JP3792823B2 - 印刷装置及び印刷制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホストコンピュータから送られてくる印刷データを印刷出力する印刷システム及び印刷装置及び印刷制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、イメージ出力に特化したページプリンタがあり、それはホストベースプリンタと呼ばれている。
【0003】
この種のプリンタでは、ホストコンピュータ上で展開した1ページ分のイメージデータを、ページ先頭から次々に圧縮してプリンタのコントローラ部に送る。コントローラ部は送られてくる圧縮データを次々に伸長し、伸長したデータをビデオ信号に変換して、エンジン部の排紙のタイミングに同期させて、エンジン部に出力する。これによって、1ページ分の用紙の印刷を行なう。
【0004】
この種のプリンタでは、圧縮されたイメージデータのビデオ信号への変換と、エンジン部へのビデオ信号出力は、ハードウェア回路が行なう仕組みとなっており、極端に言えば、コントローラ部には、CPUも不要であり、非常に安価なページプリンタが可能という長所がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のホストベースプリンタを用いるホストコンピュータでは、文字印字、図形描画、イメージの貼り付け等、全ての印刷データを、いったんホストコンピュータ上でイメージに展開してから、展開されたイメージを圧縮してプリンタに転送する。そのため、ホストからプリンタに転送すべきデータ量が大きくなってしまう。また、普通の文書でも、文字や文字以外の要素、例えば、表の罫線描画、図形描画、イメージの貼り付け等々も、いったんホストコンピュータ上でイメージに展開してから、まとめてイメージの圧縮を行なって、プリンタに転送しなければならない。このため、転送データ量が大きくなってしまうこと、また、ホスト上の処理時間がかかって、全体の処理時間が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、ホストベースプリンタに近い、簡単な構成のイメージ専用プリンタでありながら、文字の部分は文字コードで受信して文字画像に変換し、罫線の部分は罫線コードで受信して展開することで、ホスト上での文字及び罫線の展開処理時間とホストからの転送データ量とを非常に小さくした印刷装置及び印刷システム及び印刷制御方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、必要なメモリ容量をできるだけ小さくした印刷装置及び印刷システム及び印刷制御方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、印刷装置上でバンド制御で印刷処理を行なう際の、文字展開数の限界、罫線展開数の限界を超える場合も、印刷可能とする印刷装置及び印刷システム及び印刷制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はつぎのような構成からなる。
【0010】
バンドが単一の圧縮イメージであるか否かを判別する第1判別手段と、第1判別手段によりバンドが単一の圧縮イメージでないと判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータ及び罫線コマンドに基づくイメージデータをバンドメモリに展開し、前記バンドメモリに展開されたイメージデータを出力し、前記第1判別手段によりバンドが単一の圧縮イメージであると判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータをバンドメモリに展開することなく圧縮イメージデータを出力する制御手段と、前記制御手段により出力されるイメージデータをビデオ信号に変換して出力し、また前記制御手段により出力される圧縮イメージデータをイメージデータに伸長し、伸長したイメージデータをビデオ信号に変換して出力するビデオ転送手段と、前記ビデオ転送手段により出力されるビデオ信号に基づき印刷を行うプリントエンジンとを有することを特徴とする印刷制御装置。
【0011】
あるいは、バンドが単一の圧縮イメージであるか否かを判別する第1判別手段と、第1判別手段によりバンドが単一の圧縮イメージでないと判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータ及び罫線コマンドに基づくイメージデータをバンドメモリに展開し、前記バンドメモリに展開されたイメージデータを出力し、前記第1判別手段によりバンドが単一の圧縮イメージであると判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータをバンドメモリに展開することなく圧縮イメージデータを出力する制御手段と、前記制御手段により出力されるイメージデータをビデオ信号に変換して出力し、また前記制御手段により出力される圧縮イメージデータをイメージデータに伸長し、伸長したイメージデータをビデオ信号に変換して出力するビデオ転送手段と、前記ビデオ転送手段により出力されるビデオ信号に基づき印刷を行うプリントエンジンとを有することを特徴とする印刷装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
次に、図を用いて、第1の実施の形態としてホストコンピュータからデータをプリンタに送信して印刷する印刷システムを説明する。
<(a)システムの構成>
第1の実施の形態では、文字データ、罫線データ、イメージデータを、RAM上のふたつのバンドメモリ上へ交互に展開して、エンジン部4へビデオ転送する。
【0018】
図1は、システム全体を説明するためのブロック構成図である。
【0019】
パーソナルコンピュータ1は、登録する文字イメージデータ、印字を指示する文字コード、罫線の描画を指示するデータ、圧縮されたイメージデータを作成してプリンタ2へ送るホストコンピュータである。プリンタ本体2は、コントローラ部3、エンジン部4を備えている。コントローラ部3は、ホストコンピュータ1から送られてくる文字データ、罫線データ、イメージデータを受信し、受信したデータからビデオ信号を生成し、エンジン部4に送る役目を負っている。エンジン部4は、コントローラ部3から受け取ったビデオ信号を用紙に転写して印刷し、排紙する役目を持つ。
【0020】
コントローラ部3は、コントローラ部3全体を制御する中央処理装置(以下、CPUと呼ぶ)5、CPU5による処理動作を記述したプログラムの入っているリード・オンリ・メモリ(以下、ROMと呼ぶ)8、ランダム・アクセス・メモリ(以下、RAMと呼ぶ)9、ホスト1から文字データ、罫線データ、イメージデータを受信し、受信したデータをRAM9内にある受信バッファ10にセットする受信部6、受信した圧縮された文字データを伸長して、バンドメモリ71,72へ展開する文字伸長回路17、受信した罫線データの指示に従って、罫線をバンドメモリ71,72上へ展開する罫線展開回路31、受信した圧縮されたイメージデータを伸長して、バンドメモリ71,72に展開するイメージ伸長回路16、バンドメモリ71,72内の展開イメージをビデオ信号に変換して、エンジン部4に出力するイメージ伸長・ビデオ転送回路7等で構成されている。
【0021】
文字データ18は、受信済みで受信バッファ10にページ内のバンド毎にセットされた状態の文字データである。罫線データ132は受信済みで受信バッファ10にページ内のバンド毎にセットされた状態の罫線データである。イメージデータ19は受信済みで受信バッファ10にページ内のバンド毎にセットされた状態のイメージデータを示している。
【0022】
受信バッファ10に受信、セットされるデータは、ページの中が16のバンドに区別されて、バンドの区分の中に、文字データ、罫線データ、イメージデータがそれぞれ並んでいる。もちろん、ホストコンピュータ1上のドライバが、このような並びとして、プリンタ2へ出力している。
【0023】
その他、RAM9内には、プログラムのワーク領域12、さらにその中には、受信バッファ10に受信したページごとの文字データ18、罫線データ132、イメージデータ19を管理するためのページ管理表13、圧縮された1文字ごとのドットイメージを貯蔵しておく登録文字データ領域15、登録された文字データを管理するための登録文字管理表14等が含まれている。
【0024】
なお、受信した文字データ18の中味は、登録文字、文字コードで構成されている。ホスト1上で印刷しようとしている文書で、最初に出現した文字は、圧縮して1文字ごとのドットイメージとして、登録文字としてプリンタ2に送られる。また、その最初の文字位置を含めて、以降の同一文字の印字は、文字コードによって指示される。
【0025】
受信バッファ10に一旦受信された登録文字は、登録文字データ領域15に移し替えられ、貯えられる。文字コードによって印字を指示された場合は、登録文字データ領域15から、文字コードに対応する登録文字データが抜き出され、文字伸長回路17で伸長され、バンドメモリ71,72上に展開される形となる。
【0026】
また、罫線データ132は、罫線展開回路31によって、バンドメモリ71,72上に展開され、圧縮イメージデータ19はイメージ伸長回路16によりデータ伸長され、バンドメモリ71,72上に展開される。
【0027】
なお、バンドメモリ71,72は二つ設けられており、バンドA71の展開イメージがエンジン部4へビデオ転送中にバンドB72へ文字、罫線、イメージの展開が行われ、あるいは、バンドB72の展開イメージがエンジン部4へビデオ転送中にバンドA71へ文字、罫線、イメージの展開が行われる、という作業が交互に行われて、1ページ分の印刷処理が完了する。ここでは、それぞれのバンド71,72の高さは、縦置きの用紙1ページを短冊形に均一に16等分したものとして考えている。
【0028】
イメージ伸長・ビデオ転送回路7は、バンドA71、バンドB72のメモリイメージを、交互にビデオ信号に変換してエンジン部4へ転送するだけでなく、ドライバから送られてくるあるバンドのデータとして、何もデータの含まない空白のバンドのときは、その部分のビデオ信号は何も転送しない機能と、さらに、ドライバから送られてくるあるバンドのデータとして、単一のブロックイメージしか含まれていないときは、その圧縮されたブロックイメージを、バンドメモリ71,72に展開せず、この回路が直接イメージデータ伸長を行ない、同時にビデオ信号に変換して、エンジン部4へ転送する機能を持つ。つまり、3つの機能を合わせ持っている。
【0029】
ところで、コントローラ部3のCPU5は、RAM9の内部の受信バッファ10やページ管理表13、登録文字管理表14などを用いたメモリ管理を行なうだけなので、処理能力のそれほど高くない安価な製品で良い。
【0030】
次に、エンジン部4の説明を行なう。エンジン部4にも、CPU21やメモリ22があり、メモリ22には制御プログラムの入ったROM23や、プログラムのワーク領域としてのRAM24が含まれる。ビデオ受信部25は、コントローラ部3からのビデオ信号を受信し、現像定着部27で用紙に画像を転写する。給紙部26は、未使用の白い用紙を用紙カセット等から取り込む役目をし、現像定着部27は、上述のように用紙に画像を転写して定着し、排紙部28は印刷済みの用紙を排出する。
【0031】
なお、太い矢印は、文字データ、罫線データ、イメージデータやビデオ信号の流れ、あるいは、エンジン部4では、用紙の流れを示している。また、細い矢印は、各部分間の制御のやりとりを示している。コントローラ部3のCPU5と、エンジン部4のCPU21も、互いに情報のやり取りを行なう。ビデオの転写や、用紙の搬送等の印刷処理の制御にかかわる情報である。
<ビデオ信号出力の原理>
図2は、プリンタ2内でのコントローラ部3におけるイメージと文字、罫線の合成のバンドによるビデオ信号出力の原理の説明図である。
【0032】
図1でも一部説明したが、ホスト1上のドライバは印刷しようとする文書について、まず、文字部分、罫線部分と、その他の部分とに分離する。その他の部分はホスト1上のフレームバッファ上に、すべてイメージとして展開しておく。そして、1ページ内の16分割されたバンド毎に、文字データ部分と、罫線データ部分と、イメージデータ部分とを別々にプリンタ2へ転送する。文字部分はまず文字のドットパターンの圧縮したデータをプリンタヘ送って登録しておき、印字データとして文字コード列を送る。文字の登録については、一つの文書毎に、一文字については一度登録すれば良い。また、一つの文書ジョブの印刷が終了すれば、登録した文字は消去される。
