JP4420295B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施例1の画像読取装置の機能ブロック図である。
図に示すように、実施例1の画像読取装置100は、画像データ記憶部101、縁特徴抽出部102、矩形特徴抽出部103、単位特徴面積算出部104、領域選択部105、座標算出部106、合成画像出力部107を備え、上記課題を解決している。各機能部分の詳細について説明する前に、画像読取装置100の外観、及びその内部構成について説明する。
図3は、画像読取装置の外観構成図である。
図3では、矩形状の原稿を画像読取装置100で読み取った画像データが、原稿の用紙サイズよりも大きい用紙で印刷装置208により印刷される場合を示している。出力された印刷物は矩形状の原稿と原稿以外の領域の境界を示す縁が描写されている。尚、同図において、原稿の読み取り面が載置台201に対して逆に載置されているのは説明のためであり、本来は原稿の読取面が載置台201に向くように載置する。以下に図2を主にし、図3を併用して実施例1の画像読取装置100の構成について説明する。
載置台カバー207(図3)はイメージセンサ200が原稿を読み取るときに外部からの環境光を遮断するため、載置台を覆い隠す役割を果たす部分である。
動作説明の手順として、最初に画像読取装置の全体動作を概略説明し(ここでは詳細な理論に立ち入らない)、続いて全体動作における重要なフローについて理論に基づいて詳細に説明する。図1、図2、及び図3を併用し、ステップS401からステップS409までステップ順に画像読取装置の全体動作について説明する。
画像読取装置100はイメージセンサ200を走査して原稿よりも広い領域を読み取り、画像データを得て画像データ記憶部101に記憶する。
縁特徴抽出部102は、画像データ記憶部101に記憶された画像データから縁特徴を抽出する。詳細は後に他のフローチャートを用いて再度説明する。
矩形特徴抽出部103は、縁特徴抽出部102が抽出した縁特徴から矩形特徴を抽出する。詳細は後に他のフローチャートを用いて再度説明する。
上記ステップS403において矩形特徴を抽出できた場合にはステップS405へ、抽出できなかった場合はステップS409へ進む。
単位特徴面積算出部104は、ステップS403において抽出した矩形特徴から、4辺の単位特徴面積を算出する。詳細は後に他のフローチャートを用いて再度説明する。
領域選択部105は、矩形を示す4辺を相対する2組の2辺に分割し、各組毎に特徴領域面積の狭い方を選択する。
座標算出部106は、領域選択部105により選択された2辺の領域の2直線の傾きを用いて、矩形4辺の直線を再計算し原稿の縁の座標値を算出する。詳細は後に他のフローチャートを用いて再度説明する。
合成画像出力部107は、座標算出部106により算出された矩形領域のベクトル情報に基づいて縁画像を描画し、画像データ記憶部101に記憶されている元画像と合成して出力する。
合成画像出力部107は、画像データ記憶部101に記憶されている元画像をそのまま出力する。
図5は縁特徴抽出部の動作を説明するフローチャートである。
このフローチャートは上記ステップS402を詳細に説明するフローチャートである。
ステップS501からステップS504までステップ順に縁特徴抽出部102(図1)の動作について詳細に説明する。ここで縁とは、画像の境界になる部分であって、以下のフローでは直線のみならず、画像の境界になる部分も強調することになる。
元画像データに対して縁の特徴を際立たせるフィルタオペレーションを水平・垂直方向について実行する。本発明で用いる特徴抽出に用いられる3×3の大きさのフィルタについて説明する。
(a)は、水平方向特徴抽出オペレータの一例であり、(b)は、垂直方向特徴抽出オペレータの一例である。特徴抽出オペレータとしては図に示したような3×3の大きさのフィルタが用いられる。フィルタオペレーションとは注目画素の階調値を、注目画素と周辺の画素の階調値の重み付け線形和で置き換えるものであり、画像全体に対して実行される。本ステップを実行すると水平方向の縁特徴が際立った画像データと、垂直方向の縁特徴が際立った画像データの2つの画像データが得られる。ここでは、よく知られているSobel微分などが用いられる。以下、図5に戻る。
上記ステップS501で得た2つの画像データの階調を反転させる。ステップS501の処理によって画像の黒と白が逆転してしまうので、該画像データの階調値を、最大階調値から減算することによって実行される。
上記ステップS502で得た2つの階調反転画像データを所定の閾値で2値化する。閾値は予め最適値に設定しておく。あるいは画像データの中のヒストグラムを作成し、ヒストグラムに基づいて所定の数量分を分離するように設定してもよい。本ステップで水平・垂直方向の2つの縁特徴が2値画像データとして得られる。
