JP3176504B2 - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
    • C08F8/22Halogenation by reaction with free halogens

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塩素化塩化ビニル系
樹脂の製造方法に関するものであり、とくに加熱時に着
色の少ない塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、これを
CPVCという)は、塩化ビニル系樹脂(以下、これを
PVCという)を塩素化して作られる。CPVCはPV
Cの長所とする性質を残し、PVCの欠点とする性質を
改良したものである。すなわち、CPVCは、PVCの
持つすぐれた耐候性、耐火炎性、耐薬品性をそのまま残
し、耐熱性が劣るというPVCの致命的な欠点を改良し
たものとなっている。この改良点をさらに詳述すれば、
PVCは熱変形温度が低くて、60〜70°以上になる
と軟化するため例えば熱水を通すパイプを作るには使用
できないが、CPVCは熱変形温度がPVCより20〜
40℃も高く従って熱水用パイプを作るのに使用できる
という長所を持つに至っている。従って、CPVCは、
PVCの耐熱性を改良したものとして、広い用途が期待
される。
【0003】ところが、従来のCPVCは、新たに開け
ようとする用途に向くものではなかった。なぜならば、
新たに開けようとする用途は、表示板や電子部品ケース
などのように僅かな着色も嫌われ、極めて透明度の高い
ことを要求するものであるところ、従来のCPVCは、
これを成形品にするために加熱すると、加熱の初期に既
に熱分解を起こして黄色から褐色に着色し、無色透明の
成形体とすることができなかったからである。そこで、
新しい用途を開くためには、成形のために加熱溶融した
とき着色し難くて、無色透明の成形体を与えるような熱
安定性のよいCPVCを提供する必要があった。
【0004】熱安定性のよいCPVCを得ようとする試
みは、これまでに既になされて来た。その多くは、CP
VCを製造する工程の末期に、未反応のまま残っている
塩素を取り除いたあとで、得られたCPVCを特定の薬
剤で後処理するというものであった。
【0005】例えば、特公昭45−38260号公報及
び特公昭48−22997号公報は、熱安定性のよいC
PVCを得るために、CPVCの製造工程の末期に、C
PVC懸濁物への塩素の供給を停止させたのち、得られ
たCPVC懸濁物を加熱したり、CPVC懸濁物中に不
活性ガスを吹き込んだりして、CPVC中に含まれる未
反応塩素を取り除いたあとで、CPVCを塩酸ヒドロキ
シルアミン、チオ硫酸ソーダ等の還元剤で処理すること
を教えている。また、特公昭45−38261号公報
は、塩素化反応によって得られたCPVCから上と同様
にして未反応塩素を除いたあとで、CPVCをオレフィ
ン系炭化水素で処理することを教えている。この方法に
よれば従来よりも熱安定性の良いCPVCを得ることは
できるが、得られた熱安定性は充分なものでなかった。
【0006】特開昭61−255954号公報は、上記
の提案とは異なり、CPVCに安定剤を加えて加熱時の
着色を防止することを教えている。すなわち、CPVC
を加工して成形体とする場合に、これに安定剤としてホ
ウ酸又はホウ酸エステルを添加すると、CPVCの熱安
定性が良好となると云うのである。しかし、その熱安定
性は充分なものではなかった。
【0007】また、特開平5−239119号公報は、
CPVCが水性媒体中に分散している状態において、こ
の中へ窒素ガスを吹き込みながらヒドラジンを添加する
と、熱安定性の良好なCPVCが得られることを教えて
いる。この方法によれば、確かに従来よりも熱安定性の
良好なCPVCを得ることができるが、しかし得られた
熱安定性はなお充分であるとは云えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな状態を考慮して、熱安定性のさらに良好なCPVC
を提供しようとしてなされたものである。すなわち、こ
の発明はCPVCの熱安定性を改良して、成形のために
これを加熱したとき、初期着色を少なくして、無色透明
に近い成形体が得られるようなCPVCを提供すること
を目的としてなされたものである。
【0009】一般にPVCを水性媒体中に懸濁させて懸
濁状態でPVCを塩素化するときには、懸濁剤を用いな
いのが普通である。その理由は、懸濁剤を用いると、こ
れがCPVCの表面に付着して残り、CPVCの熱安定
性を悪くするからである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明者は、CPVC
の製造方法を改良することによって、CPVCの熱安定
性を改良しようと企てた。そのために、これまで提案さ
れなかった色々な化合物を用いてCPVCを製造し、得
