満させ、塩化ビニル樹脂粒子間隙を水銀で満たす。その後ペネストロメータをイソプロパノールを充満させた加圧ユニット内にセットして、徐々に圧力を加えてペネストロメータの目盛りと圧力との関係を求め、2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Pa間の空隙量を求め、1gの塩化ビニル樹脂当たりに換算してcc/gで表示。
【0032】
(嵩比重)
JIS K 6721に準拠し、東洋精機(株)の嵩比重測定器を使用して嵩比重を測定し、g/ccで表示。
【0033】
(粘度平均重合度)
JIS K 6721に準拠して測定。
【0034】
また、実施例および比較例におけるフリーフロー性試験、熱安定性試験、初期着色性の測定方法は下記のとおりである。
【0035】
(フリーフロー性試験)
小型の漏斗に100gの塩素化塩化ビニル系樹脂またはそのコンパウンドを入れ、樹脂またはコンパウンドが完全に漏斗を通って落下して漏斗から完全になくなった時間を測定した。漏斗は落下する樹脂またはコンパウンドを受けるコニカルビーカーと密着して空気が漏れない系とした。
【0036】
なお、このフリーフロー性試験を行ったときのコンパウンドの配合は、下記[表1]に記載の組成の配合であり、ヘンシェルミキサーにてホットブレンドしたものを用いた。
【0037】
【表1】
【0038】
(熱安定性試験)
50×40mmに切り取ったロールシート片を200℃ギヤオープンにて15分毎に取り出し、目視で黒化度を観察した。黒化するまでに要する時間(黒化時間:分)で示した。
【0039】
(初期着色性)
色差計(日本電色工業(株)製 Σ80 COLOR MEASURING SYSTEM)にて、プレス板のa値(赤味)を測定した。
【0040】
なお、CPVCの物性試験は、下記の配合でロール、プレスを行い試験に供した。
【0041】
(CPVCの物性試験)
実施例および比較例で得られたCPVCを用いて下記[表2]に記載の組成よりなる配合物を作成した。
【0042】
【表2】
この配合物をクリアランス0.2mmで190℃のロールで3分間混練した。得られたロールシートを縦50mm、横40mmに切り取り、熱安定性試験に供した。また、別に得られたロールシートを重ねて、200℃でプレスして厚み3mmのプレス板を作成し、色差計にてa値(赤味)を測定した。
【0043】
実施例1
撹拌翼を装備したステンレスオートクレーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4%水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.004部の2−メルカプトエタノールおよび0.04部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した後100部の塩化ビニルを圧入した。その後、撹拌下で58℃で5時間重合を行わせ、PVCを得た。
【0044】
次いで、塩素化反応器に上記PVC粉末15kgとイオン交換水35kgを入れ、充分に撹拌した後、真空ポンプで内部空気を吸引し、内部圧を−0.6kg/cm2 ・Gで10分間保った。
【0045】
その後、窒素ガスを通して反応器中の酸素をさらに除いた後、再び真空ポンプで吸引し、上記の圧力で10分間保持し、反応器内の酸素を除去した。
【0046】
次いで塩素ガスを反応器に供給し、10分間反応器内を塩素ガスで置換後、圧力を0.2kg/cm2 ・Gに保ちながら初期100W、2時間後からは200Wの高圧水銀灯を照射し、塩素化反応を行った。塩素化反応温度は、反応開始時は40℃とし、1.5時間で75℃まで昇温し、以降は75℃一定とした。
【0047】
反応液中の塩化水素濃度から塩素化度を計算し、塩素含有量が67%になったところで水銀灯の照射を止め、塩素ガスの供給を停止した。同時に反応器を冷却し、窒素ガスにて残留塩素ガスの除去を行い、塩素化反応を終了した。
【0048】
残留塩素ガスを除去後、撹拌を続けながら反応器底部よりスラリーの払い出しを行ったところ、樹脂で均一なスラリーが払い出された。反応器には殆ど樹脂は残っていなかった。
【0049】
払い出されたスラリーを脱水およびイオン交換水で水洗した後、脱水して乾燥後CPVCの白色粉末を得た。得られたCPVCを物性試験に供した。
【0050】
実施例2
実施例1で0.09部のポリボニルアルコールを用いた以外は、同様の方法でPVCの重合を行ない、PVCを得た。
【0051】
このPVCを用いて実施例1と同様に塩素化反応を行ない、CPVCの白色粉末を得た。この時、スラリーの払い出し時には、樹脂で均一なスラリーが払い出された。反応器には殆ど樹脂は残っていなかった。得られたCPVCを物性試験に供した。