【0033】
バンドの高さについては、16分割されたバンドは、それぞれ同一である。つまり、均等に分割されている。
【0034】
二つのバンドにまたがった文字については、それぞれのバンドに印字コードが所属する形で、ドライバからプリンタ2へ転送される。
【0035】
大きな文字については、イメージとして展開されてから、ドライバからプリンタ2へ転送される。
【0036】
罫線は、「一本の罫線とは、内部が黒く塗りつぶされた、細長い矩形領域」と定義される。その定義の上で、矩形領域の開始座標、終了座標が、一本の矩形データとして転送される。一本の罫線が二つ、あるいは複数のバンドにまたがった場合は、それぞれのバンドに分割された形で、矩形の罫線データが作成され、プリンタ2へ転送される。
【0037】
ホスト1上のフレームバッファに展開されたイメージは、全体を16のバンドに分割され、さらに、バンド内で実際にイメージのある矩形部分だけを取り出して、圧縮されて、単一のイメージブロックとして、ドライバからプリンタ2へ転送される。図2では、イメージデータの点線だ囲んだ部分だけが実際にイメージブロックとして転送されることを示している。
【0038】
プリンタ2のコントローラ部3では、あるバンドがイメージブロックと文字データ、罫線データを3つとも含んでいる場合は、受信した圧縮イメージデータ19は、イメージ伸長回路16を使ってデータ伸長され、バンドA71か、バンドB72上に展開される。受信した文字データ18は、文字コード列によって印字を指示されたそれぞれの文字について、登録されている圧縮されたドット文字データが、文字伸長回路17によってデータ伸長され、バンドA71か、バンドB72上に展開される。受信した罫線データ132は、罫線展開回路131によってバンドA71か、バンド72上に展開される。
【0039】
文字と罫線とイメージは、バンド上にOR書きされる。
【0040】
奇数の番号のバンドのときは、バンドA71ヘ展開し、偶数の番号のバンドのときは、バンドB72へ展開する。
【0041】
バンドA71への文字、罫線、及び、イメージの展開が終わったら、イメージ伸長・ビデオ転送回路7へ、エンジン部4へのビデオ転送を指示し、この回路によるビデオ信号の出力中に、バンドB72への文字、罫線、イメージの展開を行なう。バンドB72への展開が終わり、先に指示していたバンドA71のビデオ出力が終わったなら、バンドB72のビデオ信号出力を、イメージ伸長・ビデオ転送回路7に指示する。そして、バンドA71への文字、罫線、イメージの展開を開始する。
【0042】
以上のような二つのバンドメモリへの文字、罫線、イメージの展開と、ビデオ信号の出力を交互に行なうことで、1ページ分の印刷を行なう。
【0043】
文字だけ、あるいは罫線だけ、あるいはイメージだけしか含まれていないバンドのときも、同一の動作である。
【0044】
なお、文字も罫線もイメージも含まれていない空白のバンドのときは、イメージ伸長・ビデオ転送回路7にバンド高さ分、ビデオ信号をエンジン部4へ送らないよう、指示される。
【0045】
また、あるバンドにイメージのブロックだけしか含まれていないときは、イメージ伸長・ビデオ転送回路7に対して、イメージブロックのデータ伸長とビデオ信号のエンジン部4への出力を指示する。つまり、バンドメモリ71,72へのイメージ展開を経由せずに、直接エンジン部4へのビデオ転送を行なうわけである。
【0046】
このように、エンジン部4へのビデオ信号の出力径路は、▲1▼バンドメモリ71から,▲2▼バンドメモリ72から,▲3▼空白バンドはビデオ信号を送らない,▲4▼イメージのみの場合にはバンドメモリを経由しない、という4通りがある。
【0047】
図2には、上記4つの経路で、ビデオ信号が出力されることが図示されている。これらの経路が混合した形で1ページの印刷が行われる。
【0048】
図3は、ホスト1からプリンタ2へ送られる文字データ、罫線データ、イメージデータのコマンド構造の説明図である。
【0049】
先頭には、ジョブ開始コマンド31、次にページ毎にページ開始コマンド32、ページ内のバンド毎にバンド開始コマンド81と続く。バンド開始コマンド81は、1ページあたり16個繰返される。文字データ、罫線データ、イメージデータがないバンドについても、バンド開始コマンド81は発行される。
【0050】
さらに、印字位置を示すポインタの位置移動コマンド33、その後に、種別コマンド34、コマンド列35と続く。種別コマンド34は、その直後に続くコマンド列35の種類を区別するためのコマンドである。コマンド列35には、文字登録を行なうもの、文字の印字を指示するもの、罫線の描画を指示するもの、イメージの印字を指示するもの等、数種類の形式がある。詳細は図4で説明する。印刷する文書のページ数分、ページ開始コマンド32以降の命令群が繰り返されて、最後にジョブ終了コマンド36で、ひとつの文書の印字コマンドが終了する。
【0051】
なお、図3では、種別コマンド34の前に必ず位置移動コマンド33がセットされているが、常時必要とは限らない。例えば、種別コマンド34、コマンド列35が文字の登録だけを行なう場合は、位置移動コマンド33は不要である。
【0052】
図4は、種別34ごとのコマンド列35の構造の説明図である。
【0053】
種別34が1の場合は、「文字登録のみ」の作業を示し、まず始めに書体番号41が来て、次に文字コード42、データの大きさ43と続き、最後に、圧縮された文字のドットイメージデータ44がセットされる。
【0054】
登録される文字データは、RAM9上の登録文字データ領域15に、書体ごとに区分けされ、文字コードと1対1の関連を持って登録される。具体的には、これらの区分け、関連等は、登録文字管理表14上で管理される。
【0055】
種別34が2の場合は、「文字登録+印字」の作業を示し、登録と同時に印字も行なう。コマンド列35の形式は、種別34が1の場合と同一である。この場合の文字コード42は、登録する文字のコード割り当てを意味すると同時に、すでに登録済みの文字、印字を指示する文字コードをも意味する。
【0056】
種別34が3の場合は、「文字イメージ印字のみ」の作業を示している。つまり、文字のドットイメージデータを、登録せずに印字するだけである。コマンド列35は、データの大きさ43に続き、圧縮された文字のドットイメージデータ44があるだけである。
【0057】
種別34が4の場合は、「文字コード印字」の作業を示し、コマンド列35は、書体番号41の後に、文字コード42が続くだけである。コントローラ部3は、この書体番号41と文字コード42をもとに、登録文字管理表14を調べて、登録文字データ領域15から目的の登録文字データを探し出し、文字伸長回路17でデータを伸長してバンドメモリ71,72に展開することになる。
【0058】
種別34が5の場合は、「罫線の描画」の作業を示し、コマンド列35は、一本の罫線をあらわす矩形の右下端のX座標49、右下端Y座標50と続く。
【0059】
種別34が6の場合は、「ブロックイメージの貼り付け」の作業を示し、コマンド列35は、ブロックイメージの縦のサイズ45、ブロックイメージの横のサイズ46、データの大きさ47と続き、最後に圧縮されたブロックイメージデータ48がセットされる。コントローラ部3は、圧縮されたブロックイメージデータをイメージ伸長回路16を用いてデータ伸長し、バンドメモリ71,72上に展開する。
【0060】
種別34としては、上記6つだけである。
【0061】
図5は、一本の罫線描画をコマンドで指示する時の説明図である。一本の罫線を示す、細長い矩形であって、左上端座標は、位置移動コマンド33で指示され、右下端座標は、種別34が5のときのコマンド列35の右下端X座標49、右下端Y座標50によって指示される。
【0062】
図6は、コントローラ部3のROM8に内蔵されている、プログラムを説明するための図である。
【0063】
51は、受信管理プログラムで、受信バッファ10に貯蔵される各ページごとの文字データや、罫線データ、イメージデータを、ページ管理表13を用いて管理する。受信部6への、受信データの受信バッファ10上の書き込み位置の指示も行なう。
【0064】
解析プログラム52は、受信バッファ10上に貯えられた文字データ、つまり文字登録や文字印字のコマンド群や、罫線データ、つまり罫線描画を指示するコマンド群や、イメージデータ、つまりイメージブロック貼り付けのコマンド群を解析して、文字登録プログラム53に対して文字の登録処理を指示したり、印字プログラム54に対して文字のバンドメモリ71,72への展開処理を指示したり、罫線のバンドメモリ71,72への展開を行なったり、イメージのバンドメモリ71,72への貼り付けを行ったりする。
【0065】
また、バンドメモリ71,72への文字や、罫線、イメージの展開処理が完了した場合は、バンドメモリ71,72のイメージのエンジン部4へのビデオ転送と、エンジン部4への印刷処理の実行を指示する。そして排紙が完了したページについては、受信バッファ10上からそのページのデータを削除する作業も行なう。削除すると言っても、ページ管理表13から排紙済みページの登録を抹消するだけである。受信バッファ10上でデータクリアを行なうわけではない。
【0066】
まとめると、解析プログラム52の中では、バンドごとの解析とバンドごとのビデオ出力、排紙作業が行なわれていることになる。
【0067】
各プログラムの動作の詳細は、後述のフローチャートで詳しく説明する。
【0068】
なお、受信管理プログラム51と解析プログラム52は、プリンタの電源オンと同時に立ち上り、ホスト1からデータ送信を待ち構えることになる。以後プリンタの電源オフまでふたつのプログラムはマルチタスクで動作を続ける。
【0069】
図7は、受信バッファ10内の受信したデータの書き込み処理が進行する際の、各ポインタの位置関係を説明するための図である。受信バッファ10は、いわゆる「リングバッファ」の構造になっている。
【0070】
受信部6は、予め受信管理プログラム71から、限界ポインタ61を指示されていて、受信バッファ10内でこの位置まで受信したデータの直接書き込みが許されている。1バイトごとに加算される書き込み位置自体は、受信部6が管理している。
【0071】
図7(a)で説明すると、プリンタ2の起動直後は、限界ポインタ61は受信バッファ10の最大値の位置、つまり、受信バッファ10の領域の最後尾のアドレスと一致しているが、この図では説明のために、限界ポインタ61が受信バッファ10の最大値の少し手前に設定されている。そして、この状態では受信部6による受信データの書き込みが、限界ポインタ61の少し手前まで進んできたことを示している。
【0072】
また、受信済みのデータについては、解析プログラム52によって、順次平行してデータ解析作業、バンドメモリ71,72への文字や、罫線、イメージの展開作業、エンジン部4へのビデオ転送作業、エンジン部4による印刷作業が実行される。エンジン部4への排紙の指示が完了したページまで、解析ポインタ62が設定される。その後、排紙が無事完了したページについては、排紙ポインタ63が設定される。受信したデータのうち、排紙ポインタ63のアドレス以前の部分については、もうすでに排紙済みで不要なので、「消去」された状態になっていて、新しい受信データが書き込み可能である。「消去」と言っても実際にクリアされているわけではなく、新しい受信データは上書きされる形である。
【0073】
なお、解析ポインタ62、排紙ポインタ63はページ単位に設定される。解析プログラム52は、受信バッファ10上のページ境界位置等を、受信管理プログラム51が作成、管理しているページ管理表13上で調べて分かる。
【0074】
図7(b)は、受信バッファ10の最大値の位置まで受信データの書き込みが進んでしまい、受信管理プログラム51が、限界ポインタ61を受信バッファ10の先頭位置付近に移動させるよう受信部6に指示し、実際に、受信部6による受信データの書き込みが、先頭部分で少し進んだ状態を示している。いわゆる「リングバッファ」の動作である。
【0075】
限界ポインタ61の変更は、次の手順で行なわれる。まず、受信部6による受信データの書き込みが、限界ポインタ61まで進むと、受信部6は「限界に達してこれ以上書き込めない」ことを受信管理プログラム51に知らせる。つまり、限界ポインタ61の変更を催促する。催促された受信管理プログラム51は、排紙ポインタ63を調べ、新しく空いた領域がないかチェックする。そして、新しい限界ポインタ61位置を排紙ポインタ63位置として、受信部6へ指示する。これで、受信部6は、古い限界ポインタ61位置から、新しい限界ポインタ61位置まで、受信データの書き込みが可能になる。
【0076】
