JP3784250B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
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    • F04D29/40Casings; Connections of working fluid
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転するロータにより気体の排気を行うようにした真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空ポンプの代表例であるターボ分子ポンプの構成例を図6に示す。このターボ分子ポンプは、ポンプケーシング14の内部に、ロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sにより翼排気部L及び溝排気部Lが構成されている。ステータSは、基部15と、その中央に立設された固定筒状部16と、翼排気部L及び溝排気部Lの固定側部分とから主に構成されている。また、ロータRは、固定筒状部16の内部に挿入された主軸10と、それに取り付けられた回転筒状部12から主に構成されている。
【0003】
すなわち、主軸10と固定筒状部16の間には駆動用モータ18と、その上下に上部ラジアル磁気軸受を構成する電磁石20及び下部ラジアル磁気軸受を構成する電磁石22が設けられている。そして、主軸10の下部には、主軸10の下端のターゲットディスク24aと、ステータS側の上下の電磁石24bを有するアキシャル軸受24が配置されている。このような構成によって、ロータRが5軸の能動制御を受けながら高速回転するようになっている。
【0004】
回転筒状部12の上部外周には、回転翼30が一体に設けられて羽根車を構成し、ポンプケーシング14の内面には、回転翼30と交互に配置される固定翼32が設けられ、これらが、高速回転する回転翼30と静止している固定翼32との相互作用によって排気を行う翼排気部Lを構成している。
【0005】
さらに、翼排気部Lの下方にはねじ溝排気部Lが設けられている。すなわち、回転筒状部12には、外周面にねじ溝34aが形成されたねじ溝部34が固定筒状部16を囲むように設けられ、一方、ステータSには、このねじ溝部34の外周を囲むねじ溝部スペーサ36が配置されている。ねじ溝排気部Lは、高速回転するねじ溝部34のねじ溝34aのドラッグ作用によって排気を行う。固定翼32は、その外周縁部において、固定翼スペーサ38同士、または固定翼スペーサ38と溝部スペーサ36とで挟持固定されている。
【0006】
このように翼排気部Lの下流側にねじ溝排気部Lを有することで、広い流量範囲に対応可能な広域型ターボ分子ポンプが構成されている。この例では、ねじ溝排気部Lのねじ溝をロータR側に形成した例を示しているが、ねじ溝をステータS側に形成してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなターボ分子ポンプにおいて、腐食などによりロータRの破壊が生じ、壊れたロータRの破片がポンプケーシング14の吸気口14a側に飛び出すことがある。すなわち、ロータRの腐食は、相対的に圧力の高くなる排気口側の腐食条件の厳しい領域で起こる可能性が高く、また、同領域は圧力が高い為に、気体の攪拌による発熱によって運転時の温度が相対的に高くなり、腐食進度が高まるとともに、ロータの材料自身のクリープも進み最終的にロータ全体の破壊に到り、破片が吸気口14a側に飛び出す問題があった。