JP3779739B2 - 米からの塩害防止剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、米を原料として得られ、塩による害を防止する効果があり、食品、医薬品等に利用可能な塩害防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、米は主食以外に、清酒、焼酎、みりん、酢、麹などとして用途開発され、古くから生活に欠かせないものとなっている。この他には、美容的用途として糠袋が知られている。これは、米を単なる主食であるとみるか、またはせいぜい澱粉源としてしかみていなかったということによるものであると思われる。また、糠袋にしても、皮膚に良いとされ、慣習的にそのまま使用されていたのみであり、有効成分という概念もなければ、有効成分を利用するという考え方も全くなかったのである。
一方、塩辛いものは米によく合うため、昔から米を主食とする日本人は塩分が多く含まれた食事をする傾向がある。また、そうした食生活は長年の積み重ねによって習慣化している。
【0003】
そこで、これらの要因により、高血圧、脳卒中、胃ガンなどで患う人が後を絶たず、現在では塩害防止の方法が真剣に考えられている。現在塩による害を防止するための方法として、1日の塩分摂取量を制限する減塩食による食事療法が行われている。しかし、この方法は、塩辛いものを好む日本人の食生活により、なかなか徹底して実行できないものであった。そのため、塩害防止の薬が求められるが、現在のところ特効薬となるものは見つかっていないのが現状である。
また、単離された単一成分による薬では、副作用が必ずといっていいほどあり、長期間常用することは困難である。一方、塩害による病気は、日頃のナトリウム摂取の蓄積により発生することから、常用しても安全な薬が真の予防薬といえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、薬剤の人体に対する副作用が問題となっており、天然物で全く副作用がなく、しかも、予防薬として常用しても十分に安全な塩害防止効果をもつ薬剤が要求されている。そこで、食事の塩分を減らすという方法ではなく、血液中の塩分濃度を低下させることにより、塩によって起こる病因をなくしてしまうという特効薬の発明を試みた。実際に動物実験において、遺伝子レベルでも塩害を防ぐことが証明された。すなわち、本発明は、塩害防止効果に優れ、予防薬として常用しても安全で安価、しかも、原料供給は安定しており、醸造技術で何にでも加工できるという全く安全な米からの塩害防止剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、動植物合和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分の研究を進めてきた。その過程で、米には今まで予測できなかった数多くの可能性および効果があることが判明してきた。そこで、主食として用いられ、安全性が最も高いことが実証されている米をテーマとして取り上げ、米の総合利用研究を行ってきた。そのうちの一つのテーマとして、米からの塩害防止剤について鋭意研究を重ねてきたのであるが、その過程で、米および発芽させた米には塩害防止効果を有する成分が含有されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明において、米および発芽させた米に含有されている塩害防止効果を有する成分は、未だ解明するに至っていないが、米および発芽させた米を下記のように処理したものは、経口投与したところ、塩害防止効果を示すことが判明した。
▲1▼ 発芽させた米の粉砕物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲2▼ 米または発芽させた米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲3▼ 米または発芽させた米の加水物に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲4▼ 米または発芽させた米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲5▼ 米または発芽させた米の抽出物あるいは麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
【0007】
本発明で使用される米とは、ジャポニカ、インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種、種類は問わない。さらに、精白時に出てくる92%以上の赤糠、あるいは92%以下の白糠を使用してもよく、安価で経済的である。また、発芽させた米が使用される。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処理をしてもよく、また、効果も変わらなかった。
【0008】
米および発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。米および発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い、一般的な方法で行えばよい。
米を発芽させる場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米を良く洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。
【0009】
米または発芽させた米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。
米または発芽させた米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、PHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。
【0010】
水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。
抽出物中の有効成分は、酸、アルカリに安定であるためか、酸分解抽出あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。
【0011】
有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール、アセトン、n−ヘキサン、メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。
また、米あるいは発芽させた米を酵素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酵素分解とは、澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、リグニン分解酵素、ペクチン分解酵素等米に働く酵素を1種または2種以上作用させることをいう。また、麹として麹菌の種類および米の品種、種類は問わない。
さらに、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時または抽出の後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。
【0012】
本発明においては、さらに上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行うと、次のような点でも有効である。
まず、アルコール発酵を行なえば、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。また、乳酸発酵は飲料等の用途に使用する場合、風味をよくし、酢酸発酵は酢という調味液用途として本発明品を利用することができ、有機酸発酵することにより幅広い用途として使用することができる。
