JP3803013B2 - シールド電線加工装置及びシールド電線加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車等に使用される比較的大径なシールド電線の皮剥きや編組の切断や折返し等を自動で効率良く行うことのできるシールド電線加工装置及びシールド電線加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シールド電線の加工は全て手作業で行っていた。
すなわち、所要長さに切断されたシールド電線の先端部のシース(外皮)を卓上機で剥いで、導電金属製の編組を露出させ、編組をはさみ等で所要長さに切断する。また、電線に導電金属製のシールド接触子を手で挿入し、編組を目打ち等で接触子に向けて折返し、導電金属製のシールドパイプを手で挿入して、シールド接触子とシールドパイプとの間に編組を挟み込んで接触させた状態で、シールドパイプを加締機で加締める。さらに電線の先端部の内皮を卓上機で皮剥きして、心線に端子を圧着機で接続させる(シールド接触子やシールドパイプの形状等については発明の実施の形態の図2参照)。
【0003】
シールド電線の使用の形態としては、例えばシールドパイプに接続フランジが組み付けられ、接続フランジが樹脂製のハウジングの外面に沿って車両ボディ等にアース接続される。端子は電気自動車のモータやインバータやバッテリ等に接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のシールド電線の加工手段にあっては、全てを人手に依っているために多くの加工工数を要し、そのために部品コストがアップすると共に加工ミス等で品質が低下するという問題があった。
また、太物のシールド電線は楕円形に変形しやすく、その状態でシース(内被や外被)や編組を切断すると、内側の編組や心線を傷付けてしまうという問題もあった。さらに、編組を露出させてからシールド接触子を挿入したり、内被を皮剥きして心線を露出した状態でシールドパイプを挿入したりする作業は、編組や心線がささくれ立って挿入作業が面倒であるという問題を生じた。
【0005】
本発明は、上記した点に鑑み、シールド電線の編組を露出させ、折り返してシールド接触子やシールドパイプに接続させたり、内皮を皮剥する等の一連の作業を自動で効率良く行って、部品コストの低減と品質の向上を図ることのできるシールド電線加工装置及びシールド電線加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、シールド電線を加工順に送る搬送装置と、前記シールド電線の先端位置を検知するセンサを有する電線セット装置と、環状のシールド接触子を供給路から受け取る受渡し部と、該受渡し部を電線先端に向けて前進させる手段とを備え、該シールド接触子を前記シールド電線の外皮に外挿するシールド接触子挿入装置と、前記シールド電線の外皮の周囲を公転し、該外皮に切込みを入れるカッタローラと、該外皮を支持するガイドローラとを備え、該外皮を環状に切断するシース切込装置と、前記外皮の切込み部と先端との間で該外皮を切断せずに該外皮に食い込む刃部と、該刃部を電線先端方向に後退させる手段とを備え、該外皮を抜き取るシース抜取装置と、前記外被から露出した編組の外側に位置するダイスと、該編組を開かせる一対の開閉自在な開き爪と、該編組の内側に進入する環状のパンチと、該編組をさらに開く方向に案内し、且つ該編組の内側の内皮を該パンチの内側に案内する分割式のガイド部材とを備え、該編組を所要長さに剪断する編組切断装置と、切り揃えられた編組を開かせる一対の開閉自在な開き爪と、前記内皮を軽く掴むように支持して該内皮に沿って前進し、該編組の内側に進入して該編組をさらに開かせる分割式の開きパイプと、該開きパイプに沿って前進し、前記外皮の先端位置で該編組を押圧して折り返す折返し部材とを備える編組折返し装置と、前記シールド接触子の後退を阻止する押え部材と、環状のシールドパイプを供給路から受け取る受渡し部と、該受渡し部を前記折り返された編組に向けて前進させる手段とを備え、該シールド接触子と該シールドパイプとの間に該編組を挟み込ませるシールドパイプ挿入装置と、前記シールドパイプを加締めるパイプ加締装置と、前記内皮の周囲を回動するカッタと、該カッタを電線径方向に移動させる手段と、該カッタを内皮抜取方向に後退させる手段とを備える皮剥き装置と、を備えることを特徴とするシールド電線加工装置を採用する(請求項1)。
前記各装置毎にシールド電線を固定するチャックを備え、前記搬送装置におけるチャックが他の装置のチャックと同ピッチで対向して配置され、且つ駆動手段で一ピッチだけ進退することも有効である(請求項2)。
前記電線セット装置において前記センサの位置が移動手段で変更自在であることも有効である(請求項3)。
前記シールド接触子挿入装置又は前記シールドパイプ挿入装置において前記受渡し部が、前記供給路から前記シールド接触子又は前記シールドパイプを上昇させる第一受渡し部と、該第一受渡し部から該シールド接触子又は該シールドパイプを受け取って90°水平方向に回動する第二受渡し部とで構成され、該第二受渡し部が前記前進させる手段で前進することも有効である(請求項4)。
前記シールド接触子挿入装置又は前記シールドパイプ挿入装置において前記シールド電線の先端部を支持し、且つ前記受渡し部又は第二受渡し部に押されてシールド電線に沿って後退する電線支持部が配置されたことも有効である(請求項5)。
前記シース切込装置において前記カッタローラが昇降自在なスライド部材に軸支され、該スライド部材が付勢手段で電線径方向に押圧され、該スライド部材に設けた位置決め部材が、装置フレーム側の昇降シリンダに連結した受け部材に係合可能であることも有効である(請求項6)。
前記シース抜取装置において前記刃部が一対の開閉部材に設けられ、該開閉部材が駆動手段で開閉され、該開閉部材の閉時に一対の該刃部が前記外皮に食い込み、前記後退させる手段で該開閉部材と該駆動手段が一体に後退することも有効である(請求項7)。
前記シース抜取装置及び前記皮剥き装置において前記チャックを増し締めする押圧部材が配設されたことも有効である(請求項8)。
前記編組切断装置において、前記一対の開閉自在な開き爪と、該一対の開き爪を固定した一対のスライド部材と、該一対のスライド部材を相対する方向に移動させるリンクと、該リンクを揺動させる駆動手段とで編組を開かせる手段が構成されたことことも有効である(請求項9)。
前記編組切断装置において前記ガイド部材が、前記パンチの前進時に駆動手段と進退手段で外側に開いて後退可能であることも有効である(請求項10)。
前記編組折返し装置において、前記一対の開閉自在な開き爪と、該一対の開き爪を固定した一対のスライド部材と、該一対のスライド部材を相対する方向に開閉させる浮動式のシリンダとで編組を開かせる手段が構成されたことも有効である(請求項11)。
前記パイプ加締装置において前記シールドパイプの加締ストロークに対応して前記シールド電線を沈み込ませる手段が設けられたことも有効である(請求項12)。
前記皮剥き装置において前記カッタが一対の開閉自在なホルダに固定され、該一対のホルダが傾斜状の対称なカム部を有して回動手段に連結され、該カム部に従動子が係合し、該従動子がリンクに連結され、該リンクが進退手段に連結されたことも有効である(請求項13)。
