JP3811129B2 - エンドミル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライス加工において、効率の良い穴あけ加工可能なエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンドミルは横送り加工を主として行うものである。エンドミルを用いた加工において、穴あけ加工は不得意な分野に属する加工であり、穴あけ加工を行う場合にはドリル工具を用いて下穴をあけてから穴あけ加工を行うのが一般的である。
しかしながら、ドリル工具を用いて下穴をあけた後に、工具をエンドミルに付け替えて穴あけ加工を行うのは工数がかかるため、下穴をあけなくても効率よく穴あけ加工が行えるエンドミルが提案されている。
【0003】
上記のエンドミルとしては、切り屑排出溝の形状が工具軸線直交断面で凹曲線をなす凹曲面状の形状を組み合わせることにより形成されているものがある。このエンドミルにおいて、底刃で発生した切り屑は上記凹曲面に沿って流れる際に、凹曲面の形状によって切り屑のカールが促進されて、つるまき状の切り屑となる。つるまき状になった切り屑は外部への排出性が良くなるため、穴あけ加工効率も良くなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−126934号公報 (第2頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のエンドミルにおいては、高効率に穴あけ加工(突っ込み加工)を行うと連続する長い切り屑が生じ、その長い切り屑が工具に巻き付き、外部へ排出されずに切り屑排出溝を塞いでしまう恐れがあった。そのため、次に生成される切り屑の排出が妨げられ、切り屑詰まりが起きて工具の折損が起きる恐れがあるという問題があった。
【0006】
また、連続する長い切り屑が工具に巻き付くことにより、外周刃が巻き付いた切り屑により損傷する恐れがあった。さらには、その巻き付いた切り屑が工具の回転による遠心力によってプロペラ状に連れ回り、被削材と接触して加工面等に不要な傷を付ける恐れがあるという問題があった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、切り屑詰まりを防止し、切り屑を工具に巻き付かせることなく外部に排出し、高効率に加工ができるエンドミルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンドミルでは、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1にかかる発明は、工具軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に切り屑排出溝が形成され、この切り屑排出溝の工具回転方向を向く溝壁面と前記工具本体の先端面との交差稜線部には、前記工具本体の外周から前記工具軸線に向かう底刃が形成されているとともに、前記溝壁面の先端には、前記底刃に沿ってすくい面が形成されているエンドミルにおいて、前記すくい面には、前記底刃に沿って、該底刃で生成した切り屑を衝突させる段差部が形成され、この段差部の段差が、0.01D〜0.08D(ただし、Dは前記底刃の前記工具軸線回りにおける回転軌跡の最外径)の範囲に設定されていることを特徴とする。
【0009】
この発明にかかるエンドミルによれば、まず、底刃で発生した切り屑が、すくい面に沿って切り屑排出溝に向かって流れる。この移動の際に、上記切り屑は、0.01D〜0.08Dの範囲に設定された段差部に確実に衝突して折り曲げられることにより、分断されて短い切り屑になるか、剛性の低下したよれよれの切り屑となる。
上記短い切り屑は、切り屑排出溝に詰まることなくスムーズに走行して外部に排出される。
また、上記剛性の低下した切り屑は、剛性が落ちているため、エアブローにより、切り屑排出溝から外部へ吹き飛ばされて排出される。
【0011】
前記段差部の段差が0.01D以下であると、上記切り屑が、段差により折り曲げられないで乗り越えてしまうため、切り屑排出溝に上記切り屑が詰まったり、上記切り屑がエンドミルに巻きついたりする恐れがあり。また、段差部の段差が0.08D以上であると、上切り屑が段差に衝突して工具回転方向前方に乗り上げ難くなり詰まる恐れがある。
なお、段差部は、底刃の長手方向全長、外側に一部、内側に一部、または中間に一部のいずれに設けられるものでも良い。
【0012】
請求項にかかる発明は、請求項1に記載のエンドミルにおいて、前記段差部と前記工具軸線の垂直面とのなす角度が、5°〜30°の範囲で設定されていることを特徴とする。
【0013】
