JP3805994B2 - ウインドレギュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドに案内されたウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、該ワイヤの一方の端部が一方の端面側に、他方の端部が他方の端面側に掛止され、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、ブレーキ手段を介して前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のウインドレギュレータの一例を示す図12を用いて説明する。
図において、ウインドの昇降方向に沿って設けられたガイドレール1には、ウインド3が取り付けられたスライダベース2が摺動可能に設けられている。
【0003】
ガイドレール1の上端部には、第1のガイド4が、ガイドレール1の下端部には、第2のガイド5がそれぞれ設けられている。
ガイドレール1以外の部分に設けられたベース7には、ドラム8が回転可能に設けられている。このドラム8は駆動源としてのモータ10によって回転駆動されるようになっている。
【0004】
ドラム8に巻回されたワイヤ11は、第1のガイド4,第2のガイド5に案内されてスライダベース2に接続されている。
ベース7とガイドレール1の上端部との間には、ワイヤ11が挿通する第1のアウタケーシング15が、ベース7とガイドレール1の下端部との間には、ワイヤ11が挿通する第2のアウタケーシング16がそれぞれ設けられている。
【0005】
このようなウインドレギュレータを長期間使用すると、ワイヤ11に「たるみ」が生じる、
「たるみ」が発生する要因としては、ドラム8の磨耗、繰返し荷重によるワイヤ11の伸び、第1のガイド4,第1のガイド5の磨耗等がある。
【0006】
この「たるみ」を防止するため、ベース7と第1及び第2のアウタケーシング15,16との間は、第1及び第2のアウタケーシング15,16をガイドレール1の上端部、下端部へ押し付けるコイルスプリング17,18を設け、「たるみ」が発生すると、スプリング17,18の付勢力により、二点鎖線で示すように第1及び第2のアウタケーシング15,16が撓み、ワイヤ11の経路がながくなり「たるみ」がなくなるようにしている。
【0007】
次に、上記構成のワイヤ式ウインドレギュレータの作動を説明する。モータ10が駆動されると、ワイヤ11が移動し、ワイヤ11に取り付けられたスライダベース2がガイドレール1に沿って移動し、ウインド3が昇降する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成のウインドレギュレータにおいては、以下のような問題点がある。
(1)コイルスプリング17,18を用いるために、すなわち、直線的なたるみとり構造なので、たるみの吸収量が少ない。
(2)ワイヤ11のたるみを防止するために、アウタケーシング15,16及びコイルスプリング17,18が必要である。
(3)ケーブル11が伸びた分、第1及び第2のアウタケーシング15,16を撓ませ、ワイヤ11の経路を長くするという対応なので、根本的な解決ではない。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、アウタケーシング,スプリングが不要で、たるみの吸収量も大きいウインドレギュレータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
ガイドに案内されたウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、該ワイヤの一方の端部が一方の端面側に、他方の端部が他方の端面側に掛止され、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、ブレーキ手段を介して前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレータにおいて、駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワイヤが巻回される第1のドラムと、前記駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの他方の端部が掛止され、前記第1のドラムがワイヤを繰り出す方向に回転すると、ワイヤを巻き取るようにその周面に前記ワイヤが巻回される第2のドラムと、前記ワイヤを巻き取る方向に前記第2のドラムを付勢する巻き取り付勢手段と、歯と歯との噛合/離脱により、前記駆動軸の動きを前記第2のドラムへ伝達/遮断するクラッチ手段と、該クラッチ手段が遮断状態になるように付勢するクラッチ遮断付勢手段と、を設け、前記クラッチ遮断付勢手段の付勢力に抗して、前記ワイヤのテンションにより、前記クラッチ手段が伝達状態になるように構成したことを特徴とするウインドレギュレータである。