そして、ターボ分子ポンプの吸気口14aにフランジ14bを介して接続されている処理装置のチャンバ内に、大きな運動エネルギを持った回転筒状部12あるいは回転翼30の破片が入り込むと、処理装置の破壊や処理途中の製品への損害をもたらすだけでなく、全体の真空系が破壊されて有害な処理ガスの外部放出を招く事故に繋がりかねない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、万一ロータが破壊した場合でも、ロータの破片でチャンバや処理中の製品を傷つけることなく、真空ポンプを交換することで速やかに装置を再使用可能な状態にすることが可能な安全性の高い真空ポンプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明は、ポンプケーシング内部に、ロータとステータにより気体排気部が構成された真空ポンプにおいて、前記気体排気部のロータは、多段の回転翼を備え、前記気体排気部のステータ側部材の少なくとも一部が、前記ロータが破壊したときに前記ロータの破片が、前記ロータの吸気口側に飛散するのを防止する飛散防止部材を構成し、該飛散防止部材は前記ロータの回転軸に対し、略垂直な平面部を前記ロータの前記回転翼間の軸方向の空隙部に有し、前記平面部の中心部を前記ロータが貫通すると共に、前記ポンプケーシングの内径側で略円筒形状部を、前記平面部と一体構造で設け、該略円筒形状部の軸方向寸法は、前記平面部の軸方向寸法よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
これにより、ロータの破片は、ロータの径方向の外方にある固定翼や固定翼スペーサに衝突し、衝撃力を与えると同時に、同様にポンプケーシングの内径側にある飛散防止部材の略円筒形状部にも衝撃力と共に変形を与え、ケーシングの内径部に略円筒形状部の外径部を押し付ける作用を生じさせる。そして、略円筒形状部の外径部はケーシングの内径部に貼り付き、瞬時に軸方向および径方向への動きが拘束される。そして、この略円筒形状部と一体に形成され、ロータの軸方向空隙部にロータの回転軸と略垂直な平面部を有している飛散防止部材は、この飛散防止部材より反吸気側で生じた、反吸気側より吸気側に飛んでくるロータの破片を、その平面部で受け止め、ロータの破片が吸気側に飛び出そうとするのを防止することができる。
【0011】
記略円筒形状部の軸方向寸法は、前記平面部の厚さよりも大きく設定されている。
これにより、飛散防止部材の略円筒形状部の面積が広くなり、結果的にケーシング内周面に対して押し付けられる力が大きくなり、略円筒形状部のケーシングの内側による拘束力が増大する。このため、ロータの回転軸と略垂直な飛散防止部材の平面部がロータの破片により吸気側に移動するのを阻止することができ、ロータの破片が吸気口側に飛び出そうとするのを有効に防止することができる。
【0012】
また、前記気体排気部を構成するロータが、軸方向および/または、径方向に少なくとも2つ以上に分割されていることが好ましい
これにより、ロータが腐食やクリープおよびポンプ内部への異物混入またはロータとステータの接触等の原因により破壊した場合にも、ロータは2つ以上に分割されているため、破壊は初期破壊の起こった部分のロータのみに限られる。一方のロータの破壊が激しい場合でも、他方のロータの損傷の程度は分割されていない一体型の場合と比較して、大幅に低減される。その結果、吸気口側への破損したロータの破片の飛出は、他のロータの存在により大幅に阻止される。特に、ロータの破壊の原因である腐食やクリープの起こる可能性の高い排気側のロータが破壊した場合には、吸気側のロータの損傷は限定される。従って、吸気側のロータ自体が排気側のロータの破片の吸気口側への飛出に対して障害物となるため、ロータ破壊時の破片の吸気口からの飛出を有効に阻止することができる。
更に、前述の飛散防止部材をロータの分割部付近に設定しておくことが好ましい。これにより、破壊の可能性の高い排気側のロータが破壊した場合に、該飛散防止部材より排気側のロータの破片は該飛散防止部材によって吸気側への飛散は防止される。その結果、排気側のロータの破片を吸気側ロータのみで受ける必要がなくなり、飛散防止部材より吸気側のロータの損傷の程度は飛散防止部材がない場合と比較して非常に限定されたものとなる。
飛散防止部材の配置により損傷を免れる、あるいは損傷の程度が低減される具体的箇所は、吸気側ロータのみならず、吸気側ロータと一体になった主軸、および主軸が組み込まれているハウジング部である。即ち、飛散防止部材の配置はポンプの主要部の損傷を低減あるいは阻止すると共に、ロータの破片の飛出を防止することができる。
【0013】
記2つ以上に分割されたロータは、主軸との結合部において、それぞれが結合されていることが好ましい。これにより、ロータが腐食やクリープ等の原因により破壊した場合でも、主軸との結合部においてロータが複数のロータに分割されているため、破壊は初期破壊の起こった部分のロータに限られる。
