JP4826053B2 - 回路基板形成用転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品、回路部材、部品内蔵型基板やモジュールの製造に用いることができる転写シートに関するものである。
携帯電話やPDAなどの携帯型電子機器の小型化、高性能化進展のニーズに合わせ、これらを実現していくための実装の高密度化、信号処理速度の高速化の技術が研究開発されてきている。その一つに部品内蔵基板技術がある。部品内蔵基板を製造する技術としては、LTCC(Low temperature cofired ceramics)などのセラミックス配線基板を用いるものと、樹脂と銅箔やメッキ銅をラミネートした樹脂基板を用いるものがある。
セラミックス基板の場合は、アルミナがよく用いられており、この材料の特徴として誘電率が比較的大きく、誘電正接が小さいことから、小型・低損失が要求される高周波アナログ用の比較的高価な部材に用いられている。しかしながら、高温での焼成を必要とするため、高価な高温熱処理装置が必要となること、プロセス時間が長くなること、加工性が悪いことなどから低コスト化の進展が困難である。
樹脂基板の場合は、プロセス温度が低いこと、塗布、印刷、熱プレスなどの比較的簡単な製造プロセスを用いることができることから、低コスト化が進んでおり、多岐な用途で用いられている。従って、近年、高密度実装の一つとして樹脂ベースの部品内蔵基板についても研究・開発が盛んに行われている。
これまで部品内蔵基板の作製プロセスには、樹脂基板に代表される絶縁性の基板に導体回路パターンを転写する、いわゆる転写シートを用いる方法があり(特許文献1〜2参照)、また該方法で用いられる転写シートは、樹脂フィルム上にシリコーンゴム層からなる粘着層、回路パターンが形成されているものであった(特許文献1〜6参照)。
特開平10−173316号公報(特許請求の範囲) 特開平10−178255号公報(特許請求の範囲) 特開2003−23234号公報(特許請求の範囲) 特開2003−60329号公報(特許請求の範囲) 特開2003−86921号公報(特許請求の範囲) 特開2002−359455号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、前記の技術は、銅配線層の形成のみを転写シート上で行っているため、転写できるのは配線層のみであり、転写シート上の配線層と転写先にある非常に多くの配線や部品と接続する必要があり、特に高機能・高密度基板では位置合わせが部品・配線数が多くなるため非常に困難であった。
本発明は、転写シート上に導体だけでなく誘電体をも形成し、微細パターンが必要となる部分を転写シート上で加工してしまうことで、転写時の位置合わせの要求精度を低減し、安定して高密度部品内蔵基板やモジュールを製造できる転写シートを提供することができる。
すなわち本発明は、表面に、転写時に銅箔導体層との界面で剥離する樹脂層を設けた樹脂フィルム(ただし、溶解除去可能であるものを除く)上に、少なくとも1層の銅箔導体層と、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂から選ばれる樹脂と結晶構造がペロブスカイト型および/またはパイロクロア型である無機粒子を含有する少なくとも1層の誘電体層が積層されており、樹脂層がシリコーンゴム、フッ素樹脂、光硬化型樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を有することを特徴とする転写シートである。
本発明によれば、転写シート上に導体だけでなく誘電体をも形成したので、微細パターンが必要となる部分を転写シート上で加工でき、転写時の位置合わせの要求精度を低減し、安定して高密度部品内蔵基板やモジュールを製造できる。
本発明で用いられる樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、アラミドフィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、などのようなプラスチックフィルムないしはシート等が挙げられる。150℃以上のガラス転移点を有する樹脂フィルムは、回路材料樹脂として最も多用されている熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた硬化プロセスに適用することができる。この場合、汎用的に存在する既存設備での製造が可能になるため新たな設備投資が必要でなく、結果として低コスト化できるという利点があることから好ましい。またポリイミドフィルムの場合、ガラス点移転が高く、半導体チップや部品などの実装を行う半田・リフロー・プロセスにも対応できるため好ましい。
ここで、樹脂フィルムの厚みは特に限定されないが、好ましくは5μm以上400μm以下である。厚みが5μm未満の場合には、取り扱いが難しくなり、400μmより厚い場合は、生産性やコストの点で不利となりやすい。
本発明において、誘電体層に光硬化性樹脂が含まれていると誘電体層の硬化を光のみで行うことが可能になる場合があり、その場合、転写フィルム上に積層される他の材料に耐熱性が必要でなくなるため好ましい。