また、シールド電線の先端をセンサで位置決めさせ、該シールド電線をチャックして次工程へ送り、環状のシールド接触子を供給路から受渡し部で受け取り、該受渡し部を電線先端に向けて前進させて該シールド接触子を該シールド電線の外皮に外挿し、該シールド電線の外皮の周囲にカッタローラとガイドローラとを公転させて該外皮を環状に切断し、該外皮の切込み部と先端との間で該外皮を切断せずに該外皮に刃部を食い込ませ、該刃部を電線先端方向に後退させて該外皮を抜き取り、該外被から露出した編組を一対の開閉自在な開き爪で開かせ、該編組を分割式のガイド部材の傾斜状の外面に沿ってさらに開かせると共に、該ガイド部材の傾斜状の内面に沿って該編組の内側の内皮を環状のパンチの内側に案内させ、該パンチを該編組の内側に進入させつつ、該編組の外側に位置するダイスとの間で該編組を所要長さに剪断し、切り揃えられた該編組を一対の開閉自在な開き爪で開かせ、前記内皮を分割式の開きパイプで軽く掴むように支持しつつ、該開きパイプを該内皮に沿って該編組の内側に挿入して、該開きパイプの傾斜部で該編組をさらに開かせ、該開きパイプに沿って編組折返し部材を前進させ、該編組折返し部材で該編組を押圧して前記外皮の先端位置で該編組を折り返し、環状のシールドパイプを供給路から受渡し部で受け取り、該受渡し部を前記折り返された編組に向けて前進させ、押え部材で前記シールド接触子の後退を阻止させつつ、該シールド接触子と該シールドパイプとの間に該編組を挟み込ませ、該シールドパイプを加締装置で加締め、前記内皮の周囲にカッタを回動させつつ該カッタを電線径方向に移動させて該カッタで該内皮を切断し、該カッタを内皮抜取方向に後退させて該内皮を抜き取り心線を露出させることを特徴とするシールド電線加工方法を併せて採用する(請求項14)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシールド電線加工装置の一実施形態の概観を示すものである。
【0008】
このシールド電線加工装置1は右側から順に、品番の切替えや自動手動切替え等を行う操作卓2と、電線セット装置3と、シールド接触子挿入装置4と、シース切込装置5と、シース抜取装置6と、編組切断装置7と、編組折返し装置8兼シールドパイプ挿入装置9と、シールドパイプ加締装置10と、皮剥き装置11と、端子加締装置12と、製品取出装置13と、各装置3〜13に沿ってシールド電線15を移動させる搬送装置14とを備えている。各装置3〜13はほぼ等ピッチで並列に配置されている。
【0009】
図1で、符号16はシールド接触子供給用のホッパ、17はシールドパイプ供給用のホッパを示す。シールド電線(以下電線という)15は断面積15mm2 程度の太物を使用可能であり、U字状に折り返された状態で搬送装置14の右端ににセットされる。なお、上記電線セット装置3を電線セット部あるいは電線セット工程と呼称することも可能である(これは他の工程についても同様である)。また、編組折返し装置8とシールドパイプ挿入装置9とを独立して隣合わせに配置してもよい。
【0010】
以下にシールド電線加工装置1を用いたシールド電線加工方法及び作用を図1及び図2等を用いて順に説明する。
先ず、図2(a) の如く予め所要長さに切断した電線15を作業者が図1の電線セット装置3にセットする。作業者が行う作業は唯一この電線セットのみである。電線15がセットされると、センサ18(図3)がそれを感知して、電線搬送装置14が一ピッチ左に移動し、電線15を隣のシールド接触子挿入装置4に送る。送りピッチの設定によって電線15の片側の端部を加工したり両側の端部を加工したりすることができる。例えば一ピッチ送りとしてU字状の電線15の両端を順に加工し、二ピッチ送りとして電線15の片端のみを加工する。
【0011】
シールド接触子挿入装置4で図2(b) の如く電線15に導電金属製の環状のシールド接触子19が挿入(外挿) される。シールド接触子19は大径部19aと小径部19bとで段付きに構成されている。シールド接触子19が挿入された電線15は搬送装置14で次のシース切込装置5に送られ、図2(c) の如くシールド接触子19よりも電線先端側の所要位置において、電線15の絶縁性のシース(外被)20に環状に切り込み21が入れられる。次いでシールド電線15はシース抜取装置6に送られて、図2(d) の如く外皮20が抜き取られ、内側の金属編組22が所要長さに露出される。次いで編組切断装置7に送られて、図2(e) の如く露出した編組22が所要長さに切断され、絶縁性の内皮24が露出する。
【0012】
次いで編組折返し装置8に送られて、図2(f) の如く編組22がシールド接触子19の小径部19bに向けて折り返されると共に、シールドパイプ挿入装置9で図2(g) の如く電線15の先端側から導電金属製の環状のシールドパイプ23が挿入され、電線15の長手方向の所要位置でシールド接触子19の小径部19bの外周面とシールドパイプ23の内周面との間に編組22(図示せず)が挟まれて接触する。編組22の折返し角度は90°程度ないしは90°〜180°の範囲である。次いでシールドパイプ加締装置10に送られて、図2(h) の如くシールドパイプ23が六角形状に加締められてシールド接触子19に固定される。シールド接触子19とシールドパイプ23との間に編組22が挟み込まれているから、シールド接触子19とシールドパイプ23は電線15に強固に固定される。
【0013】
次いで皮剥き装置11に送られて、図2(i) の如く電線15の内皮24の先端側が所要長さに皮剥きされ、心線(導体部)25が露出する。次いで端子加締装置12に送られて、図2(j) の如く露出した心線25に端子26が加締接続される。最後に製品取出装置13で製品27が加工装置1から外部のパレット(図示せず)に入れられる。製品取出装置13はチャックで電線15を把持して持ち上げ、水平移動させてパレット内に降下してチャックを解除する機構のものである。なお、端子加締装置12は別工程としてもよい。
【0014】
以下に上記各工程毎に構成及び作用を詳細に説明する。
図3は電線セット装置3を示すものである。
図3で、符号15は水平にセットされた電線、14は電線搬送装置、29は搬送装置14の電線チャック(クランプ)、30は、電線セット装置3の電線チャック(クランプ)、31,32はチャック開閉用のエア式のチャックシリンダ、18は電線検知センサ、31は電線ガイド、32はシャフト33を介してセンサ18を進退させるエアシリンダすなわちセンサ移動手段をそれぞれ示す。
【0015】
センサ18は近接スイッチであり、先端の樹脂キャップ18aに電線15の先端15aを当接させることで電線15の長さが規定される。センサ18に電線15の先端15aを当接させることでセンサ18がオンし、例えばその信号がコントローラ(図示せず)に送られてセット装置3のチャック30が自動で閉じて電線15を把持し、それにより電線15の先端位置(チャック30からの突出長さ)が正確に規定される。その状態で搬送装置14のチャック29が閉じ、セット装置3のチャック30が開いて電線15が次工程のシールド接触子挿入装置4に送られる。なお明細書で「前後」の定義は電線の先端側を前と規定する。
【0016】
図3で、水平なシリンダ32はセンサ18の位置を調整するためのものであり、例えばU字状の電線15の一端部と他端部とでは皮剥き長さ等の加工寸法仕様が異なるため、あるいは電線15の品番によって加工寸法が異なるために、加工寸法に応じてシリンダ32の進退動作でセンサ18の位置を規定することができる。
【0017】
搬送装置3は図4にその駆動手段を示す如く、送り方向に伸縮する水平なエアシリンダ35のロッド36に垂直な基板37がスライド自在に連結され、一対のチャック29を有する開閉シリンダ31が基板37に固定され、基板37がシリンダ35側の固定基板38に対してレール39を介してスライド自在に組み付けられて成るものである。
【0018】
シリンダ35の圧縮動作でチャック29が電線送り方向に一ピッチ移動し、シールド接触子挿入装置4のチャック40(図5)に電線15を受け渡し(接触子挿入装置4の開いたチャック40の内側に電線15が移動し、チャック40が閉じ、搬送装置14のチャック29が開いて電線15を開放し)、その後、シリンダ35の伸長動作でチャック29が原位置に復帰する。チャック29の進退機構は他の装置(工程)5〜13においても同様である。
【0019】
図5はシールド接触子挿入装置4を示すものである。
搬送装置14(図1)は図3と同様に配置されている(エアシリンダ35は図4で示す一つのみ使用し、垂直な可動式の基板37が各工程に連続し、各工程毎に基板37にチャック29が配置されている)ので図示を省略する。
【0020】
