JP3789349B2 - 樹脂成形用金型のクリーニング方法及び装置 - Google Patents

樹脂成形用金型のクリーニング方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形用金型の表面に付着した付着物を除去する、クリーニング方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、樹脂成形用金型を使用して製造される成形品に対しては、ますます厳しい品質、例えば、寸法精度や表面の外観品位が要求されるようになっている。このことから、成形性及び金型・成形品間における離型性を向上させるために、金型の表面を効果的にクリーニングすることが必要になっている。従来、金型の表面をクリーニングするには、回転ブラシ又は往復ブラシと吸引機構とを組み合わせたクリーニング装置が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のクリーニング装置によれば、小型で精密な製品を成形する場合には、成形時に樹脂成形用金型のキャビティにおける微小な凹部やコーナー部等に付着した樹脂かすを、充分に除去することができないという問題があった。
また、リードフレームやプリント基板等(以下、配線基板という。)に装着された半導体チップ等の電子部品を樹脂封止する場合には、金型を使用して樹脂成形することが一般的になっている。この場合には、上述の要因に加えて、樹脂かすを充分に除去できない別の要因がある。すなわち、完成品であるパッケージの小型化・薄型化の進展に伴い、パッケージの信頼性を確保するために、配線基板に対する密着性が高い高密着性の封止樹脂が使用されている。ところが、高密着性の封止樹脂は金型表面に対する密着性も強いので、金型表面に樹脂かすが付着しやすくなるとともに、付着した樹脂かすがいっそう除去されにくくなる。
また、従来型のクリーニングとして、低圧水銀ランプを使用した紫外光によるクリーニングも提案されているが、金型表面に付着した樹脂かすを除去するには長時間を必要とする。
これらのことから、成形品の品質を維持するためには、長時間をかけて樹脂成形用金型をクリーニングする必要があった。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、樹脂成形用金型の表面における樹脂かす等の付着物を、短時間にかつ充分に除去するクリーニング方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係るクリーニング方法は、樹脂成形用金型の表面における付着物を除去するクリーニング方法であって、樹脂成形用金型の表面にエキシマ光を照射することにより付着物を分解する工程と、分解された付着物を表面から除去する工程とを備えるとともに、エキシマ光の中心波長は172nm以下であり、付着物を分解する工程ではエキシマ光を間欠的に照射することを特徴とする。
【0006】
これによれば、単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが大きいエキシマ光を照射することによって、照射した樹脂成形用金型の表面における付着物を短時間に分解する。したがって、樹脂成形用金型の表面における付着物を、短時間に除去することができる。また、短波長である172nm以下の単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが更に大きいエキシマ光により、樹脂成形用金型の表面を照射する。したがって、樹脂成形用金型の表面における付着物を、いっそう短時間に除去することができる。また、エキシマ光を間欠的に照射する。これにより、点灯するたびに、エキシマ光のエネルギーによって樹脂成形用金型の表面とその表面における付着物との間の密着性を低下させるとともに、密着性が低下した付着物にオゾン(O )及び活性原子状酸素を作用させることになる。したがって、更に短時間に樹脂成形用金型の表面をクリーニングすることができる。
【0007】
また、本発明に係るクリーニング装置は、樹脂成形用金型の表面における付着物を除去するクリーニング装置であって、エキシマ光を樹脂成形用金型の表面に照射することにより付着物を分解する照射機構と、分解された付着物を表面から除去する除去機構とを備えるとともに、エキシマ光の中心波長は172nm以下であり、エキシマ光が間欠的に照射されることを特徴とする。
【0008】
