JP3791325B2 - 感圧複写用顕色シート - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は感圧複写用顕色シートに関し、特に発色能力と印刷強度のバランスが改善された感圧複写用顕色シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感圧複写紙としては、原紙の片面に電子供与性染料を含有するマイクロカプセルを含む層を塗工した「上用紙」、電子供与性染料を接触反応して抵触する電子受容性化合物(顕色剤)を含む層を塗工した「下用紙」、原紙を片面にマイクロカプセルを含む層を塗工し、他面に顕色剤を含む層を塗工した「中用紙」、さらには原紙の同一面にマイクロカプセルと顕色剤を積層又は混在させた「セルフコンティンド紙」などが知られており、これらを適宜組み合わせて使用されている。
【0003】
感圧複写紙は、多数枚複写が可能であるという機能を有することから各種帳票に適用され、通常オフセット印刷、インクジェット記録による印刷方式等によってフォーム印刷し用いられているが、顕色剤層を設けた顕色シートに印刷が行われる場合、ブランケットまたは版に紙粉や塗工層の一部が堆積し、色抜けや印刷汚れなどの問題が発生することがある。
【0004】
そこで、印刷強度の付与を目的として、バインダーの比率を上げたり、結合強度の強いバインダーを使用する方法が考えられるが、染料油の顕色剤層への浸透が阻害され、発色能力が低下するなどの弊害を伴いやすい。特開昭63-170079号公報、特開平1-234288号公報には、接着剤としてアクリルアミド系のポリマーを含むことが開示されているが、十分な発色能力を得るためには塗工量を増やさなければならない。また、特開平6-227118号公報では、分子量が50万〜100万のアクリルアミドを主成分とする共重合体の結合剤を含むことが開示されている。しかし、染料油の顕色剤層への浸透が阻害されて発色感度(発色の速度や濃度)が低下する傾向があり、そのため塗工量の増量を強いられコストアップとなってしまう。
【0005】
一方、印刷強度は紙力にも影響される。ここでいう紙力とは、原紙における繊維間結合を指し、一般に、抄紙機にて原紙を抄紙後、別体の塗工機にて塗液を塗工するいわゆるオフマシン工程で製造する場合であれば、原紙を抄紙後サイズプレスによって表面的な紙力増強を行うことができる。これに対し、原紙の製造と塗工を同一ラインで行うオンマシンの場合は、工程が複雑となるためサイズプレスは困難であり、内添方法も知られているが、歩留まりに問題があり外添に比べて品質およびコスト面で合理的とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複雑な工程を用いることなく、発色能力の劣化を起こさずに印刷強度が向上された感圧複写用顕色シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、支持体の一方の面に顕色剤層を設けた感圧複写用顕色シートにおいて、該顕色剤層が顔料100部に対してポリアクリルアミド系共重合体を0.5〜1.5部含有することにより、発色能力と印刷強度のバランスが良好な感圧複写用顕色シートが得られることを見出し本発明に至った。
【0008】
印刷時における紙粉の発生は、原紙の紙力が弱いと紙層まで塗工層とともに剥がれやすいことや、塗工層自体の強度が弱く粉落ちすることが原因であると考えられるが、塗工層の強度が強すぎると染料油の顕色剤層への浸透が阻害され発色感度が低下するなどの問題が生じる。
【0009】
これに対し、本発明は、顕色剤層にポリアクリルアミド系共重合体を特定の割合で含有することにより、発色能力と印刷強度のバランスが改善されることを見出しなされたものであり、本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、次のように考えられる。本発明で用いられるポリアクリルアミド系共重合体は、顕色剤層に含有されるものであるが、原紙表面にしみ込んで原紙の紙力を向上させるとともに、発色性能に対して悪影響を与えない程度に顕色剤層の強度を高める作用を発揮すると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリアクリルアミド系共重合体は、紙力増強剤として知られるものであり、アクリルアミドを主成分とし、不飽和カルボン酸、アクリロニトリル、架橋剤等の成分を含有する。各成分の比率は、アクリルアミド50%モル以上、不飽和カルボン酸およびアクリロニトリルはそれぞれ0.5〜30モル%、架橋剤は0.01〜1モル%程度である。
【0011】
本発明においてポリアクリルアミド系共重合体は、顔料100部に対して0.5〜1.5部含有される。この範囲で含有されることにより、発色性能と印刷強度のバランスに優れた感圧複写用顕色シートが得られる。さらに好ましくは0.8部〜1.2部である。また、ポリアクリルアミド系共重合体の分子量が10万〜40万であると、発色能力を損なわずに印刷強度を向上させることができ好ましい。より好ましくは20万〜30万である。分子量が大きい場合、顕色剤層の結合力が強くなり、染料が顕色剤層に浸透しにくくなって発色感度の低下を招く傾向がある。
