JP3811198B2 - 米からの抗アレルギー剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、米または発芽させた米を原料として得られる抗アレルギー剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、米は主食以外に、清酒,焼酎,みりん,酢,麹などとして用途開発され、古くから生活に欠かせないものとなっている。このほかには、美容的用途として糠袋が知られている。これらは米を単なる主食であると見るか、またはせいぜい澱粉源としてしか見ていなかったということによるものであると思われる。また、糠袋にしても、皮膚によいとされ、慣例的にそのまま使用されてきたのみであり、有効成分という概念もなければ、その有効成分を利用するという考え方も全くなかったのである。
【0003】
一方、免疫応答に質的、量的な変化が生じて、調節機能の異常、特に過剰な免疫応答が起こり、体に障害をきたすアレルギーに苦しむ人が多くなってきている。
このアレルギーに対して様々な治療が試みられているが、薬剤では投与による副作用や使用量、使用期間に制限の問題があり、長期に亘る服用により起こる安全性の面からも問題になっており、ただアレルギーの原因となる抗原に接さないようにするしか顕著な治療はない。すなわち、アレルギーに対して有効で、しかも、副作用がなく安全な抗アレルギー剤は、未だ開発されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、薬剤の人体に対する副作用が問題となっており、全く副作用がなく、しかも、長期に亘って常用しても十分に安全な抗アレルギー剤が要求されている。本発明は、安全で安価であって、原料供給が安定しており、加工が容易で、長期に亘って常用しても全く安全な米からの、抗アレルギー剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、動植物合和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分の研究を進めてきた。その過程で、米には今まで予測できなかった数多くの可能性および効果があることが判明してきた。そこで、主食として用いられ、安全性が最も高いことが実証されている米をテーマとして取り上げ、米の総合利用研究を行ってきた。そのうちの一つのテーマとして、米からの抗アレルギー剤について鋭意研究を重ねてきたのであるが、その過程で、米および発芽させた米には抗アレルギー剤としての効果を有する成分が含有させていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明において、米および発芽させた米に含有されている抗アレルギー効果を有する成分は、未だ解明するに至っていないが、米および発芽させた米を、下記のように処理したものは、抗アレルギー効果を示すことが判明した。
▲1▼ 発芽させた米の粉砕物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲2▼ 米または発芽させた米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
【0007】
▲3▼ 米および発芽させた米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲4▼ 米または発芽させた米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲5▼ 米または発芽させた米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
ここでいうアレルギーとは、アレルギー性胃炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性体質、アレルギー性鼻炎等アレルギーにより起こる疾患全てを指す。
【0008】
本発明で使用される米とは、ジャポニカ,インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種,種類は問わない。さらに、精白時に出てくる92%以上の赤糠、あるいは92%以下の白糠を使用してもよく、安価で経済的である。また、発芽させた米が使用される。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬,蒸煮,焙煎(砂焙り,網焙り,熱風焙煎等全てを指す),蒸煮焙煎,凍結乾燥等の表面変性,UV照射等の光変性,パットライス等の加圧焙煎,揚げる等の原料処理をしてもよく、また、効果も変わらなかった。
【0009】
米および発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。米および発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い一般的な方法で行なえばよい。
米を発芽させる場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米をよく洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。
【0010】
米または発芽させた米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。
【0011】
米または発芽させた米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度,抽出時間により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。
【0012】
水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。
【0013】
抽出物中の有効成分は、酸,アルカリに安定であるためか、酸分解抽出、あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。
有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール,アセトン,n−ヘキサン,メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。
【0014】
また、米あるいは発芽させた米を酵素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酵素分解とは、澱粉分解酵素,蛋白分解酵素,脂肪分解酵素,繊維分解酵素,リグニン分解酵素,ペクチン分解酵素等米に働く酵素全てを指し、これらを1種または2種以上作用させることをいう。また、麹とは麹菌の種類および米の品種,種類は問わない。
さらに、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時または抽出の後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。
【0015】
本発明においては、さらに上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行うと、次のような点で有効である。
まず、アルコール発酵を行なえば、塗布時にベタツキがないばかりか、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。また、乳酸発酵は飲料等の用途に使用する場合、風味をよくし、酢酸発酵は酢という調味液用途として本発明品を利用することができ、有機酸発酵することにより幅広い用途として使用することができる。
【0016】
また、92%以上の赤糠部分を調べてみたところ、効果はあるが、弱いことが判明した。
以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなくそのまま、あるいは圧搾、濾過して用いる。そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌をしてて製品にする。なお、必要により酵母による通気発酵、アルコール沈殿、合成吸着剤等で除糖を行なってもよい。また、本発明品を配合する場合は、実際の用途に応じ、常法にしたがってクリーム、洗顔料、乳液、化粧水、クレンジング、パック、石鹸などの化粧料、軟膏剤、パスタ剤、ローション剤、チンキ剤、リエメント剤、ゼリー剤、エアゾール剤などの外用薬品のような剤型にする。他の配合成分は、通常用いられるものいずれでもよく、さらに、他の薬効剤を併用してもよい。
