JP3812333B2 - 車体構造部材 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で剛性の高い車体構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体構造部材については、部品点数の削減や軽量化の目的で、その一部もしくは全部を樹脂材料で製造する例が増えてきている。特にドア、バックドア、トランクリッド等の開閉体は、表層材料と骨格材料を樹脂材料で製造する場合が多数見られる。このような例では、表層材料としては、変性PPOアロイ、PC/PBT等が使用され、代表的な骨格材料としては、ウレタンRIM(Reaction Injection Molding)やPPスタンパブルシート等が使用されている。
【0003】
特に、骨格材料については、ドアに加わる強度を負担するため、特開平5−178092号に示されているように、ガラス繊維強化樹脂を使用しているものが知られている。
【0004】
更に、サッシュ部においては、部品形状の制約により、断面が細くなるため、補強を目的として、一般的に構造部材の板厚を厚くしたり、リブを設置したりする等の補強対策がとられている。
【0005】
また、更なる剛性確保の目的で、特開平5−85171号に示されているように、樹脂製のアウタパネルと樹脂製のインナパネルの間に金属製の補強板を内装する構造等も知られている。
【0006】
そして、断面が長手方向に沿ってコ字状の部材(コ字状断面部材)の対向する側面間に、補強用のリブをジグザグ状(概略トラス状)に設置した場合において、更なる補強のために、そのコ字状断面部材の開口側をクロージングプレートにより塞いで閉断面構造にすることができる。このように、クロージングプレートでコ字状断面部材の開口を塞ぐ構造にする場合は、コ字状断面部材の側面とリブとの結合部(V形で隣り合う2つのリブの交点と側面との結合部)に取付部を設定し、その取付部に対して、クロージングプレートを取付けるのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ある程度の剛性向上は見込めるものの、それ以上の剛性向上は期待できず、車体構造中において採用できる部位に制約がある。
【0008】
例えば、自動車のバックドアにおいては、部品形状による制約から、支点とガスステー入力点の位置関係によっては、構造部材にかかる入力により変形を起こすおそれがあり、またドアサッシュ部においては、断面形状が細いため、応力集中により変形を起こすおそれがある。
【0009】
そのため、このような部位には、従来構造をそのまま採用することができず、剛性向上のために、部材やリブの厚肉化を実施しなければならず、その結果、部品の軽量化という本来のメリットが犠牲になっていた。
【0010】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、従来構造の簡単な改良により、剛性を更に高めることができ、軽量化を確実に図ることができる車体構造部材を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コ字状断面部材と、該コ字状断面部材の開口側に取付けられるクロージングプレートとから成り、コ字状断面部材は、対向する側面同士をつなぐ連続したリブで補強され、隣り合うリブが側面との結合部を共有し、一方の側面の結合部が他方の側面に存在する隣り合う結合部の間に位置している車体構造部材において、前記コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に、クロージングプレートの取付部が存在している。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、コ字状断面部材におけるクロージングプレートの取付部の位置を、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に変更するだけで、従来構造に比べて剛性を高めることができる。従って、部材やリブを厚肉化する必要がなくなり、軽量化という本来のメリットを確実に得ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、コ字状断面部材の一般面とリブとの板厚の比(リブ/一般面)が、0.8〜2.0の間にある。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、コ字状断面部材の一般面とリブとの板厚の比(リブ/一般面)を、0.8〜2.0の間にしたことにより、車体構造部材の剛性を効果的に高めることができる。すなわち、(リブ/一般面)の比が、0.8未満の場合、リブによる補強効果が不十分であり、2.0を超える場合、重量増加に対する補強向上代が小さくなり、不経済である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、コ字状断面部材が熱可塑性強化複合樹脂で形成されている。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、コ字状断面部材が熱可塑性強化複合樹脂で形成されているため、軽量で十分な剛性向上を図ることができる。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が好適で、強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維、タルク等の無機充填材、ウィスカー、金属系充填材などが好適で、これらの樹脂と、1つ以上の強化材を組み合わせて用いることが可能である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、コ字状断面部材の側面に接するように設けられたボス部の頂部に取付部が存在している。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ボス部の頂部に設定された取付部に、クロージングプレートを取付けるため、クロージングプレートのコ字状断面部材に対する取付強度が増増し、車体構造部材の全体剛性が向上する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、コ字状断面部材の側面の端部に形成されたフランジに取付部が存在している。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、コ字状断面部材の側面の端部に形成されたフランジにクロージングプレートを取付けるため、クロージングプレートの取付作業が容易である。
