JP6902285B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、工具本体の先端面に底刃が形成されたエンドミルを含む切削工具に関する。
一般に機械加工分野において、金型や部品等を切削加工するために例えばスクエアエンドミルが用いられている。このスクエアエンドミルは例えばステンレス鋼やチタン合金や耐熱合金等の難削材を切削加工する切削工具として用いられている。このエンドミルの高能率な切削加工方法の1つとして、エンドミルを高速回転させながら中心軸線方向に送ってワークに切り込みを入れてドリリング加工する。その際、切り屑が連続的に生成されて切り屑排出溝を走行するため切り屑排出溝の面を擦過して詰まり易くなり、底刃の欠損や工具本体の折損等を生じ易い。
ドリリング加工における切り屑排出性を改善したエンドミルとして、例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。このエンドミルは、工具本体の先端面に形成された複数の底刃において、一部の底刃の外周側の部位を切り欠いて非切削部を形成し、非切削部から段差部を介して工具中心側に延びる切削部を設けている。そして、その他の底刃が工具本体の外周縁から一部の底刃の非切削部を超えて切削部とオーバーラップする工具中心側まで延びている。
そのため、エンドミルをワークにドリリング加工する場合でも、一部の底刃の非切削部はその他の底刃の回転軌跡に重複することで切削量を確保すると共に切り屑量が減少するため、切り屑詰まりを防止できるとしている。
特許第4870498号公報
しかしながら、上述したエンドミルでは、その他の底刃は工具本体の工具中心側から外周縁に亘って延びているため切り屑の幅と体積が大きく、切り屑排出溝を走行する切り屑が擦った痕が残るため流れにくくなる。そのため、切り屑排出溝に切り屑詰まりを生じ易いという問題がある。しかも、一部の底刃で外周側に切欠を形成して非切削部を設けたため、非切削部の切欠から立ち上がる切削部の角部が切削時に欠損し易くなり、工具寿命が短いという問題もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ドリリング加工時に切り屑詰まりを生じることがなく、底刃の欠損を抑制することができる切削工具を提供することを目的とする。
本発明による切削工具は、中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側外周面に所定間隔を開けて螺旋状に形成された複数の外周刃と、該外周刃の回転方向前側に形成された切り屑排出溝と、工具本体の先端面に形成されていて外周刃に連続する複数の底刃と、を有する切削工具であって、底刃は、先端面の中心軸線またはその近傍から外周刃に向けて延びて形成された第一切刃と、先端面の外周側に形成された第二切刃と、を備え、第一切刃は第二切刃より工具本体の基端側に後退して設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、切削工具を中心軸線方向に送ってドリリング加工を行う場合、先に第二切刃で外周側領域を切削加工し、これに遅れて第一切刃が第二切刃と重複しない中心軸線側の領域で切削加工するため、第一切刃と第二切刃で生成する切り屑はその幅と体積が短くなり、切り屑排出溝で切り屑詰まりを生じることなくスムーズに排出できる。特に第一切刃で切削して生成する切り屑は工具中心側で詰まり易いが幅と体積が小さいため切り屑詰まりを生じない。
また、先端面の底刃の外径をDとして、第一切刃は前記第二切刃に対して0.005D〜0.02Dの範囲、好ましくは0.01D〜0.015Dの範囲で基端側に後退していることが好ましい。
第二切刃に対する第一切刃の凹み量が上記範囲内であるから、凹み量が小さすぎて第二切刃に重ねて切削加工して幅と体積の広い切り屑を生成して切り屑排出溝で詰まるおそれがなく、逆に凹み量が大きすぎて第二切刃に過大な負荷がかかることを防止できる。
また、第一切刃に形成された第一の溝部は中心軸線を超えた反対側の位置から切り屑排出溝に延びて接続されていることが好ましい。