【0017】
本発明品の抗アレルギー作用について調べた結果を以下に記載する。
(1) ヒスタミン遊離抑制作用
ウィスター系雄性ラットを出血致死させた後、phisiologicalsalt solution (NaCl 154mM,KCl 2.7mM CaCl2 0.9mM,HEPES 5mM pH7.4)10mlを腹腔内に注入した。腹部を90秒間軽くマツサージした後、開腹し、腹腔内細胞浮遊液を採取した。4℃,5000rpmで5分間遠心分離して得た細胞のペレットに、上記整理食塩水にダルコースを1g/1リットル当り添加した液に再浮遊させた。
【0018】
単離肥満細胞浮遊液50μlに本発明1.75mlを加え、37℃,15分間のインキュベートした後、48/80溶液(最約濃度10-7g/ml)200μlを添加し、さらに10分間培養した。氷冷により反応を停止させ、遠心分離した上清および細胞に残存したヒスタミン含量を蛍光定量し、ヒスタミン遊離率を算出した。本発明品を添加しないで同様に測定した場合の値をコントロールとした。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1に示すように、本発明品は、アレルギー反応の原因の一つであるヒスタミンの遊離を抑制していると言える。
(2)PCA反応
体重約150gの雄性ラットの背部体毛を除毛し、両側背部の皮膚に等間隔に4個(合計8個)の目印をマジックでつけ、この点にマウス抗卵白アルブミン抗体を正確に皮内注射し、受動感作した。約3.5時間後、両側背部の対称となる2点に、本発明品を皮内注射し、その30分後に、卵白アルブミン−エバンスブルー溶液を尾静脈内注射した。30分後に動物を断頭致死させ、首の方から皮膚を剥いで、皮膚内面より生じた円形あるいは楕円形の青色斑の面積(単位mm2 )を求めた。なお、比較対照として生理食塩水を皮内注射したものを用いた。表2に結果を示した。
【0021】
【表2】
【0022】
表2にから分かるように、本発明品は、PCA反応を抑制していると言える。このことから、肥満細胞上での抗原抗体反応それによる種々のケミカルメディエーターの遊離、さらに、遊離したケミカルメディエーターによる血管透過性亢進などの一連の反応を抑制していることが示唆される。
(3) ヒトでの臨床試験
まず、各種疾患のパネラーに本発明品を毎日朝晩2回、アレルギー性胃炎なら飲用、アレルギー性結膜炎なら点眼、アレルギー性鼻炎なら噴霧と、それぞれの疾患にあうような投与の仕方をし、1ケ月間継続使用させ、その経過を診断し、本発明品の有効性を判断した。その結果を表3に示した。
なお、パネラーは、各本発明品、各疾患に対して10名以上で行った。判定は、著明改善、改善、やや改善、変化なし、中止で別け、有用率(著明改善+改善+やや改善の全体の割合)で出した。また、判定は専門の医師により行なった。
【0023】
【表3】
【0024】
表3から分かるように、本発明品全てにおいて、各種アレルギーに対する抗アレルギー性があることが判明した。さらに、わずかな疾患ではあったが、アレルギー性血管炎、アレルギー性下痢、アレルギー性神経炎の他、アレルギー性関節炎、アレルギー性喉頭炎など、抗ヒスタミン剤とかステロイド剤などが使用されるパネラーにおいても有効であった。
以上のように、本発明は、様々なアレルギーに対して、米という安全なものから非常に優れた効果を有する抗アレルギー剤を得たのである。
なお、実施例およびそれに伴うデータは、玄米の場合について記載したが、白米および92%以下の白糠の場合についても同様の効果が認められた。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
胚芽のついたままの米1kgを25℃の水につけ、3日間浸漬させ、米を発芽させた。この発芽米をよく洗浄した後、50℃で24時間乾燥し、その後、細かく微粉砕し、本発明品990gを得た。
(実施例2)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に水1500mlを添加、塩酸でpHを落とし10日間放置した。その後、絞り機で絞り、得た清澄液を中和して、本発明品1200mlと残渣760gを得た。
【0026】
(実施例3)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例3と同様の操作を行い、別の本発明品1190mlを得た。
(実施例4)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に液化酵素10gと水1500mlを添加した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
【0027】
(実施例5)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例4と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例6)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に2N−NaOH1500mlを添加して5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1350mlと残渣650gを得た。この清澄液を10N−HCLで中和して、本発明品1480mlを得た。
【0028】
(実施例7)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例6と同様の操作を行い、別の本発明品1490mlを得た。
(実施例8)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に95%エタノール1500mlを添加して、5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣650gを得た。この清澄液に水2000mlを添加し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1500mlを得た。
【0029】
(実施例9)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例8と同様の操作を行い、別の本発明品1500mlを得た。
(実施例10)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た、この粉砕物に麹300g,水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1230mlと残渣1000gを得た。
【0030】
(実施例11)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例10と同様の操作を行い、別の本発明品1210mlを得た。
(実施例12)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1310mlと残渣670gを得た。
【0031】
(実施例13)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、別の本発明品1380mlを得た。
(実施例14)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に脂肪分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1290mlと残渣680gを得た。
【0032】
(実施例15)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例14と同様の操作を行い、別の本発明品1360mlを得た。
(実施例16)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に繊維分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1330mlと残渣650gを得た。
【0033】