【0021】
請求項6に記載の発明は、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間の全てに、クロージングプレートの取付部が存在する。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間の全てに、クロージングプレートの取付部を設定したため、クロージングプレートとコ字状断面部材との取付強度が増し、車体構造部材の全体剛性が向上する。
【0023】
請求項7に記載の発明は、リブの高さがコ字状断面部材の側面の高さに等しい。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、リブが側面と同じ高さのため、クロージングプレートでコ字状断面部材を塞いだ場合に、リブの端部がクロージングプレートに当接し、クロージングプレートを設けた場合における最大の剛性向上効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を、詳細な実施例と比較例を用いて説明する
。
【0026】
車体構造部材の構造としては、第1図(比較例のAタイプ)、第2図(比較例のBタイプ)、第3図(実施例のCタイプ)、第4図(実施例のDタイプ)、第5図(実施例のEタイプ)、第6図(実施例のFタイプ)の6種類がある。
【0027】
これらA〜Fの6つのタイプについて、図11の表に示す実施例1〜14と、比較例1〜7の仕様に基づいて、図9に示す片持ち剛性試験と、図10に示すねじり剛性試験を行った。実施例の評価は、比較例の剛性値を基準とした相対値で示した。
【0028】
図1は、比較例のAタイプの車体構造部材を示す構造で、コ字状断面部材1は、一般面の板厚が3mmのガラス繊維40%強化ポリプロピレン製である。ガラス繊維40%強化ポリプロピレンは、図11の表中では、「PP−GF40」と表示されている。ガラス繊維が33%の場合は、「PP−GF33」と表示されている。「PP」のみの表示は、強化材が含まれていないことを意味している。
【0029】
このコ字状断面部材1の対向する側面2同士が、斜めにジグザグ状(概略トラス状)に連続する補強用のリブ3により結合されている。このリブ3は、板厚が3mmで且つ高さが側面2と同じで、コ字状断面部材1の底面にも結合されている。リブ3が側面2と同じ高さのため、クロージングプレート4でコ字状断面部材1を塞いだ場合に、リブ3の端部がクロージングプレート4に当接し、クロージングプレート4を設けた場合における最大の剛性向上効果が得られる。
【0030】
そして、隣り合うリブ3が側面2との結合部5を共有している。この結合部5が円柱状のボス形状をしており、その頂部に取付部6が設定されている。この取付部6に対して、図7に示すタッピングボルト(締結部品)7によりクロージングプレート4が取付けられ、コ字状断面部材1の開口を塞いで閉断面構造にしている。クロージングプレート4は、金属製で、板厚は、2.5mmである。
【0031】
図2は、比較例のBタイプを示す構造で、2つのリブ8が互いに向かい合う状態で形成されており、リブ8同士は、X状に交差している。その他の構造は、比較例のAタイプと同様である。
【0032】
図3は、実施例のCタイプを示す構造で、取付部6を頂部に有するボス部9が、リブ3と側面2との結合部5でなく、隣り合う結合部5の中間位置に形成されている。その他の構造は、比較例のAタイプと同様である。
【0033】
図4は、実施例のDタイプを示す構造で、取付部6を頂部に有するボス部9が、リブ8と側面2との結合部5でなく、隣り合う結合部5の中間位置に形成されている。その他の構造は、比較例のBタイプと同様である。
【0034】
図5は、実施例のEタイプを示す構造で、コ字状断面部材1の側面2の端部にフランジ10が形成されており、そのフランジ10における隣り合う結合部5の中間位置にクロージングプレート4を取付ける取付部6が設定されている。フランジ10にクロージングプレート4を取付けるため、クロージングプレート4の取付作業が容易である。その他の構造は、実施例のCタイプと同様である。
【0035】
図6は、実施例のFタイプを示す構造で、コ字状断面部材1の側面2の端部にフランジ10が形成されており、そのフランジ10における隣り合う結合部5の中間位置にクロージングプレート4を取付ける取付部6が設定されている。その他の構造は、実施例のDタイプと同様である。
【0036】
このような構造をした比較例及び実施例におけるA〜Fのタイプの車体構造部材の仕様を、図11の表に示すように変更して、片持ち剛性試験とねじり剛性試験を行った。尚、図11の表中において、締結方法で「リベット」とは、ボルトの代わりにリッドを用いてクロージングプレート4を取付けた構造で、「カラー」とは、フランジ10にカラーを埋め込み、ボルトを介して取付けた構造である。また、取付位置の「結合部の間」とは、取付部6の位置が、隣り合う結合部5の間の厳密な中間位置でなく、若干中間位置よりもずれた状態を示している。尚、比較例1及び2は、本発明とは(リブ/一般面)の比で外れており、比較例3は材料で外れており、比較例4〜6は、取付部の位置でも外れている。
【0037】
結果は、図11に表に示す如く、ねじり剛性に関しては、実施例と比較例とは、略同等であるが、片持ち剛性に関しては、実施例の方がいずれも比較例よりも優れていた。
【0038】