第一切刃は工具本体の中心側で切削加工するが、第一切刃の第一の溝部を中心軸線を超える反対側の位置まで延ばして形成したため、第一切刃で生成した切り屑は第一の溝部で丸められてスムーズに送られて切り屑排出溝を走行し、中心側でも切り屑詰まりを生じにくい。
また、先端面の底刃の外径をDとして、先端面における第二切刃の径方向の長さは0.23D〜0.30Dの範囲に設定されていることが好ましい。
第二切刃と第一切刃の切削幅が同等であるため切削時のバランスが良く切り屑の幅も同程度で排出し易く、刃先の振動を抑制することができる。
また、第一切刃の回転方向前方に形成された第一の溝部と、第二切刃の回転方向前方に形成された第二の溝部とを備え、第一の溝部と第二の溝部の交差部における溝部は第二切刃の工具先端からの深さが0.05D〜0.15Dの範囲内に設定されていることが好ましい。
第一の溝部と第二の溝部の交差部における第二切刃からの溝深さは0.05D〜0.15Dの範囲内であるため、第一切刃と第二切刃で生成された切り屑の排出がスムーズである上に、工具剛性を損なうことがない。
また、先端面の前記底刃の外径をDとして、外周刃の長手方向において、第二切刃の先端角部から第二切刃の回転方向前方に形成された溝部と切り屑排出溝の境界までの中心軸線方向のあたり幅が0.01D〜0.05Dの範囲内に設定され、第一切刃の先端角部はあたり幅の範囲内に位置していることが好ましい。
切削工具を横送りする際、第二切刃に対して第一切刃が中心軸線方向後方側に所定量後退しているが、この後退量は横送り加工時における許容誤差の範囲内であるあたり幅内であるから一刃で加工する削り量が大きくなっても加工精度を悪化させることはない。
また、底刃は不等分割された4枚刃とされ、または外周刃は不等リードに設定されていてもよい。
本発明による切削工具では、底刃は不等分割された4枚刃とされ、または外周刃は不等リードに設定されているため、切削加工時における振動を抑制できる。
また第一切刃の回転方向前方に形成された第一の溝部と、第二切刃の回転方向前方に形成された第二の溝部とは、その長手方向に直交する断面形状がそれぞれ円弧状とされていることが好ましい。
第一の溝部と第二の溝部の最深部の断面形状を円弧状に形成したため、切り屑流れを良くして切り屑の滞留による工具折損を抑制できる。
本発明に係る切削工具によれば、ドリリング加工時に第二切刃で外周側を切削加工し、これに遅れて第一切刃で中心側を切削加工するため、切り屑は工具外周側と工具中心側とに分かれて生成される。そのため、ドリリング加工において個々の切り屑の幅と体積が小さく生成され、切り屑排出溝で詰まることなくスムーズに排出できる。しかも、第一切刃は中心軸線側から外周刃方向に延びて形成され、第二切刃は高速回転する外周側に形成したため、底刃の欠損を生じにくい。
本発明の第一実施形態によるエンドミルの切刃部を示す側面図である。 図1に示すエンドミルの先端面図である。 エンドミルの先端面に形成した短刃を示す側面図である。 エンドミルの先端面に形成した長刃を示す側面図である。 長刃のギャッシュ溝と短刃のギャッシュ溝の交差部の深さを示す図である。 第一変形例によるエンドミルの先端面図である。 第二実施形態によるドリルの側面図である。 図7に示すドリルの先端面図である。
以下、本発明の実施形態によるエンドミルについて添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態による切削工具としてのエンドミル1を示すものである。エンドミル1は例えば4枚刃のスクエアエンドミルである。図1において、実施形態によるエンドミル1は、略円柱状に形成されていて中心軸線Oを中心に回転される工具本体2とその先端部に形成された刃部3とを備えている。本明細書では中心軸線Oに沿った刃部3側を先端側といい、主軸に連結する反対側を基端側、後方というものとする。
このエンドミル1は例えば刃部3の先端面4における底刃の最大外径Dが例えば1mm〜12mmの範囲に形成されたスクエアエンドミルであり、例えば機械部品や金型等を切削加工する。このエンドミル1はステンレス鋼やチタン合金や耐熱合金等の難削材の切削加工に好適である。