図5で、15は電線、40は電線チャック、41は電線支持部、42は回動式の部品受渡し部、43はホッパ16(図1)に続く振動式のパーツフィーダの供給路、44は供給路43に続く昇降式の部品受渡し部をそれぞれ示す。
【0021】
昇降式の部品受渡し部(第一受渡し部)44は垂直なエアシリンダ45と、そのロッド46に連結された昇降自在なラム47と、ラム47を案内するガイド48とを備えている。ラム47の先端に部品載置部が形成されている。部品は環状で段付きのシールド接触子19であり、小径部19bが上向きの状態で供給路43からラム47上に供給される。載置部はシールド接触子19の内径部に係合するボスを有していてもよい。ラム47の上昇でシールド接触子19が回動式の第二の部品受渡し部(第二受渡し部)42に受け渡される。
【0022】
回動式の部品受渡し部42は図6にも示す如く、回動自在な部品位置決め部49と、部品位置決め部49に固定される部品把持部50と、部品位置決め部49に一端を連結し、他端をフレーム51に連結して傾斜状に配置された回動用のエアシリンダ(駆動手段)52と、部品位置決め部49を両側で支持する支持部53とで概ね構成されている。部品受渡し部42は上側の水平なエアシリンダ(進退手段)54のロッド55に連結され、図示しないガイドシャフトに沿って水平方向に進退可能である。
【0023】
部品位置決め部49(図6)は上下一対の円弧状の部品支持爪56を有する。部品支持爪56は左右一対のチャック57を有し、チャック57は部品支持爪56の左右でシールド接触子19を把持する。傾斜状のシリンダ52は部品位置決め部49と部品把持爪50とを一体に水平から垂直に、及び垂直から水平に90°回動させる。
【0024】
すなわちシリンダ52のロッド58が伸長することで部品位置決め部49が下向きに回動し、昇降式の第一の部品受渡し部44からシールド接触子19が一対の部品支持爪56内に挿入され、チャック57が閉じてシールド接触子19を固定する。次いでシリンダ52のロッド58が圧縮されることで部品位置決め部49が上向きに回動し、図5の水平状態となる。この状態から水平なエアシリンダ54の伸長動作で第二の部品受渡し部42全体が電線15の先端に向けて前進する。
【0025】
電線15は長手方向中間部を左右一対のチャック40で把持され、チャック40はエア式の開閉シリンダ59で開閉駆動される。電線15の先端部は位置決め用の支持部41で上側から支持され、下向きに撓むことなく心出しされている。支持部41は左右一対のチャック(支持部材)60で電線15を把持することなく支持し、その駆動部であるエア式の開閉シリンダ61は水平なガイドシャフト62に沿って進退自在であり、且つ回動式の部品受渡し部42に向けてばね部材63で付勢され、その状態でストッパ64に突き当たって停止している。
【0026】
昇降式の部品受渡し部44からシールド接触子19を受け取った回動式の部品受渡し部42はシールド接触子19を水平方向に向けた状態で水平なシリンダ(進退手段)54で前進駆動され、電線支持部41のチャック60を押してばね62の付勢に抗して後退させつつ、シールド接触子19を電線15の所要位置に挿入(外挿)する。電線支持部41は部品挿入時における電線15の支持を行って部品(シールド接触子19)の挿入を確実に行わせる。回動式の部品受渡し部42には電線挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0027】
部品挿入後にチャック60が左右に開き、シールド接触子19を残したままばね63の付勢により原位置に復帰する。部品受渡し部42はシリンダ54の圧縮動作で後退する。電線15は搬送装置14(図1)で隣のシース切込装置5に搬送される。
【0028】
図7〜図8はシース切込装置5を示すものである。
図7〜図8で、符号65は電線15を把持固定するチャック、66は電線心出し(位置決め)用の支持チャック(支持部材)、67は、切断用のカッタローラ68と支持用のガイドローラ69を有する回転式の切込手段、70は切込手段67を原位置に位置決めする位置決め兼切込解除手段、71は電線ガイド板をそれぞれ示す。
【0029】
各チャック65,66はエア式の開閉シリンダ72,73で開閉駆動される。支持チャック66は電線15を強く把持せずに支持ないし軽く把持するのみである。図9に示す如くカッタ74は円板状に形成され、外周に刃部74aを有し、前後のカラー75で把持されてカッタローラ68を構成し、カラー75の外周から刃部74aが環状に突出している。刃部74aの突出長はシース切込深さに等しい。カラー75の外周面はカッタ74を中心に前後に傾斜している。
【0030】
図8の如くガイドローラ69は左右に一対設けられ、カッタローラ68と各ガイドローラ69の中心軸は真円上に位置し、両ローラ68,69の外径は等しい。ガイドローラ69は垂直な略長方形の回転板76に一体に組み付けられ、カッタローラ68は、回転板76の電線径方向に延びるレール77にスライド自在に係合したスライド板(スライド部材)78に組み付けられている。各ローラ68,69は回動自在に軸支されている。三つのローラ68,69の中央の空間に電線15が位置し、各ローラ68,69の外周面が電線15のシース(外皮)20(図2)に密着する。この密着は付勢手段である引張ばね79ないし圧縮ばねで、カッタローラ68を軸支したスライド板78を電線径方向(ガイドローラ方向)に付勢したことで行われる。
【0031】
ガイドローラ69の前側に隣接して左右一対の電線ガイド板71が略水平に羽根を広げた状態で回転板76に固定されている。回転板76は水平な回転軸80に固定され、回転軸80はフレーム81に回動自在に支持されてギヤ82,83ないしプーリとチェン84ないしベルトを介してサーボモータ85で駆動される。
【0032】
装置フレーム81上には垂直なエアシリンダ(昇降シリンダ)86が設けられ、シリンダ86のロッド87が、略V字状の係合溝88を有する受け部材89に連結され、受け部材89はレール90に沿って昇降自在である。前記スライド板78の一端には小径のローラ(位置決め部材)91が回動自在に軸支されている。これらで前記位置決め兼切込解除手段70が構成される。
【0033】
すなわち、図7において垂直な昇降シリンダ86の圧縮状態で受け部材89が下降し、回転板76側の小径なローラ91との係合を解除する。これにより、カッタローラ68がスライド板78と一体にばね79の付勢で下降し、電線15に押し付けられる。この状態でサーボモータ85が回転し、回転板76と一体に各ローラ68,69が電線の周りを公転する。これにより外皮20(図2)に環状の切込が入れられる。ローラ68,69の公転数は外皮20の厚さによって相違する。
【0034】
サーボモータ85の制御により停止時に常に小径のローラ91が上死点に位置するようにしている。しかし実際には若干の位置ずれが生じるため、シリンダ86の伸長動作で受け部材89を上昇させ、V字状の溝88で小径のローラ91を拾って持ち上げる。これにより、カッタローラ68の初期位置が垂直方向に正確に規定されると共に、カッタローラ68が電線15から上昇して離間し、電線15からカッタ74が外れ、電線15がカッタ74からスムーズ且つ確実に解放される。
【0035】
電線15は搬送装置14(図1)でガイド板71に沿って装置5から離間しつつ次工程のシース抜取装置6に送られる。一対のガイド板71は円弧状の上端と略V字状の中央の切欠を有し、前工程から電線15を受ける際にも電線15をスムーズに各ローラ68,69間に案内する。
【0036】
上記シース切込装置5において上下の同径の三つのローラ68,69で電線15を径方向に均一に押圧しながら、各ローラ68,69を公転させつつカッタ74で外皮20に切込を入れるから、電線15が例え楕円形に変形していてもそれが矯正されて、外皮20が深さムラなく正確に切断され、内側の金属編組22(図2)にカッタ74で傷が付つことがない。また、電線15の種類(品番)に応じて径の異なるカッタ74に交換するだけで、装置5を共通に使用できる。