なお、受信6は、「書き込み位置が限界ポインタ61に達したとき」以外にも、受信データ中に「ジョブ開始コマンド41を検知したとき」や、「ページの開始コマンド32を検知したとき」、「ジョブ終了コマンド36を検出したとき」等も、受信管理プログラム51に連絡を行なう。これによって、受信管理プログラム51は、受信の実作業、つまり、信号線の制御や受信したデータのメモリへの書き込み等々、受信部6に任せながら、受信したページの管理が可能になっている。
【0077】
ところで、受信部6は、ホスト1から受信したデータを高速で受信バッファ10に直接書き出す仕組み、いわゆるDMA(ダイナミック・メモリ・アクセス)受信回路を持っているわけだが、FIFO(ファーストイン・ファーストアウト)バッファが内蔵されており、ホスト1から送られてくるイメージデータは、いったん、このFIFOバッファに貯えられてから、受信管理プログラム51から指示された受信バッファ10上の書き込み位置へ高速で書き込まれる。技術的には広く知られたものなので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
また、ワーク領域12には、ページ管理表13、登録文字管理表14、登録文字データ領域15等が存在するが、ここでは、各部分の内部の詳細な構造については説明しない。しかし、余計なメモリ容量を消費しないように、効率的な構造をとっている。
【0079】
数式1は、一つのバンドに文字や罫線を展開するのに要する時間を知るための計算式を示している。
【0080】
【数1】
Figure 0003792823
【0081】
プリンタ2内のコントローラ部3では、「1バンド当たりの、文字展開や罫線展開、イメージの展開に使用できる許容時間」は決まっている。ホスト1上のドライバでバンド単位でプリンタ2へ送る文字データ、罫線データを作成する際には、1文字ごと、1本の罫線ごとに、数式1で示す計算式で求められる展開時間を加算してゆき、その合計値が「バンドあたりの展開許容時間」をオーバーする場合は、その時点以降の文字や罫線は、イメージとして処理することになる。
【0082】
なお、イメージについては、1バンドあたり、1ブロックのイメージしか許さない。そのため、計算上イメージの展開時間としては、仮に、1バンドの大きさいっぱいの、しかも圧縮の効かないイメージブロックがあったとして、そのイメージブロックの展開時間をイメージの展開時間として割り当てている。つまり、最悪のケースを考慮している。
【0083】
次に、文字と罫線について、数式1の説明をする。まず1文字あたりの展開時間は、文字の面積に比例しているとして、単純化して計算する。つまり、ドット単位での文字の大きさの2乗に比例する。この場合、文字はすべてOR書きが前提である。
【0084】
1本の罫線あたりの展開時間は、罫線として細長い矩形領域を考えて、OR書きしなければならない部分と、上書きで済む部分とに分解し、それぞれの処理時間を合計したものになる。詳細は、図8、図9で説明する。
【0085】
OR書きは、バンドメモリ71,72から、展開位置の1バイトを罫線展開回路131内部の1バンドバッファにサンプリングし、その1バイトに、罫線の部分展開のための1バイトをOR書きした後、その1バイトをバンドメモリ71,72へ戻さなければならないので時間がかかる。一方、上書きはffHの真っ黒な1バイトデータを、直接バンドメモリ71,72へ書き出すだけなので、短時間で済む。
【0086】
これにより罫線では、OR書き部分と上書き部分とに分けて計算している。なお、上記文字や罫線の左右端部分がOR書きでなければならない理由としては、コントローラ部3でバンドメモリ71,72のクリアのあとで、文字、罫線、イメージが展開されるが、相互に重ね書きされる可能性があるからである。
【0087】
仮に、イメージの上に、文字、罫線をOR書きでなく上書きで処理すると、イメージの上に、一つの文字が重なった場合はイメージが文字ボックスの大きさ分白く抜けて、その上に文字が描画されることになり、印刷結果の上では問題である。
【0088】
また、イメージの上に罫線が重なった場合も、上書きだとすると、罫線の左右端の1バイトに満たない部分が白く抜けて、その上に罫線の左右端が描画されるので、印刷結果の上では問題である。
【0089】
ホスト1上のアプリケーションの上で、ユーザが必ずしもイメージ、文字、罫線のOR書きを指示しているとは限らないが、本実施の形態では最終的な印刷結果として、より問題の少ないと思われるOR書きの方式を取っている。
【0090】
なお、罫線は全体をOR書きしてもかまわないが、左右端部分以外は、1バイトがffHの真っ黒な部分なので、OR書きよりも展開の速い上書きで良い。
【0091】
図8は、1本の横罫線の展開時間を算出するための説明図である。
【0092】
図では、太さ7ドット、長さ7バイト、ただし、左右の半端な1バイトになっている横に長い罫線の場合を示している。この時、OR書きしなければならないのは、左の1バイト部分、及び右の1バイト部分である。したがって数式1の計算式(b)では、OR書き罫線係数に掛ける値は2になる。上書きで構わない部分は、中間の5バイトの部分である。数式1の計算式(b)で、上書き罫線係数に掛ける上書き領域の長さは5となる。罫線の太さは7ドットであるが、数式1の計算式(b)で罫線の高さは7となる。
【0093】
これによって、数式1の計算式(b)で1本の横に長い罫線の展開時間が算出される。
【0094】
なお、罫線によっては、左の1バイトあるいは右の1バイトがぴったり1バイトにおさまってしまって、OR書き領域がない場合もある。その場合は、OR書き領域数によって、数式1のOR書き罫線係数に掛ける数は1か0となる。
【0095】
図9は、1本の縦罫線の展開時間を算出するための説明図である。
【0096】
図では、長さ21ドット、太さ2バイト、ただし、左右端は半端な1バイトになっている縦に長い罫線の場合を示している。この時、OR書きしなければならないのは、左の1バイト部分、及び右の1バイト部分である。数式1の計算式(b)では、OR書き罫線係数に掛ける値は2になる。上書きで構わない部分はない。数式1の計算式(b)で、上書き罫線係数に掛ける上書き領域の長さは0となる。罫線の長さは21ドットであるが、数式1の計算式(b)で罫線の高さは21となる。
【0097】
これによって、数式1の計算式(b)で1本の縦に長い罫線の展開時間が算出される。
【0098】
なお、罫線によっては、太さが小さくて1バイトのOR書き領域の中におさまってしまう場合もある。その場合は、数式1のOR書き罫線係数に掛ける数は1となる。
<(b)動作の説明>
次に、本発明の第1の実施の形態の動作を、フローチャートを用いて説明する。
<プリンタドライバプログラム>
図10,11は、ホスト1上のプリンタドライバの動作を説明するフローチャートである。プリンタドライバは、ユーザが用いるアプリケーションソフトで作成された文書データから、図3,図4で説明した文字やイメージのプリンタコマンドを作成してプリンタ2へ転送する。ユーザがアプリケーションソフトから文書の印刷を指示すると、ホスト1内でプリンタドライバが起動される。
【0099】
ドライバは起動時にはホスト1のメモリ上に1ページ分の大きさのイメージ展開領域としてのフレームバッファを確保し、同時にフレームバッファをクリアする。また、ドライバの文書印刷処理の終了時には、フレームバッファとして使われていたメモリ領域は開放される。
【0100】
処理としては、まず、ステップS1でジョブ開始コマンド31をプリンタ2へ転送し、次にステップS2で変数mに印刷しようとしている文書のページ数に1を加算した値をセットし、ステップS3で変数mpに1をセットする。そして、ステップS4で変数mpが変数mより小さいかチェックし、NOなら文書のすべてのページ数の処理が終わったことになるので、ステップS5でジョブ終了コマンド36を転送して、ドライバの処理を終了する。
【0101】
ステップS4でYESなら、ステップS6でページ開始コマンド32をプリンタ2へ転送し、ステップS7でmpページ目のアプリケーションからの文字印字指示、罫線描画指示を蓄積し、ステップS8で蓄積した文字印字指示について印字位置によるソーティング、蓄積した罫線の描画指示について描画開始位置によりソーティングを実行し、ステップS9でmpページ目のアプリケーションからの文字印字指示、及び、罫線描画指示、以外の描画指示をホスト1上のフレームバッファに展開する。ここで、文字印字指示、罫線描画指示、以外の描画指示とは、図形描画、イメージの貼り付け等である。
【0102】
また、ステップS8における印字位置、描画位置によるソーティングとは、まず用紙の長手方向によるソーティング、次に、用紙の短手方向によるソーティングを行なうことである。A4サイズの用紙を縦置きした時に、印字位置、描画位置によって上から下へ、さらに左から右へと並べ替えたことになる。
【0103】
次にステップS10で、変数nに17をセットする。17と言う値は、用紙サイズを長手方向に均等に16バンドに分割する意味での「16」の値に1を加算した値である。そしてステップS11で変数npに1をセットし、ステップS12で変数npが変数nより小さいかチェックし、NOなら1ページの16個のバンド処理が終了したことを意味するので、変数mpに1を加算してステップS4の直前に戻り、次のページのバンド出力処理に移る。
【0104】
ステップS12でYESなら、ステップS14でバンド開始コマンド81をプリンタ2へ転送し、ステップS15で、変数Tに単一ブロックイメージのバンドへの貼り付け時間をセットする。この時間は、数式1で説明したバンドいっぱいの大きさの圧縮の効かない単一イメージブロックのバンドへの展開時間を意味している固定値である。
【0105】
そして、ステップS16では、変数Tmaxに、コントローラ部3が許している文字、罫線、イメージの展開に対しての1バンドあたりの展開許容時間をセットする。これも固定値である。
【0106】
次に、ステップS17で蓄積したアプリからの印字指示からnpバンド目に含まれる文字印字指示をピックアップし、ステップS18で変数sにピックアップした文字数に1を加算した値をセットして、ステップS19で変数spヘ1をセットする。
【0107】
なお、ステップS17でピックアップする文字印字指示は、npバンド目に文字の一部でもかかっているものはすべてピックアップする。よって、文字の印字位置によっては、二つのバンドにまたがる場合がある。
【0108】
次にステップS20で変数spが変数sより小さいかチェックし、NOならnpバンド目に含まれる文字データの転送処理はすべて済んだことになるので、ステップS21でバンドごとの罫線コマンド処理を行ない、ステップS22以降でnpバンド目のイメージデータの転送処理に移ることになる。
【0109】
ステップS21の動作の詳細は、図12で説明する。
【0110】
ところで、ステップS22では、ホスト上のフレームバッファから、npバンド目の位置と大きさのイメージを切り出し、ステップS23で空白のバンドかチェックし、YESなら何もせずステップS27に移る。
【0111】
ステップS23でNOなら、ステップS24でイメージが実際に含まれる矩形領域を単一のブロックとして切り出し、まずステップS25でブロックの貼り付け位置を示す位置移動コマンド33をプリンタ2へ転送し、ステップS26で種別34が6、つまりブロックイメージコマンド45,46,47,48をプリンタ2へ転送する。当然ながら、ブロックイメージデータはデータ圧縮されて転送される。
【0112】
そして、ステップS27で変数npに1を加算し、ステップS12の直前に戻り、次のバンドの転送処理に移る。
【0113】
ステップS20でYESの場合は、ステップS28で変数Tに、印字の指示をしようとしている文字の1文字展開時間を加算し、ステップS29では変数TがTmaxより小さいかチェックし、NOならステップS30で変数TからステップS28で加算した1文字展開時間を減算し、ステップS31で印字の指示をしようとしている1文字を、フレームバッファ上に展開し、ステップS39へ飛ぶ。
【0114】
なお、ステップS28で加算する1文字展開時間は、数式1で説明した計算式で算出される。
【0115】
ステップS29でYESなら、ステップS32でsp番目の文字はこの文書で初めて現れる文字の印字の指示かチェックし、初めてならばステップS33で印字位置を示す位置移動コマンド33をプリンタ2へ転送し、ステップS34でプリンタ2側が登録可能な文字数の限界に達したかチェックし、限界に達したならステップS36で種別34が3、つまり、文字イメージ印字のみのコマンド43,44をプリンタ2へ転送して、ステップS39へ移る。