上記ステップS503で得た2つの2値画像データに対し論理和演算を実行する。
図7は、縁特徴の説明図である。
図に示すように、論理和演算の結果、黒を特徴とする縁が取得され、フローを終了する。ここでは、原稿の縁になる直線のみならず、画像(自動車)の境界になる部分も強調されていることがわかる。
このフローチャートは上記ステップS403を詳細に説明するフローチャートである。
ステップS801からステップS804までステップ順に矩形特徴抽出部103(図1)の動作について詳細に説明する。ここでは、例えば上記図7において自動車を払拭し原稿の縁になる直線のみを抽出することになる。以下のフローでは良く知られているHough変換が用いられる。
読み取り領域全体の縁特徴について、お互いに隣接している縁特徴同士を結合し、隣接特徴領域を得る。
矩形判定を実行していない隣接特徴領域が存在する場合はステップS803へ、存在しない場合はステップS809へ進む。
矩形判定を行っていない隣接特徴領域のうち、面積最大の隣接特徴領域を選ぶ。面積計算は、隣接特徴領域のうちx座標値y座標値の最も大きい点と最も小さい点について計算する。
上記ステップS803で選ばれた隣接特徴領域内の縁特徴を用いて、複数の直線を算出する。ここで直線の数値的記述方法について説明する。
図に示すように、直線900を該直線に対する垂線のx軸から角度θ;901と垂線の原点から直線までの距離ρ;902で記述する。直線状の1点(x,y)903は次の式で表される。
ρ=xcosθ+ysinθ
直線算出のアルゴリズムとしては、Hough変換を用いることが出来る。Hough変換は直角座標系で記述された点を角度θと距離ρの二次元空間に変換し、ある区間毎にその個数を加算し、個数が最大になった角度θと距離ρの組合せが最も直線らしいとするものである。区間を細かく取れば直線の算出精度が上がるが、メモリ使用量は増大する。区間は所定の値に設定する。検出する直線の最大数を設定する。あるいは所定の割合以上の個数を持つ組合せを直線としても良い。以下図8に戻る。
上記ステップS804で算出した複数の直線を次の条件式でペアリングする。このとき1つの直線が何度ペアリングされても良い。
|ρi−ρj|>δρ かつ |θi−θj|<δθ ただし、i≠j
これによりお互いに同程度の傾きを持ち、距離の離れた(略々平行)2直線がペアリングされる。
上記ステップS805で算出したペアのうち、次の条件式を満たす2つのペアの組合せを算出する。このとき1つのペアを何度組合せに使用しても良い。これにより互いに直交する2つのペアが算出される。2つのペアの組合せが算出された場合はステップS807へ、算出されない場合はステップS802へ進む。
上記ステップS806で算出した2つのペアの組合せのうち、面積が最大となる組合せをえらび、矩形の4辺とする。図を用いて詳細に説明する。
図に示すように、矩形の4辺は直線0(θ0,ρ0)、直線1(θ1,ρ1)、直線2(θ2,ρ2)、直線3(θ3,ρ3)、で表される。この4直線で囲まれた面積が最大になる矩形を選択することになる。以下図8に戻る。
上記ステップS807で選択した4辺の近傍の縁特徴を矩形特徴として抽出してフローを終了する。
矩形特徴の抽出に失敗したとみなしてフローを終了する。
この図は、上記ステップS405において、単位特徴面積算出部104が矩形特徴から4辺の単位特徴面積を算出するのを説明する図である。4辺ある矩形特徴のうち1辺を例示している。1辺に対して長手方向Hピクセル1101の領域を辺中央から切り出し、その領域内の矩形特徴1100の総数Kをカウントし、次の式で単位特徴面積Qを算出する。
Q=K/H
残りの3辺についても同様に算出する。
この図は、載置台201の上に例えば本2000などの厚い原稿が載置され、イメージセンサ200によって読取が実行される例を表している。(a)は側面図であり、(b)は平面図である。図に示すように、イメージセンサ200の光源200aと反射鏡の位置が同一でないために、縁Aには、縁Bよりも太い影が発生することになる。この太い縁Aにはノイズなどが含まれ矩形特徴抽出の精度を低下させることになる。特に本2000などの厚い原稿が傾いている場合等には、より一層精度を低下させることになる。そこで、上記ステップS406では、縁BをステップS407で利用すべく、領域選択部105が、矩形を示す4辺を相対する2組の2辺に分割し、各組毎に単位特徴面積算出部104が算出した単位特徴面積の中で面積の小さい辺が選択される。
この図は、ステップS407において座標算出部106(図1)が、領域選択部105(図1)により選択された2辺の傾きを用いて、矩形の4辺となる直線を再計算するのを説明するフローチャートである。