られたCPVCの熱安定性を調べ、CPVCの熱安定性
を良好にする方策を探った。
【0011】この発明者は、CPVCの製造にあたっ
て、原料となるPVCの懸濁液へポリスチレンスルホン
酸ソーダを添加しておいて、この懸濁液へ塩素を吹き込
んでPVCを塩素化すると、熱安定性の良好なCPVC
の得られることを見出した。この発明は、このような知
見に基づいて完成されたものである。
【0012】この発明は、PVCを水性媒体中に懸濁さ
せて懸濁液とし、この中に塩素を吹き込んでPVCを塩
素化し、CPVCを製造する方法において、懸濁液にポ
リスチレンスルホン酸ソーダを添加することを特徴とす
る、CPVCの製造方法に関するものである。
【0013】一般に、PVCを塩素化してCPVCを製
造する際には、PVCを水性媒体中に懸濁させて懸濁液
とし、この懸濁液中に塩素を吹き込んでPVCを塩素化
する。それには、容器として通常は撹拌機つきのガラス
ライニング槽を用い、この中に適当量の脱イオン水を入
れ、次いでこの中へ適当量のPVC粉末を投入し、容器
内を撹拌してPVCを水性媒体中に分散させて懸濁液を
作る。次いで、容器を加熱して懸濁液の温度を上昇させ
る。その後、容器内へ窒素ガスを吹き込んで、容器内の
空気を窒素で置換する。次いで、容器内へ塩素を吹き込
み、場合によっては水銀ランプから紫外線を懸濁液に照
射して、塩素化反応を促進させながら、撹拌を続けてP
VCを塩素化し、CPVCを生成させる。
【0014】塩素化反応の進行とともに、PVCは次第
に塩素含有量の大きいCPVCを生じる。例えば、PV
Cとして塩化ビニルの単独重合体を用いたときには、P
VCは56.7重量%の塩素を含有しているから、これ
を塩素化するとCPVCとしては塩素含有量が56.7
重量%を超えた色々なグレードのものを生じる。そのう
ちで好ましいのは、塩素含有量が60〜70重量%のも
のである。塩素化反応の進行の程度は、容器内に副生さ
れる塩化水素の濃度を測定することによって知ることが
できる。そのため、容器内で副生される塩化水素の濃度
を測定して、所望の程度まで塩素化が進行したことを確
認して塩素化反応を停止させる。
【0015】この発明は、上述のようなCPVCの製造
過程において、ポリスチレンスルホン酸ソーダ(以下、
これをPSSと略称する)を懸濁液に添加することを最
大の特徴としている。その添加の時期には格別の限定が
なく、懸濁液から未反応塩素を除去し始める前であれば
何時でもよい。すなわち、その添加は懸濁液へ塩素を吹
き込む前でも、吹き込み途中でも、吹き込んだあとでも
よい。しかし、好ましいのは塩素の吹き込み前に添加し
ておくことである。このように、この発明はPSSが未
反応塩素の回収前に添加され、従ってPSSがCPVC
の後処理剤として使用されるものでないという点で、従
来技術と異なっている。
【0016】PSSは、一般式
【0017】
【化1】 で表される高分子化合物である。ここで、Yは大部分が
Naであるが、1部はHである。これは水溶性のもので
あって、界面活性と帯電防止性を示し、分散剤として使
用することもできるものである。この化合物は市販され
ており、例えば徳山曹達からケミスタッドSA−9の商
品名で販売されている。
【0018】この発明ではPSSの使用量について明確
な限界を定め難いが、好ましい範囲はCPVCに対し1
0〜1000ppmの範囲である。その理由は、使用量
が10ppmよりも少ないと、得られたCPVCが顕著
な熱安定性の向上を示さなくなるからであり、逆に使用
量が1000ppmを越えると、得られたCPVCがそ
の超過使用分に見合うだけの熱安定性の向上を示さなく
なるだけでなく、却って熱安定性を低下させる傾向を示
すからである。
【0019】この発明では、PSSが果たす役割はよく
分からない。しかし、PSSを添加することによって、
得られたCPVCが加熱溶融時に着色し難くなることだ
けは確かである。その理由を敢えて推論すれば、PSS
は、原料のPVC及びそれから生じたCPVCの粒子が
水性媒体中に一様に分散した状態に維持し、またこれら
の粒子内に塩素が速やかに吸収されるのを助け、これに
よって粒子が不均一に塩素化されるのを防ぐであろうと
考えられる。
【0020】この発明は、懸濁液へPSSを添加する点
を除けば、従来のPVCの塩素化と全く同様に実施する
こととなる。すなわち、懸濁液の調製も、塩素の吹き込
みも、塩素化反応の過程も、塩素化の後処理も、操作と
しては従来法と全く同じように実施することができる。
例えば、塩素化反応の進行中に懸濁液を加熱したり懸濁
液に紫外線などの光を照射して、塩素化反応を促進させ
ることができる。
【0021】この発明で原料として用いるPVCは、塩
化ビニルの単独重合体に限らず、塩化ビニルと他の単量
体との共重合体であってもよい。他の単量体としては、
塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニト
リル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アルキルビニルエーテルなどが用いられる。
また、PVCはそれがどのような重合方法によって作ら
れたものであってもよい。例えば、懸濁重合法によって
作られたPVCでも、乳化重合法によって作られたPV
Cでも、塊状重合法によって作られたPVCでも、何れ
も用いることができる。PVCの重合度も格別問題にな
らないが、粘度法による平均重合度が300〜3000
の範囲内のものを使用するのが好ましく、とりわけ40
0〜1500のものが好ましい。
【0022】この発明で用いる水性媒体は純粋の水以外
に、水に少量のアセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類を加えたものであってもよい。また、必要により初
めから少量の塩酸を加えたものであってもよい。そのほ
か、水性媒体は、トリクロロエチレン、四塩化炭素等の
塩素系溶媒を含んだものであってもよい。
【0023】この発明方法は、これを実施したあとで、
これまでCPVCの着色防止法として用いられて来た色
々な方法を併せて実施することもできる。例えば、この
発明方法を実施したあとで、特開平5−239119号
公報が教えるように懸濁液中へ窒素ガスを吹き込みなが
らヒドラジンを添加したり、特開昭64−6002号公
報が教えるように、懸濁液にニトリロ三酢酸を加えて処
理したり、特開平1−131212号公報が教えるよう
に、懸濁液にジエチレントリアミン五酢酸を加えて処理
したりすることができる。
【0024】
【発明の効果】この発明方法は、水性媒体中にPVCを
懸濁させて懸濁液とし、この中に塩素を吹き込んでPV
Cを塩素化してCPVCを製造する方法において、懸濁
液にPSSを添加する点で従来法と異なるだけであるか
ら、この発明方法によれば、従来方法と大きく変わらな
い操作によって容易にCPVCを製造することができ
る。しかもこの発明ではPSSを懸濁液へ添加したにも
拘わらず、こうして得られたCPVCは、加熱時に着色
が少なくて、成形し易いものとなる。従って、得られた
CPVCを加熱して成形すると、無色透明の成形体を容
易に得ることができる。このように、この発明は、熱安
定性のよい良質のCPVCを容易に得られるようにした
という点で、大きな利益を与えるものである。
【0025】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明
方法のすぐれている所以を説明する。以下で、単に部と
云うのは重量部を意味している。また、そこで得られた
CPVCが熱安定性にすぐれているかどうかは、CPV
Cを加熱して溶融したとき、CPVCが黒化するまでの
時間の長短と、加熱溶融して得た一定厚みの板の着色度
と透明度とを測ることによって容易に知ることができ
る。すなわち、黒化するまでの時間が長く、シートの着
色度が少なく、透明度の大きいものほど、無色透明の成
形体を与えるものだと云うことができる。その際、CP
VCの着色度、透明度及び黒化時間は、以下に述べるよ
うにして測定した。
【0026】
【着色度の測定方法】CPVCを下記の割合で配合して
混合物を作り、これを200℃でロール練りしてシート
とした。このシートを数枚重ね、これを190℃で7分
間プレスして一定厚みの板とした。この板について、日
本電色工業社製の色差計により標準白色板との黄色度差
△YIを測定し、これを着色度とした。 CPVCの配合 CPVC 100 部 ジオクチル錫メルカプタイド(日東化成社製) 3 部 エポキシ化大豆油(旭電化社製) 2 部 モンタン酸部分ケン化ワックス(ヘキスト社製) 0.5部 ステアリルアルコール(花王社製) 1 部 MBS樹脂(三菱レイヨン社製) 5 部
【0027】
【透明度の測定方法】スガ試験機械社製の直読ヘーズコ
ンピューターを用いて、上記着色度の測定方法で得た板
のヘーズを求めてこれを透明度とした。
【0028】
【黒化時間の測定方法】東洋精機社製のギャーオーブン
を用いて、上記着色度の測定方法で得たシートをこのオ
ーブン中に入れて加熱し、シートが黒化するまでの時間
をもって黒化時間とした。
【0029】
【実施例1】 (CPVCの製造)300リットル容量のガラスライニ
ング製反応槽に、脱イオン水約150Kgと、PVCと
して粉末状ポリ塩化ビニル(粘度平均重合度700)約
30Kgと、PSSの10%水溶液150gとを投入
し、撹拌してPVCを水中に分散させて懸濁液とした。
次いで槽を加熱して槽内温度を約70℃まで上げた。そ
の後槽内に窒素ガスを吹き込み、槽内を窒素ガスで置換
した。次いで、槽内に塩素ガスを吹き込み、水銀ランプ
からの紫外線で槽内を照射しながらPVCの塩素化を行
った。槽内の塩酸濃度を測定して塩素化反応の進行状況
を検討し、生成したCPVCの塩素含有量が約65重量
%に達した時、塩素ガスの供給を停止して、塩素化反応
を停止させた。
【0030】その後に、後処理工程として槽内に窒素ガ
スを吹き込んで槽内に残存する塩素を完全に除去した。
