JP3812635B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転するロータにより気体の排気を行うようにしたターボ分子ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のターボ分子ポンプの一例を図17に示す。このターボ分子ポンプは、ポンプケーシング14の内部に、ロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sにより翼排気部L及び溝排気部Lが構成されている。ステータSは、基部15と、その中央に立設された固定筒状部16と、翼排気部L及び溝排気部Lの固定側部分とから主に構成されている。また、ロータRは、固定筒状部16の内部に挿入された主軸10と、それに取り付けられた回転筒状部12から主に構成されている。
【0003】
すなわち、主軸10と固定筒状部16の間には駆動用モータ18と、その上下に上部ラジアル磁極20及び下部ラジアル磁極22が設けられている。そして、主軸10の下部には、主軸10の下端のターゲットディスク24aと、ステータS側の上下の電磁石24bを有するアキシャル軸受24が配置されている。このような構成によって、ロータRが5軸の能動制御を受けながら高速回転するようになっている。
【0004】
回転筒状部12の上部外周には、回転翼30が一体に設けられて羽根車を構成し、ポンプケーシング14の内面には、回転翼30と交互に配置される固定翼32が設けられ、これらが、高速回転する回転翼30と静止している固定翼32との相互作用によって排気を行う翼排気部Lを構成している。
【0005】
さらに、翼排気部Lの下方にはねじ溝排気部Lが設けられている。すなわち、回転筒状部12には、外周面にねじ溝34aが形成されたねじ溝部34が固定筒状部16を囲むように設けられ、一方、ステータSには、このねじ溝部34の外周を囲むねじ溝部スペーサ36が配置されている。ねじ溝排気部Lは、高速回転するねじ溝部34のねじ溝34aのドラッグ作用によって排気を行う。固定翼32は、その外周縁部において、固定翼スペーサ38どうし、または固定翼スペーサ38と溝部スペーサ36とで挟持固定されている。
【0006】
このように翼排気部Lの下流側にねじ溝排気部Lを有することで、広い流量範囲に対応可能な広域型ターボ分子ポンプが構成されている。この例では、ねじ溝排気部Lのねじ溝をロータR側に形成した例を示しているが、ねじ溝をステータS側に形成してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなターボ分子ポンプにおいて、腐食などによりロータRの破壊が生じ、壊れたロータRの破片がポンプケーシング14の吸気口14a側に飛び出すことがある。そして、ターボ分子ポンプの吸気口14aにフランジ14bを介して接続されている処理装置のチャンバ内に、大きな運動エネルギを持った回転筒状部12あるいは回転翼30の破片が入り込むと、処理装置の破壊や処理途中の製品への損害をもたらすだけでなく、全体の真空系が破壊されて有害な処理ガスの外部放出を招く事故に繋がりかねない。
【0008】
本発明は上記に鑑み、万一ロータが破壊した場合でも、ロータの破片でチャンバや処理中の製品を傷つけることなく、ターボ分子ポンプを交換することで速やかに装置を再使用可能な状態にすることが可能な安全性の高いターボ分子ポンプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ポンプケーシング内部に、ロータとステータにより翼排気部が構成されたターボ分子ポンプにおいて、前記ロータには、前記ポンプケーシングの吸気口側に位置して、前記ロータ及び/またはステータの破片が吸気口を抜けて飛散するのを防止する飛散防止部材が設けられていることを特徴とするターボ分子ポンプである。
【0010】
これにより、ロータが破壊した時に、回転筒状部や回転翼のようなロータの破片及び固定翼のようなステータの破片は飛散防止部材に遮られ、あるいは吸気口方向への運動エネルギを失うので、吸気口側に接続された処理装置のチャンバ自体やその内部の機器、被処理物等を傷つけることが防止される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記翼排気部を構成する回転翼の少なくとも一部が前記飛散防止部材を構成していることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子ポンプである。これにより、回転翼の少なくとも一部に遮蔽機能を持たせることができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、前記飛散防止部材が、高強度材及び/又は高エネルギ吸収材で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のターボ分子ポンプである。