JPH0995513A - 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH0995513A
JPH0995513A JP27688395A JP27688395A JPH0995513A JP H0995513 A JPH0995513 A JP H0995513A JP 27688395 A JP27688395 A JP 27688395A JP 27688395 A JP27688395 A JP 27688395A JP H0995513 A JPH0995513 A JP H0995513A
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JP
Japan
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pvc
chlorination
vinyl chloride
polymerization
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JP27688395A
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English (en)
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Tsuyoshi Suzuki
毅之 鈴木
Toshio Okuhara
登志夫 奥原
Tsutomu Tomita
勉 富田
Minoru Isshiki
実 一色
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素化時における浮き樹脂の発生を防止し、
塩素化後の後処理が容易で生産性を低下させない塩素化
塩化ビニル樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 鹸化度が65〜93モル%で、濃度4重
量%の水溶液の20℃での粘度が10〜60CPSであ
るポリビニルアルコールからなる分散剤を塩化ビニル1
00重量部に対し0.01〜0.3重量部存在せしめて
懸濁重合して得られた塩化ビニル樹脂を水性懸濁下で塩
素化することにより、塩素化時の浮き樹脂の発生を防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化塩化ビニル
樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、塩化ビニルを水
性懸濁下で塩素化するにあたり、塩素化時における浮き
樹脂の発生を防止し、塩素化後の後処理が容易で生産性
を低下させない塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル樹脂(以下、CPVC
という)は、塩化ビニル(以下、PVCという)の軟化
温度を向上させるという性質を有しており、PVCを水
性懸濁下で塩素化して製造されている。
【0003】CPVCの原料樹脂としてのPVCは、メ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
などの分散剤及びラウロイルパーオキサイド、ジー2−
エチルヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、α、α’−アゾビスー
2、4−ジメチルバレロニトリルなどの油溶性重合開始
剤を使用した懸濁重合法で重合されるのが一般的であ
る。
【0004】これまで工業的には、CPVCの原料樹脂
としてのPVCは、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースなどのメチルセルロース系分散剤
を使用した懸濁重合法で製造されてきた。この理由は、
加熱したときに着色しにくいCPVCが得られるからで
ある(特開昭62−84103、特開昭64−600
2、特開平1−131212、特開平1−14690
4、特開平1−178544、特開平3−16620
5)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、メチルセ
ルロース系分散剤を使用した懸濁重合法で製造されたP
VCを水性懸濁下で塩素化すると、塩素化時に浮き樹脂
が発生しやすく、スラリー送液量の低下による反応機払
出し時間が長くかかり、生産性が落ちるという問題点が
あった。本発明は、PVCを水性懸濁下で塩素化してC
PVCを製造するにあたり、塩素化時に浮き樹脂を発生
しにくくして生産性を低下させないCPVCの製造方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来CP
VCの原料PVCとして、これまで工業的に用いられる
ことのなかったポリビニルアルコールを分散剤として懸
濁重合したPVCに着目し、鋭意検討した結果、鹸化度
が65〜93モル%で、濃度4重量%の水溶液の20℃
での粘度が10〜60CPSであるポリビニルアルコー
ルからなる分散剤の存在下で塩化ビニルを懸濁重合して
得られたPVCは、これを水性懸濁下で塩素化しても浮
き樹脂が発生しにくく、CPVC製造工程においても生
産性を低下しないことを見い出した。また、CPVCは
一般にパイプや継手等をの原料として使用されることが
多く、これらの配合は通常顔料を含むため、従来から工
業的に製造されてきたメチルセルロース系の分散剤を使
用して塩化ビニルを懸濁重合して得られたPVCを原料
としたCPVCと比べても、加工後の着色は事実上問題
とはならない。本発明は、かかる知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0007】即ち、本願発明は、鹸化度が65〜93モ
ル%で、濃度4重量%の水溶液の20℃での粘度が10
