JP2024062237A - 端末加工装置及び端末加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い加工品質で電線の端末を加工できる端末加工装置を提供する。【解決手段】芯線3の外周が箔4によって覆われた電線1の端末加工装置100であって、電線1の径方向に移動可能であり、箔4に切込みを入れる刃11と、刃11と連動して電線1の径方向に移動し、刃11の切込み深さを制限する制止部材13と、電線1に対して刃11及び制止部材13と反対側に配置され、刃11および制止部材13による電線1の押圧力を受けるガイド15と、刃11、制止部材13及びガイド15を、電線1の軸周りに回転させる回転機構17と、を備え、ガイド15は、電線1の長手方向において、刃11から制止部材13までの位置に対応する位置に設けられる。【選択図】図3
Description
本発明は、電線の端末加工装置に関する。
特許文献1には、多芯ケーブル等の電線の外側部材を除去するストリップ装置が開示されている。この装置は、電線に対して一対のストリップ刃をばね付勢させつつ相対回動させることにより、電線の外面形状に追従させながらストリップ刃を噛み込ませ、電線の全周にわたって切り込みを入れるようになっている。
ところで、上記の装置は、一対のストリップ刃によって電線の外側部材に切り込みを入れる構造であるので、これらのストリップ刃が電線の長手方向に位置ずれしていると、外側部材に二重の切り込みが形成されるおそれがある。これにより、電線の端末の加工品質が低下したり、外側部材の切りカスが生じるおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い加工品質で電線の端末を加工できる端末加工装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
芯線の外周が外側部材によって覆われた電線の端末加工装置であって、
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材に切込みを入れる刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、
前記ガイドは、前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられる、端末加工装置。
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材に切込みを入れる刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、
前記ガイドは、前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられる、端末加工装置。
本発明によれば、高い加工品質で電線の端末を加工できる端末加工装置を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る端末加工装置における電線の長手方向に沿う断面図である。図2は、図1におけるII-II断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る端末加工装置100は、刃11と、制止部材13と、ガイド15と、回転機構17と、を備えている。さらに、端末加工装置100は、電線保持チャック19を備えている。
端末加工装置100は、電線1に対して、その端末を加工する装置である。端末加工装置100によって加工する電線1は、例えば、高速デジタル信号の伝送に用いられる高周波ケーブル等の電線であるが、これに限定されない。
図2に示すように、本例では、電線1は、それぞれ絶縁体2によって覆われた2本の芯線3を有する2芯ケーブルである。電線1は、2本の芯線3の周囲が、シールド導体である箔(外側部材)4によって覆われており、さらに、その外周側が外被(図示略)によって覆われている。箔4は、例えば、樹脂テープにアルミ箔等を貼り付けた金属箔テープであり、縦添えまたは巻き付けによって芯線3の周囲に設けられている。端末加工装置100は、この電線1の端末において、外被から露出された部分の箔4に、全周にわたって切り込みを形成する。
図3は、端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。図4は、端末加工装置の電線への加工箇所の斜視図である。
図3及び図4に示すように、刃11は、刃先21が電線1に向けられた姿勢で配置されており、電線1の箔4に切り込みを入れる。刃11は、両刃であり、材質としては、例えば、耐摩耗性が優れた合金工具鋼(SKD11)が好ましい。刃11は、ボルト22によって制止部材13に締結されている(図1参照)。
図3及び図4に示すように、刃11は、刃先21が電線1に向けられた姿勢で配置されており、電線1の箔4に切り込みを入れる。刃11は、両刃であり、材質としては、例えば、耐摩耗性が優れた合金工具鋼(SKD11)が好ましい。刃11は、ボルト22によって制止部材13に締結されている(図1参照)。
制止部材13は、刃11に隣接した位置に配置されている。制止部材13は、その先端に、当接面25を有しており、この当接面25が電線1の外周に当接することにより、電線1の箔4に対する刃11の切り込み深さを制限する。
