JP3182453B2 - 温湿布剤 - Google Patents

温湿布剤

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嘉久 松尾
英子 雉尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米を水抽出または有機
溶媒抽出した抽出物を用いることを特徴とし、温度上昇
効果、血管拡張等の血液循環をよくする効果を有する温
湿布剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から血行が悪くなることによる手足
の冷え、肩こりなどは重要な問題となっていた。これに
加えて、最近では従来のような体を動かす健康的な生活
から、無理な姿勢、連続した作業、さらには冷房、大気
汚染などのような生活環境の悪化およびストレス等が原
因で血行が悪くなることによる健康上の問題が多くなっ
てきた。
【0003】これらの問題を解決するために、従来から
極所的なものについては、熱水を利用した温湿布が用い
られてきた。しかし、これらは手間がかかること、経時
的に効果が落ちること、継続的に使用することにより皮
膚がただれる等の欠点があることから、あまり用いられ
ていない。
【0004】そこで、手軽に利用できるカンフル、メン
トールなどを有効成分として含有する温湿布剤、さらに
は、トウガラシ、チンキなどのような生薬エキスを含有
する温湿布剤が利用されている。しかし、単離した物質
を混合して効果を求めているものでは、直接的な効果が
出るために、使用中においては効果が認められるもの
の、使用中止後においては極端に効果がなくなり、根本
的な改善にはなっていない。さらに、効果はあっても皮
膚に対してかゆみ等の刺激がある場合、あるいは発疹が
出たり、発赤膨張がひどくなったりする場合がある。ま
た、生薬成分を原料としているものでは、体質を改善し
てゆき、ゆるやかな効果を有するものもあるが、原料が
安定しなかったり、簡単に製造できなかったりするため
に、利用は限られた分野でしかなされていないのが現状
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、血管拡
張効果等の血液循環をよくする効果をもつ温湿布剤の利
用機会が急速に増加している。このように利用機会が急
速に増加しているにもかかわらず、安全で有効性に優れ
た温湿布剤は未だ開発されていない。そこで、本発明
は、有効性に優れ、しかも、人体に対して完全に安全
で、簡単に使用できる温湿布剤を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、動植物合
和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分
の研究を進めてきた。その過程で、米には今まで予測で
きなかった数多くの可能性、効果があることが判明して
きた。そこで、主食として用いられ、安全性が最も高い
ことが数千年来実証されている米をテーマとして取り上
げ、米の総合利用研究を重ねてきた。そのうちの1つの
テーマとして、米からの温湿布剤について鋭意研究を重
ねた結果、米の抽出物をそのまま、あるいはこれを含有
するものを皮膚に湿布および塗布したところ、優れた温
湿布効果があることが判明し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、米からの水抽出物ま
たは有機溶媒抽出物をそのまま、あるいはこれを含有し
てなることを特徴とする温湿布剤であって、米を水抽出
(酸、アルカリ抽出も含む)またはアルコールなどの有
機溶媒で抽出することにより、簡単安価に、しかも、全
く安全に上記の効果を顕す非常に優れた温湿布剤が得ら
れるのである。
【0008】本発明において抽出操作を行う場合、米を
粉砕または粉体化すると表面積が大きくなるため、抽出
効率が良くなる。この方法は、粉砕機または精米機等を
用い、一般的な方法によればよい。粉砕しなくてもよい
が、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を
要する。
【0009】水抽出にあたっては、米をそのまま、好ま
しくは粉砕または粉体化したものに加水する。米は玄米
でも白米でもよい。加水量については、米に対して2〜
5倍量で効率よく抽出されるが、収率、作業性、最終使
用目的等に応じて適宜選定すればよい。この後、加温し
てゆき、沸騰状態になった時点で抽出を完了する。抽出