外皮20の切込を終えた電線15は隣のシース抜取装置6に搬送される。
【0037】
図10〜図11はシース抜取装置6を示すものである。
図10〜図11で、符号15は電線、92は電線固定用のチャック、100はチャック補強(増締め)用の押圧部材(図12参照)、93は、シース抜取用の刃部94を固定したリンク状の一対の開閉部材、95は、開閉部材93を開閉駆動する水平な短いエアシリンダ(駆動手段)、96は、開閉部材93を進退させる水平な長いエアシリンダ(刃部進退手段)をそれぞれ示す。開閉部材93や短いシリンダ95は水平な可動基板97に設けられ、長いシリンダ96のロッド98が可動基板97に連結され、シリンダ96はフレーム99に固定されている。チャック92はエア式の開閉シリンダ105で開閉駆動される。
【0038】
図11の如く一対の開閉部材93は長手方向中間部を軸支され、且つ後端部を直交方向の一対のリンク101で連結され、リンク101がシリンダ95(図10)のロッド102に連結され、シリンダ95の伸縮動作で一対の開閉部材93が左右に開閉する。一対の刃部94の前側に電線支持溝を有する一対の電線ガイド爪(図示せず)を一体に設けることも可能である。
【0039】
チャック増締め用の押圧部材100(図12)は垂直なエアシリンダ103のロッド104に固定され、一対のチャック92の上部両側に対する押接用の左右一対の傾斜面106を有する。
【0040】
図13(a) に作用図に示す如く、開閉部材93を開いた状態で長いシリンダ96の伸長動作で電線15の先端部の径方向両側に一対の刃部94が位置する。図13(b) の如く短いシリンダ95の圧縮動作でリンク101がロッド102と直交して一対の開閉部材93が閉じ、一対の刃部94が外皮20の先端部に食い込む。食い込みの位置は前記切込部21の位置よりも少し電線先端寄りである。刃部94は外皮20の厚さ方向中間部まで食い込み、内側の編組22にまでは達しない。この状態で図13(c) の如く長いシリンダ96が圧縮され、水平な基板97と一体に開閉部材93や刃部94が後退することで、外皮20が切込部21から抜き取られ、編組22が露出する。抜取に際して刃部94が編組22に接しないから、編組22の傷付が起こらない。この効果はシース切込とシース抜取とを別に行わせることで達成される。
【0041】
また、シース抜取に際して増締め用の押圧部材100(図12)でチャック92を閉じ方向に押え付けることで、チャック92の把持力が増し、抜取の際の電線15の引張力に抗してチャック92が電線15を確実に固定する。これにより、外皮20の抜取が確実に行われる。図12で鎖線はチャックが開いた状態を示す。
編組22を露出した電線15は搬送装置14で隣の編組切断装置7に送られる。
【0042】
図14〜図15は編組切断装置7を示すものである。
図14で、符号107は編組切断用のダイス、108は同じくパンチ、109はガイド部材、110は編組開き爪、111は、パンチ108を一次前進させる小径のシリンダ、112は、パンチ108を二次前進させ、ダイス107とパンチ108の間で電線15の編組22を切断させる大径で強力なシリンダ、113,114(図15)は、編組開き爪110を開閉させるエアシリンダ(駆動手段)をそれぞれ示す。
【0043】
電線15は長手方向中間部をチャック115に把持され、且つ先端部側を支持チャック(支持部材)116で長手方向移動自在に支持されている。支持チャック116の前方にダイス107が位置し、ダイス107を固定したフレーム117と支持チャック116とは水平な基板118に一体に固定され、基板118はガイドレール119に沿って電線長手方向に移動自在である。
【0044】
基板118はボールねじ軸(図示せず)で進退駆動される。基板118の後部に立設したフレーム120にパンチ移動用の小径の一次シリンダ111が固定され、大径の二次シリンダ112はガイドレール等の案内手段121でフレーム120に対して進退自在である。二次シリンダ112にガイド部材進退用の水平なエアシリンダ(進退手段)122が固定され、チャック式のガイド部材109は開閉シリンダ(駆動手段)123に連結され、開閉シリンダ123が移動用のシリンダ122のロッド124に連結されている。
【0045】
図15に編組開き手段125を示す如く、編組開き爪110は左右一対配置されており、それぞれ反対方向に移動自在なスライド板(スライド部材)126,127に固定されている。各スライド板126,127はほぼ垂直方向の一本のリンク128に上下の軸部で係合し、リンク128の上端と下端は各シリンダ113,114のロッド129,130に連結され、各シリンダ113,114の基部は回動自在に支持されている。各スライド板126,127は孔部131と軸部132との隙間の範囲で横方向(電線径方向)に移動自在である。
【0046】
図16に図15のダイス107やパンチ108といった切断手段の拡大図を示す。ダイス107は環状に形成され、内径部にパンチ108が進入可能である。パンチ108は筒状に形成され、薄肉の先端部がガイド部材109の内径部に進入する。ガイド部材109は左右に分割された略環状のものであり、先端部にパンチ108の先端を覆う案内用の傾斜面109a,109bを内側と外側とに有し、外側の傾斜面109bは長く延長されている。左右一対のガイド部材109が開閉シリンダ123(図14)によって開閉され、開時にパンチ108がダイス107に向けて前進する。また、編組開き爪110はカッタほどではないがやや尖った環状の先端を有している。
【0047】
図14において水平な基板118をボールねじ軸とサーボモータの駆動でスライド式に前進させることで、電線15の先端部(編組22の露出部分)がダイス107内に挿通されて位置する。その状態で図15の上下一対のシリンダ113,114をそれぞれ反対方向に数回作動させることで、リンク128が揺動し、左右一対のスライド板126,127と一体に編組開き爪110が繰り返し開閉し、図17の如く開き爪110が電線15の編組22を繰り返し数回(4〜5回)内皮24に押し付けて徐々に外向きにテーパ状に拡径させる。それにより、電線15の編組22と内皮24との間に環状のパンチ108を容易に挿入可能となる。
【0048】
編組22を拡げた状態で、図14の一次シリンダ111の伸長動作で二次シリンダ112とパンチ108とガイド部材109とが一体に前進し、図18(ダイス107は図示を省略している)の如くガイド部材109の内側の傾斜面109aに沿って電線15の内皮24がパンチ108の内径部(内部空間)133に初期挿入(少し挿入)され、それと同時に編組22の開き部がガイド部材109の外側の傾斜面109bに沿って摺動してさらに拡げられる。さらにガイド部材109が左右に開くことで編組22が一層外側に拡げられ、その状態でガイド部材109が後方に退避する。ガイド部材109の編組開き作用によって、パンチ108の挿入が一層容易化・確実化する。なお、明細書の記載で電線15の「前」とダイス107の「前」は方向的に一致し、これらに対してパンチ108の「前」とガイド部材109の「前」とは相対する方向である。
【0049】
ガイド部材109が外側に開いて、図14の水平なシリンダ122の圧縮動作で後退し、二次シリンダ112が伸長することで、図17の如く編組22の開き部内にパンチ108が挿入され、パンチ108の外周とダイス107の内周との間で編組22が挟まれて瞬間的に剪断される。この編組切断は編組22の先端部の余分な長さの部分を排除し、外皮20からの編組22の突出長を規定するために行われる。
【0050】
パンチ108やダイス107を含む切断装置主体部がサーボモータとボールねじ軸(図示せず)の作用でガイドレール119に沿って後退し、電線15がダイス107から抜き出される。その状態で編組開き爪110を数回空で作動させることで、その振動でダイス107内の編組カスが下の廃棄ボックス内に振り落とされる。
【0051】
