JP4305920B2 - 乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料、及びその製造方法 - Google Patents

乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、すっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を持ち、かつダイアセチル臭を抑えた乳酸菌入りビール又は発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料、及びその製造方法に関する。
ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料は、近年、益々その製造量を増している。ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料は、主原料として麦芽を、副原料として米、麦、コーン、スターチ等の澱粉質原料、及びこれにホップ、水を原料にして製造されるが、日本の酒税法においては、麦芽使用比率で比較すると、ビールは水を除く麦芽の使用量が全原料中、67重量%以上と規定されている。一方、発泡酒には、上記原料の内、水を除く麦芽の使用量が50重量%以上66.7重量%未満及び、25重量%以上50重量%未満及び、25重量%未満の3種類が規定されている。また、最近、発酵麦芽飲料の麦芽に替えて、窒素化合物やミネラル含有率の高い原料を使用し、酵素を添加し、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造に類似する方法でアルコール飲料を製造する麦芽代替発酵飲料が製造されている。このような麦芽代替発酵飲料は、日本の酒税法上は「雑酒」に分類される。
日本の酒税法上、「雑酒」は、麦芽又は麦を原料の一部とした「発泡酒」と、発泡酒以外の「その他の雑酒」に分類される。ここで、「その他の雑酒」は、麦芽または麦を使用せず、マメ類、穀類などの植物タンパク質等を酵素分解した窒素源と糖化液を混合し、酵母によりアルコール発酵させるものである。
上記のように、発泡酒は日本の酒税法上は、麦芽を原料の一部として用いた雑酒に属するものであるが、ビールも発泡酒も、いずれも麦芽の活性酵素や、カビ由来などの精製された酵素を用いて、麦芽や副原料である澱粉質を糖化させ、この糖化液を酵母によりアルコール発酵させて、アルコール、炭酸ガスに分解して、アルコール飲料としているものである点では共通している。従って、ビールの作り方も、発泡酒の作り方も、その基本においては、大きく変わるものでない。また、「その他の雑酒」に属する麦芽代替発酵飲料も、麦芽等の酵素分解に替えて、上記のような植物タンパク質等を酵素分解した窒素源と糖化液を混合し、酵母によりアルコール発酵させるものであり、ビールや発泡酒の作り方と基本的に大きく異なるものではなく、ビール又は発泡酒の製造装置を使用して、類似する方法で製造されるものである。
近年、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料において、消費者の味の多様化の要求から、種々の香味を有する発酵麦芽飲料の開発の試みが行われている。その香味の多様化のために微生物を利用する試みとして、例えば、特開平6−303959号公報には、麦芽や澱粉質副原料のような発泡酒の製造原料に黄麹菌や白麹菌によって調製した清酒の元や清酒醪を加えて、清酒風味の発泡酒を製造する方法や、発泡酒の製造原料にブドウ果汁、リンゴ果汁、その他の果汁に果実酒用酵母を発酵、増殖させた醪を添加してワイン風味或いはシードル風味を付与した発泡酒の製造方法について開示されている。また、特許第2727048号公報には、麦芽や澱粉質副原料のような発泡酒の製造原料から調製した糖化液に、白麹菌又はリゾープス菌を繁殖させて得た米麹、大麦麹又はトウモロコシ麹を使用して製造したクエン酸に富む元を添加して、クエン酸に富んだ風味を有する発泡酒を製造する方法について開示されている。
しかし、これらはいずれも清酒風味や果実酒風味等を付与した発泡酒の製造方法であって、麦芽や澱粉質副原料から製造される従来のビールや発泡酒とは、その香味上タイプの異なる発酵麦芽飲料の製造方法となっている。
また、古来より、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料において、ろ過後の発酵麦芽飲料中に酵母を含有させて、いわゆる酵母入り発酵麦芽飲料として、香味豊かな、かつ、まろみのある発酵麦芽飲料として製品化することが行われている。しかしながら、この酵母は、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造に使用されている発酵材料の範囲に留まるものであるから、その香味の改善の多様性の幅には限度がある。