また、92%以上の赤糠部分を調べてみたところ、効果はあるが、弱いことが判明した。
以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなくそのまま、あるいは圧搾、濾過して用いればよい。また、そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌して用いる。乾燥して粉体、顆粒、錠剤等にして用いてもよい。さらに、様々な食品に配合して用いることもできる。
【0013】
本発明品の塩害防止効果について以下に記載する。
(1) 食塩投与による血中の塩濃度の減少
本発明品の、血中塩濃度量減少効果をみるために、食塩投与による方法で調べた。すなわち、1群5頭の7週齢ddyマウスに2.6M食塩水を1日に体重1g当り0.01mlを胃ゾンデンで7日間投与した。7日後、血清を採取し、血清中の塩化ナトリウム量をN/50硝酸銀溶液で定量し、7日間食塩投与と同時にフリードリンク形式で、本発明品と水を与えていた対照群とを比較した。その結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
表1から分かるように、対照と比較して、本発明品を与えていたマウスは、いずれも血液中のクロール量が減少していることが判明した。
【0015】
(2) 胃発癌プロモーター防止効果
本発明品の胃発癌プロモーター防止効果をみるために、食塩による複数DNAの合成促進をどの程度抑えるのか調べた。その方法は、降旗らの方法に準じて行った。すなわち、1群5頭の8週齢F344雄ラットに、本発明品を胃ゾンデンで投与し、さらに30分〜1時間後に、2.6M食塩水を1ml胃ゾンデンで投与した。17時間後に胃幽門腺部粘膜を取り出して、細切し、 3Hチミジン存在下で2時間器官培養した。その後、組織からDNAを抽出して、複製DNA合成を液体シンチレーションカウンターで定量し、本発明品投与群と対照群とを比較し、表2に示した。
比較対照群はcontrolとして水を用いた。
この実験は、高濃度の食塩水を投与すると胃に損傷が生じる。胃粘膜は直ちに修復しようとDNA合成を行うが、損傷がはげしいため異常なDNA合成が生じ、突然変異が生じて癌とする。塩による胃粘膜の傷害が少なければ、DNAの異常合成は起こらない。すなわち、DNA合成を阻害する量が多ければ多いほど食塩の害が少ないことになる。
【0016】
【表2】
表2から分かるように、本発明品を投与した群は、胃発癌DNAの合成が明らかに阻害されることが判明した。
以上の結果より、本発明品は、食塩の害を防止することが明らかとなった。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
胚芽のついたままの米1kgを25℃の水につけ、3日間浸漬させ、米を発芽させた。この発芽米をよく洗浄した後、50℃で24時間乾燥し、その後、細かく微粉砕し、本発明品990gを得た。
(実施例2)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に水1500mlを添加、塩酸でPHを落とし10日間放置した。その後、絞り機で絞り、得た清澄液を中和して、本発明品1200mlと残渣760gを得た。
(実施例3)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例3と同様の操作を行い、別の本発明品1190mlを得た。
【0018】
(実施例4)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に液化酵素10gと水1500mlを添加した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例5)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例4と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例6)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に2N−NaOH1500mlを添加して5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1350mlと残渣650gを得た。この清澄液を10N−HCLで中和して、本発明品1480mlを得た。
【0019】
(実施例7)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例6と同様の操作を行い、別の本発明品1490mlを得た。
(実施例8)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に95%エタノール1500mlを添加して、5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣650gを得た。この清澄液に水2000mlを添加し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1500mlを得た。
(実施例9)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例8と同様の操作を行い、別の本発明品1500mlを得た。
【0020】
(実施例10)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300g、水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1230mlと残渣1000gを得た。
(実施例11)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例10と同様の操作を行い、別の本発明品1210mlを得た。
(実施例12)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1310mlと残渣670gを得た。
【0021】
(実施例13)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、別の本発明品1380mlを得た。
(実施例14)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に脂肪分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1290mlと残渣680gを得た。
(実施例15)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例14と同様の操作を行い、別の本発明品1360mlを得た。
【0022】
(実施例16)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に繊維分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1330mlと残渣650gを得た。
(実施例17)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例16と同様の操作を行い、別の本発明品1370mlを得た。
(実施例18)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素2gと水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣600gを得た。
【0023】