制止部材13は、一側面が電線1の径方向に沿う平坦面26とされ、この平坦面26に刃11が重ね合わされるように配置されている。そして、この平坦面26に重ね合わされた刃11がボルト22によって締結されている。また、制止部材13は、平坦面26と反対側の他側面が、電線1から離れる方向へ向かって平坦面26から離間する方向へ傾斜する傾斜面27とされている。これにより、制止部材13は、電線1へ向かって先細り形状とされ、電線1に当接する当接面25が刃11に近接する位置に配置されている。なお、刃11と制止部材13との距離は、例えば、0.15mmとされている。制止部材13は、当接面25の両側の角部28,29が円弧状に面取りされている。これにより、制止部材13の当接面25が電線1に当接される際の電線1の箔4への傷の付着が抑えられる。
制止部材13の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。制止部材13がステンレス鋼であれば、電線1の箔4へのメッキ等の金属の付着がなく、また、樹脂材料の場合のような削れが抑えられる。また、制止部材13の当接面25は、鏡面仕上げされて電線1の箔4との摩擦が抑えられ、電線1の箔4への傷の付着がより抑えられている。
制止部材13に固定された刃11は、その刃先21が、制止部材13の当接面25から突出されている。この刃先21の突出寸法Dは、電線1の箔4の厚さ以下の厚さとされている。これにより、制止部材13は、電線1に対する刃11の切り込み深さを箔4の厚さ以下に制限する。
ガイド15は、電線1に対して、刃11及び制止部材13と反対側に配置されている。このガイド15は、ガイド面31を有しており、ガイド面31が電線1に当接される。ガイド15は、一側面が電線1の径方向に沿う平坦面32とされ、平坦面32と反対側の他側面が、電線1から離れる方向へ向かって平坦面32から離間する方向へ傾斜する傾斜面33とされている。これにより、ガイド15は、電線1へ向かって先細り形状とされている。ガイド15は、電線1の長手方向において、ガイド面31が、刃11から制止部材13までの位置に対応する位置に設けられる。また、ガイド15は、ガイド面31の両側の角部34,35が円弧状に面取りされている。これにより、ガイド15のガイド面31が電線1に当接される際の電線1の箔4への傷の付着が抑えられる。
ガイド15の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。ガイド15がステンレス鋼であれば、電線1の箔4へのメッキ等の金属の付着がなく、また、樹脂材料の場合のような削れが抑えられる。また、ガイド15のガイド面31は、鏡面仕上げされて電線1の箔4との摩擦が抑えられ、電線1の箔4への傷の付着がより抑えられている。
図1に示すように、回転機構17は、軸心Axを中心に回転する回転軸41と、この回転軸41にボルト42によって固定された連結部材43と、連結部材43にボルト44によって固定されて回転軸41に支持された支持部45と、この支持部45に支持された一対の可動ブロック46,47とを有している。
可動ブロック46,47は、電線1の径方向に移動可能に支持されている。また、支持部45には、コイルバネ等からなる付勢部材48が設けられており、可動ブロック46,47は、付勢部材48によって電線1へ向かって付勢される。
一方の可動ブロック46には、刃11が固定された制止部材13が締結ボルト49によって固定されている。これにより、刃11は、電線1の径方向に移動可能とされる。また、制止部材13は、刃11と連動して電線1の径方向に移動する。また、これらの刃11及び制止部材13は、付勢部材48の弾性力によって電線1へ向かって付勢される。これにより、刃11が電線1の箔4に切り込み、制止部材13の当接面25が電線1の外周面に当接される。
他方の可動ブロック47には、ガイド15が締結ボルト49によって固定されている。これにより、ガイド15は、電線の径方向に移動可能とされる。また、ガイド15は、付勢部材48の弾性力によって電線1へ向かって付勢される。これにより、ガイド15のガイド面31が電線1の外周面に当接され、刃11及び制止部材13によって押圧される電線1の押圧力がガイド15によって受け止められる。
回転機構17に設けられた、刃11、制止部材13及びガイド15は、回転機構17の回転軸41が回転することにより、電線1の軸回りに回転される。
電線保持チャック19は、刃11に対して、制止部材13と反対側に設置されている。この電線保持チャック19は、刃11による電線1への切り込み位置の至近位置において、電線1を保持する。そして、この電線保持チャック19に保持された電線1は、回転機構17の回転軸41の軸心Axに沿って配置され、刃11及び制止部材13と、ガイド15との間に通される。
上記構成の端末加工装置100によって電線1の端末を加工するには、まず、電線1を電線保持チャック19に保持させる。これにより、電線1を、刃11及び制止部材13と、ガイド15との間に通し、回転機構17の回転軸41の軸心Axに沿って配置させる。
すると、刃11及び制止部材13と、ガイド15とによって、電線1が挟み込まれる。これにより、刃11の刃先21が電線1の箔4に切り込み、制止部材13の当接面25及びガイド15のガイド面31が電線1の外周面に当接される。
次に、回転機構17の回転軸41が回転されることにより、刃11及び制止部材13と、ガイド15とが、電線1の回りを1周以上旋回する。これにより、電線1の箔4に刃先21が切り込んだ刃11によって電線1の箔4が全周にわたって切断される。
