JP3803543B2 - 荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,荷役車両用テールゲートリフタ等の荷受台昇降装置における荷受台の作動制御装置,特に車体に昇降可能に設けられた昇降枠と,この昇降枠に支持されて鉛直な格納位置と水平面に対し後下方に傾斜した傾斜張出位置との間を起伏回動可能な荷受台と,この荷受台に軸支されると共に切換レバーに連結されそのレバー操作に応じて所定の水平モード位置とブリッジモード位置との間を回動し得る切換部材とを備え,その切換部材は,これが水平モード位置にあるときには昇降枠との係合により荷受台の水平張出位置より下方への回動を阻止するが,ブリッジモード位置にあるときには同荷受台の前記下方への回動を許容するようにした構造の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構造の荷受台作動装置は,例えば特開平10−175472号公報に記載されるように従来公知である。
【0003】
斯かる従来装置においては,車体の荷台面と地面間で荷物の搬入搬出を行う場合に,切換部材を水平モード位置に操作すると共に,荷受台を格納位置から水平張出位置まで下方回動させ,その水平状態を維持したまま荷受台を車体荷台面と地面との間で昇降させるようにして,その間での荷物の昇降作業(搬入搬出作業)を行うようにしている。
【0004】
また車体の荷台面と,地面よりは高く且つ荷台より低いプラットホームとの間で荷物の搬入搬出を行う場合には,切換部材をブリッジモード位置に操作すると共に荷受台を格納位置から傾斜張出位置まで下方回動させ,その傾斜張出位置の荷受台を介して車体荷台面とプラットホーム間を段差なく橋渡しできるようにして,その間での荷物の搬入搬出作業をスムーズに行い得るようにしている。
【0005】
ところで上記従来装置では,切換部材がブリッジモード位置にある状態で荷受台が傾斜張出位置から上方へ回動する時にその回動に機械的に連動して該部材を水平モード位置へ自動復帰させる復帰機構が昇降枠及び荷受台間に介装されている。そしてこの復帰機構により,切換部材のブリッジモード位置から水平モード位置への切換を荷受台の上方回動に連動して自動化できるようにしているため,その水平モード位置への戻し忘れ防止に効果的であり,特に,車体荷台面と地面間での荷物の昇降作業が主体的に行われてブリッジモード位置への切換頻度が少ない作業態様の場合に便利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来装置では,切換部材に,これを水平モード位置側に常時付勢するロックスプリングを連結しており,このスプリングの付勢力を利用して切換部材の水平モード位置への自動復帰を助勢するようにしている。
【0007】
斯かる構造では,切換部材をブリッジモード位置で使用するために,該部材を上記ロックスプリングの付勢力に抗してブリッジモード位置に保持するロック手段が特別に必要となり,それだけ復帰機構の構造が複雑化しコスト高となる。
【0008】
また上記復帰機構の各部,例えば上記ロック手段が万一,故障したようなときは,切換部材がロックスプリングの付勢力によって水平モード位置に固定されてしまうことがあり,この場合には,切換部材のブリッジモード位置での使用が困難となって,荷受台の傾斜張出位置での使用ができなくなってしまう不都合がある。
【0009】
本発明は,斯かる事情に鑑みてなされたものであり,従来装置の上記問題を解決することができる構造簡単な,荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は,車体に昇降可能に設けられた昇降枠と,この昇降枠に支持されて鉛直な格納位置と水平面に対し後下方に傾斜した傾斜張出位置との間を起伏回動可能な荷受台と,この荷受台に軸支されると共に切換レバーに連結されそのレバー操作に応じて所定の水平モード位置とブリッジモード位置との間を回動し得る切換部材とを備え,その切換部材は,これが水平モード位置にあるときには昇降枠との係合により荷受台の水平張出位置より下方への回動を阻止するが,ブリッジモード位置にあるときには同荷受台の前記下方への回動を許容するようにした,荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置において,切換部材と荷受台との間に介装されて,該切換部材を水