【0116】
ステップS34で限界に達していないとわかれば、ステップS35で種別34が2、つまり文字登録+印字コマンド41,42,43,44をプリンタ2へ転送してからステップS39ヘ移る。当然ながら、プリンタ2へ転送される一文字のドットイメージは、データ圧縮されて転送される。
【0117】
ステップS32でNOならば、この文字の印字の指示が文書の中で2度目以降の指示であることを示しているので、ステップS37で印字位置を示す位置移動命令33をプリンタ2へ転送し、次にステップS38で種別34が4、つまり文字コード印字コマンド41,42をプリンタ2へ転送する。
【0118】
そして、ステップS39で変数spに1を加算して、ステップS20の直前に戻り、次の文字データのプリンタ2への転送処理を行なう。
<罫線コマンド処理プログラム>
図12は、図10,11のステップS21の処理、つまり、バンドごとの罫線コマンド処理ルーチンの動作の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0119】
まず、ステップS41では、npバンド目にかかる罫線描画指示をピックアップし、ステップS42で変数sにピックアップした罫線数に1を加算した値をセットし、ステップS43で変数spに1をセットする。
【0120】
そして、ステップS44で変数spが変数sより小さいかチェックし、NOならこのルーチンからリターンする。YESならステップS45で変数Tにプリンタ2に対して描画のコマンドを送ろうとしている、1本の罫線の展開時間を加算する。この罫線展開時間は、前述の数式1で算出される。
【0121】
次に、ステップS46では、変数Tが変数Tmaxより小さいかチェックし、NOならステップS47で変数TからステップS45で加算した1本の罫線展開時間を減算し、ステップS48でホスト1上のフレームバッファに直接罫線の展開を行って、ステップS51へ移る。
【0122】
ステップS46でYESなら、ステップS49で位置移動コマンド33を転送し、ステップS50で種別34が5、つまり、罫線コマンド49,50を転送する。図4で説明したように、罫線コマンド49,50は、罫線を細長い矩形とした場合に、その矩形の右下端のX座標49、及び、Y座標50をあらわしている。
【0123】
そのあと、ステップS51へ移り、変数spに1を加算して、ステップS44の直前に戻り、次の罫線の処理に移る。
【0124】
ところで、ステップS50でプリンタ2に転送する罫線コマンドは、バンドの領域以内の部分の細長い矩形である。アプリケーションからドライバが罫線の指示を受けたときは、例えば、ページの先頭からページの下端にまで届く長い罫線だとしても、プリンタ2へコマンドを転送するときには、バンド毎に分割された小さな罫線コマンドになっていることになる。
【0125】
なお、ステップS48で、フレームバッファ上に直接罫線を描画しているが、この時描画するのも、バンドの領域以内の部分だけである。
<受信管理プログラム>
図13,14は、受信管理プログラム51の動作を説明するためのフローチャートである。このプログラムはプリンタ2の電源立ち上げと同時に動作を開始する。
【0126】
まず、ステップS61で受信バッファ10、バンドメモリ71,72、ワーク領域12内にあるページ管理表13、登録文字管理表14等をクリアし、ステップS62で、受信部6に受信データ書き込みの限界値、つまり図7で説明した限界ポインタ61の値を、受信バッファの最大値にセットする。これで受信部6は、受信バッファの大きさまでフルに書き込めることになる。そのあと、ステップS63でユーザがプリンタを電源オフしたかチェックし、YESならこのプログラムの処理を終了する。
【0127】
ステップS63でNOなら、ステップS64で受信部6から受信開始の知らせあったかチェックする。受信開始の知らせとは、受信部6がホスト1から受け取った転送データの中から、ジョブ開始コマンド31を検知したかどうかの知らせである。ステップS64でNOなら、ステップS63の直前に戻り、ループを形成してホスト1からのプリントコマンドの転送を待つ。
【0128】
ステップS64でYESなら、ステップS65で受信部6へ受信データの受信バッファ10への書き込み開始を指示する。
【0129】
なお、受信部6はジョブ開始コマンド31を検知したら、まずホスト1からの受信を一時停止し、受信管理プログラム51に対してジョブ開始コマンド31を検知したことを知らせ、それから受信管理プログラム51から受信データの受信バッファ10への書き込み開始が指示されるまで待つ。これがステップS65に相当する。また、受信部6は、ジョブ開始コマンド31を検知するまでの受信データは、すべて受け捨てる形になっている。つまりホスト1からデータは受信するが、受信バッファ10には書き込まない。
【0130】
ステップS65の後は、ステップS66で1秒待つ。この1秒の間に、受信部6が受信データの受信バッファ10への書き込みを進めている形である。そのあとステップS67で、受信部6からページ開始コマンド32、あるいは、ジョブ終了コマンド36を検知したかどうかの知らせをチェックし、YESならステップS68でページ管理表13に受信したページの登録を行なう。この時、単一のページだけでなく、複数のページを同時にページ管理表13に登録することも有り得る。つまり、ステップS67の時点で、いくつかのページ開始コマンドやジョブ終了コマンドが重なっていることも有り得る。
【0131】
そして、ステップS69で受信部6からの知らせの中身に、ジョブ終了コマンド36が含まれていたかチェックし、YESならステップS77で受信部6に書き込み終了を指示してから、ステップS63の直前に戻り、ループを形成して次のジョブの受信を待つ。ステップS69でNOなら、ステップS66の直前に戻り、ループを形成して、受信データの受信バッファ10への書込みを続ける。
【0132】
なお、受信部6はジョブ終了コマンドを検知したら、一旦データ受信を停止する。つまり、複数のジョブの連続がホスト1から送られてきても、一気に受信バッファ10に勝手に書き込むのではなく、受信管理プログラム51の指示のもとで、ジョブ単位に受信バッファ10への書込みを行なう。
【0133】
ステップS67でNOなら、ステップS70で受信部6から受信データの書き込みが指定された限界値に達したとの知らせがあったかチェックし、NOならステップS66の直前に戻ってループを形成し、受信部6による受信データの書き込みを続ける。ステップS70でYESならステップS71で新しい限界値を受信部6に指示可能かチェックし、YESならステップS72で新しい限界値を受信部6に知らせて、その後はステップS66の直前に戻り、ループを形成して受信部6による受信データの受信バッファ10への書き込みを続ける。
【0134】
ステップS71でNOなら、ステップS73で受信データが大きすぎるかチェックする。“大きすぎる”とは、受信バッファ10をすべて使ってもある1ページ分のデータが受信しきれないことを示している。大きすぎると判断できた場合は、ステップS74でプリンタ2のパネル上にエラー表示を行ない、ステップS75で、受信バッファ10、バンドメモリ71,72、ワーク領域12内にあるページ管理表13、登録文字管理表14等をクリアし、ステップS76で受信部6に対し、受信データ書き込みの限界値を受信バッファの最大値とセットする。その後、ステップS77で受信部6に書き込み終了を指示してから、ステップS63の直前に戻り、ループを形成して次の文書のジョブ開始の知らせを待つ。これによって、大きすぎてエラーとなってしまったページを含んだ文書ジョブは、巨大なページ以降、すべて受け捨てられることになる。
【0135】
ステップS73でNOならば、ステップS78で1秒待ち、解析プログラム72によって解析が進み、受信バッファ10に空きができるの待つことになる。そして、ステップS71の直前に戻りループを形成して、ステップS71で受信バッファ10の空きを確認することになる。
【0136】
なお、ステップS74で、“プリンタ2のパネル上にエラー表示”と記載したが、パネルは図1のブロック構成図では記載、説明していない。しかし、通常のプリンタ等では、“印刷可”の状態なのか“エラー”の状態なのか“用紙なし”の状態なのか区別するために、プリンタ2の前面か上面に液晶パネルか状態表示ランプが設置されているのが普通である。詳細な説明は省略する。
<受信部の動作>
図15,16は、受信部6の動作を説明するためのフローチャートである。図13,14では、受信管理プログラム51の動作を説明する際に、ついでに受信部6の動作も言葉で説明したが、より詳しく説明するためにフローチャートにして図15,16とした。もちろん、受信部6はハードウェアの回路であって、通常のプログラムとは異なるが、動作の順序をフローチャートで説明する。
【0137】
受信部6は、プリンタ2の電源オンと同時に動作を開始するが、まず、ステップS81で受信を一旦停止する。これは、プリンタ2側をビジー状態として、ホスト1からのデータ転送を拒否することである。そのあと、ステップS82で、受信管理プログラム51から受信バッファ10上の書き込み位置の限界値の指示があるまで待ち、指示があったなら、ステップS83でホスト1からのデータの受信は可能だが、受信したデータは受け捨てる状態とする。
【0138】
そして、ステップS84で、ユーザがプリンタ2の電源をオフしたかチェックし、YESなら受信部6の動作を終了する。NOならステップS85で受信したデータからジョブ開始コマンド31を検知したかチェックし、NOならステップS84の直前に戻り、ホスト1からのジョブ開始コマンド31を待ち受ける。
【0139】
ステップS85でYESなら、ステップS86で一旦受信を停止し、ステップS87でジョブ開始コマンド31を検知したことを受信管理プログラム51へ知らせる。受信を一旦停止するとは、プリンタ2がビジー状態で、ホスト1からのデータの受信を拒否している状態である。
【0140】
次に、ステップS88で受信管理プログラム51から受信バッファ10への書き込み開始の指示があるまで待ち、指示があったならステップS89でホスト1からの受信を行ない、受信したデータは受信バッファ10上に書き込む動作を開始し、続行する。そして、ステップS90でページ開始コマンド32を検知したかチェックし、YESならステップS91で受信管理プログラム51にページ開始コマンド32を検知したことを知らせる。
【0141】
この時点で、受信管理プログラム51は、受信文書のページ位置をページ管理表13に記録する。ステップS91の後は、ステップS89の直前に戻り、受信と書き込みを続行する。
【0142】
ステップS90でNOなら、ステップS92でジョブ終了コマンド36を検知したかチェックし、YESならステップS93で受信を一旦停止し、ステップS94でジョブ終了コマンド36を検知したことを受信管理プログラム51に知らせる。この時点で、受信管理プログラム51は、ジョブの終了をページ管理表13上に記録する。
【0143】
次にステップS95で、受信管理プログラム51から受信は可だが受信したデータは受け捨てる、との指示があるまで待ち、指示があったならステップS83の直前に戻り、次の文書のジョブ開始コマンド31を待つ。
【0144】
ステップS92でNOなら、ステップS96で受信バッファ10上への書き込み位置が限界に達してしまったかチェックし、YESならステップS97で受信を一旦停止し、ステップS98で受信管理プログラム51へ受信バッファ10への書き込みが限界に達したことを知らせる。
【0145】
次に、ステップS99で受信管理プログラム51から受信バッファ10上の新しい書き込み位置の限界値の指示があったかチェックし、NOならステップS100で受信管理プログラム51から書き込み終了の指示があったかチェックし、NOならステップS99の直前に戻り、ループを形成する。つまり、受信管理プログラム51からの新しい限界値の指示か、書き込み終了の指示があるまで待つことになる。
【0146】
なお、ステップS100で受信管理プログラム51から書き込み終了の指示があるのは、1ページ分のデータが大きすぎて、受信バッファ10全部の領域を使っても、1ページ分のデータが納まりきらなくてエラーとなったときである。
【0147】
一方、ステップS99でYESの場合はステップS89の直前に戻り、受信と書き込みを続行する。また、ステップS100でYESの場合はステップS83の直前に戻り、以後のデータはジョブ開始コマンド31が来るまでは受信してもすべて受け捨てることになる。つまり、ある文書で大きすぎてエラーとなったページ以降の文書内のページは、すべて受け捨てられることになる。