【0012】
本発明の感圧複写用顕色シートは、常法に従って製造され、例えば顕色剤を顔料とともにバインダー中に分散するなどの方法で調整された顕色剤塗液を、支持体上に塗工することによって得られる。本発明で用いる顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、ベントナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハロサイト、カオリナイト、微粉末無水珪酸等の無機顕色剤;安息香酸、p-イソプロピル安息香酸、2,5-ジニトロ安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、4-メチル-3-ニトロ安息香酸、サリチル酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジニトロサリチル酸、5-tert-ブチルサリチル酸、3-フェニルサリチル酸、3-メチル-5-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-アミルサリチル酸、5-シクロヘキシルサリチル酸、3-メチル-5-イソアミルサリチル酸、5-イソアミルサリチル酸、3,5-ジ-sec-ブチルサリチル酸、5-ノニルサリチル酸、2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸、2-ヒドロキシ-5-tert-ブチル安息香酸、5,5-メチレンジサリチル酸、アセトアミノ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、3.5-ジ(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3.5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;フェノール-ホルマリン樹脂、フェノール-アセトアルデヒド樹脂、フェノール-アセチレン樹脂等のフェノール樹脂、及びそれらカルボン酸の銅、鉛、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、錫、ニッケル等の金属との塩が挙げられる。
【0013】
本発明に用いる顔料としてはカオリン、焼成カオリン、ベンナイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、、酸化亜鉛、サチンホワイト、酸化チタン等が挙げられる。
【0014】
またバインダーとしてはデンプン類、セルロース類、蛋白類、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等が適宜選択して用いられる。その他、消泡剤、滑剤、分散剤、染料など必要に応じて使用することができる。
【0015】
塗工方式としては特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、カーテンコーターなど適当な塗工装置によって、2g/m2〜7g/m2程度の塗工液が上質紙、再生紙、合成紙などからなる支持体上に塗工乾燥される。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお特にことわらない限り、部および%は重量部及び重量%を示す。
【0017】
[実施例1]
サンドグラインダーにより、平均粒径2μmにした3,5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸亜鉛塩の45%水分散液を22部、炭酸カルシウム90部、カオリン10部、10%ポリビニルアルコール(商品名:ポバール117、クラレ社製)水溶液100部、カルボキシ変性SBRラテックスを固形分として2部、分子量20万のポリアクリルアミド系紙力剤を固形分として1部配合し、水で濃度調整を行い最終濃度30%の塗工液を得た。この塗工液を40g/m2の上質紙にブレートコーターで塗工し、固形塗工量が5g/m2の感圧複写用顕色シートを得た。
【0018】
[実施例2]
10%ポリビニルアルコール水溶液95部、ポリアクリルアミド系紙力剤を固形分として1.5部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0019】
[実施例3]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が30万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0020】
[実施例4]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が10万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0021】