平モード位置とブリッジモード位置とに選択的に付勢,保持し得るようその両モード位置の中間にデッドポイントを設定したトグルスプリングと,昇降枠及び荷受台間に介装され,切換部材がブリッジモード位置にある状態で荷受台が傾斜張出位置から上方へ回動した時にその回動に連動して該切換部材を水平モード位置側へ強制移動させる復帰機構とを備え,前記強制移動により切換部材が前記デッドポイントを過ぎると,トグルスプリングの付勢方向がブリッジモード位置側から水平モード位置側へ切換わって,該切換部材を水平モード位置に自動復帰させることを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明の特徴によれば,共通のトグルスプリングにより切換部材を水平モード位置にもブリッジモード位置にも各々的確に付勢して同位置に保持することが可能となる。また切換部材がブリッジモード位置にある状態で荷受台が傾斜張出位置から上方へ回動した時には,その回動に連動して該切換部材が水平モード位置側へ強制移動され,その移動途中でトグルスプリングのデッドポイント超えが生じることにより該スプリングの付勢方向がブリッジモード位置側から水平モード位置側へ切り換わり,その切換わったスプリング付勢力により切換部材を水平モード位置に自動復帰させることができる。したがって,従来のように切換部材をロックスプリングの付勢力に抗してブリッジモード位置に保持するロック手段を特別に設ける必要はなくなり,それだけ復帰機構の構造が簡素化される。
【0012】
また請求項2の発明は,請求項1の発明の特徴に加えて,復帰機構は,荷受台に対し一纏めに着脱可能な組立ユニットより構成され,その組立ユニットの一方の作動端に係脱可能な第1係止部材が切換部材に,また同組立ユニットの他方の作動端に係脱可能な第2係止部材が昇降枠にそれぞれ設けられることを特徴とする。この特徴によれば,復帰機構が荷受台に対し着脱可能な組立ユニットとして構成されるため,その復帰機構を予め小組みしておき,これを一纏めに荷受台に組み付けることができて組付作業能率が向上する。また故障等により復帰機構を荷受台より取り外したとしても,トグルスプリングの付勢力に抗して切換部材をレバー操作すれば,該部材をブリッジモード位置と水平モード位置とに随時,選択的に切換操作可能となり,何れの使用態様も支障なく実施可能である。
【0013】
更に請求項3の発明は,請求項1又は2の発明の特徴に加えて,トグルスプリングは,荷受台に設けた操作レバーと,該レバーを切換部材に連動連結する連動機構と,前記復帰機構とのいずれよりも荷受台の外側方に配置されることを特徴とする。この特徴によれば,トグルスプリングの組立,点検作業を復帰機構等に邪魔されずに荷受台の最外側方で容易に行うことができ,しかもトグルスプリングのデッドポイント超え動作を,該スプリングと復帰機構等との相互干渉を回避しながら無理なく行わせることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0015】
添付図面において,図1は,本発明の一実施例に係る荷役車両の全体側面図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は図2の3矢視図,図4は,荷受台が水平張出位置にあり,切換ブロックが水平モード位置にある状態を示す要部拡大図(図3の4矢視部拡大図),図5は,荷受台が格納位置にあり,切換ブロックが水平モード位置にある状態を示す図4対応図,図6は,荷受台が傾斜張出位置にあり,切換ブロックがブリッジモード位置にある状態を示す図4対応図,図7は図5の7−7線断面図,図8は図7の8−8線断面図,図9は,切換ブロックが水平モード位置にある状態より荷受台を上方回動させる過程を概略的に示す作用図,図10は,切換ブロックがブリッジモード位置にある状態より荷受台を上方回動させる過程を概略的に示す作用図,図11は,復帰機構を荷受台より分離した状態を示す図5対応図である。
【0016】
先ず,図1〜図8において,荷役車両の車体Bは,車体枠Fと,その車体枠F上に搭載され荷物を収容し得る荷箱1とよりなり,その荷箱1の後端開口は,そこに開閉可能に設けた扉(図示せず)により閉じられる。
【0017】