【0052】
参考例
実施例1で0.004部の2−メルカプトエタノールを除き、分散剤として0.08部のポリビニルアルコールの代わりに0.035部のヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシ基21.5%、ヒドロキシルプロポキシル基8.0%)を用いてPVCの重合を行ない、PVCを得た。
【0053】
このPVCを用いて実施例1と同様に塩素化反応を行ない、CPVCの白色粉末を得た。この時、スラリーの払い出し時には、樹脂で均一なスラリーが払い出された。反応器には殆ど樹脂は残っていなかった。得られたCPVCを物性試験に供した。
【0054】
比較例1
実施例1で0.004部の2−メルカプトエタノールを除いた以外は同様の方法でPVCの重合を行い、PVCを得た。
【0055】
このPVCを用いて実施例1と同様に塩素化反応を行いCPVCの白色粉末を得た。このとき、スラリーの払い出し時には、樹脂で均一なスラリーが払い出された。反応器には殆ど樹脂が残っていなかった。得られたCPVCを物性試験に供した。
【0056】
比較例2
実施例1で0.004部の2−メルカプトエタノールを除き、分散剤として0.08部のポリビニルアルコールの代わりに0.05部のヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基21.5%、ヒドロキシルプロポキシル基8.0%)を用いてPVCの重合を行い、PVCを得た。
【0057】
このPVCを用いて実施例1と同様に塩素化反応を行いCPVCの白色粉末を得た。このとき、スラリーの払い出し時には、最初樹脂濃度の薄いサラサラしたスラリーが払い出され、払い出し末期には樹脂濃度が高いドロドロしたスラリーが払い出された。反応器にはかなりの量の樹脂が残っていた。得られたCPVCは、物性試験に供した。
【0058】
比較例3
実施例1で0.004部の2−メルカプトエタノールを除き、分散剤として0.08部のポリビニルアルコールの代わりに、0.05部のポリビニルピロリドンを用いてPVCの重合を行い、PVCを得た。
【0059】
このPVCを用いて実施例1と同様に塩素化反応を行い、CPVCの白色粉末を得た。このとき、スラリーの払い出し時には、樹脂で均一なスラリーが払い出された。反応器には殆ど樹脂が残っていなかった。得られたCPVCを物性試験に供した。
【0060】
実施例1および比較例1〜3で得られたCPVCの物性試験結果およびPVCの粉体特性を[表3]にまとめた。
【0061】
これから明らかなように、本発明の製造方法によると、CPVCの塩素化時の浮き樹脂を防止し、かつ得られるCPVCはフリーフロー性が優れ、しかも加熱成形時の初期着色性および熱安定性が優れていることがわかる。
【0062】
【表3】
Claims (7)
- 平均粒子径が150μm以上であり、かつ2.14×10 5 Pa〜6.97×10 6 Paにおける粒子空隙率が0.15cc/g以上であり、かつ嵩比重が0.54g/cc以上である塩化ビニル系樹脂を反応器内において水性媒体中に懸濁させ、当該水性懸濁液中で前記塩化ビニル系樹脂を塩素化反応することを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 前記塩化ビニル系樹脂の粒子空隙率が0.19cc/g以上であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 前記塩化ビニル系樹脂の平均粒子径が200μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
- 前記水性懸濁液中に塩素ガスを吹き込み、水銀灯を照射して塩素化反応することを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の製造方法。
- 塩素化時の反応温度が40〜90℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 塩素化時の反応器内圧が0〜1.5kg/cm2・Gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 少なくとも1種類のポリビニルアルコールを分散剤として、連鎖移動剤を加えて懸濁重合して得られた塩化ビニル系樹脂を塩素化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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