これによれば、単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが大きいエキシマ光が照射されることによって、照射された樹脂成形用金型の表面における付着物が短時間に分解されることになる。したがって、樹脂成形用金型の表面における付着物が、短時間に除去される。また、短波長である172nm以下の単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが更に大きいエキシマ光により、樹脂成形用金型の表面が照射されることになる。したがって、樹脂成形用金型の表面における付着物が、いっそう短時間に除去される。また、樹脂成形用金型の表面がエキシマ光によって間欠的に照射される。これにより、点灯するたびに、エキシマ光のエネルギーによって樹脂成形用金型の表面とその表面における付着物との間の密着性が低下するとともに、密着性が低下した付着物にオゾン(O )及び活性原子状酸素が作用することになる。したがって、更に短時間に樹脂成形用金型の表面がクリーニングされる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、樹脂封止装置に使用される金型をクリーニングする場合を例に、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るクリーニング装置を取り付けた樹脂封止装置を示す概略正面図である。
【0010】
図1において、1は、電子部品が装着された配線基板を樹脂封止装置に供給するとともに、樹脂封止後のパッケージを搬出する供給/搬出ユニットである。2は、電子部品が装着された配線基板を樹脂封止するモールディングユニットである。供給/搬出ユニット1とモールディングユニット2とは、樹脂封止装置の最小構成単位である基本ユニット3を構成する。4は、樹脂封止装置に使用される金型(後述)をクリーニングするクリーニング装置を有する、クリーニングユニットである。
【0011】
5A,5Bは、後述の可動下型6,固定上型7をそれぞれ固定する固定盤である。6は、下側において昇降自在に設けられた固定盤5Aに固定され、固定盤5Aに従って昇降する可動下型である。7は、上側に設けられた固定盤5Bに取り付けられた固定上型である。可動下型6と固定上型7とは、併せて樹脂封止用の金型8を構成する。9は、それぞれ固定盤5A,5Bを介して本体に連結されたタイバーである。10は、モールディングユニット2本体の最下部を構成するボトムベースである。11は、固定盤5Aを上下に駆動することによって、すなわち可動下型6を昇降させることによって、金型8を型締め又は型開きする、型開閉機構である。
【0012】
12は可動下型6に設けられた円柱状の空間であるポット、13はポット12に昇降自在に設けられたプランジャである。14A,14Bは、それぞれ可動下型6と固定上型7とに設けられ、溶融樹脂が注入される空間からなるキャビティである。15は、可動下型6が有するポット12に対応する位置において、固定上型7に設けられた空間からなるカルである。
【0013】
16は、供給/搬出ユニット1とクリーニングユニット4とに固定され、各モールディングユニット2を通過するようにして設けられたガイドレールである。17は、ガイドレール16に進退自在に取り付けられ、可動下型6と固定上型7との表面、すなわち金型8の型面に対してエキシマ光を照射することにより、それらの型面をクリーニングするクリーニング部である。18は、クリーニング部17の内部において、被クリーニング物の大きさに応じて1本又は複数本(本実施形態では3本)設けられ、エキシマ光を発生するエキシマランプである。エキシマランプ18の管内には、放電ガスとして、F,Ar,Kr,Xeの元素のうち少なくとも1つを含むガス、例えばキセノン(Xe)ガスが封入されている。19は、クリーニング部17の上下両面に設けられた開口に嵌装された、エキシマ光が透過できる材質、例えば石英ガラスからなる透光窓である。20は、各モールディングユニット2の上面に設けられ、排気機構(図示なし)に接続された排気管である。
【0014】
本実施形態に係るクリーニング装置の動作について、図1〜図3を参照して説明する。図2は、図1に示された樹脂封止装置において、本実施形態に係るクリーニング装置がエキシマ光によって金型の型面をクリーニングしている状態を示す概略側面図である。
【0015】
まず、金型8が樹脂成形を行っていない状態、すなわち、可動下型6と固定上型7とが型開きしている状態において、クリーニング部17を、ガイドレール16に沿って、モールディングユニット2に向かって移動させる。そして、クリーニング部17を、透光窓19を通過したエキシマ光が可動下型6と固定上型7との型面における所望の領域を一様に照射することができる所定の位置で、停止させる。ここで、エキシマ光の強度低下を防止する観点から、透光窓19と各型面との間隙は、できるだけ小さいことが好ましい。
