JP2021095370A - 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有する皮膚外用剤や内用剤 - Google Patents

蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有する皮膚外用剤や内用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のオタネニンジンの種子には抗酸化効果や美白効果が知られているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。【解決手段】蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子抽出物は、従来のオタネニンジンの種子抽出物よりも抗酸化効果及び美白効果が優れていることを見出した。高めたい効果によって、蒸気加熱処理工程の条件を決めることができ、本発明のオタネニンジンの種子抽出物を含有する皮膚外用剤又は内用剤は特に有効である。【選択図】 なし

Description

本発明は、抗酸化効果、美白効果等に優れた新規な皮膚外用剤又は内用剤等に関する。
皮膚は生体の最外層に位置し、紫外線等の影響により活性酸素が発生しやすい臓器であり、絶えずその酸素ストレスに曝されている。一方、皮膚細胞内には活性酸素消去酵素が存在しており、その能力を超える活性酸素が発生しないかぎり活性酸素の傷害から皮膚細胞を防衛している。ところが、皮膚細胞内の活性酸素消去酵素の活性は加齢とともに低下することが知られており、活性酸素による傷害がその防御反応を凌駕したとき、皮膚は酸化され、細胞機能が劣化して老化してゆくと考えられる。また、皮膚以外の臓器においても、その活性酸素消去能を越える活性酸素に曝されたとき、機能低下が起こり老化したり、ガンや心筋梗塞等様々な生活習慣病が発症したりすると考えられる。そこで、活性酸素による傷害からの防御を目的として活性酸素消去剤や抗酸化剤が検討され、SODやカタラーゼ等の活性酸素消去酵素、SOD様活性物質等の活性酸素消去剤や抗酸化剤を配合した化粧品、医薬部外品、医薬品及び食品等が開発されている(特許文献1、2)。
一般に、シミ、ソバカス、日焼け等に見られる皮膚の色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線の刺激により、皮膚内に存在するメラニン色素生成細胞がメラニン色素を過剰に生成し、これが皮膚内に沈着することが原因と考えられている。このような色素沈着を防ぐ方法の一つに、メラニンの過剰な生成を抑制する方法が知られている。従来、色素沈着の治療には、内用や外用等において、アスコルビン酸(ビタミンC)等が用いられてきた(特許文献3)。
オタネニンジンは、中国東北部又は朝鮮の原産で、その根を薬用に用い、加工法によって呼び方が異なる。例えば周皮をはいで乾燥したものを白参(はくじん)、せいろで2〜4時間蒸してから熱風乾燥したものを紅参(こうじん)と呼ぶ。漢方で不老長寿、強壮、強精薬あるいは賦活、精神安定薬として虚証の者に用いるが、新陳代謝機能を活発にさせ、かつ強心利尿作用を持っているので、胃衰弱に伴う新陳代謝の衰えた病弱者の胃食欲不振、消化不良、はきけ、下痢等にも使われる(非特許文献1)。
オタネニンジンの利用例としては、オタネニンジンの根の抽出物又はオタネニンジンの根のギンセノシド成分や多糖体を活用したものがほとんどであり、種子については、オタネニンジンの栽培に用いる以外は、ほとんど利用されていないのが現状である。また、オタネニンジンの種子は、オタネニンジンの根とは差別的成分と組成を有することが知られ、その生理活性としては、抗酸化効果や美白効果を有することが知られている(特許文献4)。
特開平9−118630号公報 特開平9−208484号公報 特開平05−229931号公報 特表2011−522881号公報
木村康一(1984)「オタネニンジン」,『原色日本薬用植物図鑑』p151,保育社.
