JP3678435B2 - 温湿布剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、米または発芽させた米を用いることを特徴とし、温度上昇効果、血管拡張等の血液循環をよくする効果を有する温湿布剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から血行が悪くなることによる手足の冷え、肩こりなどは重要な問題となっていた。これに加えて、最近では従来のような体を動かす健康的な生活から、無理な姿勢、連続した作業、さらには冷房、大気汚染などのような生活環境の悪化およびストレス等が原因で血行が悪くなることによる健康上の問題が多くなってきた。
これらの問題を解決するために、従来から極所的なものについては、熱水を利用した温湿布が用いられてきた。しかし、これらは手間がかかること、経時的に効果が落ちること、継続的に使用することにより皮膚がただれる等の欠点があることから、あまり用いられていない。
【0003】
そこで、手軽に利用できるカンフル、メントールなどを有効成分として含有する温湿布剤、さらには、トウガラシチンキなどのような生薬エキスを含有する温湿布剤が利用されている。しかし、単離した物質を混合して効果を求めているものでは、直接的な効果が出るために、使用中においては効果が認められるものの、使用中止後においては極端に効果がなくなり、根本的な改善にはなっていない。さらに、効果はあっても皮膚に対してかゆみ等の刺激がある場合、あるいは発疹が出たり、発赤膨張がひどくなったりする場合がある。
また、生薬成分を原料としているものでは、体質を改善してゆき、ゆるやかな効果を有するものもあるが、原料が安定しなかったり、簡単に製造できなかったりするために、利用は限られた分野でしかなされていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、血管拡張効果等の血液循環をよくする効果をもつ温湿布剤の利用機会が急速に増加している。このように利用機会が急速に増加しているにもかかわらず、安全で有効性に優れた温湿布剤は未だ開発されていない。そこで、本発明は、有効性に優れ、しかも、人体に対して完全に安全で、簡単に使用できる温湿布剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、動植物合和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分の研究を進めてきた。その過程で、米には今まで予測できなかった数多くの可能性、効果があることが判明してきた。そこで、主食として用いられ安全性が最も高いことが実証されている米をテーマとしてとりあげ、米の総合利用研究を行ってきた。そのうちの一つのテーマとして、米からの温湿布剤について鋭意研究を重ねてきた。その過程で、本発明者らは、米の水抽出または有機溶媒抽出により得られる米からの温湿布剤を発明した(特願平4−145034)。
しかし、米から、より安価に、より効果の高い温湿布剤を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、米あるいは米の発芽物を用いることにより、簡単に安価に、しかも、安全な血液循環をよくする効果を有する温湿布剤に関するものである。
【0006】
本発明において、米および発芽させた米に含有されている温湿布効果を有する成分は未だ解明するに至っていないが、米および発芽させた米を下記のように処理したものは温湿布効果を示すことが判明した。
▲1▼ 発芽させた米の粉砕物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲2▼ 米または発芽させた米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲3▼ 米または発芽させた米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲4▼ 米または発芽させた米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
▲5▼ 米または発芽させた米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行なったものをそのまま、あるいはこれを含有してなるもの。
【0007】
本発明で使用される米とは、ジャポニカ、インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種、種類は問わない。さらに、精白時に出てくる92%以上の赤糠、あるいは92%以下の白糠を使用してもよく、安価で経済的である。また、発芽させた米が使用される。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処理をしてもよく、また、効果も変わらなかった。
米および発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。米および発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い、一般的な方法で行えばよい。
【0008】
米を発芽させる場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米をよく洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。
米または発芽させた米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。
【0009】
米または発芽させた米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、PHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。
水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。
【0010】
抽出物中の有効成分は、酸、アルカリに安定であるためか、酸分解抽出あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。
有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール、アセトン、n−ヘキサン、メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。
また、米あるいは発芽させた米を酵素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酵素分解とは、澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、リグニン分解酵素、ペクチン分解酵素等米に働く酵素を1種または2種以上作用させることをいう。また、麹として麹菌の種類および米の品種、種類は問わない。
【0011】
さらに、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時、または抽出の後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。
本発明においては、さらに上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行うと、さらに有効である。
アルコール発酵を行なえば、塗布時にベタツキがないばかりか、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。
なお、必要により酵母による通気発酵、アルコール沈澱、合成吸着剤等で除糖を行なってもよい。
また、92%以上の赤糠部分を調べてみたところ、効果はあるが、弱いことが判明した。
【0012】
