JP3795541B2 - 米からの過酸化脂質抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、米または発芽させた米を原料として得られ、脂質の酸化を抑制することを目的とし、医薬、化粧品、食品に利用可能な過酸化脂質抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体細胞は代謝あるいは呼吸に酸素を利用しており、常に活性酸素やフリーラジカルの脅威にさらされている。もちろん、生体は長い進化の過程で、これら酸素毒に対してきわめて巧緻な防御系をつくりあげているが、老化とともにこれは減弱し、また、細胞内の必須成分である不飽和脂肪酸が活性酸素種にきわめて弱く、過酸化を受けやすいのも事実である。この反応は、例えば、動脈硬化、心疾患などといった種々な疾患と密接に関連している。そのため、脂質の酸化を抑制する様々な過酸化脂質抑制剤が開発利用されてきているが、これらの薬剤には、投与による副作用や使用量、使用期間に制限の問題があり、長期に亘る服用により起こる安全性の面からも問題になっている。すなわち、過酸化脂質の抑制に対して有効で、しかも、副作用がなく安全で、抗脂質酸化能全体をバランスよく高める過酸化脂質抑制剤は、未だ開発されていないのが現状である。
【0003】
一方、米は主食以外に、清酒、焼酎、みりん、酢、麹などとして用途開発され、古くから生活に欠かせないものとなっている。このほかには、美容的用途として糠袋が知られている。これらは米を単なる主食であると見るか、またはせいぜい澱粉源としてしか見ていなかったということによるものであると思われる。また、糠袋にしても、皮膚によいとされ、慣例的にそのまま使用されてきたのみであり、有効成分という概念もなければ、その有効成分を利用するという考え方も全くなかったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、薬剤の人体に対する副作用が問題となっている。そこで、全く副作用がなく、加齡制御を考慮して長期にわたって使用しても十分に安全で、過酸化脂質抑制能全体をバランスよく高める過酸化脂質防止剤が要求されている。
本発明は、安全で安価であり、原料供給が安定しており、容易に加工ができ、過酸化脂質防止能全体をバランスよく高め、長期間常用しても全く安全な米からの過酸化脂質抑制剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、動植物合和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分の研究を進めてきた。その過程で、米には今まで予測できなかった数多くの可能性および効果があることが判明してきた。そこで、主食として用いられ、安全性が最も高いことが実証されている米をテーマとして取り上げ、米の総合利用研究を行ってきた。そのうちの一つのテーマとして、米からの過酸化脂質抑制剤について鋭意研究を重ねてきたのであるが、その過程で、米および発芽させた米には過酸化脂質を抑制する効果を有する成分が含有されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明(1)は、白米の加水物を液化酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、澱粉分解酵素及びペクチン分解酵素からなる群より選択される2種以上の酵素により分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する過酸化脂質抑制剤である。
本発明(2)は、白米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に、液化酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、澱粉分解酵素及びペクチン分解酵素からなる群より選択される2種以上の酵素により分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する過酸化脂質抑制剤である。
本発明(3)は、更に、アルコール発酵又は有機酸発酵されたものである、前記発明(1)又は(2)の過酸化脂質抑制剤である。
本発明(4)は、白米が、白米、玄米または発芽米の形態である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの過酸化脂質抑制剤である。
【0006】
本発明において、米および発芽させた米に含有されている過酸化脂質抑制効果を有する成分は、未だ解明するに至っていないが、米および発芽させた米を、下記のように処理したものは、経口投与あるいは塗布したところ、過酸化脂質抑制効果を示すことが判明した。
▲1▼ 発芽させた米の粉砕物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲2▼ 米または発芽させた米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲3▼ 米または発芽させた米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲4▼ 米または発芽させた米を抽出するに当り、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲5▼ 米または発芽させた米を抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させた後、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
【0007】
本発明で使用される米とは、ジャポニカ、インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種、種類は問わない。さらに、精白時に出てくる92%以上の赤糠、あるいは92%以下の白糠を使用してもよく、安価で経済的である。また、発芽させた米が使用される。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処理をしてもよく、また、効果も変わらなかった。
【0008】
米および発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。米および発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い一般的な方法で行なえばよい。
米を発芽させる場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米を良く洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。
【0009】
米または発芽させた米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。
米または発芽させた米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、PHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度、抽出時間により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。
【0010】
水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。
抽出物中の有効成分は、酸、アルカリに安定であるためか、酸分解抽出あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。
【0011】
有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール、アセトン、n−ヘキサン、メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。
また、米あるいは発芽させた米を酵素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酵素分解とは、澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、リグニン分解酵素、ペクチン分解酵素等米に働く酵素全てを指し、これらを1種または2種以上作用させることをいう。また、麹とは麹菌の種類および米の品種、種類は問わない。