従来のオタネニンジンの種子には抗酸化効果や美白効果が知られているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
本発明者らは、この問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子抽出物は、従来のオタネニンジンの種子抽出物よりも抗酸化効果及び美白効果が優れていることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)からなる。
(1)蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
(2)蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする美白剤。
(3)蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
(4)蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする医薬品。
(5)蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化用及び/又は美白用食品組成物。
本発明の蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物は、従来のオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物よりも優れた抗酸化効果、美白効果を有しており、化粧品、医薬部外品、医薬品及び食品の分野において貢献できるものである。
以下に、本発明について詳細に述べる。
本発明に用いるオタネニンジン(学名 Panax ginseng)とは、ウコギ科トチバニンジン属に属しており、韓国、北朝鮮、中国北部や日本の各地で栽培されている植物である。
オタネニンジンの種子は、栽培して入手することもできるし、市販品を購入することもできる。本発明においては、種子に蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したものを用いることができる。また、オタネニンジンの種子は、通常、夏季に採種される。採種直後は胚が生理的休眠状態であり、播いてもすぐには発芽しないため、芽切り処理(催芽処理)が行われる。オタネニンジンの種子の芽切り処理とは、種子を川砂と一緒に土の中に3か月程度埋める工程であり、胚を成熟させ、発芽させる方法である。
本発明におけるオタネニンジンの種子は、芽切り種子でも、芽切り処理していない種子でも用いることができるが、芽切り処理していない種子を用いるのが好ましい。
本発明における蒸気加熱処理工程は、生又は乾燥したオタネニンジンの種子に蒸気加熱処理を行う工程であり、さらには、蒸気加熱処理後に乾燥工程を行うことがより好ましい。蒸気加熱処理は、蒸気を対象物に直接接触させることによって行うことができ、例えば、水蒸気や、過熱水蒸気等の蒸気を、高湿度雰囲気下、例えば、湿度80%以上の雰囲気下で対象物を加熱する処理をいう。また、加熱は常圧下でも加圧下でも行うことができる。蒸気加熱処理の条件としては、温度は、70〜180℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。時間は、温度によって異なるが、1〜10時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。これらの温度及び時間の条件はあくまで例示であり、高めたい効果によっても異なるし、温度及び時間の相互の関係によっても異なるので、適宜変更できる。また、本発明における蒸気加熱処理は、連続式またはバッチ式のスチーマー(蒸し器)やオートクレーブ等を用いて行うことができる。また、乾燥工程としては、植物体の乾燥方法として通常用いられる方法が利用できる。例えば、自然乾燥(風乾)、天日乾燥、乾熱乾燥、通風乾燥、熱風乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥、真空乾燥等が挙げられ、好ましくは、乾熱乾燥、通風乾燥、熱風乾燥である。乾燥する温度及び乾燥時間は特に限定されないが、温度は40〜70℃が好ましく、乾燥時間は乾燥温度、蒸気加熱処理後のオタネニンジンの種子の水分含量、乾燥する総量によって異なるが、概ね4〜24時間の範囲である。
本発明におけるオタネニンジンの種子抽出物は、溶媒による抽出物や、圧搾等により得られる種子油が含まれる。
抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1‐プロパノール、2‐プロパノール、1‐ブタノール、2‐ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3‐ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール、液状多価アルコール類及び炭化水素等の溶媒が良い。特に好ましくは、水、エタノール、1,3‐ブチレングリコール、プロピレングリコール及びヘキサンが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。
その抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出や低温抽出したものであっても良い。また、本発明においては、抽出物の代わりに、蒸気加熱処理を施した種子をそのまま使用することもでき、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってもよい。さらには、その抽出物と種子を併用することもできる。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲内で、濃縮、希釈及び濾過処理、活性炭等による脱色、脱臭処理等をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物(油状のものを含む)として用いても良い。
本発明の外用剤又は内用剤等には、上記種子及び/又は抽出物をそのまま使用しても良く、これらの効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分を配合することもできる。
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品等に用いることができ、その剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、マッサージクリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、ペースト剤、プラスター剤、エッセンス、散剤、丸剤、錠剤、注射剤、坐剤、乳剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤(チンキ剤、流エキス剤、酒精剤、懸濁剤、リモナーデ剤等を含む)、錠菓、飲料、ティーバッグ、スパイス等が挙げられる。