刃部3の外周面には、先端側から基端側に向けて中心軸線O回りに所定角度で捩じれる切り屑排出溝5が周方向に所定間隔を開けて複数条、例えば4条螺旋状に形成されている。刃部3の側面に形成された各切り屑排出溝5において、回転方向を向く壁面とその回転方向後方に連なる外周面との交差稜線部に外周刃6が形成されている。切り屑排出溝5の回転方向を向く壁面が外周刃6の外周すくい面7とされ、外周刃6を介して回転方向後方を向く外周面が外周逃げ面8とされている。
外周刃6の外周逃げ面8は外周刃6の回転軌跡に沿って凸曲面状とされ且つ正の逃げ角を形成して加工面を擦過することなく外周刃6の刃先強度を確保している。或いは、外周逃げ面8は平坦面状で正の逃げ角を有していてもよい。外周刃6の回転切削時に外周逃げ面8は被削材の加工面を擦過しない。
図2に示す刃部3の先端面4には、その回転中心をなす中心軸線Oに対して、対向する一対の外周刃6から中心軸線Oに向けて例えば直線状に延びる一対の長刃10が回転対称に形成されている。一対の長刃10が対向して延びる中心側において中心軸線Oを挟んで所定厚みの芯上がり11が形成されている。各長刃10は芯上がりに形成された稜線が中心軸線Oの近傍を通ってそれぞれ反対側に延びている。或いは、長刃10は中心軸線Oを通過してもよい。
図4において、刃部3の先端側で中心軸線Oに直交する仮想線を基準線Lとして、長刃10は外周刃6との接続部である外周端から中心軸線O側に向けて基端側に傾斜しており、その傾斜角(隙間角)θ1は例えば2°〜5°の範囲に設定されている。また、長刃10は側面視で先端側に直線状に形成されているが、凸曲線状に湾曲形成されていてもよい。
先端面4における各長刃10の回転方向前方側には所定角度、例えば97°〜102°の範囲の角度を以って一対の短刃12がそれぞれ形成されている。短刃12も外周面の外周刃6に連続して径方向中心側に向けて例えば直線状に延びている。しかも、各短刃12は外周刃6に接続される外周端から先端面4の半径(0.5D)の例えば1/2程度の長さで形成されている。そのため、短刃12は中心軸線Oの近傍に到達しておらず、途中で途切れている。
図3において、短刃12は外周刃6との接続部である外周端から中心軸線O側に向けて基端側に傾斜しており、その傾斜角θ2は例えば2°〜5°の範囲に設定されている。また、短刃12は側面視で先端側に直線状に形成されているが、わずかに湾曲する凸曲線状に形成されていてもよい。先端面4において、それぞれ対向して回転対称に形成された2枚の長刃10と2枚の短刃12は底刃とされている。長刃10と短刃12は芯上がりに形成されているが、芯下がりに形成されていてもよい。各2枚の長刃10と短刃12は周方向に交互にしかも不等分割に配置されている。そのため、切削加工時に振動を抑制できる。なお、底刃を不等分割に配列する構成に代えて外周刃6を不等リードに配設してもよい。
先端面4における中心軸線Oの周囲には、底刃の回転方向前側に基端側に向けて凹状に切除されたギャッシュ溝14が所定間隔で4つ形成されている。ここで、長刃10の回転方向前方に形成されたギャッシュ溝14を符号14Aで表し、短刃12の回転方向前方に形成されたギャッシュ溝14を符号14Bで表すものとする。
先端面4において、各ギャッシュ溝14Aとその回転方向後方側に形成された二番逃げ面15との交差稜線部が長刃10である。二番逃げ面15の回転方向後方側には三番逃げ面16が形成されている。長刃10の回転方向前方側に形成されたギャッシュ溝14Aにすくい面14aが形成されている。長刃10の二番逃げ面15は例えば凸曲面状または平面状に形成され、その回転軌跡が長刃10による加工面を擦過しないように基端側に後退して正の逃げ角が設定されている。各長刃10のギャッシュ溝14Aは後端側が切り屑排出溝5に沿って延びて接続されて基端側に延びていると共に、先端側は芯上がり11に沿って中心軸線Oを超えて反対側に延びている。
また、先端面4において、各ギャッシュ溝14Bとその回転方向後方側に形成された二番逃げ面18との交差稜線部が短刃12である。二番逃げ面18の回転方向後方側には三番逃げ面19が形成されている。短刃12の回転方向前方側に形成されたギャッシュ溝14Bにすくい面14bが形成されている。短刃12の二番逃げ面18は例えば凸曲面状または平面状に形成され、その回転軌跡が短刃12による加工面を擦過しないように基端側に後退した正の逃げ角が設定されている。各短刃12のギャッシュ溝14Bは後端側が切り屑排出溝5に接続されるように基端側に延びていると共に、先端側は短刃12の中心軸線O側に向けてその近傍まで延びている。
