JP2023542003A - グルコネート成分を含む低アルコールビール - Google Patents

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Abstract

本発明は、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成であって、(a)煮沸麦汁を、グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うこと、又は(b)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を組み合わせることによる、in situ発酵生成を含む方法に関する。また、本発明は、エタノール含量0~3.0%ABVのビールであって、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0~6重量%;・グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L;パラチノースを0~500mg/L含むビールに関する。

Description

本発明は、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生産を含む方法に関する。
本発明は、エタノール含量0~3.0%ABVの低アルコールビールであって、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L含む、低アルコールビールを更に提供する。
ビールは、世界中で消費される、広く人気がある飲料である。ビールは、通常、以下の基本工程:
-穀物及び水の混合物をマッシングして、マッシュを生産する工程;
-マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離する工程;
-必要に応じて加えたホップ又はホップ抽出物の存在下で、麦汁を煮沸して、煮沸麦汁を生産する工程;
-煮沸麦汁を生酵母で発酵して、発酵麦汁を生産する工程;
-発酵麦汁を1つ以上の別の工程(例.熟成及び濾過)を行い、ビールを生産する工程;並びに
-ビールを密封容器(例.瓶、缶又は樽)に充填する工程
を含む方法により生産される。
近年、ビール市場は、低アルコール及びアルコールフリービールの消費の著しい増加に直面している。この増加は、健康に関する懸念が引き金となり、ノンアルコールビールの品質を実質的に改善してきた革新により加速される。
ノンアルコールビールを含む、低アルコールビールは、古典的な醸造過程に続いて、真空蒸留、逆浸透、透析又は蒸発などの技術によるアルコール除去(「脱アルコール」)により生成できる。或いは、これらの低アルコールビールは、エタノールの形成を最小限に抑える又は防止するようにマッシング条件及び/又は発酵条件を操作することで製造してもよい。
グルコン酸は、構造式がHOCH(CHOH)COOHの有機化合物である。グルコン酸、グルコン酸塩及びグルコン酸エステルは、例えば果実及び蜂蜜中に天然に存在する。グルコン酸はD-グルコースの酸化生成物である。
国際公開第98/43489号は、アルコール含量が1.5%未満、並びに、フルクトース、グルコース、スクロース及びそれらの混合物からなる群から選択される糖の含有量が少なくとも0.25%の、非発酵性コンブチャ含有健康食品を記載している。7.56%のフルクトース、9.47%のグルコース、0.082%のスクロース、0.3%のアルコール及び2.74%のグルコン酸を含有する飲料を表1に記載している。
米国特許出願公開第2020/0063079号は、コンブチャベースのアルコール飲料の製造方法であって、
・茶葉をある分量の湯に浸して、茶液を形成すること、茶液から茶葉を濾すこと、及び茶液/糖混合物を冷却することを含む、第1の茶溶液を製造すること;
・第1の茶溶液に通気すること、第1の茶溶液に嫌気的発酵酵母を添加すること、第1の茶溶液に糖を添加すること、及び第1の茶溶液を嫌気的に発酵させて、一次醸造物を形成することを含む、第1の茶溶液を嫌気的栄養溶液として使用して第1の嫌気的発酵槽において一次醸造物を製造すること、
・第1の嫌気的発酵槽からの一次醸造物を第2の嫌気的発酵槽に移して、一次発酵の間に形成された酵母微粒子の除去を可能にすること;
・一次醸造物中に残存する嫌気的形成酵母を嫌気的に発酵させて、アルコール量が上昇した二次醸造物を形成することを含む、第2の嫌気的発酵槽において二次醸造物を製造すること;
・茶葉をある分量の湯に浸して、第2の茶液を形成すること、茶液から茶葉を濾すこと、第2の茶液に糖を添加して、好気的発酵のための第2の好気的栄養溶液として機能する第2の混合物を形成すること、第2の混合物を希釈すること、第2の混合物を冷却すること、第2の混合物に細菌及び酵母の共生培養物(「SCOBY」)を接種して、発酵を開始すること、並びに第2の混合物を好気的に発酵させることを含む、生プロバイオティクスコロニーを含む第2の発酵茶溶液を製造すること;並びに
・二次醸造物及び第2の発酵茶溶液を一緒に混合して、活性プロバイオティクスコロニー及び約3%~7%のABVを含む、発酵アルコール飲料を形成すること
を含む方法を記載している。
国際公開第2014/000746号は、飲料の製造方法であって、
a)少なくとも1種の微量栄養素及び少なくとも1種の糖を含む出発液体を用意する工程;並びに
b)前記液体を、
(i)1種以上のグルコース発酵性微生物、及び/又は
(ii)グルコースの変換を触媒して有機酸を形成できる酵素若しくは酵素の混合物、及び/又は
(iii)グルコースを発酵させて有機酸にすることができる1種以上のグルコース発酵性微生物、及び/又は
(iv)糖の変換を触媒して有機酸を形成できる酵素若しくは酵素の混合物
とともにインキュベートする工程;並びに
c)前記液体中の前記少なくとも1種の微量栄養素の少なくとも65%を保持しながら、前記液体から1種以上の酸性イオンの少なくとも10%を除去し、それにより、AX-REED液を得る工程
を含み、
前記酸性イオンが、アニオン交換逆電気強化透析(AX-REED:Anion Exchange Reverse Electro-Enhanced Dialysis)膜積層体によって除去される方法を記載している。
特開2011-217706号は、ビールに似た味のノンアルコール飲料の味を改善するための、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトンから選択されるグルコネート成分の使用を記載している。
米国特許出願公開第2007/0116801号は、低アルコール又はアルコールフリービールの生成方法であって、
・醸造用水、ホップ及び炭水化物源を混合することにより麦汁を生産すること;
・麦汁を煮沸すること;
・麦汁を、サッカロミセス・ディアシアリカス(Saccharomyces diasialicus)及びブレラノミセス・インターメディウス(Brellanomyces intermedius)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物で発酵すること
を含み;