このとき、制止部材13の当接面25から突出する刃11の刃先21は、制止部材13によって箔4の厚さ以下の突出寸法Dとされて箔4への切り込み深さが箔4の厚さ以下に制限されているので、電線1の箔4が過剰に深く切り込まれることはない。
また、刃11による電線1の箔4の切断の際に、刃11及び制止部材13によって押圧される電線1の押圧力が、刃11から制止部材13までの位置に対応する位置に設けられたガイド15のガイド面31によって受け止められる。これにより、刃11による箔4の切断時における電線1の振れが抑えられる。
その後、箔4が全周にわたって切断された電線1を、電線保持チャック19から取り出す。
このように、上記実施形態に係る端末加工装置100によれば、制止部材13によって過度な切り込みを抑えつつ電線1に対して1つの刃11で箔4に切込みを入れることができる。これにより、一対の刃を用いる場合と比較し、刃11の取り付け要求精度を緩和しても、切りカスの発生を抑えつつ高い加工品質で電線1の端末を加工でき、端末加工の自動化に好適である。しかも、設備費を抑えることができ、さらには、刃11の交換工数を低減できる。
また、刃11による電線1の箔4の切断の際に、刃11及び制止部材13によって押圧される電線1の押圧力をガイド15が受け止める。したがって、箔4の切断時における電線1の振れを抑え、高い位置精度で箔4を切ることができるため、箔4の切り残り代を短くできる。これにより、例えば、電線1の撚り解き寸法を短くでき、周波数特性を向上させ、通信速度の高速化が図れる。
また、刃11に対して、制止部材13と反対側に電線1を保持する電線保持チャック19が設置されている。したがって、刃11に対して制止部材13と反対側に設けられた電線保持チャック19によって電線1を保持することにより、電線1の箔4への刃11の切り込み動作中における電線1の振れを軽減できる。これにより、電線1に対する刃11の軌道が安定し、加工品質の向上に繋がる。
なお、上記実施形態では、2本の芯線3を有する多芯ケーブルからなる電線1の箔4を切断する場合を例示したが、端末加工装置100は、多芯ケーブルに限らず、1本の芯線3を有する単芯ケーブルからなる電線1の端末加工にも適用可能である。
次に、端末加工装置100の変形例について説明する。
なお、上記実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明を省略する。
なお、上記実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明を省略する。
(変形例1)
図5は、変形例1に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。図6は、変形例1に係る端末加工装置の電線への加工箇所の斜視図である。
図5及び図6に示すように、変形例1では、ガイド15が、凹部51を有している。この凹部51には、電線1が収容される。そして、この凹部51に収容される電線1は、その径方向の動きが規制される。
図5は、変形例1に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。図6は、変形例1に係る端末加工装置の電線への加工箇所の斜視図である。
図5及び図6に示すように、変形例1では、ガイド15が、凹部51を有している。この凹部51には、電線1が収容される。そして、この凹部51に収容される電線1は、その径方向の動きが規制される。
この変形例1によれば、ガイド15の凹部51に電線1が収容されて保持されるので、電線1の箔4への刃11の切り込み動作中における電線1の振れを軽減できる。これにより、刃11の軌道が安定し、加工品質の向上に繋がる。
(変形例2)
図7は、変形例2に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。
図7に示すように、変形例2では、片刃の刃11を備えており、この片刃の刃11の裏11aに、制止部材13が配置されている。
図7は、変形例2に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。
図7に示すように、変形例2では、片刃の刃11を備えており、この片刃の刃11の裏11aに、制止部材13が配置されている。
この変形例2によれば、刃11の刃先21を制止部材13に近付けられる。したがって、刃11による電線1の箔4への切り込み位置のより至近位置を制止部材13によって押えることができるので、加工品質をより高められる。特に、電線1がツイスト線などのように、軸心Axから箔4までの距離が電線1の長手方向に対して変化する場合には、片刃の刃11を用いて刃先21を制止部材13にできるだけ近づけることにより、刃先21の位置と制止部材13の位置における軸心Axから箔4までの距離をほぼ一致させ、切り込み深さの精度を高めることができる。
(変形例3)
図8は、変形例3に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。
図8に示すように、変形例3では、一対の制止部材13を備えており、刃11の両側に制止部材13が配置されている。それぞれの制止部材13は、平坦面26に刃11が重ね合わされるように配置されている。一対の制止部材13が電線1の長手方向に並列に配置されているので、端末加工装置100に挿入された電線1は、仮に水平方向に傾いていたとしても、これらの制止部材13により押圧されるとその傾きが矯正され、刃先21の切り込み深さの精度が高められる。なお、刃11は、片刃であっても両刃であってもよい。