また、ロータが破壊した場合、破片は遠心力により外方に飛ぶので主軸の損傷は限られ、主軸と結合されている初期破壊の起こらなかったロータは、初期破壊の起こったロータの一部分が飛散するのを阻止できる。特に、破壊の可能性が高い排気側ロータが破損した場合、吸気側ロータと主軸の損傷は限定されるので、破損したロータの破片が吸気口側へ飛び出すのを、吸気側ロータと主軸によって阻止できる。
【0014】
記2つ以上に分割されたロータはそれぞれの気体排気部が、同一材料で構成されていることが好ましい
これにより、ロータの気体排気部全体を比強度の高い同一材料で構成して、異なる材料による温度変化に伴なう寸法変化の違い等に起因するロータ結合部における強度の低下を阻止できる。このため、ロータの高速回転が可能となり、排気性能の良いポンプを提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態のターボ分子ポンプを示すものである。このターボ分子ポンプの全体的な構成は、飛散防止部材40を装着したという点を除き、図6に示す従来のターボ分子ポンプと略同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略する。この実施の形態では、吸気口側から2段目の固定翼32の排気側にロータの回転軸に対し略垂直な平面部を有し、ポンプケーシングの内径側で略円筒部が平面部と一体構造になっているロータの飛散防止部材40が設けられている。飛散防止部材40はアルミニウムよりも強度の高い材料で構成されることで、これにアルミニウム製の回転翼などが衝突しても破壊されず、あるいは破壊の程度が低い。従って、この飛散防止部材40は、ロータの損傷時に飛散する破片が更に吸気口14aに向かって飛散することを防止するロータ破片の飛散防止部材としての役割を果たす。
【0017】
図2はこの飛散防止部材の詳細図である。縦断面の形状としては、平面部40aと円筒部40bによりL字形状をなしており、軸方向に隣接する固定翼スペーサや固定翼の固定のための段部40c,40dが設けられている。この飛散防止部材40は組立の必要上、固定翼と同様に円筒円の中心線Cにて2つ割形状になっている。このようにしてロータの軸方向空隙部にこの飛散防止部材を組み込むことができる。また、この飛散防止部材は、ポンプの排気機能上、軸方向に隣在する固定翼または回転翼の排気流路の横断面積とほぼ同等の排気流路Dを平面部40aを構成するステー間に設けており、ポンプの排気能力を阻害しないようになっている。
尚、平面部40aの排気流路Dの形状は、ポンプの排気能力を阻害しないという目的からは任意のものでよいが、省スペース及びコンパクト化という観点から、平面部40aに固定翼と同様の翼形状を設けてもよい。また、ロータの破片を阻止するために排気流路Dの形状は、目の細かい、極力細分化された形状が望ましい。また、この飛散防止部材の軸方向の配置位置は、回転翼間のみならず、回転翼全体の吸気口側でもよい。
【0018】
このような構成にすることにより、ロータが破壊した場合、ロータの破片は飛散防止部材40の平面部40aの内径部にあたり、衝撃力を一体に形成された円筒部に生じさせる。これにより、円筒部40bはケーシング14の内径部に強く押し付けられると共に、変形も生じる。そうすると、飛散防止部材40の平面部40aより排気側で生じたロータの破片は、吸気口側に飛び出そうとする運動を阻止され、吸気口側に飛び出すことがない。
【0019】
また、飛散防止部材40の平面部40aの内径部とそれに相対するロータの外形部との隙間Tを固定翼32の内径とそれと相対するロータ外径部との隙間Tや、回転翼30の外径や固定翼スペーサ内径との隙間Tより小さく設定しておくことが好ましい。これによりロータの破壊時に、ロータ自身やロータの破片が初期にステータ側に衝突するのは飛散防止部材40の平面部40aの内径部となるため、破壊の第一撃を同部が受け止め、回転翼や固定翼の損傷を可及的に防ぐことができる。
【0020】