発酵の前、間又は後にパラチノース(イソマルツロース)を添加する、方法を記載している。この米国特許出願は、方法が、ラクトバチルス属種(Lactobacillus sp.)、アセトバクター属種(Acetobacter sp.)、及びグルコノバクター属種(Gluconobacter sp.)を代表するものからなる群から選択される酸形成細菌による発酵を含む、態様を記述している。
Brainer Vejr(商標)は、カフェイン、タウリン及びグルコノデルタラクトンを含むスロバキアのアルコールフリービールである。
Bionade(登録商標)は、欧州のいくつかの国において現在市販されているノンアルコール発酵炭酸飲料である。Bionade(登録商標)の全フレーバーは、水、糖、大麦由来の麦芽、炭素酸、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを含有する。Bionade(登録商標)の生成は、糖をグルコン酸に変換できる細菌株による発酵工程を含む。Bionade(登録商標)は、約1重量%のグルコン酸を含有する。
低アルコールビールの品質は、長年にわたって実質的に改善されてきたが、多くのビール消費者は、依然としてアルコールビールの味を好む。これは、低アルコールビールの味を改善する必要性が依然として存在することを意味する。
本発明者らは、優れた味の低アルコールビールを、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成を含む方法により得ることができることを発見した。本発明者らは、そのような優れた味の低アルコールビールを、(i)煮沸麦汁を、グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うことにより;又は(ii)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を組み合わせることにより、再現可能な様式で生成できることを更に見いだした。
したがって、本発明の一側面は、
・大麦麦芽、任意に副原料(adjunct)、及び水を含む混合物をマッシングして、グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース及びそれらの組合せから選択される醸造糖(brewing sugar)を含むマッシュを生産すること;
・マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;
・麦汁を煮沸して、煮沸麦汁を生産すること;
・煮沸麦汁を生酵母で発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること
を含む、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、
グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成であって、
(a)煮沸麦汁を、グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うこと;又は
(b)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を組み合わせること
による、in situ発酵生成を含む方法に関する。
予想外なことに、本発明の方法により、複雑かつ「円熟した」フレーバーの低アルコールビールが得られることが見いだされた。グルコネート成分の発酵生成は、非常に心地よいフレーバープロファイルが生成されるという利点を提供する。この非常に心地よいフレーバープロファイルは、フレーバー成分の微生物による生成、及び/又は、望ましくないフレーバー成分(例.いわゆる「麦汁フレーバー」を生じさせるフレーバー化合物)の微生物による消化の結果であると考えられる。さらに、グルコネート成分の発酵生成は、望ましくない苦いノートの低減に関連することが見いだされた。
本発明の方法において、酵母による発酵とグルコネート成分を生成する発酵とが分離されたことから、これらの発酵工程を別個に最適化及び制御することにより、より高い品質のビール、及び/又は、品質の変動が少ないビールを得ることができる。さらに、これら2つの発酵工程において利用する微生物間の競合が有効に回避される。
本発明の別の側面は、エタノール含量0~3.0%ABVのビールであって、
・グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0~6重量%;
・グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L;
・パラチノースを0~500mg/L
含むビールに関する。
発明の詳細な説明
本発明の第1の側面は、
・大麦麦芽、任意に副原料、及び水を含む混合物をマッシングして、グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を含むマッシュを生産すること;
・マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;
・麦汁を煮沸して、煮沸麦汁を生産すること;
・煮沸麦汁を生酵母で発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること
を含む、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、
グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成であって、
(a)煮沸麦汁を、グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うこと;又は
(b)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を組み合わせること
による、in situ発酵生成を含む方法に関する。
「ビール」という用語は、本明細書では、任意にホップを加えた、酵母発酵麦芽飲料を指す。ビールは、通常、以下の基本工程:
・大麦麦芽、任意に副原料、及び水を含む混合物をマッシングして、マッシュを生産する工程;
・マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離する工程;
・麦汁を煮沸して、煮沸麦汁を生成する工程;
・煮沸麦汁を生酵母で発酵して、発酵麦汁を生成する工程;
・発酵麦汁を1つ以上の別の工程(例.熟成及び濾過)を行い、ビールを生成する工程;並びに
・ビールを密封容器(例.瓶、缶又は樽)に充填する工程
を含む方法により生成される。
「アルコール」という用語は、本明細書では、別段の指示がない限り、「エタノール」と同義である。
「低アルコール」という用語は、本明細書では、別段の指示がない限り、0~3.0%alcohol by volume(ABV)のアルコール含量を意味する。
「アルコールフリー」という用語は、本明細書では、0~0.1%ABVのアルコール含量を意味する。
「グルコン酸」という用語は、本明細書では、(2R,3S,4R,5R)-2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキサン酸を指す。