高強度材としては、アルミニウムよりも強度が高い、例えばステンレス鋼やチタン合金等が挙げられる。また、高エネルギ吸収材としては、鉛等の比較的柔軟な金属材料、高分子素材、あるいはこれらの複合素材を用いて、衝撃を吸収し易い形状(例えば、ハニカム構造や単なる球形状の集合体)に構成したもの等が挙げられる。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記飛散防止部材が、衝撃吸収構造を有していることを特徴とする請求項1記載のターボ分子ポンプである。これにより、ロータの破片が飛散防止部材に衝突した時における該ロータの破片の運動エネルギの吸収効果をより一層高めて、吸気口側に接続された処理装置のチャンバ等を防護する機能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図17に示す従来のターボ分子ポンプの場合と同一の構成部材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図1及び図2は、ターボ分子ポンプの一例を示すもので、このでは、ポンプケーシング14の吸気口14a側に、飛散防止部材を構成する保護カバー50が設置されている。この保護カバー50は、吸気口14aの中央部に配置され、ロータRを構成する回転筒状部12の直上方を覆う円板状の遮蔽体52と、遮蔽体52の外側に同心に配置され、ポンプケーシング14の吸気口14aと同じ大きさの開口を有するリング状のリム板56と、遮蔽体52の外周面から放射状に延びて遮蔽体52とリム板56とを連結する複数(図では3本)の支持棒54とから構成されている。図では、保護カバー50は、リム板56の下面に形成された段差56aを吸気口14a側のフランジ14bに嵌着することで、ポンプケーシング14に固定されているが、フランジ14b側に段差を設け、保護カバー50をその段差に嵌め込んでボルトで固定してもよく、また、単にこの段差に嵌め込んでポンプケーシング14とチャンバとの間に挟み込むだけでもよい。
【0017】
このにおいて、軸方向の最上段に位置する固定翼32aは、例えばステンレス鋼やチタン合金等のようなアルミニウムよりも強度の高い材料で構成され、他の固定翼32は、アルミニウムで構成されている。これにより、固定翼32aも飛散防止部材を構成している。
【0018】
このように構成したターボ分子ポンプにおいて、ロータRが腐食等の原因で回転中に破壊した時に、回転筒状部12や回転翼30のようなロータRの破片は、保護カバー50の遮蔽体52に衝突し、それによって吸気口14a側への運動エネルギが失われるので、吸気口14a側に接続されたチャンバ等を傷つけることが防止され、あるいはその程度が軽減される。なお、この例では、遮蔽体52は回転筒状部12のみを覆っているが、回転翼30の一部まで覆うようにしてもよい。
【0019】
また、軸方向の最上段に位置する固定翼32aがアルミニウムよりも強度の高い材料で構成されているので、これにアルミニウム製の回転翼30などが衝突しても破壊されず、あるいは破壊の程度が低い。従って、この固定翼32aは、そのような破片がさらに吸気口14aに向かって飛散することを防止する飛散防止部材としての役割を果たす。
【0020】
なお、上述したにおいては、最上段の固定翼32aのみを高強度材で構成した例を示しており、他の段の固定翼、更には、例えば1段と4段のような任意の段の固定翼を高強度材で構成してもよい。
【0021】
また、このにあっては、飛散防止部材としての保護カバー50を設け、更に軸方向の最上段に位置する固定翼32aをアルミニウムよりも強度の高い材料で構成して、この固定翼32aも飛散防止部材としての役割を果たすようにした例を示しているが、どちらか一方を備えるようにしてもよいことは勿論である。
【0022】
図3は、ターボ分子ポンプの他の例を示すものである。この例は、前述の例における保護カバー50の円板状の遮蔽体52の代わりに、略円柱状の遮蔽体58を使用したものである。遮蔽体58は、その約下半分が回転筒状部12の中央の設けられた凹部13内に入り込むように配置されている。
【0023】
こののターボ分子ポンプによれば、遮蔽体58とロータRの間の隙間がより小さくなって、破片の飛散する可能性を減少させて、処理チャンバ側を防護する機能を向上させている。また、この例では、遮蔽体58は、ロータRが異常回転したときの姿勢維持機能をも有しており、これにより、ロータRとステータSの接触を最小限に抑えて破片の発生自体を減少させることができる。
【0024】