【0011】
通常は、ワイヤのテンションにより、クラッチ手段が伝達状態となっており、駆動軸により第1のドラム,第2のドラムが回転駆動され、第1のドラム,第2のドラムはワイヤを巻き取り/繰り出しする。
【0012】
ワイヤにたるみが生じ、ワイヤのテンションがなくなると、クラッチ遮断付勢手段によりクラッチ手段が遮断状態となり、第2のドラムは巻き取り付勢手段により回転付勢され、ワイヤを巻き取り、ワイヤのたるみが吸収される。
【0013】
このような構成によれば、アウタケーシング,スプリングが不要である。
また、第2のドラムの回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の前記クラッチ手段は、前記第1のドラムに形成された内歯歯車と、前記第2のドラムに形成され、前記内歯歯車と内噛み合い可能なピニオンと、前記ピニオンが前記内歯歯車に対して内噛み合い/離脱するように前記第2のドラムを案内するガイド手段とで構成し、前記クラッチ遮断付勢手段は、前記ピニオンが前記内歯歯車から離脱する方向に前記第2のドラムを付勢することを特徴とするウインドレギュレータである。
【0015】
クラッチ手段は、ピニオンと内歯歯車とを有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
請求項3記載の発明は、ガイドに案内されたウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、該ワイヤの一方の端部が一方の端面側に、他方の端部が他方の端面側に掛止され、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、ブレーキ手段を介して前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレータにおいて、駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワイヤが巻回される第1のドラムと、該第1のドラムに積層され、前記駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの他方の端部が掛止され、前記第1のドラムがワイヤを繰り出す方向に回転すると、ワイヤを巻き取るようにその周面に前記ワイヤが巻回される第2のドラムと、前記駆動軸の動きを前記第2のドラムへ伝達/遮断するクラッチ手段と、該クラッチ手段が遮断状態になるように付勢するクラッチ遮断付勢手段と、前記第1のドラムと前記第2のドラムとの間に設けられ、前記クラッチ手段が遮断状態の際、前記第1のドラムに対して前記第2のドラムの巻き取り方向の回転を許容し、繰り出し方向の回転を禁止する一方向クラッチ手段とを設け、前記クラッチ遮断付勢手段の付勢力に抗して、前記ワイヤのテンションにより、前記クラッチ手段が伝達状態になるように構成したことを特徴とするウインドレギュレータである。
【0016】
通常は、ワイヤのテンションにより、クラッチ手段が伝達状態となっており、駆動軸により第1のドラム,第2のドラムが回転駆動され、第1のドラム,第2のドラムはワイヤを巻き取り/繰り出しする。
【0017】
ワイヤにたるみが生じ、ワイヤのテンションがなくなると、クラッチ遮断付勢手段によりクラッチ手段が遮断状態となる。
そして、一方向クラッチ手段により、第1のドラムが巻き取り方向に回転すると、第2のドラムは回転せず、また、第1のドラムが繰り出し方向に回転すると、第2のドラムは巻き取り方向に回転し、ワイヤのたるみを吸収する。
【0018】
このような構成によれば、アウタケーシング,スプリングが不要である。
また、第2のドラムの回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の前記クラッチ手段は、駆動軸に設けられた角柱部、該角柱部上にピニオンが形成されたピニオン部と、前記第1のドラムに形成され、前記駆動軸の角柱部が遊挿し、前記駆動軸の回転を前記第1のドラムに伝達する角穴と、前記第2のドラムに設けられ、前記ピニオンが内噛み合い可能な内歯歯車と、前記第2のドラムの内歯歯車が前記ピニオンに対して内噛み合い/離脱する方向に前記第1及び第2のドラムを案内するガイド手段とからなり、前記クラッチ遮断付勢手段は、前記内歯歯車が前記ピニオンから離脱する方向に前記第2のドラムを付勢することを特徴とするウインドレギュレータである。
【0020】
クラッチ手段が伝達状態にある場合、ワイヤのテンションにより第2のドラムの内歯歯車が駆動軸のピニオン部に噛合し、駆動軸により第1のドラム及び第2のドラムが回転する。
【0021】