[実施例5]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が5万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0022】
[実施例6]
10%ポリビニルアルコール水溶液105部、分子量50万のポリアクリルアミド系紙力剤を0.5部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0023】
[比較例1]
10%ポリビニルアルコール水溶液110部、ポリアクリルアミド系紙力剤を無添加以外は実施例1と同様にして感圧複写顕色シートを得た。
【0024】
[比較例2]
10%ポリビニルアルコール水溶液107部、ポリアクリルアミド系紙力剤を0.3部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0025】
[比較例3]
10%ポリビニルアルコール水溶液90部、ポリアクリルアミド系紙力剤を2部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0026】
[比較例4]
10%ポリビニルアルコール水溶液90部、ポリアクリルアミド系紙力剤を2部配合した以外は実施例5と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0027】
実施例1〜5、比較例1〜4で作成した顕色シートを以下のように評価した。評価結果を表1に示す。
(1)発色性テスト
市販の上用紙NW40T(日本製紙)と顕色シートの塗工面を重ね合わせて、それを原紙に挟み、20℃、65%RH、100kg/cm2の条件でカレンダー処理を行った。カレンダー処理10秒後、1時間後の発色濃度をマクベス濃度計(RD914、ラテン#25フィルター、Macbeth)で測定した。
(2)印刷強度テスト
顕色シート1500mをオフセット輪転印刷機(アポロ社製)で印刷し、印刷後のブランケットの汚れから粉落ち状態を目視評価し、以下の基準で表した。
○ 粉落ちなし
○’ 若干粉落ちあるが実用上問題なし
△ 粉落ちあり
【0028】
【表1】
表1
【0029】
表1に示されるように、本発明の感圧複写用顕色シートは発色能力を維持しつつ、印刷強度が向上していることがわかる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、発色能力が高く、かつ印刷強度の改善されたバランスの良い品質の感圧複写用顕色シートが得られる。
【産業上の利用分野】
本発明は感圧複写用顕色シートに関し、特に発色能力と印刷強度のバランスが改善された感圧複写用顕色シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感圧複写紙としては、原紙の片面に電子供与性染料を含有するマイクロカプセルを含む層を塗工した「上用紙」、電子供与性染料を接触反応して抵触する電子受容性化合物(顕色剤)を含む層を塗工した「下用紙」、原紙を片面にマイクロカプセルを含む層を塗工し、他面に顕色剤を含む層を塗工した「中用紙」、さらには原紙の同一面にマイクロカプセルと顕色剤を積層又は混在させた「セルフコンティンド紙」などが知られており、これらを適宜組み合わせて使用されている。
【0003】
感圧複写紙は、多数枚複写が可能であるという機能を有することから各種帳票に適用され、通常オフセット印刷、インクジェット記録による印刷方式等によってフォーム印刷し用いられているが、顕色剤層を設けた顕色シートに印刷が行われる場合、ブランケットまたは版に紙粉や塗工層の一部が堆積し、色抜けや印刷汚れなどの問題が発生することがある。
【0004】
そこで、印刷強度の付与を目的として、バインダーの比率を上げたり、結合強度の強いバインダーを使用する方法が考えられるが、染料油の顕色剤層への浸透が阻害され、発色能力が低下するなどの弊害を伴いやすい。特開昭63-170079号公報、特開平1-234288号公報には、接着剤としてアクリルアミド系のポリマーを含むことが開示されているが、十分な発色能力を得るためには塗工量を増やさなければならない。また、特開平6-227118号公報では、分子量が50万〜100万のアクリルアミドを主成分とする共重合体の結合剤を含むことが開示されている。しかし、染料油の顕色剤層への浸透が阻害されて発色感度(発色の速度や濃度)が低下する傾向があり、そのため塗工量の増量を強いられコストアップとなってしまう。
【0005】
一方、印刷強度は紙力にも影響される。ここでいう紙力とは、原紙における繊維間結合を指し、一般に、抄紙機にて原紙を抄紙後、別体の塗工機にて塗液を塗工するいわゆるオフマシン工程で製造する場合であれば、原紙を抄紙後サイズプレスによって表面的な紙力増強を行うことができる。これに対し、原紙の製造と塗工を同一ラインで行うオンマシンの場合は、工程が複雑となるためサイズプレスは困難であり、内添方法も知られているが、歩留まりに問題があり外添に比べて品質およびコスト面で合理的とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複雑な工程を用いることなく、発色能力の劣化を起こさずに印刷強度が向上された感圧複写用顕色シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、支持体の一方の面に顕色剤層を設けた感圧複写用顕色シートにおいて、該顕色剤層が顔料100部に対してポリアクリルアミド系共重合体を0.5〜1.5部含有することにより、発色能力と印刷強度のバランスが良好な感圧複写用顕色シートが得られることを見出し本発明に至った。