さらに、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時または抽出後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。
【0012】
本発明においては、さらに上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行うと、次のような点でも有効である。
まず、アルコール発酵を行なえば、塗布時にベタツキがないばかりか、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。また、乳酸発酵は飲料等の用途に使用する場合、風味をよくし、酢酸発酵は酢という調味液用途として本発明品を利用することができ、有機酸発酵することにより幅広い用途として使用することができる。
また、92%以上の赤糠部分を調べてみたところ、効果はあるが、弱いことが判明した。
【0013】
以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなく、そのまま、あるいは圧搾、濾過して用いればよい。また、そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌をして製品にすればよい。なお、本発明品を配合する場合は、実際の用途に応じ、常法にしたがってクリーム、洗顔料、乳液、化粧水、クレンジング、パック、石鹸などの化粧料、軟膏剤、パスタ剤、ローション剤、チンキ剤、リエメント剤、ゼリー剤、エアゾール剤などの外用医薬品のような剤型にすればよい。他の配合成分は、通常用いられるものいずれでもよく、さらに、他の薬効剤を併用してもよい。また、経口投与する場合は、本発明品をそのまま、あるいは乾燥して粉体、顆粒、錠剤にして用いてもよく、さらに、様々な食品に配合して用いることもできる。
【0014】
以下、具体的に本発明品の過酸化脂質生成抑制剤としての効果を調べた結果について記載する。
まず、外用剤としての効果をみるために、本発明品使用前と、3週間使用後の総皮脂量および皮脂中過酸化脂質量を、ガラスカップ法で皮脂を採取してそれぞれ重量法および八木法〔Ohokawa,H,et al,Anal.Bichem.,95,351,358(1979)〕にて測定し、下式により皮脂中過酸化脂質割合を算出し、表1に記載した。なお、パネラーは各5名で行ない、その平均値を記載した。
【数1】
Figure 0003795541
【0015】
【表1】
Figure 0003795541
表1から分かるように、本発明品全てにおいて、塗布することにより皮膚上の分泌される過酸化脂質が抑制されることが判明した。また、実施例4で得られた本発明品使用前、使用後の皮脂中の過酸化脂質割合の差は4.1%であるが、米の発芽物を同様の操作で得た実施例5では4.9%で、発芽することにより効果が増大することが判明した。
【0016】
次に、内服剤としての効果を調べた。
4週齢のddY系雄性マウスを、室温25℃、湿度60%に保たれた動物室で1週間、および水を自由接種させて飼育した後、実験に供した。実験は1群10匹で行った。被検液は1日1回午前10時に1群当たり20mlを給水瓶に入れ、自由に接種させた。投与4週間後にエーテル麻酔下頚動脈より全血採血し、定量操作に必要な処理をした後、血液成分の分析を行った。
その結果は、表2に示すとおりである。
【0017】
【表2】
Figure 0003795541
表2から分かるように、全ての本発明品において、血液中の過酸化脂質が低下することが判明した。
また、発芽していない米の粉砕物をそのまま与えても効果は得られなかったが、発芽することにより、粉砕物をそのまま与えても効果が得られることが判明した。
【0018】
以上の結果より、本発明品は、外用として皮膚上に分泌される過酸化脂質を抑制し、内服すると血液中の過酸化脂質の抑制を行なうので、医薬品、化粧品はもとより、食品としてもそのままあるいは配合して利用することが可能なことが判明した。しかも、米という全く安全なものより得られるわけである。
なお、実施例およびそれに伴うデータは、玄米の場合について記載したが、白米および92%以下の白糠の場合も同様の効果が認められた。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
胚芽のついたままの米1kgを25℃の水につけ、3日間浸漬させ、米を発芽させた。この発芽米をよく洗浄した後、50℃で24時間乾燥し、その後、細かく微粉砕し、本発明品990gを得た。
(実施例2)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に水1500mlを添加、塩酸でPHを落とし10日間放置した。その後、絞り機で絞り、得た清澄液を中和して、本発明品1200mlと残渣760gを得た。
(実施例3)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例3と同様の操作を行い、別の本発明品1190mlを得た。
【0020】
(実施例4)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に液化酵素10gと水1500mlを添加した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例5)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例4と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例6)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に2N−NaOH1500mlを添加して5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1350mlと残渣650gを得た。この清澄液を10N−HCLで中和して、本発明品1480mlを得た。
【0021】
(実施例7)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例6と同様の操作を行い、別の本発明品1490mlを得た。
(実施例8)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に95%エタノール1500mlを添加して、5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣650gを得た。この清澄液に水2000mlを添加し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1500mlを得た。
(実施例9)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例8と同様の操作を行い、別の本発明品1500mlを得た。
【0022】
(実施例10)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300g、水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1230mlと残渣1000gを得た。
(実施例11)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例10と同様の操作を行い、別の本発明品1210mlを得た。
(実施例12)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1310mlと残渣670gを得た。
【0023】
(実施例13)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、別の本発明品1380mlを得た。
(実施例14)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に脂肪分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1290mlと残渣680gを得た。
(実施例15)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例14と同様の操作を行い、別の本発明品1360mlを得た。
【0024】
