JP6930946B2 - 成形型クリーニング装置、成形型クリーニング方法、樹脂成形装置、及び樹脂成形品製造方法 - Google Patents

成形型クリーニング装置、成形型クリーニング方法、樹脂成形装置、及び樹脂成形品製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形装置の成形型をクリーニングする装置、成形型をクリーニングする方法、樹脂成形装置、及び樹脂成形品製造方法に関する。
樹脂成形装置において成形型を用いて樹脂成形を行うと、成形品を取り出した後も成形型の表面に樹脂等がわずかに付着して残り、同じ成形型で樹脂成形を繰り返し行ううちに付着物が徐々に増加してゆく。このような付着物が成形型の表面に付着した状態で樹脂成形を行うと、付着物の形状が樹脂成形品に転写される可能性がある。
そこで、成形型に対して、付着物を除去するクリーニングが定期的に行われる。特許文献1には、成形型にパルスレーザビームを照射することにより、成形型の表面に皮膜状に付着した、樹脂を含む付着物と成形型の表面との界面で樹脂の熱分解が生じ、付着物が成形型の表面から剥離することが記載されている。
特開2004-230750号公報
成形型の表面には通常、クロム等から成るコーティングが施されており、付着物を除去する際にこのコーティングが損傷することを抑制する必要がある。特許文献1では、付着物が成形型のキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状であることを前提とした条件で成形型にパルスレーザビームを照射しているが、付着物がキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状となるまで大きくなると樹脂成形品への転写量が多くなってしまう。そこで、付着物がキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状となる前の段階でクリーニングすることが求められているが、この段階で、キャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状の付着物を除去する前提の条件で成形型にパルスレーザビームを照射すると、コーティングにダメージを与えるおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、成形型のコーティングに与えるダメージを抑えつつ、成形型に付着した付着物を除去することができる成形型クリーニング装置及び成形型クリーニング方法、並びに該成形型クリーニング装置を有する樹脂成形装置及び該成形型クリーニング方法を用いた樹脂成形品製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る成形型クリーニング装置は、少なくとも一部にコーティングが施された成形型の表面に付着した付着物を除去する装置であって、
1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04〜0.1J/cm 2 、パルス幅が50〜120nsecであるパルスレーザビームを、隣接パルスレーザビームの重なり率が98%以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度が5〜11W/cm 2 となるように前記成形型に対して移動させながら該成形型に照射することでプラズマを生成することにより、前記付着物が含有する樹脂を気化させる温度まで加熱するレーザビーム照射機構を備えることを特徴とする。
本発明において「1秒あたりの走査レーザパワー密度」は、単位面積(単位・cm2)に単位時間(同・sec(秒))照射されるレーザのエネルギー(同・J(ジュール)=Wsec(ワット秒))で定義され、その単位はJ/(cm2sec)=Wsec/(cm2sec)、すなわちW/cm2で表される。この1秒あたりの走査レーザパワー密度は、照射されるレーザビームの平均出力を、1秒間にレーザビームのスポットが成形型に対して相対的に移動する距離と該スポットの幅とから導き出される面積とスポット1個分(移動前の初期位置に照射された分)の面積との和で除することにより求めることができる(言い換えると、1秒あたりの走査レーザパワー密度は、1秒間にレーザビームが移動しながら照射される部分における単位面積あたりの出力である)。
本発明に係る成形型クリーニング方法は、少なくとも一部にコーティングが施された成形型に付着した付着物を除去する方法であって、
1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04〜0.1J/cm 2 、パルス幅が50〜120nsecであるパルスレーザビームを、隣接パルスレーザビームの重なり率が98%以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度が5〜11W/cm2となるように前記成形型に対して移動させながら該成形型に照射することでプラズマを生成することにより、前記付着物が含有する樹脂を気化させる温度まで加熱することを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形装置は、少なくとも一部にコーティングが施された成形型と、上記成形型クリーニング装置とを備えることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形品製造方法は、前記成形型クリーニング方法を実施した後、前記成形型を用いて樹脂成形品を製造することを特徴とする。
本発明によれば、成形型のコーティングに与えるダメージを抑えつつ、成形型に付着した付着物を除去することができる。
クリーニング後であって未だ樹脂成形を行っていない成形型(a)、並びにクリーニング後に樹脂成形を200回(b)、400回(c)、600回(d)及び800回(e)、それぞれ行った後の成形型につき、表面を撮影した電子顕微鏡写真。 本発明に係る成形型クリーニング装置及びそれを有する樹脂成形装置の一実施形態を示す概略構成図。 本実施形態の樹脂成形装置における成形型及びその近傍の拡大図。 レーザビーム移動部によってレーザビームがX方向及びY方向に往復移動することを示す概念図。 本実施形態の樹脂成形装置における樹脂成形時の動作であって、リードフレームを下型に載置すると共に樹脂材料を下型のポットに供給した状態を示す図(a)、及び成形型を型締めして樹脂材料をキャビティに供給した状態を示す図(b)。 パルスレーザビームにつき、時間的に隣接する矩形のスポットの重なりを示す図(a)、及び該スポットがX方向に移動してゆく様子を示す図(b) パルスレーザビームのスポットがジグザグ状に移動してゆく様子を示す図。 