ワイヤのテンションがなくなると、クラッチ付勢手段が第2のドラムを付勢し、第2のドラムの内歯歯車が駆動軸のピニオン部より離反し、第2のドラムは回転しない。
【0022】
クラッチ手段は、ピニオンと内歯歯車とを有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明の前記一方向クラッチ手段は、前記第1のドラム、前記第2のドラムの対向面に形成されたラチェット歯と、ラチェット歯どうしが係合する方向に付勢するラチェット付勢手段であることを特徴とするウインドレギュレータである。
【0023】
一方向クラッチ手段は、前記第1のドラム、前記第2のドラムの対向面に形成されたラチェット歯と、ラチェット歯どうしが係合する方向に付勢するラチェット付勢手段とで構成したことにより、確実な動作を得られ、しかも省スペースとなり、小型化できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態例:請求項1〜請求項2に相当)
最初に、図4を用いてウインドレギュレータの全体構成を説明する。
【0025】
本実施の形態例のウインドレギュレータは、並設された同一構造の二本のガイドレール56,56′を有している。
よって、おもにガイドレール56側を用いて説明し、ガイドレール56′側での同一部分には、同一符号にダッシュ(′)を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
ガイドレール56の上部に設けられるアッパベース52にはターンガイド54が、下部に設けられるロアベース53にはターンガイド55がそれぞれ回転可能に取付けられている。
【0027】
ガイドレール56は、ウインド51の昇降方向に沿って設けられ、その両側部には、つば部56aが形成されている
一方、ウインド51の下部は、スライダベース57が固着されている。更に、図4の切断線A−Aにおける断面図である図5に示すように、このスライダベース57には、ガイドレール56の各つば部56a,56aに係合して、スライダベース57をガイド56に対して摺動可能とする樹脂スライダ58,59が取付けられている。
【0028】
ドアのインナパネルには、駆動源としてモータ60が取付けられている。このモータ60の出力軸にはウォームとウォームホイールからなる減速機61が設けられ、減速機61の出力軸には後述する第1のドラム101が取り付けられ、第1のドラム101上には第2のドラム121が設けられている。
【0029】
そして、第2のドラム121に一端部が掛止された第1のワイヤaはターンガイド54を介してスライダベース57に至り、その他端部はスライダベース57に設けられたワイヤエンドケース64に掛止されている。
【0030】
また、ワイヤエンドケース64に一端部が掛止された第2のワイヤbはターンガイド55、ターンガイド54′を介してスライダベース57′に至り、その他端部はスライダベース57′に設けられたワイヤエンドケース64′に掛止されている。
【0031】
さらに、ワイヤエンドケース64′に一端部が掛止された第3のワイヤcはターンガイド55′を介して第1のドラム101に掛止されている。
ワイヤエンドケース64は図5に示すように、ワイヤエンドケース64は、上面が開放された箱体65と箱体65の上面を覆うように、ピン67で取り付けられる蓋69とで構成される
箱体65の側面には、略U字形の溝65a,65bが形成されている。
【0032】
そして、ワイヤaの他方の端部,ワイヤbの一方の端部が溝65a,65bに挿入される。
ワイヤaの他方の端部には、溝65aの幅より大きな径に設定され、箱体65の内壁面に当接可能なエンド部材71が固着され、抜け止めがなされている。
【0033】
ワイヤbの一方の端部には、溝65bの幅より大きな径に設定され、箱体65の内壁面に当接可能な円錐状のブッシュ73が固着され、さらに、一端部が73に当接可能で、他端部が箱体65の内壁面に当接可能なスプリング75がワイヤbを巻回するように設けられている。
【0034】
これと同様な構成のワイヤエンドケース64′がスライダベース57′上に設けられている。
従って、ワイヤa,ワイヤb,ワイヤcは、ワイヤエンドケース64,64′を介して実質的には、一本のワイヤと見ることができる。
【0035】
尚、このようなワイヤエンドケース64,64′を設けた理由は、2つのスライダベース57,57′の高さの同期を取るためである。
次に、第1の実施の形態例の発明部分の斜視図である図1、図1の断面図である図2及び図1の作動を説明する図3を用いて、第1のドラム101及第2のドラム121の説明を行う。
【0036】
上面が開放された円筒状のドラムハウジング201の底には、減速機61の断面矩形の出力軸(駆動軸)61aが設けられている。
ワイヤcの他方の端部はエンド部材151が取り付けられ、第1のドラム101の下面に掛止されている。
【0037】