本発明では、樹脂層と樹脂フィルム間の接着力を大きくするために、樹脂フィルム上に樹脂層を形成する前に、樹脂フィルム表面の処理として、低温プラズマ処理やプライマー層を設けることを必要に応じて行っても良い。
ここで、低温プラズマ処理とは、大気圧または真空下において電極間に直流または交流の高電圧を印加することによって開始持続する放電に、被処理材(本発明では、樹脂フィルム表面)をさらすことによってなされる処理である。例えば、公知のコロナ処理、グロー放電処理が挙げられ、特に限定されるものではない。使用するガスの種類、処理圧力、印加電圧、電源周波数および処理速度などのプラズマ処理条件は、プラズマ処理装置や接着剤の種類など目的に応じて適切に選択するのがよい。
プライマー層としては、樹脂フィルムと樹脂層との接着力を向上させるものであればいかなるものでもよく、特に限定されるものではない。プライマー層は、樹脂フィルム表面をあらかじめ上記低温プラズマ処理したものに適用しても良い。
本発明の樹脂層はシリコーンゴム、フッ素樹脂、光硬化型樹脂から選ばれる少なくとも1種有するものである。樹脂層の膜厚としては、通常0.5〜100μm、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。シリコーンゴム層が薄すぎる場合には、金属箔との密着性の不均一の問題を生じることがあり、厚すぎる場合には生産性に問題を生じることがある。
樹脂層にシリコーンゴムを用いる場合は、1種以上のシリコーンゴムを層状に形成する。また縮合、付加反応によって得られるシリコーンゴムであれば、特に限定されない。縮合反応型シリコーンゴムを製造する方法としては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する分子量数千〜数十万の直鎖状有機ポリシロキサンを架橋剤により架橋して製造される。
Figure 0004826053
一般式(1)のnは2以上の整数を示す。R1、R2は炭素数1〜50の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは無置換のアリール基の群から選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましくは、R1、R2の全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化フェニルから選ばれたものであり、かつ、メチル基が全体の60%を越えるものである。ここで、架橋剤としては特に限定されないが、好ましくは下記一般式(2)に示されるものが好ましい。
Figure 0004826053
一般式(2)のqは0〜2の整数である。R3はアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた基を示し、それらはハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、チオール基などの官能基を置換基として有していてもよい。Zは、たとえば水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、グリシジル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基などを有するアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミドシランなどが好ましいものとして挙げられるが、これらに限定されない。またこのような縮合型シリコーンゴムに、錫、亜鉛、鉛、カルシウムあるいはマンガンなどの金属を含んだ化合物などを触媒として添加することもできる。
付加反応型シリコーンゴムを製造する方法としては、分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物と多価ハイドロジェンポリシロキサン化合物とを反応させる方法で製造される。ここで、分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物としては、α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが挙げられる。また、多価ハイドロジェンポリシロキサン化合物としては、α,ω−ジメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルポリメチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが挙げられる。このような付加型シリコーンゴムには、白金単体、塩化白金、オレフィン配位白金などを触媒として添加するのが好ましい。また前記一般式(2)に示される架橋剤を添加しても良い。