先端面4において、長刃10のギャッシュ溝14Aと短刃12のギャッシュ溝14Bは溝の長手方向、即ち砥石によるその加工方向に直交する方向の最深部を断面円弧状に形成したため、切り屑流れを良くして切り屑の滞留による工具の折損を抑制できる。また、ギャッシュ溝14Aとギャッシュ溝14Bとが交差することで形成される溝部17の短刃12の先端からの深さFは0.05D〜0.15Dの範囲、より好ましくは0.07D〜0.12Dの範囲に設定される(図5参照)。これにより、工具剛性を損なうことなく切り屑の排出をスムーズに行うことができる。溝部17の深さFが0.05Dより小さいと切り屑排出性が悪くなり、0.15Dより大きいと工具剛性が小さくなる。
底刃のうち、長刃10は短刃12よりも基端側に凹んでいる。これにより、エンドミル1を回転させながら被削材に対して中心軸線O方向に送るドリリング加工を行う、即ちドリル加工を行う場合、先に短刃12で外周側領域を切削加工し、これに遅れて短刃12を設けない中心側領域(中心軸線O側)を長刃10で切削加工する。そのため、長刃10では、回転切削する短刃12に重複しない中心側領域の部分でのみ切削加工を行うものであり、この部分を切刃部10aとする。
なお、短刃12の長さは0.23D〜0.30Dの範囲に設定することが好ましい。これにより、長刃10の切刃部10aと短刃12の切削負担をほぼ同程度に設定できるため、長刃10の切刃部10aと短刃12の振動を抑制できる。短刃12の長さはより好ましくは0.25D〜0.28Dの範囲に設定できる。
しかも、短刃12に対する長刃10の中心軸線O方向の後退量(凹み量)は例えば0.005D〜0.020Dの範囲に設定されている。この後退量は短刃12の先端と長刃10の先端との間の中心軸線O方向の距離である。長刃10の後退量がこの範囲内であれば短刃12と長刃10による切削で生じる切り屑が同程度に分割されて切り屑排出溝5を走行する際の擦過や負荷が過大にならず、スムーズに排出できる。一方、後退量が0.005Dより小さいと短刃12と長刃10による切削の時間差が小さく、長刃10のほぼ全長で被削材の切削加工を行うおそれがあるため切り屑体積の削減効果が得られない。後退量が0.020Dより大きいと、短刃12にかかる切削負荷が大きくなり欠損し易くなる。
また、図3において、外周刃6の稜線における短刃12と交差する先端角部を起点として、短刃12のギャッシュ溝14B及び切り屑排出溝5の境界と外周刃6との交点までの中心軸線O方向の距離をあたり幅Pとする。横送り加工において、このあたり幅Pの範囲内における短刃12と長刃10による被削材の加工誤差、ばらつき、段差等は許容誤差の範囲に設定される。本実施形態において、このあたり幅Pを0.01D〜0.05Dの長さに設定し、あたり幅Pの中央、即ち短刃12の先端角部から0.01D〜0.05Dの1/2の範囲内に長刃10の先端角部を配置させている。
これにより、ドリリング加工後にエンドミル1を横送りする際、回転する短刃12と長刃10の先端角部で順次切削加工することで、短刃12の先端角部に過大な負荷がかからない。そのため、短刃12の先端角部の切刃強度を損なうことなく欠損を抑制できる。しかも、短刃12と長刃10の先端角部は外周刃6上に位置するため段差等の加工誤差は生じない。
短刃12及び外周刃6が交差する先端角部において、外周刃6が中心軸線O側に収束するように湾曲して形成されている場合には、横送り時に短刃12による加工面に削り残しが生じるが、この場合でも短刃12に続いて長刃10と外周刃6が交差する先端角部で切削加工するため、被削材の加工面に段差が残ることを防止できる。
また、横送りによる被削材側面の切削時に、仮に、短刃12の先端角部による加工点と長刃10の先端角部による加工点とが中心軸線O方向にズレているため加工面に段差等の加工誤差が生じたとしても、あたり幅Pの範囲内であるため許容誤差の範囲内とすることができる。