さらに、第1のドラム101の下面には、出力軸61aが係合する角孔101aが形成されている。
第1のドラム101の周面には、ワイヤを巻き取るらせん状の溝103が形成されている。
【0038】
第1のドラム101の上面には、穴105が形成され、その穴105の内周面には内歯が設けられ、内歯歯車106が形成されている。
さらに、穴105の底面の中心には、すり割り溝107が形成された突起109が形成されている。
【0039】
一方、第1のドラム101と同一の径の第2のドラム121の上面には、ワイヤaのエンド部材153が掛止されている。
また、第2のドラム121の周面にはワイヤaを巻き取るらせん状の溝127が形成されている。
【0040】
尚、このらせん状の溝127は第1のドラム101及び第2のドラム121が同一方向に回転した場合、第1のドラム101がワイヤを繰り出す方向に回転すると、第2のドラム121はワイヤを巻き取る方向になるように形成されている。
【0041】
さらに、第2のドラム121の下面には、第1のドラム101の内歯歯車106の歯底円より小さな歯先円のピニオン129が第2のドラム121の回転中心から偏芯した位置に形成されている。このピニオン129には穴131が形成され、穴131の内周面には、掛止溝133が形成されている。
【0042】
そして、第1のドラム101と第2のドラム121とは積層された状態でドラムハウジング201内に配設される。
ドラムハウジング201は、図3に示すように長穴形状となっており、第2のドラム121が矢印I方向に案内移動することにより、第2のドラム121のピニオン129が第1のドラム101の内歯歯車106に噛合/離反可能となるガイドとして機能するようになっている。
【0043】
従って、第1のドラム101の内歯歯車106と、第2のドラム121のピニオン129と、長穴状のドラムハウジング201とで、出力軸61aの動きを第2のドラム121へ伝達/遮断するクラッチ手段が形成されている。
【0044】
さらに、第2のドラム121の穴131には、スパイラルスプリング155が配設され、そのスパイラルスプリング155の内端部は第1のドラム101の突起109のすり割り溝107に、外端部は第2のドラム121の掛止溝133に掛止され、第2のドラム121をワイヤを巻き取る方向に付勢するワイヤ巻き取り手段として機能している。
【0045】
また、ドラムハウジング201に形成されたばね乗せ段部201aには、第2のドラム121を押し、第2のドラム121のピニオン129が第1のドラム101の内歯歯車106から離反する方向に付勢し、クラッチ遮断付勢手段としての板ばね161が設けられている。
【0046】
そして、図2に示すように、ねじ171を用いてドラムハウジング201の上面はカバー163で塞がれている。
上記構成の作動を説明する。
(通常時)
図3に示すように、板ばね161の付勢力に抗して、ワイヤaのテンションにより、第2のドラム121は、ピニオン129が第1のドラム101の内歯歯車106に噛合する方向に引張られ、クラッチ手段が伝達状態となっており、出力軸61aにより第1のドラム101,第2のドラム121が回転駆動され、第1のドラム101,第2のドラム121はワイヤa,ワイヤcを巻き取り/繰り出しする。
【0047】
また、ワイヤaのテンションが板ばね116の付勢力より小さくなると 、板ばね161の付勢力により、第2のドラム121は、ピニオン129が第1のドラム101の内歯歯車106から離反する方向に押され、クラッチ手段が遮断状態となり、第2のドラム121はスパイラルスプリング155により回転付勢され、ワイヤaを巻き取り、ワイヤaのたるみが吸収される。
(ウインド51に外力が作用した状態)
第1のドラム101側のワイヤcに大きなテンションが作用した場合は、減速機61のブレーキ力により第1のドラム101はワイヤcを繰り出す方向/巻き取る方向に回転せず、ウインド51は移動しない。
【0048】
第2のドラム121側のワイヤaに大きなテンションが作用した場合でも、減速機61のブレーキ力により第1のドラム101はワイヤcを繰り出す方向/巻き取る方向に回転せず、ウインド51は移動しない。
【0049】
上記構成によれば、従来必要であったアウタケーシング,スプリングが不要である。
また、第2のドラム121の回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
【0050】
さらに、クラッチ手段は、ピニオン129と内歯歯車106とを有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
尚、さらに、上記実施の形態例では、モータ60の出力をブレーキ作用を有する減速機61を介して駆動するタイプで説明を行ったが、手動式の場合でも図7にしめすようなブレーキ機構200をハンドルと第1のドラム121との間に構成することで上記実施の形態例と同様な効果を得ることができる。