パルスレーザビームにつき、時間的に隣接する円形のスポットの重なりを示す図(a)、及び該スポットがX方向に移動してゆく様子を示す図(b)。 パルスレーザビームに垂直な断面でのビームの照射強度分布の例であって、ガウス分布(a)及びトップハット型の分布(b)を示す図。 下型又は上型の表面におけるレーザビームの軌跡(細実線)と、レーザビームが1回ジグザグ移動することによりレーザビームが照射される領域の境界(太破線)を示す図。 成形型にパルスレーザビームが照射されることによって成形型の表面近傍にプラズマが生成される状態を示す概略図(a)、及び、プラズマにパルスレーザビームが繰り返し照射されることによってプラズマが加熱され、付着物が気化する状態を示す概略図(b)。 遮蔽部を用いる例を示す上面図(a)及び縦断面図(b)。 下型又は上型の表面におけるレーザビームの軌跡の他の例であって、照射領域内を繰り返し片道移動する例(a)、及び下型又は上型の表面全体をジグザグ状に移動する例(b)を示す図。 レーザビーム移動部の他の例を示す概略図。 成形モジュール等の複数のモジュールから成る樹脂成形ユニットの一例を示す概略構成図。 樹脂成形ユニットにおいて成形モジュールの1つに成形型クリーニング装置が搬入された状態を示す概略構成図。 複数のモジュールから成る樹脂成形ユニットの他の例を示す概略構成図。
本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法では、1秒あたりの走査レーザパワー密度が2W/cm2以上となるようにパルスレーザビームを移動させながら成形型に照射することにより、少なくとも一部にコーティングが施された成形型の表面に付着した付着物上にプラズマを生成しつつ、様々な種類の付着物が気化する温度以上の温度にプラズマを加熱することができる。これにより、付着物はそれが気化する温度以上の温度に加熱されて気化し、成形型の表面から除去される。
一方、パルスレーザビームが成形型のコーティングに与えるダメージについての知見を得るために、本発明者が成形型の表面を観察することで付着物の形成過程を調べたところ、付着物は成形型の表面に初めからキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状に付着するのではなく、初めは点状に付着し、その後徐々にキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状の形状に近づいてゆくことが明らかになった(図1の電子顕微鏡写真に、符号Aを付して付着物を示す)。そのため、付着物がキャビティ面のほぼ全面を覆う皮膜状であることを前提にした条件でパルスレーザビームを照射したときに、点状又は十分に面積が拡がっていない付着物の間隙(付着物が付着していない部分)が存在すると、パルスレーザビームがコーティングに直接照射され、それによりコーティングにダメージを与えるおそれがある。そこで、本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法では、1秒あたりの走査レーザパワー密度を15W/cm2以下とすることにより、通常の成形型で用いられているコーティングにパルスレーザビームが直接照射されても、コーティングが受けるダメージを抑えることができる。なお、本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法では、成形型のコーティングの材料は特に限定されない。
なお、成形型のコーティングは、成形型に直接接触していることから、このプラズマからコーティングが受ける熱が直ちに成形型や付着物に伝導するか、コーティングの表面から放射(輻射)する。成形型は、コーティングよりも十分に熱容量が大きいことから、温度の上昇が抑えられる。また、コーティングから付着物に伝導した熱は、付着物が気化することでコーティングに影響を与えなくなる。以上の理由により、プラズマによる熱がコーティングに与える影響は小さい。
本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法において、パルスレーザビームの1パルスあたりのレーザフルエンスを0.04J/cm2以上とすることが望ましい。また、本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法において、隣接パルスレーザビームの重なり率(後述)を85%以上とすることが望ましい。これらのいずれか一方又は両方の構成を取ることにより、成形型の表面に付着した付着物上にプラズマを生成しつつ、様々な種類の付着物が気化する温度以上の温度にプラズマを加熱することができる。
ここで「重なり率」とは、プラズマが生成される空間中において1つのパルスレーザビームが占める体積のうち、隣接して生成されるパルスレーザビームと重なり合う部分の体積の割合で定義される。隣接する2つのパルスレーザビームが平行であれば、重なり率は、プラズマが生成される空間中の任意の位置における1つのパルスレーザビームのそれに垂直な断面のうち、隣接して生成されるパルスレーザビームのそれに垂直な断面と重なり合う部分の面積の割合で求めることができる。重なり率の逆数は、同一箇所に照射されるパルスレーザビームの回数に該当する。なお、仮にパルスレーザビームを移動させなければ重なり率が100%となるが、本発明ではパルスレーザビームを移動させるため、重なり率は100%未満である。
また、隣接パルスレーザビームの重なり率を上記と同様に85%以上としたうえで、パルスレーザビームの1パルスあたりのレーザフルエンスを0.7J/cm2以下とすることにより、通常の成形型で用いられているコーティングにパルスレーザビームが直接照射されても、コーティングが受けるダメージを抑えることができる。
前記パルスレーザビーム及び前記ビーム移動機構を用いる場合において、樹脂をより確実に成形型の表面から除去し、且つ窒化クロムやハードクロムから成るコーティングが受けるダメージをより抑えるために、パルス幅を1〜200nsecとすることが望ましい。
本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法において、成形型の表面から付着物をより確実に除去し、且つ、窒化クロムやハードクロムから成るコーティングが受けるダメージをより抑えるために、パルスレーザビームの1パルスあたりのレーザフルエンスは0.1〜0.6J/cm2、パルス幅は50〜120nsec、重なり率は90%以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度は3〜11W/cm2であることが望ましい。