一方、乳酸菌は、清酒等の分野においては、その酒類の製造のための微生物として利用されている。しかし、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造においては、むしろ、汚染菌としてその混入を避けることが行われている。したがって、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料の製造においては、乳酸菌の混入を避けるために、それを検出する手段(特開平7−289295号公報、特開平9−121896号公報、特開2003−251号公報、特表2002−521650号公報)や、それを除去する手段(特開2002−315562号公報、特開2003−144128号公報)等が種々開発されている。
他方、ビールのような発酵麦芽飲料において、乳酸菌を用いて、乳酸菌の産生する酸味を香味に利用する方法も知られている。その例として、ベルギーのランビック(lambic)ビールが知られている(宮地秀夫著「ビール醸造技術」株式会社食品産業新聞社(1999年12月28日)、P494−495)。このランビックビールは、酵母と醸造中に混入する乳酸菌とを利用し、該酵母と乳酸菌との混合状態の微生物により、従来のビールの発酵槽を用いた発酵様式により並列式に発酵を行わせて製造するものである。しかしながら、この方法は、たまたま混入する乳酸菌を利用するものであるから、乳酸菌の濃度のコントロールが難しく、味の安定性に問題があり、また、その発酵期間も長いという問題がある。
そこで、糖液、果汁、麦芽汁、穀類の糖化液の1種以上を発酵原料として、酵母による発酵帯域と乳酸菌のような酸生成菌による発酵帯域とを直列的に連結して、複式発酵を行うことにより、爽快な酸味とエタノール発酵によって生成したエタノールによる芳醇さやボディを有する豊かな風味ないし香味を有する酒類等の発酵飲料を製造する方法が開発されている(特許第2888862号公報)。この方法は、酒類等の製造方法において、乳酸菌等の生成する爽快な酸味を利用するものであるが、これをビールのような発酵麦芽飲料の製造に適用した場合には、乳酸菌による発酵工程が入るために、発酵する際に生成するダイアセチルのコントロールを行わなければならないという必要がある。
特開平7−289295号公報。 特開平9−121896号公報。 特開2002−315562号公報。 特開2003−251号公報。 特開2003−144128号公報。 特表2002−521650号公報。 特許第2888862号公報。 宮地秀夫著「ビール醸造技術」株式会社食品産業新聞社(1999年12月28日)、P494−495。
本発明の課題は、基本的にビール又は発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の香味を保持しつつ、乳酸菌と乳酸菌の産生する酸を利用したすっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を持ち、かつダイアセチル臭を抑えた乳酸菌入りビール又は発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵終了時以降に乳酸発酵物を添加することにより、基本的にはビール又は発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の香味を保持しつつ、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料に乳酸菌と乳酸菌の産生する酸を利用したすっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を付与することができ、更に、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程において乳酸菌を添加した場合の乳酸発酵によるダイアセチルの生成を抑制して、すっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を持ち、かつダイアセチル臭を抑えた乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造において、乳酸菌の産生する酸を利用して、爽やかな酸味を付与した発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料を製造することが考えられるが、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程において、乳酸菌を添加して乳酸発酵を行うと、異臭の代表的な成分であるダイアセチルが生成されやすいため、清涼感のある、爽やかな酸味を付与した発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料を製造することが難しいという問題があった。そして、該ダイアセチルの生成を回避するために、乳酸を別に添加した場合には、「とがった味覚」や「するどさ」のある酸味が付与されるため、調和のとれたまろやかな酸味と穏やかな香味を実現することはできなかった。