図8は、変形例3に係る端末加工装置の電線への加工箇所における電線の長手方向に沿う断面図である。
図8に示すように、変形例3では、一対の制止部材13を備えており、刃11の両側に制止部材13が配置されている。それぞれの制止部材13は、平坦面26に刃11が重ね合わされるように配置されている。一対の制止部材13が電線1の長手方向に並列に配置されているので、端末加工装置100に挿入された電線1は、仮に水平方向に傾いていたとしても、これらの制止部材13により押圧されるとその傾きが矯正され、刃先21の切り込み深さの精度が高められる。なお、刃11は、片刃であっても両刃であってもよい。
この変形例3によれば、刃11による電線1の箔4への切り込み位置の両側を制止部材13によって押えることができるので、加工品質をより高められる。
(変形例4)
図9は、図9は、変形例4に係る端末加工装置における電線の長手方向に沿う断面図である。図10は、図9におけるX-X断面図である。
図9及び図10に示すように、変形例4では、ローラ刃からなる刃61を備えている。このローラ刃からなる刃61は、円板状に形成され、その外周縁に刃先71が設けられている。また、刃11と同様に、円板状の制止部材63及び円板状のガイド65を備えている。制止部材63は、刃61よりも僅かに小径に形成されており、これにより、刃61は、制止部材63の外周から電線1の箔4の厚さ以下の突出寸法Dで全周にわたって突出されている。
図9は、図9は、変形例4に係る端末加工装置における電線の長手方向に沿う断面図である。図10は、図9におけるX-X断面図である。
図9及び図10に示すように、変形例4では、ローラ刃からなる刃61を備えている。このローラ刃からなる刃61は、円板状に形成され、その外周縁に刃先71が設けられている。また、刃11と同様に、円板状の制止部材63及び円板状のガイド65を備えている。制止部材63は、刃61よりも僅かに小径に形成されており、これにより、刃61は、制止部材63の外周から電線1の箔4の厚さ以下の突出寸法Dで全周にわたって突出されている。
変形例4では、可動ブロック46,47に、それぞれ軸受76,77が設けられている。可動ブロック46の軸受76には、ボルト79によって刃11及び制止部材63の中心が固定されている。これにより、刃11及び制止部材63は、軸受76によって可動ブロック46に、回動可能に支持されている。また、可動ブロック47の軸受76には、ボルト79によってガイド65の中心が固定されている。これにより、ガイド65は、軸受76によって可動ブロック47に、回動可能に支持されている。
変形例4では、回転機構17の回転軸41が回転されることにより、刃61及び制止部材63と、ガイド65とが、電線1の軸回りを自転しながら旋回する。これにより、電線1の箔4に刃先71が切り込んだ刃61によって電線1の箔4が全周にわたって切断される。
このように、変形例4によれば、刃61、制止部材63及びガイド65が、回転機構17によって電線1の軸回りに回転される際に、ローラ刃からなる刃61が自転する。つまり、刃61が周方向にわたって順に電線1の箔4に切り込むので、特定箇所が電線1の箔4に切り込むことによる偏摩耗が抑えられ、長寿命化が図れる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る端末加工装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 芯線(3)の外周が外側部材(箔4)によって覆われた電線(1)の端末加工装置(100)であって、
前記電線(1)の径方向に移動可能であり、前記外側部材(箔4)に切込みを入れる刃(11,61)と、
前記刃(11,61)と連動して前記電線(1)の径方向に移動し、前記刃(11,61)の切込み深さを制限する制止部材(13,63)と、
前記電線(1)に対して前記刃(11,61)及び前記制止部材(13,63)と反対側に配置され、前記刃(11,61)および前記制止部材(13,63)による前記電線(1)の押圧力を受けるガイド(15,65)と、
前記刃(11,61)、前記制止部材(13,63)及び前記ガイド(15,65)を、前記電線(1)の軸周りに回転させる回転機構(17)と、
を備え、
前記ガイド(15,65)は、前記電線(1)の長手方向において、前記刃(11,61)から前記制止部材(13,63)までの位置に対応する位置に設けられる、端末加工装置。
[1] 芯線(3)の外周が外側部材(箔4)によって覆われた電線(1)の端末加工装置(100)であって、
前記電線(1)の径方向に移動可能であり、前記外側部材(箔4)に切込みを入れる刃(11,61)と、
前記刃(11,61)と連動して前記電線(1)の径方向に移動し、前記刃(11,61)の切込み深さを制限する制止部材(13,63)と、
前記電線(1)に対して前記刃(11,61)及び前記制止部材(13,63)と反対側に配置され、前記刃(11,61)および前記制止部材(13,63)による前記電線(1)の押圧力を受けるガイド(15,65)と、
前記刃(11,61)、前記制止部材(13,63)及び前記ガイド(15,65)を、前記電線(1)の軸周りに回転させる回転機構(17)と、
を備え、
前記ガイド(15,65)は、前記電線(1)の長手方向において、前記刃(11,61)から前記制止部材(13,63)までの位置に対応する位置に設けられる、端末加工装置。
