JP2561027Y2 - 作業用運搬車の荷台昇降兼ダンプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、荷台を水平姿勢で昇降
させたりダンプさせることができる作業用運搬車の荷台
昇降兼ダンプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、Ｘ状に交差させた両側の支持リ
ンクと油圧シリンダにより荷台を昇降自在にして構成す
る作業用運搬車において、特開昭６０−４４４０号公報
に見られるように、昇降させることができる荷台をダン
プさせることができるようにすることは知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例に見られる装置は、折りたたんだままのＸ状支持リ
ンクの一方のリンクの前部を支点にして支持リンクとと
もに荷台を回動させながらダンプさせるようにしている
ので、荷台のダンプ作用が不安定になるとともに油圧シ
リンダの負荷も大きくなって有効にダンプさせることが
できず、また、ダンプさせる際には、支持リンクの他方
リンクの端部が外れるように、しかも、両側の両レール
側でそれぞれ操作しなければならないので、操作が煩わ
しく手間がかかって面倒となる、といった不具合を呈し
ている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、そのような不
具合を解決し、簡単な切換え操作により有効にダンプ可
能にして好適に実施できるように工夫したものであり、
そのため、荷台は、前記支持リンクの一方の上部で前端
は枢結されると共に後端は前記支持リンクの他方の上部
でレールにより案内されて摺動可能に連繋する台枠と、
該台枠の前部に前端側を枢結する荷枠台とに分割すると
共に、前記台枠の後部に前記レールを、機体側にレール
をそれぞれ固設し、前記支持リンクの一方の下部を前記
機体側のレールに摺動可能とし、前記支持リンクの他方
の下部を機体前部に枢結させ、前記支持リンクの交点近
傍から延出する油圧シリンダの他端部を前記荷枠台の後
端部に連動連繋し、機体側の係止片と前記台枠の後端部
を、また、該台枠と前記荷枠台の後端部をそれぞれ切換
えてロックさせることができる係止部材をレバーにより
切換え操作可能にして構成したものである。

【０００５】

【作用】したがって、レバー操作により係止部材で荷枠
台を台枠にロックしておくと、油圧シリンダの作動によ
り荷枠台と台枠を水平姿勢で昇降させることができるこ
とになって、荷台上で従来同様に諸作業ができることに
なり、また、レバーにより係止部材を切換え操作して台
枠を機体側の係止片にロックすると、油圧シリンダの作
動により荷枠台を前方に傾動させることができることに
なって、荷枠台上の土砂等をダンプ可能となる。

【０００６】

【実施例】図２は作業用運搬車の側面図を示し、機体の
下部両側にはそれぞれトラックフレーム７に掛装する両
クローラ８を配備し、機体後部の支持フレーム９上には
エンジン１０や操縦コラム１１等を装備し、機体の前方
側には荷台３を配備して構成するが、前記荷台３は、両
トラックフレーム７の前部より延設した支持枠１２の上
方に前部を載置できる台枠３ａと、該台枠３ａの上方に
接合させることができて荷物を載せることができる荷枠
台３ｂとに分割し、前記荷枠台３ｂの前端部より垂設し
た両支持片１３を前記台枠３ａの前端側両支持片１４に
ピン１５を介してそれぞれ枢結し、該ピン１５の中心に
荷枠台３ｂが回動できるようにして構成する。

【０００７】前記台枠３ａの下方両側には、２本のリン
ク１ａ、１ｂをＸ状に交差させるとともに交差点を支軸
１６に枢結した両支持リンク１をそれぞれ介装するが、
両リンク１ａ、１ｂの前端部は、下部が前記支持枠１２
部分に枢結され、上部が前記台枠３ａの前部の支持片１
７にピン１８ａ、１８ｂを介して枢結され、両リンク１
ａ、１ｂの後端部に軸架したローラ１９ａ、１９ｂは、
上部のローラ１９ａが前記台枠３ａの後部両側に固設し
たレール２０に、下部のローラ１９ｂが前記トラックフ
レーム７の上部に固設したレール２１にそれぞれ摺動自
在に嵌装され、前記支軸１６の中間部より突設した支持
片２２には油圧シリンダ２の基端部を回動可能に連結す
るとともに、前記荷枠台３ｂの後端部内方に突設した支
持片２３には前記油圧シリンダ２の先端部を回動可能に
連結して構成する。