【0016】
次に、3本設けられているエキシマランプ18のそれぞれに、所定の高周波電圧を印加する。これにより、放電ガスとしてキセノン(Xe)ガスを使用している各エキシマランプ18は、中心波長(ピーク)を172nmとするエキシマ光を発生する。そして、各透光窓19を介して、エキシマ光を、可動下型6と固定上型7との型面に照射する。これにより、中心波長を中心に極めて狭い範囲の波長、すなわち単一ピーク波長を有するエキシマ光のエネルギーによって、照射した型面における付着物、例えば樹脂かすのような有機物の化学結合を切断する。したがって、型面とその型面における付着物との間の密着性を低下させることができる。
【0017】
次に、引き続きエキシマ光を照射して、密着性が低下した付着物にエキシマ光のエネルギーにより発生したオゾン(O)及び活性原子状酸素を作用させて、その付着物を酸化分解して揮発させる。これによって、型面から、その型面における付着物を除去することができる。そして、排気管20を使用して、型面から除去された付着物を装置の外部に排出する。また、発生したオゾンは人体に有害なので、排気管20を使用して、オゾンを含む雰囲気を装置の外部に排出する。そして、クリーニングに必要な所定の時間だけエキシマ光を照射した後に、エキシマランプ18を消灯する。
【0018】
以上の動作により、単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが大きいエキシマ光、特に中心波長が172nmのエキシマ光を使用して、型面、すなわち、ポット12(図2では図示なし)の上部、キャビティ14A,14B、カル15(図2では図示なし)、及びキャビティ14Bとカル15とを連通する樹脂通路の表面を照射する。これにより、型面に付着した樹脂かす等の付着物を、短時間に型面から除去することができる。
また、エキシマランプ18を有するクリーニング部17を移動させて、樹脂封止用の金型8の表面を照射するので、樹脂封止装置に組み込まれたクリーニング部17によって、金型8をクリーニングすることができる。したがって、金型8をクリーニングする工程の自動化を図ることができる。
また、所定の時間だけエキシマランプ18を点灯するので、消費エネルギーの低減とエキシマランプ18の長寿命化とを図ることができる。
また、非接触動作によって金型8をクリーニングするので、金型8の表面に対して損傷を与えることなくクリーニングすることができる。
【0019】
図3は、本実施形態に係るクリーニング装置の効果を、低圧水銀ランプを使用した紫外光による従来型のクリーニング装置と比較して示した説明図である。金型8の表面の汚れは、センサにより光学的に検出されて数値化される。そして、汚れが付着していない状態、すなわち樹脂封止前における金型8のめっき自体の色及び光沢がそのまま検出される状態をクリーニング率100%とした。また、金型8の表面がめっき自体の色及び光沢と同等であると目視により判断される状態を、クリーニング完了状態と定義した。そして、この状態におけるクリーニング率の値である95%に到達するまでの時間をもって、クリーニング完了時間と定義した。なお、金型8の表面がめっき自体の色及び光沢と同等であると目視によって判断される状態であれば、樹脂封止した場合に特に問題は発生しないことが、経験上確かめられている。
【0020】
具体的には、まず、同一品種の金型8を2個使用して、同一回数だけ樹脂封止して同じ程度の汚れを付着させた。そして、センサにより金型8の表面の汚れを検出し、クリーニング率100%に対する汚れの相対値を算出してこれを初期値とした。この初期値は、クリーニング率約66%であった。
次に、同じ程度の汚れが付着した2個の金型8のうちの一方に対して本実施形態によるクリーニングを、他方に対して従来型のクリーニングを、それぞれ行った。そして、照射時間、すなわちクリーニング時間2分ごとに、金型8の表面の汚れをセンサにより検出して汚れの相対値を算出した。なお、いずれの場合も、照射時の金型温度を180℃とし、大気雰囲気中における照射とした。
【0021】
図3に示すように、本実施形態によるクリーニングと従来型のクリーニングとのいずれも、クリーニング時間の経過とともにクリーニング率は増加しており、汚れが段階的に除去されていることがわかる。ここで、いずれの場合もグラフに若干の凹凸が見られるが、これは測定のばらつきによるものと考えられる。