本発明では、縮合反応によって得られるシリコーンゴムと付加反応によって得られるシリコーンゴムをそれぞれ単独で用いても良いし、ブレンドして用いても良い。本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を添加しても良いが、好ましくは、樹脂層中におけるシリコーンゴムが90重量%以上であり、より好ましくは95重量%以上である。ここで、該その他の成分としては特に限定されず、熱可塑性や熱硬化性の各種樹脂、補強用や改質用の各種添加剤等を使用することができる。
シリコーンゴム層を形成する方法は特に限定されないが、好ましくは上記したシリコーンゴムを溶液状とし、あるいは溶液状のシリコーンゴムを製造し、樹脂フィルム状に塗布後、乾燥して、樹脂フィルム上にシリコーンゴム層を形成する方法が用いられる。
本発明に使用するシリコーンゴム層の不溶化率は70重量%以上が好ましく、さらに好ましくは80重量%以上である。シリコーンゴム層の不溶化率が70重量%未満の場合は銅箔をエッチングする際にエッチング液によりシリコーンゴム層が損傷を受けやすく、銅箔がシリコーンゴム層から脱落するという問題が発生する場合がある。
シリコーンゴム層の不溶化率は以下の方法で測定する。すなわち、厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上にシリコーンゴム溶液を塗布、130℃で3分間乾燥しシリコーンゴム層を作製する。不溶化率測定用として、アルミ板と共に、10cm×10cmに切り取りサンプルとする。まず、サンプルの初期重量(S)を測定する。次いで、測定溶媒として“アイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)を用い、浸漬温度30℃、浸漬時間300秒にて、上記サンプルを溶媒中に浸漬させ、浸漬後の重量(T)を測定する。アルミ板からシリコーンゴム層を剥離除去しアルミ板の重量(U)を測定し、次式により不溶化率(Y)を算出する。Y={(T−U)/(S−U)}×100。
本発明に使用するシリコーンゴム層の引張特性は、初期弾性率が50〜10000Pa、破断伸度が100%以上を満たすことが好ましい。初期弾性率が50Pa未満のときは、レジスト現像液に対する耐性が劣ることがある。また、初期弾性率が10000Paを越えるとき、破断伸度が100%未満のときは、導体層との接着が不十分となることがある。
ここで、シリコーンゴム層の引張特性は、JIS K6301にしたがって測定したものである。一例として、テフロン(登録商標)板にシリコーンゴム溶液を塗布し、乾燥した後、テフロン(登録商標)板よりシートを剥がし、得られた約300μmの厚さのシートから4号ダンベルでテストピースを作製した。該テストピースは、テンシロンRTM−100(オリエンテック(株)製)を用い、引張速度20cm/分で、JIS K6301にしたがって初期弾性率、破断伸度を測定した。
本発明では、樹脂層にフッ素樹脂を用いても良く、以下に記述する(A)、(B)の中の1種以上のフッ素樹脂を用いることができる。
(A)一般式(3)で示される構造を分子内に有するフッ素樹脂
Figure 0004826053
ここで、フッ素の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上である。フッ素樹脂中に含まれる官能基としては、付加重合性の不飽和二重結合およびエポキシ基が挙げられ、この不飽和二重結合およびエポキシ基はフッ素樹脂の側鎖または主鎖のいずれにあっても良いが、側鎖にあるのが好ましい。
上記の不飽和二重結合は、例えば(a)〜(e)のいずれかの方法によってフッ素樹脂に導入することができる。
(a)フッ素含有アクリル単量体とアリル(メタ)アクリレートとを共重合させる。
(b)フッ素樹脂が−OH、−COOH、−NH2、−NH−等の活性水素官能基を有する場合には、エポキシ基、イソシアネート基のような上記活性水素と反応しうる官能基および不飽和二重結合の両方を有する化合物、例えばグリシジルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートまたは2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを上記フッ素樹脂と反応させる。
(c)フッ素樹脂がエポキシ基、イソシアネート基等の活性水素と反応しうる官能基および不飽和二重結合の両方を有する場合には、−OH、−COOH、−NH2、−NH−等の活性水素官能基を有する化合物、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアミンを上記フッ素樹脂と反応させる。
(d)フッ素樹脂が一般式(4)から選ばれる基を含む場合には、−OH、−NH2と不飽和二重結合の両方を有する化合物、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアミンを上記フッ素樹脂と反応させる。
Figure 0004826053
(e)フッ素樹脂が−OHまたは−NH2を有する場合には、前記した一般式(4)から選ばれる基と不飽和二重結合の両方を有する化合物、例えば無水テトラヒドロフタル酸、アクリル酸、マレイン酸を上記フッ素樹脂と反応させる。また、エポキシ基はフッ素含有アクリル単量体とグリシジル(メタ)アクリレートを共重合させることによって導入できる。