【０００８】また、前記支持枠１２の上方に載置して水
平状態にした前記台枠３ａの後部を載置することができ
る支持枠板９ａを前記支持フレーム９の前部より前方へ
突設するとともに、機体の横側方部となる前記支持フレ
ーム９の前部前方には横孔４ａを有する係止片４の突設
し、前記台枠３ａの後端部には前記係止片４に接近して
横孔２４ａを有する平行状の２枚の係止片２４、２４を
固設し、前記荷枠台３ｂの後端部下方には一方の前記係
止片２４に接近して横孔２５ａを有する係止片２５を垂
設し、前記の各横孔４ａ、２４ａ、２４ａ、２５ａに嵌
挿する棒状の係止部材５の中間部には横方向のピン２６
を挿着し、前記荷枠台３ｂの後部に通過できるよう嵌装
したレバー６の下部寄りを前記台枠３ａの後端部側に支
点軸２７を介して枢支するとともに、レバー６の下端部
に形成した長溝２８に前記ピン２６を嵌挿し、前記レバ
ー６を一方に回動させると係止部材５が両係止片２４、
２４及び２５にまたがって嵌合するとともに、他方に回
動させると係止部材５が両係止片２４、２４及び４にま
たがって嵌合するようにして構成する。

【０００９】したがって、図４に示すようにレバー６を
一方に回動させて係止部材５により荷枠台３ｂを台枠３
ａにロックし、油圧シリンダ２を縮小させると、図２及
び図３に示すように荷枠台３ｂ及び台枠３ａを下動させ
て荷物を運搬できる状態にセットできることになり、そ
の状態から油圧シリンダ２を伸長作動させると、両支持
リンク１が起立する状態となって、図２に仮想線イで示
すとともに図８に示すように荷枠台３ｂと台枠３ａを水
平姿勢のまま上昇させることができることになり、その
荷台３上で従来同様に諸作業を行なうことができること
になり、また、図２及び図３に示すように荷台３の下動
させた状態で、図９に示すようにレバー６を他方に回動
させて係止部材５を係止片２４、２４及び４に嵌合させ
ながら荷枠台３ｂのみを機体側にロックし、油圧シリン
ダ２を伸長作動させると、図２に仮想線ロで示すととも
に図１に示すように荷枠台３ｂのみを前方に傾動させる
ことができることになって、荷枠台３ｂ上の土砂等をダ
ンプ可能となる。

【００１０】

【考案の効果】このように本考案は、レバー６操作によ
り係止部材５で荷枠台３ｂを台枠３ａにロックしておく
と、油圧シリンダ２の作動により荷枠台３ｂと台枠３ａ
を水平姿勢で昇降させることができることになって、荷
台３上で従来同様に諸作動ができることになり、また、
レバー６により係止部材５を切換え操作して台枠３ａを
機体側の係止片４にロックすると、油圧シリンダ２の作
動により荷枠台３ｂを前方に傾動させることができるこ
とになって、荷枠台３ｂ上の土砂等を有効にダンプさせ
ることができることになり、簡単なレバー６操作による
切換え操作で荷台３全体を有効に水平姿勢で昇降させた
り、荷枠台３ｂのみを有効に傾動させて安定性のあるダ
ンプ作業を行なうことができることになり、簡単な構造
にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の要部を示した側面図である。

【図２】作業用運搬車を示した側面図である。

【図３】図２の一部を拡大して示した側面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線視図を示した背面図であ
る。

【図５】両支持リンクを示した斜視図である。

【図６】図３を分解して示した側面図である。

【図７】図４を分解して示した背面図である。

【図８】図３の作動状態を示した側面図である。

【図９】図４の作動状態を示した背面図である。

【符号の説明】

１ 支持リンク ２ 油圧シリンダ ３ 荷台 ３ａ 台枠 ３ｂ 荷枠台 ４ 係止片 ５ 係止部材 ６ レバー ２０ レール ２１ レール

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ状に交差させた両側の支持リンク１と
   油圧シリンダ２により荷台３を昇降自在にして構成する
   作業用運搬車において、前記荷台３は、前記支持リンク
   １の一方の上部で前端は枢結されると共に後端は前記支
   持リンク１の他方の上部でレール２０により案内されて
   摺動可能に連繋する台枠３ａと、該台枠３ａの前部に前
   端側を枢結する荷枠台３ｂとに分割すると共に、前記台
   枠３ａの後部に前記レール２０を、機体側にレール２１
   をそれぞれ固設し、前記支持リンク１の一方の下部を前
   記機体側のレール２１に摺動可能とし、前記支持リンク
   １の他方の下部を機体前部に枢結させ、前記支持リンク
   １の交点近傍から延出する油圧シリンダ２の他端部を前
   記荷枠台３ｂの後端部に連動連繋し、機体側の係止片４
   と前記台枠３ａの後端部を、また、該台枠３ａと前記荷
   枠台３ｂの後端部をそれぞれ切換えてロックさせること
   ができる係止部材５をレバー６により切換え操作可能に
   して構成したことを特徴とする作業用運搬車の荷台昇降
   兼ダンプ装置。