「グルコネート」という用語は、本明細書では、グルコン酸の塩、並びにこれらの塩及びグルコン酸の解離形態を指す。
「グルコノデルタラクトン」という用語は、本明細書では、(3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンを指す。グルコノデルタラクトンは、発酵により生成できる、グルコン酸の中性環状エステルである。水溶液中に添加されると、グルコノデルタラクトンは、溶解し、その後、少なくとも部分的に加水分解してグルコン酸になる。
「発酵」という用語は、本明細書では、微生物の活動が、例えば、エタノール又はグルコン酸などの物質の形成をもたらす過程を指す。発酵は、好気的及び非好気的条件下で行われてもよい。
「スクロース相当」という用語は、本明細書では、物質又は物質の組合せの甘味とスクロースの甘味との間の比較を指す。例えば、5%のスクロース相当は、5重量%のスクロースを有する溶液の甘味に類似した全体の甘味に関する。
「副原料」という用語は、本明細書では、麦芽化されていない穀物(例.トウモロコシ、米、ライ麦、オート麦、大麦及び小麦)、デンプン、マルトデキストリン及び発酵可能な糖(例.スクロース又はグルコース)を指す。
「イソアルファ酸」という用語は、本明細書では、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、プレイソフムロン、ポストイソフムロン及びそれらの組合せの群から選択される物質を指す。「イソアルファ酸」という用語は、異なる立体異性体(cis-イソアルファ酸及びtrans-イソアルファ酸)を包含する。イソアルファ酸は、通常、煮沸中の麦汁へのホップの添加によりビール中で生成される。これらはまた、予め異性化されたホップ抽出物の形態でビール中に導入してもよい。
「水素化イソアルファ酸」という用語は、ジヒドロ-イソアルファ酸、テトラヒドロ-イソアルファ酸、ヘキサヒドロ-イソアルファ酸及びそれらの組合せから選択される物質を指す。
「フルポン」という用語は、本明細書では、コフルポン、n-フルポン、アドフルポン及びそれらの組合せから選択される物質を指す。フルポンは、ホップベータ酸の酸化生成物である。
「遊離アミノ態窒素」という用語は、本明細書では、EBC法9.10.1-分光測光法によるビール中の遊離アミノ態窒素(IM)により決定される、個々のアミノ酸及び低分子ペプチドの合わせた濃度を指す。
「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、本明細書では、別段の指定がない限り、「少なくとも1つ」と定義される。単数形の名詞(例.化合物、添加剤等)で使用される場合、複数形が含まれることが意図される。「又は」という用語は、本明細書では、「及び/又は」と理解されるべきである。
本発明の方法において利用する煮沸麦汁は、好ましくは、2~23°P、より好ましくは3~18°P、最も好ましくは5~10°Pの元の麦汁エキス(original extract)を有する。
最適な酸性のpHにするために、グルコネート成分以外の何らかの酸味料を添加してもよく、又はin situで、例えば発酵により酸性としてもよい。好適な酸味料の例は、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸、酒石酸、炭酸及びそれらの組合せを含む。
本発明の方法において、分離された麦汁は、好ましくは、乾物の重量で計算して、少なくとも1重量%のグルコースを含有する。より好ましくは、麦汁は、乾物の重量で計算して、5~50重量%のグルコース、より好ましくは8~30重量%のグルコースを含有する。
通常、分離された麦汁のグルコース含有量は、0.2~20重量%、より好ましくは0.4~10重量%、最も好ましくは1~5重量%である。
本発明の方法においてin situで形成されるグルコネート成分の総量は、好ましくは、最終ビールに対して、0.5~100mmol/L、より好ましくは1~50mmol/L、一層より好ましくは1.2~25mmol/L、さらにより好ましくは1.5~15mmol/L、最も好ましくは2~10mmol/Lである。
グルコネート成分のin situ発酵生成は、好適には、マッシュ内で又は麦汁内で(麦汁煮沸の前又は後に)行われてもよい。好ましくは、グルコネート成分の発酵生成は、麦汁、最も好ましくは煮沸麦汁内で行われる。本発明では、グルコネート成分を生成できる任意の微生物をグルコネート成分のin situ生成に使用してもよい。例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌、例えばアセトバクター属(Acetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、グルコノアセトバクター属(Gluconoacetobacter)及びコマガテイバクター属(Komagateibacter)に属するものを使用してもよい。
好ましくは、グルコネート成分は、細菌発酵によりin situで生成される。より好ましくは、細菌発酵は、以下の微生物:アセトバクター属(Acetobacter)、グルコノアセトバクター属(Gluconoacetobacter)又はコマガテイバクター属(Komagateibacter)の1種以上を使用して行われる。一層より好ましくは、発酵は、グルコノバクター属(Gluconobacter)、最も好ましくはグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)を使用して行われる。
グルコネート成分の発酵生成は、好ましくは、麦汁煮沸の後、かつ酵母発酵の前に行われる。好ましくは、本発明の方法は、煮沸麦汁に、少なくとも5×10CFU/mL、より好ましくは10~10CFU/mL、最も好ましくは5×10~5×10CFU/mLの、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌から選択される微生物、より好ましくはアセトバクター属(Acetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、グルコノアセトバクター属(Gluconoacetobacter)及びコマガテイバクター属(Komagateibacter)に属する細菌、一層より好ましくはグルコノバクター属(Gluconobacter)、最も好ましくはグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)を接種することを含む。
好ましくは、本発明の方法は、パラチノースの添加を含まず、又は500mg/L以下のパラチノースの添加を含む。より好ましくは、方法は、パラチノースの添加を含まず、又は50mg/L以下のパラチノースの添加を含む。一層より好ましくは、方法は、パラチノースの添加を含まず、又は5mg/L以下のパラチノースの添加を含む。最も好ましくは、方法はパラチノースの添加を含まない。
カフェインが本発明の方法において添加される場合、好ましくは発酵工程の前に添加される。
好ましくは、本発明の方法は、カフェインの添加を含まず、又は100mg/L以下のカフェインの添加を含む。より好ましくは、方法は、カフェインの添加を含まず、又は10mg/L以下のカフェインの添加を含む。一層より好ましくは、方法は、カフェインの添加を含まず、又は1mg/L以下のカフェインの添加を含む。最も好ましくは、方法はカフェインの添加を含まない。