【0148】
ステップS96でNOの場合もステップS89の直前に戻り、データの受信と受信バッファへの書き込みが続行される。
【0149】
図17〜図20は、解析プログラム52の動作を説明するためのフローチャートである。解析プログラム52も、プリンタ2の電源オンとともに立ち上がり、以後、受信部6によって書き込まれた、受信バッファ10の中のプリントコマンドの解析、及び、排紙処理を行なう。
【0150】
まず、ステップS111で、ユーザがプリンタ2を電源オフしたかチェックし、YESならこのプログラムの処理を終了する。NOならステップS112で受信バッファ10内に受信済みのページのデータがあるかチェックし、ないならばステップS111の直前に戻りループを形成して、ホスト1からのデータの受信を待つ。
【0151】
なお、ステップS112では、ページ管理表13を調べることによって、受信済みのページが存在するかどうかをチェックする。ページ管理表13は、図13,14で説明したような動作で、受信管理プログラム51が管理を行なっている。
【0152】
ステップS112でYESならば、以後そのページのプリントコマンドを次々と解析して処理してゆくわけだが、まずステップS113で変数nに「17」をセットする。「17」は1ページのバンド分割数「16」に1を加算した値である。次にステップS114で、変数npに1をセットし、ステップS115で変数npが変数nより小さいかチェックし、NOならバンドの処理がすべて完了したことを示し、ステップS155へ飛び、排紙の完了を待つ。
【0153】
ステップS115でYESなら、ステップS116でバンドnp番目のデータは、文字データも罫線データもイメージデータもなく、空白バンドなのかチェックし、YESならステップS117で変数tに0をセットする。そしてステップS123へ飛ぶ。
【0154】
ステップS116でNOなら、ステップS118でバンドnp番目のデータに文字データが含まれているかチェックし、YESならステップS119で変数npが奇数なら変数tに1をセットし、変数npが偶数なら変数tに2をセットし、ステップS123へ飛ぶ。
【0155】
ステップS118でNOなら、ステップS120でバンドnp番目のデータに罫線データが含まれているかチェックし、YESならステップS119で変数npが奇数なら変数tに1をセットし、変数npが偶数なら変数tに2をセットし、ステップS123へ飛ぶ。
【0156】
ステップS120でNOなら、バンドnp番目のデータとしては、単一のブロックイメージしか存在しないことを示しているが、ステップS122で変数tに3をセットして、ステップS123へ飛ぶ。
【0157】
ステップS123では、変数tが1あるいは2かチェックし、YESならステップS124以降でバンドnp番目に含まれる文字データや罫線データ、ブロックイメージデータを先頭から解析して行き、バンドメモリA71、バンドメモリB72への展開処理を行なう。まず、ステップS124では、変数tが1ならバンドメモリA71をクリアし、変数tが2ならバンドメモリB72をクリアする。そして、ステップS125で解析しようとしているコマンドが、位置移動コマンド33かチェックする。YESならステップS126でカーソルの移動を行なう。ここで言うカーソルとは、バンドメモリ71,72上で文字、あるいは、罫線、あるいはイメージを展開する位置を示すための概念上のポインタである。具体的には、ワーク領域12上にX座標、Y座標を示す変数として確保されている。カーソル位置は、バンドの左上端を原点としている。ドライバから送られてくる位置移動コマンド33も、各バンドの左上端を原点と考える相対位置を前提として転送されてくる。ページの左上端を原点としているわけではない。
【0158】
ステップS126のあとは、ステップS140へ飛ぶ。
【0159】
ステップS125でNOならば、ステップS127でそのコマンドが種別コマンド34で種別が1かチェックし、YESならばステップS128で文字登録プログラム53による文字の登録処理を行なってから、ステップS140へ飛ぶ。文字の登録処理は、後述の図21のフローチャートで動作の詳細を説明する。
【0160】
ステップS127でNOならば、ステップS129でそのコマンドが種別コマンド34で種別が2かチェックし、YESならばステップS130で文字の登録処理を行ない、ステップS131で印字処理を行なってからステップS140へ飛ぶ。ステップS130の文字の登録処理と、前述のステップS128の文字の登録処理は同一である。また、ステップS131の印字処理は、印字プログラム54によって行なわれるが、詳細は後述の図22で説明する。
【0161】
ステップS129でNOならば、ステップS132でそのコマンドが種別コマンド34で種別が3かチェックし、YESならばステップS133で文字イメージの印字処理のみを行ない、そのあとステップS140へ飛ぶ。
【0162】
ステップS132でNOならば、ステップS134でそのコマンドが種別コマンド34で種別が4かチェックし、YESならばステップS135で印字処理を行ない、そのあとステップS140へ飛ぶ。ステップS135の印字処理は、前述のステップS131の印字処理と同一である。
【0163】
ステップS134でNOならば、ステップS136でそのコマンドが種別コマンド34で種別か5かチェックし、YESならばステップS137で罫線展開回路131を使用して、罫線展開作業を実行する。変数tが1なら、バンドメモリA71に展開し、変数tが2ならバンドメモリB72に展開する。その後、ステップS140へ飛ぶ。
【0164】
ステップS136でNOなら、ステップS138でそのコマンドが種別コマンド34で、種別が6かチェックし、YESならばステップS139でイメージ伸長回路16を使用して、圧縮イメージデータの伸長作業をし、伸長したブロックイメージのバンドメモリ71,72への貼り付け作業を行なう。その際、変数tが1なら、バンドメモリA71への貼り付けを行ない、変数tが2ならばンド15への貼り付けを行なう。そして、ステップS140へ飛ぶ。
【0165】
ステップS126、ステップS128、ステップS131、ステップS133、ステップS135、ステップS137、ステップS139のあとか、あるいはステップS138でNOならばステップS140へ移る。ステップS140では、バンドnp番目の受信データで、解析していないコマンドがまだ残っているかチェックし、残っているならば、ステップS125の直前に戻って、その未解析コマンドの解析処理を行なう。
【0166】
ステップS123でNOの場合、あるいはステップS140でNOの場合は、図19のステップS141へ飛ぶ。
【0167】
ステップS141以降、ステップS154まではバンド単位のエンジン部4へのビデオ信号出力処理を示している。
【0168】
まず、ステップS141では、変数npが1かチェックする。つまり、あるページの最初のバンドかチェックするわけである。最初のバンドであれば、ステップS142でエンジン部4に給紙開始を指示して、ステップS143で用紙があるかチェックし、用紙なしならばステップS144でユーザが用紙を追加セットするまで待ち、それからステップS147へ飛ぶ。ステップS143でNOならば、つまり用紙があるならステップS147へ飛ぶ。
【0169】
ステップS141で最初のバンドではないと判断されたならば、ステップS145で前のバンドのビデオ転送処理が終了するまで待つ。但し、待っている間に、紙ジャム、つまり紙詰りが発生しているかをステップS146で常に監視している。仮に紙ジャムが発生しているのならば、ステップS146からステップS160へ飛び、紙ジャムからの復帰処理を行なう。
【0170】
ステップS145でYESなら、つまり前のバンドのビデオ転送が終了したなら、ステップS147で変数tが0かチェックし、YESならステップS148でイメージ伸長・ビデオ転送回路7に空白バンドの出力処理を指示してステップS154へ飛ぶ。
【0171】
ステップS147でNOなら、ステップS149で変数tが1かチェックし、YESならステップS150でイメージ伸長・ビデオ転送回路7にバンドメモリA71のビデオ信号出力指示を行ない、ステップS154へ飛ぶ。
【0172】
ステップS149でNOならば、ステップS151で変数tが2かチェックし、YESならステップS152でイメージ伸長・ビデオ転送回路7にバンドメモリB72のビデオ信号出力指示を行ない、ステップS154へ飛ぶ。
【0173】
ステップS151でNOならば、ステップS153でイメージ伸長・ビデオ転送回路7にnp番目のバンドデータに含まれる単一イメージブロックを、圧縮イメージのデータ伸長をしながらビデオ信号を出力することを指示して、ステップS154へ飛ぶ。
【0174】
ステップS154では変数npに1を加算してから、ステップS115の直前に戻り、次のバンドデータのバンドメモリへの展開、及びビデオ信号出力処理へ移る。
【0175】
ステップS115でNOの場合は、バンド出力処理がすべて終了して、あとはステップS155以降で印刷された用紙の排紙の完了を待つだけとなるが、まずステップS155では排紙が完了したかチェックし、NOならばステップS159で紙ジャム、つまり紙詰まりが発生したかチェックし、NOならばステップS115の直前に戻りループを形成して排紙の完了まで待つことになる。
【0176】
ステップS155で、排紙が完了したと判断したならば、ステップS156でページ管理表13上の、排紙済みページの記述をクリアし、ステップS157でジョブ終了、つまり、一つの文書の全ページを排紙し終わったかチェックし、YESならステップS158で登録文字管理表14をクリアし、ステップS111の直前に戻って、次の文書のジョブのデータ受信を待つ。
【0177】
ステップS157でNOならば、この時もステップS111の直前に戻って、その文書の後続のページのデータ受信を待つことになる。
【0178】
ステップS159でYESならば、ステップS160で紙ジャム発生をパネル表示し、ステップS161でユーザが詰まった紙を取り除くまで待ち、取除いたことがわかればステップS111の直前まで戻り、もう一度前回処理を行なった受信済みページデータのバンドへの展開、ビデオ出力、排紙処理を試みる。
【0179】
なお、ステップS156では、ページ管理表13上のページの登録をクリアしているが、受信管理プログラム51は、この領域がクリアされていることをチェックして、受信部6に対して新しい受信データ書き込みの限界値の指示を行なう。
<文字登録プログラム>
図21は文字登録プログラム53の動作の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0180】
このプログラムは、解析プログラム52からコールされるが、まず、ステップS171で圧縮された文字のドットイメージデータをそのまま登録文字データ領域15へ移し替える。そして、ステップS172で登録文字管理表14内に登録アドレスや、書体番号、文字コード、等を記録し、このプログラムの処理を終了する。
<印字プログラム>
図22は印字プログラム54の動作の詳細を説明するためのフローチャートである。このプログラムも、解析プログラム52からコールされる。
【0181】
まず、ステップS181で、登録文字管理表14をサーチして、書体番号、文字コードの一致する登録文字の登録文字データ領域15上の登録アドレスを得る。そして、ステップS182で文字伸長回路17で圧縮された文字のドットイメージデータを伸長し、ステップS183で貼り付ける文字がバンド境界上にかかってしまうかチェックし、境界上にかかってしまうと判断できれば、ステップS184で文字イメージの境界値処理を行ない、カーソル位置の微調整も行なってからステップS185へ移る。ステップS183でNOの場合も、ステップS185へ移る。
【0182】
ステップS184での境界値処理とは、一文字の文字イメージのうち、バンドの領域内にかかる部分だけ切り出してくることである。その小さなイメージ部分だけをバンド領域内に貼ることになるので、カーソル位置も微調整してバンド領域内に移動しなければならない場合がある。
【0183】
例えば、ある文字がバンドの上端の境界で文字ボックスの上半分ぐらいはみ出しているとする。カーソル位置は、文字ボックスの左上端なので、この時点ではバンド領域外にある。次に境界値処理を行なって、バンド領域内におさまる文字ボックスの下半分のイメージだけを切り出してくる。とすれば、下半分だけの文字の文字ボックスの左上端位置が、新しいカーソル位置となる。この位置は、バンド領域の上端の境界上に位置する。これが、「カーソル位置の微調整」の作業である。
【0184】
