JP3787090B2 - スティクションを低減させる凹状、溝状のレールを有するディスク・ヘッド・スライダ - Google Patents

スティクションを低減させる凹状、溝状のレールを有するディスク・ヘッド・スライダ Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
本発明は、ディスク・ドライブ・データ記憶システムに関し、特に、十分な支持剛性をもたらしつつディスク面とのスティクションを低減させるスライダを有するディスク・ドライブ・データ記憶システムに関する。
【0002】
「ウインチェスタ」型および光学型のディスク・ドライブが当業界では公知である。このようなドライブは剛性のディスクを使用しており、ディスクは、円形の複数の同心円状データ・トラックにデジタル情報を記憶できるように磁化可能な媒体で覆われている。ディスクは、スピンドル・モータ上に取り付けられており、スピンドル・モータによってディスクが回転すると共に、ディスクの表面がそれぞれの流体(たとえば、空気)軸受ディスク・ヘッド・スライダの下方を通過する。スライダはトランスデューサを保持しており、トランスデューサはディスク面に情報を書き込むと共に、ディスク面から情報を読み取る。
【0003】
アクチュエータ機構は、電子回路の制御下でディスクの表面を横切ってトラック間を移動する。アクチュエータ機構は、トラック・アクセス・アームと、各ヘッド・ジンバル・アセンブリごとのサスペンションとを含んでいる。サスペンションは、ロード・ビームおよびジンバルを含んでいる。ロード・ビームは、スライダをディスク面の方へ押し付ける荷重力を与える。ジンバルは、スライダとロード・ビームとの間に位置するか、またはロード・ビームに一体化されており、スライダがディスクの形状に従いつつ縦揺れしかつ横揺れすることができるようにする弾性連結部を形成する。
【0004】
スライダは、ディスク面に面する支持面を含んでいる。ディスクは、回転するにつれて、空気をスライダの下方に引き込み、ディスクの接線方向速度にほぼ平行な方向に支持面に沿って引っ張る。空気が支持面の下方を通過するにつれて、空気の流路に沿った空気の圧縮によって、ディスクと支持面との間の空気圧が高くなり、流体揚力が生じる。流体揚力は、荷重力に反作用し、スライダを持ち上げ、ディスク面の上方またはその近くを浮動させる。
【0005】
スライダの一種として「自己負荷」空気軸受スライダがある。このスライダは、前方のテーパ(または段状テーパ)、一対の凸状のサイド・レール、キャビティ・ダム、亜大気圧キャビティを含んでいる。前方のテーパは通常、スライダの、記録ヘッドの反対側の端部上に、折り重ねられるかまたはエッチングされる。前方のテーパは、空気がディスク面によってスライダの下方に引き込まれるときに空気を加圧する。前方のテーパの他の効果は、スライダの下方の圧力分布が、テーパすなわち段の高圧縮角度によってテーパ端部または「前縁部」の近くに第1のピークを有し、磁気記録を効率的に行えるようにする小さな軸受すきまによって記録端部すなわち「後縁部」の近くに第2のピークを有することである。この2ピーク圧力分布の結果として、高いピッチ剛性を有する軸受が得られる。
【0006】
スライダと記録ヘッドのところのディスク面との間の軸受すきまは、ディスク・ドライブ性能の重要なパラメータである。平均浮動高さが引き続き小さくされているので、プロセス変動、大気圧(たとえば、高度)変動、ディスク面の上方のスライダの半径方向位置の変化およびその結果生じるヘッド・スキュー、ある半径方向位置から他の半径方向位置へのスライダの高速の移動に対する浮動高さ感度のような、いくつかの浮動高さ性能測定値を調節することが重要である。
【0007】
上記の感度は、スライダにピッチ方向およびロール方向における高い支持剛性を付与することによって低下する。高いピッチ剛性およびロール剛性を実現するために、空気軸受は、正圧をスライダの中心から分散させる形状を利用している。しかし、軸受の形状によっては、支持面のある領域に沿って十分な局部圧力を生成するのが難しい場合がある。たとえば、打ち切られたサイド・レールと後縁部に位置する離散したセンター・パッドとを有するスライダの後縁部の近くで局部正圧を生成するのは難しい。
【0008】
さらに、スライダは、ディスクが回転し始めた後できるだけ速くディスク面から離れるべきである。したがって、回転の開始時および停止時の、スライダとディスク面との間の付着摩擦(「スティクション」を制限することが望ましい。スティクションを制限する1つの方法は、テクスチャ加工されたランディング・ゾーンをディスク面に設け、それにより、スライダがこのランディング・ゾーン内で休止するときにスライダとディスク面との間の接触面積を小さくすることである。しかし、浮動高さを小さくしてより高い記録密度を実現すると、テクスチャ加工されたランディング・ゾーンを実施することはより難しくなる。というのは、浮動高さが、テクスチャ加工されたランディング・ゾーン内のスティクション力を制限するのに必要な粗さピークの高さよりも小さくなる可能性があるからである。
【0009】
この難点により、ランディング・ゾーンの粗さの一部がスライダ本体の支持面に移されるヘッド−ディスク・インタフェースが使用されている。テクスチャ加工された支持面は通常、離散したパッドを支持面上に形成することによって得られる。このようなパッドでは、支持特性にそれほど影響を与えずにディスク面に接触する表面積が小さくなる。
【0010】
しかし、テクスチャ加工された支持面を使用すると、パッドによる追加の離隔距離により滑らかなデータ・ゾーン内でヘッドとディスクとの間に所望の間隔を維持することがより難しくなる。ヘッドは通常、スライダ本体の後縁部に沿って位置する。パッドが、ヘッド−ディスク間間隔に干渉するのを妨げるために、パッドは通常、後縁部のいくらか前方に位置している。これによって、ヘッドは、スライダが正のピッチ角で浮動するときに近接点浮動高さに残ることができる。パッドが後縁部からわずかな距離しか離れていない場合、スライダは、所望のヘッド−媒体間隔を維持するために比較的大きなピッチ角で浮動しなければならない。ピッチ角が大きいほど支持剛性が小さくなり、通常は製造感度に悪影響が及ぶ。パッドが後縁部からかなり離れて位置している場合、支持面上に、パッドを有さない比較的大きな領域が生じる。この場合、ディスクが、停止時に、ディスクおよびスピンドル・モータ・コイル内に残っているエネルギーが散逸するために、ディスクが前後にわずかに振動した場合に、スライダが後方に傾くことがある。スライダが後方に傾くと、スライダの後縁部とディスク面が接触し、その結果、接触領域にディスクの潤滑油メニスカスが形成されると共に、ディスク表面が過度に滑らかである場合には受け入れられないスティクション力が生じる。
【0011】
ヘッド−ディスク間の小さな間隔と高い支持剛性特性を維持しつつディスク面とのスティクションを最小限に抑えるスライダが望ましい。
【0012】
(発明の概要)
本発明の一態様は、キャビティ・ダムと、亜大気圧キャビティと、第1および第2の細長いレールとを含むディスク・ヘッド・スライダに関する。亜大気圧キャビティは、キャビティ・ダムの後方に位置しており、キャビティ・フロアを有している。第1および第2のレールは、亜大気圧キャビティの周りに配設されている。各レールは、内側のレール縁部から外側のレール縁部まで測定されたレール幅と、前方の支持面と、後方の支持面と、前方の支持面と後方の支持面との間に延びる凹状領域とを有している。凹状領域は、レール幅にわたって、支持面に対して凹み、キャビティ・フロアから隆起している。第1および第2のレールの後方の支持面にそれぞれ第1および第2の収束溝が設けられている。各溝は、それぞれの凹状領域からの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、流体流に対して閉鎖されており、それぞれの後方の支持面の局部領域の前方に位置する後方の溝端部とを有している。
【0013】
本発明の他の態様は、ハウジング、ディスク、アクチュエータ、およびスライダを含むディスク・ドライブ・アセンブリに関する。ディスクは、ハウジング内の中心軸の周りで回転することができ、テクスチャ加工されていないデータ領域およびランディング領域を備えた記録面を有している。アクチュエータはハウジング内に取り付けられている。スライダは、アクチュエータによって記録面の上方に支持されており、キャビティ・ダムと、亜大気圧キャビティと、第1および第2の細長いレールとを含んでいる。亜大気圧キャビティは、キャビティ・ダムの後方に位置しており、キャビティ・フロアを有している。第1および第2のレールは、亜大気圧キャビティの周りに配設されている。各レールは、内側のレール縁部から外側のレール縁部まで測定されたレール幅と、前方の支持面と、後方の支持面と、前方の支持面と後方の支持面との間に延びる凹状領域とを有している。凹状領域は、レール幅にわたって、支持面に対して凹み、キャビティ・フロアから隆起している。第1および第2のレールの後方の支持面にそれぞれ第1および第2の収束溝が設けられている。各溝は、それぞれの凹状領域からの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、流体流に対して閉鎖されており、それぞれの後方の支持面の局部領域の前方に位置する後方の溝端部とを有している。
【0014】
本発明の他の態様は、ディスクおよびスライダを含むディスク・ドライブ・アセンブリに関する。ディスクは、中心軸の周りで回転することができ、テクスチャ加工されていないデータ領域およびスライダ・ランディング領域を有している。スライダは、ディスクの上方に支持されており、収束溝および凹状ウエスト領域を備えた細長いレールを有しており、ディスクがスライダの下方で中心軸の周りで回転するときにスライダとディスクとの間に流体軸受を生成すると共に、スライダがランディング・ゾーン内で休止しているときにスライダとディスクとの間のスティクションを低減させる。
【0015】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、本発明が有用なディスク・ドライブ100の斜視図である。ディスク・ドライブ100は、たとえば、従来の磁気ディスク・ドライブや、光磁気ディスク・ドライブや、光ディスク・ドライブとして構成することができる。ディスク・ドライブ100は、ベース102および頂部カバー(図示せず)を有するハウジングを含んでいる。ディスク・ドライブ100は、ディスク・クランプ108によってスピンドル・モータ(図示せず)上に取り付けられたディスク・パック106をさらに含んでいる。ディスク・パック106は、中心軸109の周りで同時に回転するように取り付けられた複数の個々のディスク107を含んでいる。各ディスク面は、ディスク・ドライブ100に取り付けられ、ディスク面と通信できるように読取り/書込みヘッドを保持する、関連するスライダ110を有している。
【0016】
図1に示されている例では、スライダ110はサスペンション112によって支持されており、サスペンション112は、アクチュエータ116のトラック・アクセス・アーム114に取り付けられている。図1に示されているアクチュエータは、回転移動コイル・アクチュエータと呼ばれる種類のものであり、全体的に118で示されているボイス・コイル・モータ(VCM)を含んでいる。ボイス・コイル・モータ118は、アクチュエータ116をそれに取り付けられたスライダ110と共にピボット軸120の周りで回転させ、スライダ110をディスクの内径124とディスクの外径126との間の経路122に沿って所望のデータ・トラックの上方に位置決めする。ボイス・コイル・モータ118は、内部回路128の制御下で動作する。線形アクチュエータのような他の種類のアクチュエータを使用することもできる。
【0017】
以下に詳しく論じるように、スライダ110は流体(たとえば、空気)軸受を有しており、これにより、ディスク面との接触面積を小さくしてスライダの「腹部」位置にディスクの潤滑油のメニスカスが形成されるのを防止しつつ、局部圧力の離散した領域を生成することによってディスク面とのスティクションを最小限に抑える。これによって、滑らかであり、すなわちテクスチャの少ないスライダ・ランディング・ゾーン111を有するディスク107を製造することができ、従来のテクスチャ加工されたランディング・ゾーンと比べて、スライダとディスク面との間のスティクション力を必要以上に高くすることなしに極先端浮動高さを小さくすることができる。
【0018】
図2は、ディスク107の表面から見た、図1のスライダ110のうちの1つの底面図である。スライダ110は、前縁部200と、後縁部202と、側縁部204および206と、横方向の中心線208とを有している。細長い凸状のサイド・レール210および212がそれぞれ側縁部204および206に沿って位置している。レール210および212は概ね、前方のスライダ縁部200から後方のスライダ縁部202の方へ延びており、後縁部202に達する前に終わっている。各レール210および212は、内側のレール縁部214と、外側のレール縁部216と、前方の支持面218と、後方の支持面220と、凹状ウエスト部222とを有している。凹状ウエスト部222は、前方の支持面218から後方の支持面220まで延びている。一実施形態では、ウエスト部222は概ね支持面218および220に平行であり、支持面218および220からたとえば、段深さ0.1umから0.5umだけ凹んでおり、したがって、ウエスト部は、スライダ110がディスク107の表面上で休止しているときスライダ110の接触面積を小さくする。凹状ウエスト部は、浮動時に実質的な大気圧を生じさせる。他の実施形態では他の深さを使用することもできる。
【0019】
レール210と212の間に、前方のスライダ縁部200に沿ってキャビティ・ダム230が延びている。キャビティ・ダム230は、前縁部232と後縁部234とを有している。キャビティ・ダム230とサイド・レール210および212は亜大気圧キャビティ236を形成しており、亜大気圧キャビティ236の後方に、前方のスライダ縁部200から後方のスライダ縁部202の方への空気流の方向に対してキャビティ・ダム230が位置している。一実施形態では、亜大気圧キャビティ236は前方の支持面218および後方の支持面220から1umから3umだけ凹んでいる。凹状ウエスト部222は支持面218および220から凹んでいるが、引き続きキャビティ236の形状を形成し、キャビティ236内に亜大気圧を含むようにキャビティ236のフロアから隆起している。
【0020】
一実施形態では、キャビティ・ダム230は、概ね支持面218および220に平行であり、支持面218および220からたとえば、段深さ0.1umから0.5umだけ凹んでいる。他の深さを使用することもできる。さらに、他の実施形態では必要に応じて、キャビティ・ダム230にテーパ付き前縁部を設けることができる。
【0021】
凸状のセンター・パッドすなわちレール240は、後方のスライダ縁部202に沿って位置しており、横方向の中心線208に沿って心合わせされている。他の実施形態では、センター・パッド240を中心線208に対して斜めにするか、またはずらすことができる。センター・パッド240は、前方の段状面241と支持面242とを有している。前方の段状面241は、概ね支持面242に平行であり、支持面242からたとえば、段深さ0.1umから0.5umだけ凹んでおり、これにより、キャビティ236から排気される空気流で支持面242を加圧することができる。センター・レール240は、後方のスライダ縁部202に沿って読取り/書込みトランスデューサ244を支持している。他の実施形態では、トランスデューサ244をスライダ110上の他の位置に配置することができる。しかし、トランスデューサ244は、後方のスライダ縁部202に配置されるかまたはその近くに配置されると、スライダ110が正のピッチ角で浮動する際に、スライダ110上の、ディスク107の表面(図1に示されている)に最も近い点に位置する。正のピッチ角の場合、後方のスライダ縁部202は、前方のスライダ縁部200よりもディスク107の表面に近くなる。
【0022】
レール210および212は、後方のスライダ縁部202に達する前に終わっており、そのため、スライダ110は、後方のレール縁部224とディスク面を接触させることなしに横方向の中心線208の周りで横揺れすることができる。したがって、センター・パッド240の後縁部は、比較的大きなロール角での浮動時にスライダ110上の、ディスク面に最も近い位置に残り、それによって読取り・書込み性能が向上する。しかし、サイド・レール210および212を打ち切ると、後方のスライダ縁部202の近くでレールに沿って生じる正圧の量が少なくなり、ピッチ・ロール剛性が低下する。
【0023】
ピッチ・ロール剛性の低下を制限するために、スライダ110は、サイド・レール210および212の後方の支持面220およびセンター・レール240の支持面242に設けられた収束溝部260、262、および264をさらに含んでいる。これらの溝をトレンチと呼ぶこともできる。溝260、262、および264はそれぞれ、前方の溝端部266と、非拡散側壁268と、後方の溝端部270と、溝床部(すなわち「段状面」)272とを有している。溝260、262、および264は、前方の溝端部266の各側面に側壁280を有している。溝260、262、および264は、イオン・ミリング、化学エッチング、反応性イオン・エッチング(RIE)などのフォトリソグラフィ・プロセスによって形成される。これらのプロセスを用いた場合、溝の深さおよび位置を正確に調節することができる。一実施形態では、溝260および262の溝床部272は、レール210および212の凹状ウエスト部222と同一平面を形成しており、該凹状ウエスト部222に連続しており、一方、溝264の溝床部272は、センター・レール240の前方の段状面241と同一平面を形成しており、該段状面241に連続している。
【0024】
溝260および262内で、前方の溝端部266はそれぞれ、サイド・レール210および212の凹状領域222からの流体流に対して開放されている。しかし、後方の溝端部270は流体流に対して閉鎖されている。凹状領域222からの流体流の一部は、溝260および262内に向けられ、後方の溝端部270を介してこれらの溝から押し出される。これによって、後方の溝端部270の後方にある後方の支持面220上に局部正圧領域が形成される。一実施形態では、後方の支持面220は、側壁268間で測定された溝260および262の幅以上の、後方の溝端部270から後方のレール縁部224まで測定された長さを有している。このため、局部正圧が作用できる十分な支持面が形成される。後方の支持面220上に局部正圧が生じると、スライダ110のロール剛性が高くなる。
【0025】
センター・レール240上の溝264に関しては、この溝の前縁部266はキャビティ236からの流体流に対して開放されており、後方の溝端部270は流体流に対して閉鎖されている。キャビティ236からの流体流の一部は、溝264内に向けられ、後方の溝端部270を介してこの溝から押し出される。この場合も、これによって、後方の溝端部270の後方にある支持面242上に局部正圧領域が形成される。一実施形態では、センター・レール支持面242は、側壁268間で測定された、少なくとも溝264の幅である、後方の溝端部270と後方のスライダ縁部202との間の長さを有している。センター・レール支持面242上に局部正圧が生じると、スライダ110のピッチ剛性が高くなる。
【0026】
動作時には、前方の溝端部266の側壁において局部流体流の圧力がかなり上昇する。前方の溝端部266のところの、各溝の開口部では、同様な圧力上昇が起こらないので、この開口部は、流体流が流れるのに好ましい経路とみなされる。流体流は、溝260、262、および264に進入すると、主として溝の側壁268および後方の溝端部270に囲まれ、後方の溝端部270を越えて押し出される。これによって、後方のスライダ縁部202の近くの離散した領域に局部圧力領域が形成される。溝260、262、および264は、図2に示されているように、横方向の中心線に対して対称的208であっても、あるスライダ・スキュー角で優先的に加圧するように非対称的であってもよい。
【0027】
局部正圧領域の大きさおよび強度は、溝の長さと幅の比と、溝の絶対寸法と、溝床部の深さおよび形状とに依存する。一実施形態では、溝の長さと溝の幅との比は、0.5から5.0の範囲であるが、溝部の構成目的に応じてこの範囲外であってもよい。他の実施形態では、長さと幅の比は2.0から2.5の範囲である。
【0028】
スライダ110は、支持面218および220からわずかに延びる凸状のパッドすなわち「バンプ」282〜285をさらに含んでいる。一実施形態では、パッド282〜285は、支持面218および220から約10ナノメートル(nm)から約30nmだけ延びている。パッド282〜285は、スライダ110がディスク面上で休止しているときに支持面218および220とディスク面との間にわずかに離隔距離を形成し、一方、スライダ110の全体的な浮動特性に対する影響をほとんどまたはまったく有さない表面積を有している。この離隔距離によってスライダとディスク面との間のスティクション力は著しく弱まる。パッド282〜285は、円形、矩形、楕円形のような様々な断面形状を有してよい。他の形状を使用してもよい。
【0029】
図2に示されているスライダ110を含む従来のディスク・ヘッド・スライダは、支持面が、スライダの、前縁部から後縁部まで測定された長さに沿って正の曲率を有するように製造されている。長さ曲率は頂部曲率とも呼ばれている。長さ曲率を適切に設定すると、支持条件に対する浮動高さの可変性が改善され、スライダおよびディスク面の磨耗が改善され、スライダとディスク面との間のスティクションをさらに低減させることによってテイクオフ性能が改善される。しかし、この曲率によって、従来のスライダでは、スライダがディスク面上で休止しているとき、特に、スライダが4つの隅部の近くにバンプまたはパッドを有している場合に、各レールの中央部間に望ましくない小さな間隔が形成されることがある。スライダ110は、ウエスト部222を凹状にすることによってこの難点を解消している。
【0030】
図3は、スライダ110の概略的な側面図であり、図を明確にするために長さ曲率とパッド282および284の高さが大幅に誇張されている。スライダ110は、支持面218、220、および242に沿って長さ曲率292を有している。長さ曲率すなわち「頂部高さ」を測定する場合は一般に、スライダ110の長さに沿った最高の点とスライダ110の長さに沿った最低の点との差が求められる。たとえば、長さ曲率292の頂部高さ294は12nmから17nmであってよい。ウエスト部222が支持面218および220に対して凹んでいない場合、長さ曲率292によって、レールの中央部(点線295で示されている)はディスク107の表面から小さな間隔296を有する。パッド282および284の高さがたとえば18nmから32nmである場合、間隔296は10nmから20nm程度の小さな間隔になる。毛管圧力の下で、スライダ面の下方にあるディスクの潤滑油のメニスカスがこの幅の狭いすきま領域に引き込まれ、場合によっては大きな他のメニスカス297に至る。このメニスカスにより、パッド282および284の高さと有効頂部高さ294(すなわち、同じレール上の2つのパッド間の頂部高さ)との差によって規定される「腹部高さ」の逆数に正比例するスライダ110とディスク107との間に大きなスティクション力が生じる可能性がある。このことは、ディスク面上のスライダ・ランディング・ゾーンが過度に滑らかである場合に特に当てはまる。しかし、スライダ110上のウエスト部222は支持面218および220に対して凹状になっており、したがって、「腹部高さ」がかなり大きくなり、メニスカス297が形成される可能性が低くなる。これによって、スライダ110とディスク107の表面との間のスティクションがさらに低減する。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態によるスライダ110の支持面に沿った圧力プロファイルを示す三次元図である。軸300は、スライダ110の側縁部204および206に沿った距離を表している。軸302は前方のスライダ縁部200に沿った距離を表している。軸304は圧力振幅を表している。サイド・レール210および212の前方の支持面218はそれぞれ、スライダ前縁部200の後部に適度な正圧領域306および308を生成する。亜大気圧キャビティ236は領域310で亜大気圧を生成する。サイド・レール210および212の凹状ウエスト部222は、領域312および314において実質的に大気圧である。しかし、凹状ウエスト部222はこれにもかかわらず領域310内に亜大気圧を閉じ込める働きをする。サイド・レール210および212の後方の支持面220は、ウエスト部222の凹形状によって領域313および315で適度な正圧を生成する。しかし、溝260および262はそれぞれ高い局部圧力ピーク316および318を生成し、ウエスト部222に対する圧力の損失を補償し、高いロール剛性をもたらす。そればかりでなく、溝260および262は、ロール剛性を、サイド・レールに溝部を有さない従来の負圧空気軸受(NPAB)よりも高いレベルにする。同様に、センター・レール240の溝264は、後方のスライダ縁部202の近くに高い局部圧力ピーク320を生成し、それによってピッチ剛性が高くなる。
【0032】
したがって、凹状ウエスト部222(図2に示されている)は2つの主要な機能を有している。第1に、凹状ウエスト部222によって溝260および262を加圧し、図4に示されている高いピーク圧力316および318を生成することができる。第2に、凹状ウエスト部222は、正の頂部曲率を有するスライダの場合に大きなスティクション力を生成する、図3に示されているスライダの「腹部」位置でのメニスカスの形成を防止する。
【0033】
図2に示されているスライダ110の模擬された支持剛性を、サイド・レールに収束溝部も凹状ウエスト部も形成されていない図5に示されているスライダ400の模擬された支持剛性と比較した。スライダ400は、前縁部402と、後縁部404と、サイド・レール406および408と、キャビティ・ダム410と、センター・レール412とを有している。センター・レール412は、後縁部404の近くに位置する収束溝部414および416を有している。
【0034】
表1には、ディスクの内径、中央の直径、および外径における、図5に示されているスライダ400の垂直剛性、ロール剛性、およびピッチ剛性が示されている。
【表1】
Figure 0003787090
【0035】
表2には、ディスクの内径、中央の直径、および外径における、図2に示されているスライダ110の垂直剛性、ロール剛性、およびピッチ剛性が示されている。
【表2】
Figure 0003787090
【0036】
表1と表2を比較すると、サイドレールに収束溝部を付加したときにロール剛性がディスクの内径で23%高くなり、外径で120%高くなることがわかる。さらに、2つのスライダの垂直剛性およびピッチ剛性は同等である。
【0037】
さらに、収束溝部260、262、および264によってそれぞれの支持面の表面積が小さくなり、それにより、ディスクの回転が停止した後でスライダ110が後方に傾いた場合にディスクの潤滑油によってこれらの領域に沿って生成されるメニスカス力が弱くなる。動作時に、ディスク・ドライブ100(図1に示されている)への電力がオフにされると、ディスク107の回転速度は零になる。ディスク107の慣性およびスピンドル・モータの巻線の後方電磁力(EMF)によって、ディスク107は、すべての残りのエネルギーが散逸するまでわずかに前後に振動する。ある動作条件の下では、ディスク107が後方に回転すると、スライダ110が最も後方のパッド284〜285を中心として後方に傾き、後方の支持面220およびセンター・レール支持面242がディスク面に接触する可能性がある。これらの支持面の表面積が小さくなると共に、溝部260、262、および264が付加されているため、スライダが後方に傾いた場合のディスク面とのスティクションが低減する。
【0038】
生成されるメニスカス力が弱くなると共に、(たとえば、図2に示されている)スライダ110の形状によってディスク面とのスティクションが低減するため、スライダ・ランディング・ゾーン11(図1に示されている)にテクスチャがほとんどまたはまったくないディスク面と共にスライダ110を使用することができる。ランディング・ゾーンがより滑らかになることによって、スライダ110は、ディスク面から離れ、0.5マイクロインチよりも小さな高さで浮動することができる。もはや、ランディング・ゾーン111に粗なテクスチャがなくても、スティクションを低減させることができる。従来のディスク・ドライブで使用される粗なテクスチャは、他の点では、スライダの浮動高さを、ランディング・ゾーン内のテクスチャ粗さと少なくとも同程度の高さに制限し、スライダが滑らかなユーザ・データ領域と粗にテクスチャ加工されたランディング・ゾーンとの間で移動することを可能にする。
【0039】
図6は、ディスク107とスライダ110の概略的な断面図であり、ディスク107は、内径124の近くに、従来の粗にテクスチャ加工されたランディング・ゾーン111と滑らかなユーザ・データ領域450とを有している。テクスチャ加工されたランディング・ゾーン111は、ユーザ・データ領域450の滑らかな表面を越える高さ454を有する粗さを有している。したがって、スライダ110が滑らかなユーザ・データ領域450と粗なランディング・ゾーン111との間で移動するには、少なくとも高さ454と同じ浮動高さ456を有さなければならない。
【0040】
上述のように、たとえば図2に示されているスライダ110の幾何形状により、図7に示されている、テクスチャが少なく、場合によっては滑らかなランディング・ゾーンを有するディスクと共にスライダ110を使用することができる。図7において、ランディング・ゾーン111は滑らかであり、テクスチャはほとんどまたはまったくない。したがって、スライダ110の浮動高さ458に対する制限は、ランディング・ゾーン111の粗さとは無関係になる。ディスク面上にもはやテクスチャが必要とされないので、ディスクを従来のアルミニウム基板だけでなくガラス基板のようなより安価で滑らかな基板で作ることができる。ディスク面からテクスチャを除去することによって、ディスクの製造も簡略化されかつ迅速化され、製造コストをさらに削減することができる。
【0041】
図8は、本発明の他の実施形態によるスライダ500の底面図である。スライダ500は、サイド・レール502および504と、キャビティ・ダム506と、センター・レール508と、分割されたキャビティ部510Aおよび510Bとを有している。サイド・レール502および504とキャビティ・ダム506は、図2の実施形態に示されているサイド・レールおよびキャビティ・ダムに類似している。サイド・レール502および504は凹状ウエスト部512と収束溝部514とを含んでいる。センター・レール508は細長く、後方のスライダ縁部511からキャビティ・ダム506まで延びている。センター・レール508は、凸状のセンター・レール支持面516と、前方の段状面518と、収束溝部520とを含んでいる。図8に示されている実施形態では、前方の段状面518はセンター・パッドの支持面516からキャビティ・ダム506まで延びている。前方の支持面518は、キャビティ・ダム506と同一平面上に位置し、かつキャビティ・ダム506に連続しており、キャビティ・ダム506は、サイド・レール502および504とセンター・レール508とによって形成された支持面に対して凹んでいる。
【0042】
図9は、本発明の他の実施形態によるスライダ600の底面図である。図8で用いられたのと同じ参照符号は、同じまたは同様な要素に使用されている。スライダ600は、スライダ500(図8に示されている)に類似しているが、一部がキャビティ・ダム506上に形成され一部が矩形部522上に形成された前方のセンター・レール支持面530を含んでいる。前方のセンター・レールの支持面530は、キャビティ・ダム506に対して凸状に形成されており、サイド・レール502および504の前方および後方の支持面532および534と同一平面上に位置すると共に、センター・レールの支持面516と同一平面上に位置している。前方のセンター・レールの支持面530は、前方のスライダ縁部513の近くの加圧を高め、しかも収束溝部520を加圧する凹状段状面518を維持している。他の形状を使用してもよい。
【0043】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに形態および詳細を変更できることが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が有用なディスク・ドライブの斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態による、ディスクの表面から見た、図1に示されているスライダの底面図である。
【図3】 図2に示されているスライダの概略的な側面図である。
【図4】 図2に示されているスライダの支持面に沿った圧力プロファイルを示す三次元図である。
【図5】 サイド・レール内に形成された収束溝部または凹状ウェスト部を有さないスライダの底面斜視図である。
【図6】 粗にテクスチャ加工された従来のランディング・ゾーンおよび滑らかなユーザ・データ領域を有するディスクとスライダとの組合せの概略的な断面図である。
【図7】 滑らかなランディング・ゾーンおよび滑らかなユーザ・データ領域を有するディスクとスライダとの組合せの概略的な断面図である。
【図8】 本発明の他の実施形態による細長いセンター・レールを有するスライダの底面図である。
【図9】 本発明の他の実施形態による、細長いセンター・レールと凸状の前方のセンター・パッドとを有するスライダの底面図である。

Claims (18)

  1. ディスク・ヘッド・スライダであって、
    キャビティ・ダムと、
    前記キャビティ・ダムの後方に位置しており、キャビティ・フロアを有する亜大気圧キャビティと、
    前記亜大気圧キャビティの周りに配置された第1および第2の細長いレールにして、レールが、内側のレール縁部から外側のレール縁部まで測定されたレール幅と、前方の支持面と、後方の支持面と、前記前方の支持面と前記後方の支持面との間に延びる凹状領域とを有しており、前記凹状領域が、前記レール幅にわたって、前記支持面に対して凹み、前記キャビティ・フロアに対して凸状に形成されている第1および第2の細長いレールと、
    それぞれ前記第1および第2の細長いレールの前記後方の支持面に設けられていて凹んだ第1および第2の溝にして、溝が、それぞれの前記凹状領域からの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、前記流体流に対して閉鎖されており、それぞれの前記後方の支持面の局部領域の前方に位置する後方の溝端部とを有する第1および第2の溝とを備えているディスク・ヘッド・スライダ。
  2. 前方のスライダ縁部と、
    後方のスライダ縁部と、
    前記前方のスライダ縁部から前記後方のスライダ縁部まで測定されたスライダ長さとを有し、
    前記支持面には、前記スライダ長さに沿って正の頂部曲率が形成されており
    この頂部曲率は前記前方のスライダ縁部と前記後方のスライダ縁部との間に最低の点を有しており、
    前記第1および第2の細長いレールの前記凹状領域は、前記最低の点よりも高い位置にある、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  3. 前記第1および第2の溝はそれぞれ、溝床部を備えており、前記溝床部は、それぞれ前記第1および第2の細長いレールの前記凹状領域と同一平面上に位置すると共に、前記凹状領域に連続して且つ前記凹状領域から延びている、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  4. 前記キャビティ・ダム、前記溝床部、および前記凹状領域は、前記前方の支持面および前記後方の支持面に対して0.1ミクロンから0.5ミクロンだけ凹んでおり、前記亜大気圧キャビティは前記前方の支持面および前記後方の支持面に対して1ミクロンから3ミクロンだけ凹んでいる、請求項3に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  5. 前記亜大気圧キャビティは、前記第1および第2のレールの前記内側の縁部が前記前方の支持面、前記凹状領域、および前記後方の支持面に沿って延びるときに、前記キャビティ・ダムと前記第1および第2のレールの前記内側の縁部とによって形成される形状を有している、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  6. 前方のスライダ縁部と、後方のスライダ縁部と、前記前方のスライダ縁部から前記後方のスライダ縁部まで測定された長さとをさらに備えており、
    前記非拡散溝の側壁は、互いに溝幅だけ間隔を置いて配置されており、
    前記それぞれの後方の支持面の局部領域は、前記スライダ長さに沿って測定された、少なくとも前記溝幅と同じである領域長さを有している、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  7. 前記第1および第2のレールの前記前方の支持面および前記後方の支持面の各々から突き出る少なくとも1つの凸状のパッドをさらに備えている、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  8. 前方のスライダ縁部と、
    後方のスライダ縁部と、
    前記第1のレールと前記第2のレールとの間に位置しており、亜大気圧キャビティの後方に位置する第1のセンター・レールの支持面と、第1のセンター・レールの支持面内に凹状に形成された第3の溝とを備えると共に、前記亜大気圧キャビティからの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、前記流体流に対して閉鎖されており前記第1のセンター・レールの支持面の局部領域の前方に位置する非拡散溝側壁とを備えるセンター・レールとをさらに備えており、
    前記第1および第2のレールが、前記後方のスライダ縁部に達する前に終わっている、請求項1に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  9. 前記センター・レールは、前記キャビティ・ダムから、前記スライダ本体の、前記第1および第2のレールの前記後方の支持面を越えた位置まで延びており、それによって前記亜大気圧キャビティが2つの部分に分割され、前記センター・レールは、前記亜大気圧キャビティに対して凸状に形成され、かつ前記第1のセンター・レールの支持面に対して凹んでおり、前記第3の溝から前方に延びる前方の段状面をさらに備えている、請求項8に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  10. 前記センター・レールは、少なくとも部分的に前記キャビティ・ダム内に形成され、前記第1のセンター・レールの支持面と同一平面上に位置する第2のセンター・レールの支持面をさらに備えており、前記前方の段状面は、前記第2のセンター・レールの支持面の後縁部から前記第1のセンター・レールの支持面の前縁部まで延びている、請求項9に記載のディスク・ヘッド・スライダ。
  11. ディスク・ドライブ・アセンブリであって、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内の中心軸の周りで回転することができ、テクスチャ加工されていないデータ領域およびランディング領域を有する記録面を備えているディスクと、
    前記ハウジング内に取り付けられたアクチュエータと、
    前記アクチュエータによって前記記録面の上方に支持されるスライダとを備えており、前記スライダは、
    キャビティ・ダムと、
    前記キャビティ・ダムの後方に位置し、キャビティ・フロアを有する亜大気圧キャビティと、
    前記亜大気圧キャビティの周りに配設されており、各レールが、内側のレール縁部から外側のレール縁部まで測定されたレール幅と、前方の支持面と、後方の支持面と、前記前方の支持面と前記後方の支持面との間に延びる凹状領域とを有しており、凹状領域が、前記レール幅にわたって、前記支持面に対して凹み、前記キャビティ・フロアに対して凸状に形成されている第1および第2の細長いレールと、
    それぞれ前記第1および第2のレールの前記後方の支持面に設けられており、各溝が、前記それぞれの凹状領域からの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、前記流体流に対して閉鎖されており、前記それぞれの後方の支持面の局部領域の前方に位置する後方の溝端部とを有する第1および第2の溝とを備えているディスク・ドライブ・アセンブリ。
  12. 前記スライダは、
    前方のスライダ縁部と、
    後方のスライダ縁部と、
    前記前方のスライダ縁部から前記後方のスライダ縁部まで測定された長さと、
    前記前方のスライダ縁部と前記後方のスライダ縁部との間にピークを有する、前記スライダ長さに沿った前記支持面における正の頂部曲率とをさらに備えており、
    前記第1および第2のレールの前記凹状領域は、前記スライダ長さに沿って前記ピークに位置している、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  13. 前記第1および第2の溝はそれぞれ、溝床部を備えており、前記溝床部は、それぞれ前記第1および第2のレールの前記凹状領域と同一平面上に位置すると共に、前記凹状領域に連続している、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  14. 前記キャビティ・ダム、前記溝床部、および前記凹状領域は、前記前方の支持面および前記後方の支持面に対して0.1ミクロンから0.5ミクロンだけ凹んでおり、前記亜大気圧キャビティは前記前方の支持面および前記後方の支持面に対して1ミクロンから3ミクロンだけ凹んでいる、請求項13に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  15. 前記亜大気圧キャビティは、前記第1および第2のレールの前記内側の縁部が前記前方の支持面、前記凹状領域、および前記後方の支持面に沿って延びるときに、前記キャビティ・ダムと前記第1および第2のレールの前記内側の縁部とによって形成される形状を有している、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  16. 前記スライダは、前方のスライダ縁部と、後方のスライダ縁部と、前記前方のスライダ縁部から前記後方のスライダ縁部まで測定された長さとをさらに備えており、
    前記非拡散溝の側壁は、互いに溝幅だけ間隔を置いて配置されており、
    前記それぞれの後方の支持面の局部領域は、前記スライダ長さに沿って測定された、少なくとも前記溝幅と同じである領域長さを有している、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  17. 前記スライダは、前記第1および第2のレールの前記前方の支持面および前記後方の支持面の各々から突き出る少なくとも1つの凸状のパッドをさらに備えている、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
  18. 前記スライダは、
    前方のスライダ縁部と、
    後方のスライダ縁部と、
    前記第1のレールと前記第2のレールとの間に位置し、前記後方のスライダ縁部に位置するセンター・レールであって、センターの支持面と、前記センターの支持面内に凹状に形成された第3の溝とを備えると共に、前記亜大気圧キャビティからの流体流に対して開放された前方の溝端部と、非拡散溝側壁と、前記流体流に対して閉鎖されており前記センターの支持面の局部領域の前方に位置する非拡散溝側壁とを備えるセンター・レールとをさらに備えており、
    前記第1および第2のレールが、前記後方のスライダ縁部に達する前に終わっている、請求項11に記載のディスク・ドライブ・アセンブリ。
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