JP6705671B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形体 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、塩化ビニル系重合体を含む塩化ビニル系樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビニル系樹脂成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は、機械的強度、耐候性、自己消炎性及び耐薬品性に優れている。このため、上記塩化ビニル系樹脂は、パイプ、板及び容器等の各種の成形体に加工されており、多くの分野で使用されている。
特に、顔料等を含有しない塩化ビニル系樹脂は、無色透明であることから、板状の成形体として利用することが期待されている。
上記塩化ビニル系樹脂の成形体の一例が、下記の特許文献1,2に開示されている。
特許文献1では、塩化ビニルモノマーに由来する構造単位と親水性モノマーに由来する構造単位とを有する塩化ビニル系共重合体を用いて、成形体(塩化ビニル系樹脂管)が形成されている。
また、下記の特許文献2では、塩化ビニルモノマーと親水性モノマーとを構成単位として含む塩化ビニル系共重合体を用いて、成形体(高分子水処理膜)が形成されている。
特開2015−108392号公報 WO2011/108580A1
特許文献1では、上記塩化ビニル系樹脂管が、管状の複数の層の最内層となるように加熱成形されている。しかし、上記塩化ビニル系樹脂管は、加熱成形時の熱安定性が低く、安定した成形を行うことが困難な場合がある。また、熱劣化による変色によって、透明性が失われる場合がある。
特許文献2では、上記高分子水処理膜が、加熱をしない非溶媒相分離法により作製されている。しかし、上記の方法で作製された上記高分子水処理膜は、微細な孔構造を有するため、透明性が低くなる場合がある。
本発明の目的は、加熱成形時の熱安定性を高くすることができ、かつ、透明性を高くすることができる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することである。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビニル系樹脂成形体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、塩化ビニル系共重合体と、23℃で液状の有機錫化合物とを含み、前記塩化ビニル系共重合体が、塩化ビニルモノマーと、ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーとの共重合体であり、前記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、前記有機錫化合物の含有量が、3重量部以上である、塩化ビニル系樹脂組成物が提供される。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記塩化ビニル系共重合体100重量%中、前記第2のモノマーに由来する構造単位の含有率が、10重量%以上、55重量%以下である。
本発明の広い局面によれば、上述した塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である塩化ビニル系樹脂成形体が提供される。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂成形体のある特定の局面では、前記塩化ビニル系樹脂成形体が、板状である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂成形体のある特定の局面では、全光線透過率が80%以上、かつ、ヘイズが10%以下である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系共重合体と、23℃で液状の有機錫化合物とを含み、上記塩化ビニル系共重合体が、塩化ビニルモノマーと、ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーとの共重合体であり、上記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、上記有機錫化合物の含有量が、3重量部以上であるので、加熱成形時の熱安定性を高くすることができ、かつ、透明性を高くすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(塩化ビニル系樹脂組成物)
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系共重合体と、有機錫化合物とを含む。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニルモノマーと、ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーとの共重合体である。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記有機錫化合物は、23℃で液状である。更に、本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物において、上記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、上記有機錫化合物の含有量が、3重量部以上である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上述した構成が備えられているので、加熱成形時の熱安定性を高くすることができ、かつ、透明性を高くすることができる。
以下、塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる各成分等について説明する。
(塩化ビニル系共重合体)