【0051】
図において、グリスが充填されたスプリングケース220内にトーションスプリング221がスプリングケース220の内壁を圧接する如く配置されており、該トーションスプリング221の内側に切欠222aが刻設されたコア222が回転可能に挿入されている。
【0052】
又、このコア222はハンドル軸223に一体的に固着されている。更に、コア222の切欠222aの空間内であってトーションスプリング221のフック部221a,221b 間には、第1のドラム101の角孔101aに係合する断面形状が矩形のシャフト205(図1,図2の出力軸61aに相当する)が一体的に形成されたストッパプレート224の爪部224aがハンドルが取付けられるハンドル軸223を中心に回転可能に挿入配置されている。
【0053】
次に、上記構成において、ブレーキ機構200の作動を図8を用いて説明する。
出力側、即ち、シャフト205側からの回転力に対しては、爪部224aの側端部224b又は224cがトーションスプリング221のフック部221a又は221bを押し、トーションスプリング221の外径を広げるように作用するため、トーションスプリング221とスプリングケース220との圧接力が強くなり、シャフト205の回転が阻止される。
【0054】
一方、入力側、即ち、ハンドル軸223側からの回転力に対しては、トーションスプリング221のフック部221a又は221bがコア222の側端部222b又は222cから外径を縮める方向の力を受けるので、トーションスプリング221のスプリングケース220内壁面への圧接力(ブレーキ力)は小さくなりハンドル軸223の回転は可能になり、トーションスプリング221及び爪部224aを介してシャフト205が回転する。
(第2の実施の形態例:請求項3〜5に対応)
第2の実施の形態例の発明部分の斜視図である図9、図9の作動を説明する図10及び図11を用いて説明する。
【0055】
尚、本実施の形態例と第1の実施の形態例と相違する部分はドラムの回りであり、他の部分は同一構造なので、第1の実施の形態例と同一部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
上面が開放された円筒状のドラムハウジング201の底面には、減速機61の出力軸61aが設けられている。
この出力軸61aは、角柱部61bと、角柱部61b上にピニオンが形成されたピニオン部61cとからなっている。
【0057】
ワイヤcの他方の端部はエンド部材151が取り付けられ、第1のドラム1101の下面に掛止されている。
さらに、第1のドラム1101の下面には、出力軸61a角柱部61bが遊挿し、出力軸61aの回転を第1のドラム1101に伝達する角穴1103が形成されている。
【0058】
第1のドラム1101の周面には、ワイヤを巻き取るらせん状の溝1104が形成されている。
一方、第1のドラム1101と同一の径の第2のドラム1121の上面には、ワイヤaのエンド部材153が掛止される掛止溝1121aが形成されている。
【0059】
また、第2のドラム1121の周面にはワイヤaを巻き取るらせん状の溝1127が形成されている。
尚、このらせん状の溝1127は第1のドラム1101及び第2のドラム1121が同一方向に回転した場合、第1のドラム1101がワイヤを繰り出す方向に回転すると、第2のドラム1121はワイヤを巻き取る方向になるように形成されている。
【0060】
さらに第2のドラム1121には、穴1123が形成され、その内周面には歯が刻設され、出力軸61aのピニオン部61cが内噛み合い可能な内歯歯車1125となっている。
【0061】
そして、第1のドラム1101と第2のドラム1121との対向面には、一方向クラッチ手段としてのラチェット歯1107,1137が形成されている。
このラチェット歯1107,1137の歯の向きは、第1のドラム1101に対して第2のドラム1121の巻き取り方向の回転を許容し、繰り出し方向の回転を禁止するような向きに設定されている。
【0062】
さらに、第1のドラム1101の下面とドラムハウジング201の底部との間には、第1のドラム1101,第2のドラム1121をカバー163方向に付勢し、ラチェット歯1107,1137の噛合を確実にならしめるラチェット付勢手段としてのウエーブワッシャ1301が設けられている。
【0063】
次に、上記構成の作動を説明する。
(通常時)
図10に示すように、第2のドラム1121に当接する板ばね161の付勢力に抗して、矢印II方向に作用するワイヤaのテンションと、ウエーブワッシャ1301の付勢力により、第1のドラム1101及び第2のドラム1121は、出力軸61aに対して傾いた状態となる。
【0064】