車体Bの後部には,所謂テールゲートリフタと呼ばれる荷受台昇降装置TLが配設される。即ちその車体枠Fの後部には,左右一対の昇降枠2が一定の姿勢(図示例では鉛直姿勢)を保ったまま昇降できるように左右一対の平行リンク機構Lを介して支持され,少なくとも一方(図示例では両方)の平行リンク機構Lと車体枠Fとの間には,昇降枠2を昇降駆動する昇降用油圧シリンダC1 が設けられる。更に左右の各昇降枠2には,方形板状の荷受台Tが水平面に対し下方に傾斜した傾斜張出位置H′と鉛直な格納位置Vとの間を起伏回動できるように軸支5uされ,その荷受台Tと昇降枠2との間には,該荷受台Tを強制的に起伏回動させるチルト用油圧シリンダC2 が介装される。
【0018】
前記各平行リンク機構Lは,車体枠Fの後部に固定した支持ブラケットFBと,該ブラケットFBの上部及び下部に各基端を上下揺動可能に軸支された上下一対のリンクアーム3u,3dと,その両リンクアーム3u,3dの各先端を上部及び下部にそれぞれ軸支5u,5dした昇降枠2とより構成されており,上下一方のリンクアーム(図示例では上部リンクアーム3u)と車体枠Fとの間に前記昇降用油圧シリンダC1 が介装される。また昇降枠2と上部リンクアーム3uとの軸支部5uと同軸線上において昇降枠2には,荷受台Tの基部枠4が上下回動可能に軸支される。尚,左右の上部リンクアーム3uの上端相互間は,その間を確実に同調作動させるべくクロスメンバ3cで一体的に結合される。
【0019】
昇降枠2の上限位置は,平行リンク機構Lと車体枠Fとの間に適宜設けられたストッパ手段(図示せず)により規制され,またその下限位置は,該昇降枠2が接地することにより規制される。
【0020】
各昇降枠2は,互いに間隔をおいて並ぶ左右一対の側板2s,2sと,その両側板2s,2sの上部間を一体的に連結する連結筒2pとで構成されており,その連結筒2pを貫通する枢軸5uに,荷受台Tの基部枠4及び上部リンクアーム3uがそれぞれ回動自在に支持され,一方,両側板2s,2sの下部間には,下部リンクアーム3dの目玉状の先端部が枢軸5dを介して回動可能に支持される。また両側板2s,2sの上下中間部間には,チルト用油圧シリンダC2 の基端が枢軸5mを介して回動可能に連結される。更に左右側板2s,2sの後側縁下部間には,後述する切換ブロック6と係合し得るストッパ板Sが固定される。
【0021】
図7に明示されるように,荷受台Tの基部枠4には,その左右両側端寄りの位置において左右方向に延びる左右一対の規制軸7がそれぞれ回動自在に支持され,さらにこの各規制軸7よりも中央寄りの位置において左右方向に延びる1本の操作軸8が回動自在に支持される。各規制軸7と操作軸8とは,相互の軸線をずらせた位置に置かれており,しかもその相互間が,複数のリンク9a,9b,9cを組み合わせたリンク機構9を介して連動回転するように構成される。また操作軸8には,これを回動操作するための左右一対の操作レバー8Lが相互に間隔をおいて固着される。
【0022】
各規制軸7の外端寄りの外周部には,左右の各昇降枠2(ストッパ板S)に接離可能に係合し得る切換部材としての切換ブロック6がそれぞれ固着される。そしてこの切換ブロック6は,操作レバー8Lに対するレバー操作に応じて所定の水平モード位置6H(図4,5)とブリッジモード位置6B(図6)との間を規制軸7の軸線回りに回動操作することができる。
【0023】
而して前記切換ブロック6は,これが図4,5に示すように水平モード位置6Hにある時には,荷受台Tが水平張出位置Hよりも下方に回動するのを規制すべく前記ストッパ板Sに該ブロック6の自由端6e(先端)が係合し,また図6に実線で示すようにブリッジモード位置6Bにある時には,荷受台Tが水平張出位置Hよりも下方に回動するのを許容すべく前記ストッパ板Sに該ブロック6の側面6sが対面する。尚,図6は,切換ブロック6がブリッジモード位置6Bにあるときの荷受台Tの下降限界位置,即ち最大傾斜張出位置H′を示しており,この位置は,ブリッジモード位置6Bにある切換ブロック6の側面6sが前記ストッパ板Sに係合することにより規制される。
【0024】
また切換ブロック6と荷受台Tとの間には,該切換ブロック6を水平モード位置6Hとブリッジモード位置6Bとに選択的に付勢,保持し得るようその両モード位置6H,6Bの中間にデッドポイントDを設定した引張コイルばねよりなるトグルスプリングTSが介装される。即ちそのトグルスプリングTSのデッドポイントDは,切換ブロック6の回動中心(操作軸7の中心)と,トグルスプリングTS一端および荷受台T間の連結点(後述する第1連結ピン4pとスプリングTSとの係止点)と,同スプリング他端および切換ブロック6間の連結点(後述する第2連結ピン6pとスプリングTSとの係止点)とが一直線上に並ぶ位置(図10の(b)を参照)に設定されており,この位置は,切換ブロック6の水平モード位置6Hとブリッジモード位置6Bとの所定中間位置(図示例ではブリッジモード位置6B寄りの位置)に設定される。