そこで、乳酸発酵時に生成するダイアセチルの産生を防止するために、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程において、実質的に酵母による発酵の終了した発酵終了時以降に、別途調製した乳酸発酵物を添加することにより、簡便で、しかも、乳酸菌と乳酸菌の産生する酸を利用してすっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を付与することができることを見い出し、本発明をなした。
本発明において、添加される乳酸発酵物は、ダイアセチルの産生を極力防止するために、嫌気性条件下の乳酸発酵によって調製されることが好ましい。特に、嫌気性条件下の乳酸発酵を、該乳酸発酵の発酵雰囲気の空気をCO、N又は希ガス等の不活性ガス等で置換した雰囲気で、高度の嫌気性条件下に行うことが好ましい。また、必要により、乳酸発酵物の調製のための乳酸発酵時において、ダイアセチル分解酵素剤を使用して、生成するダイアセチルを低減することもできる。更に、本発明においては、発酵終了時以降に添加した乳酸発酵物における乳酸菌の発酵を完全に抑えるために、添加する乳酸発酵物を熱風乾燥処理して添加することもできる。
すなわち具体的には本発明は、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程中の酵母によるアルコール発酵終了時以降に、オリゴ糖を含む乳酸菌資化性糖、果汁、麦汁、穀類を原料とした糖化液の1種又はそれ以上を発酵原料液とする乳酸発酵物を、熱風乾燥処理或いは加熱殺菌処理により乳酸菌を殺菌したものを添加することを特徴とする乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法(請求項1)や、乳酸発酵物の添加が、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程の濾過工程後であることを特徴とする請求項1記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法(請求項2)や、添加する乳酸発酵物が、嫌気性条件下に乳酸発酵を行って製造された乳酸発酵物であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法(請求項3)や、乳酸発酵物の熱風乾燥処理温度が95〜100℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法(請求項4)に関する。
また本発明は、乳酸発酵物の加熱殺菌処理が、プレート式熱交換器による80℃30秒の殺菌処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法請求項5)や、発酵麦芽飲料が、ビール又は雑酒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法(請求項6)や、請求項1〜6のいずれか記載の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法によって製造された、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料が、ダイアセチル濃度がビール又は発泡酒での閾値0.1mg/1以下であることを特徴とする乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料(請求項7)からなる。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法は、ビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造において、製造した発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料に、乳酸菌と乳酸菌の産生する酸を利用して、すっきりとした爽やかな酸味と、まろやかな香味を付与することができ、しかも、従来問題となっていた、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程において添加した乳酸菌の発酵によるダイアセチルの生成を実質的に抑えて、すっきりとした爽やかな酸味を持つ乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法を提供する。また、本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法においては、該方法において添加される乳酸発酵物を、別途、比較的少量の発酵液における乳酸発酵により調製することができるため、従来の乳酸菌の産生する酸を利用した発酵麦芽飲料の製造方法のように、大量の発酵液における乳酸発酵の管理が必要になるのと相違して、嫌気性条件の管理等、完全にダイアセチルの生成を抑制するコントロールされた条件下で、乳酸発酵物を調製することが可能となり、効果的にダイアセチルの生成を抑制することが可能となる。更に、本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法においては、該乳酸発酵物を酵母による発酵終了時以降に添加するという簡易的な調合手法により実施することが出来るため、製造方法的にも簡便な手法で、調和のとれたまろやかな酸味と穏やかな香味を有する新しい乳酸菌入りの発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の提供が可能となる。