ステップS1201からステップS1202までステップ順に単位特徴面積算出部104(図1)の動作について詳細に説明する。
上記ステップS407において領域選択部105により選択された2辺の2直線の傾きをそれぞれθα、θβとしたとき、矩形の4辺の4直線を新しく(θα、ρ0’)、(θα、ρ1’)、(θβ、ρ2’)、(θβ、ρ3’)とし、ρ0〜ρ3を再計算しρ0’〜ρ3’を求める。
図14は、座標算出部の原理説明図である。
図に示すように、直線;1303の1辺に対して長手方向W[ピクセル]分の領域を辺中央から切り出し、矩形特徴;1300のうち矩形領域の内側に位置する特徴についてのみ、角度θを用い、よく知られている最小2乗法によって直線1303を算出する。ただし角度θは、ρ0’あるいはρ1’を計算するときはθαを用い、ρ2’あるいはρ3’を計算するときはθβを用いる。以下フローチャート(図13)へ戻る。
以上説明したように、ステップS406で影などを含む誤情報が少ない2辺を基に傾きを算出して矩形状原稿の原稿座標を算出するので、矩形状の原稿と原稿以外の領域の境界を示す縁を正確に捉えることができるという効果が得られる。
(構成)の説明
図15は、実施例2の画像読取装置の機能ブロック図である。
図に示すように、実施例2の画像読取装置1400は、画像データ記憶部101、縁特徴抽出部102、矩形特徴抽出部103、単位特徴面積算出部104、領域選択部105、座標算出部106、領域管理部1402、画像合成部1403、傾き補正部1404を備え、上記目的を達成している。以下に実施例1と相違する部分のみについて詳細に説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。尚、画像読取装置1400の外観、及びその内部構成について実施例1と同様なので説明を省略し、以下の説明の中では画像読取装置100(実施例1)を画像読取装置1400(実施例2)で置き換えたものとして説明する。
図16は、実施例2の画像読取装置の全体動作を説明するフローチャートである。
動作説明の手順として、最初に画像読取装置の全体動作を概略説明し(ここでは詳細な理論に立ち入らない)、続いて全体動作における重要なフローについて理論に基づいて詳細に説明する。図15、図2、及び図3を併用し、ステップS1501からステップS1510までステップ順に画像読取装置の全体動作について説明する。
画像読取装置1400は、イメージセンサ200を走査して原稿よりも広い領域を読み取り、画像データを得て画像データ記憶部101に記憶する。
縁特徴抽出部102は、画像データ記憶部101に記憶された画像データから縁特徴を抽出する。詳細は第1実施例での図5のフローチャートと同様であるので省略する。
矩形特徴抽出部103は、縁特徴抽出部102が抽出した縁特徴と、領域管理部1402が管理している枠情報に基づいて、既に検出された縁特徴を除いた上で、矩形特徴を抽出する。詳細は第1実施例での図8のフローチャートと同様であるので省略する。ここで領域管理部1402が管理している枠情報について説明する。
図に示すように、領域管理部1402が記憶し管理している枠情報1600は、その時点で検出している矩形状原稿の枚数である原稿数1601と、原稿N(N=1〜n)の枠情報1602とで構成される。更に、原稿N(N=1〜n)(N例えば名刺の枚数である)の枠情報1602は、消去領域情報1603と矩形描画情報1604とを有する。ここで消去領域情報1603は後述するステップS1505で抽出される矩形特徴の領域を記述している。この情報を用いて、同じ縁特徴を何度も矩形判定に用いる事を防止するための情報である。矩形描画情報1604は後述するステップS1508で算出される枠の座標値と傾きを記述している。以下フローチャート(図16)へ戻る。
ステップS1503において矩形特徴を抽出できた場合にはステップS1505へ、抽出できなかった場合にはステップS1509へ進む。
矩形特徴抽出部103は抽出した矩形特徴を領域管理部1402へ出力し、領域管理部1402は、原稿数1601(図17)が示すメモリ領域の消去領域情報1603(図17)に矩形特徴を記憶する。
単位特徴面積算出部104は、ステップS1503において抽出した矩形特徴から、4辺の単位特徴面積を算出する。詳細は実施例1の図11と同様であるので省略する。
領域選択部105は、矩形を示す4辺を相対する2組の2辺に分割し、各組毎に特徴領域面積の狭い方を選択する。
座標算出部106は、領域選択部105により選択された2辺の傾きを用いて、矩形4辺の直線を再計算し原稿の縁の座標値を算出する。詳細は第1実施例の図13のフローチャートと同様であるので省略する。領域管理部1402は、原稿数1601が示すメモリ領域の矩形描画情報1604に座標値と傾きを記憶してステップS1503へ戻る。以下ステップS1503からステップS1508を繰り返し、ステップS1504で矩形特徴が抽出できない場合(原稿Nの1〜nまで全ての枚数の情報収集が終了している場合)には、ステップS1509へ進む。