本実施形態によるエンドミル1は上述の構成を備えているから、エンドミル1で被削材を切削加工する際、例えば最初に中心軸線O方向に送るドリリング加工を行い、その後に横送りして肩削り加工を行うものとする。
エンドミル1を中心軸線O周りに高速回転させながら中心軸線O方向に送ってドリリング加工を行う場合、最初に刃部3の先端面4の外周側に配設した一対の短刃12で切削加工を行う。短刃12による外周側領域の切削加工で被削材はリング状に切削される。短刃12で生成される切り屑は、長刃10の全長で切削加工する場合のほぼ半分程度の幅と体積になる。そのため、切り屑はギャッシュ溝14Bから切り屑排出溝5をスムーズに走行して排出される。
ついで、短刃12より後退した長刃10では、短刃12と重複しない中心側の切刃部10aで被削材の削り残された中心側領域を切削加工する。長刃10で生成される切り屑も、短刃12で生成する切り屑と同程度の幅と体積になる。そのため、この切り屑もギャッシュ溝14Aから切り屑排出溝5をスムーズに走行して排出される。
このように、短刃12と長刃10でそれぞれ切削加工して生成される切り屑は、長刃10の全長で切削加工する場合のほぼ半分程度の幅と体積にそれぞれ分断される。そのため、各切り屑はギャッシュ溝14A,14Bから切り屑排出溝5を通って走行する排出性がスムーズになる。
特に工具本体2の先端面4の中心側は回転速度が低速で生成される切り屑が詰まり易いが、長刃10の中心側の切刃部10aで生成される切り屑の幅と体積が小さいためギャッシュ溝14Aや切り屑排出溝5での切り屑詰まりを確実に防止できる。しかも、長刃10のギャッシュ溝14Aは中心軸線Oを超えて反対側に延びているため、切刃部10aで生成された切り屑をギャッシュ溝14Aからスムーズに切り屑排出溝5へ導くことができる。また、長刃10は中心軸線O側から外周刃6まで径方向に延びており、短刃12は高速回転する外周側に形成したため、切削時に欠損を生じにくい。
なお、ドリリング加工終了後にエンドミル1を横送りして被削材の加工面の肩削り切削を行うことができる。
上述したように本実施形態によるエンドミル1によれば、ドリリング加工であっても、それぞれ刃長の短い短刃12と長刃10の切刃部10aとで被削材を切削加工するため、生成する切り屑が長刃10の全長で切削する場合の切り屑と比較して1/2程度の幅と体積になる。そのため、切り屑がギャッシュ溝14A、14Bや切り屑排出溝5で詰まることなくスムーズに排出することができる。特に中心側は回転速度が低速で切り屑が詰まり易いが、長刃10の中心側の切刃部10aで生成される切り屑の幅と体積が小さいため、ギャッシュ溝14Aや切り屑排出溝5での切り屑詰まりを確実に防止できる。
しかも、短刃12の先端に対して長刃10の先端が0.005D〜0.02Dの範囲で中心軸線O方向に後退しているため、切り屑の噛み込みを抑制しつつ短刃12と長刃10の切削の均衡を保つことができる。また、短刃12の先端角部から外周刃6の方向においてあたり幅Pを0.01D〜0.05Dの長さに設定し、その中央付近に長刃10の先端角部を配置させたため、短刃12の先端角部の切刃強度を確保して欠損を抑制し、横送り加工時に加工面に段差が発生することを回避できる。
しかも、先端面4の底刃において、対向する一対の長刃10と短刃12とを所定間隔に配設して、中心側を切削する長刃10の切刃部10aと外周側を切削する短刃12を同程度の長さで交互に配列させたため切削バランスがよい。
また、底刃は短刃12が外周側で所定長さに突出形成され、しかも高速回転するため短刃12の角部でも欠損しにくい。一方、長刃10は中心側の部分を切刃部10aとして比較的低速で切削加工し、切刃部10a以外の外周側部分も切刃部10aに連続して外周刃6まで直線状に延びているため角部や切欠がなく欠損等を生じない。
以上、本発明の実施形態によるエンドミル1を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の異なる形態や態様を採用できることはいうまでもない。これらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の変形例について説明するが、上述した実施形態の部分や部品と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を行うものとする。