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.0005〜10重量%がより好ましい。さらに、0.001〜5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人当たりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg〜5gがより好ましい。さらに、20mg〜2gが最も好ましい。
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明の製造例、実験例及び処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に指定がない場合は、実施例に示す%とは重量%を示す。また、処方例に示す混合抽出物とは、各抽出物を等量混合したものである。
(1)蒸気加熱処理例
オタネニンジンの種子を以下の通り蒸気加熱処理した。オタネニンジンの種子としては、芽切り処理していないオタネニンジンの種子の乾燥物を用いた。
(製造例1)蒸気加熱オタネニンジン種子1の調製
オタネニンジンの種子10gを121℃で2時間蒸気加熱処理したのち、60℃で5時間乾熱乾燥し、蒸気加熱オタネニンジン種子1を9.88g得た。
(製造例2)蒸気加熱オタネニンジン種子2の調製
オタネニンジンの種子10gを121℃で2時間蒸気加熱処理したのち、60℃で5時間乾熱乾燥させる、蒸気加熱から乾燥までの処理を2回繰り返し、蒸気加熱オタネニンジン種子2を9.82g得た。
(2)抽出物の調製例
(製造例3)蒸気加熱オタネニンジン種子のエタノール抽出物1の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子1(製造例1)10gに200mLのエタノールを加え、室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することで、蒸気加熱オタネニンジン種子のエタノール抽出物1を1.47g得た。
(製造例4)蒸気加熱オタネニンジン種子のエタノール抽出物2の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子2(製造例2)10gに200mLのエタノールを加え、室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することで、蒸気加熱オタネニンジン種子のエタノール抽出物2を1.44g得た。
(製造例5)蒸気加熱オタネニンジン種子のヘキサン抽出物1の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子1(製造例1)10gに200mLのヘキサンを加え、室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することで、蒸気加熱オタネニンジン種子のヘキサン抽出物1を1.36g得た。
(製造例6)蒸気加熱オタネニンジン種子のヘキサン抽出物2の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子2(製造例2)10gに200mLのヘキサンを加え、室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することで、蒸気加熱オタネニンジン種子のヘキサン抽出物2を1.44g得た。
(製造例7)蒸気加熱オタネニンジン種子の1,3‐ブチレングリコール抽出物の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子1(製造例1)10gを200mLの1,3‐ブチレングリコールに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過して、蒸気加熱オタネニンジン種子の1,3‐ブチレングリコール抽出物を192g得た。
(製造例8)蒸気加熱オタネニンジン種子の熱水抽出物1の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子1(製造例1)10gに200mLの水を加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して、蒸気加熱オタネニンジン種子の熱水抽出物1を0.8g得た。
(製造例9)蒸気加熱オタネニンジン種子の熱水抽出物2の調製
蒸気加熱オタネニンジン種子2(製造例2)10gに200mLの水を加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して、蒸気加熱オタネニンジン種子の熱水抽出物2を0.8g得た。
(比較製造例1)従来のオタネニンジン種子のエタノール抽出物の調製
オタネニンジンの種子10gに200mLのエタノールを加え、室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固することで、従来のオタネニンジン種子のエタノール抽出物を1.32g得た。
(比較製造例2)従来のオタネニンジン種子の熱水抽出物の調製
オタネニンジンの種子10gに200mLの水を加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して、従来のオタネニンジン種子の熱水抽出物を0.85g得た。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 DPPHラジカル消去試験(抗酸化試験)
活性酸素種として、安定なフリーラジカルであるα,α−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル(以下DPPHとする)を用い、試料と一定の割合で一定時間反応させ、減少するDPPHの量を、分光光度計を用いて517nmにおける吸光度の減少量から測定した。
各試料(最終濃度は表1に記載)を添加した0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)0.4mLに無水エタノール0.4mL及び0.5mM DPPH無水エタノール溶液0.2mLを加えて反応液とした。また、油溶性の試料の場合は無水エタノール0.4mLに試料を加えて反応液とした。その後、37℃で30分間反応させ、水を対照として517nmの吸光度(A)を測定した。また、コントロールとして試料の代わりに精製水を用いて吸光度(B)を測定した。DPPHラジカル消去率は、以下に示す式より算出した。
DPPHラジカル消去率(%)=(1−A/B)×100
Figure 2021095370
これらの試験結果を表1に示した。本発明の蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子抽出物は、従来のオタネニンジンの種子抽出物より顕著に優れた抗酸化作用を有していることが認められた。
実験例2 メラニン生成抑制試験