(実施例17)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例16と同様の操作を行い、別の本発明品1370mlを得た。
(実施例18)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素2gと水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣600gを得た。
【0034】
(実施例19)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例18と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例20)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物にペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1320mlと残渣660gを得た。
【0035】
(実施例21)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例20と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
(実施例22)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2g,脂肪分解酵素2g,繊維分解酵素2g,澱粉分解酵素2g,ペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
【0036】
(実施例23)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例22と同様の操作を行い、別の本発明品1440mlを得た。
(実施例24)
実施例22と同様の操作をして、米の酵素分解物2000gを得た。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣550gを得た。
【0037】
(実施例25)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例24と同様の操作を行い、別の本発明品1420mlを得た。
(実施例26)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300gと40%エタノール1500mlを加え、55℃で48時間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣850gを得た。その後、清澄液に1000mlの水を加水し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1300mlを得た。
【0038】
(実施例27)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例26と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
(実施例28)
実施例4と同様にして、米の抽出物2000gを得た。この抽出物に蛋白分解酵素2g,脂肪分解酵素2g,繊維分解酵素2g,澱粉分解酵素2g,ペクチン分解酵素2gを添加し、50℃で24時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣580gを得た。
【0039】
(実施例29)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例28と同様の操作を行い、別の本発明品1390mlを得た。
(実施例30)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物に酵母を添加し、16日間アルコール発酵した。その後、絞り機で絞り、本発明品1880mlと残渣80gを得た。
【0040】
(実施例31)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例30と同様の操作を行い、別の本発明品1800mlを得た。
(実施例32)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物を煮沸殺菌した後、37℃まで冷却し、前もって乳酸菌を培養したスターター200mlを添加後、よく攪拌密封し、37℃で2日間乳酸発酵を行った。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣590gを得た。
【0041】
(実施例33)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例32と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例34)
実施例24で得られた本発明品1000mlに95%エタノール80mlを添加し、29日間酢酸発酵を行った。その後、濾過をし、本発明品990mlを得た。
【0042】
(実施例35)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例34と同様の操作を行い、別の本発明品1000mlを得た。
以上の実施例で得た本発明品は、用途に応じて適宜に使用されるが、本発明品を配合して化粧水および乳液とする場合の実施例について、次に記載する。なお、配合例は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例36) 化粧水
実施例22で得られた本発明品 10.0重量%
ソルビトール 3.0重量%
グリセリン 5.0重量%
精製水 76.4重量%
アラントイン 0.1重量%
ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体 0.5重量%
エタノール 5 重量%
以上の配合材料を常法により混合溶解し、化粧水を得た。
【0044】
(実施例37) 乳液
【0045】
精製水にジプロピレングリコールを加え、加熱攪拌し、温度を70℃に保持し、これに本発明品、クインスシード抽出液、香料、エタノール以外の原料を加えて攪拌し、次に、ホモジナイザーで均一に乳化させる。得られた乳化液を冷却しながら攪拌下に、残りのものを徐々に加え、室温に冷却して乳液を得た。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、継続的に内服あるいは外用することにより、簡単に、全く安全で、しかも、抗アレルギー効果を持つ優れた抗アレルギー剤が得られる。
米は今まで主食であったため、食以外の新規な分野での製法、利用用途はほとんど開発されていなかった。さらに、米は今まで主食とされてきたものであり、安全性も十分に実証されているものである。すなわち、本発明は、非常に優れた抗アレルギー剤を見出したばかりでなく、米の過剰生産といわれる現在、新たな利用用途を見出したこと、および米のイメージアップによる消費拡大を図り得ることは、極めて有意義なことである。
Claims (4)
- 米の抽出物または発芽させた米に液化酵素を作用させ抽出したものを、そのまま、あるいはこれを含有してなる抗アレルギー性結膜炎又は抗アレルギー性鼻炎治療剤。
- 米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなる抗アレルギー性結膜炎又は抗アレルギー性鼻炎治療剤。
- 米を抽出するに当り、その描出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなる抗アレルギー性結膜炎又は抗アレルギー性鼻炎治療剤。
- 更に、アルコール発酵、あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなる請求項2または3に記載の抗アレルギー性結膜炎又は抗アレルギー性鼻炎治療剤。
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JPH07252158A (ja) | 1995-10-03 |
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