〜60CPSであるポリビニルアルコールからなる分散
剤を塩化ビニル100重量部に対し0.01〜0.3重
量部存在せしめて懸濁重合して得られた塩化ビニル樹脂
を水性懸濁下で塩素化することにより、塩素化時の浮き
樹脂の発生を防止することを特徴とする塩素化塩化ビニ
ル樹脂の製造方法を内容とするものである。
【0008】本発明は、PVCを水性媒体中に分散させ
て懸濁状態で塩素化してCPVCを製造するにあたり、
特定のポリビニルアルコールを分散剤として特定量使用
して塩化ビニルを懸濁重合して得られたPVCを用いる
ことを特徴としている。本発明に用いられるポリビニル
アルコールは、鹸化度が65〜93モル%で、濃度4重
量%の水溶液の20℃での粘度が10〜60CPSであ
ることが必要である。鹸化度が65モル%未満では、P
VCの重合において過分散を生じ、目的の重合物が得ら
れず、逆に93モル%を越えると、PVCの重合におい
て分散不良を生じ、重合が異常となる。また、濃度4重
量%の水溶液の20℃での粘度が10CPS未満又は6
0CPSを越えると、PVCの重合において油滴に対す
る分散剤の保護力が不足し分散不良を生じ、重合が異常
となる。
【0009】ポリビニルアルコールは、塩化ビニル10
0重量部に対して0.01〜0.3重量部用いることが
必要である。ポリビニルアルコールの使用量が0.01
重量部未満では、PVCの重合において分散不良を生
じ、重合が異常となり、逆に0.3重量部を越えると、
PVCの重合において過分散を生じ、目的とするCPV
Cが得られない。
【0010】本発明に用いられるポリビニルアルコール
は、他の分散剤と併用することもできる。例えば、従来
使用されてきたメチルセルロース系の分散剤と併用して
も、上記ポリビニルアルコールが主たる分散剤である場
合には、塩素化時に浮き樹脂は発生しにくく、塩素化後
の後処理は容易で生産性を低下させることはない。
【0011】上記の如くして得られたPVCを水性懸濁
下で塩素化反応させるが、PVCの塩素化は気相でも液
相でもよい。しかし乍ら、浮き樹脂を発生しにくくする
という本発明の目的は、液相でのPVCの塩素化、その
中でも水を媒体として使用する塩素化において最も効果
的に達成される。水性懸濁下での塩素化反応として、熱
反応による塩素化反応と水銀灯を用いる光反応による塩
素化反応があるが、本発明ではそれらのいずれでもよ
い。
【0012】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。以下の実施例及び比較例におい
て、部および%は特に示す断らない限り重量基準であ
る。なお、実施例及び比較例におけるシャルピー試験、
ビカット軟化点、抗張力、曲げ強度、パイプの色の測定
又は評価方法は、下記のとおりである。 (イ)シャルピー試験 JIS K 7111に準じた。 (ロ)ビカット軟化点 JIS K 6776に準じた。但し、荷重は5kgと
した。 (ハ)抗張力 JIS K 6776に準じた。 (ニ)曲げ強度 JIS K 7203に準じた。 (ホ)パイプの着色 目視により判断した。
【0013】実施例1 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.0
4部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した
のち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌下
で58℃で5時間重合を行わせ、PVCを得た。このP
VCは重合度が1000であった。
【0014】(塩素化工程1)ガラス製反応機に900
部の純水と100部のPVCを投入し、真空脱気したの
ち窒素を入れて常圧とし、高圧水銀灯を照射しながら7
0℃で塩素を吹き込み、塩素化を行った。塩素含有量が
67%に達したとき、塩素化反応を停止した。得られた
CPVCはほとんど反応機底に沈んだ。その後、残存塩
素を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0015】(塩素化工程2)反応機に230部の純水
と100部のPVCを投入し、真空脱気及び窒素置換を
おこない、真空脱気後塩素を吹き込み、高圧水銀灯を照
射して85℃で塩素化を行った。塩素含有量が67%に
達したとき、塩素化反応を停止した。窒素にて未反応塩
素を追い出した後、後処理工程に送液した。払い出し時
間は約10分と短時間であった。後処理工程で残存塩酸
を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0016】(パイプ押出し)塩素工程2で得られた1
00部のCPVC、6部のMBS(鐘淵化学工業株式会
社製、商品名:カネエースB56)、3部の塩素化ポリ
エチレン、2部のスズ系安定剤ジーn−オクチルスズー
S、S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテー
ト)、2部のポリエチレンワックス、5部の二酸化チタ
ン、0.1部のカーボンブラックをブレンドし、押出機
にて1インチのパイプを押出した。吐出量は51kg/
hrで加工性に問題はなかった。パイプの物性は23℃
でのシャルピー試験では24kg・cm/cm2 、5k
g荷重のビカット軟化点は113℃、23℃での抗張力
は590kg/cm2 、曲げ強度は870kg/cm2
で全く問題のないものであった。押出したパイプの色も
特に問題はなかった。
【0017】比較例1 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.05部のヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基21.
5%、ヒドロキシルプロポキシル基8.0%)と、0.