あるいは、本発明に係る成形型クリーニング装置及び方法において、パルスレーザビームの1パルスあたりのレーザフルエンスは0.04〜0.1J/cm2、パルス幅は50〜120nsec、重なり率は98%以上以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度は5〜11W/cm2である場合にも、成形型の表面から付着物をより確実に除去し、且つ、窒化クロムやハードクロムから成るコーティングが受けるダメージをより抑えることができる。
前記パルスレーザビーム及び前記ビーム移動機構を用いる場合において、前記レーザビームのスポットの形状は矩形(長方形、正方形)であり、前記ビーム移動機構は該矩形の辺に平行に該スポットを移動させるものであることが望ましい。これにより、パルスレーザビームを均等に近くなるように成形型の表面に照射することができ、位置によるバラツキを抑えて同じ条件に近い状態で成形型の表面をクリーニングすることができる。あるいは、前記レーザビームのスポットの形状は円形又は円環(リング)状としてもよい。この場合、スポットを移動させる方向をスポットの形状に合わせる必要がなく、位置によるバラツキを抑えて同じ条件に近い状態で成形型の表面をクリーニングすることができる。これらレーザビームのスポットの形状は、本発明に係る成形型クリーニング方法においても同様に適用することができる。
前記レーザビーム照射機構を有する成形型クリーニング装置において、該レーザビーム照射機構は、
前記パルスレーザビームを前記成形型に対して第1方向に往復移動させると共に、
前記パルスレーザビームを該第1方向に片道移動させる毎に、該パルスレーザビームを該第1方向に垂直な第2方向に、該パルスレーザビームが前記成形型に照射されたスポットの1個分だけ移動させる
ものとすることができる。この場合において、前記レーザビーム照射機構と前記成形型の間に、前記第1方向における往復移動の両端の前記スポットの1個分の部分を遮蔽する遮蔽部を設けることができる。この遮蔽部により、前記両端においてパルスレーザビームが第2方向に移動する際に、該両端以外の位置と対比して過剰に照射されるパルスレーザビームを遮蔽し、それにより、成形型の表面をより高い均一性でクリーニングすることができる。本発明に係る成形型クリーニング方法においても同様である。
以下、図2〜図17を参照しつつ、本発明に係る成形型クリーニング装置、成形型クリーニング方法、樹脂成形装置、及び樹脂成形品製造方法のより具体的な実施形態を説明する。
(1) 本実施形態の成形型クリーニング装置及び樹脂成形装置の構成
図2に示すように、本実施形態の成形型クリーニング装置10は、本実施形態の樹脂成形装置1の構成要素の一部である。樹脂成形装置1は、成形型クリーニング装置10と共に樹脂成形部20を有する。
まず、樹脂成形部20の構成を説明する。樹脂成形部20は、本実施形態では移送(トランスファー)成形を行う装置であって、基盤211と、基盤211上に立設された4本(図2には2本のみ示す)のタイバー212と、上下に移動可能なようにタイバー212に保持された可動プラテン221と、タイバー212の上端に固定された固定プラテン222と、基盤211上に設けられた、可動プラテン221を上下動させるトグルリンク213とを備える。可動プラテン221の上面と固定プラテン222の下面の間には、上型(第1型)251と下型(第2型)252とが対向して設けられた成形型25が配置されている。
図3に、成形型25及びその近傍を拡大して示す。上型251の下面には上方に向かってキャビティCが2個並んで形成されており、下型252の上面にも下方に向かってキャビティCが2個並んで形成されている。上型251の下面、下型252の上面、並びに各キャビティCを囲む上型251及び下型252の面には、窒化クロム製のコーティングCTが施されている。コーティングCTには、窒化クロムの代わりに、ハードクロム等の他の材料を用いてもよい。本実施形態では、キャビティは直方体状とするが、製造する樹脂成形品の形状に応じて円柱状等の形状とすることもできる。
下型252の2個のキャビティCの周囲にある下型252の上面はそれぞれ、リードフレームLを載置することができるようになっている。なお、リードフレームLの代わりに、基板等を下型252の上面に載置してもよい。
下型252の2個のキャビティCの間には、樹脂材料を収容するポット2521及びポット2521から樹脂材料を押し出すプランジャ2522が設けられている。また、下型252の2個のキャビティCはそれぞれ、後述のように軟化又は溶融した樹脂材料が通過する通路であるランナ2523によりポット2521と接続されている。上型251の2個のキャビティCの間であってポット2521と対向する位置には、カルブロック2511が設けられている。上型251の2個のキャビティCはそれぞれ、ランナ2513によってカルブロック2511の直下の空間と接続されている。
上型251及び下型252内には、樹脂成形時にリードフレームL及び樹脂材料を所定の温度に維持するヒータ(図示せず)が内蔵されている。
成形型クリーニング装置10は、レーザビーム照射部(レーザビーム照射機構)11として、パルスレーザ光源111と、レーザビーム移動部12と、光ファイバ13とを有する。また、成形型クリーニング装置10は、レーザビーム移動部12の上下を反転させる上下反転機構(図示省略)を有する。さらに、成形型クリーニング装置10は、レーザビーム移動部12を、上型251と下型252との間に配置される使用位置と、上型251と下型252との間の空間の外に配置される待機位置の間でY方向(図2の横方向)に移動させる成形型クリーニング装置移動機構(図示省略)を有する。パルスレーザ光源111は常時、前記空間の外に配置されている。
パルスレーザ光源111は、1秒あたりの走査レーザパワー密度が2〜15W/cm2の範囲内、1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04〜0.7J/cm2の範囲内、パルス幅が1〜200nsecの範囲内、パルス繰り返し周波数が300kHz〜10MHzの範囲内であるパルスレーザビームBを出射する。本実施形態では、パルスレーザビームBに垂直な断面での形状(スポットの形状)が正方形となるようにパルスレーザビームBを整形して出射している。なお、このパルスレーザビームBの断面の形状は、長方形であってもよいし、円形や円環状等であってもよい。スポットの範囲(サイズ)は、1/e2法(86%法)で定義される。スポットサイズはオフィール社、又はコヒレント社製のカメラ式ビームプロファイラで測定することができる。また、オフィール社、又はコヒレント社製のパワーメータを用いて、レーザビームの平均出力を求め、スポットサイズ及びレーザビームの平均出力から1秒あたりの走査レーザパワー密度を求めることができる。1パルスあたりのレーザフルエンスは、上記のレーザビームの平均出力をパルス繰り返し周波数で除した値である。パルス幅は、アジレント・テクノロジー社製のオシロスコープを用いて測定することができる。なお、レーザビームの平均出力は「レーザビームの平均出力[W]=パルスエネルギー[J]×パルス繰返し周波数[Hz]」の式で求めることができる。