図3は、本発明の第1の実施の形態のポンプの変形例を示すものである。この実施の形態では、飛散防止部材40の円筒部40bの軸方向寸法(図2のL部に相当)は前記の実施例の場合より長く設定されている。
これにより、ロータ破壊時にロータの破片により飛散防止部材に衝撃が与えられ、飛散防止部材の円筒部外周面がケーシング内径部に押し付けられる面積が増加する。従って、ケーシングの飛散防止部材に対する拘束力が増大し、平面部40aの軸方向への移動を確実に阻止することができる。また、円筒部40bの面積が増大することにより、固定翼32のスペーサ外径部から円筒部40bへ衝撃力が伝達される確率も高くなり、ケーシング14への飛散防止部材40の拘束がより一層確かなものとなる。
【0021】
図4は、本発明の第2の実施の形態のターボ分子ポンプを示すものである。この実施の形態では、ロータが吸気側ロータ51と排気側ロータ52に分割されている。また、吸気側ロータと排気側ロータとの境界部53に対向する付近のステータ部には、前述の飛散防止部材40の平面部40aが設けられている。
係るターボ分子ポンプの構成により、次の動作が得られる。
真空ポンプにおいてロータ破壊の一因となる腐食は相対的に圧力が高く、また排気ガスの攪拌熱が発生しやすく高温になりやすい、すなわち腐食条件の厳しい排気側で起こりやすい。また比較的圧力の高い領域で適用されるねじ溝式のポンプで、ロータ側にねじ溝山が形成されている場合、ねじ溝山の底部に応力が集中しやすく、腐食条件の厳しさとあいまってロータの破壊が起こりやすい。また、高温になりやすい排気側ロータ52は、クリープ現象も出やすく、破壊に到る可能性が高い。特に、生成物の析出防止の為に、排気側ロータ52は高温に保持される場合が有り、そのような使用形態においては、ロータ破壊の可能性は一層高くなる。
そこで上記のようにロータRを破壊の可能性の低い吸気側ロータ51と破壊の可能性の高い排気側ロータ52に分割すれば、排気側ロータ52が破損した場合でも、吸気側ロータ51は健全であるため、破損による破片が吸気口側に飛散することが防止される。
【0022】
また、排気側ロータ52に生じた亀裂により破壊が起こる場合、亀裂は排気側ロータ52内だけで収まり、吸気側ロータ51には生じない。排気側ロータ52の破壊の程度が激しくて吸気側ロータ51に二次的損傷が与えられる場合でも、その程度は、境界部53で単に2個の別体のロータが接触しているので、ロータが一体構造の分割されていない場合と比較して飛躍的に軽減される。このようにして吸気側ロータ51は損傷の程度が格段に低いので、吸気側ロータ51自体が排気側ロータ52の破損に伴うロータ破片の飛出を阻止する部材の役目を実質的に果たすことができる。
【0023】
更に、吸気側ロータ51と排気側ロータ52との境界部53に対向する付近のステータ部に飛散防止部材40の平面部40aが設けられている。このため、排気側ロータ52の破片はまずこの飛散防止部材40の平面部40aによって吸気側に飛び出すのが阻止される。従って、飛散防止部材40の平面部40aの排気流路部Dを通過して吸気側ロータ51に衝突する破片は最小限に限られる。
従って、吸気側ロータ51の損傷の程度は、飛散防止部材40が無い場合と比較して大幅に低減され、この吸気側ロータ51と一体になった主軸10にも、殆ど損傷を与えない。また、主軸10は、筒状に形成されたハウジング内に収められているので、主軸の損傷の程度が低いことに伴ってハウジング側、結果的にポンプ全体の損傷の程度を低くでき、吸気口側へのロータ破片の飛出を防止すると共に、ポンプ全体の健全性も確保することができる。
尚、主軸10と分割した吸・排気側ロータ51,52の締結方法は、図4に示すように、両ロータ51,52の境界部53が軸方向にのみ存在する(軸方向に垂直な面として存在する)ばかりでなく、境界部53aが径方向にも分割した面として存在することが好ましい。
【0024】
ここで、吸気側ロータ51は締結ボルト55により直接主軸10のフランジ部10aに締結されており、排気側ロータ52は、軸方向に吸気側ロータ51と主軸フランジ10a間に挟まれるとともに、径方向に吸気側ロータ51との嵌合により組み付けられている。すなわち、吸気側ロータ51と排気側ロータ52とは、ロータRが軸方向に結合面53により分割され、径方向に結合面53aにより分割されている。こうすることにより、排気側ロータ52は破壊時にロータの径方向外方に飛散するので、吸気側ロータ51や締結ボルト55に与える損傷の程度を低くでき、破壊したロータの破片飛出阻止の機能を高めることができる。