以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなく、そのまま、あるいは圧搾、濾過して用いる。そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌して製品にする。なお、本発明品を配合する場合、実際の用途に応じ、常法にしたがってクリーム、洗顔料、乳液、化粧水、クレンジング、パック、石鹸などの化粧料、軟膏剤、貼布剤、パスタ剤、ローション剤、チキン剤、リエメント剤、ゼリー剤、エアゾール剤などの外用医薬品のような剤型にする。他の配合成分は、通常用いられるものいずれでもよく、さらに、他の薬効剤を併用してもよい。
【0013】
次に、本発明品の温湿布剤としての効果を調べた試験結果について以下に示す。
まず、本発明品0.5mlを各パネラー6人の手の甲に直接塗布したところ、本発明品全てに、6人中4人以上の者がポカポカと温湿布効果があるとした。また、パネラー6人中2人以上の者は、わずかに血管が拡張したようだとした。
そこで、本発明品の温湿布効果を実験的に例証するために、本発明品塗布後の皮膚表面温度をサーモグラフィー装置を用いて検討した。パネラーは各15名を用い、サーモグラフィーから読み取った本試験と対照試験(水塗布)との皮膚表面温度の経過の平均値を表1に記載した。
【0014】
サーモグラフィーの測定方法を以下に記載する。
室温20℃±1℃程度で空気の流れのない検査室において、被験者の前腕部を30分程度露出した状態で室温に順応させ、その後、人体表面から放射される赤外線を検知し、その強度から温度情報を検出するサーモグラフィー装置を用いて、被験者の右前腕上背部のサーモグラフを撮影した。次に、被験者の右前腕肘部までに本発明品5mlを均一に塗布した。撮影の間隔は、本発明品塗布後2分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、40分とし、皮膚表面温度の経時変化を観察した。対照試験としては、本発明品の代わりに水を塗布した後、同様にサーモグラフを撮影した。対照試験と本試験の同時間の温度を表1に記載した。
【0015】
【表1】
【0016】
表1から明らかなように、前腕部を測定部位として測定した結果で、全ての実施例で得られた本発明品において、10分後からは水を塗布した場合との差が出てきはじめ、20分後には明らかな差が認められた。
また、パネラーの個別な経時データーにおいては、2分後から即座に効果が出た人もおり、10分後に差が出た人もいたが、40分後には、水塗布の場合に処理前の表面温度と同じなのに対して、本発明品塗布の場合には、処理前より0.5〜2.2℃も高い表面温度を示した。この結果、本発明品は、表皮の温度を上昇させる優れた温湿布効果を持っていることが判明した。
【0017】
さらに、ネズミの耳に実施例30で得られた本発明品を塗布し、本発明品添加による血管拡張作用を客観的に観察した。試験方法は、DDY系マウス10匹の耳に、本発明品を1日3回2週間塗布した。1回の塗布量は、片方の耳に綿棒に2回分の本発明品を塗布した。また、対照実験としては、本発明品の代わりに生理食塩水を用いた。なお、判定は専門の医師により行った。その結果、コントロールとして生理食塩水を用いたものでは、塗布前後において目視ではまったく差が認められなかったのに対して、本発明品を塗布したものでは、早いものでは塗布5分後くらいから効果が認められ、塗布60分後まで明らかにはっきりした効果がみられた。また、本発明品を2週間続けて塗布したものでは、本発明品塗布による血管拡張作用が長く続いていることが判明した。
他の実施例において得られた本発明品においても同様の効果が認められた。
これらの結果より、本発明品は、きわめて優れた血管拡張作用等の血液循環をよくする効果、さらには、血液循環をよくすることによる温湿布作用を有することが判明した。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
胚芽のついたままの米1kgを25℃の水につけ、3日間浸漬させ、米を発芽させた。この発芽米をよく洗浄した後、50℃で24時間乾燥し、その後、細かく微粉砕し、本発明品990gを得た。
(実施例2)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に水1500mlを添加、塩酸でPHを落とし10日間放置した。その後、絞り機で絞り、得た清澄液を中和して、本発明品1200mlと残渣760gを得た。
(実施例3)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例3と同様の操作を行い、別の本発明品1190mlを得た。
【0019】
(実施例4)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に液化酵素10gと水1500mlを添加した。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例5)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例4と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例6)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に2N−NaOH1500mlを添加して5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1350mlと残渣650gを得た。この清澄液を10N−HClで中和して、本発明品1480mlを得た。
【0020】
(実施例7)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例6と同様の操作を行い、別の本発明品1490mlを得た。
(実施例8)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に95%エタノール1500mlを添加して、5日間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣650gを得た。この清澄液に水2000mlを添加し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、本発明品1500mlを得た。
(実施例9)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例8と同様の操作を行い、別の本発明品1500mlを得た。
【0021】
(実施例10)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300g、水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1230mlと残渣1000gを得た。
(実施例11)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例10と同様の操作を行い、別の本発明品1210mlを得た。
(実施例12)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1310mlと残渣670gを得た。
【0022】
(実施例13)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、別の本発明品1380mlを得た。
(実施例14)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に脂肪分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1290mlと残渣680gを得た。
(実施例15)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例14と同様の操作を行い、別の本発明品1360mlを得た。