この発明にかかるエンドミルによれば、段差部と工具軸線の垂直面とのなす角度が5°〜30°の範囲で設定されているので、底刃で発生した切り屑を、より確実に段差部に衝突させて折り曲げることにより、分断させて短い切り屑にするか、剛性の低下したよれよれの切り屑にすることができる。
例えば、段差部と工具軸線の垂直面とのなす角度が5°以下であると、上記切り屑が段差部に衝突する間での長さが短くなり、上記切り屑が段差部を乗り越えるのに必要な工具回転方向前方への折り曲げがきつくなるため上記切り屑は段差部を乗り越えられなくなり詰まる恐れがあるのと、上記切り屑が直に段差部へ衝突するため上記切り屑は段差部を乗り越えられなくなり詰まる恐れがある。
また、段差部と工具軸線の垂直面とのなす角度が30°以上であると、上記切り屑と段差部との衝突角が小さくなり、衝突する際の衝撃が小さくなり、上記切り屑が分断されずに又は剛性を落とされることなく段差部を乗り越える恐れがある。さらに、段差部に衝突するまでの切り屑長さが長くなり、上記切り屑の折り曲げが弱くなって、上記切り屑が分断されずに又は剛性を落とされることなく段差部を乗り越える恐れがある。
【0014】
請求項にかかる発明は、請求項1に記載のエンドミルにおいて、前記底刃にニックが形成されていることを特徴とする。
【0015】
この発明にかかるエンドミルによれば、底刃で発生する切り屑は、ニックにより分割された幅の細い切り屑となる。上記細い切り屑は、分割されていない幅の広い切り屑と比べて剛性が低く、上記切り屑排出溝を容易に流れることができ、後から発生した切り屑により押し出されて外部に排出される。
【0016】
請求項にかかる発明は、請求項1または2に記載のエンドミルにおいて、前記切り屑排出溝と底刃が複数形成され、第一底刃の刃長が少なくともD/2(ただし、Dは前記底刃の前記工具軸線回りにおける回転軌跡の最外径)あるとともに、前記第一底刃にニックを形成し、該ニックの形成位置が、第二底刃の前記工具軸線回りの回転軌跡に重なることを特徴とする。
【0017】
この発明にかかるエンドミルによれば、ニックによる加工残りが、第二の底刃により加工される。
【0018】
請求項にかかる発明は、請求項またはに記載のエンドミルにおいて、前記ニックは円弧形状溝とし、前記ニックの溝深さが、その円弧形状の半径よりも浅いことを特徴とする。
【0019】
この発明にかかるエンドミルによれば、ニックのR形状と工具本体の先端面とから形成される稜線部の角度が鈍角となり、上記稜線部の角部に集中する応力が小さくなる。上記応力集中が弱くなることから、ニックが欠けにくくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第一実施形態について図1から図4を参照しながら説明する。
エンドミル10は、図1に示すように、工具本体11が略円柱状の軸状をなし、その先端部には、工具本体11の先端から基端に向かって螺旋状に捩れる例えば3条の切り屑排出溝12、12、12が、工具本体11の周方向に略等間隔に形成されている。
そして、この切り屑排出溝12の工具回転方向(図2の矢線T方向)を向く溝壁面13と、工具本体11先端部の外周面(外周逃げ面)14との交差稜線部には、切り屑排出溝12に沿って螺旋状に捩れた外周刃15が形成されている。
【0021】
また、図1および図2に示すように、溝壁面13の先端には、工具本体11の先端の先端面16Aとの交差稜線部に、工具本体11の外周から工具軸線Oに向けて延びるように、長刃17a(第一底刃)と中刃17b(第二底刃)と短刃17c(第二底刃)とが、工具本体11の先端側から見て反時計回りに並ぶように形成されている。各刃17a、17b、17cに続く先端面16Aを先端逃げ面16という。
長刃17aは、工具本体11の外周から工具軸線Oを越えて反対側にまで延び、その長さLがD/2(Dは各底刃17a,17b,17cの回転軌跡の最外径、本実施例では10mm)より長く形成されている。また、中刃17bおよび短刃17cは、工具本体11の外周から工具軸線Oに向かう方向の長さが、L/2より長く形成されているとともに、中刃17bと短刃17cの長さが等しく形成されている。
なお、本実施形態においては、中刃17bと短刃17cの長さが等しいものに適応して説明したが、中刃17bと短刃17cの長さが等しいものに限られることなく、中刃17bと短刃17cの長さが異なるものに適応することもできる。
【0022】
そして、図2および図3に示すように、溝壁面13の先端部には、長刃17aに沿って、工具本体11の外周から工具軸線Oに向かって、基端側へ落ち込む凹部形状のギャッシュ18が形成されるとともに、溝壁面13が一段削り落とされるようにして第一すくい面(すくい面)19が形成されている。この第一すくい面19は、工具軸線Oと長刃17aを含む面に対して、工具本体11の先端側に向かって工具回転方向の前方へ−10°から10°(本実施形態においては7°〜9°)の範囲で傾いて形成されている。