尚、以上の説明においては、コ字状断面部材1の隣り合う結合部5の間の全てに取付部6を設定したが、必要とされる剛性に応じて、途中の取付部6をいくつか省略しても良い。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、コ字状断面部材におけるクロージングプレートの取付部の位置を、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に変更するだけで、従来構造に比べて剛性を高めることができる。従って、部材やリブを厚肉化する必要がなくなり、軽量化という本来のメリットを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例に係るタイプAのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図2】比較例に係るタイプBのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図3】実施例に係るタイプCのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図4】実施例に係るタイプDのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図5】実施例に係るタイプEのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図6】実施例に係るタイプFのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図7】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図8】図5中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図9】片持ち剛性試験を示す図。
【図10】ねじり剛性試験を示す図。
【図11】比較例及び実施例の仕様及び試験結果を示す表。
【符号の説明】
1 コ字状断面部材
2 側面
3、8 リブ
4 クロージングプレート
5 結合部
6 取付部
7 ボルト
9 ボス部
10 フランジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で剛性の高い車体構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体構造部材については、部品点数の削減や軽量化の目的で、その一部もしくは全部を樹脂材料で製造する例が増えてきている。特にドア、バックドア、トランクリッド等の開閉体は、表層材料と骨格材料を樹脂材料で製造する場合が多数見られる。このような例では、表層材料としては、変性PPOアロイ、PC/PBT等が使用され、代表的な骨格材料としては、ウレタンRIM(Reaction Injection Molding)やPPスタンパブルシート等が使用されている。
【0003】
特に、骨格材料については、ドアに加わる強度を負担するため、特開平5−178092号に示されているように、ガラス繊維強化樹脂を使用しているものが知られている。
【0004】
更に、サッシュ部においては、部品形状の制約により、断面が細くなるため、補強を目的として、一般的に構造部材の板厚を厚くしたり、リブを設置したりする等の補強対策がとられている。
【0005】
また、更なる剛性確保の目的で、特開平5−85171号に示されているように、樹脂製のアウタパネルと樹脂製のインナパネルの間に金属製の補強板を内装する構造等も知られている。
【0006】
そして、断面が長手方向に沿ってコ字状の部材(コ字状断面部材)の対向する側面間に、補強用のリブをジグザグ状(概略トラス状)に設置した場合において、更なる補強のために、そのコ字状断面部材の開口側をクロージングプレートにより塞いで閉断面構造にすることができる。このように、クロージングプレートでコ字状断面部材の開口を塞ぐ構造にする場合は、コ字状断面部材の側面とリブとの結合部(V形で隣り合う2つのリブの交点と側面との結合部)に取付部を設定し、その取付部に対して、クロージングプレートを取付けるのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ある程度の剛性向上は見込めるものの、それ以上の剛性向上は期待できず、車体構造中において採用できる部位に制約がある。
【0008】
例えば、自動車のバックドアにおいては、部品形状による制約から、支点とガスステー入力点の位置関係によっては、構造部材にかかる入力により変形を起こすおそれがあり、またドアサッシュ部においては、断面形状が細いため、応力集中により変形を起こすおそれがある。
【0009】
そのため、このような部位には、従来構造をそのまま採用することができず、剛性向上のために、部材やリブの厚肉化を実施しなければならず、その結果、部品の軽量化という本来のメリットが犠牲になっていた。
【0010】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、従来構造の簡単な改良により、剛性を更に高めることができ、軽量化を確実に図ることができる車体構造部材を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コ字状断面部材と、該コ字状断面部材の開口側に取付けられるクロージングプレートとから成り、コ字状断面部材は、対向する側面同士をつなぐ連続したリブで補強され、隣り合うリブが側面との結合部を共有し、一方の側面の結合部が他方の側面に存在する隣り合う結合部の間に位置している車体構造部材において、前記コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に、クロージングプレートの取付部が存在している。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、コ字状断面部材におけるクロージングプレートの取付部の位置を、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に変更するだけで、従来構造に比べて剛性を高めることができる。