この時、第2のドラム1121の内歯歯車1125が出力軸61aのピニオン部61cに噛合し、出力軸61aにより、第1のドラム1101,第2のドラム1121が回転駆動され、第1のドラム1101,第2のドラム1121はワイヤa,ワイヤcを巻き取り/繰り出しする。
【0065】
また、ワイヤaのテンションが板ばね161の付勢力より小さくなると、板ばね161の付勢力により、図11に示すように、第1のドラム1101,第2のドラム1121の出力軸61aに対する傾きが解除される。この時、第2のドラム1121の内歯歯車1125が出力軸61aのピニオン部61cから離反し、第1のドラム1101のみが出力軸61aにより回転される。
【0066】
すなわち、出力軸61aに設けられた角柱部61b、角柱部61b上のピニオン部61cと、第1のドラムに形成された角穴1103と、第2のドラム1121に設けられた内歯歯車1125と、ガイド手段であるドラムハウジング201,カバー163とで、出力軸61aの動きを第2のドラム1121へ伝達/遮断するクラッチ手段が形成されていることとなる。
【0067】
第2のドラム1121の内歯歯車1125が出力軸61aのピニオン部61cから離反した状態、すなわち、クラッチ手段が遮断状態の場合、ラチェット歯1107,1137からなる一方向クラッチ手段により、第1のドラム1101が巻き取り方向に回転すると、第2のドラム1121は回転せず、また、第1のドラム1101が繰り出し方向に回転すると、第2のドラム1121は巻き取り方向に回転し、ワイヤaのたるみを吸収する。
(ウインド51に外力が作用した状態)
第1のドラム1101側のワイヤcに大きなテンションが作用した場合は、減速機61のブレーキ力により第1のドラム1101はワイヤcを繰り出す方向/巻き取る方向に回転せず、ウインド51は移動しない。
【0068】
第2のドラム1121側のワイヤaに大きなテンションが作用した場合でも、減速機61のブレーキ力により第1のドラム1101はワイヤcを繰り出す方向/巻き取る方向に回転せず、ウインド51は移動しない。
【0069】
上記構成によれば、従来必要であったアウタケーシング,スプリングが不要である。
また、第2のドラム1121の回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
【0070】
さらに、クラッチ手段は、出力軸62aのピニオン部61cと内歯歯車1125を有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
また、一方向クラッチ手段は、第1のドラム1101、第2のドラム1121の対向面に形成されたラチェット歯1107,1137と、ラチェット歯1107,1137どうしを係合する方向に付勢するウエーブワッシャ1301とで構成したことにより、確実な動作を得られる。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、アウタケーシング,スプリングが不要である。
【0072】
また、第2のドラムの回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
請求項2記載の発明によれば、クラッチ手段は、ピニオンと内歯歯車とを有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
【0073】
請求項3記載の発明によれば、アウタケーシング,スプリングが不要である。また、第2のドラムの回転によりたるみを吸収するので、たるみの吸収量も大きい。
【0074】
請求項4記載の発明によれば、 クラッチ手段は、ピニオンと内歯歯車とを有することにより、省スペースとなり、小型化できる。
請求項5記載の発明によれば、一方向クラッチ手段は、前記第1のドラム、前記第2のドラムの対向面に形成されたラチェット歯と、ラチェット歯どうしが係合する方向に付勢するラチェット付勢手段とで構成したことにより、確実な動作を得られ、しかも省スペースとなり、小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態例の発明部分の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1の作動を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態例のウインドレギュレータの全体構成を示す図である。
【図5】図4の切断線A−Aにおける断面図である。
【図6】図4のワイヤエンドケースの分解斜視図である。
【図7】第1の実施の形態例の他の例を説明する図である。
【図8】図7の作動を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態例の発明部分の斜視図である。
【図10】図9の作動を説明する図である。
【図11】図9の作動を説明する図である。