【0025】
尚,切換ブロック6の水平モード位置6Hは,該ブロック6の基端と,荷受台Tの基部枠4に設けたストッパ面4sとの係合により,またブリッジモード位置6Bは,該ブロック6の側面と前記ストッパ面4sとの係合により,それぞれトグルスプリングTSの付勢力に抗して規制される。
【0026】
昇降枠2及び荷受台T間には,切換ブロック6がブリッジモード位置6Bにある状態で荷受台Tが傾斜張出位置H′から上方へ回動した時にその回動に連動して該切換ブロック6を水平モード位置6H側へ強制移動させる復帰機構Rが介装される。尚,復帰機構Rは,図示例では,左右一方の切換ブロック6とトグルスプリングTSとの間に1組だけ配設したものを示したが,必要に応じて左右の各切換ブロック6とトグルスプリングTSとの各間にそれぞれ左右1組ずつ配設してもよい。
【0027】
図7から明らかなように,トグルスプリングTSは,荷受台Tに設けられる操作レバー8Lと該レバーを切換ブロック6に連動連結する連動機構I(前記操作軸8,リンク機構9,規制軸7)と復帰機構Rとの何れよりも荷受台Tの外側方に配置される。そのために,図示例では切換ブロック6の外側面に,その外側方に延びる第1連結ピン6pが突設され,また荷受台Tの基部枠4外側面に,その外側方に延びる第2連結ピン4pが突設され,その両ピン6p,4pの先端間にトグルスプリングTSの両端がそれぞれ係止される。かくして,トグルスプリングTSの組立,点検作業を復帰機構L,操作レバー8L,連動機構I等に邪魔されずに容易に行うことができ,しかも該トグルスプリングTSのデッドポイントDを超える反転動作に当り,該スプリングと復帰機構R等との相互干渉を容易に回避できる。
【0028】
前記復帰機構Rは,荷受台Tに着脱可能に結合(図示例ではボルトbにより固着)された主枠10と,この主枠10に中間部を回動可能に軸支10pされたL字状の保持アーム11と,この保持アーム11の一端部に固着されたピン状の第1係合片11aと,保持アーム11を前記軸支11p部回りに所定方向(図4で時計方向)に付勢する第1ばね12と,主枠10に固設されて保持アーム11を第1ばね12に抗して所定の待機位置(図4,5,6参照)に保持するように該アーム11の中間段部11bに係合するストッパ部10sと,保持アーム11の他端部に軸支11pされて該アーム11端壁に係合する所定の張出位置に第2ばね13を以て付勢保持される第2係合片14とを備えている。そして前記第1係合片11aは,規制軸7の外端面に固着されて規制ブロック6と一体的に回動する第1係止部材15と係脱可能であり,また前記第2係合片14は,昇降枠2(一方の側板2s)に固着されたピン状の第2係止部材16と係脱可能である。
【0029】
前記復帰機構Rは,その機構全体(主枠10,保持アーム11,第1及び第2係合片11a,14,第1及び第2ばね12,13)が荷受台Tに対し一纏めに着脱できるように,主枠10上に一個の組立ユニットとして組立てられるものであり,前記第1係合片11aが該ユニットの一方の作動端を構成し,また前記第2係合片14が該ユニットの他方の作動端を構成する。
【0030】
操作レバー8Lは,図5に示すように荷受台Tが鉛直格納位置Vにある状態で,切換ブロック6に対するモード位置切換操作が可能である。即ち,荷受台Tが鉛直格納位置Vにある状態で操作レバー8Lを操作して,切換ブロック6を水平モード位置8Hからブリッジモード位置6Bへ,又はその反対側に切換操作した場合には,そのレバー操作に連動して回動する第1係止部材15が第1係合片11aに対し単に接近又は離間するだけであってその相互が係合することはなく,従ってその両モード位置間の切換ブロック6の切換操作が支障なく行われる。尚,このレバー操作の途中でトグルスプリングTSがデッドポイントDを超えることによりその付勢方向が切換わるため,切換後のモード位置を該スプリングTSにより確実に保持することができる。
【0031】