レーザビーム移動部12は、ガルバノスキャンヘッド121とレンズ122とを有する。ガルバノスキャンヘッド121は、パルスレーザ光源111から導入されるパルスレーザビームBをX方向(図2の紙面に垂直な方向)及びY方向にそれぞれ、繰り返し往復移動させるように出射する(図4)。レンズ122は、往復移動するパルスレーザビームBを位置に依らずに同じ方向に出射させるように、パルスレーザビームBの方向を調整する。レーザビーム移動部12から出射するパルスレーザビームBは、上下反転機構によって定められるレーザビーム移動部12の向きに応じて、上型251又は下型252のいずれか一方に入射する。なお、図2及び図4に示した例ではガルバノスキャンヘッド121の後段にレンズ122を配置したが、ガルバノスキャンヘッド121の前段にレンズ122を配置してもよい。
光ファイバ13は、パルスレーザ光源111とレーザビーム移動部12を接続しており、レーザビーム移動部12には該光ファイバ13を通してパルスレーザビームBが導入される。これにより、レーザビーム移動部12の位置に依らず、パルスレーザ光源111は上型251と下型252の間の空間の外に配置することができる。上型251及び下型252は樹脂成形の工程ではヒータにより加熱されるため、樹脂成形の工程が終了した後、暫くの間は上型251と下型252の間の空間が高温の状態になっている。上記のようにパルスレーザ光源111を上型251と下型252の間の空間の外に配置することにより、樹脂成形の工程の終了からの経過時間が短いときに、パルスレーザ光源111の構成部品が受ける熱による損傷を抑えることができる。
上型251と下型252のX方向の幅がレーザビーム移動部12によるパルスレーザビームBのX方向及び/又はY方向の移動範囲よりも広い場合には、成形型クリーニング装置移動機構には、レーザビーム移動部12を、前述のように使用位置と待機位置の間で移動させると共に、上型251と下型252との間の空間の中でX方向及び/又はY方向に移動させるものを用いる。例えば、サーボモータやエアシリンダ等を成形型クリーニング装置移動機構として用いることができる。
成形型クリーニング装置10は、上記の各構成要素の他に、上型251及び下型252の間の空間において気体を吸引して樹脂成形装置1の外に排出する気化付着物除去部や、気化付着物除去部に取り付ける気化付着物捕集フィルタ(いずれも図示省略)を有していてもよい。
(2) 本実施形態の成形型クリーニング装置及び樹脂成形装置の動作、並びに本実施形態の成形型クリーニング方法及び樹脂成形方法
本実施形態の成形型クリーニング装置10及び樹脂成形装置1の動作、並びに本実施形態の成形型クリーニング方法及び樹脂成形方法を説明する。以下ではまず、樹脂成形装置1中の樹脂成形部20による(成形型のクリーニングの動作を除いた)樹脂成形時の動作を説明し、次に樹脂成形装置1中の成形型クリーニング装置10の動作を説明する。この成形型クリーニング装置10の動作が、本発明に係る成形型クリーニング方法の実施形態に該当する。また、樹脂成形部20の動作と成形型クリーニング装置10の動作とを組み合わせたものが、本発明に係る樹脂成形方法の実施形態に該当する。
(2-1) 樹脂成形部20による樹脂成形時の動作
図5を用いて、樹脂成形部20により樹脂成形品を製造する際の動作を説明する。樹脂成形品を製造する際には予め、成形型クリーニング装置移動機構により、レーザビーム移動部12を待機位置に移動させておく。待機位置は前述のように上型251と下型252との間の空間の外の位置であり、樹脂成形品を製造する際の樹脂成形部20の動作を成形型クリーニング装置10が妨げることはない。
まず、可動プラテン221を降下させることにより、上型251と下型252とを上下に離した型開きの状態とする(図5(a))。この状態で、電子部品を上面及び下面に装着したリードフレームLを、該電子部品とキャビティCの横方向の位置を合わせるようにして、下型252の上面に載置する。また、図示せぬ樹脂材料供給機構により、ポット2521内にタブレット状の樹脂材料Pを供給する。樹脂材料Pは、例えば熱硬化性樹脂(例えばエポキシ系樹脂)を含有する複合材料である。樹脂材料Pには、ワックス(高級脂肪酸エステル等)、硬化促進剤(リン系触媒、アミノ系触媒等)、カップリング剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤等が含まれていてもよい。樹脂材料供給機構は、従来の樹脂成形装置で広く用いられているものであり、詳細な説明を省略する。樹脂材料P内の熱硬化性樹脂は、下型252内に設けられたヒータから供給される熱によって、ポット2521内で軟化又は溶融する。上型251もヒータにより所定の温度に加熱する。
ポット2521内の熱硬化性樹脂が軟化又は溶融したところで、トグルリンク213により可動プラテン221を上昇させる(図5(b))。これにより、可動プラテン221上の下型252が上型251に当接して該上型251を押し、上型251が固定プラテン222に固定されていることから、成形型25が型締めされる。この状態でプランジャ2522を上昇させることにより、ポット2521内の樹脂材料Pを、ランナ2513及び2523を通して上型251及び下型252のキャビティCに供給する。所定時間が経過すると、樹脂材料P内の熱硬化性樹脂が硬化し、リードフレームLに樹脂がモールドされた樹脂成形品が得られる。その後、トグルリンク213により可動プラテン221を下降させることにより成形型25を型開きし、樹脂成形品を成形型25から取り外す。
ここまでの動作を繰り返し行うことにより、樹脂成形品を多数、連続的に製造すること(連続成形)ができる。しかし、樹脂成形品の製造を繰り返し行う間に、付着物が徐々に成形型25の表面に付着してゆく。成形型25に付着する付着物には、樹脂材料PやリードフレームL(や基板等)に含まれる何れかの材料・成分が含有されている。また、パーティング面(上型251の下面及び下型252の上面)、エアベント(図示せず)、ランナ2523などの樹脂通路にも付着物が付着する場合があり、連続成形が阻害されるおそれがある。そこで、樹脂成形品を所定個数製造する毎、あるいは所定時間毎に、以下に述べるように成形型クリーニング装置10を動作させることにより、成形型25の表面をクリーニングする。
(2-2) 成形型クリーニング装置10の動作