上記サーボモータとボールねじ軸で切断装置主体部を自在に進退させることで、編組22の切断長さを自在に調整でき、各種品番の電線15に容易に対応できる。また、編組22を開かせて、パンチ108の内側に内皮24を位置させ、パンチ108の外側で編組22を切断するから、内皮24や心線25に傷を付けることなく、編組22のみを確実に切断できる。
編組22を切断された電線15は搬送装置14で隣の編組折返し装置8に送られる。
【0052】
図19〜図20は編組折返し装置8を示すものである。
図19〜図20において、符号134は編組開き爪、135は編組開きパイプ、19はシールド接触子、136は接触子押え、137は編組折返し部材を示す。
【0053】
図19で電線15は中間部をチャック138で把持されると共に、その前側を接触子押え136で支持され、且つ先端部を開きパイプ135で支持されている。接触子押え136は左右一対のチャック(電線15を把持せずに支持するのみ)で構成され、上側の倒立した開閉シリンダ139で開閉されると共に、水平なエアシリンダ140でガイドシャフト141に沿って電線長手方向に進退自在である。接触子押え136は電線心出し(位置決め)部材としても作用する。
【0054】
編組開きパイプ135は図21にも示す如く環状に且つ左右に分割可能に構成され、先端部の外周にテーパ状の傾斜面142を有している。開きパイプ135はエア式の開閉シリンダ143に連結され、左右に開閉自在である。開閉シリンダ143は上側の水平なガイドシャフト141にスライド自在に係合し、且つ水平なエアシリンダ144のロッド145に連結されて電線長手方向に進退自在である。開きパイプ135の外周に沿って編組折返し部材137が電線長手方向に摺動自在にないしは若干の径方向の隙間を存して配置されている。
【0055】
編組折返し部材137は例えば垂直な板部材に円孔を設け、円孔の中心から左右に分割し、一対のチャックのように開閉シリンダ145に開閉自在に連結したものである。円孔の内径はシールド接触子19の小径部19bの外径と同等かやや大径(小径部19bと編組22の厚みの二倍との総和)である。開閉シリンダ145は水平な駆動シャフト141に固定され(前記ガイドシャフト141が駆動シャフトを兼ねてもよい)、駆動シャフト141は水平なエアシリンダ146のロッド147に連結されて電線長手方向に移動自在である。
【0056】
図19で電線15の下側に左右一対の編組開き爪134が位置し、図20に編組開き手段215を示す如く、左右の開き爪134は水平なフローティングされたエアシリンダ148のロッド148aとシリンダ本体とに左右のスライド部材149,150と水平なレール151を介して別々に連結され、シリンダ148の伸縮動作で電線径方向に開閉自在である。開き爪134やシリンダ148は図19の如く垂直な基板152を介して垂直なエアシンダ153のロッドに連結されて昇降自在であり、垂直なエアシリンダ153は水平な基板154に固定され、水平な基板154は水平なガイドレール155にスライド自在に係合し、水平なエアシリンダ156で電線長手方向に進退自在である。開き爪134の原理及び作用は前工程の編組切断装置7の開き爪110と同様である。
【0057】
図19で開き爪134を水平なシリンダ148で左右に開いた状態で垂直なシリンダ153の伸長動作で上昇させ、一対の開き爪134の間に電線15の編組22を位置させ、図21の如く左右から開き爪134で編組22を内皮24に押し付けてラッパ状に開かせる。次いで開きパイプ135を開閉シリンダ143で閉じつつ開きパイプ135の内周部で内皮24の外周を掴むように支持し(把持せずに軽く支持する)編組22に向けて前進させ、先端の傾斜面142で編組22をさらに外側に開かせる。
【0058】
シールド接触子19は水平なシリンダ140の伸長動作で後方の押え部材136で大径部19aの後端面を押されて外皮20の先端位置まで移動する。その状態で水平なシリンダ146の伸長動作で折返し部材137が開きパイプ135に沿って前進し、編組22を直角ないしそれ以上の角度で接触子19の小径部19bの外周側に折り返す。この際、開き爪134は水平なシリンダ148の伸長動作で外側に開き、垂直なシリンダ153の圧縮動作で下降して回避する。開き爪134はフレーム側の水平なシリンダ156の伸縮動作で電線長手方向に位置を切り換え可能である。
【0059】
編組22を折り返された電線15は搬送装置14で隣のシールドパイプ挿入装置9に送られる。シールドパイプ挿入装置9の構成は図5のシールド接触子挿入装置4とほぼ同様であるので、便宜上図5と、相違部を含む図22とを用いて説明する。
【0060】
シールドパイプ23は図23に示す如く環状の部材であり、シールド接触子19に向けて電線15の先端から挿入(外挿)され、電線15の折り返された編組22を接触子19の小径部19bに密着固定させるものである。
【0061】
図5の装置4をシールドパイプ挿入装置と仮定すると、ホッパ17(図1)からパーツフィーダの供給路43に沿ってシールドパイプ23がその軸心を垂直にして送られて昇降式の部品受渡し部44に供給され、上昇したラム47から回動式の部品受渡し部42で拾われて90°回動して水平に向きを変え、部品受渡し部42の前進動作で電線15の先端から長手方向に外挿される。
【0062】
この際、図22の如く電線15の先端部は開閉自在のチャック式の支持部材157で支持されて位置決め(心出し)されており、回動式の部品受渡し部42(図5)は支持部材157を押して電線長手方向の水平なガイドシャフト158に沿ってスライドさせながらシールドパイプ23を電線15に沿って正確に挿入し、支持部材157は開閉シリンダ159の駆動で左右に開いて回避する。シールド接触子23は後方からチャック式の押え部材160で押圧されて、折り返された編組22の後側に接して位置し、この状態で第二の部品受渡し部42(図5)が前進してシールドパイプ23を編組22に押し当てて、編組22を後向きに180°に折り曲げながら、シールド接触子19の小径部19bの外周上に挿入する。
【0063】
支持部材157の開閉シリンダ159はコイルばね(付勢部材)161で部品受渡し部42に向けて付勢され、ストッパ162で当接停止する。押え部材160は開閉シリンダ163で開閉駆動され、開閉シリンダ163は水平なガイドシャフト158にスライド自在に係合し、後方の水平なエアシリンダ164のロッド165に連結されて電線長手方向に進退自在である。この押え部材160が図5にはない構成である。
【0064】
シリンダ164の伸長動作で押え部材160が電線15に沿って前進し、シールド接触子19を折り返された編組22の後方に位置決めさせる。押え部材160はチャック式に開閉自在であるが電線15を把持することはなく、支持するのみである。押え部材160によっても電線15の心出しが正確に行われ、編組外周へのシールドパイプ23の挿入が正確に行われる。電線15は押え部160の後方においてチャック166で把持固定されている。
シールドパイプ23を挿入した電線15は搬送装置14で隣のパイプ加締装置10に送られる。
【0065】
図24はパイプ加締装置10を示すものである。
図24において、符号167は装置フレーム、168は、電線15の種類(太さ)に応じてフレーム167に着脱自在なアプリケータ、169は、アプリケータ168の一部である昇降自在なラム171に固定された加締用の上型169、170は加締用の下型、172は、ばね(付勢部材)173で上方向に付勢されて上下方向にスライド自在な電線チャックをそれぞれ示す。
【0066】
筒状のシールドパイプ23は図25に示す如くシールド接触子19の小径部及び編組22と共に略六角形に加締められて強固に固定され、編組22がシールド接触子19とシールドパイプ23とに強く接触する。
【0067】
図24で加締用の上型169はラム171の先端に固定され、ラム171はガイド174に沿って上方の強圧のエアハイドロアクチュエータ(図示せず)で昇降される。ラム171の外側には押圧部材175が下向きに一体に設けられ、シールドパイプ23の加締時にシールドパイプ23が潰れ代を生じたり、下型170と一体に沈み込んで加締ストロークを生じた際に、押圧部材175が電線チャック172を下向きに押圧して電線15と同期して沈み込ませる。押圧部材175は長手方向中間部にチャック172側のばね173よりも強い破損防止用のばね(付勢部材)176を有している。