従って、部材やリブを厚肉化する必要がなくなり、軽量化という本来のメリットを確実に得ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、コ字状断面部材の一般面とリブとの板厚の比(リブ/一般面)が、0.8〜2.0の間にある。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、コ字状断面部材の一般面とリブとの板厚の比(リブ/一般面)を、0.8〜2.0の間にしたことにより、車体構造部材の剛性を効果的に高めることができる。すなわち、(リブ/一般面)の比が、0.8未満の場合、リブによる補強効果が不十分であり、2.0を超える場合、重量増加に対する補強向上代が小さくなり、不経済である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、コ字状断面部材が熱可塑性強化複合樹脂で形成されている。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、コ字状断面部材が熱可塑性強化複合樹脂で形成されているため、軽量で十分な剛性向上を図ることができる。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が好適で、強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維、タルク等の無機充填材、ウィスカー、金属系充填材などが好適で、これらの樹脂と、1つ以上の強化材を組み合わせて用いることが可能である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、コ字状断面部材の側面に接するように設けられたボス部の頂部に取付部が存在している。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ボス部の頂部に設定された取付部に、クロージングプレートを取付けるため、クロージングプレートのコ字状断面部材に対する取付強度が増増し、車体構造部材の全体剛性が向上する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、コ字状断面部材の側面の端部に形成されたフランジに取付部が存在している。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、コ字状断面部材の側面の端部に形成されたフランジにクロージングプレートを取付けるため、クロージングプレートの取付作業が容易である。
【0021】
請求項6に記載の発明は、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間の全てに、クロージングプレートの取付部が存在する。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間の全てに、クロージングプレートの取付部を設定したため、クロージングプレートとコ字状断面部材との取付強度が増し、車体構造部材の全体剛性が向上する。
【0023】
請求項7に記載の発明は、リブの高さがコ字状断面部材の側面の高さに等しい。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、リブが側面と同じ高さのため、クロージングプレートでコ字状断面部材を塞いだ場合に、リブの端部がクロージングプレートに当接し、クロージングプレートを設けた場合における最大の剛性向上効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を、詳細な実施例と比較例を用いて説明する
。
【0026】
車体構造部材の構造としては、第1図(比較例のAタイプ)、第2図(比較例のBタイプ)、第3図(実施例のCタイプ)、第4図(実施例のDタイプ)、第5図(実施例のEタイプ)、第6図(実施例のFタイプ)の6種類がある。
【0027】
これらA〜Fの6つのタイプについて、図11の表に示す実施例1〜14と、比較例1〜7の仕様に基づいて、図9に示す片持ち剛性試験と、図10に示すねじり剛性試験を行った。実施例の評価は、比較例の剛性値を基準とした相対値で示した。
【0028】
図1は、比較例のAタイプの車体構造部材を示す構造で、コ字状断面部材1は、一般面の板厚が3mmのガラス繊維40%強化ポリプロピレン製である。ガラス繊維40%強化ポリプロピレンは、図11の表中では、「PP−GF40」と表示されている。ガラス繊維が33%の場合は、「PP−GF33」と表示されている。「PP」のみの表示は、強化材が含まれていないことを意味している。
【0029】
このコ字状断面部材1の対向する側面2同士が、斜めにジグザグ状(概略トラス状)に連続する補強用のリブ3により結合されている。このリブ3は、板厚が3mmで且つ高さが側面2と同じで、コ字状断面部材1の底面にも結合されている。リブ3が側面2と同じ高さのため、クロージングプレート4でコ字状断面部材1を塞いだ場合に、リブ3の端部がクロージングプレート4に当接し、クロージングプレート4を設けた場合における最大の剛性向上効果が得られる。
【0030】
そして、隣り合うリブ3が側面2との結合部5を共有している。この結合部5が円柱状のボス形状をしており、その頂部に取付部6が設定されている。この取付部6に対して、図7に示すタッピングボルト(締結部品)7によりクロージングプレート4が取付けられ、コ字状断面部材1の開口を塞いで閉断面構造にしている。クロージングプレート4は、金属製で、板厚は、2.5mmである。
【0031】
図2は、比較例のBタイプを示す構造で、2つのリブ8が互いに向かい合う状態で形成されており、リブ8同士は、X状に交差している。その他の構造は、比較例のAタイプと同様である。
【0032】
図3は、実施例のCタイプを示す構造で、取付部6を頂部に有するボス部9が、リブ3と側面2との結合部5でなく、隣り合う結合部5の中間位置に形成されている。その他の構造は、比較例のAタイプと同様である。