【図12】従来のウインドレギュレータの一例を示す図である。
【符号の説明】
61a 出力軸(駆動軸)
101 第1のドラム
121 第2のドラム
155 スパイラルスプリング(巻き取り付勢手段)
Claims (5)
- ガイドに案内されたウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、該ワイヤの一方の端部が一方の端面側に、他方の端部が他方の端面側に掛止され、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、ブレーキ手段を介して前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレータにおいて、
駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワイヤが巻回される第1のドラムと、
前記駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの他方の端部が掛止され、前記第1のドラムがワイヤを繰り出す方向に回転すると、ワイヤを巻き取るようにその周面に前記ワイヤが巻回される第2のドラムと、
前記ワイヤを巻き取る方向に前記第2のドラムを付勢する巻き取り付勢手段と、
歯と歯との噛合/離脱により、前記駆動軸の動きを前記第2のドラムへ伝達/遮断するクラッチ手段と、
該クラッチ手段が遮断状態になるように付勢するクラッチ遮断付勢手段と、
を設け、
前記クラッチ遮断付勢手段の付勢力に抗して、前記ワイヤのテンションにより、前記クラッチ手段が伝達状態になるように構成したことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 前記クラッチ手段は、
前記第1のドラムに形成された内歯歯車と、
前記第2のドラムに形成され、前記内歯歯車と内噛み合い可能なピニオンと、前記ピニオンが前記内歯歯車に対して内噛み合い/離脱するように前記第2のドラムを案内するガイド手段とで構成し、
前記クラッチ遮断付勢手段は、前記ピニオンが前記内歯歯車から離脱する方向に前記第2のドラムを付勢することを特徴とする請求項1記載のウインドレギュレータ。 - ガイドに案内されたウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、該ワイヤの一方の端部が一方の端面側に、他方の端部が他方の端面側に掛止され、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、ブレーキ手段を介して前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレータにおいて、
駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワイヤが巻回される第1のドラムと、
該第1のドラムに積層され、前記駆動軸により回転駆動され、前記ワイヤの他方の端部が掛止され、前記第1のドラムがワイヤを繰り出す方向に回転すると、ワイヤを巻き取るようにその周面に前記ワイヤが巻回される第2のドラムと、
前記駆動軸の動きを前記第2のドラムへ伝達/遮断するクラッチ手段と、
該クラッチ手段が遮断状態になるように付勢するクラッチ遮断付勢手段と、
前記第1のドラムと前記第2のドラムとの間に設けられ、前記クラッチ手段が遮断状態の際、前記第1のドラムに対して前記第2のドラムの巻き取り方向の回転を許容し、繰り出し方向の回転を禁止する一方向クラッチ手段と、
を設け、
前記クラッチ遮断付勢手段の付勢力に抗して、前記ワイヤのテンションにより、前記クラッチ手段が伝達状態になるように構成したことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 前記クラッチ手段は、
駆動軸に設けられた角柱部、該角柱部上にピニオンが形成されたピニオン部と、
前記第1のドラムに形成され、前記駆動軸の角柱部が遊挿し、前記駆動軸の回転を前記第1のドラムに伝達する角穴と、
前記第2のドラムに設けられ、前記ピニオンが内噛み合い可能な内歯歯車と、
前記第2のドラムの内歯歯車が前記ピニオンに対して内噛み合い/離脱する方向に前記第1及び第2のドラムを案内するガイド手段とからなり、
前記クラッチ遮断付勢手段は、前記内歯歯車が前記ピニオンから離脱する方向に前記第2のドラムを付勢することを特徴とする請求項3記載のウインドレギュレータ。 - 前記一方向クラッチ手段は、前記第1のドラム、前記第2のドラムの対向面に形成されたラチェット歯と、
ラチェット歯どうしが係合する方向に付勢するラチェット付勢手段であることを特徴とする請求項3記載のウインドレギュレータ。
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