JP2547024B2 - 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法 - Google Patents

後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法

Info

Publication number
JP2547024B2
JP2547024B2 JP62161165A JP16116587A JP2547024B2 JP 2547024 B2 JP2547024 B2 JP 2547024B2 JP 62161165 A JP62161165 A JP 62161165A JP 16116587 A JP16116587 A JP 16116587A JP 2547024 B2 JP2547024 B2 JP 2547024B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
post
pvc
vinyl chloride
acid
chloride resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62161165A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS646002A (en
Inventor
幸弘 竹田
利順 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP62161165A priority Critical patent/JP2547024B2/ja
Publication of JPS646002A publication Critical patent/JPS646002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2547024B2 publication Critical patent/JP2547024B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法に
関し、詳しくは、後塩素化塩化ビニル系樹脂を水性媒体
中にスラリー状に分散した状態で、ニトリロ三酢酸を混
合して処理することを特徴とする後塩素化塩化ビニル系
樹脂の後処理方法に関する。
〔従来の技術〕
後塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、C−PVCと略称す
ることがある)は、塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略
称することがある)の有する耐候性、難燃性及び耐薬品
性の優れた性質を保持しつゝ、PVCの欠点である耐熱性
の不充分さを改良した優れた樹脂である。しかしなが
ら、C−PVCはPVCに比較して軟化温度を高めており、良
好な成形品を得るには、加工時に高温度高剪断力を必要
とするため、従来のC−PVCでは、加工時の初期に既に
黄色から褐色に着色(以下、初期着色性ということがあ
る)し、無色透明の成形品は得難かつた。そのため、従
来より上記C−PVCの問題点を解決するために、多くの
検討が行なわれてきた。
例えば、PVCの後塩素化反応終了後、未反応の塩素や
副生物の次亜塩素酸等を除去するために、還元剤を添加
して還元処理する方法(特公昭45−38260号及び特公昭4
8−22997号)、エチレン等のオレフィン系炭化水素で処
理する方法(特公昭45−38261号)、及び、ホウ酸もし
くはホウ酸エステルで処理する方法(特開昭61−255954
号)等が試みられて来た。しかしながら、これらの方法
でも前記の初期着色性の改善が十分ではなかつたり、透
明性が損われたりするという問題が残つた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、このようなC−PVCの初期着色性及び
透明性の改善のため鋭意研究を行なつたところ、PVCの
後塩化反応終了後窒素の吹き込みや水洗等により未反応
塩素及び副生塩酸等を除去して得たC−PVCを、水性媒
体中にスラリー状に分散し、ニトリロ三酢酸を加えて処
理することにより、これらの問題点を著しく改善し得る
ことを見出し、本発明を完成した。
なお、上記のニトリロ三酢酸(以下、NTAと略称する
ことがある)は、キレート剤の一種として知られてお
り、また、キレート剤はPVCの安定剤としても知られて
おり、錫系等の熱安定剤、酸化防止剤、潤滑等とともに
加熱混練時などに配合される場合がある。しかしなが
ら、NTAをC−PVCの加熱混練時に配合しても上記の如き
顕著な改善が得られなかつたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、塩化ビニル系樹脂を後塩素化して得られた
後塩素化ビニル系樹脂を水性媒体中にスラリー状に分散
した状態で、ニトリロ三酢酸を混合して処理することを
特徴とする後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法に関
するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる塩化ビニル系樹脂(PVC)としては、
塩化ビニル及び必要に応じて該塩化ビニルと共重合可能
な共単量体を(共)重合することによつて得られるもの
である。