上記塩化ビニル系共重合体では、塩化ビニルモノマーが用いられる。更に、上記塩化ビニル系共重合体では、ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーが用いられる。上記塩化ビニル系共重合体は、上記塩化ビニルモノマーと、上記第2のモノマーとの共重合体である。上記塩化ビニル系共重合体は、上記塩化ビニルモノマーと、上記第2のモノマーとを含む共重合成分の共重合体である。上記第2のモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第2のモノマーは、上記塩化ビニルモノマーと共重合可能である。上記第2のモノマーとしては特に限定されず、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物であるポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有するアリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのアリルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有するビニルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのビニルエーテル、及び、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有するスチリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのスチリルエーテル等が挙げられる。
上記第2のモノマーについて、上記アルキルエーテル骨格におけるアルキル基の炭素数は好ましくは1〜20であり、上記アルキルエーテル骨格にアリール基が置換されていてもよい。上記アリルエーテル骨格に炭素数1〜14のアルキル基が置換されていてもよい。
上記ポリアルキレングリコール基及びポリアルキレングリコールにおけるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜20である。上記ポリアルキレングリコール基は、ポリエチレングリコール基であることが好ましい。ポリアルキレングリコールの水素原子が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたポリアルキレングリコールを用いてもよい。置換されているエチレングリコール単位は、全エチレングリコール単位の50%以下であることが好ましい。反応性を確保するために、ポリアルキレングリコールの平均重合度は好ましくは4以上、好ましくは140以下、より好ましくは100以下である。
上記スチリルエーテルにおけるスチリル基は、α位及びβ位の少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていてもよく、芳香環上に炭素数1〜20のアルキル基があってもよい。
長期間に渡り、吸水による防汚機能をより一層効果的に発現させる観点からは、上記塩化ビニル系共重合体は、上記第2のモノマーが上記塩化ビニルモノマーに化学的に結合した塩化ビニル系共重合体であることが好ましい。上記第2のモノマーに由来する構造単位が、塩化ビニル系共重合体において、主鎖に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよい。また、透明性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系共重合体のランダム性は特に限定されない。
上記塩化ビニル系共重合体100重量%中、上記塩化ビニルモノマーに由来する構造単位以外の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、より好ましくは55重量%以下である。上記塩化ビニルモノマーに由来する構造単位以外の構造単位の含有率が上記下限以上であると、吸水による防汚機能がより一層効果的に発現する。上記塩化ビニルモノマーに由来する構造単位以外の構造単位の含有率が上記上限以下であると、加熱成形時の熱安定性がより一層高くなる。
上記塩化ビニル系共重合体100重量%中、上記第2のモノマーに由来する構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、より好ましくは55重量%以下である。上記第2のモノマーに由来する構造単位の含有率が上記下限以上であると、吸水による防汚機能がより一層効果的に発現する。上記第2のモノマーに由来する構造単位の含有率が上記上限以下であると、加熱成形時の熱安定性がより一層高くなる。
[重合方法]
上記塩化ビニル系共重合体を得る共重合方法について説明する。共重合の方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、及び沈殿重合等が挙げられる。これらの方法の中では、懸濁重合法、乳化重合法又は沈殿重合が好ましい。
上記懸濁重合法により重合を行う際には、分散剤又は油溶性重合開始剤等を用いてもよい。上記分散剤の使用により、材料中における材料成分の水への分散安定性を高めることができ、共重合を安定的に進行させることができる。
上記分散剤としては特に限定されず、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩/アルキルアクリレート共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、及び無水マレイン酸/スチレン共重合体等が挙げられる。上記分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記油溶性重合開始剤は特に限定されない。上記油溶性重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。上記油溶性重合開始剤としては、有機パーオキサイド化合物及びアゾ化合物が挙げられる。上記有機パーオキサイド化合物としては、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート及びα−クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、2,2−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。上記油溶性重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
共重合を行う際には、重合中に重合槽内に付着する付着物の量を少なくする目的で、スケール防止剤、pH調整剤又は酸化防止剤等を用いてもよい。更に、必要に応じて、重合槽の内部、攪拌翼及び邪魔板等の形状、並びに重合槽の材質等を変更してもよい。
上記スケール防止剤は特に限定されず、ポリアミノベンゼン、多価フェノール、アミノフェノール、アルキル置換フェノール等から選ばれた1種又は2種以上の化合物の縮合反応によって得られる多価フェノール等が挙げられる。上記スケール防止剤は、水又は有機溶媒に希釈されていてもよい。上記スケール防止剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記懸濁重合法は、例えば、以下の方法により行われる。温度調整機及び攪拌機を備える重合器内に、純水、上記分散剤、上記油溶性重合開始剤、必要に応じて水溶性増粘剤及び重合度調節剤を含む分散溶液を入れ、真空ポンプにより重合器内から空気を排除する。次に、攪拌条件下で、原料の全てを重合器内に入れる。その後、重合器内を昇温し、所望の重合温度で、材料の重合反応を進行させ、グラフト共重合を行う。共重合反応を行う際に、重合温度は30〜90℃であることが好ましく、重合時間は2〜20時間であることが好ましい。