上記[1]の構成の端末加工装置によれば、制止部材によって過度な切り込みを抑えつつ電線に対して1つの刃で外側部材に切込みを入れることができる。これにより、一対の刃を用いる場合と比較し、刃の取り付け要求精度を緩和しても、切りカスの発生を抑えつつ高い加工品質で電線の端末を加工でき、端末加工の自動化に好適である。しかも、設備費を抑えることができ、さらには、刃の交換工数を低減できる。
また、刃による電線の外側部材の切断の際に、刃及び制止部材によって押圧される電線の押圧力をガイドが受け止める。したがって、外側部材の切断時における電線の振れを抑え、高い位置精度で外側部材を切ることができるため、外側部材の切り残り代を短くできる。これにより、例えば、電線の撚り解き寸法を短くでき、周波数特性を向上させ、通信速度の高速化が図れる。
また、刃による電線の外側部材の切断の際に、刃及び制止部材によって押圧される電線の押圧力をガイドが受け止める。したがって、外側部材の切断時における電線の振れを抑え、高い位置精度で外側部材を切ることができるため、外側部材の切り残り代を短くできる。これにより、例えば、電線の撚り解き寸法を短くでき、周波数特性を向上させ、通信速度の高速化が図れる。
[2] 前記刃(11,61)に対して、前記制止部材(13,63)と反対側に前記電線(1)を保持する電線保持チャック(19)が設置されている、
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[2]の構成の端末加工装置によれば、刃に対して制止部材と反対側に設けられた電線保持チャックによって電線を保持することにより、電線の外側部材への刃の切り込み動作中における電線の振れを軽減できる。これにより、電線に対する刃の軌道が安定し、加工品質の向上に繋がる。
[3] 前記ガイド(15)は、前記電線(1)を収容させて前記電線(1)の径方向の動きを規制する凹部(51)を有する、
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[3]の構成の端末加工装置によれば、ガイドの凹部に電線が収容されて保持されるので、電線の外側部材への刃の切り込み動作中における電線の振れを軽減できる。これにより、刃の軌道が安定し、加工品質の向上に繋がる。
[4] 前記刃(11,61)は、片刃であり、前記制止部材(13,63)は、前記刃(11,61)の裏側に配置されている、
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[4]の構成の端末加工装置によれば、刃による電線の外側部材への切り込み位置のより至近位置を制止部材によって押えることができるので、加工品質をより高められる。
[5] 前記刃(11,61)の両側に前記制止部材(13,63)が設けられている、
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[5]の構成の端末加工装置によれば、刃による電線の外側部材への切り込み位置の両側を制止部材によって押えることができるので、加工品質をより高められる。
[6] 前記刃(61)は、中心が回転可能に支持された円板状のローラ刃である、
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[1]に記載の端末加工装置。
上記[6]の構成の端末加工装置によれば、刃、制止部材及びガイドが、回転機構によって電線の軸回りに回転される際に、ローラ刃からなる刃が自転する。つまり、刃が周方向にわたって順に電線の外側部材に切り込むので、特定箇所が電線の外側部材に切り込むことによる偏摩耗が抑えられ、長寿命化が図れる。
1 電線
3 芯線
4 箔(外側部材)
11,61 刃
13,63 制止部材
15,65 ガイド
17 回転機構
19 電線保持チャック
51 凹部
100 端末加工装置
3 芯線
4 箔(外側部材)
11,61 刃
13,63 制止部材
15,65 ガイド
17 回転機構
19 電線保持チャック
51 凹部
100 端末加工装置
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い加工品質で電線の端末を加工できる端末加工装置及び端末加工方法を提供することにある。
(1) 芯線の外周が外側部材によって覆われた電線の端末加工装置であって、
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材における前記電線の長手方向の1箇所に切込みを入れる単一の刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、
前記ガイドは、前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられる、
端末加工装置。
(2) 芯線の外周が外側部材によって覆われた電線の端末加工方法であって、
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材における前記電線の長手方向の1箇所に切込みを入れる単一の刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、前記ガイドが前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられた端末加工装置を準備し、