得られた懸濁液を苛性ソーダで中和し、水洗し、脱水
し、揮発分が0.1重量%以下になるまで乾燥して粉末
状CPVCを得た。
【0031】このCPVCを前述の試験法で試験したと
ころ、着色度△YIが27、透明度が7ヘーズ、黒化時
間は120分であって、熱安定性は良好と認められた。
【0032】
【実施例2】この実施例は、実施例1とほぼ同様に実施
したが、PSSの添加時期を塩素の吹き込み開始後1時
間経過した時点にしたという点で異なるだけとした。
【0033】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが28、透明度が8
ヘーズ、黒化時間が120分であって、熱安定性は良好
と認められた。
【0034】
【実施例3】この実施例は、実施例1とほぼ同様に実施
したが、PSSの添加時期を塩素の供給停止直後とした
点で異なるだけとした。PSSを添加したのち5分間撹
拌しただけで、その後は実施例1と同様に窒素ガスを吹
き込んで塩素を除去して後処理をした。
【0035】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが28、透明度が9
ヘーズ、黒化時間が120分であって、熱安定性は良好
と認められた。
【0036】
【実施例4】この実施例は、実施例1と同様に実施した
が、PVCとして粘度平均重合度900のものを用い、
CPVCの塩素含有量が約67重量%に達した時点で塩
素の供給を停止した点で異なるだけとした。
【0037】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが30、透明度が9
ヘーズ、黒化時間が130分であって、熱安定性は良好
と認められた。
【0038】
【実施例5】この実施例は、実施例1と同様に実施した
が、懸濁液を120℃に維持し、紫外線を照射しないで
塩素化反応を行った点で異なるだけとした。
【0039】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが26、透明度が7
ヘーズ、黒化時間が120分であったので、熱安定性は
良好と認められた。
【0040】
【比較例1】この比較例は、PSSを用いないこととし
た以外は、実施例1と全く同様にして実施した。
【0041】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが45、透明度が1
2ヘーズ、黒化時間が100分であったので、熱安定性
は劣るものと認められた。
【0042】
【比較例2】この比較例は、特開平1−131212号
公報の教示に従って実施したものである。
【0043】詳述すれば、実施例1において、PSSを
用いないこととし、代わりに後処理工程において苛性ソ
ーダで中和したのち、懸濁液にジエチレントリアミン五
酢酸0.3gを加えて50℃で約3時間撹拌処理した点
で異なるようにして実施した。
【0044】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが40、透明度が1
0ヘーズ、黒化時間が100分であったので、熱安定性
は劣るものと認められた。
【0045】
【比較例3】この比較例は、特開平5−239119号
公報の教示に従って実施したものである。
【0046】詳述すれば実施例1において、PSSを用
いないこととし、後処理工程において窒素ガスを100
リットル/分の割合で吹き込みながら、10重量%のヒ
ドラジン水溶液2000ccを500cc/分の割合で
懸濁液中に添加した。その後、15分間撹拌を続けたの
ち、得られた懸濁液を苛性ソーダで中和し、その後は実
施例1と全く同様にしてCPVCを得た。
【0047】得られたCPVCを実施例1と全く同様に
して試験したところ、着色度△YIが32、透明度が7
ヘーズ、黒化時間が120分であって、熱安定性は比較
的良好であったが、まだ不充分であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−124096(JP,A) 特開 平5−271329(JP,A) 特開 平5−39316(JP,A) 特公 昭43−1613(JP,B1) 特公 平5−186520(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/18 - 8/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を水性媒体中に懸濁さ
    せて懸濁液とし、この中に塩素を吹き込んで塩化ビニル
    系樹脂を塩素化し、塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する
    方法において、懸濁液にポリスチレンスルホン酸ソーダ
    を添加することを特徴とする、塩素化塩化ビニル系樹脂
    の製造方法。
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