上記懸濁重合法では、ジャケット温度を変えることにより重合器内の温度、すなわち、重合温度を制御可能である。反応終了後には、例えば未反応の塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを除去してスラリー状にし、更に脱水及び乾燥を行うことにより、目的とする塩化ビニル系共重合体を得ることができる。
(塩化ビニル系共重合体の他の詳細)
上記塩化ビニル系共重合体の重合度は好ましくは500以上、好ましくは2000以下である。上記重合度が上記下限以上であると、疲労特性などの長期性能が損なわれ難い。上記重合度が上記上限以下であると、成形時に高温下にする必要がなくなり、加工性がより一層良好になる。
上記塩化ビニル系共重合体は、粒子であることが好ましい。粒子である塩化ビニル系共重合体の粒子径は好ましくは0.1μm以上、好ましくは500μm以下である。上記粒子径が上記下限以上であると、乾燥時に微粉状態とならず、取扱い性が高くなる。上記粒子径が上記上限以下であると、粒子を得る際の重合時の反応が不安定になりにくい。
上記塩化ビニル系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機材料と併用されてもよい。例えば、機械的強度の更なる向上のため、後塩素化塩化ビニル系樹脂又はアクリル樹脂等を、上記塩化ビニル系重合体と併用してもよい。
(有機錫化合物)
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、23℃で液状の有機錫化合物を含む。上記有機錫化合物は、有機錫熱安定剤であることが好ましい。上記有機錫化合物が23℃で液状であることで、塩化ビニル系共重合体内に、有機錫化合物を均一に分散させ、透明性を高めることができる。上記有機錫化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機錫化合物としては特に限定されず、例えば、錫メルカプト系化合物、錫ラウレート系化合物等が挙げられる。上記有機錫化合物の市販品としては、KK−6476、KK−6509、KK−6511、KK6513、TVS8501、TVS8831、AT−5300(日東化成社製)が挙げられる。
加熱成形時の熱安定性を高める観点から、上記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、上記有機錫化合物の含有量は3重量部以上である。加熱成形時の熱安定性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、上記有機錫化合物の含有量は、好ましくは5重量部以上である。熱安定剤による引張強度の低下を抑制する観点からは、上記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、上記有機錫化合物の含有量は、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
(他の成分)
上記塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、及びゼオライト等が挙げられる。上記熱安定化助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、及び外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、及びビスアミド等が挙げられる。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、アクリル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては、重量平均分子量が10万〜200万であるアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等が挙げられ、具体的には、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、及び2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、及びアクリルゴム等が挙げられる。上記衝撃改質剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、α−メチルスチレン系、及びN−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。上記耐熱向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されず、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、及びタルクなどが挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。上記有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、及び染料レーキ系有機顔料等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化物系無機顔料、クロム酸モリブデン系無機顔料、硫化物・セレン化物系無機顔料、及びフェロシアニン化物系無機顔料等が挙げられる。透明性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、上記顔料を含まないことが好ましい。
上記可塑剤は、成形時の加工性を高める目的で添加されていてもよい。可塑剤の添加により成形品の耐熱性が低下することがあるため、可塑剤の添加量は少ない方が好ましい。上記可塑剤としては特に限定されず、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、及びジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(塩化ビニル系樹脂成形体)