本発明は、乳酸菌体や乳酸菌の産生する乳酸等の酸味成分を多く含む乳酸発酵物を利用し、かつ、乳酸菌を利用する場合に乳酸発酵によって生成されるダイアセチル成分を飛躍的に低減したビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法に係わるものであり、該発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵終了時以降に乳酸発酵物を添加することよりなる乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法からなるものである。特に、本発明では、乳酸等の酸味成分を多く含む乳酸発酵物を、ろ過工程終了後に添加することで、製品中に乳酸菌と乳酸発酵に由来する酸味成分とを存在させ、調和のとれたまろやかな酸味と穏やかな香味を有し、しかも乳酸発酵により生成するダイアセチル成分を飛躍的に低減した発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料を提供するものである。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法においては、添加する乳酸発酵物を別途調製する。該乳酸発酵物の調製のために使用する乳酸菌は、ホモ発酵を行う乳酸菌が特に好ましい。該乳酸菌としては、例えば、Lactobacillus casei、Lactobacillus paracasei、Pediococcus pentosaceusなどの一般に発酵食品で用いられている乳酸菌を挙げることができる。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、添加する乳酸発酵物の調製に用いる、乳酸菌の資化可能な発酵原料としては、オリゴ糖を含む各種資化性糖、果汁、麦汁、穀類を原料とした糖化液の1種またはそれ以上を主としてなる発酵原料液を用いることができる。特に、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料との香味の調和の観点からは、麦汁を用いるのが好ましい。
乳酸発酵物の調製における乳酸発酵の発酵条件としては、基本的には、乳酸発酵に通常採用される発酵条件が採用される。すなわち、適切な乳酸発酵を行うために、使用する菌に適した温度条件を採用し、発酵中はpHを制御して、菌自身が生成した乳酸によるpH低下により乳酸発酵が阻害されないようにすることが望ましい。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において添加する乳酸発酵物の調製に際しては、ダイアセチル濃度を極力減少させた乳酸発酵物として調製するのが望ましい。ダイアセチル濃度を極力減少させた乳酸発酵物を調製する方法としては、嫌気性条件の発酵管理により、嫌気性条件下で乳酸発酵を行うことにより、ダイアセチルの生成を抑制する。例えば、嫌気性条件下の乳酸発酵を、該乳酸発酵の発酵雰囲気の空気をCO、N又は希ガス等の不活性ガス等で置換した雰囲気で、高度の嫌気性条件下に行うことができる。ダイアセチルの生成は完全に嫌気下で乳酸発酵を行うことで閾値以下に制御することが可能である。
添加する乳酸発酵物の調製に際して、ダイアセチル濃度を極力減少させた乳酸発酵物として調製する方法として、乳酸発酵物の調製のための乳酸発酵時において、ダイアセチル分解酵素剤を使用して、生成するダイアセチルを低減することもできる。乳酸発酵時にダイアセチル分解酵素剤(例えば、Novo Nordisk社のMaturex L)を使用することで、生成するダイアセチルを最終的に閾値以下にまで低減させることも可能である。
また、本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵終了時以降に添加する乳酸発酵物における乳酸菌の発酵を完全に抑えるために、添加する乳酸発酵物を熱風乾燥処理して添加し、添加した乳酸菌の乳酸発酵によるダイアセチルの生成を抑えることもできる。該、熱風乾燥処理により、乳酸発酵液を乾燥させ、乾燥粉体として添加し、該乾燥粉体は保存することも可能である。その際の熱風乾燥処理条件としては、ダイアセチルが気化する温度以上であって、乳酸等の乳酸発酵に由来する成分が気化しない温度である95〜100℃にコントロールすることが好ましく、該条件の処理により、ダイアセチルを低減することが可能となる。該乾燥処理により、乳酸菌の殺菌が行われ、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程で添加した場合に該乳酸菌の発酵を完全に抑えることができる。