また、文字ボックスが、バンド領域の四隅にかかってしまう場合も、同様にバンド領域内にかかる部分の文字イメージの切り出しと、カーソル位置の微調整が行なわれる。
【0185】
ステップS185では、伸長済みの文字のドットイメージをバンドA71か、バンドB72上のカーソル位置に貼り付ける。図17,18で説明した変数tが1ならバンドA71に貼り付け、変数t2がバンドB72に貼り付ける。そして、このプログラムの処理を終了する。
<罫線展開回路の動作>
図23,24は、罫線展開回路131の動作を説明したフローチャートである。罫線展開回路131は、ハードウェアとしての回路であって、プログラムではないが、説明のためにフローチャートを用いる。
【0186】
解析プログラム52から、1本の罫線展開の指示が来て、罫線展開回路131は動作を開始するわけだが、1本の罫線展開の指示とは、内部が真っ黒の細長い矩形の描画の指示である。罫線展開回路131は、バンドメモリ71,72上に、その細長い矩形を、上から順に1ラスタごとに描画することで、その矩形を完成させる。なお、矩形の展開座標位置は、バンドメモリ71,72上のドット単位で指示がある。もちろん、バンドメモリ71,72のいずれに展開するかの指示もある。
【0187】
罫線展開の指示がくると、まず、ステップS191で変数mに矩形の高さ[ドット]をセットする。そして、ステップS192で変数nに0をセットし、ステップS193で変数adに描画の開始アドレス[バイト]をセットし、ステップS194で変数adlに変数adの値をセットする。
【0188】
次に、ステップS195で変数adsに1ラスタごとに描画する際のラスタの開始位置の加算値[バイト]をセットし、ステップS196では変数lmに1ラスタ描画分の長さ[バイト]をセットし、ステップS197で変数lnに0をセットする。
【0189】
そして、ステップS198では、1ラスタ描画の際に左端をOR書きするかチェックし、NOならステップS199で変数tlに0をセットし、YESならステップS200で変数tlに1をセットする。なお、OR書きするかどうかのチェック方法は、解析プログラム52からの罫線展開の開始位置[ドット]の指示が8で割り切れるかどうかである。割り切れれば、OR書きはしない。
【0190】
そのあと、ステップS201で1ラスタ描画の際に右端をOR書きするかチェックし、NOならステップS202で変数trに0をセットし、YESならステップS203で変数trに1をセットする。なお、OR書きするかどうかのチェック方法は、解析プログラム52からの罫線展開の終了位置[ドット]の指示+1が8で割り切れるかどうかである。割り切れればOR書きはしない。
【0191】
そして、ステップS204ヘ移るが、ステップS204では変数nが変数mより小さいかチェックし、NOなら、全ラスタの描画が終了、つまり罫線の描画がすべて終了したことを意味するので、罫線展開回路131の動作を終了する。
【0192】
YESなら、ステップS205で変数lnが変数lmより小さいかチェックし、NOなら1ラスタ分の描画の終了を意味するので、ステップS206以降でアドレス調整を行って、次の1ラスタの描画に移るが、まず、ステップS206で変数adに変数adsを加算し、ステップS207で変数adlに変数adの値をセットし、ステップS208で変数nに1を加算し、ステップS209で変数lnに0をセットして、ステップS204の直前に戻り、次の1ラスタの描画を続ける。
【0193】
ステップS205でYESなら、ステップS210で変数lnが0かチェックし、つまり、1ラスタの描画のうちの最初の1バイト目の描画かチェックし、YESならステップS211で変数tlが1かチェックする。つまり、左端をOR書きするかどうかである。ここで、NOならステップS217へ飛び、上書き処理を行なう。ここで、YESならステップS214へ飛び、OR書き処理を行なう。
【0194】
ステップS210でNOの場合は、ステップS212で変数lnが、変数lmから1を引いた数に等しいかチェックする。つまり、1ラスタ分の描画で、最後の1バイトの描画かチェックする。NOなら、ステップS217で上書き処理を行ない、YESならステップS213で変数trが1かチェックし、つまり、右端のOR書きをするかどうかチェックし、YESならステップS214以降でOR書き処理を行ない、NOならステップS217で上書き処理を行なう。
【0195】
ステップS217の上書き処理とは、アドレスadl[バイト]の位置に、真っ黒なffHの1バイトを単純にセットすることである。
【0196】
また、ステップS214以降のOR書き処理とは、まずステップS214でバンドメモリ71,72上のアドレスadl[バイト]位置から、1バイトを読み出してきて、ステップS215でその読み出してきた1バイトに罫線の左端か、右端の半端なパターンの1バイトをOR書きし、ステップS216でその結果の1バイトをバンドメモリ71,72上のアドレスadl[バイト]位置へ書き出す。
【0197】
そして、ステップS216、あるいはステップS217のあとは、ステップS218で変数adlに1を加算し、ステップS219で変数lnに1を加算したあと、ステップS205の直前に飛んで、描画中の1ラスタの中の次の1バイトの描画作業に移る。
【0198】
なお、細い縦罫線の場合、例えば太さ1ドットの縦罫線の場合は、ステップS196において変数lm、つまり、1ラスタ分の罫線のバイト数は1であり、また、左端のOR書きをあらわす、変数tlは1である。そして、1ラスタの描画はステップS210からステップS211、ステップS214と一度だけ通過するだけである。右端をOR書きするかしないかをあらわす変数trの値は、処理の上で意味はなくなる。
<イメージ伸長・ビデオ転送回路の動作>
次に、図25、図26,27、図28で、イメージ伸長・ビデオ転送回路7の動作を説明する。イメージ伸長・ビデオ転送回路7は、ハードウェア回路であって、プログラムではないが、その動作を図26,27、図28のフローチャートを用いて説明する。なお、前述したように、解析プログラム52がイメージ伸長・ビデオ転送回路7に指示をして、エンジン部4に対してビデオ信号の出力を実行させる。イメージ伸長・ビデオ転送回路7の処理の中には、空白バンドの処理、バンドメモリA71、バンドメモリB72からのビデオ信号出力処理、圧縮されたブロックイメージデータから直接の圧縮イメージデータの伸長と、伸長したデータからのビデオ信号出力処理の3つが含まれる。
【0199】
また、図示はしていないが、イメージ伸長・ビデオ転送回路7の中には、ブロックイメージデータから1ライン分、圧縮イメージデータを伸長したあとで、伸長したデータをとっておくためのラインバッファが内蔵されている。このラインバッファのデータをもとに、ビデオ信号を作成してエンジン部4に出力する。
【0200】
まず、図25では図26,27、図28のフローチャートで用いる各変数の説明をする。
【0201】
変数hは、バンドの高さを示す。これは、ビデオ信号を出力する際のライン数に相当する。変数lは、バンドの幅を示す。この大きさはバイトを単位としている。つまり、8の倍数のドット数が、ビデオ信号の白黒のビットに変換されて出力される。
【0202】
変数haは、イメージブロックに到達するまでの上マージンである。ビデオ信号は、何も送る必要のない部分のライン数である。変数hbは、イメージブロックの高さ、つまりブロックのライン数である。
【0203】
変数laは、イメージブロックの左マージンである。この部分は、ビデオ信号は何も送る必要がない。変数lbは、イメージブロックの幅である。la,lbの値についても、大きさはバイトを単位としている。つまり8の倍数のドット数が、ビデオ信号の白黒のビットに変換されて出力される。
【0204】
前述したホスト1上のドライバの動作としては、バンドやブロックイメージデータの幅方向は、“バイト単位の大きさ”に揃えることについては何も記述されていなかったが、ハードウェア回路を用いた高速なイメージ出力を可能にするには上記のような区切りの良くなる工夫が必要になる。ドライバも、このような工夫を前提としてプリントコマンドをプリンタ2へ転送する。
【0205】
次に、図26,27、図28でイメージ伸長・ビデオ転送回路7の動作を説明する。
【0206】
この回路は、プリンタ2の電源オンと同時に動作を開始するが、まずステップS221でユーザがプリンタ2を電源オフしたかチェックし、YESならこの回路は動作を終了する。NOならステップS222で解析プログラム52からのビデオ信号出力の指示があったかチェックし、NOならステップS221の直前に戻り、ループを形成して解析プログラム52からの指示を待つ。
【0207】
ステップS222でYESならステップS223で変数hにバンドの高さ、つまり、バンドの総ライン数をセットする。この値は解析プログラム52からビデオ信号の出力の指示があったときに同時に与えられる。そして、ステップS224で解析プログラム52からの指示が空白バンドの出力指示かチェックし、YESならステップS225で変数tに0をセットしてステップS230へ飛ぶ。
【0208】
ステップS224でNOならば、ステップS226で変数lにバンド幅の値をセットする。この値も解析プログラム52からビデオ信号の出力の指示があったときに同時に与えられる。次に、ステップS227で解析プログラム52からの指示が、バンドメモリA71、あるいはバンドメモリB72からのビデオ信号出力指示かチェックし、YESならステップS228で変数tに1をセットして、ステップS230へ飛ぶ。
【0209】
ステップS227でNOならば、バンド内に単一のイメージブロックがあって、その圧縮されたイメージブロックデータを、イメージ伸長・ビデオ転送回路7に対して、データ伸長を行なってビデオ信号を出力することを指示していることを意味する。そこで、ステップS229で変数tに2をセットし、変数haにはブロックの上マージン、変数hbにはブロック高さ、つまりブロックの総ライン数、変数laにはブロックの左マージン、変数lbにはブロックの幅をセットする。これらの値も、解析プログラム52からビデオ信号の出力の指示があったときに、同時に与えられている。そして、ステップS230へ移る。
【0210】
ステップS230では、変数hpに0をセットする。変数hpは、ビデオ信号を出力すべきバンド上のラインの位置を示すカウンタである。そしてステップS231で変数tが0、あるいは1かチェックし、0か1ならステップS232でエンジン部4からビデオ信号の出力要求があったかチェックし、NOならループを形成して、この要求があるまで待つ。ビデオ信号出力要求があったなら、ステップS233で変数tが1かチェックし、NOならステップS235へ飛ぶ。YESなら、ステップS234でバンドメモリA71かB72上のhp番目のラインをビデオ信号に変換して、エンジン部4へ出力してステップS235へ移る。ステップS234でバンドメモリA71から出力するのか、バンドメモリB72から出力するのかの指示は、解析プログラム52からビデオ信号の出力の指示があったときに同時に与えられている。
【0211】
ステップS235では、変数hpに1を加算して、ステップS236で変数hpが変数hよりも小さいかチェックし、YESなら、つまりバンド内のラインでまだビデオ信号が送り終っていない部分が残っているなら、ステップS232の直前に戻って次のラインのビデオ信号出力作業を続ける。
【0212】
ステップS236でNOなら、つまりバンド内のすべてのラインはビデオ信号を送り終わったならば、ステップS237で解析プログラム52に対して指示のあったバンドのビデオ信号の出力が完了したことを知らせる。この中には、空白バンドの出力処理が完了したことも含まれる。そして、ステップS221の直前に戻って、解析プログラム52からの次のビデオ出力指示を待つ。
【0213】
ステップS231でNOなら、バンド内のブロックイメージデータからのビデオ信号出力指示であるわけだが、図28でまずステップS238でブロックデータ中の第1のラインの圧縮イメージデータの伸長を実行し、伸長したデータをイメージ伸長・ビデオ転送回路7内に存在するラインバッファにセットする。これは、圧縮データの伸長作業を前もってしておくことで、ビデオ信号出力時に伸長作業を行なったのでは、ビデオ出力のタイミングに間に合わなくなることを防ぐためである。
【0214】
そのあとステップS239でループを形成して、エンジン部4からのビデオ信号要求があるまで待ち、あったならばステップS240で変数hpが変数haより小さいかチェックし、YESなら何もせずステップS247へ飛ぶ。これは、ブロックの上マージンの部分では、ビデオ信号を送らず何もしないことを意味している。