タウリンが本発明の方法において添加される場合、好ましくは発酵工程の前に添加される。
好ましくは、本発明の方法は、タウリンの添加を含まず、又は100mg/L以下のタウリンの添加を含む。より好ましくは、方法は、タウリンの添加を含まず、又は10mg/L以下のタウリンの添加を含む。一層より好ましくは、方法は、タウリンの添加を含まず、又は3mg/L以下のタウリンの添加を含む。最も好ましくは、方法は、タウリンの添加を含まず、又は1mg/L以下のタウリンの添加を含む。
本発明によるグルコネート成分のin situ発酵生成は、2つの異なる方式で達成できる:
1)逐次発酵:煮沸麦汁を、グルコネート成分を発生させる第1の発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行う;
2)分離発酵:第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、酵母発酵麦汁を生成し;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生成し;酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を組み合わせて、グルコネート成分を含有する発酵麦汁を生成する。
上記の態様1)及び2)による酵母発酵が行われる煮沸麦汁は、好ましくは、乾物の重量で計算して、少なくとも1重量%のグルコース、より好ましくは5~50重量%のグルコース、最も好ましくは8~30重量%のグルコースを含有する。異なる表現をすると、煮沸麦汁のグルコース含有量は、0.2~20重量%、より好ましくは0.4~10重量%、最も好ましくは1~5重量%である。
態様1)では、好ましくは、非発酵煮沸麦汁が、第1の発酵工程の後、かつ酵母発酵の前に添加される。より好ましくは、第1の発酵工程の後に添加される非発酵煮沸麦汁の体積は、第1の工程において発酵させる煮沸麦汁の体積と等しい又はそれよりも最大で20倍大きい。一層より好ましくは、第1の発酵の後に添加される非発酵煮沸麦汁の体積は、第1の工程において発酵させる煮沸麦汁の体積よりも3~12倍大きい。
態様1)では、第1の発酵工程は、通常、グルコネート成分を少なくとも1mmol/L、より好ましくは2~150mmol/L、最も好ましくは3~100mmol/L含有する発酵麦汁を生じる。
態様1)による方法では、第1の発酵工程においてホップを加えていない煮沸麦汁を利用し、グルコネート成分を発生させる発酵の後に、(i)ホップ若しくはホップ抽出物、又は(ii)ホップを加えた煮沸麦汁を添加することが好ましい。この理由は、ホップ及びホップ抽出物が、グルコネート成分を生成できる微生物の活動を妨害する可能性がある抗微生物活性を有するからである。
本発明の方法が態様2)による分離発酵を利用する場合、第2の煮沸麦汁は、好ましくは、乾物の重量で計算して、少なくとも1重量%のグルコース、より好ましくは5~50重量%のグルコース、最も好ましくは8~30重量%のグルコースを含有する。異なる表現をすると、第2の煮沸麦汁のグルコース含有量は、0.2~20重量%、より好ましくは0.4~10重量%、最も好ましくは1~5重量%である。
態様2)では、第2の煮沸麦汁の発酵は、通常、グルコネート成分を少なくとも1mmol/L、より好ましくは2~150mmol/L、最も好ましくは3~100mmol/L含有する第2の発酵麦汁を生じる。
態様2)による方法では、第1の煮沸麦汁は、好ましくは、ホップを加えた煮沸麦汁であり、第2の煮沸麦汁は、ホップを加えていない煮沸麦汁である。
態様2)では、酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁は、通常、0.5:1~20:1の重量比で、より好ましくは1:1~10:1の重量比で、最も好ましくは1.5:1~8:1の重量比で組み合わされる。
好ましくは、グルコネート成分の発酵生成は好気的条件下で行われる。
グルコネート成分の発酵生成が行われる温度は、好ましくは10~37℃、より好ましくは15~30℃である。
本発明の方法における酵母発酵は、エタノールの発酵生成に有利に働く条件下(アルコール発酵)又はエタノールの発酵生成を最小限に抑える条件下(アルコール制限発酵)で行ってもよい。好ましくは、酵母発酵はアルコール制限発酵である。
本発明の方法の一態様では、利用する酵母発酵はアルコール発酵であり、生成された酵母発酵麦汁のエタノール含量は、3~12.0%ABV、より好ましくは4~10%ABV、最も好ましくは5~8%ABVである。酵母発酵に続いて、酵母発酵麦汁を脱アルコールして、エタノール含量を3.0%ABV未満、より好ましくは0.2~2.2%ABV、最も好ましくは0.3~1.5%ABVに低減する。
本発明の方法が上記の態様2)による逐次発酵を利用する場合、脱アルコールは、酵母発酵麦汁に対して又は酵母発酵麦汁及び第2の発酵麦汁の組合せに対して実施されてもよい。好ましくは、酵母発酵麦汁は、第2の発酵麦汁と組み合わされる前に脱アルコールされる。
脱アルコールは、好ましくは、蒸留によって又は膜分離(例.ナノ濾過、逆浸透、浸透蒸留、透析又はパーベーパレーション)により行われる。最も好ましくは、脱アルコールは、蒸留によって行われる。
好ましくは、蒸留による脱アルコールは、10~100℃、より好ましくは20~65℃、一層より好ましくは30~50℃、最も好ましくは40~46℃で行われる。
蒸留による脱アルコールは、好ましくは、0.01~500mbar、より好ましくは1~200mbar、一層より好ましくは5~150mbar、最も好ましくは80~110mbarの圧力で行われる。
代わりの態様によれば、利用する酵母発酵は、エタノール含量0~3%ABVの酵母発酵麦汁を生じるアルコール制限発酵である。酵母発酵麦汁のエタノール含量が3.0%ABVを超える場合、エタノール含量は、希釈により3.0%ABV以下に低減する。
アルコール制限発酵では、(i)糖(とりわけグルコース及び/又はマルトース)をエタノールに変換する能力が限定された酵母を利用すること、及び/又は(ii)酵母によりエタノールに変換される糖(とりわけグルコース及び/又はマルトース)の限定された量を含有する麦汁を使用すること、及び/又は(iii)糖をエタノールに変換する酵母の能力が損なわれる発酵条件(例.低温)を適用することで、エタノール生成が最小限に抑えられる。
一態様では、アルコール制限発酵は、グルコース、マルトース又はマルトトリオースを消化する能力が限定された酵母を利用する。そのような酵母の好適な例は、マルトース陰性酵母及びクラブトリー陰性酵母である。
別の態様では、アルコール制限発酵は、酵母が消化してエタノールを生成できる糖の限定された量を含有する麦汁を使用する。好ましくは、そのような麦汁は、乾物の重量で計算して、以下の組成を有する分離された麦汁を生じるマッシング条件を適用することにより生成される:
・グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を15~40重量%;並びに
・マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース及びそれらの組合せから選択されるマルトオリゴ糖を20~50重量%。
そのような麦汁は、マルトオリゴ糖の大部分が発酵可能な糖に変換される前にマッシング工程を終了することで製造してもよい。
更に別の態様では、アルコール制限発酵は、糖を変換する酵母の能力を損なう発酵条件を適用する。低温接触発酵は、低温で酵母発酵を行うことによりエタノール生成が最小限に抑えられる、アルコール制限発酵の好ましいタイプである。
低温接触発酵は、好ましくは、7℃未満、より好ましくは-1~4℃、より好ましくは-0.5~2.5℃で、好ましくは8~72時間、より好ましくは12~48時間行われ、エタノール含量0~3%ABVの酵母発酵麦汁を生成する。酵母発酵麦汁のエタノール含量が3.0%ABVを超える場合、エタノール含量は、希釈により3.0%ABV以下に低減する。
有利には、本発明の方法は、ホップ及び/又はホップ抽出物の添加を含む。上述のとおり、ホップ及びホップ抽出物中に含有されるホップ酸は、最終ビールに、望ましい苦味及びフローラルで、フルーティーなフレーバーノートを付与する。
好ましくは、本発明による方法は、アニオン交換逆電気強化透析(anion exchange reverse electro-enhanced dialysis)による有機酸の除去を含まない。
特に好ましい態様によれば、本発明の方法は下記のビールを生じる。
本発明の別の側面は、エタノール含量0~3.0%ABVのビールであって、
・グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択されるの醸造糖を0~6重量%、好ましくは0.3~6重量%;並びに
・グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L
を含むビールに関する。
本発明のビールは、好ましくは、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を1~50mmol/L、より好ましくは1.2~25mmol/L、一層より好ましくは1.5~15mmol/L、最も好ましくは2~10mmol/L含有する。
好ましくは、ビールのパラチノース含有量は、50mg/L未満、より好ましくは5mg/L未満であり、最も好ましくはパラチノースを含有しない。
本発明のビールのエネルギー価は、好ましくは50kcal/100mL未満、より好ましくは5~40kcal/100mL、最も好ましくは10~32kcal/100mLである。
好ましくは、ビールのポリデキストロース含有量は、500mg/L未満、より好ましくは200mg/L未満、一層より好ましくは50mg/L未満であり、最も好ましくはポリデキストロースを含有しない。
好ましくは、ビールのカフェインの含有量は、100mg/L未満、より好ましくは10mg/L未満、一層より好ましくは1mg/L未満であり、最も好ましくはカフェインを含有しない。
好ましくは、ビールのタウリン含有量は、100mg/L未満、より好ましくは10mg/L未満、一層より好ましくは3mg/L未満、最も好ましくは0~1mg/lである。
ビールの真正エキス(real extract)の含有量は、好ましくは1~10°P、より好ましくは1.5~8°P、最も好ましくは2~6°Pである。
上述のとおり、本発明の利益は、甘いフレーバーノートの低アルコールビールにおいて特に認められる。特に好ましい態様によれば、本発明の低アルコールビールは、0.5~3%スクロース相当の甘味を有し、ビールの甘味は、以下:
0.7×[グルコース]+1.5×[フルクトース]+0.4×[マルトース]+1×[スクロース]+0.2×[マルトトリオース]
のとおりに計算され;
ここで、[炭水化物]は、重量%単位の炭水化物の濃度を表す。より好ましくは、ビールの甘味は、0.6~2.5%スクロース相当、より好ましくは0.7~2%スクロース相当である。
本発明者らは、グルコネート成分の有益な効果は、ビールのpHが3.5~5.0の場合に特に認められることを見いだした。より好ましくは、ビールのpHは3.6~4.5であり、最も好ましくは、ビールのpHは3.7~4.3である。ビールのpHは、20℃で脱気した後に測定する。
本発明の低アルコールビールの製造で適用する、マッシング条件、副原料及び酵母発酵条件は、ビールの炭水化物組成に影響を及ぼす。マッシングの間にデンプンが加水分解され、糖であるグルコース、マルトース及びマルトトリオースが形成される。副原料は、追加のデンプン及びデンプン加水分解生成物だけでなく、スクロース及び/又はフルクトースを提供してもよい。これらの醸造糖(グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース)は、酵母発酵の間に部分的に又は完全に消化され得る。醸造糖が発酵の間に完全に消化される場合、発酵の後に醸造糖を添加して、本発明により必要とされる最小濃度を達成する。
特に好ましい態様によれば、醸造糖は、0.4~5重量%、より好ましくは0.5~4重量%、最も好ましくは1.0~3重量%の濃度でビール中に含有される。
グルコース、マルトース及びマルトトリオースの他に、マッシングは、通常、オリゴ糖の形態のデンプン加水分解生成物も生成する。好ましくは、低アルコールビールは、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース及びそれらの組合せから選択されるマルトオリゴ糖を0.1~1重量%含有する。より好ましくは、ビールは、0.2~0.7重量%、最も好ましくは0.3~0.6重量%の前記マルトオリゴ糖を含む。
マルトテトラオースは、好ましくは、0.04~0.8重量%、より好ましくは0.06~0.6重量%、最も好ましくは0.08~0.4重量%の濃度でビール中に含有される。
本発明の低アルコールビールは、好ましくは、0~2重量%、より好ましくは0~1.5重量%、最も好ましくは0~1.0重量%のグルコースを含有する。
好ましくは、低アルコールビールは、0~5重量%、より好ましくは0~4重量%、最も好ましくは0~3.5重量%のマルトースを含有する。
好ましくは、低アルコールビールは、0~2重量%、より好ましくは0~1.5重量%、最も好ましくは0~1.0重量%のマルトトリオースを含有する。
好ましくは、グルコース、マルトース及びマルトトリオースの組合せは、1~5重量%、より好ましくは1.5~4.5重量%、最も好ましくは2~4重量%の濃度で低アルコールビール中に含有される。
低アルコールビールは、好ましくは0~0.5重量%、より好ましくは0.0~0.3重量%、最も好ましくは0.0~0.1重量%のフルクトースを含有する。
低アルコールビールは、好ましくは0~0.5重量%、より好ましくは0.0~0.3重量%、最も好ましくは0.0~0.1重量%のスクロースを含有する。
アルコール発酵により生成された本発明の低アルコールビールは、通常、わずかな量の醸造糖を含有する。したがって、本発明のこの態様による低アルコールビールは、好ましくは、醸造糖を0.3~3.5重量%、より好ましくは0.5~3重量%、最も好ましくは1~2.5重量%を含有する。