上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いて形成される。上記塩化ビニル系樹脂組成物は、上記塩化ビニル系樹脂成形体を得るために単独で用いることができる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を成形することにより得られる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である。
上記塩化ビニル系樹脂成形体の形状としては特に限定されず、例えば、パイプ、板及び容器等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、板状であることが好ましく、平板状であることが好ましい。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、板状には、シート状及びフィルム状が含まれる。
上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法としては特に限定されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法及びプレス成形法等が挙げられる。
成形に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、及び二軸同方向押出機等が挙げられる。上記成形機を用いて成形するとき、賦形する金型、樹脂温度等は、特に限定されない。
透明性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系樹脂成形体の全光線透過率が80%以上、かつ、ヘイズが10%以下であることが好ましい。透明性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系樹脂成形体の全光線透過率は好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、ヘイズは好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1−7、比較例1−3)
(1)塩化ビニル系共重合体の作製
攪拌機及びジャケットを備えた反応器内にノンスケール剤を塗布し、下記の表1に示す塩化ビニルを除く配合材料を一括で入れた。その後、真空ポンプで反応器内の空気を排出し、攪拌しながら塩化ビニルを入れた。次いで、ジャケット温度を制御して、下記の表1に示す重合温度にて重合を開始し、反応器内の圧力が所定圧力まで低下することで反応の終了を確認し、反応を停止した。その後、未反応の塩化ビニルを除去し、更に、脱水及び乾燥を行うことで、塩化ビニル系共重合体を得た。
(2)塩化ビニル系樹脂組成物の作製
内容積100リットルのヘンシェルミキサー(川田工業社製)内に、下記の表1に示す配合材料を仕込み、均一に攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を作製した。
(3)塩化ビニル系樹脂成形体の作製
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を用いて、以下の条件で塩化ビニル系樹脂成形体の成形を実施した。
[条件]
ロール:安田製機製作所社製 ミキシングロール
ロール温度:160℃
ロール時間:1分(巻きつき後)
プレス:東邦マシナリー社製 熱プレス成形機
プレス温度:165℃
プレス時間:予熱1.5分+加圧0.5分
プレス圧力:200kgf/cm
プレスサイズ:厚み0.3mm×長さ200mm×幅200mm
(評価)
(1)重合度
塩化ビニル系共重合体の重合度を、JIS K6720−2に準拠して測定した。なお、発生した不溶解物は濾別し、可溶解分のみを用いて測定した。
(2)塩化ビニルの含有率(塩化ビニルに由来する構造単位の含有率)
塩化ビニル系共重合体における塩素重量含有率(Cl%)はJIS K7229に準拠して、電位差滴定法にて測定した。
この塩素重量含有率(C=Cl%/100)から下記式(A)により、塩化ビニルの含有率を算出した。
塩化ビニルの含有率(重量%)=(C/56.7)×100 ・・・式(A)
(3)ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーに由来する構造単位の含有率
第2のモノマーに由来する構造単位の含有率は、下記式(B)で算出した。
第2のモノマーに由来する構造単位の含有率(重量%)=100−塩化ビニルに由来する構造単位の含有率 ・・・式(B)
(4)透明性の評価
JIS K7136に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業社製)を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。透明性を以下の基準で判定した。
[透明性の判定基準]
○:全光線透過率が80%以上、かつ、ヘイズが10%以下
×:○に相当しない
(5)熱安定性の評価
得られた塩化ビニル系樹脂成形体サンプルをギヤオーブン(エスペック社製)に入れ、槽内温度が200℃となるように加熱した。成形体サンプルの黒変の有無を目視にて確認し、黒変が始まるまでの時間を測定した。熱安定性を以下の基準で判定した。
[熱安定性の判定基準]
○:黒変が始まるまで30分以上
△:黒変が始まるまで15分以上、30分未満
×:黒変が始まるまで15分未満
配合組成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 0006705671

Claims (5)

  1. 塩化ビニル系共重合体と、23℃で液状の有機錫化合物とを含み、
    前記塩化ビニル系共重合体が、塩化ビニルモノマーと、ポリアルキレングリコール基を有し、かつ片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリルエーテル骨格を有する第2のモノマーとの共重合体であり、
    23℃で液状の前記有機錫化合物が、錫メルカプト系化合物であり、
    前記塩化ビニル系共重合体100重量部に対して、前記有機錫化合物の含有量が、3重量部以上である、塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 前記塩化ビニル系共重合体100重量%中、前記第2のモノマーに由来する構造単位の含有率が、10重量%以上、55重量%以下である、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である、塩化ビニル系樹脂成形体。
  4. 板状である、請求項に記載の塩化ビニル系樹脂成形体。
  5. 全光線透過率が80%以上、かつ、ヘイズが10%以下である、請求項又はに記載の塩化ビニル系樹脂成形体。
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