04部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデ
カノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気し
たのち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌
下で58℃で5時間重合を行わせ、PVCを得た。この
PVCは重合度が1000であった。
【0018】(塩素化工程1)ガラス製反応機に900
部の純水と100部のPVCを投入し、真空脱気したの
ち窒素を入れて常圧とし、高圧水銀灯を照射しながら7
0℃で塩素を吹き込み、塩素化を行った。塩素含有量が
67%に達したとき、塩素化反応を停止した。得られた
CPVCはほとんど反応機上層に浮いた。その後、残存
塩素を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0019】(塩素化工程2)反応機に230部の純水
と100部のPVCを投入し、真空脱気及び窒素置換を
おこない、真空脱気後塩素を吹き込み、高圧水銀灯を照
射して85℃で塩素化を行った。塩素含有量が67%に
達したとき、塩素化反応を停止した。窒素にて未反応塩
素を追い出した後、後処理工程に送液した。払い出し時
間は約30分かかり、浮き樹脂によるスラリー送液量の
低下にともなう払い出し時間の長期化が見られた。後処
理工程で残存塩酸を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0020】(パイプ押出し)塩素工程2で得られた1
00部のCPVC、6部のMBS(鐘淵化学工業株式会
社製、商品名:カネエースB56)、3部の塩素化ポリ
エチレン、2部のスズ系安定剤ジーn−オクチルスズー
S、S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテー
ト)、2部のポリエチレンワックス、5部の二酸化チタ
ン、0.1部のカーボンブラックをブレンドし、押出機
にて1インチのパイプを押出した。吐出量は54kg/
hrであった。パイプの物性は23℃でのシャルピー試
験では23kg・cm/cm2 、5kg荷重のビカット
軟化点は114℃、23℃での抗張力は600kg/c
2 、曲げ強度は870kg/cm2 だった。押出した
パイプの色も問題なかった。
【0021】比較例2 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:96.0モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:27.0CPS)と、0.0
4部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した
のち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌下
で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時間で分散不
良となり重合できなかった。
【0022】比較例3 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:47.0モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:29.0CPS)と、0.0
4部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した
のち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌下
で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時間で分散不
良となり重合できなかった。
【0023】比較例4 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:80.0モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:9.0CPS)と、0.04
部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカノ
エートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気したの
ち、容器内に100部の塩化ビニルを圧入した。その
後、攪拌下で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時
間で分散不良となり重合できなかった。
【0024】比較例5 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.08部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:77.5モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:78.8CPS)と、0.0
4部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した
のち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌下
で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時間で分散不
良となり重合できなかった。
【0025】比較例6 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.009部のポ
リビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4
%水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.
04部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデ
カノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気し
たのち100部の塩化ビニルを圧入した。その後、攪拌
下で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時間で分散
不良となり重合できなかった。
【0026】比較例7 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.31部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.0
4部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートとを投入し、オートクレーブ内を真空脱気した
のち、容器内に100部の塩化ビニルを圧入した。その
後、攪拌下で58℃で重合を行ったが、反応開始後1時
間で分散不良となり重合できなかった。
【0027】実施例2 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.07部のポリ
ビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4%
水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.0
05部のヒドロキシプロメチルセルロース(メトキシル
基21.5%、ヒドロキシルプロポキシル基8.0%)
と、0.04部の油溶性重合開始剤t−ブチルパーオキ
シネオデカノエートとを投入し、オートクレーブ内を真
空脱気したのち100部の塩化ビニルを圧入した。その
後、攪拌下で58℃で5時間重合を行わせ、PVCを得
た。このPVCは重合度が1000であった。
【0028】(塩素化工程1)ガラス製反応機に900
部の純水と100部のPVCを投入し、真空脱気したの
ち窒素を入れて常圧とし、高圧水銀灯を照射しながら7
0℃で塩素を吹き込み、塩素化を行った。塩素含有量が
67%に達したとき、塩素化反応を停止した。得られた
CPVCはほとんど反応機底に沈んだ。その後、残存塩
素を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0029】(塩素化工程2)反応機に230部の純水
と100部のPVCを投入し、真空脱気及び窒素置換を
おこない、真空脱気後塩素を吹き込み、高圧水銀灯を照
射して、85℃で塩素化を行った。塩素含有量が67%
に達したとき、塩素化反応を停止した。窒素にて未反応
塩素を追い出した後、後処理工程に送液した。払い出し
時間は約10分と短時間であった。後処理工程で残存塩
酸を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0030】(パイプ押出し)塩素工程2で得られた1
00部のCPVC、6部のMBS(鐘淵化学工業株式会
社製、商品名:カネエースB56)、3部の塩素化ポリ
エチレン、2部のスズ系安定剤ジーn−オクチルスズー
S、S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテー
ト)、2部のポリエチレンワックス、5部の二酸化チタ
ン、0.1部のカーボンブラックをブレンドし、押出機
にて1インチのパイプを押出した。吐出量は51kg/
hrで加工性に問題はなかった。パイプの物性は23℃
でのシャルピー試験では24kg・cm/cm2 、5k
g荷重のビカット軟化点は113℃、23℃での抗張力
は590kg/cm2 、曲げ強度は870kg/cm2
で何ら問題なかった。押出したパイプの色も問題なかっ
た。
【0031】比較例8 (PVCの製造)攪拌翼を装備したステンレスオートク
レーブに120部のイオン交換水と、0.008部のポ
リビニルアルコール(鹸化度:79.5モル%、濃度4
%水溶液の20℃での粘度:41.0CPS)と、0.