を完了した後、使用目的により、圧搾、濾過を行えば、
清澄な抽出エキスが得られる。なお、最初から熱水を加
えて抽出を行ってもよい。
【0010】抽出液中の有効成分は解明されていない
が、この未知の有効成分が熱に安定であることは確認で
きたので、水抽出の際の抽出温度は、高温が効率的であ
る。低温でも長時間置けば、充分に抽出を行うことがで
きる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸
性、あるいはアルカリ性にするか、防腐剤を加えること
が必要である。抽出時間は沸騰抽出の場合には数分でよ
いが、それ以下の中温の場合には数時間から一昼夜が必
要である。低温の場合は、米の粉砕状態にもよるが、数
日〜1ケ月必要である。ただし、この場合にも、なるべ
く最後には加熱するのが、より効果的である。
【0011】水抽出の場合に、最も問題になるのは糊化
現象である。糊状になれば抽出効率が悪くなるのみでな
く、実作業においては困難を極める。これを防ぐために
は、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性
にして澱粉を分解すればよく、この方法を用いることに
より、充分に解決でき実用上も全く問題がない。
【0012】抽出液中の有効成分は、酸、アルカリに安
定であるためか、酸抽出あるいはアルカリ抽出を行うの
も有効である。また、水抽出の場合、酸、アルカリで前
処理するか、米の組織に働く酵素(例えば、アミラー
ゼ)を反応させて前処理を行い、抽出する方法が効率的
である。これは、前処理により、有効成分がより抽出さ
れやすくなるためであると思われる。
【0013】さらに、有機溶媒抽出でも、本効果を持っ
たエキスが抽出されることが判明した。このことは、有
効成分の解明を進める上で、また、有効成分をコンクに
抽出したり、水に溶けないものとの配合という利用用途
の上で極めて有効である。この場合、なるべく微粉砕ま
たは粉体化することが好ましい。また、ここで用いる有
機溶媒は、アルコールのような人体に投与しても安全な
ものを使用することが望ましい。
【0014】本発明品の米からの抽出には、以上のよう
に有機溶媒抽出または水抽出し、その抽出物中の有効成
分をさらに溶媒抽出すると、より有効である。しかし、
これは濃縮状態が得られるためと思われ、濃縮すること
によっても同等の効果が得られる。また、用途によって
は、糖があるとベタつくとか、その効果において邪魔に
なることがある。その場合には、糖を酵母に食べさせる
とか、有効成分を吸着剤で分画するとか、有機溶媒で抽
出することにより、糖を除いてやればよい。いずれにし
ても、抽出さえ行えば効果が出てくるので、用途によっ
ては、不要の成分は種々の方法により取り除けばよい。
さらに、抽出物にアルコール発酵、乳酸発酵等の発酵処
理を行えばより効果的であった。
【0015】米は主食として毎日食べており、あまりに
も身近すぎて、このように温湿布剤として使用する概念
すらなく、思いもよらないことであった。また、食べる
以外には清酒、焼酎、酢などに用いられてきたが、米の
抽出という考え方も方法も取られていない。これは、加
熱抽出しようとすると、米の特性として糊状になり、従
来の考え方では非常に困難であったことにもよるものと
思われる。そのため本発明においては、有機溶媒抽出、
酸、アルカリ抽出を用い、また、水抽出の場合には、ア
ミラーゼ等を作用させて抽出を容易にすることにより、
目的を達成できるようにしたのである。このように十分
抽出操作を行なうことにより、初めて非常に優れた温湿
布剤が得られるのであるが、その具体的な効果について
試験結果に基づいて記載する。
【0016】まず、本発明品0.5mlをパネラー6人の
手の甲に直接塗布したところ、6人中5人の者がポカポ
カとした温湿布効果があるとした。また、パネラー6人
中3名は、わずかに血管が拡張したようだとした。
【0017】そこで、本発明品の温湿布効果を実験的に
例証するために、本発明品塗布後の皮膚表面温度をサー
モグラフィー装置を用いて検討した。パネラーは15名
を用い、サーモグラムから読み取った本試験と対象試験
(水塗布)との皮膚表面温度の経過の平均値を表1に記
載した。
【0018】
【表1】 注1 本発明品は、実施例1により得られたものを用い
た。 注2 サーモグラムの測定方法は、以下に記載する。
【0019】室温20℃±1℃程度で空気の流れのない
検査室において、被験者の前腕部を30分程度露出した
状態で室温に順応させ、その後、人体表面から放射され
る赤外線を検知し、その強度から温度情報を検出するサ