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、添加される乳酸発酵物は、乳酸菌による資化可能な発酵原料を用いて乳酸発酵させたものであって、液状のものや粉状体のような固体状のものであってもかまわない。また、乳酸発酵液又は上記乾燥粉体は、適宜水等で希釈・洗浄、又は調合し、不要物を取り除いたり、成分調整、乳酸菌数の調整を行うことができる。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、乳酸発酵物の添加は、発酵終了時以降、製品化されるまでの工程であればいずれのタイミングでも構わない。特にろ過工程以降に添加すれば、酵母等を取り除いた上で乳酸菌を含む乳酸発酵物のみで調合することになり、品質管理が比較的容易になるため、より好ましい。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、製造のために行われる各工程は、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造において、通常行われる工程が採用される。すなわち、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造に通常行われている、仕込工程、醸造工程、充填工程等の通常の工程が採用される。但し、本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵終了時以降、ろ過工程以前に乳酸発酵物を添加する場合は、通常のろ過工程が省略される。
本発明の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、乳酸発酵物の添加する量は、乳酸の量で管理することができる。例えば、調和のとれたまろやかな酸味と穏やかな香味を有するビール又は発泡酒とするためには、最終製品の乳酸量が300〜900mg/1になるように乳酸発酵物の添加量を調整すれば良く、かつその場合のpHが3.8を下回らず、ダイアセチル量が閾値以下(0.1mg/1以下)となるようにすれば良い。また、より好ましくは、乳酸菌の存在によるやわらかさを出すために、乳酸菌がビール又は発泡酒100mlあたり、108〜1010個存在することが望ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(実施例1)
グルコース1w/w%、酵母エキス0.5w/w%に調整した発酵原料液に、同原料液で32℃24時間前培養した乳酸菌Lactobacillus.paracasei KW3110株を1w/w%添加し、32℃で乳酸発酵を行った。(初期乳酸菌数は10cells/ml)。乳酸発酵槽は容量20Lで、攪拌速度を10rpmとし、槽内は窒素ガスで置換した状態とした。槽内はやや陽圧になる程度とし、通気は実施しなかった。発酵は48時間実施し、途中32時間まではpHが4.8を下回らないよう水酸化ナトリウムを添加した。
得られた発酵液は非常に爽快でまろやかな酸味を兼ね備えた香味であった。また、発酵液の組成は表1の通りであった。
この発酵液をスプレードライヤー(ATOMIZER社製MOBILE MINOR SPRAY DRYER)にて粉末の状態とした。乾燥の条件は入り口温度70℃、出口温度100℃、熱風温度180℃、処理速度を0.5L/hとした。この粉体を一般的な製法で製造したアルコール分5.5v/v%、外観エキス1.7w/w%の発泡酒に、ろ過工程後に0.1w/w%添加した。得られた発泡酒はすっきり、柔らかい酸味を有しながら、温和で調和の取れた味覚を有していた。
乳酸発酵液を添加していない、一般的な製法で製造したアルコール分5.5v/v%、外観エキス1.7w/w%の発泡酒(コントロール)にはすっきりしてやわらかい酸味は感じられなかった。
(実施例2)
糖度10°Pに調整した麦芽汁に、同麦芽汁で32℃24時間前培養した乳酸菌Lactobacillus.paracasei KW3110株を1w/w%添加し、32℃で乳酸発酵を行った。(初期乳酸菌数は10cells/ml)。乳酸発酵槽は容量20Lで、攪拌速度を10rpmとし、槽内は窒素ガスで置換しない状態とした。槽内はやや陽圧になる程度とし、通気は実施しなかった。乳酸発酵中に生成するダイアセチルを分解するために、市販のダイアセチル分解酵素(例えば、Novo Nordisk社のMaturex L)を0.5mg/L添加した。発酵は48時間実施し、途中32時間まではpHが4.5を下回らないよう水酸化ナトリウムを添加した。発酵終了後はプレート式熱交換機により80℃30秒の殺菌を行い発酵を停止した。
得られた発酵液は非常に爽快でまろやかな酸味と麦汁の甘味を兼ね備えた香味であった。また、発酵液の組成は表1の通りであった。
発酵液を一般的な製法で製造したアルコール分6.1v/v%、外観エキス1.9w/w%の発泡酒に、ろ過工程後に10w/w%添加した。得られた発泡酒はすっきり、柔らかい酸味を有しつつ、甘さと酸味が調和したマイルドな味覚を有していた。また、発泡酒の組成は表1の通りであった。