(B)分子内に前記第(A)項で述べた構造単位を1種以上有し、かつ架橋されたフッ素樹脂
ここで、(B)のフッ素樹脂中に含まれる官能基としては特に限定されないが、たとえば−OH、−COOH、−NH2、−NCO、−NH−、エポキシ基等を挙げることができる。これらの官能基は、前記したフッ素を含有するモノマーの分子内に有していても、あるいはフッ素を含有しないモノマーの分子内に有していても良い。具体的には、以下に例示される(1)〜(6)の1種以上の樹脂が、(B)のフッ素樹脂として好ましく用いられる。
(1)パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアリルメタクリレートとの共重合樹脂。
(2)パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートをグリシジルメタクリレートと共重合させて得られた生成物に(メタ)アクリル酸を付加した樹脂。
(3)パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートを(メタ)アクリル酸と共重合させて得た生成物にグリシジルメタクリレートを付加した樹脂。
(4)パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと共重合させて得た生成物に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加した樹脂。
(5)パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートとアリルメタクリレートとの共重合樹脂。
(6)パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートを無水マレイン酸と共重合させて得た生成物に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを付加した樹脂。
本発明では、(A)のフッ素樹脂と(B)のフッ素樹脂をそれぞれ単独で用いても良いし、ブレンドして用いても良い。またフッ素樹脂層中のフッ素樹脂は互いに架橋していても、架橋していなくても良いが、架橋しているのが好ましい。また本発明に使用するフッ素樹脂層は、一般的な樹脂、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等と上記フッ素樹脂をブレンドして用いても良い。その際、ブレンドするフッ素樹脂量は10重量%以上が好ましい。
本発明に使用するフッ素樹脂には、上記成分の他に、架橋反応の触媒、例えばラウリン酸ジブチル錫等の有機錫化合物、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルメチルアミンなどの四級あるいは三級アミン化合物等を少量含有させることができる。さらに、光重合反応を起こさせるための光重合開始剤、例えばベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、ミヒラー氏ケトン等のベンゾフェノン誘導体、2−クロルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−クロルアントラキノン等のアントラキノン誘導体、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体等を含有させることができる。
本発明で用いられる光硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン系、SBS或いはSIS系、イソプレン系、クロロプレン系、アクリルブタジエン系等のエラストマー重合体や、天然ゴム、再生ゴム等に、必要に応じてポリテルペン樹脂、ガムロジン、ロジンエステルまたはロジン誘導体、油溶性フェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着付与剤を配合した組成から成るものが使用され、これらは溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型等、何れのタイプのものであってもよい。
本発明で用いられる導体層材料は、一般に回路形成用に用いられるものであれば特に制限無く使用することができる。好適に用いられるものとしては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ステンレスなどの金属箔、メッキ金属層、導電性ペーストなどが挙げられる。この中で特に好ましい金属は、銅または銅を含む合金である。銅箔の場合、公知の配線基板用の圧延箔、電解箔などが好ましく用いられる。
ここで、導体層の厚みは、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは1〜30μm、特に好ましくは1〜20μmである。厚みが1μm未満では導体抵抗が大きくなることがあり、厚みが50μmを超える場合には樹脂層の導体層保持力が不安定になり回路パターン作製のエッチング時に導体層が脱落することがある。