本発明の低アルコールビールは、異なるタイプの酵母発酵を使用して製造されてもよい。1つの選択肢は、エタノールの発酵生成に有利に働く条件下(アルコール発酵)で酵母発酵を行い、発酵の後にエタノールを除去することである。別の選択肢は、エタノールの発酵生成を最小限に抑える条件下(アルコール制限発酵)で酵母発酵を行うことである。
アルコール発酵の間に、前述の醸造糖が酵母により消化され、エタノールが同じ酵母により生成される。アルコール発酵を低アルコールビールの生成で適用する場合、発酵の後にエタノールを除去しなければならず、又は発酵の後のエタノール含量が本発明により必要とされる最大量を超える場合、発酵生成物を希釈しなければならない。
アルコール制限発酵は、異なる方式で行うことができる。醸造糖のエタノールへの変換を最小限に抑えてもよく、及び/又は醸造糖を含有量が低減された麦汁を利用してもよい。アルコール制限発酵で生成する本発明の低アルコールビールは、好ましくは、醸造糖を1.5~6重量%、より好ましくは1.8~5重量%、最も好ましくは2~4重量%含有する。
本発明の低アルコールビールは、好適には、限定された量の醸造糖のみを含有する麦汁から生成してもよい。そのような麦汁は、マッシング工程の間にデンプンの部分加水分解により得ることができる。この様式で得られた低アルコールビールは、通常、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース及びそれらの組合せから選択されるマルトオリゴ糖を、0.4~3重量%、好ましくは0.6~2.5重量%、最も好ましくは0.8~2重量%含有する。
本発明の別の態様では、低アルコールビールは、醸造糖の1種以上を消化できない生酵母、とりわけグルコース、マルトース及び/又はマルトトリオースを消化できない酵母による発酵で製造される。好ましい態様では、低アルコールビールはマルトース陰性酵母による発酵で製造される。マルトース陰性酵母を使用して生成された低アルコールビールは、通常、グルコース及びマルトースを1未満:5、より好ましくは1未満:10、最も好ましくは1未満:100の重量比で含有する。
代替的な態様では、低アルコールビールは、グルコース陰性酵母による発酵又は「停止発酵(stopped fermentation)」で製造される。この様式で生成した低アルコールビールは、通常、マルトース及びグルコースを1未満:5、より好ましくは1未満:10、最も好ましくは1未満:100の重量比で含有する。
ホップ酸、例えばイソアルファ酸、並びに水素化イソアルファ酸及び酸化アルファ酸(フルポン)は、消費者に認められるビールの心地よい苦味に寄与する。したがって、ビールは、有利にはホップ酸を含有する。好ましくは、ビールは、イソアルファ酸、水素化イソアルファ酸、フルポン及びそれらの組合せから選択されるホップ酸を、2~100mg/L、より好ましくは4~60mg/L、最も好ましくは8~40mg/L含有する。
リボフラビン、遊離脂肪酸(例.リノール酸)、アミノ酸及び低分子ペプチドは、大麦麦芽中に天然に存在し、通常、低アルコールビール中に有意な濃度で存在する物質である。
低アルコールビールのリボフラビン含有量は、好ましくは、40~1,000μg/L、より好ましくは60~800μg/L、最も好ましくは100~600μg/Lである。
低アルコールビールは、好ましくは、20~1,500μg/L、より好ましくは40~1,200μg/L、最も好ましくは50~800μg/Lのリノール酸を含有する。
低アルコールビールの遊離アミノ態窒素(FAN)含有量は、好ましくは、8~400mg/L、より好ましくは12~300mg/L、最も好ましくは20~250mg/Lである。
好ましくは、本発明によるビールは、発酵又は非発酵茶抽出物、例えばコンブチャを含有しない。
本発明のビールは、アルコールフリービール又はアルコール含量が少ないビールであってもよい。本発明の利益は、少なくとも0.2%ABVのアルコールを含有するビールにおいて特に認められる。本発明の特に好ましい態様によれば、ビールは、0.2~3.0%ABV、より好ましくは0.3~2.2%ABV、最も好ましくは0.4~1.5%ABVというエタノール含量が少ないアルコールビールである。
本発明の低アルコールビールは、好ましくは、100mlあたり、100CFU未満、より好ましくは10CFU未満、最も好ましくは1CFU未満の、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、アセトバクター属(Acetobacter)及びグルコノバクター属(Gluconobacter)を含有する。
さらなる好ましい態様によれば、本発明の低アルコールビールは、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌、例えばアセトバクター属(Acetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、グルコノアセトバクター属(Gluconoacetobacter)及びコマガテイバクター属(Komagateibacter)に属するものに由来するDNAを含有する。最も好ましくは、本発明の低アルコールビールは、グルコノバクター属(Gluconobacter)に属する細菌、最も好ましくはグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)のDNAを含有する。低アルコールビール中の微生物DNAの存在は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び配列決定を使用して確定してもよい。
本発明の更に別の側面は、アルコール含量0~3.0%ABV、好ましくは0.2~3.0%ABV、より好ましくは0.3~2.2%ABV、最も好ましくは0.4~1.5%ABVのビールの味を改善するための、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分の使用に関する。前述の使用は、好ましくは、グルコネート成分の添加及び/又はグルコネート成分のin situ発酵生成を含む。
添加される及び/又はin situで形成されるグルコネート成分の総量は、好ましくは、最終ビールに対して、0.5~100mmol/L、より好ましくは1~50mmol/L、一層より好ましくは1.2~25mmol/L、最も好ましくは1.5~15mmol/Lである。
本発明は、以下の非限定的な例により更に例示される。
実施例 1
フルモルトアルコールラガービール(5.0%ABV)及びアルコールフリーフルモルトラガービールを重量比1:9で混合して、0.5%ABVのラガービールを得た。このラガービールは、4.5のpHを有していた。50%グルコン酸溶液又は30%乳酸溶液により、pHを3.8とした。この方式で、2種のビールを得た:
・ビールA:0.5%ABV、pH3.8、グルコン酸
・ビールB:0.5%ABV、pH3.8、乳酸
ビールを訓練されたテイスターにより評価した。グルコン酸が添加されたビールAは、乳酸が添加されたビールBよりも好まれた。ビールAは、滑らかな後味が長時間続く、バランスが取れた、複雑なビールとして認識された。対照的に、ビールBは、ビールAよりもわずかに苦く、バランスが悪く、強力ではあるが短時間しか続かない後味と認識された。
