JP5102432B2 - がん細胞休眠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、米由来成分を有効成分とするがん細胞休眠剤(例えば大腸がん)及び大腸がん予防治療剤に関するものである。
がんは日本人の死亡原因の約30%を占めており、がんの克服は国民的課題の一つである。現在行われている治療は、がんの切除、消滅を目的とするものであるが、進行状態によりその方法は異なる。
進行がん、末期がん、治療後に再発、転移したがんに対しては、全身治療(抗がん剤治療)が行われている。しかしながら、これまでの抗がん剤は、がんに特異的に作用するものではなく、増殖の速い細胞に作用するものがほとんどであるため、正常細胞であっても骨髄や消化管粘膜、毛髪のように増殖の盛んな細胞は、抗がん剤の作用を受け、白血球減少、嘔吐、下痢、脱毛などの副作用を起こす。加えて、がんを消滅させる為には大量の抗がん剤を投与する必要があるため、全身が副作用に絶えうる状態でなければ、却って状態が悪化したり、寿命を縮めてしまうという結果を招く。また、投与量をコントロールし、がんの縮小に成功したとしても、ある程度の延命効果が期待できるに留まる。このように、現在、上記ステージに至ったがんを克服することができる有効な薬剤は存在せず、そのため、がんの進行、転移を阻止し、副作用がなく長期にわたって服用可能な薬剤が求められている。
一方、がんが早期の段階で発見され、限局している場合は、局所治療(外科治療、放射線治療)が行われるが、肉眼的には切除、消滅できてもリンパ節等への転移がある場合は再発する可能性が高いため、がん再発防止に有効な薬剤も求められている。
更に、がんの中でも大腸がんによる死亡例は、肺がん、胃がんに次いで3位になっており、近年増加傾向にある。大腸がんの原因としては、食習慣の欧風化に伴う、動物性脂肪の摂取量増加が指摘されている。また年齢別にみると、60歳代、50歳代、70歳代の順に多く、高齢者に多い傾向にある。今後、食生活の西欧化、高齢者の増加に伴い、大腸がんが益々増加することが予想される。
大腸がんは、早期に発見されれば内視鏡切除、外科療法により完治することができる。しかし一般的には自覚症状がないため、検査を定期的に受けない限り、無症状の時期に発見することが困難である。また早期に発見され切除された場合も、再発予防を目的とした補助療法が必要であるが、現在、再発予防効果をもつ有効な抗がん剤がない。このため、手術後は数ヶ月毎に再発チェックの検査を受け、早期に発見するしか手だてがないのが現状である。
特開2002−121132
一つのがん細胞が増殖を繰り返し、がんを発症するまでに通常10年はかかるといわれている。増殖速度が2倍になれば5年で発症するが、逆に10分の1に遅らせることができれば、発症するまでに100年かかり、がんを発症しないまま寿命を全うすることができる。また、がんが発症、転移した場合も同じく、がん細胞の増殖を遅らせることができれば、病気の進行を抑えた状態を保つことができる。本発明は、がん細胞の増殖を遅らせる又は阻止する効果に優れ、長期間使用しても副作用がない安全な細胞休眠剤の提供を目的とし、更には、当該原理を利用した新規な大腸がん予防治療剤の提供を目的とする。
本発明者は、米という天然素材を用いた各種製品開発に取り組み、鋭意研究を重ねた結果、米中に含まれる何らかの成分ががん細胞の休眠作用を有すること、及び、大腸がんの予防治療に有効であることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明(1)は、米の粉砕物を有効成分として含有するがん細胞休眠剤である。
本発明(2)は、米の抽出物を有効成分として含有するがん細胞休眠剤である。
本発明(3)は、前記抽出物が、米に水又は有機溶媒を加えたもの、米を酸又はアルカリで処理したもの、米の加水物に酵素または麹を作用させたもの、或いは、これらを加熱又は非加熱下でおこなったものである、前記発明(2)のがん細胞休眠剤である。
本発明(4)は、米を抽出するに際し、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に酵素又は麹を作用させたものを有効成分として含有するがん細胞休眠剤である。
本発明(5)は、米の抽出物又はそれに酵素若しくは麹を作用させたものに、アルコール発酵又は有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有するがん細胞休眠剤である。
本発明(6)は、前記がん細胞が大腸がんである、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つのがん細胞休眠剤である。
本発明(7)は、米の粉砕物を有効成分として含有する大腸がん予防治療剤である。
本発明(8)は、米の抽出物を有効成分として含有する大腸がん予防治療剤である。
本発明(9)は、前記抽出物が、米に水又は有機溶媒を加えたもの、米を酸又はアルカリで処理したもの、米の加水物に酵素または麹を作用させたもの、或いは、これらを加熱又は非加熱下でおこなったものである、前記発明(8)の大腸がん予防治療剤である。
本発明(10)は、米を抽出するに際し、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に酵素又は麹を作用させたものを有効成分として含有する大腸がん予防治療剤である。
本発明(11)は、米の抽出物又はそれに酵素若しくは麹を作用させたものに、アルコール発酵又は有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する大腸がん予防治療剤である。
ここで、本明細書中の各用語の意義を説明する。「がん細胞休眠剤」とは、がん細胞の増殖を遅らせる又は抑制する作用を有する薬剤を指す。この作用を通じ、がんの発症、進行、転移、再発を阻止することが可能である。また、「がん」の種類は特に限定されず、例えば、大腸がんを挙げることができる。「抽出」とは、物理的処理(例えば、圧搾、加熱処理)、化学的処理(例えば、水又は有機溶媒を添加、酸やアルカリ処理、液体CO処理)、生物的(生化学的)処理(例えば、麹、微生物処理、酵素処理)を単独又は組み合わせて施すことをいう。
以下、本発明を実施するための最良形態について詳述する。尚、本発明の本質は、材料と用途であり、それ以外の要素(例えば、投与量、剤型、作用機序等)は何ら本発明を限定するものではない。