まず、成形型25が型開きしている状態で、成形型クリーニング装置移動機構により、レーザビーム移動部12を使用位置、すなわち上型251と下型252との間の空間に配置されるように移動させる(図2参照)。このとき、レーザビーム移動部12の上下の向きはいずれの状態であってもよく、その状態によって上型251と下型252とのうちのいずれかを先にクリーニングすることになる。以下では、下型252をクリーニングする場合を例として説明する。
この状態で、パルスレーザ光源111は、上述した1パルスあたりのレーザフルエンス及びパルス幅を有するパルスレーザビームBを上述のパルス繰り返し周波数で出射する。その際、レーザビーム移動部12は、パルスレーザビームBを、X方向に繰り返し往復移動させる。これにより、下型252の表面では、パルスレーザビームBのスポットBSがX方向に所定範囲(図4中のXLとXRの間の範囲。「X方向所定範囲」とする。)内で移動する(図6(a), (b))。また、レーザビーム移動部12は、スポットBSがX方向所定範囲を片道1回移動する毎に、Y方向にスポットBSの1個分ずつ所定範囲(図4中のYTとYBの間の範囲。「Y方向所定範囲」とする。)内で移動させる。これらの動作により、下型252の表面では、スポットBSがX方向にX方向所定範囲だけ移動し(図6(a), (b)、図7)、続いてスポットBSの1個分だけY方向に移動したうえで、X方向に先程とは逆向きに移動する、というジグザグの移動を、Y方向所定範囲内で繰り返す(図7)。
ここでパルスレーザビームBがX方向に移動する際の速さは、パルスの1周期あたり、下型252の表面におけるパルスレーザビームBの正方形のスポットがその1辺の1/6以下の距離だけ移動する速さとする。これにより、時間的に隣接する2つのパルスレーザビームBのスポットは85%以上が重なること(重なり率が85%以上100%未満)となり、(後述するX方向の両端部の一部を除いて)同一位置にパルスレーザビームBが6回以上照射されることとなる。図6(a)に、時間的に隣接する2つのパルスレーザビームBのスポットBS1及びBS2の一例を示す。この図では、スポットBS1とスポットBS2が重なっている部分BSW(同図中に斜めのハッチを付して示した部分)の面積は、スポットBS1(スポットBS2も同じ)の面積の85%以上となっている。同図に示した重なり率でスポットをX方向に移動させてゆくと、図6(b)のようになる。パルスレーザビームBがX方向に移動する際の速さとY方向に移動する際の速さは異なっていてもよい。
なお、図6(a), (b)ではスポットの径が矩形である場合を例として挙げたが、スポットの径は円形(図8(a), (b))、円環(リング)形(図8(c), (d))等の他の形状であっても同様である。
パルスレーザビームBに垂直な方向のビームの断面における照射強度の分布は、中心を最大とするガウス分布である(図9(a))ことが一般的であるが、上型251及び下型252の表面を略均一にクリーニングするために、中心から端部まで略等しい分布を有するトップハット型分布(図9(b))であることが望ましい。また、表面の段差に合わせて焦点位置を変化させなくともよくするために、焦点深度を深くしておくことが望ましい。
前述したように下型252の表面においてパルスレーザビームBのスポットがジグザグに移動することにより、パルスレーザビームBは下型252の表面の一部又は全部の範囲内に漏れなく照射される。ここでパルスレーザビームBが下型252の表面の一部にのみ照射される場合には、1回のジグザグ移動によるパルスレーザビームBの照射が終了した後、成形型クリーニング装置移動機構はレーザビーム移動部12を、下型252の表面のうち未だパルスレーザビームBが照射されていない領域の上に移動させる。そして、上記と同様の方法により、当該領域にパルスレーザビームBをジグザグ移動させながら照射する。以上の動作を繰り返すことにより、下型252の表面全体にパルスレーザビームBを照射する。図10に、下型252の表面におけるパルスレーザビームBのジグザグの軌跡を細実線で例示すると共に、1回のジグザグ移動によるパルスレーザビームBの照射領域の境界を太破線で例示する。
その後、上下反転機構によってレーザビーム移動部12の上下を反転させ、下型252の場合と同様に、上型251の表面全体にもパルスレーザビームBを照射する。
本実施形態の成形型クリーニング装置10では、上述した1秒あたりの走査レーザパワー密度及び1パルスあたりのレーザフルエンスを有するパルスレーザビームBを成形型25(上型251及び下型252)の表面に照射することにより、付着物Aの表面が高温、高圧状態となり、成形型25の表面にプラズマPLが生成される(図11(a))。プラズマPLの発生源は特に限定されないが、パルスレーザビームBを付着物に照射することにより、プラズマPLを発生させることができる。そして、上述した1秒あたりの走査レーザパワー密度でパルスレーザビームBをプラズマPLを照射すること、又は、上述した1パルスあたりのレーザフルエンスを有するパルスレーザビームBを重なり率が85%以上となるように移動させることでパルスレーザビームBをプラズマPL中の同一箇所に6回以上照射することにより、通常の樹脂成形において成形型25の表面に付着する付着物Aが含有する樹脂を気化させることができる温度まで、プラズマPLが加熱される(図11(b))。ここで、プラズマPLにより加熱されたコーティングCTから伝熱又は放射する熱が、下型252に付着した付着物Aの下(又は上型251に付着した付着物Aの上)側から作用してもよい。このようにプラズマPLが加熱されることにより、成形型25の表面上の付着物Aの少なくとも一部が気化し、該表面から除去される。なお、パルスレーザビームBが移動する範囲のうちX方向の両端部であってパルスレーザビームBのX方向の幅の1個分未満(例えば、重なり率が85%の場合には該幅の17/20)の部分では、パルスレーザビームBが照射される回数が6回未満となり得るが、通常は該幅が十分に小さく、その周囲で加熱されたプラズマPLが当該部分に流入するため、問題とはならない。気化した付着物AGは、成形型クリーニング装置10が気化付着物除去装置を有する場合には、成形型25の表面近傍から吸引除去される。
一方、窒化クロムやハードクロム等の通常用いられている材料や、マイクロクラックを内在しており融点よりも低い温度でクラックが進行する材料から成るコーティングCTや、多層膜から成るコーティングCTは、一般的に厚みが数μm〜数十μm程度であって、従来の方法では剥がれやすいという課題があった。このようなコーティングCTに、上記の1秒あたりの走査レーザパワー密度又は1パルスあたりのレーザフルエンスを有するパルスレーザビームBが直接照射されても、それらのコーティングCTに与えるダメージは、従来のレーザビームを用いたクリーニング方法の場合よりも小さい。また、一般的に、成形型は鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属を表面及び内部に多数含んでおり、樹脂よりも放熱し易いため、プラズマPLからコーティングCTに伝わる熱は直ぐに、(付着物ではなく)成形型25内に伝導、拡散し、あるいはコーティングCTの表面から放射(輻射)し、コーティングCTへの影響を抑制することができる。