また切換ブロック6を水平モード位置6H又はブリッジモード位置6Bの何れかに保持した状態において荷受台Tを図5に示す鉛直格納位置Vから下方へ回動する場合には,その下方回動に追従する第2係合片14が途中で,その回動軌跡内に在る第2係止部材16と係合する。このとき,その第2係合片14は第2ばね13の付勢力に抗して張出位置より若干後退回動して第2係止部材16を逃げることができるため,該係合片14は第2係止部材16の下側を無理なく通過することができ,その通過後,第2ばね13の付勢力により元の張出位置に復帰回動する。かくして,切換ブロック6を所期のモード位置に保持したまま,荷受台Tの,鉛直格納位置Vからの下方回動を支障無く行うことができる。
【0032】
次に荷受台Tが水平張出位置H(図4)又は傾斜張出位置H′(図6)に在る状態より荷受台Tを上方回動させる過程を説明する。即ち上記状態より荷受台Tを上方回動させると,図9,図10の(a)に示すように先ず,張出位置の第2係合片14が第2係止部材16に係合して保持アーム11を第1ばね12に抗して軸支部10p回りに反時計方向に強制揺動させ,これに追従して第1係合片11aも同方向に回動しようとする。
【0033】
このとき,切換ブロック6がもし水平モード位置6Hにあれば,第1係合片11aと第1係止部材15とが離間しているため,その第1係合片11aは,それの前記回動によっても第1係止部材15と係合することはない。そして保持アーム11の前記強制揺動に伴い,図9の(b)の状態を過ぎて,第2係合片14と第2係止部材16との前記係合が外れたときには,保持アーム9は第1ばね12の付勢力により再び前記待機位置まで復帰回動し,切換ブロック6は水平モード位置6Hにそのまま留まる。
【0034】
またもし切換ブロック6がブリッジモード位置6Bにあれば,第1係合片11aと第1係止部材15とが係合状態又は接近状態にあるため,保持アーム11の前記反時計方向の強制揺動に応じて回動する第1係合片11aが第1係止部材15を係合押圧することにより,切換ブロック6をトグルスプリングTSの付勢力に抗して水平モード位置6H側へ回動させる。そして,その切換ブロック6の回動位置がトグルスプリングTSのデッドポイントD(図10の(b)を参照)を過ぎると,該スプリングTSの切換ブロック6に作用する付勢方向が水平モード位置6H側に切り換わるため(図10の(c)を参照),その後は,該スプリングTSの付勢力で切換ブロック6が水平モード位置6Hまで一気に回動する。尚,保持アーム11は,図10の(c)の状態を過ぎて第2係合片14と第2係止部材16との前記係合が外れた時点で,先刻と同様に,第1ばね12の付勢力で前記待機位置に復帰回動する。
【0035】
次に前記実施例の作用を説明する。切換ブロック6は,通常は水平モード位置6Hに切換保持されて使用される。この場合,図5の状態で油圧シリンダC2 を収縮作動させると,荷受台Tを鉛直格納位置Vから水平張出位置Hまで下方回動させることができる(図4参照)。次いで油圧シリンダC1 を収縮・伸長作動させると,荷受台Tを水平張出姿勢のまま下降・上昇させることができるので,このような荷受台Tの昇降により,荷箱1の荷台面と地面との間での荷物の昇降作業(即ち搬入搬出作業)行うことができる。
【0036】
また荷箱1の荷台面と,地面又は地面より若干低いプラットホームPHとの間で,荷物の搬入搬出のための橋渡しを行う必要が生じた場合には,荷受台Tが鉛直格納位置Vにある間に,操作レバー8Lのレバー操作により切換ブロック6をブリッジモード位置6Bへ切換操作すればよい。これにより,次に油圧シリンダC2 を収縮作動させて荷受台Tを下方回動させた場合には,荷受台Tが水平張出位置Hよりも更に下方まで回動することが許容されるため,荷受台Tはその先端部がプラットホームPHに当接する傾斜張出位置まで下降する。この状態で荷物の搬入搬出作業を行い,その作業が終了すると,次に油圧シリンダC2 を伸長作動させて荷受台Tを上方へ回動させる。この上方回動に際しては,その回動に連動して切換ブロック6を水平モード位置6Hへ自動復帰させる復帰機構Rが設けられているため,水平モード位置6Hへの切換を荷受台Tの上方回動に合わせて自動的に行うことができ,その切換忘れを効果的に防止できる。このため,切換忘れの場合に行うべき面倒なやり直し作業から解放され,作業能率の向上が図られる。
【0037】
また特に切換ブロック6を水平モード位置6Hとブリッジモード位置6Bとに選択的に付勢,保持し得るようその両モード位置の中間にデッドポイントDを設定したトグルスプリングTSが切換ブロック6と荷受台Tとの間に設けられるため,この共通のトグルスプリングTSを以て切換ブロック6を水平モード位置6Hにもブリッジモード位置6Bにも各々的確に保持することが可能である。