図4及び図5は、ターボ分子ポンプの更に他の例を示すもので、このは、飛散防止部材として、衝撃吸収構造を有するものを使用した例を示す。すなわち、飛散防止部材としての保護カバー50の中央部に略円板状で下方に突出する軸部70aを有する遮蔽体70を設け、この遮蔽体70の軸部70aの周囲に金属製パイプ72をコイル状に二重に巻き付けて構成した衝撃吸収部材74を配置し、この衝撃吸収部材74の周囲を上方に開口したカップ状の衝撃吸収部材カバー76で囲繞し、更に遮蔽体70の周縁部と衝撃吸収部材カバー76のフランジとをボルト78で締結したものである。衝撃吸収部材カバー76は、回転筒状部12の中央の設けられた凹部13内に入り込むように配置されている。
【0025】
こののターボ分子ポンプによれば、回転翼30や回転筒状部12のようなロータRの破片が、飛散防止部材としての保護カバー50の遮蔽体70や衝撃吸収部材カバー76に衝突した際に、衝撃吸収部材74が軸方向及び径方向のいずれにも容易に変形あるいは破壊して衝撃を吸収することで、この破片の運動エネルギをより一層吸収して、処理チャンバ側を防護する機能を向上させることができる。
【0026】
ここで、衝撃吸収部材としては、この他に、比較的柔軟な金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合素材を用いて、衝撃を吸収しやすい形状(例えば、ハニカム構造や単なる球形状の集合体)に構成したものを使用してもよい。この場合、腐食性ガスなどを排気することを考慮して、素材自身に耐食性のある素材を選ぶか、または表面にニッケルコーティング等の耐食性表面処理を行うことが好ましい。
【0027】
図6及び図7は、ターボ分子ポンプの更に他の例を示すもので、このは、図1及び図2に示す例に以下の構成を付加したものである。すなわち、ポンプケーシング14の吸気口14aの内壁面には、保護カバー50と共に飛散防止部材を構成する複数(図では3個)の突起部60が、円周方向に沿って所定間隔ごとに内方に向けて突出し、ロータRの回転翼30の外周縁部を覆うように設けられている。なお、このでは、突起部60をポンプケーシング14の吸気口14aの内壁面に設けた例を示しているが、保護カバー50のリム板56に設けてもよい。
【0028】
こののターボ分子ポンプによれば、ロータRの回転翼30や回転筒状部12から発生した破片が保護カバー50の遮蔽体52だけでなく突起部60にも衝突するので、吸気口14a側へ持ち込まれる運動エネルギを更に小さくすることができる。
【0029】
図8は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態では、飛散防止部材62が、ロータRの主軸10の上端に、回転筒状部12の吸気口14a側の一部を覆うように取り付けられている。すなわち、この飛散防止部材62は、回転筒状部12の凹部13の形状に沿ってカップ状に形成され、上端には回転筒状部12の平坦な上面に沿って延びるフランジ部62aが形成され、底部にはねじ穴が形成されている。主軸10の頂部には、外面に雄ねじが形成された固定部10aが設けられ、飛散防止部材62はこの固定部10aに雄ねじを螺合することにより、主軸10に締結されている。なお、ボルト等の他の任意の締結手段を介して、飛散防止部材62を主軸10または回転筒状部12に締結するようにしてもよい。
【0030】
この実施の形態のターボ分子ポンプによれば、飛散防止部材62がロータRに取り付けられているので、それを配置するためにポンプケーシング14の吸気口14aを横切るような障害物を設ける必要が無い。従って、排気速度が低下することがない。さらに、飛散防止部材62がロータRのうちの破断して飛散しやすい箇所である回転筒状部12の凹部13を覆うように取り付けられているので、破片の飛散を効率的に防止することができる。また、この例では、飛散防止部材62は回転筒状部12を覆っているが、回転翼30の一部を覆うようにしてもよい。
【0031】
図9乃至図11は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態は、第の実施の形態における飛散防止部材62に衝撃吸収構造を付加したしたものであり、他の構成は、第の実施の形態とほぼ同様である。
【0032】
すなわち、この実施の形態は、上方に開口した飛散防止部材62の内部に、図11に示す半円環状の金属製パイプ80を互いに対峙させつつ上下に積層して構成した衝撃吸収部材82を配置し、更に主軸10を上方に延長させてその上端部に雄ねじを刻設し、この雄ねじに衝撃吸収部材押えとしてのナット84を締付けることで、衝撃吸収部材82の脱出を防止するようにしたものである。この実施の形態にあっては、ナット84を締付けて、衝撃吸収部材82を介して飛散防止部材62のフランジ部62aの下面を回転筒状部12に圧接させることで、飛散防止部材62を固定している。
【0033】