本発明において、樹脂層と導体層との接着力は0.2〜200g/10mmが好ましく、より好ましくは1〜150g/10mmの接着力で粘着保持されていることである。接着力が0.2g/10mm未満では、本発明の転写シートの製造中に両層が剥離することがあり、200g/10mmを越えると、後の工程でシリコーンゴム層を剥離する際に剥離異常を起こす可能性がある。なお、ここで言う接着力とは、180度ピール強度のことである。
導体層は、公知のフォトリソグラフィー法や印刷法などによって所定の回路パターンを形成することができる。フォトリソグラフィー法ではフォトレジストはネガ型でもポジ型いずれでも使用できる。
例えば、ポジ型のフォトレジストを使用し金属箔に回路を形成する例を下記に説明する。該金属箔の全面にフォトレジストを塗布し、所定のマスクを介して露光をする。この露光工程で用いられる光源は、紫外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプあるいは蛍光灯などを用いることができる。次いで、自動現像装置を用いるかあるいは手動の現像を行なうことによって、露光部のフォトレジスト層を除去する。回路として残った金属箔の上には、フォトレジストが残るが、後述する絶縁基板の特性や密着性に問題がない限り、例えば絶縁基板の構成素材と同じ組成のレジストを用いた場合などには残存するレジストを除去しなくても良い。残存するレジストを除去する場合には、レジスト剥離液で剥離後に、適当なリンス液で洗浄し、乾燥する。
本発明に用いられる誘電体層材料としては特に制限はない。設ける誘電体層の目的に応じて、誘電率、誘電正接などの誘電特性が目的に合致しているものを選択すればよい。
誘電体層をキャパシタの層間絶縁材料として利用する場合は、大きい誘電率を有する材料を誘電体層に用いれば良い場合が多く、そのような材料としては樹脂に無機粒子を分散させたものや、金属酸化物、強誘電性ポリマーなどがある。樹脂中に無機粒子を分散させる場合は、無機粒子としては、誘電率を大きくできることからペロブスカイト型もしくはパイロクロア型結晶構造を有するものを用いることが好ましい。これらのものとしては、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジミウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系などを用いることができる。ペロブスカイト型もしくはパイロクロア型結晶構造を以外の金属酸化物として、陽極酸化法で形成される酸化タンタルなども用いることができる。
誘電体層を高速信号配線層の絶縁層として用いる場合は、電気信号の伝送損失を小さく抑えられるという点から、誘電率と誘電正接が小さい材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、PTFEなどのフッ素系樹脂、フェノール、シロキサン、ポリイミド、アクリル、シアネート、ベンゾシクロブテンなどの樹脂やこれらにアルミナ、シリカ、窒化硼素、ムライト、マグネシア、ベリリア、ステアタイト、コーディエライト、窒化アルミニウム、フォルステライトなどの無機粒子を分散させたものを用いることができる。
無機粒子を分散させる樹脂に熱硬化型のものを用いた場合、硬化反応のために高温状態にしなければならず、樹脂フィルムにはそれに耐える耐熱性が必要となる。これに対し、無機粒子を分散させる樹脂に光硬化型のものを用いた場合、樹脂フィルムには特別な耐熱性は要求されず、樹脂フィルムの汎用性が拡大する点から好ましい。
本発明の転写シートは、例えば、次のようにして製造される。まず、必要に応じて基材表面に接着向上のためプライマー処理、または低温プラズマ処理した樹脂フィルム上に、シリコーンゴム層またはフッ素樹脂層として構成すべき樹脂層の組成物溶液をリバースコーター、カレンダーロールコーターまたはナイフコーター、メーヤバーコーターなどの通常のコーター、あるいはホエラのような回転塗布装置を用い塗布し、乾燥する。ここで、乾燥温度は、通常60〜180℃の温度で数分間熱処理し、十分に硬化せしめて樹脂層を形成する。次いで、このようにして得られた樹脂層上に、導体回路形成用の金属箔を重ね合わせ、プレス、ロールラミネータ等で圧着して本発明の転写シートを得ることができる。ここで、必要に応じて加熱圧着しても良い。加熱温度および圧力等の条件は目的に応じ好ましく選定することができる。次に、必要に応じて金属箔上に通常のフォトリソグラフィー法によりパターン形成用のマスクを作製する。このマスクを用いて金属箔をエッチングし導体層の回路形成加工を行う。続いて、導体層上に各種コーター、ラミネーター、プレス機、印刷機などを用いて、誘電体層を形成する。誘電体層も必要に応じて、フォトリソグラフィー法やレーザー、パンチング、ドリル研削などによりパターン加工を行う。この後、必要に応じて、導体層、誘電体層を必要なだけ、積層・加工する。導体層と誘電体層の積層数を増やすことで、実装密度を高くすることができる。導体層と誘電体層の加工のパターンによっては、導体層を挟むように積層された2つの誘電体層同士が、直接接することもあり得る。