(実施例16)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に繊維分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1330mlと残渣650gを得た。
(実施例17)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例16と同様の操作を行い、別の本発明品1370mlを得た。
(実施例18)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素2gと水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣600gを得た。
【0025】
(実施例19)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例18と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例20)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物にペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1320mlと残渣660gを得た。
(実施例21)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例20と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0026】
(実施例22)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例23)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例22と同様の操作を行い、別の本発明品1440mlを得た。
(実施例24)
実施例22と同様の操作をして、米の酵素分解物2000gを得た。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣550gを得た。
【0027】
(実施例25)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例24と同様の操作を行い、別の本発明品1420mlを得た。
(実施例26)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300gと40%エタノール1500mlを加え、55℃で48時間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣850gを得た。その後、清澄液に1000mlの水を加水し、ロータリーエバプレーターで濃縮し、本発明品1300mlを得た。
(実施例27)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例26と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0028】
(実施例28)
実施例4と同様にして、米の抽出物2000gを得た。この抽出物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gを添加し、50℃で24時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣580gを得た。
(実施例29)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例28と同様の操作を行い、別の本発明品1390mlを得た。
(実施例30)
実施例22と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物に酵母を添加し、16日間アルコール発酵した。その後、絞り機で絞り、本発明品1880mlと残渣80gを得た。
【0029】
(実施例31)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例30と同様の操作を行い、別の本発明品1800mlを得た。
(実施例32)
実施例22と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物を煮沸殺菌した後、37℃まで冷却し、前もって乳酸菌を培養したスターター200mlを添加後、よく攪拌密封し、37℃で2日間乳酸発酵を行った。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣590gを得た。
(実施例33)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例32と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
【0030】
(実施例34)
実施例22で得られた本発明品1000mlに95%エタノール80mlを添加し、20日間酢酸発酵を行った。その後、濾過をし、本発明品990mlを得た。
(実施例35)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例34と同様の操作を行い、別の本発明品1000mlを得た。
以上の実施例で得た本発明品は、用途に応じて適宜に使用されるが、本発明品を配合して化粧水とする場合、および本発明品を錠剤とする場合の実施例について、次に記載する。なお、配合例は以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
(実施例36) 化粧水
実施例4で得られた本発明品 10.0重量%
ソルビトール 3.0重量%
グリセリン 5.0重量%
精製水 76.4重量%
アラントイン 0.1重量%
ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体 0.5重量%
エタノール 5 重量%
以上の配合材料を常法により混合溶解し、化粧水を得た。
【0032】
(実施例37) 錠剤
実施例24で得られた本発明品100gをフリーズドライにより乾燥し、20gの乾燥品を得た。この乾燥品10gを下記のようにして錠剤とした。
実施例24で得られた本発明品 10g
ポリエチレングリコール6000 10g
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5g
コーンスターチ 3g
乳糖 25g
ステアリン酸マグネシウム 0.5g
上記成分を秤量した後、ポリエチレングリコール6000を70〜80℃に加温し、これに本発明品、ラウリル硫酸ナトリウム、コーンスターチおよび乳糖を加え混合後、そのまま冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ、造粒する。本顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合後、圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、米を原料として簡単に、全て安全で、しかも、外用剤としても内服しても、過酸化脂質生成抑制効果を持つ優れた過酸化脂質抑制剤が提供される。
米は今まで主食であったため、食以外の新規な分野での製法、利用用途はほとんど開発されていなかった。本発明は、非常に優れた効果を持つ、過酸化脂質生成抑制剤を見出したばかりでなく、米の過剰生産といわれている現在、新たな利用用途を見出したこと、および米のイメージアップによる消費拡大を図り得ることは、極めて有意義なことである。

Claims (3)

  1. 白米の加水物を蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、澱粉分解酵素及びペクチン分解酵素からなる5種類の分解酵素を必須的に用いて分解したものを有効成分として含有する過酸化脂質抑制剤。
  2. 白米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、澱粉分解酵素及びペクチン分解酵素からなる5種類の分解酵素を必須的に用いて分解したものを有効成分として含有する過酸化脂質抑制剤。
  3. 更に、アルコール発酵又は有機酸発酵されたものである、請求項1又は2記載の過酸化脂質抑制剤。
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