これにより、回転翼30や回転筒状部12のようなロータRの破片が、飛散防止部材62に衝突した際に、飛散防止部材62が軸方向及び径方向のいずれにも容易に変形あるいは破壊して衝撃を吸収することで、この破片の運動エネルギをより一層吸収して、処理チャンバ側を防護する機能を向上させることができる。
【0034】
なお、このように、半円環状のパイプ80を使用して衝撃吸収部材82を構成したのは生産性を高めるためであり、完全なリング状のパイプや、一端が開いたリング状のパイプ、更にはコイル状のものを使用してもよいことは勿論である。また、衝撃吸収部材として、比較的柔軟な金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合素材を用いて、衝撃を吸収しやすい形状に構成したものを使用してもよいことは前述と同様である。
【0035】
図12は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すものである。この実施の形態は、第の実施の形態におけるカップ状の飛散防止部材62の代わりに、円板状の飛散防止部材64を使用し、この飛散防止部材64を回転筒状部12の凹部13内に収納したものである。他の構成は、第の実施の形態と同様である。通常、上側部12aは回転筒状部12のハブ部12bと一体であるので、このようにハブ部12bを押さえるだけでも破片の飛散防止効果を有する。従って、この実施の形態によれば、図8に示す第の実施の形態に比べ低コストで目的を達成することができる。
【0036】
図13は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態は、図8に示す第の実施の形態における飛散防止部材62をボルト66を介して回転筒状部12に締結するとともに、以下の構成を付加したものである。すなわち、ポンプケーシング14の吸気口14aの内壁面に、飛散防止部材62と共に飛散防止部材を構成する複数(図では3個)の突起部60が、円周方向に沿って所定間隔ごとに内方に向けて突出し、ロータRの回転翼30の外周縁部を覆うようになっている。
【0037】
この実施の形態のターボ分子ポンプによれば、ロータRの回転翼30や回転筒状部12のような破片が飛散防止部材62とともに突起部60にも衝突するので、吸気口14a側へ伝達される運動エネルギを更に小さくすることができる。また、全ての実施の形態において、突起部を含めた飛散防止部材はステンレス鋼やチタン合金等の高強度材で構成した方が望ましい。
【0038】
図14及び図15は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態は第の実施の形態における回転筒状部12に締結されている飛散防止部材62に衝撃吸収構造を付加したものである。他の構成は第の実施の形態とほぼ同様である。
【0039】
すなわち、この実施の形態は、回転筒状部12の凹部13内に軸部90aを有するサポート90をボルト92を介して立設し、飛散防止部材62の内部に、図11に示す半円環状の金属製パイプ80を互いに対峙させつつ上下に積層するとともに、このパイプ80と飛散防止部材62との間に、例えばフッ素ゴム製のOリング94を介在させて構成した衝撃吸収部材96を配置し、サポート90の上部に刻設した雄ねじに衝撃吸収部材押えとしてのナット98を締付けることで、衝撃吸収部材96の脱出を防止するようにしたものである。この実施の形態にあっては、飛散防止部材62の軸方向の動きはパイプ80によって、径方向の動きはOリング94によってそれぞれ規制され、これにより、軸方向、径方向ともに、ロータ若しくはステータの破片の衝撃を吸収することができる。
【0040】
また、図15に示すように、回転筒状部12の凹部13の周囲には凸部12cが形成され、飛散防止部材62のフランジ部62aの周縁部下面には、この凸部12cと嵌合する凹部62bを区画形成する凸条部62cが形成されている。これにより、回転筒状部12の凸部12cに飛散防止部材62の凹部62bを嵌合させることで、この芯出しを行うとともに、この径方向の移動を規制するようになっている。
【0041】
この実施の形態のターボ分子ポンプによれば、ロータRの回転翼30や回転筒状部12のような破片が飛散防止部材62に衝突した際に、衝撃吸収構造内部の衝撃吸収部材96が変形あるいは破壊されることによって、この破片の運動エネルギをより一層吸収することが可能となり、さらに突起部60にも衝突するので、吸気口側へ伝達される運動エネルギをさらに小さくすることができる。
【0042】
図16は、この発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態は、軸方向の最上段に位置する回転翼30aを他の回転翼30と別体として、例えばステンレス鋼やチタン合金等のようなアルミニウムよりも強度の高い材料で、他の回転翼30はアルミニウムでそれぞれ構成し、軸方向の最上段に位置する回転翼30aをボルト100を介して主軸10に直結し、これによって、回転翼30aで飛散防止部材を構成したものである。