まず、本発明に係る「米」とは、白米、玄米及び発芽させた米といった米だけでなく、白糠及び赤糠等といった米の一部も含む概念である。但し、白米部分を必須的に含むもの、即ち、白米、玄米、発芽させた米、白糠を用いることが好適である。ここで、白米及び玄米に関しては、ジャポニカ、インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種、種類は問わない。また、白糠及び赤糠とは、一般に、精白時に出てくる92%以上の赤糠や92%以下の白糠を指すが、両者が混合したものを使用してもよい。但し、92%〜50%、80%〜60%、60%〜30%等、92%〜30%のいずれかの白糠を含むものが好適である。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処理をしてもよい。白米、玄米及び発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。白米、玄米及び発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い一般的な方法で行なえばよい。
発芽させた米を製造する場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米をよく洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。
米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。
抽出物中の有効成分は、酸,アルカリに安定であるためか、酸分解抽出、あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール,アセトン,n―へキサン,酢酸エチル、メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。また、米を酸素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酸素分解とは、澱粉分解酵素(液化酵素、糖化酵素),蛋白分解酵素,脂肪分解酵素,繊維分解酵素,リグニン分解酵素,ペクチン分解酵素等米に働く酵素を1種または2種以上作用させることをいう。例えば、液化酵素と糖化酵素との組み合わせを挙げることができる。また、麹として麹菌の種類および米の品種,種類は問わない。なお、酸、アルカリ抽出、有機溶媒抽出、酵素分解、麹作用を組み合わせて行ってもよい。
また、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時または抽出の後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。
更に、上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行ってもよい。特に、有機酸発酵、その中でも乳酸発酵を行なうと、がん細胞休眠効果及び大腸がん予防治療効果が高いことが確認されている。また、アルコール発酵を行なった場合は、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。なお、酵母による通気発酵、アルコール沈殿等を行なって除糖してもよい。尚、発酵形態としては、もろみ発酵及び液体発酵のいずれでもよいが、液体発酵が好適である。なお、これらの発酵を2回以上繰り返す、または異なる発酵法を組み合わせてもよい。
以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなくそのまま、あるいは圧搾、濾過して用いる。そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌して製品にする。なお、本発明品は実際の用途に応じ、エアゾール剤、液剤、ゼリー剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、散剤、細粒剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、トローチ剤、リモナーデ剤等の剤型で用いることもできる。更には、食品や飲料に添加する処方もあり得る。なお、用途に応じて、他の配合成分や薬剤を添加してもよい。尚、本発明品の添加量は、添加対象となる医薬品、飲食品等の種類にもよるが、一般的に、製品100重量部当たり、本発明品エキスを0.0001〜90重量部、好適には0.01〜60重量部、最も好適には0.1〜30重量部添加する。また、本発明品の摂取量は、体重1kg当たり、一日0.0001〜100ml、好適には一日0.001〜50ml、最も好適には0.01〜20mlである。
尚、実際の製品との関係では、例えば、がん細胞休眠剤又は大腸がん予防治療剤である旨の表示を直接又は間接的に付することが好適である。該表示を付する対象としては、製品(例えば、薬剤、特定保健用食品、病者用食品、健康食品、飲食品)のパッケージ、パンフレット、取扱説明書等を挙げることができる。このような表示を付することにより、本発明品がそのような効果を奏することが、ユーザに一目瞭然となる。ここで、「がん細胞休眠剤である旨の表示」又は「大腸がん予防治療剤である旨の表示」とは、これらを明記した場合のみならず、これらを示唆する表示も包含する。
実施例1
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例2
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に麹250gと水3Lを添加し、55℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.6Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例3
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素5gと水3Lを添加し、55℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例4
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に繊維分解酵素5gと水3Lを添加し、50℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.0Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例5