次に本発明の変形例によるエンドミルについて説明する。
図6に示すエンドミル25は第一変形例を示すものである。
本第一変形例によるエンドミル25は、先端面4に3枚刃の底刃を備えている。即ち、中心軸線Oまたはその近傍を通過して外周刃6に接続される1枚の長刃10と先端面4の外周側に形成された2枚の短刃12とを所定間隔で配設している。上述した実施形態と同様に、長刃10は短刃12より0.005D〜0.02Dの範囲で基端側に後退して形成されている。長刃10はドリリング加工時に短刃12の回転軌跡に重複しない内周側の切刃部10aでのみ切削加工可能とされている。
長刃10の回転方向前方には切り屑排出溝5に接続されるギャッシュ溝14Aが形成され、短刃12の回転方向前方には切り屑排出溝5に接続されるギャッシュ溝14Bがそれぞれ形成されている。
なお、第一変形例の構成に代えて、3枚刃のエンドミル25は長刃10を2枚、短刃12を1枚で構成してもよい。
次に本発明の第二実施形態による切削工具としてのドリル30を図7及び図8により説明する。
本第二実施形態によるドリル30は、第一実施形態によるエンドミル1と同様に先端面4に4枚刃の底刃を備えている。このドリル30では中心軸線Oまたはその近傍を通過して外周刃6に接続される2枚の長刃10と先端面4の外周側に形成された2枚の短刃12とを交互に且つ所定間隔に配設されている。第一実施形態と同様に、各長刃10は短刃12より0.005D〜0.02Dの範囲で基端側に後退して形成されている。長刃10はドリリング加工時に外周側の短刃12の回転軌跡に重複しない内周側の切刃部10aでのみ切削加工可能とされている。
本実施形態におけるドリル30では、先端面4における長刃10及び短刃12の回転方向前方にギャッシュ溝14に代えて溝状のシンニング部31が形成されている。長刃10の回転方向前方に設けたシンニング部31を符号31A、すくい面31aとし、短刃12の回転方向前方に設けたシンニング部31を符号31B、すくい面31bとする。
各短刃12は外周端から先端面4の半径(0.5D)の例えば1/2程度の長さで形成されている。短刃12はその回転方向前方側の内周側部分にシンニング部31Bが形成され、外周側部分には切り屑排出溝5が形成されている。短刃12の外周側部分は切り屑排出溝5と交差して基端側に湾曲している。なお、短刃12の長さは0.23D〜0.30Dの範囲、好ましくは0.25D〜0.28Dの範囲に設定することが好ましい。
本実施形態によるドリル30ではドリリング加工時の切削負荷を均等にして振動を抑制するため長刃10と短刃12とが等間隔、例えば90°間隔に配列されているが、不等間隔に配列されていてもよい。各長刃10の回転方向前方側には切り屑排出溝5に接続されるシンニング部31Aが形成されている。
本第二実施形態においても、ドリル30を中心軸線O周りに高速回転させながら中心軸線O方向に送ってドリリング加工を行う場合、最初に刃部3の先端面4の外周側に配設した一対の短刃12で切削加工が行われる。短刃12による外周側領域の切削加工で被削材はリング状にドリリング加工される。短刃12で生成される切り屑は、長刃10の全長で切削加工する場合のほぼ半分程度の幅と体積になるため、シンニング部31Bから切り屑排出溝5をスムーズに走行して排出される。
ついで、短刃12より後退した長刃10では、短刃12と重複しない中心側の切刃部10aで被削材の削り残された中心側領域を穴加工する。長刃10で生成される切り屑も、短刃12で生成する切り屑と同程度の幅と体積になる。そのため、この切り屑もシンニング部31Aから切り屑排出溝5をスムーズに走行して排出される。
このように、短刃12と長刃10でそれぞれ切削加工して生成される切り屑は、長刃10の全長で切削加工する場合のほぼ半分程度の幅と体積にそれぞれ分断される。そのため、各切り屑はシンニング部31A、31Bから切り屑排出溝5を通って走行する排出性がスムーズになる。そのため、ドリリング加工に際して切り屑詰まりを生じたり切り屑詰まりによる工具本体の折損等を防止できる。