【0038】
その上,切換ブロック6がブリッジモード位置6Bにある状態で荷受台Tが傾斜張出位置H′から上方へ回動した時には,その上方回動に機械的に連動して該切換ブロック6を水平モード位置6H側へ強制移動させ,その移動途中でトグルスプリングTSのデッドポイント超えが生じるように該スプリングTSが配置されている。そして上記デッドポイント超えにより,トグルスプリングTSの付勢方向がブリッジモード位置側から水平モード位置側へ自動的に切り換わって,該切換ブロック6を水平モード位置6Hに自動復帰させるため,従来構造のように切換ブロック6をばね付勢力に抗してブリッジモード位置6Bに保持するためのロック手段を特別に設ける必要はなく,それだけ復帰機構Rの構造が簡素化される。
【0039】
その上,復帰機構Rが荷受台Tに対し着脱可能な1個の組立ユニットとして構成されるので,その復帰機構Rを予め小組みしておき,これを一纏めに荷受台Tに組み付けることができて組付作業能率が向上する。また故障等により復帰機構Rを荷受台Tより取り外した状態(図11を参照)であっても,トグルスプリングTSの付勢力に抗して切換ブロック6をレバー操作すれば,該ブロック6をブリッジモード位置6Bと水平モード位置6Hとに随時,選択的に切換操作できるから,その何れの使用態様も引き続き支障なく実施できる。
【0040】
以上,本発明の実施例について説明したが,本発明はこの実施例に限定されることなく,本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば,前記実施例では,車体Bに昇降枠を一定姿勢で昇降させるために平行リンク機構Lを用いたものを示したが,これに代えて,昇降枠を車体Bに固定の鉛直レールに沿って鉛直に昇降できるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば,切換部材を水平モード位置とブリッジモード位置とに選択的に付勢,保持し得るようその両モード位置の中間にデッドポイントを設定したトグルスプリングを切換部材と荷受台との間に設け,その切換部材がブリッジモード位置にある状態で荷受台が傾斜張出位置から上方へ回動した時には,その回動に連動して該切換部材を水平モード位置側へ強制移動させ,その移動途中でトグルスプリングのデッドポイント超えが生じ,これにより,該スプリングの付勢方向がブリッジモード位置側から水平モード位置側へ切り換わって,該切換部材を水平モード位置に自動復帰させるようにしたので,共通のトグルスプリングを以て切換部材を水平モード位置にもブリッジモード位置にも各々的確に付勢保持できる上,荷受台の上方回動に連動して切換部材を水平モード位置からブリッジモード位置へ的確に自動復帰させることができ,したがって,従来のように切換部材をばね付勢力に抗してブリッジモード位置に保持するロック手段を特別に設ける必要はなくなり,それだけ復帰機構の構造が簡素化され,コスト節減が図られる。
【0042】
また請求項2の発明によれば,復帰機構が荷受台に対し着脱可能な組立ユニットとして構成されるので,その復帰機構を予め小組みしておき,これを一纏めに荷受台に組み付けることができて組付作業能率が向上する。また故障等により復帰機構を荷受台より取り外した状態であっても,トグルスプリングの付勢力に抗して切換部材をレバー操作すれば,該部材をブリッジモード位置と水平モード位置とに随時,選択的に切換操作できるから,その何れの使用態様も支障なく実施可能である。
【0043】
更に請求項3の発明によれば,上記トグルスプリングは,操作レバー,該レバーを切換部材に連動連結する連動機構,及び上記復帰機構の何れよりも荷受台の外側方に配置されるので,そのトグルスプリングの組立,点検作業を復帰機構等に邪魔されずに容易に行うことができ,しかもトグルスプリングの,デッドポイントを超える反転動作に当り,該スプリングと復帰機構等との相互干渉を容易に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る荷役車両の全体側面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の3矢視図
【図4】荷受台が水平張出位置にあり,切換ブロックが水平モード位置にある状態を示す要部拡大図(図3の4矢視部拡大図)