【0068】
チャック172を駆動するエア式の開閉シリンダ177は垂直なレール178に沿ってスライド自在であり、ばね173で上向きに付勢されている。本形態では開閉シリンダ177と一体の垂直なシャフト179の上端を押圧部材175が押圧する。押圧部材175でチャック172を直接押圧してもよい。押圧部材175とシャフト179とレール178とばね173とで電線を沈み込ませる手段が構成される。
【0069】
電線15はチャック172と一体の前側の支持部材180で先端側を支持されている。アプリケータ168を含む装置本体は水平な基板181上のレール182に前後方向スライド自在に係合し、水平なエアシリンダ183で電線長手方向に駆動され、それにより電線15のシールドパイプ23が加締用の上型169と下型170の間に位置決めされる。この状態でパイプ加締が行われ、押圧部材175によって電線15が加締代に応じて沈み込んで加締が正確な形状で確実に行われる。
【0070】
シールドパイプ23の加締が終わった電線15は隣の搬送装置14で先端皮剥き装置11に送られる。先端(内皮24)の皮剥きは心線25を露出させるために行われる。
【0071】
図26は内皮皮剥き装置11を示すものである。
図26で、符号185は上下一対の皮剥きカッタ、186は、各カッタ185を閉じ方向(電線径方向)に移動させる手段、213は、カッタ195を回動させる手段、187は、カッタ185を後方(内皮抜取方向)に移動させる進退手段、188は電線チャック、189はチャック補強用の押圧部材をそれぞれ示す。
【0072】
カッタ185は図27に示す如く傾斜刃190を有する同一形状の二枚のカッタ1851 を対称に腹合わせに接合させて構成され、二枚合わせのカッタ185が左右に配置される。各カッタ1851 は同一のものであるから経済的である。
【0073】
一対のカッタ185はその孔部191を図26の水平な一対のホルダ192に位置決め固定されて内向きに突出して位置する。ホルダ収容壁には電線径方向のガイド部である長孔状のガイド孔193またはガイド溝が設けられ、各ホルダ192の基部側の板状部192aには、ガイド孔193にスライド自在に係合した小径のローラ(従動子)194が設けられ、各ホルダ192は電線径方向に進退自在である。
【0074】
一対のホルダ192の板状部192aにはそれぞれカム部である傾斜状のカム孔(長孔)195またはカム溝が形成され、各カム孔195が横V字状に位置し、両カム孔195に小径のローラ(従動子)196がスライド自在に係合し、ローラ196は水平なリンク197の先端側に継手を介して電線周方向回転自在に連結され、リンク197の基端は継手198を介して扇状の減速ギヤ199に固定され、減速ギヤ199は回動自在に軸支されてサーボモータ200側の駆動ギヤ201に歯合している。モータ200と各ギヤ201,199とでリンク197に対する進退手段216が構成されている。
【0075】
また、ホルダ192は中空の水平な回動軸202に連結され、回動軸202はロータリアクチュエータ(駆動手段)203に連結されて回転駆動される。ロータリアクチュエータ203は例えば180°ないしそれ以上正転及び反転する。回転軸202の中空部内にリンク197が挿通され、リンク197は回転を吸収できる継手198によって回動軸202の回転とは関係なく進退自在である。ロータリアクチュエータ203やギヤ199を支持する各支柱204は水平な基板205に固定され、基板205は水平なレール206に沿ってサーボモータ207とボールねじ軸208による駆動手段で電線長手方向に移動自在である。
【0076】
チャック増締め用の押圧部材189は図10のシース抜取装置6におけるものと同様であり、電線15の上側でフレーム210に固定された下向きのシリンダ211のロッド212に連結され、シリンダ211の伸長動作でチャック188を閉じ方向に押圧して、電線15の内皮切断時の回転力や皮剥き時の引張力に抗して電線15を強固に固定し、内皮24の切断と皮剥きを確実に行わせる。
【0077】
ロータリアクチュエータ203の駆動で回動軸202が正逆両方向に回動しつつ、サーボモータ200の駆動で減速ギヤ199が後方に回動し、リンク197が引っ張られ、ローラ196がリンク197と一体に後退しつつ傾斜状の各ガイド孔195に沿って摺動し、それにより一対のホルダ192が閉じ方向(内皮切断方向)にスライド移動し、一対のカッタ185が電線15の内皮24に切り込みを入れつつ回動して内皮24を周方向に切断する。
【0078】
カッタ185の回動は例えば一回目の180°の正転時に浅くカッタ185を切り込ませ、次ぎの180°の逆転時に深くカッタ185を切り込ませて内皮24を切断し、次いでカッタ185を浅く位置させて後退させることで確実に内皮24を切断できると共に、心線25を傷付けずに内皮24を抜き取ることができる。カッタ185の切り込み深さの調節はサーボモータ200で行うことができる。
【0079】
内皮24に切り込みを入れた後にサーボモータ208の駆動でボールねじ軸209を回転させ、水平な基板205を含む装置本体を後退させ、カッタ185で切断された内皮24を引っ掛けた状態で電線先端側に移動させて皮剥きする。
【0080】
皮剥き装置10においてカッタ185を回転させながら切り込むことにより、ゴム質の切れにくい内皮24も精度良く皮剥きすることができる。装置本体の移動距離はボールねじ軸209の長さの範囲で自在に調整でき、切断した内皮24を心線25から完全に抜き取ったり、あるいは完全に抜かずに心線25を半分ほど露出させて心線25の先端を内皮24で保護しておくことも可能である。
心線25を露出させた電線15は搬送装置14で隣の端子加締装置12(図1)に送られる。
【0081】
端子加締装置12(図1)は図24のパイプ加締装置10とほぼ同様の構成のものであり、ラムで昇降自在な上型と、ほぼ固定された下型との間で端子を電線の露出された心線に圧着接続する。
端子加締を終えた電線15は搬送装置14で隣の取出装置13(図1)に送られ、取出装置13でパレット(ボックス)内に投入され、次の組立工程(図示せず)に送られる。
【0082】
なお、上記シールド電線加工装置1から最終の端子加締装置12を独立させてもよい。これは端子26(図2)の大きさによっては強力な加締圧力を必要とするからである。
【0083】
また、上記シールド電線加工装置1の作用の説明において、例えば図3の電線セット装置3における「チャック29が閉じ、チャック30が開いて電線15が次工程のシールド接触子挿入装置4に送られる」という記載を「チャック29を閉じ、チャック30を開いて電線15を次工程のシールド接触子挿入装置4に送る」と読み換えることで、シールド電線加工方法の記載に代えることができる。これは他の装置4〜14においても同様である。
【0084】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1,14記載の発明によれば、シールド電線をセットした後、シールド接触の挿入とシース切込み及び抜取りと編組切断と編組折返しとシールドパイプ挿入と内皮皮剥きとが全て自動で行われるから、人手がかからず、しかも加工工数が大きく低減され、それにより製品コストが大幅に低減される。
【0085】