画像合成部1403は、画像データ記憶部101に記憶されている元の画像データのうち、領域管理部1402により管理されている枠情報1600(図17)のうちの消去領域情報1603に基づいて原稿N(N=1〜n)ごとに縁特徴の領域の画像データを背景色で塗りつぶし、矩形描画情報1604に基づいて原稿N(N=1〜n)ごとに縁画像を描画し、画像データと縁画像を原稿N(N=1〜n)ごとに合成して傾き補正部1404へ出力する。縁画像は、実線、破線など線種は問わず、線幅も自由に設定してよい。あるいは原稿の4角を十字線などでマーキングし縁は描画しなくてもよい。
傾き補正部1404は、領域管理部1402により管理されている矩形描画情報1604(図17)に基づいて、画像合成部1403により入力された画像データの傾きを原稿N(N=1〜n)を各原稿ごとに補正し、補正後の画像データを出力し、フローを終了する。
以上説明したように、本実施例では、実施例1の効果に加えて、複数の矩形状原稿読み取り時において、それぞれの原稿がばらばらの傾きを持つような場合でも、それぞれの傾きを個々に補正して、矩形状の原稿と原稿以外の領域の境界を示す縁を正確に捉えることができるという効果が得られる。
101 画像データ記憶部
102 縁特徴抽出部
103 矩形特徴抽出部
104 単位特徴面積算出部
105 領域選択部
106 座標算出部
107 合成画像出力部
Claims (4)
- 載置台に載置された矩形状原稿の画像を読み取る画像読取装置において、
前記矩形状原稿の面積よりも広い領域を読み取った画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された画像データに基づいて縁特徴を抽出する縁特徴抽出部と、
前記縁特徴抽出部により抽出された縁特徴の中から前記矩形状原稿の4辺に対応する縁特徴を抽出する矩形特徴抽出部と、
前記4辺に対応する縁特徴の中から交点を有する2辺の縁特徴を選択する領域選択部と、
選択された2辺の各々の傾き情報を用いて、前記4辺を表す直線の位置を特定する座標を算出する座標算出部と、
前記座標算出部により算出された座標に基づいて前記4辺を表す直線を枠画像に置き換えて、原画像と合成して出力する合成画像出力部とを備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記画像読取装置は、
辺毎に基準化された長さあたりの縁特徴面積を求める単位特徴面積算出部を更に備え、
前記領域選択部は、
2組の前記交点を有する2辺の中から前記単位特徴面積算出部により算出された特徴領域面積の狭い辺を、それぞれ選択し、
前記座標算出部は、
前記領域選択部により選択された前記特徴領域面積の狭い辺の傾き情報を用いて、前記4辺を表す直線の位置を特定する座標を算出することを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。 - 載置台に載置された矩形状原稿の画像を読み取る画像読取装置において、
前記矩形状原稿の面積よりも広い領域を読み取った画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された画像データに基づいて縁特徴を抽出する縁特徴抽出部と、
前記縁特徴抽出部により抽出された縁特徴の中から前記矩形状原稿の4辺に対応する縁特徴を抽出する矩形特徴抽出部と、
前記4辺に対応する縁特徴の中から交点を有する2辺の縁特徴を選択する領域選択部と、
選択された2辺の各々の傾き情報を用いて、前記4辺を表す直線の位置を特定する座標を算出する座標算出部と、
前記矩形状原稿の4辺に対応する縁特徴、及び前記4辺を表す直線の位置を特定する座標を記憶し、複数の矩形状原稿の枠情報を管理する領域管理部と、
前記座標算出部により管理されている矩形状原稿の枠情報に基づいて、前記画像合成部により合成された画像の傾きを補正し、補正後の画像を出力する傾き補正部とを備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記画像読取装置は、
辺毎に基準化された長さあたりの縁特徴面積を求める単位特徴面積算出部を更に備え、
前記領域選択部は、
2組の前記交点を有する2辺の中から前記単位特徴面積算出部により算出された特徴領域面積の狭い辺を、それぞれ選択し、
前記座標算出部は、
前記領域選択部により選択された前記特徴領域面積の狭い辺の傾き情報を用いて、前記4辺を表す直線の位置を特定する座標を算出することを特徴とする、請求項3に記載の画像読取装置。
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