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.6Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例6
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、蛋白質分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例7
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に、蛋白質分解酵素5g、脂肪分解酵素5g、繊維分解酵素5g、澱粉分解酵素5g、ペクチン分解酵素5gと水3Lを加え、50℃で20時間放置した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却し、絞り機で絞り、本発明品2.6Lを得た。
実施例8
精白歩合30〜60%の白糠1kgに液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.4Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例9
精白歩合60〜80%の白糠1kgに液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.4Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例10
精白歩合50〜92%の白糠1kgに液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.3Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例11
精白歩合30〜92%の白糠1kgに液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例12
精白歩合50〜70%の白糠490g、92%以上の赤糠10gに、蛋白質分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1.5Lを加え、50℃で20時間放置した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却し、絞り機で絞り、本発明品1.2Lを得た。
実施例13
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に、蛋白質分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1.5Lを加え、50℃で20時間放置した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却し、絞り機で絞り、本発明品2.2Lを得た。
実施例14
胚芽のついたままの米1kgを30℃の水につけ3日間浸漬、吸水させ、米を発芽させた。この発芽米をよく洗浄した後、50℃で24時間乾燥し、その後細かく微粉砕し、発芽米の粉砕物を得た。この発芽米粉砕物500gに、蛋白質分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1.5Lを加え、50℃で20時間放置した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却し、絞り機で絞り、本発明品1.1Lを得た。
実施例15
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に1/10N塩酸3Lを添加し、よく撹拌し24時間放置した。その後、濾過器を用いて固液分離を行い、苛性ソーダで中和し、2.3Lの抽出液を得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例16
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に95%エタノール3Lを添加し、よく撹拌し4日間放置した。その後、濾過器を用いて固液分離を行い、2Lの抽出液を得た。このろ液に水4Lを加え、ロータリーエバポレーターでエタノールを留去し2Lとした。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例17
白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置し、加熱殺菌、冷却後乳酸菌を加え、37℃で2日間発酵を行った。これを、絞り機で絞り、固液分離し、85℃で30分加熱して本発明品を得た。
実施例18
実施例1で得られた液2.5Lを加熱殺菌し、冷却後乳酸菌を加え、37℃で2日間発酵を行った。その後濾過器を用いてろ過を行い、85℃で30分加熱して本発明品2.4Lを得た。
実施例19
実施例7で得られた液2.6Lに、酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いてろ過を行い、85℃で30分加熱して本発明品2.5Lを得た。
実施例20
実施例11で得られたろ液2.5Lに、95%エタノール150mLと酢酸菌を加え、20日間酢酸発酵を行った。その後濾過器を用いてろ過を行い、85℃で30分加熱して本発明品2.4Lを得た。
試験例1
方法:ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて1×10個に播種し、培地中に原液の10-1濃度の各試料を添加後72時間培養し、その増殖を観察した。コントロールは、ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて1×10個に播種し、試料を添加していない培地で72時間培養した。
試料:実施例1〜7、9、11及び15〜20
結果:図1に、コントロールと試料の代表例として実施例18の培養72時間後の大腸癌粘膜細胞HCT116を示した。コントロールの大腸癌粘膜細胞HCT116では、培養72時間後に分裂細胞が観察された。一方、実施例1〜7、9、11及び15〜20を10-1の濃度で培養液中に添加した大腸癌粘膜細胞HCT116では、培養72時間後に分裂細胞が観察されず、がん細胞の増殖阻止作用が認められた。この結果、本発明は大腸癌予防治療効果をもつことが判明した。また、がん細胞の増殖を遅らせる又は抑制する作用を有し、この作用を通じ、がんの発症、進行、転移、再発を阻止することが判明した。
試験例2