また、電線セット工程で電線の先端位置がセンサで正確に規定されるから、外被の皮剥き長さや編組の露出長さや内皮の切断長さが正確に加工される。また、シールド接触子挿入工程でシールド接触子をシールド電線に挿入した後、シース切込み及び抜取り工程で外皮(シース)を皮剥して編組を露出させることで、露出した編組の先端からシールド接触子を挿入するという面倒がなくなり、編組のささくれ立ちも防止される。また、シース切込工程においてガイドローラでシールド電線の外周を支持しつつ、外皮をカッタローラで切断することで、両ローラによってシールド電線の楕円形状が真円に矯正され、外皮が切れ残しや切り過ぎ(編組への傷付け)なく正確に切断される。また、シース抜取工程で外皮の切込み部ではなく、切断した外皮の表面に刃部を食い込ませて外皮を抜き取るから、外皮の下側の編組に傷を付けることがない。また、編組切断工程において編組を二つの手段(編組を開かせる手段とガイド部材)で大きく開かせるから、編組内にパンチが正確に挿入され、ダイスとの間で編組が確実に且つ綺麗に切断される。また、編組折返し工程において二つの手段(編組を開かせる手段と開きパイプ)で編組を大きく開かせるから、折返し部材による編組の折り返しが正確に行われる。また、シールドパイプ挿入工程において押え部材をシールド接触子に当接させてシールド接触子の後退を防止しつつシールドパイプをシールド接触子に外挿することで、シールドパイプの外挿がスムーズ且つ確実に行われ、シールド接触子とシールドパイプとの間に編組が確実に且つ綺麗に挟み込まれ、電気的接続の信頼性が高まる。また、内皮皮剥き工程でカッタを回転させつつ内皮に切り込ませることで、厚肉で弾性のある内皮が同一深さで正確に且つ綺麗に切断され、心線への傷付が防止される。以上の各工程によって製品(シールド電線加工品)の品質が格段に向上する。
【0086】
また、請求項2記載の発明によれば、シールド電線の搬送時に搬送装置のチャックを一ピッチだけ動かせばよいから、搬送装置をエンドレスにする必要がなく、搬送装置の構造が簡素化、小型化される。
また、請求項3記載の発明によれば、シールド電線の種類等に応じて電線先端の位置を容易に変更できるから、電線セット作業が容易化・効率化する。
【0087】
また、請求項4記載の発明によれば、供給路で部品(シールド接触子やシールドパイプ)の軸心を垂直に向けた状態で水平に送られた部品を第一受渡し部で拾い上げ、第二受渡し部で90°反転させて部品の軸心を水平に向けることで、水平に固定された電線に対して第二受渡し部を前進させて部品をスムーズ且つ確実に電線に外挿することができる。
【0088】
また、請求項5記載の発明によれば、電線支持部が受渡し部(第二受渡し部)と一体にシールド電線に沿って移動することで、電線を電線支持部で位置決めさせた状態で受渡し部(第二受渡し部)から電線にシールド接触子やシールドパイプを確実に受け渡すことができる。
【0089】
また、請求項6記載の発明によれば、カッタローラが付勢手段でシールド電線に押し付けられつつ公転することで外皮が切断され、切断後に付勢手段に抗してカッタローラ側の位置決め部材が昇降シリンダで上昇されることで、カッタローラがシールド電線から径方向に離間し、受け部材で支持されてカッタローラの初期位置が正確に規定される。昇降シリンダを逆に作動させ、受け部材との係合を解除することで、カッタローラが公転自在となる。このようにカッタローラの位置規定ができることで、常に正確に外皮の切断が行われる。
【0090】
また、請求項7記載の発明によれば、刃部と刃部開閉用の駆動手段とを別の手段で一体的に進退させることで、電線長手方向への刃部の位置決めを正確に行うことができ、外皮の抜取部を刃部で正確に把持することができる。
また、請求項8記載の発明によれば、シールド電線を把持したチャックを押圧部材で増し締めすることで、外皮抜取時や内皮抜取時にシールド電線に強い引張力が作用しても、電線が強固に固定され、外皮や内皮の抜取が正確に行われる。
【0091】
また、請求項9記載の発明によれば、駆動手段でリンクが揺動し、リンクが一対のスライド部材と一体に開き爪を開閉方向に移動させることで、一対の開き爪が一定のリズムで編組を繰り返し押圧し、これにより編組がラッパ状に確実に開く。
【0092】
また、請求項10記載の発明によれば、ガイド部材が開いて後退(回避)することで、パンチの前進動作がスムーズに行われ、ダイスとの間で編組が確実に切断される。
また、請求項11記載の発明によれば、不動式のシリンダの伸縮動作で一対のスライダが開き爪と一体に開閉駆動され、シールド電線の編組が開き爪で無理なく適切な力で繰り返し押圧され、それにより編組が痛むことなく確実にラッパ状に開かれる。
【0093】
また、請求項12記載の発明によれば、シールドパイプの加締時にシールドパイプの軸心とシールド電線の軸心とが一致するから、加締時にシールド電線に引張力が作用することなく、シールドパイプの加締が位置ずれなく正確に行われる。
【0094】
また、請求項13記載の発明によれば、カッタが回動手段で電線の周囲を回動しつつ、進退手段でリンクが従動子と一体に後退し、従動子に沿って傾斜状のカム部が摺動し、一対のホルダが閉じ方向に移動することで、カッタがシールド電線の内皮に正確な深さで切れ込んで環状の切れ目を入れる。これにより内皮がスムーズ且つ確実に且つ綺麗に切断され、内皮内側の心線の傷付きが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシールド電線加工装置の一実施形態を示す概観斜視図である。
【図2】 (a) 〜(j) はシールド電線の加工方法を順に示す平面図である。
【図3】電線セット装置を示す側面図である。
【図4】電線搬送装置を示す要部斜視図である。
【図5】シールド接触子挿入装置を示す側面図である。
【図6】第二の部品受渡し部を示す分解斜視図である。
【図7】シース切込装置を示す側面図である。
【図8】シース切込装置を示す正面図である。
【図9】図7におけるカッタローラを示す拡大図である。
【図10】シース抜取装置を示す側面図である。
【図11】シース抜取装置を示す平面図である。
【図12】チャックを補強する押圧手段を示す正面図である。
【図13】 (a) 〜(c) はシース抜取装置の作用を示す説明図である。
【図14】編組切断装置を示す一部を断面した側面図である。
【図15】編組切断装置の編組開き手段を示す正面図である。
【図16】図14における編組切断手段を示す要部断面図である。
【図17】編組を切断する状態を示す説明図である。
【図18】ガイド部材の作用を示す説明図である。
【図19】編組折返し装置を示す側面図である。
【図20】編組折返し装置の主に編組開き手段を示す正面図である。
【図21】編組を折り返す方法を示す説明図である。
【図22】シールドパイプ挿入装置を示す要部側面図である。
【図23】シールドパイプをシールド電線に挿入する状態を示す分解斜視図である。
【図24】パイプ加締装置を示す側面図である。
【図25】シールドパイプを加締めた状態を示す斜視図である。
【図26】皮剥き装置を示す側面図である。
【図27】一対の皮剥きカッタを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シールド電線加工装置
3 電線セット装置
4 シールド接触子挿入装置
5 シース切込装置
6 シース抜取装置
7 編組切断装置
8 編組折返し装置
9 シールドパイプ挿入装置
10 パイプ加締装置
11 皮剥き装置
14 搬送装置
15 シールド電線
18 センサ
19 シールド接触子
20 外皮
21 切込み部
22 編組
23 シールドパイプ
24 内皮
29 チャック
30,40,65,92,115,138,166,172,188チャック
32 シリンダ(移動手段)
35 シリンダ(駆動手段)
41 電線支持部
42 第二受渡し部
43 供給路
44 第一受渡し部
54 シリンダ(進退手段)
68 カッタローラ
69 ガイドローラ
78 スライド部材
79 ばね(付勢手段)
81 装置フレーム
86 昇降シリンダ
89 受け部材
91 ローラ(位置決め部材)
93 開閉部材
94 刃部
95 シリンダ(駆動手段)
96 シリンダ(進退手段)
100,189 押圧部材
107 ダイス
108 パンチ
109 ガイド部材
110 開き爪
113,114 シリンダ(駆動手段)
122 シリンダ(進退手段)
123 開閉シリンダ(駆動手段)
125 編組開き手段