転写の工程は図1を使用し説明する。図1は、本発明の転写シートに形成された配線回路を絶縁基板に転写する転写方法を例示説明するための断面図である。転写方法は、図1に示されるように、転写シートの上に絶縁基板1を重ね合わせ5〜400kg/cm2程度の圧力で転写し、次いで樹脂フィルム7を剥離する方法、または、転写シートの上に硬化性樹脂を含む絶縁スラリーを配線回路よりも厚く形成し、次いで目的に応じ、硬化させた後、樹脂層6を剥離する方法などが用いられる。転写時の圧力は、絶縁基板1の樹脂の種類によって異なるが、形成した配線回路全体が埋め込まれるように選定する。
ここで用いられる絶縁基板1としては、シート状あるいはフィルム状の耐熱性樹脂の上に硬化性樹脂または半硬化性樹脂を有するもの、または、有機あるいは無機の繊維状基材に半硬化性樹脂を含むシート状物などが好ましく用いられる。該耐熱性樹脂の例としては、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン樹脂)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フッソ系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。なおこれらの樹脂の中に、必要に応じ、無機(充填剤)または有機フィラー(充填剤)が添加されていても良い。無機フィラー(充填剤)は限定されるものでなく、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、ホウ酸アルミニウムなど一般に公知のフィラー(充填剤)が使用できる。また、有機フィラー(充填剤)としては、ポリイミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂など公知のフィラー(充填剤)を用いることができる。また、前記繊維状基材としては、ガラス繊維などの無機質繊維やフッ素系繊維などの合成繊維などからなる織布等の布帛を使用することができる。
このようにして得られた配線基板は、極めて平坦性に優れるため、特に一括積層による多層配線基板の製造やフリップチップ実装に好適に使用される。
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実体顕微鏡による、位置ずれ不良、断線の有無および転写不良の評価方法は次のとおりである。
(a) 位置ずれ不良配線間隔を測定し、設計値とのずれおよび均一性で評価した。配線間隔が設計値より±5%以上の場合は不良とした。
(b) 断線の有無配線を観察し、断線の有無を判定した。断線が1本でも観察されれば有(不良)とした。
(c) 転写不良回路を形成した配線基板を転写後に、回路の転写残りの有無を観察した。転写残りが一つでもあれば不良とした。
実施例1
厚み50μmのカプトンフィルム(東レ・デュポン(株)製)の表面に、下記の組成のプライマー層を、硬化後の膜厚が2μmになるように塗布して150℃×2分間乾燥した後、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所製)を用いUVメーター(オーク製作所ライトメジャータイプUV365)で15mW/cm2の照度で5分間露光し硬化させた。
[プライマー層組成]
(1)2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−ヒドロキシルエチルアクリレート/メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=20/20/30/30の共重合体100重量部
(2) N,N−ジメチルホルムアミド250重量部
(3)テトラヒドロフラン650重量部。
続いて、上記プライマー層の上層に、下記の組成のシリコーンゴム層を樹脂層として、乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布して、120℃×2分間乾燥硬化し、乾燥したシリコーンゴム層の上層に、厚み9μmの電解銅箔(三井金属鉱山(株):TQC−VLP)を重ね合わせラミネートした。
[シリコーンゴム層組成]
(1)両末端水酸基のポリジメチルシロキサン(平均分子量50,000)100重量部
(2)メチルトリアセトキシシラン 9.9重量部
(3)ジブチル錫ジオクテート 0.1重量部
(4)ヘキサン 190重量部
(5)キシレン 50重量部。
次に、この銅箔の上全面に、フォトレジストをスピンコートによって形成し、線幅30μm、ピッチ60μmルールの配線と2mm角のキャパシタ電極20個形成用フォトマスクを重ね30秒真空密着させ、28℃の温度で3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所社製)を用いUVメーター(オーク製作所社製:ライトメジャータイプUV365)で24mW/cm2の照度で3分間露光した。露光後、マスクを外し、アルカリ現像し、不要なレジストを除去し水洗・乾燥した。そして塩化第2鉄、塩酸の混合溶液で銅をパターンエッチングし、水洗・乾燥し、線幅30μm、ピッチ60μmの回路パターンおよび、キャパシタの電極パターンを形成した。