上述した第一実施形態や変形例では、エンドミル1としてスクエアエンドミルについて説明したが、これに代えてラジアスエンドミルやボールエンドミル等にも本発明を適用できる。また、第二実施形態ではドリル30としてドリリング加工することができる。また、第二実施形態によるドリル30の変形例として3枚刃の底刃を用いることができる。その際、いずれか一枚の底刃を長刃10または短刃12とし、他方の2枚の底刃を短刃12または長刃10とすることができる。
また、上述した各実施形態と変形例では、4枚刃の底刃と3枚刃の底刃を備えたエンドミル1やドリル30について説明したが、2枚または5枚以上の複数の底刃を備えていてもよい。この場合には、長刃10と短刃12は先端面4の周方向に交互に配列させることが好ましい。また、長刃10と短刃12の配設数も適宜に設定できる。
また、上述の各実施形態では、先端面4に配列させた底刃を長刃10と短刃12とを交互に配列させて構成し、その配設間隔を交互に97°〜102°の範囲、78°〜83°の範囲、90度等に設定したが、各底刃の配設間隔は適宜に設定できる。例えば、長刃10と短刃12とを適宜の等間隔や不等間隔で交互に配設してもよい。
なお、長刃10の三番逃げ面16の逃げ角を短刃12の三番逃げ面19の逃げ角より3〜5°大きく設定することで短刃12による切り屑排出性を高めることができ、エンドミル1の送り速度の限界値を向上させることができる。
また、上述した各実施形態や変形例等による底刃において、長刃10は第一切刃に含まれ、短刃12は第二切刃に含まれる。長刃10のギャッシュ溝14A、シンニング部31Aは第一の溝部に含まれ、短刃12のギャッシュ溝14B、シンニング部31Bは第二の溝部に含まれる。
1、25 エンドミル
2 工具本体
3 刃部
5 切り屑排出溝
6 外周刃
10 長刃
10a 切刃部
12 短刃
14、14A、14B ギャッシュ溝
31、31A、31B シンニング部
O 中心軸線

Claims (7)

  1. 中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側外周面に所定間隔を開けて螺旋状に形成された複数の外周刃と、該外周刃の回転方向前側に形成された切り屑排出溝と、前記工具本体の先端面に形成されていて前記外周刃に連続する複数の底刃と、を有する切削工具であって、
    前記底刃は、
    前記先端面の前記中心軸線またはその近傍から外周刃に向けて延びて形成された第一切刃と、
    前記先端面の外周側に形成され前記第一切刃よりも短い第二切刃と、を備え、
    前記第一切刃の外周端を含む外周側領域は前記第二切刃より前記工具本体の基端側に後退して設けられていることを特徴とする切削工具。
  2. 前記先端面の前記底刃の外径をDとして、前記第一切刃は前記第二切刃に対して0.005D〜0.020Dの範囲で基端側に後退している請求項1に記載された切削工具。
  3. 前記第一切刃に形成された第一の溝部は前記中心軸線を超えた反対側の位置から前記切り屑排出溝に延びて接続されている請求項1または2に記載された切削工具。
  4. 前記先端面の前記底刃の外径をDとして、前記先端面における前記第二切刃の径方向の長さは0.23D〜0.30Dの範囲に設定されている請求項1から3のいずれか1項に記載された切削工具。
  5. 前記第一切刃の回転方向前方に形成された第一の溝部と、前記第二切刃の回転方向前方に形成された第二の溝部とを備え、前記第一の溝部と第二の溝部の交差部における溝部は前記第二切刃からの深さが0.05D〜0.15Dの範囲内に設定されている請求項1から4のいずれか1項に記載された切削工具。
  6. 前記先端面の前記底刃の外径をDとして、前記外周刃の長手方向において、前記第二切刃の先端角部から前記第二切刃の回転方向前方に形成された第二の溝部と前記切り屑排出溝の境界までの中心軸線方向のあたり幅が0.01D〜0.05Dの範囲内に設定され、前記第一切刃の先端角部は前記あたり幅の範囲内に位置している請求項1から5のいずれか1項に記載された切削工具。
  7. 前記底刃は不等分割された4枚刃とされ、または前記外周刃は不等リードに設定されている請求項1から6のいずれか1項に記載された切削工具。
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