【0008】
印刷時における紙粉の発生は、原紙の紙力が弱いと紙層まで塗工層とともに剥がれやすいことや、塗工層自体の強度が弱く粉落ちすることが原因であると考えられるが、塗工層の強度が強すぎると染料油の顕色剤層への浸透が阻害され発色感度が低下するなどの問題が生じる。
【0009】
これに対し、本発明は、顕色剤層にポリアクリルアミド系共重合体を特定の割合で含有することにより、発色能力と印刷強度のバランスが改善されることを見出しなされたものであり、本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、次のように考えられる。本発明で用いられるポリアクリルアミド系共重合体は、顕色剤層に含有されるものであるが、原紙表面にしみ込んで原紙の紙力を向上させるとともに、発色性能に対して悪影響を与えない程度に顕色剤層の強度を高める作用を発揮すると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリアクリルアミド系共重合体は、紙力増強剤として知られるものであり、アクリルアミドを主成分とし、不飽和カルボン酸、アクリロニトリル、架橋剤等の成分を含有する。各成分の比率は、アクリルアミド50%モル以上、不飽和カルボン酸およびアクリロニトリルはそれぞれ0.5〜30モル%、架橋剤は0.01〜1モル%程度である。
【0011】
本発明においてポリアクリルアミド系共重合体は、顔料100部に対して0.5〜1.5部含有される。この範囲で含有されることにより、発色性能と印刷強度のバランスに優れた感圧複写用顕色シートが得られる。さらに好ましくは0.8部〜1.2部である。また、ポリアクリルアミド系共重合体の分子量が10万〜40万であると、発色能力を損なわずに印刷強度を向上させることができ好ましい。より好ましくは20万〜30万である。分子量が大きい場合、顕色剤層の結合力が強くなり、染料が顕色剤層に浸透しにくくなって発色感度の低下を招く傾向がある。
【0012】
本発明の感圧複写用顕色シートは、常法に従って製造され、例えば顕色剤を顔料とともにバインダー中に分散するなどの方法で調整された顕色剤塗液を、支持体上に塗工することによって得られる。本発明で用いる顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、ベントナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハロサイト、カオリナイト、微粉末無水珪酸等の無機顕色剤;安息香酸、p-イソプロピル安息香酸、2,5-ジニトロ安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、4-メチル-3-ニトロ安息香酸、サリチル酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジニトロサリチル酸、5-tert-ブチルサリチル酸、3-フェニルサリチル酸、3-メチル-5-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-アミルサリチル酸、5-シクロヘキシルサリチル酸、3-メチル-5-イソアミルサリチル酸、5-イソアミルサリチル酸、3,5-ジ-sec-ブチルサリチル酸、5-ノニルサリチル酸、2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸、2-ヒドロキシ-5-tert-ブチル安息香酸、5,5-メチレンジサリチル酸、アセトアミノ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、3.5-ジ(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3.5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;フェノール-ホルマリン樹脂、フェノール-アセトアルデヒド樹脂、フェノール-アセチレン樹脂等のフェノール樹脂、及びそれらカルボン酸の銅、鉛、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、錫、ニッケル等の金属との塩が挙げられる。
【0013】
本発明に用いる顔料としてはカオリン、焼成カオリン、ベンナイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、、酸化亜鉛、サチンホワイト、酸化チタン等が挙げられる。
【0014】