形成した回路パターンの上に、スピンコート法により下記作製から得られた誘電体ペーストを塗布し、175℃で30分間熱処理し、キュアすることで誘電体層を形成した。
[誘電体ペースト作製方法]
エポキシ樹脂の主剤としてジシクロペンタジエン系のHP7200(大日本インキ工業(株)製)20重量部、硬化剤としてフェノールノボラック系のTD−2131(大日本インキ工業(株)製)8重量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学(株)製)を0.28重量部、溶剤γ−ブチロラクトン30.5重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液に、無機フィラーとして、平均粒径0.5μmのチタン酸バリウムSB05(東邦チタニウム(株)製)210重量部を混合して、樹脂組成物を調整した。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたとき、無機フィラーの含有量は64体積%であった。
次に誘電体層上に、スパッタ装置(日本真空(株)製SH−450)を用いCrを厚み40オングストローム設け、次いでその上にCuを0.2μmスパッタした。スパッタ後直ちにフォトレジストをスピンコートし、線幅30μm、ピッチ60μmルールの配線と1mm×0.5mmのキャパシタ電極20個形成用フォトマスクを重ね30秒真空密着させ、28℃の温度で3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所社製)を用いUVメーター(オーク製作所社製:ライトメジャータイプUV365)で24mW/cm2の照度で3分間露光した。露光後、マスクを外し、アルカリ現像し、不要なレジストを除去し水洗・乾燥した。そして塩化第2鉄、塩酸の混合溶液で銅をパターンエッチングし、水洗・乾燥した、次に硫酸銅浴を用い、電流密度2A/dm2の条件で銅パターン上に厚み6μmのメッキを行い、転写シートを作製した。
また、別途、有機樹脂として下記組成の絶縁スラリーをドクターブレード法により塗布、乾燥し、乾燥後の厚みが200μmの埋め込み用絶縁シートを作製した。
[絶縁スラリー組成]
(1)BTレジン 30容量%
(2)球状シリカ 70容量%
(3)溶剤:酢酸ブチル 20重量部。
該絶縁シートを得られた転写シートの配線回路側に重ね合わせ、下記の真空加熱プレス条件で導体回路を絶縁シートに転写し、完全に埋め込ませた。
[真空加熱プレス条件]
(1)圧力 30kg/cm2
(2)加圧時間 2分
(3)温度 130℃。
次に、シリコーンゴム層付きカプトンフィルムを剥がし、該絶縁シートを、200℃、4時間加熱し硬化させた。シリコーンゴム層と回路パターン(導体層)の面で剥がれた。
この配線回路を埋め込んだ絶縁シートを10枚作製し、実体顕微鏡により観察したところ、10枚の配線、キャパシタ用電極のいずれも、位置ずれ不良、断線はなく、転写は良好であった。誘電体層を挟んで形成されたキャパシタの1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザ(アジレントテクノロジー(株)製4294A)を用いて、JIS K6911に準じて測定した。測定したところ、5nF/cm2であった。上記の転写シートを破断し、走査型電子顕微鏡でその断面観察を行い、誘電体層の厚さを測定したところ20μmであった。
実施例2
樹脂層に下記のフッ素樹脂層を用いた以外は実施例1と同様にして転写シートを作製した。
[フッ素樹脂層組成]
(1) 1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸メチルのモル比が80、10、10の共重合樹脂中のヒドロキシ基の50%に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加させた樹脂 50重量部
(2) コロネートEH(日本ポリウレタン(株)製、ポリイソシアネート):3.5重量部
(3) ジブチル錫ラウレート: 0.05重量部
(4) フロン113: 500重量部
(5) メチルエチルケトン: 20重量部。
次に、フッ素樹脂層付きカプトンフィルムを剥がし、該絶縁シートを、200℃、4時間加熱し硬化させた。フッ素樹脂層と回路パターン(導体層)の面で剥がれた。
この配線回路を埋め込んだ絶縁シートを10枚作製し、実体顕微鏡により観察したところ、10枚の配線線、キャパシタ用電極のいずれも、位置ずれ不良、断線はなく、転写は良好であった。誘電体層を挟んで形成されたキャパシタの1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザ(アジレントテクノロジー(株)製4294A)を用いて、JIS K6911に準じて測定した。測定したところ、5nF/cm2であった。上記の転写シートを破断し、走査型電子顕微鏡でその断面観察を行い、誘電体層の厚さを測定したところ20μmであった。