上記の共単量としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン、4−メチルペンテン−
1、ブタジエン、イソブレン等のオレフィン系単量体;
例えばフツ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ツ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロプレ
ン等の塩化ビニル以外のハロゲン化オレフィン系単量
体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、パーサチツク酸ビニル等の脂肪酸ビニル
系単量体;例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体;例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン
酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチ
ル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等の不飽和
二塩基酸エステル系単量体;例えば、ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルオクチルエーテル、ビニルフエニルエーテ
ル、等のビニルエーテル系単量体;例えば、スチレン、
ビニルトルエン、メトキシスチレン、α−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、α−ビニルナ
フタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量
体;例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸系単量
体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル系単量体;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルピリジン、フタル酸ジアリル等のその他の不
飽和単量体;等を挙げることができる。
上記共重合体の、塩化ビニル及び該共単量体の合計量
中に占める割合は、約10重量%以下が好ましく、約5重
量%以下がより好ましい。
前記PVCは、例えば懸濁重合、乳化重合、溶液重合及
び塊状重合によつて製造することができ、特に制限され
るものではないが、後塩素化に当つて塩素ガスとの接触
面積が比較的大きく且つ作業性にも優れている、懸濁重
合によるPVCが好ましい。中でも、セルロース系誘導体
類を懸濁安定剤として用いたPVCは、塩素化時に塩素ガ
スのPVC粒子内部への拡散が良いこと、得られるC−PVC
の均質性が高いこと、及び、塩素によつて攻撃された懸
濁安定剤などの塩化物、余剰の塩素及び副生塩酸等が洗
浄によつて容易に除去し得ること等の優れた性質を有す
るので特に好ましい。
上記の如きセルロース系誘導体類としては、例えば、
各種のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースあるいはその
塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどを挙げることができる。
また、このような懸濁重合は、一般に水を媒体として
用いて行ない、前記塩化ビニル及び共単量体と水との割
合は、塩化ビニル及び共単量体の合計100重量部に対し
て、水約80〜約400重量部の範囲がよい。
前記懸濁重合に使用し得る重合触媒としては、公知の
油溶性ラジカル触媒を使用することができ、例えばベン
ゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、カ
プロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ターシアリブチルパーオキシビバレート等の
有機過酸化物;例えば2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル等のアゾ化合物;等をそれぞれ単独又は組
み合せて使用することができる。上記重合触媒の使用量
は一般に、塩化ビニル及び共単量体の合計100重量部に
対して、約0.01〜約0.3重量部、より好ましくは約0.01
〜約0.15重量部用いるのが良い。
前記懸濁重合においては、連鎖移動剤を使用すること
ができる。連鎖移動剤は、塩化ビニルの重合に使用する
ものなら、いかなるものでもよく、例えばシアノ酢酸;
アルキル基C1シアノ酢酸アルキルエステル類;ブロ
モ酢酸;アルキル基C1のブロモ酢酸エステル類;ア
ントラセン、フエナントレン、フルオレン、9−フエニ
ルフルオレンなどの芳香族化合物類;パラニトロアニリ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、パラニトロ安
息香酸、パラニトロフエノール、パラニトロトルエン等
の芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テ
トラメチルパラベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体
類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;四臭化炭素、