またバインダーとしてはデンプン類、セルロース類、蛋白類、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等が適宜選択して用いられる。その他、消泡剤、滑剤、分散剤、染料など必要に応じて使用することができる。
【0015】
塗工方式としては特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、カーテンコーターなど適当な塗工装置によって、2g/m2〜7g/m2程度の塗工液が上質紙、再生紙、合成紙などからなる支持体上に塗工乾燥される。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお特にことわらない限り、部および%は重量部及び重量%を示す。
【0017】
[実施例1]
サンドグラインダーにより、平均粒径2μmにした3,5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸亜鉛塩の45%水分散液を22部、炭酸カルシウム90部、カオリン10部、10%ポリビニルアルコール(商品名:ポバール117、クラレ社製)水溶液100部、カルボキシ変性SBRラテックスを固形分として2部、分子量20万のポリアクリルアミド系紙力剤を固形分として1部配合し、水で濃度調整を行い最終濃度30%の塗工液を得た。この塗工液を40g/m2の上質紙にブレートコーターで塗工し、固形塗工量が5g/m2の感圧複写用顕色シートを得た。
【0018】
[実施例2]
10%ポリビニルアルコール水溶液95部、ポリアクリルアミド系紙力剤を固形分として1.5部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0019】
[実施例3]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が30万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0020】
[実施例4]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が10万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0021】
[実施例5]
ポリアクリルアミド系紙力剤の分子量が5万である以外は実施例2と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0022】
[実施例6]
10%ポリビニルアルコール水溶液105部、分子量50万のポリアクリルアミド系紙力剤を0.5部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0023】
[比較例1]
10%ポリビニルアルコール水溶液110部、ポリアクリルアミド系紙力剤を無添加以外は実施例1と同様にして感圧複写顕色シートを得た。
【0024】
[比較例2]
10%ポリビニルアルコール水溶液107部、ポリアクリルアミド系紙力剤を0.3部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0025】
[比較例3]
10%ポリビニルアルコール水溶液90部、ポリアクリルアミド系紙力剤を2部配合した以外は実施例1と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0026】
[比較例4]
10%ポリビニルアルコール水溶液90部、ポリアクリルアミド系紙力剤を2部配合した以外は実施例5と同様にして感圧複写用顕色シートを得た。
【0027】
実施例1〜5、比較例1〜4で作成した顕色シートを以下のように評価した。評価結果を表1に示す。
(1)発色性テスト
市販の上用紙NW40T(日本製紙)と顕色シートの塗工面を重ね合わせて、それを原紙に挟み、20℃、65%RH、100kg/cm2の条件でカレンダー処理を行った。カレンダー処理10秒後、1時間後の発色濃度をマクベス濃度計(RD914、ラテン#25フィルター、Macbeth)で測定した。
(2)印刷強度テスト
顕色シート1500mをオフセット輪転印刷機(アポロ社製)で印刷し、印刷後のブランケットの汚れから粉落ち状態を目視評価し、以下の基準で表した。
○ 粉落ちなし
○’ 若干粉落ちあるが実用上問題なし
△ 粉落ちあり
【0028】
【表1】
表1
【0029】
表1に示されるように、本発明の感圧複写用顕色シートは発色能力を維持しつつ、印刷強度が向上していることがわかる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、発色能力が高く、かつ印刷強度の改善されたバランスの良い品質の感圧複写用顕色シートが得られる。
Claims (1)
- 支持体の一方の面に顕色剤層を設けた感圧複写用顕色シートにおいて、該顕色剤層が顔料100部に対してポリアクリルアミド系共重合体を0.5〜1.5部含有することを特徴とする感圧複写用顕色シート。
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