B16マウスメラノーマ細胞を60mm dishに3×10個播種し、各試料を最終濃度10μg/mLとなるように添加した10%FBSを含むMEM培養液にて、37℃、5%CO条件下で5日間培養した。培養後、細胞の剥離を行い、遠心操作をして得られたペレットを超音波破砕操作によりPBS(−)に溶解させた。タンパク質定量は、Lowry法(J.Biol.Chem.,193,265−275,1951)を用いて行った。また、メラニン量を測定する場合、タンパク質定量用に取った残りの細胞破砕溶液に4N NaOHを加え、60℃にて2時間加温した後、分光光度計(島津製作所)を用いて475nmにおける吸光度を測定し、検量線からメラニン量を求め、1mgタンパク質量あたりのメラニン量を算出した。メラニン生成抑制率は、コントロール(試料未添加)群に対する試料添加群のメラニン量の減少量の割合から算出した。
Figure 2021095370
これらの実験結果を表2に示した。その結果、本発明の蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子抽出物は、従来のオタネニンジンの種子抽出物より顕著に優れたメラニン生成抑制作用を示した。
処方例1 化粧水
処方 含有量(%)
1.製造例4の抽出物 0.05
2.1,3‐ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜6及び11と、成分1及び7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
処方例1において、製造例4の抽出物を製造例3、5及び6の抽出物に置き換えたものを、それぞれ処方例2、3及び4とした。
処方例5 クリーム
処方 含有量(%)
1.製造例8の抽出物 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.25
12.1,3‐ブチレングリコール 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
処方例6 乳液
処方 含有量(%)
1.製造例4、5の混合抽出物 0.5
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
処方例7 ゲル剤
処方 含有量(%)
1.製造例5、6の混合抽出物 0.01
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3‐ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5と、成分6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
処方例8 パック
処方 含有量(%)
1.製造例3の抽出物 0.5
2.製造例9の抽出物 0.5
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3‐ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
処方例9 ファンデーション
処方 含有量(%)
1.製造例4の抽出物 0.01
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
処方例10 浴用剤
処方 含有量(%)
1.製造例2の粉砕物 0.5
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
処方例11 軟膏
処方 含有量(%)
1.製造例3、4の混合抽出物 0.5
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
処方例12 散剤
処方 含有量(%)
1.製造例3、4の混合抽出物 20.0
2.乾燥コーンスターチ 30.0
3.微結晶セルロース 50.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、製品とする。
処方例13 錠剤
処方 含有量(%)
1.製造例1の粉砕物 2.0
2.製造例2の粉砕物 1.0
3.乾燥コーンスターチ 27.0
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
5.微結晶セルロース 40.0
6.ポリビニルピロリドン 7.0
7.タルク 3.0
[製造方法]成分1〜5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加えて顆粒成形する。成形した顆粒に成分7を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
処方例14 錠菓
処方 含有量(%)
1.製造例3、5の混合抽出物 0.5
2.乾燥コーンスターチ 50.0
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 適量
7.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜4及び7を混合し、顆粒成形する。成形した顆粒に成分1及び5〜6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
処方例15 飲料
処方 含有量(%)
1.製造例8の抽出物 1.0
2.果糖ブドウ糖液糖 12.5
3.クエン酸 0.1
4.香料 0.05
5.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を混合し、製品とする。
処方例16 粉末飲料
処方 含有量(%)
1.製造例8の抽出物 10.0
2.粉糖 65.0
3.粉末ピーチ果汁 15.0
4.L‐アスコルビン酸 8.0
5.結晶クエン酸 1.2
6.クエン酸ナトリウム 0.75
7.アスパルテーム 0.02
8.粉末ピーチ香料 0.03
[製造方法]成分1〜8を混合し、製品とする。
以上のことから、本発明の蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物は、優れた抗酸化作用やメラニン生成抑制作用を有していた。よって、本発明の蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物は、美容分野だけでなく、医療分野にも利用でき、化粧品、医薬部外品及び医薬品、食品等への応用が期待される。

Claims (5)

  1. 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
  2. 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする美白剤。
  3. 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする医薬品。
  5. 蒸気加熱処理工程を含む方法で処理したオタネニンジンの種子及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化用及び/又は美白用食品組成物。


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