(実施例3)
糖度10°Pに調整した麦芽汁に、同麦芽汁で32℃24時間前培養した乳酸菌Lactobacillus.paracasei KW3110株を1w/w%添加し、32℃で乳酸発酵を行った。(初期乳酸菌数は10cells/ml)。乳酸発酵槽は容量20Lで、攪拌速度を10rpmとし、槽内は窒素ガスで置換しない状態とした。槽内はやや陽圧になる程度とし、通気は実施しなかった。また、市販のダイアセチル分解酵素は添加しなかった。発酵は48時間実施し、途中32時間まではpHが4.5を下回らないよう水酸化ナトリウムを添加した。発酵終了後はプレート式熱交換機により80℃30秒の殺菌を行い発酵を停止した。
得られた発酵液はかなり強いダイアセチル臭がして、爽快な酸味を損ねていた。
この発酵液をスプレードライヤーにて粉末の状態とした。乾燥の条件は入り口温度70℃、出口温度100℃、熱風温度180℃、処理速度を0.5L/hとした。
この粉体を一般的な製法で製造したアルコール分5.5v/v%、外観エキス1.7w/w%の発泡酒に、ろ過工程後に10w/w%添加した。得られた発泡酒は実施例2と同様に非常に爽快でまろやかな酸味と麦汁の甘味を兼ね備えた香味であった。また、発酵液の組成は表1の通りであった。また、発酵液、発泡酒の組成は表1の通りであった。
(比較例1)
実施例2の乳酸発酵液を一般的な製法で製造したアルコール分6.1v/v%、外観エキス1.9w/w%の発泡酒にろ過前に10w/w%添加して、ろ過を実施した。得られた発泡酒の組成は実施例2と同様であるが、乳酸菌がないために、実施例2と比較するとまろやかさが足りない味覚となった。発泡酒の組成は表1の通りであった。
(比較例2)
実施例3の乳酸発酵を乾燥せずにアルコール分6.1v/v%、外観エキス1.9w/w%の発泡酒に、ろ過後工程に10w/w%添加した。得られた発泡酒はすっきり、柔らかい酸味を有してはいるものの、強いダイアセチル臭によりビール本来の爽快さが損なわれていた。また、発酵液、発泡酒の組成は表1の通りであった。
(比較例3)
一般的な製法で製造したアルコール分5.5v/v%、外観エキス1.7w/w%の発泡酒に実施例1の発泡酒と同程度の乳酸組成となるように、乳酸を700mg/L添加した。得られた発泡酒は、するどい、とがった酸味を有する味覚であった。発泡酒の組成は表1の通りであった。
(比較例4)
一般的な製法で製造したアルコール分5.5v/v%、外観エキス1.7w/w%の発泡酒に実施例1の発泡酒と同程度の乳酸組成、pHとなるように、乳酸を700mg/L、25%水酸化ナトリウムを400mg/L添加した。得られた発泡酒は、比較例3ほどするどい、とがった酸味はなかったものの、やわらかい調和した酸味は有していなかった。発泡酒の組成は表1の通りであった。

Claims (7)

  1. 発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程中の酵母によるアルコール発酵終了時以降に、オリゴ糖を含む乳酸菌資化性糖、果汁、麦汁、穀類を原料とした糖化液の1種又はそれ以上を発酵原料液とする乳酸発酵物を、熱風乾燥処理或いは加熱殺菌処理により乳酸菌を殺菌したものを添加することを特徴とする乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  2. 乳酸発酵物の添加が、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造工程の濾過工程後であることを特徴とする請求項1記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  3. 添加する乳酸発酵物が、嫌気性条件下に乳酸発酵を行って製造された乳酸発酵物であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  4. 乳酸発酵物の熱風乾燥処理温度が95〜100℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  5. 乳酸発酵物の加熱殺菌処理が、プレート式熱交換器による80℃30秒の殺菌処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  6. 発酵麦芽飲料が、ビール又は雑酒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料の製造方法によって製造された、発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料が、ダイアセチル濃度がビール又は発泡酒での閾値0.1mg/1以下であることを特徴とする乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料。
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