【0215】
ステップS240でNOならば、ステップS241で変数hpが、変数haと変数nbを加算した値より小さいかチェックし、ここでNOならばビデオ信号を送らず何もせずステップS247へ飛ぶ。これは、バンド内でブロックの下の部分が空いているのであれば、つまり、下マージンがあるなら、その部分にはビデオ信号を送らないことを示している。
【0216】
ステップS241でYESならば、ステップS242でラインの上で変数laの大きさ分、ビデオ信号を送らず、ステップS243で変数lbの大きさ分、イメージ伸長・ビデオ転送回路7の中にあるラインバッファ上のデータをビデオ信号に変換して、ビデオ信号をエンジン部4へ出力する。そして、ステップS244で変数hbpに、変数hpの値から変数haの値を減算し、さらに1を加算した値をセットする。
【0217】
次に、ステップS245で変数hbpが変数hbより小さいかチェックし、NOなら、つまりブロック内のすべてのラインのビデオ信号出力が終わったなら何もせずステップS247へ飛ぶ。
【0218】
ステップS245でYESなら、つまりブロック内でまだビデオ信号出力していないラインが残っているのなら、ステップS246でブロックデータ中の変数hbp番目のラインの圧縮イメージデータの伸長処理を実行し、伸長したデータをイメージ伸長・ビデオ転送回路7の中にあるラインバッファにセットして、ステップS247へ飛ぶ。
【0219】
これも圧縮データの伸長作業を前もってしておくことで、ビデオ信号出力時に伸長作業を行なったのでは、ビデオ出力のタイミングに間に合わなくなることを防ぐことである。
【0220】
ステップS247では、変数hpに1を加算してから、ステップS248で変数hpが変数hより小さいかチェックし、YESならステップS239の直前に戻って、バンド内の次のラインのビデオ信号出力処理を続ける。
【0221】
ステップS248でNOなら、図27のステップS237へ飛んで、ビデオ信号の出力が完了したことを解析プログラム52へ知らせてから、ステップS221の直前に戻って解析プログラム52からの次のビデオ信号出力指示を待つ。
【0222】
なお、ステップS237で、イメージ伸長・ビデオ転送回路7が、解析プログラム52に対してビデオ信号の出力完了を知らせてから、解析プログラム52が、次のバンドのビデオ信号出力指示をイメージ伸長・ビデオ転送回路7に指示するまでの間は、非常に短時間でなければならない。この間に時間的な空きが入ると、その間、ビデオ信号が出力されないので、印刷された用紙を見ると、そのラインの部分だけ白い筋が入ったような現象となる。つまり、バンドとバンドの間に隙間ができる。
【0223】
したがって解析プログラム52の排紙時のバンドとバンドの間の処理は、極めて迅速に行なわなければならない。
[第1の実施の形態特有の効果]
上記の構成により、本実施の形態はつぎのような効果を奏する。
(1)本実施の形態では、フレームバッファではなく、バンドメモリを設けて、バンド処理による印刷出力を行なうので、メモリが少なくて済む。従ってプリンタ装置を低コストで作成できる。
(2)本実施の形態では、ドライバは文字や罫線はコードやコマンドでプリンタへ転送することになっているので、文字の多い文書や、表の文書ではデータ量が少なくて済む。したがって転送時間が短くなり、印刷処理が迅速に行える。
(3)本実施の形態では、ドライバは、文字や罫線はコードやコマンドでプリンタ転送することになっているが、プリンタ内の処理としてバンドメモリ上への文字や罫線の展開が時間的に間に合わない場合には、文字や罫線をイメージとしてプリンタに送る。これによって、文字や罫線の数の限界は事実上ないことになる。
(4)本実施の形態では、受信バッファへ1ページ分のデータを受信してから印刷を開始する。「ホストベースプリンタ」のように、プリンタへのデータ転送を最優先にするために、ホスト上で他のアプリケーションがロックするというような現象は起こらない。
(5)本実施の形態では、ホスト上のドライバは、バンドの大きさそのもののイメージデータをプリンタに送るのではなくて、バンドの領域の中の、実際にイメージのある矩形部分だけを、プリンタへ送るので、転送データ量は小さくなる。このため、データ転送時間が短くなり印刷時間も短縮できる。
(6)本実施の形態では、空白のバンドがある場合は、コントローラ部では、バンドメモリ上に空白部を展開して、そのビデオ信号をエンジン部に送るのではなく、空白部に相当する部分は、イメージ伸長・ビデオ転送回路に対して、ビデオ信号を送らないよう指示するだけなので、CPUの負荷が小さくなる。また展開処理が減るため、印刷時間が短くなる。
(7)本実施の形態では、文字や罫線がなく、イメージだけが含まれるバンドがある場合は、コントローラ部では、バンドメモリ上にイメージを展開して、そのビデオ信号をエンジン部に出力するのではなく、圧縮されたイメージデータを、イメージ伸長とビデオ信号への変換、エンジン部への出力を指示するだけなので、CPUの負荷が小さくなる。またこうすることで展開処理が減るため、印刷時間が短くなる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態はバンドメモリを有しており、バンドメモリに展開したバンド単位のイメージを、2つのバンドメモリへのイメージの展開と、バンドメモリからの出力を交互に行うことで印刷出力を実現していた。このバンドメモリのかわりに、フレームメモリをプリンタに持たせるようにしても、第1の実施形態と同様のプリンタが実現できる。
【0224】
ただし、フレームメモリを有する場合には、メモリ上への文字、罫線、イメージの展開が1ページ分すべて完了してからエンジンの印刷処理を開始する。そのため、一方のバンドメモリから出力している間に他方のバンドメモリへのイメージの展開が終了するか否かのチェック、すなわちバンド内の文字数の限界、罫線数の限界は考慮する必要はない。したがってドライバ上にも限界のチェック機能はいらない。
【0225】
このように構成することで、イメージ形成に要する時間をチェックする必要が無くなるので、その分第1の実施の形態のプリンタに対して高速化が図れる。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態では、罫線の展開作業にハードウェアの回路である罫線展開回路を使用していたが、その代わりにソフトウェアを用いて展開作業をしても構わない。動作の詳細は図23,24のフローチャートで説明した処理と同一である。
[第4の実施の形態]
第1乃至第3の実施形態のプリンタについて、バンドの数、高さを可変とし、ドライバ上ではイメージデータについて、バンドの単位に繰り返しのイメージのパターンがある場合は、バンドの繰り返しのコマンドをプリンタに送ることで、イメージデータの転送量を小さくすることができる。図を用いて、第4の実施の形態を説明する。
【0226】
第1の実施の形態では、1ページは16バンドに均等に分割することを前提としていたが、第3の実施の形態では、バンドの数、高さを可変とし、ドライバ上ではイメージデータについて、バンド単位に繰り返しのイメージパターンがある場合は、バンドの繰り返しのコマンドをプリンタに送ることで、イメージデータの転送量を小さくしていることが大きな違いである。
【0227】
しかし、各種構成要素、プログラムの動作等については、ほとんどは第1の実施の形態と同一であるので、以下では、主に違いのある部分を説明する。
【0228】
ブロック構成については、第1の実施の形態の図1と同一なので省略する。本実施の形態では、バンド高さは任意としたが、図1のRAM9上にある、バンドA71、バンドB72のバンド高さ以下、という制限はある。
【0229】
図29は、原理の説明図である。
【0230】
ホスト1のドライバ上で、印刷しようとしている文書を、文字データと罫線データとイメージデータとに分けてプリンタ2に転送することは、第1の実施の形態と同様である。
【0231】
本実施の形態では、ドライバがホスト1上に設けたフレームバッファ上に展開した1ページイメージの中で、プリンタ1にイメージデータを送る前に、バンド単位のパターン認識を行ない、繰り返しのバンドがあるかチェックする。ここでは、バンド高さは任意に変えられるとしている。パターン認識の技術については、各種の方法が公知になっているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0232】
図29(A)では、波形の図形を含むイメージAのバンド、空白バンド、輪の連続の図形を含むイメージBのバンドセットが、3度繰り返されている。そこで、2度目以降に出現するイメージAのバンド、イメージBのバンドについては、最初に出現したイメージAのバンドデータ、あるいは、イメージBのバンドデータと同一であることを、プリントコマンドとして、プリンタ2に転送するようにした。文字データ部分の処理については、第2の実施の形態と同一である。
【0233】
図29のような例は、実際の文書では、あまりないと思えるが、図30のようなイメージのバンドの繰り返しの例は、実際の文書でも頻繁に有り得ると思われる。ただし、この場合は、罫線は全てイメージとして処理すると仮定している。
【0234】
この例では、罫線データの部分だけで考えると、図30(A)のように、バンドの1番からバンドの6番まで分割できて、バンドの1番、2番、6番については、そのまま、イメージデータとしてブロックイメージコマンドをプリンタ2へ転送するが、バンドの3番、4番、5番はバンド2番の繰り返しだとして、「バンド2番の繰り返し」のプリントコマンドをプリンタ2へ転送する。なお、表などの場合には罫線の繰り返しが現れる可能性が高いため、繰り返しパターンとして罫線データを含めることもできる。罫線データはバンド間のパターンの同一性のチェックをイメージに比べて簡単に行えるため、予想される出現頻度の高さを考え合わせれば高い効果が期待できる。
【0235】
図31は、ホスト1からプリンタ2へ送られる文字データ、イメージデータのコマンド構造の説明図である。第1の実施の形態の図3との違いは、バンド開始コマンド81のあとに、バンド高さコマンド82、繰り返しバンド番号83、があることだけである。その他の要素は同一である。
【0236】
バンド開始コマンド81は、1ページあたり任意の個数繰り返される。バンド高さ82もバンド毎に任意だが、バンドA71、バンドB72のバンド高さ以下である。また繰り返しバンド番号83は、そのページで出現したバンドの順番で、ページの先頭のバンド番号を1としてあらわす。そのバンドが、繰り返しのイメージを含んでいない場合、つまり新規のイメージを含んだバンドの場合は、−1がセットされる。
<ドライバプログラム>
ホストのプリンタドライバにおいては、図32,33の手順で処理が行われる。図10と共通するステップには同一の参照番号を付し、説明は省略する。
【0237】
図32,33において、ステップS9の直後に、フレームバッファ内でバンド単位のパターンの繰り返しが無いか調べ、繰り返しが見つからなければ、バンド管理表に、1ページを16等分したバンド番号、バンド高さ、パターンを繰返す場合のバンド番号の欄に−1をセットする。一方、もし繰り返しパターンが見出されたなら、ホスト上に設けたバンド管理表にバンド番号,バンド高さ、繰返されるバンド番号をセットする(ステップS321)。
【0238】
その後、ステップS14の直後に、これから送信するバンドについて、切り分けられたバンドの高さを示すバンド高さコマンドと、繰り返しバンド番号コマンドを送信する。繰り返しバンドでない場合には、このコマンドは−1である。
【0239】
また、ステップS21の直後に、それが繰り返しイメージを含むバンドであるかテストし、繰り返しであれば実体的なデータはないため、ステップS27の直前に分岐する(ステップS323)。
【0240】
コントローラ部3側では、ROM8に内蔵されいるプログラムの名称については、第1の実施の形態の図6で示された内容と同一である。動作についても、解析プログラム52以外は、第1の実施の形態と同一である。受信部6の動作は、第1の実施の形態と同一、イメージ伸長・ビデオ転送回路7の動作も、第1の実施の形態と同一のなので、説明は省略する。
<解析プログラムの手順>
図34〜図37は、解析プログラム52の動作を説明するためのフローチャートである。解析プログラム52も、プリンタ2の電源オンとともに立ち上がり、以後、受信部6によって書込まれた受信バッファ10の中のプリントコマンドの解析及び排紙処理を行なう。この手順は図17〜図20とほとんど同じであるので、異なる部分のみについて説明する。また、図35と図37はそれぞれ図18,図20と変わるところがないが、一連の手順の一部であるため示してある。