【0023】
さらに、第一すくい面19には、第二すくい面20が、第一すくい面19から工具回転方向の後方向0.01D〜0.08D(0.1mm〜0.8mm、本実施形態では0.033D=0.33mm)の範囲の段高さhであって、工具軸線Oと長刃17aを含む面に対して、工具本体11の先端側に向かって工具回転方向の前方へ−10°から10°(本実施形態においては7°〜9°)の範囲で傾いて形成されている。
【0024】
ここで、図3に示すように、段高さhが0.01D(0.1mm)よりも低いと、切り屑が、段差により折り曲げられないで乗り越えてしまうため、切り屑排出溝12に切り屑が詰まったり、切り屑がエンドミル10に巻きついたりする。
また、段高さhが0.08D(0.8mm)よりも高くなると、切り屑が段差に衝突して工具回転方向前方に乗り上げ難くなり詰まる恐れがある。
【0025】
これら第一すくい面19と第二すくい面20とが形成されることにより、第一すくい面19と第二すくい面20との間には、略段形状をなす第一エンドブレーカ(段差部)21aが形成され、その段高さhは、上記の第一すくい面19と第二すくい面20との段高さhと等しくなる。そして第一エンドブレーカ21aの工具本体11の先端側を向いた面には、切屑当接面22が形成されている。
【0026】
また、中刃17b、短刃17cにおいても同様に、これらギャッシュ18、第一すくい面19、第二すくい面20、第二エンドブレーカ21b(段差部)および第三エンドブレーカ21c(段差部)、切屑当接面22が形成されている。
したがって、各底刃17a、17b、17cは、実際にはこの第二すくい面20と先端逃げ面16との交差稜線部に形成されることになる。
【0027】
さらに、図4に示すように、長刃17aは、工具軸線O側から径方向外側に向かって漸次工具軸線O方向先端側へ傾斜して形成されている。第一エンドブレーカ21aは、工具軸線Oに対する垂直面Mから工具本体11の外周に向かって基端側へ傾斜する角度をα1とすると、角度α1が5°〜30°(本実施形態ではα1が15°)の範囲に設定されている。
【0028】
第一エンドブレーカ21aの角度α1が、5°よりも小さくなると、切り屑が第一エンドブレーカ21aに衝突する間での長さが短くなり、切り屑が第一エンドブレーカ21aを乗り越えるのに必要な工具回転方向前方への折り曲げはきつくなる。この折り曲げがきつくなると、切り屑は第一エンドブレーカ21aを乗り越えられなくなり詰まる恐れがある。それと同時に切り屑が第一エンドブレーカ21aに直に衝突するため、切り屑は第一エンドブレーカ21aを乗り越えられなくなり詰まる恐れがある。
また、第一エンドブレーカ21aの角度α1が、30°よりも大きくなると切り屑と第一エンドブレーカ21aとの衝突角が60°より小さくなり、衝突する際の衝撃が小さくなる。さらに、第一エンドブレーカ21aに衝突するまでの切り屑長さが長くなり、切り屑の折り曲げが弱くなって、切り屑が分断されずに又は剛性を落とされることなく第一エンドブレーカ21aを乗り越える恐れがある。
【0029】
また、第二エンドブレーカ21b、第三エンドブレーカ21cの工具軸線Oに対する垂直面Mから工具本体11の外周に向かって基端側へ傾斜する角度、α2、α3も同様に5°〜30°(本実施形態ではα2が15°、α3が20°)の範囲に設定されている。
【0030】
上記の構成からなるエンドミル10を用いた切削加工について説明する。
工具軸線Oまわりに回転するエンドミル10の各底刃17a、17b、17cで被削材に穴あけ加工を行う。穴あけ加工における長刃17aと長刃17aに係る第一エンドブレーカ21a等の働きと、中刃17b、短刃17cに係る各エンドブレーカ21b、21c等の働きは同じであるため、長刃17a等の説明を主として行う。
長刃17aで切削することで発生した切り屑は、図3に示すように、まず第二すくい面19に沿って工具本体11の基端側に向かって流れる。そして切り屑は、第一エンドブレーカ21aの切屑当接面22に衝突して、工具回転方向の前方へ折り曲げられることにより、分断されて短い切り屑になると同時に、図4に示すように、第一エンドブレーカ21aを乗り越える。
そして、第一エンドブレーカ21aで、分断されて短くなった切り屑は、次々と発生する切り屑に押し出されて外部に排出される。
【0031】
もしくは、長刃17aで切削することで発生した切り屑は、第一エンドブレーカ21aの切屑当接面22に衝突して分断までされなくても、折り曲げられたことにより剛性の低下したよれよれの切り屑になる。