126,127 スライド部材
128 リンク
134 開き爪
135 開きパイプ
137 折返し部材
148 シリンダ
149,150 スライド部材
160 押え部材
173 ばね(沈み込み手段)
175 押圧部材(沈み込み手段)
185 カッタ
186 開閉手段
187 進退手段
192 ホルダ
195 カム孔(カム部)
196 ローラ(従動子)
197 リンク
213 回動手段
215 編組開き手段
216 進退手段
Claims (14)
- シールド電線を加工順に送る搬送装置と、
前記シールド電線の先端位置を検知するセンサを有する電線セット装置と、
環状のシールド接触子を供給路から受け取る受渡し部と、該受渡し部を電線先端に向けて前進させる手段とを備え、該シールド接触子を前記シールド電線の外皮に外挿するシールド接触子挿入装置と、
前記シールド電線の外皮の周囲を公転し、該外皮に切込みを入れるカッタローラと、該外皮を支持するガイドローラとを備え、該外皮を環状に切断するシース切込装置と、
前記外皮の切込み部と先端との間で該外皮を切断せずに該外皮に食い込む刃部と、該刃部を電線先端方向に後退させる手段とを備え、該外皮を抜き取るシース抜取装置と、
前記外被から露出した編組の外側に位置するダイスと、該編組を開かせる一対の開閉自在な開き爪と、該編組の内側に進入する環状のパンチと、該編組をさらに開く方向に案内し、且つ該編組の内側の内皮を該パンチの内側に案内する分割式のガイド部材とを備え、該編組を所要長さに剪断する編組切断装置と、
切り揃えられた編組を開かせる一対の開閉自在な開き爪と、前記内皮を軽く掴むように支持して該内皮に沿って前進し、該編組の内側に進入して該編組をさらに開かせる分割式の開きパイプと、該開きパイプに沿って前進し、前記外皮の先端位置で該編組を押圧して折り返す折返し部材とを備える編組折返し装置と、
前記シールド接触子の後退を阻止する押え部材と、環状のシールドパイプを供給路から受け取る受渡し部と、該受渡し部を前記折り返された編組に向けて前進させる手段とを備え、該シールド接触子と該シールドパイプとの間に該編組を挟み込ませるシールドパイプ挿入装置と、
前記シールドパイプを加締めるパイプ加締装置と、
前記内皮の周囲を回動するカッタと、該カッタを電線径方向に移動させる手段と、該カッタを内皮抜取方向に後退させる手段とを備える皮剥き装置と、
を備えることを特徴とするシールド電線加工装置。 - 前記各装置毎にシールド電線を固定するチャックを備え、前記搬送装置におけるチャックが他の装置のチャックと同ピッチで対向して配置され、且つ駆動手段で一ピッチだけ進退することを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記電線セット装置において前記センサの位置が移動手段で変更自在であることを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記シールド接触子挿入装置又は前記シールドパイプ挿入装置において前記受渡し部が、前記供給路から前記シールド接触子又は前記シールドパイプを上昇させる第一受渡し部と、該第一受渡し部から該シールド接触子又は該シールドパイプを受け取って90°水平方向に回動する第二受渡し部とで構成され、該第二受渡し部が前記前進させる手段で前進することを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記シールド接触子挿入装置又は前記シールドパイプ挿入装置において前記シールド電線の先端部を支持し、且つ前記受渡し部又は第二受渡し部に押されてシールド電線に沿って後退する電線支持部が配置されたことを特徴とする請求項1又は4記載のシールド電線加工装置。
- 前記シース切込装置において前記カッタローラが昇降自在なスライド部材に軸支され、該スライド部材が付勢手段で電線径方向に押圧され、該スライド部材に設けた位置決め部材が、装置フレーム側の昇降シリンダに連結した受け部材に係合可能であることを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記シース抜取装置において前記刃部が一対の開閉部材に設けられ、該開閉部材が駆動手段で開閉され、該開閉部材の閉時に一対の該刃部が前記外皮に食い込み、前記後退させる手段で該開閉部材と該駆動手段が一体に後退することを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記シース抜取装置及び前記皮剥き装置において前記チャックを増し締めする押圧部材が配設されたことを特徴とする請求項2記載のシールド電線加工装置。
- 前記編組切断装置において、前記一対の開閉自在な開き爪と、該一対の開き爪を固定した一対のスライド部材と、該一対のスライド部材を相対する方向に移動させるリンクと、該リンクを揺動させる駆動手段とで編組を開かせる手段が構成されたことを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記編組切断装置において前記ガイド部材が、前記パンチの前進時に駆動手段と進退手段で外側に開いて後退可能であることを特徴とする請求項1又は9記載のシールド電線加工装置。
- 前記編組折返し装置において、前記一対の開閉自在な開き爪と、該一対の開き爪を固定した一対のスライド部材と、該一対のスライド部材を相対する方向に開閉させる浮動式のシリンダとで編組を開かせる手段が構成されたことを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記パイプ加締装置において前記シールドパイプの加締ストロークに対応して前記シールド電線を沈み込ませる手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- 前記皮剥き装置において前記カッタが一対の開閉自在なホルダに固定され、該一対のホルダが傾斜状の対称なカム部を有して回動手段に連結され、該カム部に従動子が係合し、該従動子がリンクに連結され、該リンクが進退手段に連結されたことを特徴とする請求項1記載のシールド電線加工装置。
- シールド電線の先端をセンサで位置決めさせ、
該シールド電線をチャックして次工程へ送り、
環状のシールド接触子を供給路から受渡し部で受け取り、該受渡し部を電線先端に向けて前進させて該シールド接触子を該シールド電線の外皮に外挿し、
該シールド電線の外皮の周囲にカッタローラとガイドローラとを公転させて該外皮を環状に切断し、
該外皮の切込み部と先端との間で該外皮を切断せずに該外皮に刃部を食い込ませ、該刃部を電線先端方向に後退させて該外皮を抜き取り、
該外被から露出した編組を一対の開閉自在な開き爪で開かせ、該編組を分割式のガイド部材の傾斜状の外面に沿ってさらに開かせると共に、該ガイド部材の傾斜状の内面に沿って該編組の内側の内皮を環状のパンチの内側に案内させ、該パンチを該編組の内側に進入させつつ、該編組の外側に位置するダイスとの間で該編組を所要長さに剪断し、
切り揃えられた該編組を一対の開閉自在な開き爪で開かせ、前記内皮を分割式の開きパイプで軽く掴むように支持しつつ、該開きパイプを該内皮に沿って該編組の内側に挿入して、該開きパイプの傾斜部で該編組をさらに開かせ、該開きパイプに沿って編組折返し部材を前進させ、該編組折返し部材で該編組を押圧して前記外皮の先端位置で該編組を折り返し、
環状のシールドパイプを供給路から受渡し部で受け取り、該受渡し部を前記折り返された編組に向けて前進させ、押え部材で前記シールド接触子の後退を阻止させつつ、該シールド接触子と該シールドパイプとの間に該編組を挟み込ませ、
該シールドパイプを加締装置で加締め、
前記内皮の周囲にカッタを回動させつつ該カッタを電線径方向に移動させて該カッタで該内皮を切断し、該カッタを内皮抜取方向に後退させて該内皮を抜き取り心線を露出させる
ことを特徴とするシールド電線加工方法。
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