クリーニング完了時間を比較すると、本実施形態によるクリーニングによれば約6分である一方、従来型のクリーニングによれば、20分経過後もクリーニング率は92〜93%であってほぼ飽和している。その結果、本実施形態によれば約6分でクリーニングが完了するのに対して、従来型によれば20分経過後も満足するレベルのクリーニング結果が得られないことになる。したがって、本実施形態によるクリーニングは、従来型のクリーニングに比較して、優れたクリーニング効果を得ることができたといえる。
【0022】
なお、本実施形態によるクリーニングでは、ランプ電力20Wで、放電ガスとしてキセノン(Xe)ガスを使用するエキシマランプを1本使用した。発生するエキシマ光の中心波長(ピーク)は、172nmである。また、最終的に金型表面に対するエキシマ光の出口になる透光窓下面と金型表面との間の距離は、4mmである。
一方、従来型のクリーニングでは、ランプ電力3.0kWの低圧水銀ランプを1本使用した。発生する紫外光の波長は、254nm及び185nmである。また、最終的に金型表面に対する紫外光の出口になるランプ管面と金型表面との間の距離は、55mmである。
ここで、2つのクリーニングの間でランプ電力に差があるのは、発光原理が異なるためである。また、光の出口と金型表面との距離に差があるのは、装置上の制約によるものである。なお、低圧水銀ランプによって発生する紫外光は空気によって極めて吸収されにくいことから、この距離の差はクリーニング効果に対してほとんど影響しないと考えられる。
また、エキシマ光又は紫外光の出口における放射発散度は、エキシマ光の場合には15mW/cmであり、低圧水銀ランプによる紫外光(波長254nm)の場合には25mW/cmであった。このことは、両者の放射発散度が同じオーダーであり、また、単一ピーク波長を有するエキシマ光の方がエネルギー変換効率が高いことを示している。
【0023】
(第2の実施形態)
ところで、エキシマ光だけでは、型面に付着した樹脂かす等の付着物を充分に除去できない場合がある。例えば、封止樹脂の密着性が高い場合や、型面の形状が複雑な場合等である。本発明の第2の実施形態は、このような場合に適用される。
本発明の第2の実施形態を、樹脂封止装置に使用される金型をクリーニングする場合を例に、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るクリーニング装置を取り付けた樹脂封止装置の要部を示す概略正面図である。
【0024】
図4において、21は、それぞれ後述するブラシと吸引管とを使用するクリーニング部であって、エキシマランプ18を使用するクリーニング部17に隣接して、ガイドレール16に進退自在に取り付けられている。このクリーニング部21の上下両面には金網が装着されている。22は、クリーニング部21の上下両面において、先端が可動下型6と固定上型7との型面に接触するように設けられたブラシである。23は、クリーニング部21のいずれかの面に設けられ、吸引機構(図示なし)に接続された吸引管である。この構成により、クリーニング部21の上下両面近傍の雰囲気は、吸引管23によってクリーニング部21の内部へと吸引される。
【0025】
本実施形態に係るクリーニング装置は、クリーニング部17とクリーニング部21とを有しており、次のように動作する。
まず、可動下型6と固定上型7とが型開きしている状態において、クリーニング部17とクリーニング部21とを、ガイドレール16に沿って、モールディングユニット2に向かって移動させる。そして、クリーニング部17を、透光窓19を通過したエキシマ光が可動下型6と固定上型7との型面における所望の領域を一様に照射することができる所定の位置で、停止させる。
【0026】
次に、第1の実施形態と同様に、エキシマランプ18が、各透光窓19を介して、エキシマ光を可動下型6と固定上型7との型面に照射する。これにより、エキシマ光のエネルギーによって、型面とその型面における付着物との間の密着性を低下させることができる。
【0027】
次に、第1の実施形態と同様に、引き続きエキシマ光を照射して、密着性が低下した付着物を酸化分解し揮発させる。これにより、型面における付着物を、短時間にその型面から除去することができる。そして、排気管20を使用して、型面から除去された付着物と発生したオゾンを含む雰囲気とを、装置の外部に排出する。
【0028】
次に、可動下型6と固定上型7との間からクリーニング部17を移動させた後に、可動下型6と固定上型7との間にクリーニング部21を移動させる。その後に、ブラシ22を回転させて、エキシマ光を照射しただけでは揮発しきれずに型面に残存している、型面に対する密着性が低下した付着物を、型面から物理的に除去する。そして、吸引管23により、クリーニング部21の上下両面に装着された金網を介して、除去された付着物を型面の近傍から吸引して樹脂封止装置の外部に排出する。