045部のヒドロキシプロピルメチルセルロース(メト
キシル基21.5%、ヒドロキシルプロポキシル基8.
0%)と、0.04部の油溶性重合開始剤t−ブチルパ
ーオキシネオデカノエートとを投入し、オートクレーブ
内を真空脱気したのち100部の塩化ビニルを圧入し
た。その後、攪拌下で58℃で5時間重合を行わせ、P
VCを得た。このPVCは重合度が1000であった。
【0032】(塩素化工程1)ガラス製反応機に900
部の純水と、100部のPVCを投入し、真空脱気した
のち窒素を入れて常圧とし、高圧水銀灯を照射しなが
ら、70℃で塩素を吹き込み、塩素化を行った。塩素含
有量が67%に達したとき、塩素化反応を停止した。得
られたCPVCはほとんど反応機上層に浮いた。その
後、残存塩素を除去し、乾燥してCPVCを得た。
【0033】(塩素化工程2)反応機に230部の純水
と100部のPVCを投入し、真空脱気及び窒素置換を
おこない、真空脱気後塩素を吹き込み、高圧水銀灯を照
射して、85℃で塩素化を行った。塩素含有量が67%
に達したとき、塩素化反応を停止した。窒素にて未反応
塩素を追い出した後、後処理工程に送液した。払い出し
時間は約30分かかり、浮き樹脂によるスラリー送液量
の低下にともなう払い出し時間の長期化が見られた。後
処理工程で残存塩酸を除去し、乾燥してCPVCを得
た。
【0034】(パイプ押出し)塩素化工程2で得られた
100部のCPVC、6部のMBS(鐘淵化学工業株式
会社製、商品名:カネエースB56)、3部の塩素化ポ
リエチレン、2部のスズ系安定剤ジーn−オクチルスズ
ーS、S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテー
ト)、2部のポリエチレンワックス、5部の二酸化チタ
ン、0.1部のカーボンブラックをブレンドし、押出機
にて1インチのパイプを押出した。吐出量は54kg/
hrであった。パイプの物性は23℃でのシャルピー試
験では23kg・cm/cm2 、5kg荷重のビカット
軟化点は114℃、23℃での抗張力は600kg/c
2 、曲げ強度は870kg/cm2 だった。押出した
パイプの色も問題なかった。
【0035】以上の実施例1、2及び比較例1〜8の重
合条件、塩素化工程におけるCPVCの沈降性と生産
性、及び押出成型品であるパイプの着色についての結果
を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】叙上のとおり、特定のポリビニルアルコ
ールを特定量分散剤として用いて得られたPVCを水性
懸濁下で塩素化することにより、塩素化時の浮き樹脂の
発生を減少でき、その結果、塩素化後の後処理が容易で
生産性を低下しないという顕著な効果が得られる。しか
も、このCPVCを原料にしてパイプや継手等を製造し
ても、加工後の着色は実用上問題とならず、かつCPV
Cに特有の耐熱性、難燃性、耐候性、耐薬品性などの優
れた長所をそのまま持ち合わせており、耐熱パイプ、継
手等の分野において頗る有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鹸化度が65〜93モル%で、濃度4重
    量%の水溶液の20℃での粘度が10〜60CPSであ
    るポリビニルアルコールからなる分散剤を塩化ビニル1
    00重量部に対し0.01〜0.3重量部存在せしめて
    懸濁重合して得られた塩化ビニル樹脂を水性懸濁下で塩
    素化することにより、塩素化時の浮き樹脂の発生を防止
    することを特徴とする塩素化塩化ビニル樹脂の製造方
    法。
JP27688395A 1995-09-29 1995-09-29 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法 Withdrawn JPH0995513A (ja)

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