実施例 2
苦味が26BUの17°Pのホップを加えた麦汁をマルトース陰性酵母で発酵して、酵母発酵麦汁(1%ABV)を生成した。苦味が26BUの17°Pのホップを加えた第2の麦汁を、アセトバクター・オルレアンシス(Acetobacter orleansis)により好気的条件下で発酵して、「サワー」麦汁を生成した。サワー麦汁(0.0%ABV)は、グルコン酸濃度が6g/lで、苦味が5.14BUと強く低減されていた。
ビール及びサワー麦汁を1:1の重量比で組み合わせて、ビールAを得た。
酵母発酵麦汁を0.0%ABVのフルモルトラガービールと重量比1:1で混合することによりビールBを得た。グルコン酸を3g/Lの濃度まで添加した。
ビールを訓練されたテイスターにより評価した。in situで生成したグルコン酸を含有するビールAは、グルコン酸を添加したビールBよりも好まれた。ビールAは、苦い味が著しく低減され、新鮮で、バランスが取れた、複雑なビールとして認識された。対照的に、ビールBは、苦い味が顕著で、複雑さが少ないビールとして認識された。
実施例 3
第1の発酵麦汁を、
-穀物及び水の混合物をマッシングして、マッシュを生産すること;
-マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;
-ホップの存在下で麦汁を煮沸すること;
-煮沸麦汁を低温接触発酵すること、
-熟成及び濾過すること
により生成する。
そのようにして得られた第1の発酵麦汁は、アルコール含量が0.1%ABV未満である。
グルコン酸(50%グルコン酸溶液)を第1の発酵麦汁の一部と混和し、約5g/L COまで炭化することによりビールを生成する。そのようにして得られたビールを膜で濾過し、水で希釈して、6°Pの真正エキス及び5mmol/Lのグルコネート成分を有するアルコールフリーの「ビールA」を生成する。
第2の発酵麦汁を、
-穀物及び水の混合物をマッシングして、マッシュを生産すること;
-マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;麦汁を煮沸すること;
-煮沸麦汁を好気的条件下でグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)の生細菌により発酵させること;並びに
-発酵麦汁を熟成及び濾過すること
により生成する。
次に、第1の発酵麦汁及び第2の発酵麦汁を7:1の重量比で混合し、得られた混合物を約5g/L COまで炭化する。そのようにして得られたビールを膜で濾過し、水で希釈して、6°Pの真正エキス及び5mmol/Lのグルコネート成分を有するアルコールフリーの「ビールB」を生成する。
アルコールフリーのビールA及びアルコールフリーのビールBを、専門家パネルによるブラインドテイスティングセッションにおいて比較する。ビールBは、ビールAよりもパネルに明らかに好まれる。
アルコールフリーのビールA及びアルコールフリーのビールBを、専門家パネルによるブラインドテイスティングセッションにおいて比較する。ビールBは、ビールAよりもパネルに明らかに好まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ・大麦麦芽、任意に副原料、及び水を含む混合物をマッシングして、グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を含むマッシュを生産すること;
・前記マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;
・前記麦汁を煮沸して煮沸麦汁を生産すること;
・前記煮沸麦汁を生酵母で発酵して酵母発酵麦汁を生産すること
を含む、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、
前記方法は、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成であって、
(a)前記煮沸麦汁を、前記グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うこと;又は
(b)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、前記酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、前記グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに前記酵母発酵麦汁及び前記第2の発酵麦汁を組み合わせること
による、in situ発酵生成を含む、方法。
[2] 前記方法が、グルコン酸、グルコン酸エステル及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成を含む、[1]に記載の方法。
[3] 前記グルコネート成分のin situ発酵生成を、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌を使用して行う、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記グルコネート成分のin situ発酵生成を、アセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌を使用して行う、[3]に記載の方法。
[5] 前記方法が、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0.3~6重量%含むビールを生じる、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記煮沸麦汁を、前記グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行う、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、前記酵母発酵麦汁を生成し;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、前記グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生成し;前記酵母発酵麦汁及び前記第2の発酵麦汁を組み合わせる、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記方法で得られるビールが、前記グルコネート成分を0.5~100mmol/L含む、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[9] エタノール含量0~3.0%ABVのビールであって、
・グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0~6重量%;
・グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L;並びに
・パラチノースを0~500mg/L
含む、ビール。
[10] 前記ビールが、0.5~3%スクロース相当の甘味を有し、前記ビールの前記甘味が、以下の式:
0.7×[グルコース]+1.5×[フルクトース]+0.4×[マルトース]+1×[スクロース]+0.2×[マルトトリオース]
(式中、[炭水化物]は重量%単位の炭水化物の濃度を表す)
のとおりに計算される、[9]に記載のビール。
[11] 前記ビールのpHが3.5~5.0である、[9]又は[10]に記載のビール。
[12] 前記ビールのエタノール含量が0.2~3.0%ABVである、[9]~[11]のいずれかに記載のビール。
[13] 前記ビールがグルコースを0~2重量%含有する、[9]~[12]のいずれかに記載のビール。
[14] 前記ビールがマルトースを0~4重量%含有する、[9]~[13]のいずれかに記載のビール。
[15] 前記ビールが、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0.3~6重量%含有する、[9]~[14]のいずれかに記載のビール。
[16] 前記ビールが、イソアルファ酸、水素化イソアルファ酸、フルポン及びそれらの組合せから選択されるホップ酸を2~100mg/L含有する、[9]~[15]のいずれかに記載のビール。
[17] 前記ビールが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌に由来するDNAを含有する、[9]~[16]のいずれかに記載のビール。

Claims (17)

  1. ・大麦麦芽、任意に副原料、及び水を含む混合物をマッシングして、グルコース、マルトース、マルトトリオース、スクロース、フルクトース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を含むマッシュを生産すること;
    ・前記マッシュを麦汁及び穀粒粕に分離すること;
    ・前記麦汁を煮沸して煮沸麦汁を生産すること;
    ・前記煮沸麦汁を生酵母で発酵して酵母発酵麦汁を生産すること
    を含む、エタノール含量0~3.0%ABVのビールの製造方法であって、
    前記方法は、グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成であって、
    (a)前記煮沸麦汁を、前記グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行うこと;又は
    (b)第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、前記酵母発酵麦汁を生産すること;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、前記グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生産すること;並びに前記酵母発酵麦汁及び前記第2の発酵麦汁を組み合わせること
    による、in situ発酵生成を含む、方法。
  2. 前記方法が、グルコン酸、グルコン酸エステル及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分のin situ発酵生成を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記グルコネート成分のin situ発酵生成を、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌を使用して行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記グルコネート成分のin situ発酵生成を、アセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌を使用して行う、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法が、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0.3~6重量%含むビールを生じる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記煮沸麦汁を、前記グルコネート成分を発生させる発酵、次いで酵母発酵の2つの連続する発酵を行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1の煮沸麦汁を酵母発酵して、前記酵母発酵麦汁を生成し;第2の煮沸麦汁に別の発酵を行い、前記グルコネート成分を発生させ、第2の発酵麦汁を生成し;前記酵母発酵麦汁及び前記第2の発酵麦汁を組み合わせる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記方法で得られるビールが、前記グルコネート成分を0.5~100mmol/L含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  9. エタノール含量0~3.0%ABVのビールであって、
    ・グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0~6重量%;
    ・グルコン酸、グルコン酸エステル、グルコノデルタラクトン及びそれらの組合せから選択されるグルコネート成分を0.5~100mmol/L;並びに
    ・パラチノースを0~500mg/L
    含む、ビール。
  10. 前記ビールが、0.5~3%スクロース相当の甘味を有し、前記ビールの前記甘味が、以下の式:
    0.7×[グルコース]+1.5×[フルクトース]+0.4×[マルトース]+1×[スクロース]+0.2×[マルトトリオース]
    (式中、[炭水化物]は重量%単位の炭水化物の濃度を表す)
    のとおりに計算される、請求項9に記載のビール。
  11. 前記ビールのpHが3.5~5.0である、請求項9又は10に記載のビール。
  12. 前記ビールのエタノール含量が0.2~3.0%ABVである、請求項9~11のいずれか一項に記載のビール。
  13. 前記ビールがグルコースを0~2重量%含有する、請求項9~12のいずれか一項に記載のビール。
  14. 前記ビールがマルトースを0~4重量%含有する、請求項9~13のいずれか一項に記載のビール。
  15. 前記ビールが、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、マルトトリオース及びそれらの組合せから選択される醸造糖を0.3~6重量%含有する、請求項9~14のいずれか一項に記載のビール。
  16. 前記ビールが、イソアルファ酸、水素化イソアルファ酸、フルポン及びそれらの組合せから選択されるホップ酸を2~100mg/L含有する、請求項9~15のいずれか一項に記載のビール。
  17. 前記ビールが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)又はアセトバクター科(Acetobacteraceae)の細菌に由来するDNAを含有する、請求項9~16のいずれか一項に記載のビール。
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