さらに、本実施形態の成形型クリーニング装置10では、プラズマPLを加熱することによって付着物Aを除去するため、全ての付着物Aに直接パルスレーザビームBを照射する必要はない。そのため、成形型の側面(例えば、キャビティCに面する側面)等、パルスレーザビームBを照射し難い位置に付着した付着物Aも容易に除去することができる。
一方、1秒あたりの走査レーザパワー密度が2W/cm2未満の場合には、レーザビームを走査させる速度が速過ぎるか、又は(走査していない状態での)レーザパワー密度が低過ぎることとなる。この場合、コーティングへの損傷は抑制されるが、付着物を除去することが難しくなる。また、1秒あたりの走査レーザパワー密度が15W/cm2よりも大きい場合には、レーザビームを走査させる速度が遅過ぎるか、又はレーザパワー密度が高過ぎることとなる。レーザビームを走査させる速度が遅過ぎる場合は、クリーニングをすることが可能ではあるもののも、クリーニングに要する時間が長過ぎる。レーザパワー密度が高過ぎる場合は、コーティングへの損傷を抑制することが難しくなる。
1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04J/cm2未満であって、隣接パルスレーザビームの重なり率が85%未満である場合、付着物を除去することが難しくなる。また、1パルスあたりのレーザフルエンスが0.7J/cm2よりも大きい場合には、コーティングへの損傷を抑制することが難しくなる。
なお、図4等ではパルスレーザビームBを下型252の上面に対して垂直に照射するように描かれているが、レーザビーム移動部12の向きを調整することにより、下型252の上面に対して傾斜した方向に照射するようにしてもよい(上型251の下面に対しても同様)。これにより、上型251及び下型252中でキャビティCを構成する側壁面等にもパルスレーザビームBが照射される。
次に、パルスレーザビームBの1秒あたりの走査レーザパワー密度が異なる複数の条件でそれぞれ実験を行い、付着物の除去及びコーティングへの影響の良否を確認した。付着物は、通常の樹脂成形品を製造する際に生じたものである。コーティングには窒化クロムから成るものを用いた。実験結果を表1に示す。
Figure 0006930946
表1において「○」は、成形型の表面に付着物が残存せず、且つ、コーティングへの損傷が見られなかったことを示す。「△」は、付着物が僅かに残存していたか、コーティングに僅かな損傷が発見されたかのいずれか一方又は双方であるものの、実用上許容範囲であることを示す。「×」は、付着物が僅かに残存していたか、コーティングに僅かな損傷が発見されたかのいずれか一方又は双方であって、実用上許容できない範囲であることを示す。以上の結果より、1秒あたりの走査レーザパワー密度が2〜15W/cm2の範囲内が本発明に含まれ、そのうち3〜11W/cm2の範囲内であることが望ましいといえる。
(3) 本発明のその他の実施形態
本発明は上述した各実施形態には限定されない。例えば、パルスレーザビームBのスポットBSが上型251の下面又は下型252の上面上を前述の図7に示した経路で移動する場合に、該経路のX方向(すなわちスポットBSが往復運動する方向。前記第1方向に相当。)の両端であってレーザビーム移動部12と上型251又は下型252の間に、スポットBSの1個分の幅だけパルスレーザビームBを遮蔽する遮蔽部15(図12中に太実線で示したもの)を設けることができる。なお、遮蔽部15は、レーザビーム移動部12と上型251の間、及びレーザビーム移動部12と下型252の間の双方に設けてもよい。
この遮蔽部15が設けられる部分において、前述の実施形態のように遮蔽部15を設けることなく且つパルスレーザ光源111からのパルスレーザビームBの出射を継続したままスポットBSをY方向(前記第2方向に相当)に移動させると、その移動の速さによっては、他の部分よりも多いパルス数でパルスレーザビームBが照射される。例えば、照射の始点となる部分又はX方向の移動とY方向の移動とが切り替わる部分は、それ以外の部分と比べてパルスレーザビームBが照射される回数が異なる箇所が存在する場合がある。また、この遮蔽部15が設けられる部分は、前述のようにパルスレーザビームBが照射される回数が6回未満となり得る位置でもある。それに対して、スポットBSの1個分だけX方向の両端において遮蔽部15によってパルスレーザビームBを遮蔽し、この遮蔽がなされていない部分を通過したパルスレーザビームBでクリーニングを行うことにより、クリーニング処理の均一性をより高くすることができる。
遮蔽部15を用いる代わりに、Y方向にスポットBSを移動させる間、パルスレーザ光源111からのパルスレーザビームBの出射を停止するようにしてもよい。また、パルスレーザビームの移動の速さを変更し、それに応じて1パルスあたりのレーザフルエンス及び/又は繰り返し周波数を変更するようにしてもよい。例えば、レーザビームをより速く移動させ、それに応じて1パルスあたりのレーザフルエンスを大きく及び/又は繰り返し周波数を大きくすることにより、同じ時間でパルスレーザビームを照射することができる領域を拡大することができる。
スポットBSは、図7や図10に示したようにジグザグ状に移動させること以外に、例えば図13(a)に示すように、X方向に片道移動(図中の細実線の経路)した後に、パルスレーザ光源111からのパルスレーザビームBの出射を停止し、X方向には最初の位置に戻りながらY方向にスポットBSの1個分だけ移動し(図中の細破線の経路)、さらにX方向に片道移動するという動作を繰り返してもよい。あるいは、図13(b)に示すように、1回のジグザグ移動(又は図13(a)の片道繰り返し移動)によって、(前述のように複数の照射領域に分けることなく)クリーニング対象の全体にパルスレーザビームBを照射するようにしてもよい。
図14に、レーザビーム照射部の他の例を示す。このレーザビーム照射部11Aは、パルスレーザ光源111と、レーザビーム移動部12Aと、レンズ122Aと、光ファイバ13と、X方向レール161と、X方向ベルト162と、ベルト取り付け部材163と、X方向モータ164と、X方向プーリ165と、モータブロック166と、プーリブロック167と、Y方向レール168とを有する。