【0023】
(実施例16)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に繊維分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1330mlと残渣650gを得た。
(実施例17)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例16と同様の操作を行い、別の本発明品1370mlを得た。
(実施例18)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素2gと水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣600gを得た。
【0024】
(実施例19)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例18と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
(実施例20)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物にペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1320mlと残渣660gを得た。
(実施例21)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例20と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0025】
(実施例22)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1420mlと残渣560gを得た。
(実施例23)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例22と同様の操作を行い、別の本発明品1440mlを得た。
(実施例24)
実施例22と同様の操作をして、米の酵素分解物2000gを得た。その後、徐々に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣550gを得た。
【0026】
(実施例25)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例24と同様の操作を行い、別の本発明品1420mlを得た。
(実施例26)
玄米を粉砕機にかけ、玄米の粉砕物500gを得た。この粉砕物に麹300gと40%エタノール1500mlを加え、55℃で48時間放置した。その後、絞り機で絞り、清澄液1300mlと残渣850gを得た。その後、清澄液に1000mlの水を加水し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、本発明品1300mlを得た。
(実施例27)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例26と同様の操作を行い、別の本発明品1300mlを得た。
【0027】
(実施例28)
実施例4と同様にして、米の抽出物2000gを得た。この抽出物に蛋白分解酵素2g、脂肪分解酵素2g、繊維分解酵素2g、澱粉分解酵素2g、ペクチン分解酵素2gを添加し、50℃で24時間放置した。その後、絞り機で絞り、本発明品1400mlと残渣580gを得た。
(実施例29)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例28と同様の操作を行い、別の本発明品1390mlを得た。
(実施例30)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物に酵母を添加し、16日間アルコール発酵した。その後、絞り機で絞り、本発明品1880mlと残渣80gを得た。
【0028】
(実施例31)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例30と同様の操作を行い、別の本発明品1800mlを得た。
(実施例32)
実施例24と同様にして、米の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽出物を煮沸殺菌した後、37℃まで冷却し、前もって乳酸菌を培養したスターター200mlを添加後、よく攪拌密封し、37℃で2日間乳酸発酵を行った。その後、絞り機で絞り、本発明品1380mlと残渣500gを得た。
(実施例33)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例32と同様の操作を行い、別の本発明品1400mlを得た。
【0029】
(実施例34)
実施例24で得られた本発明品1000mlに95%エタノール80mlを添加し、20日間酢酸発酵を行った。その後、濾過をし、本発明品990mlを得た。
(実施例35)
実施例1で得られた本発明品500gを用いて、実施例34と同様の操作を行い、別の本発明品1000mlを得た。
以上の実施例で得た本発明品は、用途に応じて適宜に使用されるが、本発明品を配合して化粧水および乳液とする場合の実施例について、次に記載する。なお、配合例は以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例36)化粧水
実施例22で得られた本発明品 10.0重量%
ソルビトール 3.0重量%
グリセリン 5.0重量%
精製水 76.4重量%
アラントイン 0.1重量%
ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体 0.5重量%
エタノール 5 重量%
以上の配合材料を常法により混合溶解し、化粧水を得た。
【0031】
精製水にジプロピレングリコールを加え、加熱攪拌し、温度を70℃に保持し、これに本発明品、クインスシード抽出液、香料、エタノール以外の原料を加えて攪拌し、次に、ホモジナイザーで均一に乳化させる。得られた乳化液を冷却しながら攪拌下に、残りのものを徐々に加え、室温に冷却して乳液を得た。
【0032】
【発明の効果】
前記の結果からも明らかなように、米を水抽出あるいは有機溶媒抽出することにより、簡単に、しかも、全く安全に温度上昇効果、血管拡張効果等の血液循環をよくする効果を併せ持つ非常に優れた温湿布剤が得られたのである。米は今まで主食であったため、新規な製法、利用用途はほとんど開発されていなかった。さらに、米は今まで主食とされてきたものであり、安全性も実証されているものである。すなわち、本発明は、温湿布剤として非常に優れた効果を持っているばかりでなく、安全性も十分に実証されているものを見出したものである。また、米の過剰生産といわれている現在、新たな米の利用用途を見出したこと、および米のイメージアップによる消費拡大を図り得ることは、極めて有意義なことである。
Claims (3)
- 米または発芽させた米の加水物を、澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、及びペクチン分解酵素により分解させたものをそのまま、あるいはこれを有効成分として含有してなる温湿布剤。
- 米または発芽させた米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に、澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、及びペクチン分解酵素により分解させたものをそのまま、あるいはこれを有効成分として含有してなる温湿布剤。
- アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行う、請求項1又は2記載の温湿布剤。
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