ーモグラフィー装置を用いて、被験者の右前腕上背部の
サーモグラムを撮影した。次に、被験者の右前腕肘部ま
でに本発明品5mlを均一に塗布した。撮影の間隔は、本
発明品塗布後2分、5分、10分、15分、20分、2
5分、30分、40分とし、皮膚表面温度の経時変化を
観察した。対照試験としては、本発明品の代わりに水を
塗布した後、同様にサーモグラムを撮影した。対照試験
と本試験の同時間の温度を表1に記載した。
【0020】表1から明らかなように、前腕部を測定部
位とした測定結果で、10分後からは水を塗布した場合
との差が出てきはじめ、20分後には0.5℃の差が認
められた。また、パネラーの個別な経時データーにおい
ては、2分後から即座に効果が出た人もおり、10分後
に差が出た人もいたが、40分後には、水塗布の場合に
処理前の表面温度と同じなのに対して、本発明品塗布の
場合には、処理前より0.5〜1.5℃も高い表面温度
を示した。この結果、本発明品は、表皮の温度を上昇さ
せる優れた温湿布効果を持っていることが判明した。
【0021】さらに、ネズミの耳に本発明品を塗布し、
本発明品添加による血管拡張作用を客観的に観察した。
試験方法は、DDY系マウス10匹の耳に、本発明品を
1日3回2週間塗布した。1回の塗布量は、片方の耳に
綿棒に2回分の本発明品を塗布した。また、対照実験と
しては、本発明品の代わりに生理食塩水を用いた。な
お、判定は専門の医師により行った。その結果、コント
ロールとして生理食塩水を用いたものでは、塗布前後に
おいて目視ではまったく差が認められなかったのに対し
て、本発明品を塗布したものでは、早いものでは塗布5
分後くらいから効果が認められ、塗布60分後まで明ら
かにはっきりとした効果がみられた。また、本発明品を
2週間続けて塗布したものでは、本発明品塗布による血
管拡張作用が長く続いていることが判明した。これらの
結果より、本発明品は、きわめて優れた血管拡張作用等
の血液循環をよくする効果、さらには、血液循環をよく
することによる温湿布作用を有することが判明した。
【0022】
【発明の効果】前記の結果からも明らかなように、米を
水抽出あるいは有機溶媒抽出することにより、簡単に、
しかも、全く安全に温度上昇効果、血管拡張効果等の血
液循環をよくする効果を併せ持つ非常に優れた温湿布剤
が得られたのである。米は今まで主食であったため、新
規な製法、利用用途はほとんど開発されていなかった。
さらに、米は今まで主食とされてきたものであり、安全
性も実証されているものである。すなわち、本発明は、
温湿布剤として非常に優れた効果を持っているばかりで
なく、安全性も十分に実証されているものを見出したも
のである。また、米の過剰生産といわれている現在、新
たな米の利用用途を見出したこと、および米のイメージ
アップによる消費拡大を図り得ることは、極めて有意義
なことである。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて説明する。 実施例1 白米15kgをよく粉砕し、これに60℃の温水45リッ
トルと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、
徐々に温度を上げて行き、5分間煮沸抽出した後、30
℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本発明品
41リットルと残渣16kgを得た。
【0024】実施例2 白米1kgをよく粉砕し、0.1%の塩酸水5リットルを
加え、よく攪拌し、6時間放置した。その後、しぼり機
でしぼり、圧搾液4.6リットルと残渣1.2kgに分離
した。この圧搾液を1N NaOHで中和し、本発明品
4.7リットルを得た。
【0025】実施例3 白米1kgをよく粉砕し、95%アルコール3リットルを
添加し、よく攪拌して放置した。4日後、しぼり機でし
ぼり、圧搾液2.5リットルと残渣1.2kgを得た。こ
の圧搾液の一部1リットルに500ml加水し、ロータリ
ーエバポレーターによりアルコールを完全に除去し、本
発明品480mlを得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米の水抽出物または有機溶媒抽出物をそ
    のまま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする
    温湿布剤。
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