【0025】
なお、上記で述べた各実施例では、それぞれロータを主軸との結合部において2分割したものを示したが、ロータ破壊の影響の波及を極力少なくするという本発明の主旨より3分割以上に設定してもよいことは言うまでもない。
【0026】
ロータは高速回転や高温に耐えうる比強度と熱耐力性の高い材料(アルミニウム合金等)で、製作するのが望ましい。ロータを分割する場合においても組み合わせ部で温度や応力による変化を極力小さくするのが望ましい。従って、ロータを上述したように分割するに際して、これらの分割された各ロータは適切な同一材料で構成するのが望ましい。これにより、ロータを分割しても結合面における熱応力等による影響を最小限にすることができる。
【0027】
図5は、本発明の第3の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、これは、ロータが破壊した場合に、発生する回転トルクを低減させるためのトルク低減機構と、ロータの破片が吸気口側に飛び出そうとするのを防止するロータ破片飛散防止機構を設けたものである。
すなわち、ケーシング14の内部には、これと所定の隙間を置いて内部上ケーシング61及び内部下ケーシング63が配置され、この内部上ケーシング61と、固定翼32,スペーサ38又は飛散防止部材40の円筒部40b等の間に衝撃吸収部材62が配置されている。ケーシング14の下部の内部には、これと所定の隙間を置いて内部下ケーシング63が配置され、この内部下ケーシング63とねじ溝部スペーサ64との間に衝撃吸収部材66が配置されている。内部上ケーシング61と内部下ケーシング63とはボルトにより締結されて一体に固定されている。そして、内部下ケーシング63はその外周の上下2ヶ所において、メカニカルベアリング65a,65bによって支持されている。更に、ケーシング14の内面に突出する張り出し部67と翼排気部Lの最上段に位置する固定翼スペーサ38との間に、例えばフッ素ゴム製のOリング状又はシート状のシール部材68aが設けられている。同様に内部下ケーシング63とケーシング14に固定された固定部との間にもシール部材68bが設けられている。
【0028】
係るケーシング14に対してベアリング65a,65bにより回転可能に支持された内部ケーシング61,63を備え、該内部ケーシングに衝撃吸収部材62,64を介して固定翼等を固定することにより、ロータが破壊してステータ側に接触した場合には、内部ケーシング61,63に固定された固定翼等がロータRと共に回転し、その回転トルクを低減することができる。そして、衝撃吸収部材62,66を備えることから、回転翼の固定翼等への接触の衝撃を柔らげることができる。
【0029】
更にこの例では、上述の実施の形態と同様にロータRが吸気側ロータ51と排気側ロータ52に分割され、更に吸気側ロータ51と、排気側ロータ52との境界部53に対向する付近のステータ部には、飛散防止部材40の平面部40aが設けられている。
【0030】
このように構成することにより、ポンプのロータRが破壊したときに、その回転トルクを低減させると共に、ロータの破片の吸気口側への飛出を上述した飛散防止部材40の配置と共にロータの分割構造により防止することができる。特に、本実施形態では飛散防止部材40の円筒部40bと内部上ケーシング61の間には衝撃吸収部材62が配置されているため、ロータ破片による径方向の衝撃を容易に吸収できる。また、それと共に、ロータ破片の飛散防止部材40の平面部40aに対する軸方向の衝撃も、飛散防止部材40により荷重方向を径方向に変換することにより効果的に吸収することができる。従って、ポンプの損傷を極力少なくすることができ、結果的に効率よく、ロータ破片の飛出を防止することができる。