四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロ
モエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメ
タン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペン等
のハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒド等
のアルデヒド類;アルキル基C118のアルキルメルカプ
タン類;チオフエノール、トルエンメルカプタン等の芳
香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;アルキル基C1
10メルカプト酢酸アルキルエステル類;アルキル基C1
12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ター
ピノレン等のテルペン類;等を挙げることができる。
上記連鎖移動剤の使用量は、塩化ビニル及び共単量体
の合計100重量部当り約0.005〜約3.0重量部用いるのが
好ましい。
重合温度としては、一般に約30〜約75℃、好ましくは
約40〜約70℃の範囲が良い。
かくして得られたPVCのうち、C−PVC製造用として特
に好適なものは、粒子径の小さい一次粒子が適度に且つ
ほゞ均一に凝集した多孔性の二次粒子よりなつており、
粒度分布が狭く嵩比重が高く、可塑剤吸収量及び可塑剤
吸収時間が短かいもの、例えば、流度分布60〜250#が9
5重量%以上;嵩比重0.5以上;可塑剤吸収量PVC100重量
部当り15重量部以上(以下、15PHR以上と略称すること
がある);可塑剤吸収時間230秒以下;の如きPVCが良
い。
なお、上記の粒度分布、嵩比重、可塑剤吸収量、可塑
剤吸収時間及び重合度は次のようにして測定する。
粒度分布: JIS.K−6911−1979.3.1に従い、約50gの試料(粉末状
PVC)を採取し、ロータツプ式振とう機、JIS.200φ標準
篩で、ロータツプ回転数290回/分、打撃数156回/分、
全振幅28mm条件で10分間篩分けをする。次いで、各篩上
に残つた試料及び受皿上の試料の重量を測定し、重量%
を算出する。
嵩比重: JIS.K−6721による。
可塑剤吸収量: 試料(粉末状PVC)を25g上皿天秤ではかり、これを乳
鉢に入れ、可塑剤フタル酸ジオクチル(DOP)(JIS.K−
6753に規定したもの)を注射器で1mlずつ(但し、終点
近くでは0.5mlずつ加える)加えてよく混合する。終点
の判定は、混合物を約0.1gをスプーンで取り出し、藁半
紙に挾みその上からスパチユラを当てて、親指で強く15
秒間プレス(台秤で約10kg)しわら半紙にoil spotを認
める点とする。その可塑剤の消費量を読み、次式により
可塑剤吸収量を算出する。
ここに、A:可塑剤の消費量(ml) B:可塑剤の比重 S:PVC試料量(g) 可塑剤吸収時間: 試料80gを上皿天秤で秤り取り、これをグリセリン浴
で100±0.2℃に保たれた容器中に入れ、偏心した撹拌軸
が容器の中心の回りを65±5回/分で公転しながら140
±5回/分で自転する撹拌方式により2分間撹拌する。
次に予じめ上皿天秤で秤り取つた可塑剤、フタル酸ジオ
クチル(DOP)(JIS.K−6753に規定したもの)40gを速
やかに上記容器中に添加すると同時に、ストツプウオツ
チをスタートさせ、撹拌を続け、試料が完全に可塑剤を
吸収し終るまでの秒数を測定する。吸収完了点の判定
は、混和物の少量(約1g)を15秒間毎にスプーンで取り
出し二枚のわら半紙にはさみ、その上からスパチユラを
当てて親指で強く15秒間プレスし、該わら半紙にオイル
スポツトを認めなくなる点とする。
重合度: JIS.K−6721のニトロベンゼン溶媒を用いた極限粘度
法による。
PVCの後塩素化反応は、好ましくは前記の如き水性懸
濁重合法で得られたPVCを原料とし、湿式又は乾式法に
おいて塩素ガスの過剰供給下に光照射による光化学反応
及び又は塩素化助剤を使用する方法によつて達成するこ
とができ、特に、該PVCを水性媒体中にスラリー状に分
散して後塩素化を行なうのが好ましい。この光化学反応
に使用される光源には、水銀灯、アーク灯、白熱電灯、
螢光灯、カーボンアーク灯等の可視又は紫外光線が用い
られる。この光源を反応物に可及的に近接させ、光量・
反応温度・反応時間を調節することにより、後塩素化反
応を順調に促進させることが出来る。また、塩素化助剤
としては四塩化チタン、塩化アンチモン、五塩化燐等の
塩化物を用いることができる。
後塩素化反応終了後、それ自体公知の種々の方法によ
つて未反応塩素及び副生塩酸等を得られたスラリー状の
C−PVCから除去する。
このような塩素及び副生塩酸等の除去方法としては、
例えば、後塩素化反応を行なつた後のスラリーを、撹拌
器とジヤケツトを備えた反応器中で強く撹拌しながら、
これに窒素または空気を導通する方法、後塩素化反応を
行なつた後のスラリーを過し、水洗する方法、塩素化
反応を行なつた後のスラリーを容器に入れ、真空ポンプ
で排気する方法、および、後塩素化反応を行なつた後の
塩素化塩化ビニル系樹脂にケーキ層を形成させ、そのケ
ーキ層に水蒸気を直接流通して、水蒸気と共に未反応の
塩素を除去する方法等が挙げられる。
本発明の後処理方法は、例えば前述の如き方法によつ
て得られたC−PVCを水性媒体中にスラリー状に分散し
た状態で、ニトリロ三酢酸(NTA)を混合して処理する
ことを特徴とするものである。