実施例3
厚み50μmのPETフィルム(”ルミラー”:東レ(株)製)上に、樹脂層として紫外線硬化型のアクリル樹脂接着剤を塗布し、厚み12μmの電解銅箔(三井金属鉱山(株):TQC−VLP)を重ね合わせラミネートした。次に、この銅箔の上全面に、フォトレジストをスピンコートによって形成し、線幅100μm、ピッチ200μmルールの回路形成用フォトマスクを重ね30秒真空密着させ、実施例1と同様に行い、線幅100μm、ピッチ200μmの回路パターンおよび、キャパシタの電極パターンを形成した。
形成した回路パターンの上に、スピンコート法により紫外線硬化型の誘電体ペーストを塗布し、紫外線で誘電体層を硬化させた。紫外線硬化型の誘電体ペーストは、紫外線硬化型のアクリル樹脂に、無機フィラーとして、平均粒径0.5μmのチタン酸バリウムSB05(東邦チタニウム(株)製)を30体積%となるよう添加し、3本ロールを用いて分散させたものを用いた。
次に誘電体層上に、実施例1と同様にスパッタリング、めっきを行い転写シートを作製した。
埋め込み用絶縁シートの作製とそれへの転写・埋め込みは実施例1と同様にして行った。次にPETフィルム側から紫外線を200mW/cm2で2分間照射し、アクリル樹脂接着剤を硬化させたのち、PETフィルムを剥がした。硬化したアクリル樹脂層と回路パターン(導体層)の面で剥がれた。
誘電体層を挟んで形成されたキャパシタの1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザ(アジレントテクノロジー(株)製4294A)を用いて、JIS K6911に準じて測定した。測定したところ、1nF/cm2であった。上記の転写シートを破断し、走査型電子顕微鏡でその断面観察を行い、誘電体層の厚さを測定したところ10μmであった。
比較例1
厚み50μmのポリイミドフィルムの表面に、実施例1と同じ組成のプライマー層を、硬化後の膜厚が2μmになるように塗布して150℃×2分間乾燥した後、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所社製)を用いUVメーター(オーク製作所社:ライトメジャータイプUV365)で15mW/cm2の照度で5分間露光し硬化させた。
続いて、上記プライマー層の上層に、実施例1と同じ組成のシリコーンゴム層を樹脂層として、乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布して、120℃×2分間乾燥硬化した。さらに、上記シリコーンゴム層の上層に、厚み9μmの電解銅箔(三井金属鉱山(株):TQC−VLP)を重ね合わせラミネートした。
次に、この銅箔の上全面に、フォトレジストをスピンコートによって形成し、実施例1と同様にして線幅200μm、ピッチ400μmの回路パターンおよび、チップコンデンサとの接続用電極パターンを形成し、転写シートを作製した。
別途、1005のチップコンデンサ(サイズ1mm×0.5mm×0.5mm)を20個埋め込んだ以外は実施例1と同様にして作製した埋め込み用絶縁シートと転写シートを重ね、実施例1と同様の条件で真空加熱プレスを行った。
この配線回路を埋め込んだ絶縁シートを10枚作製し、実体顕微鏡により観察したところ、10枚いずれにも、チップコンデンサとの接続用電極パターンとの位置ずれ不良が、認められた。位置ずれ不良数は表1に示した。
Figure 0004826053
本発明の転写シートの一態様を示す断面図。
符号の説明
1:絶縁基板
2:配線回路2
3:誘電体層
4:配線回路1
5:樹脂層
6:プライマー層
7:樹脂フィルム

Claims (6)

  1. 表面に、転写時に銅箔導体層との界面で剥離する樹脂層を設けた樹脂フィルム(ただし、溶解除去可能であるものを除く)上に、少なくとも1層の銅箔導体層と、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂から選ばれる樹脂と結晶構造がペロブスカイト型および/またはパイロクロア型である無機粒子を含有する少なくとも1層の誘電体層が積層されており、樹脂層がシリコーンゴム、フッ素樹脂、光硬化型樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を有することを特徴とする転写シート。
  2. 銅箔導体層がフォトリソグラフィー法により回路パターンを形成されていることを特徴とする請求項1記載の転写シート。
  3. 樹脂フィルムのガラス転移点が150℃以上であることを特徴とする請求項1記載の転写シート。
  4. 誘電体層に含まれる樹脂が光硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1記載の転写シート。
  5. 樹脂フィルムと樹脂層の間にプライマー層を設けたことを特徴とする請求項1記載の転写シート。
  6. 誘電体層がキャパシタの層間絶縁用であり、キャパシタ形成用に用いられる請求項1〜5のいずれか記載の転写シート。
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