【0241】
図34にておいて、ステップS114の直後に、バンド高さを変数bhにセットする(ステップS341)。また、ステップS124の直後に、繰り返しバンド番号が−1であるか判定し(ステップS342)、−1でなければ繰り返しバンドであるため、t=1であればバンドAに、t=2ならばバンドBに指定されたバンド番号のブロックイメージを、イメージ伸長回路を用いて張り付ける(ステップS343)。こうすることで、くり返し指定がされたバンドのイメージをバンドメモリを経由して印刷出力できる。
【0242】
さらに、図36において、ステップS151の直後に、繰り返しバンド番号が−1であるか判定し(ステップS344)、−1でなければ、すなわち繰り返しバンド指定があるならば、そのバンドのブロックイメージを、イメージ伸長・ビデオ転送回路によりビデオ出力させ(ステップS345)、繰り返しバンド指定がないならば、第np番目のバンドのブロックイメージを、イメージ伸長・ビデオ転送回路によりビデオ出力させる(ステップS346)。こうすることにより、イメージだけが含まれるバンドを、バンドメモリを用いずに出力させることができる。
<第4の実施の形態特有の効果>
(1)本実施の形態では、ドライバがフレームバッファ上のイメージパターンを分析して、バンド単位に同じパターンが繰り返されるときは、繰り返しのバンド部分のデータとして繰り返しのコマンドを送るだけなので、イメージデータの転送量が小さくて済む。また、転送時間が少なくて済む。また、プリンタ側の受信バッファのメモリ消費量も節約できる。
[第5の実施の形態]
次に、図を用いて、第5の実施の形態を説明する。
<システムの構成>
第5の実施の形態では、プリンタの受信バッファに納まりきらない巨大なイメージを印刷する場合に、第1〜第4の実施の形態として説明した印刷制御方法のいずれかの代わりに、受信バッファを幾つかの部分に分割し、ひとつの部分から出力している間に他の部分に受信して格納することを繰返して巨大なイメージを印刷する。
【0243】
具体的には、文書は全てイメージデータで扱い、プリンタのRAMのほとんどを受信バッファとして使用し、受信バッファ上の巨大イメージページのデータをイメージ伸長・ビデオ転送回路で直接イメージ伸長作業とエンジン部へのビデオ転送作業を行なうことで、巨大イメージページの文書も印刷可能としている。本実施の形態の各種構成要素、プログラムの動作等については、ほとんどは第1の実施の形態と同一であるので、以下では主に違いのある部分を説明する。
【0244】
なお、以下の説明では、第1の実施の形態での印刷方式を「合成方式」と呼ぶ。これは、ホスト上では文字と罫線とイメージを分離して扱い、プリンタ上で文字と罫線とイメージの論理和をとって合成して出力するからである。また、巨大イメージを出力する方式を「簡易同期式」と呼ぶ。これは、あまりに1ページのイメージデータが巨大な場合は、ホストからの細かなバンド単位のデータ転送と、プリンタでの用紙の搬送を、成り行きの形で同期させて繰り返すことで印刷を実行するからである。
【0245】
図38,39は、簡易同期式の原理を説明するための図である。本実施形態のプリンタは受信バッファとして2MBのメモリを備えているものとしている。図38(a)は、圧縮してもその受信バッファ容量を越える巨大イメージを示している。このような巨大イメージは、ホストのプリンタドライバでそのサイズを判定し、図38(b)のように、最初の1MBで区切り、残りを100KBずつ区切って各ブロックごとにプリンタに送り付ける。
【0246】
図39は、図38(b)のようにして送られたイメージを、プリンタにおいて受信し、再構成して印刷する様子を示す図である。ホストから受信したイメージは、RAM9内にブロックごとに圧縮されて格納される。プリンタでは、それらブロックを、一つのブロックごとに伸長して印刷出力する。2番目以降のブロックは最初のブロックに比べて小さいため、伸張処理を迅速に行えるので、伸張処理時間によってオーバーランを生じることはない。第5の実施の形態は、上記「合成方式」と「簡易同期式」を合体させたものである。
【0247】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0248】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。
【0249】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0250】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0251】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0252】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0253】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ホストから文書を印刷する際に、ホスト上では、文書を文字データ部分、罫線データ部分と、その他のデータ部分に分け、その他の部分はすべてイメージとして処理する。また、文字データ部分についても、ある文字が最初に出現した場合に、その文字イメージをプリンタへ登録し、それ以降は文字コードによって文字の印字をプリンタへ指示する。これによって文字データ部分は大部分が文字コードになる。また、罫線データ部分は、罫線コマンドとしてプリンタへ転送する。
【0254】
こうすることで、本発明によれば、文字部分についてはほとんど文字コードによる処理なので、ホスト上では文字展開時間がそれほどいらないし、データ量も小さい。同様に、罫線部分も、罫線コマンドによる処理なので、ホスト上での罫線展開時間がいらないし、データ量も小さい。よって、文書データだけでなく、表データの高速出力も可能になるという効果がある。
【0255】
また、フレームメモリの代わりにバンドメモリを備えることで、必要とするメモリ容量を小さく押さえることが可能になるという効果がある。
【0256】
また、バンドメモリへの大量の文字や罫線の展開が時間的に間に合わない場合を考慮して、プリンタコマンドを作成する際には、バンドあたりの文字数や罫線数に限界を設けて、その限界を超える文字や罫線はイメージデータとして処理することで、通常の文書や表データは高速に出力できると同時に、文字数や罫線数が非常に多い場合でもエラーを発生させることなく印刷出力できるという効果がある。
【0257】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のシステム全体を説明するためのブロック構成図である。
【図2】イメージデータと文字データと罫線データの合成の原理の説明図である。
【図3】コマンドの構造の説明図である。
【図4】コマンド列の構造の説明図である。
【図5】罫線の座標指定の説明図である。
【図6】ROMに内蔵されたプログラムを説明するための図である。
【図7】受信バッファのポインタの説明図である。
【図8】横罫線の描画の説明図である。
【図9】縦罫線の描画の説明図である。
【図10】プリンタドライバの動作を説明するフローチャートである。
【図11】プリンタドライバの動作を説明するフローチャートである。
【図12】バンドごとの罫線処理の説明図である。
【図13】受信管理プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】受信管理プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】受信部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】受信部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】登録プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】印字プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】罫線展開回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】罫線展開回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図25】バンドのビデオ出力をする際の各変数の説明図である。
【図26】イメージ伸長・ビデオ転送回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】イメージ伸長・ビデオ転送回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図28】イメージ伸長・ビデオ転送回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図29】第4の実施の形態のイメージバンドの繰り返しの原理の説明図である。
【図30】イメージバンドの繰り返しの例の説明図である。
【図31】コマンドの構造の説明図である。
【図32】プリンタドライバの動作を説明するフローチャートである。
【図33】プリンタドライバの動作を説明するフローチャートである。
【図34】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図35】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図36】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図37】解析プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図38】巨大イメージを出力する手順の原理を示す図である。
【図39】巨大イメージを出力する際のプリンタのようすを示す図である。
【符号の説明】
1 ホスト
2 プリンタ
3 コントローラ部
4 エンジン部
5 CPU
6 受信部
7 イメージ伸長・ビデオ転送回路
8 ROM
9 RAM
10 受信バッファ
11 文字データ
12 罫線データ
13 イメージデータ
14 バンドメモリA
15 バンドメモリB
16 ワーク領域
17 ページ管理表
18 登録文字管理表
19 登録文字データ領域
20 文字伸長回路
21 罫線展開回路
22 イメージ伸長回路
31 CPU
32 メモリ
33 ROM
34 RAM
35 ビデオ受信部
36 給紙部
37 現像定着部
38 排紙部

Claims (2)

  1. ンドが単一の圧縮イメージであるか否かを判別する第1判別手段と、
    第1判別手段によりンドが単一の圧縮イメージでないと判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータ及び罫線コマンドに基づくイメージデータをバンドメモリに展開し、前記バンドメモリに展開されたイメージデータをビデオ転送部に出力し、前記第1判別手段によりンドが単一の圧縮イメージであると判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータをバンドメモリに展開することなく圧縮イメージデータをビデオ転送部に出力する制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
  2. ンドが単一の圧縮イメージであるか否かを判別する第1判別手段と、
    第1判別手段によりンドが単一の圧縮イメージでないと判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータ及び罫線コマンドに基づくイメージデータをバンドメモリに展開し、前記バンドメモリに展開されたイメージデータを出力し、前記第1判別手段によりンドが単一の圧縮イメージであると判別された場合、圧縮イメージデータを伸長したイメージデータをバンドメモリに展開することなく圧縮イメージデータを出力する制御手段と、
    前記制御手段により出力されるイメージデータをビデオ信号に変換して出力し、また前記制御手段により出力される圧縮イメージデータをイメージデータに伸長し、伸長したイメージデータをビデオ信号に変換して出力するビデオ転送手段と、
    前記ビデオ転送手段により出力されるビデオ信号に基づき印刷を行うプリントエンジンとを有することを特徴とする印刷装置。
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