上記のC−PVCとしては、特に限定されるものではな
く、前述の如き方法により得られたC−PVCを乾燥した
粉末状C−PVCや市販の粉末状C−PVCを使用することも
可能である。
しかし本発明方法は、前述の如きPVCの後塩素化反応
工程に引続いて、塩素及び副生塩酸等を除去した直後
の、未乾燥のC−PVCをそのまゝ用いて行なうのが好ま
しい。
本発明に用いられるNTAは下記一般式、 で表わされる無色の結晶性粉末で、水に極めて僅かに溶
解する程度の化合物であり、その添加量には格別制限は
ないが、処理されるC−PVCの重量に対して10〜10000pp
m程度、特に、100〜5000ppm程度が好ましい。NTAの添加
量が、該下限量未満と少なすぎると、本発明の初期着色
性及び透明性の向上という効果が現われない場合もあ
り、一方、該上限量を超えても、それ以上これらの性質
の向上がみられなくなる傾向にあるため、上記の範囲で
使用するのが好ましい。また、NTA添加後の処理条件と
しては、特に限定されるものではないが、40〜70℃の温
度で20〜100分間撹拌するのが好ましい。処理温度が40
℃以下ではNTAの溶解度が低く、処理に長時間を要する
傾向にあり、また処理時間が20分未満ではNTAの拡散が
不十分となる場合があり、一方、該処理温度および処理
時間がそれぞれ70℃、100分を超えても初期着色性及び
透明性がそれ以上向上しなくなるため、上記の処理条件
の範囲で後処理を行なうのが好ましい。
NTAの添加混合により、C−PVC後処理品の初期着色性
及び透明性の著しい改良が達成できる理由については詳
かではない。しかし、C−PVCの初期着色の原因の一つ
として、C−PVC中に極微量含まれている可能性のある
鉄イオン等の金属イオンがC−PVCの加熱溶融時に分解
促進剤或は着色剤として作用することが想定されるが、
NTAはキレート剤としてこのような金属イオンを水溶化
して除去し易くするか、または、分解促進剤もしくは着
色剤としての活性を失わせるため、上記の如き効果が達
成できるものと考えられる。
本発明方法でいう前記の「水性媒体」とは、水又は水
溶性有機溶剤の水溶液を意味する。このような水溶性有
機溶剤としては、特に限定されるものではなく例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール等の水溶性アルコール類;アセトン等の水溶性ケ
トン類;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等の水溶性エ
ーテル類;等を単独又は複数混合して使用することが可
能であり、その使用量は、水溶性有機溶剤の水溶液濃度
として0〜約50重量%程度を例示することができる。
かくして得られた前記後処理終了後のスラリー状C−
PVCから、遠心分離等公知の方法により水性媒体を除去
し、必要に応じて乾燥して初期着色性及び透明性が著し
く改善されたC−PVC後処理品を得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例により、本発明を一層具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例における初期着色
性、透明性及び熱安定性の測定方法は次のとおりであ
る。
(イ) 初期着色性 C−PVCの下記配合物を日本ロール製8in.φ×20in.l
二本ロールミルにより、180℃のロール表面温度下で7
分間混練して、約0.55mm厚のシートを得、該シートを4
枚積層して、大竹機械製65tプレス機で190℃で7分間、
50kg/cm2加圧し、プレス冷却後取出した約2mm厚の板をC
IEシステム分光光度計(マクベスMS−2020:マクベス社
製)で反射光の色差を測定する。なおアルキツドメラミ
ン樹脂標準白板の反射光の値いは、L=93.34,a=−0.6
3,b=−0.11である。
C−PVCの初期着色性としては、L値75以上、a値−
5〜+5、b値0〜25であるのが好ましい。
C−PVC配合: C−PVC 100重量部 ジオクチル錫メルカプタイド〔日本東化成(株)製〕 3重量部 エポキシ化大豆油〔アデカ・アーガス(株)製〕 2重量部 モンタン酸系部分ケン化ワツクス(ヘキスト社製) 0.5重量部 ステアリルアルコール〔花王石鹸(株)製〕 1重量部 MBS樹脂〔三菱レイヨン(株)製〕 5重量部 (ロ) 透明性 前(イ)項記載の方法により作製した約2mm厚の試料
板を、ヘーズメータ〔DIRECT READING HAZEMETER:
(株)東洋精機製作所製〕を用い、ASTM D−1003に準拠
して次式に従いヘーズを求め透明性の尺度とする。
C−PVCのヘーズ値としては、8%以下であるのが好
ましい。
(ハ) 熱安定性(黒化時間) 前(イ)項記載の方法により作製した約0.55mm厚のシ
ート状資料を5cm×10cm角に8枚切り取り、該資料を下
記条件にセツトされたギヤ−オーブン試験機〔GEAR AGI
NG TESTER SHF−77S:(株)安田精機製作所製〕中に吊
り下げ、15分毎に該試料を1枚ずつ取り出し、該試料が
黒化した時点を終点とする。
ギヤ−オープン運転条件 槽内温度 200±2℃ 槽内空気置換率 3回/hr. 槽内平均風速 10RPM. 吊り下げ円盤回転数 0.5±0.1m/sec C−PVCの黒化時間としては、90分以上であることが好
ましい。
実施例1 300グラスライニング反応槽に脱イオン水約200kg及
び粉末状PVC(粒度分布60〜250#が98重量%;嵩比重0.