そして、剛性の低くなった切り屑は、第一エンドブレーカ21aを乗り越え易くなり、エアブローにより外部へ吹き飛ばされ易くなる。
【0032】
なお、エンドミル10は、横送りすることにより外周刃15による切削、例えば溝切削加工なども行うこともできる。
【0033】
上記の構成によれば、切り屑は各エンドブレーカ21a、21b、21cの切屑当接面22に衝突して、折り曲げられて分断されて短い切り屑になるか、剛性の低下した切り屑となる。分断された切り屑は、切り屑排出溝12で詰まったり巻き付いたりすることなく流れてスムーズに外部に排出される。
また、分断されないまでも剛性の低くなった切り屑は、よれよれになってエアブローにより吹き飛ばされ外部に排出される。そのため、切り屑をエンドミル10に巻き付かせることなく外部に排出することができ、高効率な穴あけ加工ができる。
【0034】
各エンドブレーカ21a、21b、21cの段高さhが0.01Dから0.08Dの範囲に設定されるとともに、傾斜角α1、α2、α3が、5°〜30°の範囲で設定されているため、切り屑の剛性を確実に低下させることができ、切り屑が各エンドブレーカ21a、21b、21cを確実に乗り越えることができる。
【0035】
次に、本発明の第二実施形態を図5から図8を参照しながら説明する。全体の構成は、第一実施形態と同様であり、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
エンドミル50の工具本体11の先端逃げ面16は、図5および図7に示すように、各底刃17a、17b、17cから工具回転方向の後方へ延び、逃げ角が6°で形成されている二番逃げ面16a(先端面)と、二番逃げ面16aから工具回転方向の後方へ延び、逃げ角よりも大きな逃げ角で形成されている三番逃げ面16b(先端面)とから構成されている。
【0036】
さらに、第二逃げ面16aには、図6および図7に示すように、長刃17aから工具回転方向後方に向けて、例えば略直角にニックが形成されて長刃17aが分断されている。長刃17aにおけるニック51は中刃17b、短刃17cの回転軌跡に重なる位置に形成されているとともに、ニック51の回転軌跡の最内径が中刃17b、短刃17cの回転軌跡の最内径よりも0.1mm大きくなるように形成されている。
なお、本実施形態では、ニック51が長刃17aから工具回転方向後方に向けて略直角に形成されているものに適応して説明したが、ニック51の形成方向は、略直角方向に限られるものではない。
【0037】
ニック51の断面形状は、図8に示すように、例えばR0.33の円弧形状で形成されるとともに、第二逃げ面16aからニック51の底面までの距離はニック51の半径よりも短い0.3mmとなるように形成されている。
そのため、ニック51と長刃17aとの交差角度が鈍角となり、この稜線部の角部に集中する応力が小さくなり、切削加工時に欠損しにくい。
【0038】
なお、ニック51の断面形状を円弧形状に形成されているものに適応して説明したが、多角形状に形成されているもの等、それ以外の形状に形成されていてもよい。
【0039】
上記の構成からなるエンドミル50において穴あけ加工を行う時は、図6および図8に示すように、ニック51の部分では加工が行われず、長刃17aにおいて発生する切り屑は2つに分割される。また、ニック51の加工残りは、回転軌跡が重なる中刃17b、短刃17cにより加工される。
中刃17b、短刃17cにおいて発生する切り屑は、中刃17b、短刃17cの長さがもともと短いので、幅の細い切り屑となる。
【0040】
ニック51により分割されて幅の細くなった切り屑、および中刃17b、短刃17cにより発生した幅の細い切り屑は、次々と各底刃17a、17b、17cで発生した切り屑に押されて、切り屑排出溝12をスムーズに走行して外部に排出される。または、エアブローにより外部へ吹き飛ばされる。
【0041】
上記の構成によれば、長刃17aで発生する切り屑は、ニック51により分割された幅の細い切り屑となる。この幅の細い切り屑は、分割されていない幅の広い切り屑と比べて剛性が低く、切り屑排出溝12をスムーズに走行して、後から発生した切り屑により押し出されて外部に排出される。そのため、切り屑をエンドミル50に巻き付かせることなく、高効率な穴あけ加工ができる。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、上記の実施の形態においては、エンドブレーカとニック51とを別々の実施形態に適応して説明したが、エンドブレーカとニックとを別々に適応するものに限られることなく、同時に適用することができるものである。