パルスレーザ光源111は上記と同様に上型251と下型252の間の空間の外に配置されており、光ファイバ13でレーザビーム移動部12Aと接続されている。レーザビーム移動部12Aはクリーニング時に前記空間内に配置され、パルスレーザ光源111からのパルスレーザビームBを上方又は下方に照射するものであって、ガルバノスキャンヘッドは有していない。レンズ122Aはレーザビーム移動部12AのパルスレーザビームBが出射する側に固定されており、レーザビーム移動部12AからのパルスレーザビームBの径を絞って上型251又は下型252に照射するものである。
X方向レール161は上型251の直下又は下型252の直上に、それらの型を横断するようにX方向に延びるレールである。レーザビーム移動部12Aは、X方向レール161に沿ってX方向に移動可能に設けられている。レーザビーム移動部12Aにはベルト取り付け部材163によってX方向ベルト162が取り付けられている。X方向モータ164はモータブロック166内に収容され、モータブロック166はX方向レール161の一方の端に固定されている。また、X方向プーリ165はプーリブロック167内に収容され、プーリブロック167はX方向レール161の他方の端に固定されている。X方向ベルト162は、X方向モータ164及びX方向プーリ165に掛けられており、その一部がベルト取り付け部材163によってレーザビーム移動部12Aに取り付けられている。これらの構成により、X方向モータ164がいずれかの方向に回転すると、X方向ベルト162がX方向の正負いずれかの方向に移動し、それに伴ってレーザビーム移動部12AがX方向レール161に沿って移動する。
Y方向レール168は上型251又は下型252をX方向に挟むように1対設けられた、Y方向に延びるレールである。モータブロック166及びプーリブロック167は、Y方向レール168に沿ってY方向に移動可能に設けられている。モータブロック166側のY方向レール168の両端には、Y方向モータ及びY方向プーリが設けられ、それらY方向モータ及びY方向プーリにはY方向ベルトが掛けられており、Y方向ベルトの一部がモータブロック166に取り付けられている(図示省略)。これにより、レーザビーム移動部12AがX方向に移動する際と同様に、Y方向モータが回転するとモータブロック166がY方向レール168に沿って移動する。このようにモータブロック166が移動すると、それに伴って、X方向レール161やレーザビーム移動部12A等もY方向に移動する。なお、Y方向モータ、Y方向プーリ及びY方向ベルトは、プーリブロック167側に設けてもよい。
ここまでに述べたX方向レール161、X方向ベルト162、ベルト取り付け部材163、X方向モータ164、X方向プーリ165、モータブロック166、プーリブロック167、Y方向レール168、Y方向モータ、Y方向プーリ及びY方向ベルトは、レーザビーム移動部に該当する。
レーザビーム照射部11Aは、レーザビーム移動部12AがX方向レール161に沿ってX方向に片道移動する毎にY方向レール168に沿ってパルスレーザビームBのスポットの1個分だけY方向に移動し、レーザビーム移動部12AがX方向往復移動することでこの動作を繰り返すことにより、上型251又は下型252にパルスレーザビームBをジグザグ状に照射する(図13(b)参照)。
図15に、複数組の樹脂成形部20と、1組の成形型クリーニング装置10を備える樹脂成形ユニット30の構成を示す。この樹脂成形ユニット30は、1台の材料受入モジュール31、複数台の成形モジュール32、1台の払出モジュール33、及び1台の成形型クリーニング装置待機モジュール34を1列に並べて配置している。材料受入モジュール31は、タブレット状の樹脂材料P、及びリードフレームLを外部から受け入れて成形モジュール32に送出するための装置であって、リードフレーム受入部311及びタブレット供給部312を有する。1台の成形モジュール32は、上記実施形態の樹脂成形装置1のうち樹脂成形部20を1台有する。図15には成形モジュール32が3台示されているが、樹脂成形ユニット30には成形モジュール32を任意の台数設けることができる。また、樹脂成形ユニット30を組み上げて使用を開始した後であっても、成形モジュール32を増減することができる。払出モジュール33は、成形モジュール32で製造された樹脂成形品を成形モジュール32から搬入して保持しておくものであって、樹脂成形品保持部331を有する。成形型クリーニング装置待機モジュール34は、成形型クリーニング装置10を使用しないときにそれを収容するものである。
搬送装置35は、樹脂成形ユニット30内に設けられた搬送レールに沿って、材料受入モジュール31から成形モジュール32に基板や樹脂材料を搬入すると共に、成形された樹脂成形品を成形モジュール32から払出モジュール33に搬出する装置である。また、搬送装置35は、或る成形モジュール32において成形型のクリーニングを行うときに、該成形モジュール32に成形型クリーニング装置10を搬入する(図16)と共に、該成形型のクリーニングが完了した後に成形型クリーニング装置10を該成形モジュール32から搬出する機能も有する。
この樹脂成形ユニット30は、複数の成形モジュール32で並行して樹脂成形品を製造することができるため、樹脂成形品を大量生産するのに適している。その際、成形型に基板を取り付けてから樹脂成形品を作製したうえで搬出するまでの間には相応の時間を要することから、或る成形モジュール32で樹脂成形を製造している時間に、他の成形モジュール32に成形対象物を取り付けたり、他の成形型から樹脂成形品を搬出することにより、樹脂成形品の製造効率を高くことができると共に、搬送装置に要するコストを抑えることができる。さらに、成形型クリーニング装置10を複数台の成形モジュール32で共用することも可能である。
上記樹脂成形ユニット30では、他のモジュールと同じ列に並べて配置した成形型クリーニング装置待機モジュール34を用いているが、その代わりに、図17に示す樹脂成形ユニット30Aのように、他のモジュールが並ぶ列に沿って延びる成形型クリーニング装置収容・移動モジュール34Aを用いてもよい。樹脂成形ユニット30A中の材料受入モジュール31、成形モジュール32、及び払出モジュール33の構成は樹脂成形ユニット30の場合と同様である。成形型クリーニング装置収容・移動モジュール34Aは、成形型クリーニング装置10を収容すると共に、他のモジュールが並ぶ列の方向に成形型クリーニング装置10を移動させる成形型クリーニング装置移動部35Aを内部に有する。各成形モジュール32の樹脂成形部20から見ると、成形型クリーニング装置収容・移動モジュール34A及びその内部の成形型クリーニング装置移動部35Aは、搬送装置35の反対側に設けられている。樹脂成形ユニット30Aの動作は、成形型クリーニング装置10を成形モジュール32に搬入及び成形モジュール32から搬出する際に成形型クリーニング装置移動部35Aを用いる点を除いて、樹脂成形ユニット30と同様である。
本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態ではパルスレーザビームの1パルスあたりのレーザフルエンスを0.04〜0.7J/cm2、パルス幅を1〜200nsec、隣接パルスレーザビームの重なり率を85%以上とした。しかし、付着物の材質や量、あるいはコーティングの材料によっては、上記範囲外のレーザフルエンス、パルス幅又は重なり率でパルスレーザビームを成形型に照射しても、付着物上にプラズマを生成したうえで付着物が気化する温度以上に該プラズマを加熱することができ、且つ、レーザビームの照射強度(レーザフルエンス、レーザパワー密度)をコーティングに損傷を与える値よりも低く抑えることができる場合がある。
また、上記実施形態ではパルスレーザビームのスポットを1パルス毎に移動させたが、複数パルス毎に移動させるようにしてもよい。その場合には、レーザフルエンスを当該複数パルスあたり0.04〜0.7J/cm2とすることが好ましい。
上記実施形態ではパルスレーザビームを用いたが、連続的にレーザ発振する連続レーザのビームを用いるようにしてもよい。
上記実施形態では樹脂成形部20が有する成形型25には移送成形用のものを用いたが、圧縮成形や射出成形等の他の成形方法に用いる成形型にも、上記実施形態の成形型クリーニング装置10を適用することができる。
1…樹脂成形装置
10…成形型クリーニング装置
11、11A…レーザビーム照射部(レーザビーム照射機構)
111…パルスレーザ光源
12、12A…レーザビーム移動部
121…ガルバノスキャンヘッド
122、122A…レンズ
13…光ファイバ
15…遮蔽部
161…X方向レール
162…X方向ベルト
163…ベルト取り付け部材
164…X方向モータ
165…X方向プーリ
166…モータブロック
167…プーリブロック
168…Y方向レール
20…樹脂成形部
211…基盤
212…タイバー
213…トグルリンク
221…可動プラテン
222…固定プラテン
25、25A…成形型
251、251A…上型
2511…カルブロック
2513…ランナ
252、252A…下型
2521…ポット
2522…プランジャ
2523…ランナ
30…樹脂成形ユニット
31…材料受入モジュール
311…リードフレーム受入部
312…タブレット供給部
32…成形モジュール
33…払出モジュール
331…樹脂成形品保持部
34…成形型クリーニング装置待機モジュール
34A…成形型クリーニング装置収容・移動モジュール
35…搬送装置
35A…成形型クリーニング装置移動部
A…付着物
AG…気化した付着物
B…パルスレーザビーム
BS、BS1、BS2…パルスレーザビームのスポット
BSW…スポットが重なっている部分
C…キャビティ
CT…コーティング
L…リードフレーム
P…樹脂材料
PL…プラズマ

Claims (10)

  1. 少なくとも一部にコーティングが施された成形型の表面に付着した付着物を除去する装置であって、
    1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04〜0.1J/cm2、パルス幅が50〜120nsecであるパルスレーザビームを、隣接パルスレーザビームの重なり率が98%以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度が5〜11W/cm2となるように前記成形型に対して移動させながら該成形型に照射することでプラズマを生成することにより、前記付着物が含有する樹脂を気化させる温度まで加熱するレーザビーム照射機構を備えることを特徴とする成形型クリーニング装置。
  2. 前記レーザビームの断面形状が矩形であり、前記レーザビーム照射機構が該矩形の辺に平行に該レーザビームを移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の成形型クリーニング装置。
  3. 前記レーザビームの断面形状が円形又は円環状であることを特徴とする請求項1に記載の成形型クリーニング装置。
  4. 前記レーザビーム照射機構が、
    前記パルスレーザビームを前記成形型に対して第1方向に往復移動させると共に、
    前記パルスレーザビームを該第1方向に片道移動させる毎に、該パルスレーザビームを該第1方向に垂直な第2方向に、該パルスレーザビームが前記成形型に照射されたスポットの1個分だけ移動させる
    ものであって、
    さらに、前記レーザビーム照射機構と前記成形型の間に、前記第1方向における往復移動の両端の前記スポットの1個分の部分を遮蔽する遮蔽部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形型クリーニング装置。
  5. 少なくとも一部にコーティングが施された成形型に付着した付着物を除去する方法であって、
    1パルスあたりのレーザフルエンスが0.04〜0.1J/cm2、パルス幅が50〜120nsecであるパルスレーザビームを、隣接パルスレーザビームの重なり率が98%以上100%未満、1秒あたりの走査レーザパワー密度が5〜11W/cm2となるように前記成形型に対して移動させながら該成形型に照射することでプラズマを生成することにより、前記付着物が含有する樹脂を気化させる温度まで加熱することを特徴とする成形型クリーニング方法。
  6. 前記レーザビームの断面形状が矩形であり、該矩形の辺に平行に該レーザビームを移動させることを特徴とする請求項5に記載の成形型クリーニング方法。
  7. 前記レーザビームの断面形状が円形又は円環状であることを特徴とする請求項5に記載の成形型クリーニング方法。
  8. 前記パルスレーザビームを前記成形型に対して移動させる際に、
    前記パルスレーザビームを前記成形型に対して第1方向に往復移動させると共に、
    前記パルスレーザビームを該第1方向に片道移動させる毎に、該パルスレーザビームを該第1方向に垂直な第2方向に、該パルスレーザビームが前記成形型に照射されたスポットの1個分だけ移動させると共に、
    前記レーザビームに対して、前記第1方向における往復移動の両端の前記スポットの1個分の部分を遮蔽する
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の成形型クリーニング方法。
  9. 少なくとも一部にコーティングが施された成形型と、請求項1〜4のいずれかに記載の成形型クリーニング装置とを備えることを特徴とする樹脂成形装置。
  10. 請求項5〜8のいずれかに記載の成形型クリーニング方法を実施した後、前記成形型を用いて樹脂成形品を製造することを特徴とする樹脂成形品製造方法。
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