52;可塑剤吸収量15.7PHR;可塑剤吸収時間210秒;重合度
880)約50kgを仕込み、撹拌してスラリー化した後、約5
5℃まで槽内温度を上げ、窒素ガスにて槽内を換置後塩
素ガスを吹き込み、水銀ランプ(100W高圧水銀ランプ;
東芝SH−100UV)による紫外線照射下、PVCの塩素化を行
なつた。塩素化反応の進行は、副生塩酸濃度を測定する
ことにより測ることができるが、得られるC−PVCの塩
素含有量が約66重量%に到達した時点で塩素化反応を終
了し、窒素ガスにより残存塩素ガスをパージした後、C
−PVCスラリーを十分に水洗した後、NTA63g(C−PVC重
量に対して(以下、同様)1000ppm)を添加し50℃で60
分間撹拌した。次いで遠心分離器を用いて脱水し、乾燥
機で約50℃で24時間乾燥して粉状C−PVC後処理品を得
た。
得られたC−PVC後処理品を用い、前記の(イ)〜
(ハ)の測定法に従つて、初期着色性、透明性及び熱安
定性を測定した。C−PVCの後処理条件及び測定結果
は、第1表に示す。
実施例2 実施例1において、NTAの量を63g(1000ppm)の代り
に31.5g(500ppm)とする以外は実施例1と同様にして
粒状C−PVC後処理品を得、同様に物性測定を行なつ
た。C−PVCの後処理条件及び測定結果は第1表に示
す。
比較例1 実施例1において、NTAを添加しない以外は実施例1
と同様にして粒状C−PVCを得、同様に物性測定を行な
つた。C−PVCの後処理条件及び測定結果は第1表に示
す。
比較例2 比較例1において得られた粉状C−PVC重量に対してN
TA結晶1000ppmを加え、らいかい機を用いて約110℃、20
分間混合することにより粉末状C−PVC後処理品を得、
実施例1と同様に物性測定を行なつた。
C−PVCの後処理条件及び測定結果は第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上詳細に述べたように、本発明の後処理方法、即
ち、後塩素化塩化ビニル系樹脂を水性媒体中にスラリー
状に分散した状態で、ニトリロ三酢酸を混合して処理す
る方法によつて得られる後塩素化塩化ビニル系樹脂の後
処理品は、初期着色、透明性及び耐熱性に優れたもので
あることが判明した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂を後塩素化して得られた
    後塩素化塩化ビニル系樹脂を水性媒体中にスラリー状に
    分散した状態で、ニトリロ三酢酸を混合して処理するこ
    とを特徴とする後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方
    法。
JP62161165A 1987-06-30 1987-06-30 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法 Expired - Fee Related JP2547024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62161165A JP2547024B2 (ja) 1987-06-30 1987-06-30 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62161165A JP2547024B2 (ja) 1987-06-30 1987-06-30 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS646002A JPS646002A (en) 1989-01-10
JP2547024B2 true JP2547024B2 (ja) 1996-10-23

Family

ID=15729834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62161165A Expired - Fee Related JP2547024B2 (ja) 1987-06-30 1987-06-30 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2547024B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1143509A (ja) 1997-07-29 1999-02-16 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP3814733B2 (ja) 1997-07-29 2006-08-30 株式会社カネカ 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
CN107879313A (zh) * 2017-11-21 2018-04-06 南京钟腾化工有限公司 一种甲苯或氯甲苯氯化生产过程中副产盐酸的处理方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPS646002A (en) 1989-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5498486B2 (ja) 低分子量臭素化ポリマー、それらの製作プロセス、および熱可塑性配合物におけるそれらの使用
JP2547024B2 (ja) 後塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法
JP2593325B2 (ja) 後塩素化塩化ビニル系樹脂の改良方法
EP0421150B1 (en) Dispersant system for making low-colour chlorinated polyvinyl chloride
MX2014006336A (es) Metodo para producir resina de cloruro de vinilo clorada.
JPH01131212A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の後処理方法
US20040048945A1 (en) Method and apparatus for producing chlorinated vinyl chloride resin
US3663392A (en) Chlorinating powdered vinyl chloride polymers
JP3176504B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2003327773A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂及びその後処理方法
NO150516B (no) Fremgangsmaate for polymerisasjon av vinylklorid
JP2573087B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0730254B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2610529B2 (ja) 被膜形成組成物の製造方法
JPH0132844B2 (ja)
JPH0195106A (ja) 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法
JP2005036196A (ja) 塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂成形体
JPH10306108A (ja) 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH03197508A (ja) 塩素化evaの製造法
JP2002308930A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPS5946962B2 (ja) 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法
JPH07258336A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
PL107759B1 (pl) Sposob wytwarzania polimerow chlorku winylu method of producing polyvinyl chlorides
NO162726B (no) Fremgangsmaate for suspensjonspolymerisering av vinylkloridmonomer og eventuelle komonomerer.
JPS6291503A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees