JP3785012B2 - 感光性高誘電体組成物、その組成物からなる感光性高誘電体膜のパターン形成方法、及びその組成物を用いて製造したコンデンサ内蔵型多層回路基板 - Google Patents

感光性高誘電体組成物、その組成物からなる感光性高誘電体膜のパターン形成方法、及びその組成物を用いて製造したコンデンサ内蔵型多層回路基板 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容量が大きく且つ欠陥の少ない薄膜コンデンサを形成するのに適した感光性高誘電体組成物に関する。さらに、本発明は、このような組成物からなる感光性高誘電体膜のパターン形成方法、及びその組成物を用いて製造したコンデンサ内蔵型多層回路基板にも関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器に対する小型化、薄型化、高密度化の要請に応えるために、コンデンサの誘電体として樹脂成分に誘電体粉末を添加してなる高誘電体組成物が開発されている。例えば、特開昭55−148308号公報には、セラミック質の誘電体粉末を熱可塑性樹脂に添加してなる高誘電体組成物が開示されており、これを用いて形成されたコンデンサが実施例として挙げられている。また、特開平10−97950号公報及び特開平10−97951号公報には、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂にBaTiO3 、TiO2 、SrTiO3 、CaTiO3 などの誘電体粉末を添加してなるペースト(高誘電体組成物)を回路基板上の電極に印刷塗布して高誘電体膜を形成し、研磨、加圧、加熱などの所定の処理をこの高誘電体膜に施した後に、当該高誘電体膜上に上記回路基板上の電極と対極となる電極を形成して、回路基板上にてコンデンサを作成することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載の高誘電体組成物は、いずれも感光性を有していないため、その組成物からなる高誘電体膜を直接露光・現像して所望の形状にパターン化することができず、加工性の点で問題がある。また、特開昭55−148308号公報に開示された高誘電体組成物は熱可塑性樹脂を用いているため耐熱性の点で問題がある。さらに、特開平10−97950号公報及び特開平10−97951号公報に開示された高誘電体組成物は熱硬化性樹脂を用いるために耐熱性の問題はないが、これら各公報の構成では、別途用意された回路基板に上記高誘電体組成物を用いてコンデンサを後付け的に形成するものであるため、最終的な回路に至るまでには、コンデンサを形成する工程に加えて、その他の回路素子を後に実装しなければならず、作業がその分煩わしく時間のかかるものとなる。
【0004】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、容量が大きく且つ欠陥の少ない薄膜コンデンサを形成するのに適し、しかも直接的な露光・現像により容易に微細なパターン化ができる感光性高誘電体組成物を提供することを第1の課題としている。
【0005】
本発明の第2の課題は、このような感光性高誘電体組成物からなる感光性高誘電体膜のパターン形成方法を提供することにある。
【0006】
本発明の第3の課題は、上記のような感光性高誘電体組成物を用いて製造したコンデンサ内蔵型多層回路基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な感光性高誘電体材料について検討した結果、ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド樹脂に感光性を有する有機材料と高誘電体である無機フィラーをブレンドすることにより、10以上の高い誘電率を有し、且つ、通常のフォトプロセスでパターン化が可能であることからセラミックス等の誘電体材料に比べて加工性に優れた感光性高誘電体組成物を提供できることを見いだして、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1の側面によれば、下記式1に示される構造を有するポリイミド前駆体と、このポリイミド前駆体を溶解させるための有機溶媒と、重合性不飽和二重結合を少なくとも2つ有するアクリル系モノマ又はオリゴマと、このアクリル系モノマ又はオリゴマの光反応による重合を起こさせるための光反応開始剤と、誘電体粉末としてのペロブスカイト型構造の金属酸化物粉末と、を含み、下記式1において、R1は、ブタンテトライル、ペンタンテトライル、ヘキサンテトライル、シクロブタンテトライル、シクロペンタンテトライル、シクロヘキサンテトライル、ビシクロヘキセンテトライルからなる群より選択される4価の脂肪族基又は脂環族基(低級アルキル基で置換されている場合も含む)であり、R2は2価の芳香族基、脂肪族基、脂環族基又はオルガノシロキサン基であることを特徴とする、感光性高誘電体組成物が提供される。
【化1】
Figure 0003785012
【0009】
以上の構成によれば、ポリイミド前駆体の熱硬化によって生じるポリイミド樹脂は優れた耐熱性及び機械的特性を有しているため、上記組成物は多層回路基板(ビルドアップ多層回路基板)の絶縁膜(高誘電体膜)を形成するのに適したものである。また、アクリル系モノマ又はオリゴマは感光性を付与するためのものであり、上記組成物によって形成される高誘電体膜が通常のフォトプロセスによって容易にパターン化できるため、上記組成物を多層回路基板の絶縁膜を形成するのに用いた場合において、その絶縁膜にフォトプロセスによってビアホールを都合よく形成することが可能となる。さらに、誘電体粉末としてのペロブスカイト型構造の金属酸化物粉末はこのような多層回路基板における絶縁膜の誘電率を高めることができるため、その絶縁膜の所定部分を挟むように1対の電極を形成することにより、コンデンサを多層回路基板自体に内蔵させることができるのである。
【0010】
本発明の第2の側面によれば、上記感光性高誘電体組成物からなる感光性高誘電体膜のパターン形成方法が提供される。すなわち、このパターン形成方法は、上記感光性高誘電体組成物を基板に塗布して高誘電体膜を形成し、この高誘電体膜のうちの選択領域に紫外線を照射して上記アクリル系モノマ又はオリゴマを重合させてアクリル系ポリマとし、次いで上記高誘電体膜のうちの上記選択領域以外の領域における上記ポリイミド前駆体、及び未重合の上記アクリル系モノマ又はオリゴマを現像液により上記誘電体粉末とともに溶解除去し、さらに熱処理を行って、上記有機溶媒及び現像液を蒸発除去し、上記ポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換する、各工程を含み、これにより残存する高誘電体膜中にポリイミド樹脂、アクリル系ポリマ及び誘電体粉末を共存させることを特徴とする。
【0011】
以上のパターン形成方法によれば、パターン形成後に残存する高誘電体膜中にはポリイミド樹脂、アクリル系ポリマ及び金属酸化物粉末が共存する。従って、感光性高誘電体組成物中のポリイミド前駆体、及びアクリル系モノマ又はオリゴマが消失することなく、これらがポリマとして残存するため、いわゆる「膜減り」(膜の肉厚減少)の程度が小さくなり、多層回路基板の絶縁膜を構成するのに適している。
【0012】
さらに、本発明の第3の側面によれば、感光性高誘電体組成物を用いて製造したコンデンサ内蔵型多層回路基板が提供される。すなわち、本発明の第3の側面によるコンデンサ内蔵型多層回路基板は、基板と、この基板の表面に形成された第1の導体パターンと、この第1の導体パターンを覆うように上記基板の表面に形成された絶縁膜と、この絶縁膜の表面に形成された第2の導体パターンと、を少なくとも含み、上記第1の導体パターンと第2の導体パターンとが上記絶縁膜に形成されたビアホールを介して電気的に接続された構成において、上記絶縁膜は、上記第1の側面による感光性高誘電体組成物から誘導形成されたものであり、上記第1の導体パターンと第2の導体パターンとが上記絶縁膜を挟んで対面する少なくとも1対の電極を備えることによりコンデンサを構成していることを特徴とする。
【0013】
以上の構成によれば、多層回路基板自体が既に受動素子としてのコンデンサを内蔵している。従って、多層回路基板中に予め所定容量のコンデンサを所定のプリント配線とともに造り込んでおけば、コンデンサを後付けする必要がなく、多層回路基板への電子部品の実装作業を簡略化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はその実施形態に限定されるものではない。
【0015】
本発明の感光性高誘電体組成物には、ポリイミド前駆体が含まれている。なお、ポリイミド前駆体は、最終的には熱硬化によりポリイミド樹脂とされるが、上記組成物ではポリイミド樹脂がポリイミド前駆体として含有されるのは、ポリイミド樹脂が有機溶媒に対して殆ど溶解しないからである。
【0016】
上記組成物に含まれるポリイミド前駆体は、下記一般式1で示される構造を有している。
【0017】
【化1】
Figure 0003785012
【0018】
上記式1中、R1は4価の脂肪族基又は脂環族基であり、R2は2価の芳香族基、脂肪族基、脂環族基又はオルガノシロキサン基である。上記R1を構成する4価の脂肪族基としては、ブタンテトライル、ペンタンテトライル、ヘキサンテトライル等が例示でき、4価の脂環族基としては、シクロブタンテトライル、シクロペンタンテトライル、シクロヘキサンテトライル、ビシクロヘキセンテトライル等が例示でき、R1はメチル基等の低級アルキル基で置換されていてもよい。
【0019】
上記式1中のR2を構成する2価の芳香族基としては、フェニレン、ビフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルケトンジイル等が例示される。また、上記R2を構成する2価の脂肪族基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等が例示される。さらに、上記R2を構成する2価の脂環族基としては、シクロブタンジイル、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル等が例示される。さらにまた、上記R2を構成する2価のオルガノシロキサン基としては、ジシロキサンジイル、トリシロキサンジイル等の直鎖状シロキサン、シクロトリシロキサンジイル、シクロテトラシロキサンジイル等の環状シロキサンが例示される。なお、上記R2は所望の置換基で置換されていてもよい。
【0020】
上記式1で示されるポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸又はその無水物とジアミンとの縮合により合成される。ここで、テトラカルボン酸としては、ブタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸等が例示される。これらテトラカルボン酸の無水物は、一無水物でも二無水物でもよい。
【0021】
一方、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)ヘキサフロロプロパン等の芳香族ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン等の脂環族ジアミン等が例示される。
【0022】
ポリイミド前駆体を溶解するための有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドのような塩基性極性溶媒が有効である。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明で用いられるアクリル系モノマ又はオリゴマは感光性を付与するためのものであり、そのためには重合性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能アクリレートモノマ又はオリゴマが有効である。また、アクリル系モノマ又はオリゴマが光反応により重合して生成されるアクリル系ポリマの耐熱性が高いものであるのが、高誘電体膜自体の耐熱性を高く維持する上で好ましい。具体的には、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、シリコーンアクリレート系等のモノマ又はオリゴマが有効である。さらに詳しくいうと、イソシアヌール酸骨格の多官能アクリレートモノマ(例えばトリス ( アクリロイルオキシエチル ) イソシアヌレート)や、枝状の多官能アクリレートモノマ(例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)が有効である。また、ビスフェノールA−ジエポキシ─アクリル酸付加物や、下記式4に示される構造を有する多官能アクリレート系モノマ又はオリゴマも有効である。
【0024】
【化2】
Figure 0003785012
【0025】
上記式2において、Aはアクリル酸(CH 2 =CHCOOH)又はその誘導体(例えばメタクリル酸(CH 2 =CCH 3 CHCOOH)を表し、Bは2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールやペンタエリトリトール等の多価アルコールを表し、Cは3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸や4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の多塩基酸を表し、nは1〜5の整数を表す。
【0026】
以上のアクリル系モノマ又はオリゴマは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、このアクリル系モノマ又はオリゴマは上記ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド樹脂100重量部に対して30〜300重量部含まれているのが好ましい。上記アクリル系モノマ又はオリゴマが上記ポリイミド前駆体100重量部に対して30重量部よりも少ない場合には、上記組成物から得られる高誘電体膜のフォトプロセスによるパターン化が困難になり、300重量部よりも多い場合には、高誘電体膜の膜質が悪くなる。
【0027】
アクリル系モノマ又はオリゴマを光重合させるための感度の良い光反応開始剤としては、α−アミノアルキルフェノン又はその誘導体、ベンゾインエーテル又はその誘導体、ケ タール又はその誘導体、アセトフェノン又はその誘導体、ベンゾフェノン又はその誘導体、チオキサントン又はその誘導体、有機過酸化物、N−フェニルグリシン、トリアジン系化合物、アレーン鉄錯体、イミダゾール二量体などが良好である。これらの光反応開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
上記α─アミノアルキルフェノン系の光反応開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1や、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパンプロパノン−1や、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノン等が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系の反応開始剤としては、イソプロピルベンゾインエーテルや、イソブチルベンゾインエーテル等が挙げられる。上記ケタール系の反応開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。上記アセトフェノン系の反応開始剤としては、アセトフェノンや、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン等が挙げられる。上記ベンゾフェノン系の反応開始剤としては、ベンゾフェノンや、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。上記チオキサントン系の反応開始剤としては、2−メチルチオキサントン等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイドや、パーオキシケタールや、ジアルキルパーオキサイドや、パーオキシエステル等が挙げられる。上記トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンや、2,4−ビス ( トリクロロメチル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン等のように、1,3,5−トリアジン構造と少なくとも1個のトリクロロメチル基を分子中に有する化合物が有効である。上記アレーン鉄錯体としては、 ( η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄 (II )ヘキサフルオロホスフェイトや、
( η6−ピレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄 (II) ヘキサフルオロアンチモネイト等が挙げられる。上記イミダゾール二量体としては、2,3’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。
【0029】
光反応開始剤の混合量は、アクリル系モノマ(あるいはアクリル系オリゴマ)100重量部に対して3〜30重量部、特に5〜20重量部が好ましい。混合量が3重量部より少ない場合は、感光性が低下して、高誘電体膜のパターン化が困難となる。混合量が30重量部より多い場合は、ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド樹脂やアクリル系モノマ又はオリゴマとの相溶性や絶縁膜の膜質が低下する。
【0030】
また、上記誘電体粉末は上記ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド樹脂100重量部に対して100〜800重量部含まれているのが好ましい。上記誘電体粉末が上記ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド樹脂100重量部に対して100重量部よりも少ない場合には、上記組成物より得られる高誘電体膜の誘電率が低くなってコンデンサを構成するのに適さなくなり、800重量部よりも多い場合には、高誘電体膜の膜質が悪くなる。
【0031】
上記誘電体粉末はチタン酸バリウム(BaTiO 3 )、チタン酸カルシウム(CaTiO 3 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )などのペロブスカイト型構造の金属酸化物粉末であるのが好ましく、これらの金属酸化物粉末は単独でも組合わせても使用できる。但し、その他の公知の誘電体粉末も用いることができるのはいうまでもない。また、上記誘電体粉末の平均粒径は0.1〜3μmであるのが好ましい。誘電体粉末の粒径が3μmよりも大きくなると、上記組成物から得られる高誘電体膜の表面に凹凸ができ易くなり、膜質が悪化する。
【0032】
さらに必要に応じて、上記光反応開始剤と共に、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラアミン、3−メルカプト−4−メチル−4 H−1,2,4−トリアゾール、ケトクマリン系色素、クマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、チオピリリウム塩系色素等の増感剤を使用して、アクリル系モノマ又はオリゴマの光反応による重合を促進することができる。この場合、これらの増感剤は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
次に、本発明の感光性高誘電体組成物からなる高誘電体膜のパターン形成方法の一例について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、感光性高誘電体組成物からなる高誘電体膜を絶縁膜として含む多層回路基板を示す断面図であり、図2は、高誘電体膜のパターン化に用いるガラスマスクを示す斜視図である。
【0034】
まず、図1に示すように、ポリイミド前駆体、有機溶媒、重合性不飽和二重結合を少なくとも2つ有するアクリル系モノマ又はオリゴマ、光反応開始剤を含んだ感光性高誘電体組成物を公知のスピンコート、ロールコート、カーテンコート又はスクリーン印刷などの塗布方法で基板1に塗布して、感光性高誘電体膜3を均一に形成する。基板1の表面には、予め第1の導体パターン2(回路パターン)が形成されており、この導体パターン2は、少なくとも1つの電極2aと少なくとも1つの接続パッド2bとを含んでいる。なお、図示はされていないが、第1の導体パターン2は、電極2aや接続パッド2bに接続された配線パターンも含んでいる。
【0035】
上記感光性高誘電体膜3の塗布後、この基板を80〜150℃の温度でプリベークして感光性高誘電体膜3に含まれる有機溶媒をある程度まで乾燥除去させる。その後、図2に示すように、ガラスマスク5(フィルムマスクでもよい)を通して基板1上の感光性高誘電体膜3に紫外線を照射し、マスク5に形成されているパターンを基板1上の感光性高誘電体膜3に転写する。例えば、ビアホール3aを形成するには、マスク5のパターンは微細な円形の不透過部5aを含み、この不透過部5aにだけ紫外線が当たらないことになる。従って、感光性高誘電体膜3は、円形の不透過部5a以外の領域で光反応によるアクリル系モノマ又はオリゴマの重合が起こり、硬化することになる。
【0036】
転写後(露光後)に適当な現像液を用いて、感光性高誘電体膜3を現像し、次いで適当なリンス液でリンスを行う。この結果、光の照射を受けなかった微細な円形の領域部分の樹脂成分が現像液に溶解して、誘電体粉末とともに除去されることによりビアホール3aが形成される。
【0037】
現像に用いる現像液としては、ポリイミドワニスの溶媒として用いられる極性有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを用いることができる。また、テトラメチルアンモニウムハイドライドや水酸化ナトリウムを水に溶解させたアルカリ水溶液を用いることもできる。また、リンス液としては、ポリイミド前駆体を溶解させない水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)を用いることができる。
【0038】
次いで、現像及びリンス後に膜中に残存する有機溶媒、現像液及びリンス液を除去し、高誘電体膜3中に残存するポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換するために加熱処理をする。加熱温度は、基板を構成する材料に熱的劣化を起こさせない範囲であれば良い。
【0039】
具体的には、ポリイミド前駆体を用いる場合には200〜350℃が好ましい。この温度範囲より低いとポリイミドのイミド化が充分でなく、高いと重合したアクリル系ポリマが熱分解してしまう可能性がある。
【0040】
以上の方法によりパターン化された高誘電体膜3において、ポリイミド樹脂(ポリイミ ド前駆体が重合して硬化することにより形成される)、図1において符号30aで示すように、マトリックス(海)となり、そのマトリックス中にアクリル系ポリマ30b(アクリル系モノマ又はオリゴマが重合したもので、白丸で表す)と誘電体粉末30c(黒丸で表す)とが島状に分散した形態となる。
【0041】
次に、以上のようにパターン化された高誘電体膜3上に金属膜(例えばアルミニウム膜)を公知の方法で蒸着し、公知の方法でエッチングすることにより第2の導体パターン4を形成する。この第2の導体パターン4は、上記第1の導体パターン2の電極2aと対極をなす少なくとも1つの電極4aと、上記ビアホール3aに進入して、上記第1の導体パターン2の接続パッド2bに導通する少なくとも1つのビアホール導体部4bと、を含んでいる。また、図示はされていないが、第2の導体パターン4は、電極4aやビアホール導体部4bに接続された配線パターンも含んでいる。
【0042】
以上の方法により、多層回路基板(図1)が形成される。パターン化された高誘電体膜3は、誘電体粉末30cを含むことにより高い誘電率を有しているため、対をなす2つの電極2a,2bに挟まれた部分はコンデンサとして機能する。しかも、このコンデンサは多層回路基板を製造する一連の工程にて同時に造り込まれているため、誘電体粉末30cを添加する以外には製造上の工夫や手間は何ら生じることはなく、後に受動素子としてのコンデンサを実装する必要もない。また、高誘電体膜3は同時に絶縁膜でもあるため、その表面に第2の導体パターン4を形成して、回路パターンを多層(立体的)に形成して、単位面積当たりの実装密度を飛躍的に高めることができる。
【0043】
なお、図1の実施形態では、基板1の一方の表面に高誘電体膜3を1層だけ形成しているが、高誘電体膜を2層以上に形成してさらに導体パターンも形成して、実装密度を増加させてもよいのはいうまでもない。また、基板1の一方の表面のみならず、他方の表面にも同様の多層構造をビルドアップしてもよい。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
【0045】
〔実施例1〕
下記の物質を以下の割合で混合して、感光性高誘電体組成物を調製した。
【0046】
ポリイミド前駆体:
樹脂分が14.5重量%で、残部が有機溶媒のN−メチル−2−ピロリドンであるポリイミド前駆体ワニス(商品名:PIX−1400;日立化成社製)・・・50.0g
アクリル系オリゴマ:
下記式5に示す構造を有するアクリル系オリゴマ ・・・10.0g
【化3】
Figure 0003785012
上記式3において、Aはアクリル酸を表し、Bは2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを表し、Cは3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又は4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸を表しており、nは1〜5である。
光反応開始剤:
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1, 2’−ビイミダゾール ・・・1.00g
無機誘電体粉末:
BaO−Nd 2 3 −TiO 2 系酸化物(平均粒径1〜3μm) ・・・30.0g
増感剤:
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール・・・0.50g
【0047】
上記感光性高誘電体組成物を、前処理を施した直径3インチ(76.2mm)のSiウエハ上にスピンコートして、115℃で1時間プリベークした。プリベーク後の高誘電体膜の膜厚は20μmであった。この積層Siウエハの高誘電体膜上に、最小ライン幅(L)/スペース幅(S)がL/S=30/30μmまであるライン・スペースパターンが形成されているネガ型ガラスマスクを設置し、紫外線(波長365nm)を700mJ/cm 2 照射した。次に、N−メチル−2−ピロリドン液でSiウエハ上の高誘電体膜を超音波現像し、その後、エチルアルコールでリンスした。次に、残存している溶媒、現像液及びリンス液等を蒸発除去させるとともに、残存しているポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換するため、300℃で30分間の熱処理(キュア)を行った。その結果、膜厚が16μmでL/S=100/100μmのパターンまで形成できているのを確認した。
【0048】
〔実施例2〕
上記実施例1における直径3インチのSiウエハをガラス基板に変更し、ネガ型のガラスマスクをパターンの無いガラスマスクに変更した以外は実施例1と同様に高誘電体膜を形成した。ガラス基板の表面には、予め下地として0.1μmのCr層と電極層として0.3μmのAu層との2層からなる誘電率測定用電極が形成されている。高誘電体膜のキュア(熱処理硬化)後に、その表面にAl膜をスパッタリングにより形成し、上記誘電率測定用電極と対極をなす電極として、誘電率測定用のコンデンサを構成した。なお、パターンの無いガラスマスクを用いたのは、本実施例ではコンデンサを構成して誘電率等の測定のみを行うため高誘電体膜のパターン化を行わないが、実際の使用時にはパターンのあるガラスマスクを用いて露光が行われるため、露光条件を同じにするためにパターンの無いガラスマスクを使用しているのである(光を透過するガラスマスクといえど、光の一部は反射等を受けるために、直接露光とは露光条件が異なる)。
【0049】
次いで、測定試料としての上記コンデンサについて、LCRメータ(インダクタンスL、キャパシタンスC及び抵抗Rを測定できる器具;商品名:HP−4284A;ヒューレットパッカード社製)を用いて周波数1MHzでの誘電率と誘電損失とを測定した。この結果、誘電率は12で、誘電損失は0.05であった。
【0050】
〔実施例3〕
下記の物質を以下の割合で混合して、感光性耐熱樹脂組成物を調製した。
【0051】
ポリイミド前駆体:
実施例1と同じポリイミド前駆体ワニス ・・・50.0g
アクリル系モノマ:
ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物 ・・・8.00g
トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・4.00g
光反応開始剤:
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1.00g
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン ・・・0.50g
無機誘電体粉末:
SrTiO 3 (平均粒径1μm以下) ・・・40.0g
【0052】
上記感光性高誘電体組成物を、前処理を施した直径3インチ(76.2mm)のSiウエハ上にスピンコートして、115℃で1時間プリベークした。プリベーク後の高誘電体膜の膜厚は25μmであった。この積層Siウエハの高誘電体膜上に、最小ライン幅(L)/スペース幅(S)がL/S=30/30μmまであるライン・スペースパターンが形成されているネガ型ガラスマスクを設置し、紫外線(波長365nm)を700mJ/cm 2 照射した。次に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液とイソプロピルアルコールの混合液でSiウエハ上の高誘電体膜を超音波現像し、その後、水でリンスした。次に、残存している溶媒、現像液及びリンス液等を蒸発除去させるとともに、残存しているポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換するため、300℃で60分間の熱処理(キュア)を行った。その結果、膜厚が20μmでL/S=120/120μmのパターンまで形成できているのを確認した。
【0053】
〔実施例4〕
上記実施例3における直径3インチのSiウエハをガラス基板に変更し、ネガ型のガラスマスクをパターンの無いガラスマスクに変更した以外は実施例3と同様に高誘電体膜を形成した。ガラス基板の表面には、予め下地として0.1μmのCr層と電極層として0.3μmのAu層との2層からなる誘電率測定用電極が形成されている。高誘電体膜のキュア(熱処理硬化)後に、その表面にAl膜をスパッタリングにより形成し、上記誘電率測定用電極と対極をなす電極として、誘電率測定用のコンデンサを構成した。
【0054】
次いで、測定試料としての上記コンデンサについて、LCRメータ(実施例2と同じもの)を用いて周波数1MHzでの誘電率と誘電損失とを測定した。この結果、誘電率は20で、誘電損失は0.03であった。
【0055】
〔実施例5〕
下記の物質を以下の割合で混合して、感光性耐熱樹脂組成物を調製した。
【0056】
ポリイミド前駆体:
樹脂分が17.5重量%であり、残部が有機溶媒のN−メチル−2−ピロリドンであるポリイミド前駆体ワニス(商品名:PIX−3400−8;日立化成社製) ・・・50.0g
アクリル系モノマ:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・7.00g
トリス ( アクリロイルオキシエチル ) イソシアヌレート ・・・7.00g
光反応開始剤:
3,3’、4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン−1 ・・・2.00g
無機誘電体粉末:
SrTiO 3 (平均粒径1μm以下) ・・・40.0g
BaO−Nd 2 3 −TiO 2 系酸化物(平均粒径1〜3μm) ・・・10.0g
【0057】
上記感光性高誘電体組成物を、前処理を施した直径3インチ(76.2mm)のSiウエハ上にスピンコートして、120℃で1時間プリベークした。プリベーク後の高誘電体膜の膜厚は25μmであった。この積層Siウエハの高誘電体膜上に、最小ライン幅(L)/スペース幅(S)がL/S=30/30μmまであるライン・スペースパターンが形成されているネガ型ガラスマスクを設置し、紫外線(波長365nm)を900mJ/cm 2 照射した。次に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液とイソプロピルアルコールの混合液でSiウエハ上の高誘電体膜を超音波現像し、その後、イソプロピルアルコールでリンスした。次に、残存している溶媒、現像液及びリンス液等を蒸発除去させるとともに、残存しているポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換するため、25 0℃で60分間の熱処理(キュア)を行った。その結果、膜厚が20μmでL/S=110/110μmのパターンまで形成できているのを確認した。
【0058】
〔実施例6〕
上記実施例5における直径3インチのSiウエハをガラス基板に変更し、ネガ型のガラスマスクをパターンの無いガラスマスクに変更した以外は実施例5と同様に高誘電体膜を形成した。ガラス基板の表面には、予め下地として0.1μmのCr層と電極層として0.3μmのAu層との2層からなる誘電率測定用電極が形成されている。高誘電体膜のキュア(熱処理硬化)後に、その表面にAl膜をスパッタリングにより形成し、上記誘電率測定用電極と対極をなす電極として、誘電率測定用のコンデンサを構成した。
【0059】
次いで、測定試料としての上記コンデンサについて、LCRメータ(実施例2と同じもの)を用いて周波数1MHzでの誘電率と誘電損失とを測定した。この結果、誘電率は23で、誘電損失は0.02であった。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明した実施例1,3,5より、本発明に係る感光性高誘電体組成物を用いて耐熱性や機械的特性等に優れた高誘電体膜を形成し、これを通常のフォトプロセスにより直接的に且つ微細にパターン化することができることが分かる。また、実施例2,4,6より、同組成物から得られる高誘電体膜は優れた誘電特性を有しており、コンデンサを構成するのに適していることが分かる。従って、本発明に係る感光性高誘電体組成物を多層回路基板における絶縁膜を構成するのに用いれば、予め回路基板自体に受動素子としてのコンデンサを都合よく内蔵させて、後にコンデンサを実装させる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 感光性高誘電体組成物からなる高誘電体膜を絶縁膜として含む多層回路基板を示す断面図である。
【図2】 高誘電体膜のパターン化に用いるガラスマスクを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 第1の導体パターン
2a 電極
2b 接続パッド
3 高誘電体膜(絶縁膜)
3a ビアホール
4 第2の導体パターン
4a 電極
4b ビアホール導体部
5 ガラスマスク
5a 不透過部

Claims (5)

  1. 下記式1で示される構造を有するポリイミド前駆体と、このポリイミド前駆体を溶解させるための有機溶媒と、重合性不飽和二重結合を少なくとも2つ有するアクリル系モノマ又はオリゴマと、このアクリル系モノマ又はオリゴマの光反応による重合を起こさせるための光反応開始剤と、誘電体粉末としてのペロブスカイト型構造の金属酸化物粉末と、を含み、下記式1において、R1は、ブタンテトライル、ペンタンテトライル、ヘキサンテトライル、シクロブタンテトライル、シクロペンタンテトライル、シクロヘキサンテトライル、ビシクロヘキセンテトライルからなる群より選択される4価の脂肪族基又は脂環族基(低級アルキル基で置換されている場合も含む)であり、R2は2価の芳香族基、脂肪族基、脂環族基又はオルガノシロキサン基であることを特徴とする、感光性高誘電体組成物。
    Figure 0003785012
  2. 上記アクリル系モノマ又はオリゴマは上記ポリイミド前駆体100重量部に対して30〜300重量部含まれており、上記金属酸化物粉末は上記ポリイミド前駆体100重量部に対して100〜800重量部含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の感光性高誘電体組成物。
  3. 上記金属酸化物粉末はチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムからなる群より選択され、その平均粒径は0.1〜3μmであることを特徴とする、請求項1に記載の感光性高誘電体組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性高誘電体組成物を基板に塗布して高誘電体膜を形成し、この高誘電体膜のうちの選択領域に紫外線を照射して上記アクリル系モノマ又はオリゴマを重合させてアクリル系ポリマとし、次いで上記高誘電体膜のうちの上記選択領域以外の領域における上記ポリイミド前駆体、及び未重合の上記アクリル系モノマ又はオリゴマを現像液により上記金属酸化物粉末とともに溶解除去し、さらに熱処理を行って上記有機溶媒及び現像液を蒸発除去し、上記ポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に変換する、各工程を含み、これにより残存する高誘電体膜中にポリイミド樹脂、アクリル系ポリマ及び金属酸化物粉末を共存させることを特徴とする、感光性高誘電体膜のパターン形成方法。
  5. 基板と、この基板の表面に形成された第1の導体パターンと、この第1の導体パターンを覆うように上記基板の表面に形成された絶縁膜と、この絶縁膜の表面に形成された第2の導体パターンと、を少なくとも含み、上記第1の導体パターンと第2の導体パターンとが上記絶縁膜に形成されたビアホールを介して電気的に接続された構成の多層回路基板において、上記絶縁膜は、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性高誘電体組成物から誘導形成されたものであり、上記第1の導体パターンと第2の導体パターンとが上記絶縁膜を挟んで対面する少なくとも1対の電極を備えることによりコンデンサを構成していることを特徴とする、コンデンサ内蔵型多層回路基板。
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