【0029】
以上の動作により、エキシマ光を使用した後に、ブラシ22と吸引管23とを使用して、型面、すなわち、ポット12の上部、キャビティ14A,14B、カル15、及びキャビティ14Bとカル15とを連通する樹脂通路の表面に付着した樹脂かす等の付着物を、充分に除去することができる。
【0030】
なお、本実施形態で説明したブラシ22としては、回転するブラシのほかに、往復するブラシや毛先が高速で振動するブラシを使用してもよい。
【0031】
また、ブラシ22に代えて、型面に高圧の気体を噴射するブロー機構を使用してもよい。高圧の気体を型面に噴射することによって、エキシマ光を照射することによっては揮発しきれずに型面に残存している、型面に対する密着性が低下した付着物を、型面から物理的に除去することができる。
【0032】
また、ブラシ22又はブロー機構を使用してクリーニングした後に、エキシマ光によって型面を照射してもよい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態においては、エキシマ光の照射により、金型8の型面との間の密着性が低下した付着物を、ブラシ22と吸引管23とを使用して、型面の表面から充分に除去することができる。
【0034】
なお、以上説明した各実施形態においては、樹脂成形用金型の例として、樹脂封止装置に使用される金型8について説明した。これに限らず、本発明を、樹脂成形用金型一般に対して適用することができる。
【0035】
また、以上説明した各実施形態においては、樹脂成形用の金型8に対して、エキシマランプ18を有するクリーニング部17を移動させてエキシマ光を照射した。これに代えて、クリーニング部17を独立させて、取り外した金型8にエキシマ光を照射してもよい。この場合には、金型8において樹脂かす等が付着しやすいキャビティ14A,14Bの微小な凹部やコーナー部等にエキシマ光が充分に照射されるように、クリーニング部17と金型8との位置関係を定めることが好ましい。このことにより、金型8の型面から樹脂かす等の付着物を除去する効果を、更に高めることができる。
【0036】
また、クリーニング部17,21を移動させる動作は、必要に応じて、作業者が人力によって行ってもよく、スイッチによってモータ等を操作するマニュアル動作によって行ってもよい。更に、1回の成形を行ったたびに、あるいは、所定の成形回数だけ成形を行った後に、クリーニング部17,21を移動させてクリーニングする、いわゆるオート動作を行ってもよい。
【0037】
また、樹脂成形用の金型8は、樹脂成形時には、ヒータによって通常175℃〜180℃程度に加熱されている。この状態でエキシマ光を照射してもよい。この場合には、金型8が加熱されているので、型面に対する付着物の密着性が更に低下しやすくなる。したがって、金型8の型面から付着物を除去する効果を更に高めるので、クリーニング時間を短縮することができる。また、クリーニング部17を独立させて、取り外した金型8にエキシマ光を照射する場合にも、金型8を加熱することにより、クリーニング時間を短縮することができる。
【0038】
また、被クリーニング物として、樹脂成形用の金型8のみならず、電子部品が装着される前の配線基板や電子部品が装着された後の配線基板を、エキシマ光によって照射してもよい。これにより、配線基板における付着物を除去することになる。したがって、電子部品と配線基板との間の密着性を向上させるとともに、電子部品と配線基板とが有する電極間の電気的接続、例えばワイヤやバンプによる接続の信頼性を向上させることができる。また、樹脂封止する際に、配線基板と封止樹脂との間の密着性を向上させる。したがって、パッケージにおいて水分の侵入を防止するので、パッケージの信頼性を向上させることができる。
特に、プリント基板等のように傷がつきやすい被クリーニング物に対しては、エキシマ光を使用して非接触でクリーニングするので、被クリーニング物の損傷を防止することができる。
また、エキシマランプ18自体による発熱が極めて小さく、透光窓19の温度は、点灯している間でも40℃程度である。したがって、金型のめっき面はもとより、熱に弱い材質からなる配線基板に対しても、熱による損傷を与えることなく、クリーニングすることができる。
【0039】
また、エキシマランプ18は、高周波電圧の印加/遮断によって、瞬間的に点灯/消灯させることができる。このことを利用して、エキシマランプ18に対して高周波電圧をパルス的に印加することにより、エキシマ光を間欠的に照射してもよい。この場合には、点灯するたびに、エキシマ光のエネルギーによって被クリーニング物の表面とその表面における付着物との間の密着性を低下させるとともに、密着性が低下した付着物にオゾン(O)及び活性原子状酸素を作用させることになる。したがって、更に短時間に被クリーニング物をクリーニングすることができる。
【0040】
また、両面を照射するクリーニング部17を使用したが、被クリーニング物に応じて、片面を照射するクリーニング部を使用してもよい。更に、片面を照射するクリーニング部を反転させて、両面を照射させることもできる。
【0041】
また、エキシマランプ18の本数は、被クリーニング物の大きさによって、適宜増減することが好ましい。例えば、上述の配線基板のうち、細長い形状を有するリードフレームにエキシマ光を照射する場合には、1本のエキシマランプを使用すればよい。型面の面積が更に大きい金型をクリーニングする場合には、エキシマランプ18の本数を増やせばよい。
【0042】
また、放電ガスとしては、キセノン(Xe)ガスに限らず別のガスを使用してもよい。例えば、それぞれ、フッ素(F)ガスを使用した場合には中心波長が153nm、クリプトン(Kr)ガスを使用した場合には中心波長が146nm、アルゴン(Ar)ガスを使用した場合には中心波長が126nmであるエキシマ光を発生する。また、クリプトン/塩素(Kr/Cl)ガスを使用した場合には中心波長が222nmであるエキシマ光を発生する。これらのエキシマ光を使用して、被クリーニング物をクリーニングすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが大きいエキシマ光を照射することによって、照射した樹脂成形用金型の表面における付着物を短時間に分解する。したがって、樹脂成形用金型の表面における付着物を、短時間に除去することができる。また、短波長である172nm以下の単一ピーク波長を有しエネルギー変換効率が高く、かつ、光子のエネルギーが更に大きいエキシマ光により、樹脂成形用金型の表面における付着物をいっそう短時間に除去することができる。
したがって、本発明は、樹脂成形用金型の表面における付着物を、短時間にかつ充分に除去するクリーニング方法及び装置を提供できるという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るクリーニング装置を取り付けた樹脂封止装置を示す概略正面図である。
【図2】 図1に示された樹脂封止装置において、第1の実施形態に係るクリーニング装置がエキシマ光によって金型の型面をクリーニングしている状態を示す概略側面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係るクリーニング装置の効果を、低圧水銀ランプを使用した紫外光による従来型のクリーニング装置に対して比較して示した説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係るクリーニング装置を取り付けた樹脂封止装置の要部を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 供給/搬出ユニット
2 モールディングユニット
3 基本ユニット
4 クリーニングユニット
5A,5B 固定盤
6 可動下型
7 固定上型
8 金型(樹脂成形用金型)
9 タイバー
10 ボトムベース
11 型開閉機構
12 ポット
13 プランジャ
14A,14B キャビティ
15 カル
16 ガイドレール
17 クリーニング部
18 エキシマランプ(照射機構,除去機構)
19 透光窓
20 排気管(除去機構)
21 クリーニング部
22 ブラシ(除去機構)
23 吸引管(除去機構)

Claims (2)

  1. 樹脂成形用金型の表面における付着物を除去するクリーニング方法であって、
    前記樹脂成形用金型の表面にエキシマ光を照射することにより前記付着物を分解する工程と、
    前記分解された付着物を前記表面から除去する工程とを備えるとともに、
    前記エキシマ光の中心波長は172nm以下であり、
    前記付着物を分解する工程では前記エキシマ光を間欠的に照射することを特徴とするクリーニング方法。
  2. 樹脂成形用金型の表面における付着物を除去するクリーニング装置であって、
    エキシマ光を前記樹脂成形用金型の表面に照射することにより前記付着物を分解する照射機構と、
    前記分解された付着物を前記表面から除去する除去機構とを備えるとともに、
    前記エキシマ光の中心波長は172nm以下であり、
    前記エキシマ光が間欠的に照射されることを特徴とするクリーニング装置。
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