【0033】
図4は、実施例のDタイプを示す構造で、取付部6を頂部に有するボス部9が、リブ8と側面2との結合部5でなく、隣り合う結合部5の中間位置に形成されている。その他の構造は、比較例のBタイプと同様である。
【0034】
図5は、実施例のEタイプを示す構造で、コ字状断面部材1の側面2の端部にフランジ10が形成されており、そのフランジ10における隣り合う結合部5の中間位置にクロージングプレート4を取付ける取付部6が設定されている。フランジ10にクロージングプレート4を取付けるため、クロージングプレート4の取付作業が容易である。その他の構造は、実施例のCタイプと同様である。
【0035】
図6は、実施例のFタイプを示す構造で、コ字状断面部材1の側面2の端部にフランジ10が形成されており、そのフランジ10における隣り合う結合部5の中間位置にクロージングプレート4を取付ける取付部6が設定されている。その他の構造は、実施例のDタイプと同様である。
【0036】
このような構造をした比較例及び実施例におけるA〜Fのタイプの車体構造部材の仕様を、図11の表に示すように変更して、片持ち剛性試験とねじり剛性試験を行った。尚、図11の表中において、締結方法で「リベット」とは、ボルトの代わりにリッドを用いてクロージングプレート4を取付けた構造で、「カラー」とは、フランジ10にカラーを埋め込み、ボルトを介して取付けた構造である。また、取付位置の「結合部の間」とは、取付部6の位置が、隣り合う結合部5の間の厳密な中間位置でなく、若干中間位置よりもずれた状態を示している。尚、比較例1及び2は、本発明とは(リブ/一般面)の比で外れており、比較例3は材料で外れており、比較例4〜6は、取付部の位置でも外れている。
【0037】
結果は、図11に表に示す如く、ねじり剛性に関しては、実施例と比較例とは、略同等であるが、片持ち剛性に関しては、実施例の方がいずれも比較例よりも優れていた。
【0038】
尚、以上の説明においては、コ字状断面部材1の隣り合う結合部5の間の全てに取付部6を設定したが、必要とされる剛性に応じて、途中の取付部6をいくつか省略しても良い。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、コ字状断面部材におけるクロージングプレートの取付部の位置を、コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に変更するだけで、従来構造に比べて剛性を高めることができる。従って、部材やリブを厚肉化する必要がなくなり、軽量化という本来のメリットを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例に係るタイプAのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図2】比較例に係るタイプBのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図3】実施例に係るタイプCのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図4】実施例に係るタイプDのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図5】実施例に係るタイプEのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図6】実施例に係るタイプFのコ字状断面部材を示す斜視図。
【図7】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図8】図5中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図9】片持ち剛性試験を示す図。
【図10】ねじり剛性試験を示す図。
【図11】比較例及び実施例の仕様及び試験結果を示す表。
【符号の説明】
1 コ字状断面部材
2 側面
3、8 リブ
4 クロージングプレート
5 結合部
6 取付部
7 ボルト
9 ボス部
10 フランジ
Claims (7)
- コ字状断面部材と、該コ字状断面部材の開口側に取付けられるクロージングプレートとから成り、
コ字状断面部材は、対向する側面同士をつなぐ連続したリブで補強され、隣り合うリブが側面との結合部を共有し、一方の側面の結合部が他方の側面に存在する隣り合う結合部の間に位置している車体構造部材において、
前記コ字状断面部材の隣り合う結合部の間に、クロージングプレートの取付部が存在していることを特徴とした車体構造部材。 - 請求項1記載の車体構造部材であって、
コ字状断面部材の一般面とリブとの板厚の比(リブ/一般面)が、0.8〜2.0の間にあることを特徴とする車体構造部材。 - 請求項1又は請求項2記載の車体構造部材であって、
コ字状断面部材が熱可塑性強化複合樹脂で形成されていることを特徴とする車体構造部材。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体構造部材であって、
コ字状断面部材の側面に接するように設けられたボス部の頂部に取付部が存在していることを特徴とする車体構造部材。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体構造部材であって、
コ字状断面部材の側面の端部に形成されたフランジに取付部が存在していることを特徴とする車体構造部材。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車体構造部材であって、
コ字状断面部材の隣り合う結合部の間の全てに、クロージングプレートの取付部が存在することを特徴とする車体構造部材。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車体構造部材であって、
リブの高さがコ字状断面部材の側面の高さに等しいことを特徴とする車体構造部材。
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