この場合、切り屑の幅が、ニック51により細くなるので、エンドブレーカにおいてより容易に折り曲げられ切れて短い切り屑になるか、剛性の低くなった切り屑となるので、より切り屑の排出性が良くなり、さらに高効率な穴あけ加工ができる。
また、第一実施形態において、中刃17b、短刃17cに各エンドブレーカ21b、21cを設けなくてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、穴あけ加工時に、底刃で発生した切り屑が、0.01D〜0.08Dの範囲に設定された段差部で折り曲げられ分断されて短い切り屑になるか、剛性の低下した切り屑となるので、上記切り屑を上記段差部に詰まらせることなく、エンドミルに巻き付かせることなく外部に排出し、高効率な穴あけ加工ができるという効果を奏する。
【0045】
請求項に係る発明によれば、段差部と工具軸線の垂直面とのなす角度が、5°〜30°の範囲で設定されているため、上記切り屑を段差部で詰まらせることなく、分断された切り屑または剛性の低下した切り屑にすることができる。
【0046】
請求項に係る発明によれば、切り屑は、ニックに分割されて剛性の低い幅の細い切り屑となるため、切り屑排出溝をスムーズに流れて外部に排出される。
【0047】
請求項に係る発明によれば、ニックが第一底刃上であって、第二底刃の工具軸線回りの回転軌跡に重なるように形成されているので、ニックによる加工残りが、第二の底刃により加工される。
【0048】
請求項に係る発明によれば、ニックが円弧形状溝で、ニックの深さがその円弧形状の半径よりも浅いため、ニック0と底刃の交差部に応力集中が起きにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるエンドミルの第一実施形態を示す側面図である。
【図2】 本発明によるエンドミルの第一実施形態を示す正面図である。
【図3】 本発明による回転機械の一実施形態を示す要部上面図である。
【図4】 図2におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】 本発明によるエンドミルの二実施形態を示す側面図である。
【図6】 本発明によるエンドミルの第二実施形態を示す正面図である。
【図7】 本発明によるエンドミルの第二実施形態を示す要部上面図である。
【図8】 図6におけるB−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
10、50 エンドミル
11 工具本体
12 切り屑排出溝
13 溝壁面
16A 先端面
16a 二番逃げ面(先端面)
16b 三番逃げ面(先端面)
17a 長刃(第一底刃)
17b 中刃(第二底刃)
17c 短刃(第二底刃)
19 第一すくい面( すくい面)
21a 第一エンドブレーカ(段差部)
21b 第二エンドブレーカ(段差部)
21c 第三エンドブレーカ(段差部)
51 ニック

Claims (5)

  1. 工具軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に切り屑排出溝が形成され、この切り屑排出溝の工具回転方向を向く溝壁面と前記工具本体の先端面との交差稜線部には、前記工具本体の外周から前記工具軸線に向かう底刃が形成されているとともに、前記溝壁面の先端には、前記底刃に沿ってすくい面が形成されているエンドミルにおいて、
    前記すくい面には、前記底刃に沿って、該底刃で生成した切り屑を衝突させる段差部が形成され、この段差部の段差が、0.01D〜0.08D(ただし、Dは前記底刃の前記工具軸線回りにおける回転軌跡の最外径)の範囲に設定されていることを特徴とするエンドミル。
  2. 請求項1に記載のエンドミルにおいて、
    前記段差部と前記工具軸線の垂直面とのなす角度が、5°〜30°の範囲で設定されていることを特徴とするエンドミル。
  3. 請求項1に記載のエンドミルにおいて、
    前記底刃にニックが形成されていることを特徴とするエンドミル。
  4. 請求項1または2に記載のエンドミルにおいて、
    前記切り屑排出溝と底刃が複数形成され、第一底刃の刃長が少なくともD/2(ただし、Dは前記底刃の前記工具軸線回りにおける回転軌跡の最外径)あるとともに、
    前記第一底刃にニックを形成し、該ニックの形成位置が、第二底刃の前記工具軸線回りの回転軌跡に重なることを特徴とするエンドミル。
  5. 請求項またはに記載のエンドミルにおいて、
    前記ニックは円弧形状溝とし、前記ニックの溝深さが、その円弧形状の半径よりも浅いことを特徴とするエンドミル。
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