【図5】荷受台が格納位置にあり,切換ブロックが水平モード位置にある状態を示す図4対応図
【図6】荷受台が傾斜張出位置にあり,切換ブロックがブリッジモード位置にある状態を示す図4対応図
【図7】図5の7−7線断面図
【図8】図7の8−8線断面図
【図9】切換ブロックが水平モード位置にある状態より荷受台を上方回動させる過程を概略的に示す作用図
【図10】切換ブロックがブリッジモード位置にある状態より荷受台を上方回動させる過程を概略的に示す作用図
【図11】復帰機構を荷受台より分離した状態を示す図5対応図
【符号の説明】
2・・・・・・昇降枠
6・・・・・・切換部材としての切換ブロック
6H・・・・・水平モード位置
6B・・・・・ブリッジモード位置
8L・・・・・操作レバー
11a・・・・一方の作動端としての第1係合片
14・・・・・他方の作動端としての第2係合片
15・・・・・第1係止部材
16・・・・・第2係止部材
B・・・・・・車体
C1 ・・・・・昇降用油圧シリンダ
D・・・・・・デッドポイント
H・・・・・・水平張出位置
H′・・・・・傾斜張出位置
I・・・・・・連動機構
R・・・・・・復帰機構
T・・・・・・荷受台
TS・・・・・トグルスプリング
V・・・・・・格納位置
Claims (3)
- 車体(B)に昇降可能に設けられた昇降枠(2)と,この昇降枠(2)に支持されて鉛直な格納位置(V)と水平面に対し後下方に傾斜した傾斜張出位置(H′)との間を起伏回動可能な荷受台(T)と,この荷受台(T)に軸支されると共に切換レバー(8L)に連結されそのレバー操作に応じて所定の水平モード位置(6H)とブリッジモード位置(6B)との間を回動し得る切換部材(6)とを備え,
その切換部材(6)は,これが水平モード位置(6H)にあるときには昇降枠(2)との係合により荷受台(T)の水平張出位置(H)より下方への回動を阻止するが,ブリッジモード位置(6B)にあるときには同荷受台(T)の前記下方への回動を許容するようにした,荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置において,
切換部材(6)と荷受台(T)との間に介装されて,該切換部材(6)を水平モード位置(6H)とブリッジモード位置(6B)とに選択的に付勢,保持し得るようその両モード位置(6H,6B)の中間にデッドポイント(D)を設定したトグルスプリング(TS)と,
昇降枠(2)及び荷受台(T)間に介装され,切換部材(6)がブリッジモード位置(6B)にある状態で荷受台(T)が傾斜張出位置(H′)から上方へ回動した時にその回動に連動して該切換部材(6)を水平モード位置(6H)側へ強制移動させる復帰機構(R)とを備え,
前記強制移動により切換部材(6)が前記デッドポイント(D)を過ぎると,トグルスプリング(TS)の付勢方向がブリッジモード位置(6B)側から水平モード位置(6H)側へ切換わって,該切換部材(6)を水平モード位置(6H)に自動復帰させることを特徴とする,荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置。 - 復帰機構(R)は,荷受台(T)に対し一纏めに着脱可能な組立ユニットより構成され,その組立ユニットの一方の作動端(11a)に係脱可能な第1係止部材(15)が切換部材(6)に,また同組立ユニットの他方の作動端(14)に係脱可能な第2係止部材(16)が昇降枠(2)にそれぞれ設けられることを特徴とする,請求項1に記載の荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置。
- トグルスプリング(TS)は,荷受台(T)に設けた操作レバー(8L)と,該レバー(8L)を切換部材(6)に連動連結する連動機構(I)と,前記復帰機構(R)とのいずれよりも荷受台(T)の外側方に配置されることを特徴とする,請求項1又は2に記載の荷役車両用荷受台昇降装置における荷受台作動制御装置。
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- 2000-10-06 JP JP2000313139A patent/JP3803543B2/ja not_active Expired - Lifetime
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