前記電線を、前記ガイドに載置し、
前記刃により前記外側部材に切込みを入れる、
端末加工方法。
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材における前記電線の長手方向の1箇所に切込みを入れる単一の刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、
前記ガイドは、前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられる、
端末加工装置。
(2) 芯線の外周が外側部材によって覆われた電線の端末加工方法であって、
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材における前記電線の長手方向の1箇所に切込みを入れる単一の刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、前記ガイドが前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられた端末加工装置を準備し、
前記電線を、前記ガイドに載置し、
前記刃により前記外側部材に切込みを入れる、
端末加工方法。
本発明によれば、高い加工品質で電線の端末を加工できる端末加工装置及び端末加工方法を提供できる。
Claims (6)
- 芯線の外周が外側部材によって覆われた電線の端末加工装置であって、
前記電線の径方向に移動可能であり、前記外側部材に切込みを入れる刃と、
前記刃と連動して前記電線の径方向に移動し、前記刃の切込み深さを制限する制止部材と、
前記電線に対して前記刃及び前記制止部材と反対側に配置され、前記刃および前記制止部材による前記電線の押圧力を受けるガイドと、
前記刃、前記制止部材及び前記ガイドを、前記電線の軸周りに回転させる回転機構と、
を備え、
前記ガイドは、前記電線の長手方向において、前記刃から前記制止部材までの位置に対応する位置に設けられる、
端末加工装置。 - 前記刃に対して、前記制止部材と反対側に前記電線を保持する電線保持チャックが設置されている、
請求項1に記載の端末加工装置。 - 前記ガイドは、前記電線を収容させて前記電線の径方向の動きを規制する凹部を有する、
請求項1に記載の端末加工装置。 - 前記刃は、片刃であり、前記制止部材は、前記刃の裏側に配置されている、
請求項1に記載の端末加工装置。 - 前記刃の両側に前記制止部材が設けられている、
請求項1に記載の端末加工装置。 - 前記刃は、中心が回転可能に支持された円板状のローラ刃である、
請求項1に記載の端末加工装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022170103A JP2024062237A (ja) | 2022-10-24 | 2022-10-24 | 端末加工装置及び端末加工方法 |
PCT/JP2023/035028 WO2024090103A1 (ja) | 2022-10-24 | 2023-09-26 | 端末加工装置及び端末加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022170103A JP2024062237A (ja) | 2022-10-24 | 2022-10-24 | 端末加工装置及び端末加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024062237A true JP2024062237A (ja) | 2024-05-09 |
Family
ID=90830671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022170103A Pending JP2024062237A (ja) | 2022-10-24 | 2022-10-24 | 端末加工装置及び端末加工方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024062237A (ja) |
WO (1) | WO2024090103A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH10322833A (ja) * | 1997-05-16 | 1998-12-04 | Sun Tec:Kk | ケーブルの被覆材除去及び芯線撚り装置 |
JP3803013B2 (ja) * | 2000-06-12 | 2006-08-02 | 矢崎総業株式会社 | シールド電線加工装置及びシールド電線加工方法 |
JP6622766B2 (ja) * | 2017-09-04 | 2019-12-18 | 矢崎総業株式会社 | 電線被覆剥ぎ装置および電線被覆剥ぎ方法 |
-
2022
- 2022-10-24 JP JP2022170103A patent/JP2024062237A/ja active Pending
-
2023
- 2023-09-26 WO PCT/JP2023/035028 patent/WO2024090103A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2024090103A1 (ja) | 2024-05-02 |
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