なお、上記実施例の形態は、主にターボ分子ポンプについて例示したが、その他の形式の真空ポンプにも、本発明の趣旨を同様に適用できることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータが回転中に破壊した場合でも、ロータの空隙部に平面部を、ケーシングの内径側に円筒部を一体に形成した飛散防止部材をステータ側に固定することにより、ロータの破片が吸気口側に飛び出すのを有効に阻止できる。また、ロータに生じる亀裂の進行をロータを分割することにより最小限にとどめ、上記飛散防止部材との相互作用により、ロータの破片の飛出をより一層確実に阻止できる。更に、ロータがステータに接触時のポンプ内に設けたトルク低減機構と組み合わせることにより、ロータ破壊時の回転トルクも低減でき、ロータ破片飛出防止の効果もより一層高まり、安全性の高い真空ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図2】飛散防止部材の詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のBB線に沿った断面図である。
【図3】上記の第1の実施の形態のターボ分子ポンプの変形例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図6】従来のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
10 主軸
10a 主軸フランジ
14 ポンプケーシング
14a 吸気口
18 駆動用モータ
30 回転翼
32 固定翼
34 ねじ溝部
36 ねじ溝部スペーサ
38 固定翼スペーサ
40 飛散防止部材
40a 平面部
40b 円筒部
翼排気部
溝排気部
R ロータ
S ステータ

Claims (5)

  1. ポンプケーシング内部に、ロータとステータにより気体排気部が構成された真空ポンプにおいて、
    前記気体排気部のロータは、多段の回転翼を備え、
    前記気体排気部のステータ側部材の少なくとも一部が、前記ロータが破壊したときに前記ロータの破片が、前記ロータの吸気口側に飛散するのを防止する飛散防止部材を構成し、該飛散防止部材は前記ロータの回転軸に対し、略垂直な平面部を前記ロータの前記回転翼間の軸方向の空隙部に有し、前記平面部の中心部を前記ロータが貫通すると共に、前記ポンプケーシングの内径側で略円筒形状部を、前記平面部と一体構造で設け、該略円筒形状部の軸方向寸法は、前記平面部の軸方向寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする真空ポンプ。
  2. ポンプケーシング内部に、ロータとステータにより気体排気部が構成された真空ポンプにおいて、
    前記気体排気部のロータは、多段の回転翼を備え、
    前記気体排気部のステータ側部材の少なくとも一部が、前記ロータが破壊したときに前記ロータの破片が、前記ロータの吸気口側に飛散するのを防止する飛散防止部材を構成し、該飛散防止部材は、前記ロータの回転軸に向かって、半径方向外方から内方に向かう複数のステーと、前記ステーと一体構造の前記ステーの半径方向の内方に設けたリング状の内径部と、前記ステーと一体構造の前記ステーの半径方向外方に設けた略円筒形状部とからなり、
    前記複数のステーとリング状の内径部とは、前記ロータの前記回転翼間の軸方向の空隙部に配置され、前記リング状の内径部の中心部を前記ロータが貫通し、前記略円筒形状部の軸方向寸法は、前記複数のステーとリング状の内径部の軸方向寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする真空ポンプ。
  3. 前記気体排気部を構成するロータが、軸方向および/または、径方向に少なくとも2つ以上に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ。
  4. 前記2つ以上に分割されたロータは、主軸との結合部において、それぞれのロータが結合されていることを特徴とする請求項に記載の真空ポンプ。
  5. 前記2つ以上に分割されたロータは、それぞれの気体排気部が同一材料で構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の真空ポンプ。
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