【0043】
つまり、軸方向の最上段に位置する回転翼30aがアルミニウムよりも強度の高い材料で構成されているので、これにアルミニウム製の回転翼30などが衝突しても破壊されず、あるいは破壊の程度が低い。従って、この回転翼30aは、そのような破片がさらに吸気口14aに向かって飛散することを防止する飛散防止部材としての役割を果たす。
【0044】
上記においては、本発明の種々の構成を翼排気部Lとねじ溝排気部Lを有する広域型ターボ分子ポンプに適用したが、それぞれの趣旨に従い、本発明の構成を翼排気部Lのみ、あるいはねじ溝排気部Lのみを有するポンプに採用してもよい。また、上述したいくつかの実施の形態の構成を適宜に組み合わせて用いてもよいことは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ロータが回転中に破壊した際に発生する回転筒状部や回転翼等の破片は、飛散防止部材に衝突することにより吸気口から飛散することが防止され、あるいは運動エネルギを失い、吸気口側に接続された処理チャンバやその内部の機器、被処理物等を傷つけることが防止される。従って、万一ロータが破壊した場合でも、チャンバ等の破損やさらには真空系の破壊に繋がるような事故の発生を防止して、安全性の高いターボ分子ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ーボ分子ポンプの一例を示す断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 ーボ分子ポンプの他の例を示す断面図である。
【図4】 ーボ分子ポンプの更に他の例を示す断面図である。
【図5】 図4の要部拡大図である。
【図6】 ーボ分子ポンプの更に他の例を示す断面図である。
【図7】 図6の平面図である。
【図8】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図9】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図10】 図9の要部拡大図である。
【図11】 図9のターボ分子ポンプに使用されている衝撃吸収部材を構成する金属製パイプを示す平面図である。
【図12】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図13】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図14】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図15】 図14の要部拡大図である。
【図16】 本発明の第の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図17】 従来のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
10 主軸
12 回転筒状部
13 凹部
14 ポンプケーシング
14a 吸気口
16 固定筒状部
18 駆動用モータ
30 回転翼
32 固定翼
34 ねじ溝部
36 ねじ溝部スペーサ
38 固定翼スペーサ
50 保護カバー(飛散防止部材)
52,58,70 遮蔽体
54 支持棒
56 リム板
60 突起部(飛散防止部材)
62,64 飛散防止部材
72,80 金属製パイプ
74,82,96 衝撃吸収部材
76 衝撃吸収部材カバー
90 サポート
翼排気部
溝排気部
R ロータ
S ステータ

Claims (4)

  1. ポンプケーシング内部に、ロータとステータにより翼排気部が構成されたターボ分子ポンプにおいて、
    前記ロータには、前記ポンプケーシングの吸気口側に位置して、前記ロータ及び/またはステータの破片が吸気口を抜けて飛散するのを防止する飛散防止部材が設けられていることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 前記翼排気部を構成する回転翼の少なくとも一部が前記飛散防止部材を構成していることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子ポンプ。
  3. 前記飛散防止部材が、高強度材及び/又は高エネルギ吸収材で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のターボ分子ポンプ。
  4. 前記飛散防止部材が、衝撃吸収構造を有していることを特徴とする請求項1記載のターボ分子ポンプ。
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