(実施例19)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例18と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例20)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物にペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1320mlと残渣660gを得た。
(実施例21)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例20と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0024】
(実施例22)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例23)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例22と同様の操作を行い、別の本発明品1440mlを得た。
(実施例24)
実施例22と同様の操作をして、米の酵素分解物2000gを得た。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣550gを得た。
【0025】
(実施例25)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例24と同様の操作を行い、別の本発明品1420mlを得た。
(実施例26)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300gと40%エタノール1500mlを加え、55℃で48時間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣850gを得た。その後、清澄液に1000mlの水を加水し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1300mlを得た。
(実施例27)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例26と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0026】
(実施例28)
実施例4と同様にして、米の抽出物2000gを得た。この抽出物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gを添加し、50℃で24時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣580gを得た。
(実施例29)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例28と同様の操作を行い、別の本発明品1390mlを得た。
(実施例30)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物に酵母を添加し、16日間アルコール発酵した。その後、絞り機で絞り、本発明品1880mlと残渣80gを得た。
【0027】
(実施例31)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例30と同様の操作を行い、別の本発明品1800mlを得た。
(実施例32)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物を煮沸殺菌した後、37℃まで冷却し、前もって乳酸菌を培養したスターター200mlを添加後、よく攪拌密封し、37℃で2日間乳酸発酵を行った。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣590gを得た。
(実施例33)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例32と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
【0028】
(実施例34)
実施例24で得られた本発明品1000mlに95%エタノール80mlを添加し、20日間酢酸発酵を行った。その後、濾過をし、本発明品990mlを得た。
(実施例35)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例34と同様の操作を行い、別の本発明品1000mlを得た。
本発明品を配合して錠剤とする場合、および清涼飲料とする場合の実施例について、次に記載する。なお、配合例は以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
(実施例36) 錠剤
実施例24で得られた本発明品100gをフリーズドライにより乾燥し、20gの乾燥品を得た。この乾燥品10gを下記のようにして、錠剤を得た。
本発明品 10g
ポリエチレングリコール6000 10g
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5g
コーンスターチ 3g
乳糖 25g
ステアリン酸マグネシウム 0.5g
上記成分を秤量した後、ポリエチレングリコール6000を70〜80℃に加温し、これに本発明品、ラウリル硫酸ナトリウム、コーンスターチおよび乳糖を加え混合後、そのまま冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ、造粒する。本顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合後圧縮打錠して、重量250mgの錠剤とする。
【0030】
(実施例37) 清涼飲料
実施例22で得られた本発明品 15重量%
甘草エキス 0.01重量%
砂糖 4重量%
レモン果汁 2.5重量%
精製水 78.49重量%
常法により混合攪拌し、清涼飲料水を得た。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、米を原料として簡単に、全て安全で、しかも、塩害防止の効果を併せ持つ優れた塩害防止剤が提供される。
米は今まで主食であったため、食以外の新規な分野での製法、利用用途はほとんど開発されていなかった。本発明は、非常に優れた効果を持つ塩害防止剤を見出したばかりでなく、米の過剰生産といわれている現在、新たな利用用途を見出したこと、および米のイメージアップによる消費拡大を図り得ることは、極めて有意義なことである。
Claims (5)
- 発芽させた米の粉砕物をそのまま、あるいはこれを含有してなる食塩害防止剤。
- 米または発芽させた米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなる食塩害防止剤。
- 米または発芽させた米の加水物を酵素分解または麹(ただし、紅麹を除く。)を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなる食塩害防止剤。
- 米または発芽させた米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹(ただし、紅麹を除く。)を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなる食塩害防止剤。
- 更にアルコール発酵あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなる、請求項3又は4に記載の食塩害防止剤。
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