方法:ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて、培地中に原液の10-1濃度の各試料を添加後24時間培養し、BrdUの取り込みを定量化しDNAの合成をELISA法を用い測定した。コントロールは、ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて、試料を添加していない培地で24時間培養した。
試料:実施例1〜7、9、11及び15〜20
結果:実施例1〜7、9、11及び15〜20を添加することにより、コントロールと比較してヒト大腸癌粘膜細胞のDNA合成が有意に抑制された(図2)。この結果、本発明はがん細胞のDNA合成を抑制することによりがん細胞の増殖を阻止することが判明した。特に、液化酵素を用いた実施例(実施例1、5、6、9、11、17及び20)と乳酸発酵を行なった実施例(実施例17及び18)の効果が顕著であることが分かる。
試験例3
方法:ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて、培地中に原液の10-1濃度の各試料を添加後24時間培養し、培養上清中のLDHを測定することにより細胞傷害作用を定量化した。コントロールは、ヒト大腸癌粘膜細胞HCT116株を用いて、試料を添加していない培地で24時間培養した。
試料:実施例1〜7、9、11及び15〜20
結果:上清中のLDHを測定した結果、実施例1〜7、9、11及び15〜20を添加したものと、コントロールに有意な差は認められなかった(図3)。この結果、本発明のがん細胞増殖阻止効果は、細胞障害作用によるものではないことが判明した。
図1は、試験例1において、コントロール(A)と実施例18(B)を添加した際の、培養72時間後の大腸癌粘膜細胞HCT116を撮影した写真である。 図2は、試験例2において、コントロールと実施例1〜7、9、11及び15〜20を添加した際の、ヒト大腸癌粘膜細胞のDNA合成量を示した図である。 図3は、試験例3において、コントロールと実施例1〜7、9、11及び15〜20を添加した際の、培養上清中のLDH活性を示した図である。

Claims (21)

  1. 白米の粉砕物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  2. 白米の抽出物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  3. 前記抽出物が、白米に水又は有機溶媒を加えたもの、白米を酸又はアルカリで処理したもの、白米の加水物に酵素または麹を作用させたもの、或いは、これらを加熱又は非加熱下でおこなったものである、請求項2記載の剤。
  4. 白米を抽出するに際し、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に酵素又は麹を作用させたものを有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  5. 白米の抽出物又はそれに酵素若しくは麹を作用させたものに、アルコール発酵又は有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  6. 白米を原料とした液化酵素処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  7. 白米を原料とした乳酸発酵処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の増殖抑制剤。
  8. 白米の粉砕物を有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  9. 白米の抽出物を有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  10. 前記抽出物が、白米に水又は有機溶媒を加えたもの、白米を酸又はアルカリで処理したもの、白米の加水物に酵素または麹を作用させたもの、或いは、これらを加熱又は非加熱下でおこなったものである、請求項9記載の剤。
  11. 白米を抽出するに際し、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に酵素又は麹を作用させたものを有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  12. 白米の抽出物又はそれに酵素若しくは麹を作用させたものに、アルコール発酵又は有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  13. 白米を原料とした液化酵素処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  14. 白米を原料とした乳酸発酵処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞のDNA合成抑制剤。
  15. 白米の粉砕物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
  16. 白米の抽出物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
  17. 前記抽出物が、白米に水又は有機溶媒を加えたもの、白米を酸又はアルカリで処理したもの、白米の加水物に酵素または麹を作用させたもの、或いは、これらを加熱又は非加熱下でおこなったものである、請求項16記載の剤。
  18. 白米を抽出するに際し、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に酵素又は麹を作用させたものを有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
  19. 白米の抽出物又はそれに酵素若しくは麹を作用させたものに、アルコール発酵又は有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
  20. 白米を原料とした液化酵素処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
  21. 白米を原料とした乳酸発酵処理物を有効成分として含有する、大腸癌細胞の細胞障害作用剤。
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