JP3792112B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転するロータにより気体の排気を行うようにした真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空ポンプの代表例であるターボ分子ポンプの構成例を図16に示す。このターボ分子ポンプは、ポンプケーシング14の内部に、ロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sにより翼排気部L及び溝排気部Lが構成されている。ステータSは、基部15と、その中央に立設された固定筒状部16と、翼排気部L及び溝排気部Lの固定側部分とから主に構成されている。また、ロータRは、固定筒状部16の内部に挿入された主軸10と、それに取り付けられた回転筒状部12から主に構成されている。
【0003】
すなわち、主軸10と固定筒状部16の間には駆動用モータ18と、その上下に上部ラジアル磁気軸受を構成する電磁石20及び下部ラジアル磁気軸受を構成する電磁石22が設けられている。そして、主軸10の下部には、主軸10の下端のターゲットディスク24aと、ステータS側の上下の電磁石24bを有するアキシャル軸受24が配置されている。このような構成によって、ロータRが5軸の能動制御を受けながら高速回転するようになっている。
【0004】
回転筒状部12の上部外周には、回転翼30が一体に設けられて羽根車を構成し、ポンプケーシング14の内面には、回転翼30と交互に配置される固定翼32が設けられ、これらが、高速回転する回転翼30と静止している固定翼32との相互作用によって排気を行う翼排気部Lを構成している。
【0005】
さらに、翼排気部Lの下方にはねじ溝排気部Lが設けられている。すなわち、回転筒状部12には、外周面にねじ溝34aが形成されたねじ溝部34が固定筒状部16を囲むように設けられ、一方、ステータSには、このねじ溝部34の外周を囲むねじ溝部スペーサ36が配置されている。ねじ溝排気部Lは、高速回転するねじ溝部34のねじ溝34aのドラッグ作用によって排気を行う。固定翼32は、その外周縁部において、固定翼スペーサ38どうし、または固定翼スペーサ38と溝部スペーサ36とで挟持固定されている。
【0006】
このように翼排気部Lの下流側にねじ溝排気部Lを有することで、広い流量範囲に対応可能な広域型ターボ分子ポンプが構成されている。この例では、ねじ溝排気部Lのねじ溝をロータR側に形成した例を示しているが、ねじ溝をステータS側に形成してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなターボ分子ポンプにおいて、腐食などによりロータRの破壊が生じ、壊れたロータRの破片がポンプケーシング14の吸気口14a側に飛び出すことがある。すなわち、ロータの腐食は、相対的に圧力の高くなる排気口側の腐食条件の厳しい領域で起こる可能性が高く、また、同領域は圧力が高い為に、気体の攪拌による発熱によって運転時の温度が相対的に高くなり、腐食進度が高まるとともに、ロータの材料自身のクリープも進み最終的にロータ全体の破壊に到り、破片が吸気口14a側に飛び出す問題があった。そして、ターボ分子ポンプの吸気口14aにフランジ14bを介して接続されている処理装置のチャンバ内に、大きな運動エネルギを持った回転筒状部12あるいは回転翼30の破片が入り込むと、処理装置の破壊や処理途中の製品への損害をもたらすだけでなく、全体の真空系が破壊されて有害な処理ガスの外部放出を招く事故に繋がりかねない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、万一ロータが破壊した場合でも、ロータの破片でチャンバや処理中の製品を傷つけることなく、真空ポンプを交換することで速やかに装置を再使用可能な状態にすることが可能な安全性の高い真空ポンプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空ポンプは、ポンプケーシング内部にロータとステータにより気体排気部が構成された真空ポンプにおいて、前記気体排気部を構成するロータが、軸方向、及び/又は、径方向に吸気側ロータと排気側ロータとに2つ以上に分割され、吸気側ロータは、主軸との結合部において、主軸の軸心に設けられた上部突起部と嵌合され、前記主軸と同心を保持しつつ、締結ボルトにより前記主軸に対して軸方向に締結されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、ロータが、腐食やクリープ等の原因により破壊した場合にも、ロータは2つ以上に分割されているため、破壊は初期破壊の起こった部分のロータのみに限られる。一方のロータの破壊が激しい場合でも、他方のロータの損傷の程度は、分割されていない一体型の場合と比較して、大幅に低減される。その結果、吸気口側への破損したロータの破片の飛出は、他方のロータの存在により大幅に阻止される。特に、ロータの破壊の原因である腐食やクリープの起こる可能性の高い排気側のロータが破壊した場合には、吸気側のロータの損傷は限定される。従って、吸気側のロータ自体が、排気側のロータの破片の吸気口側への飛出に対して障害物となるため、ロータ破壊時の破片の吸気口からの飛出を有効に阻止することができる。
【0011】
ここで、前記2つ以上に分割されたロータは、主軸との結合部において、それぞれが結合されている。これにより、ロータが腐食やクリープ等の原因により破壊した場合でも、主軸との結合部においてロータが複数のロータに分割されているため、破壊は初期破壊の起こった部分のロータに限られる。
またロータが破壊した場合、破片は遠心力により外方に飛ぶので主軸の損傷は限られ、主軸と結合されている初期破壊の起こらなかったロータは、初期破壊の起こったロータの一部分が飛散するのを阻止できる。特に、破壊の可能性が高い排気側ロータが破損した場合、吸気側ロータと主軸の損傷は限定されるので、破損したロータの破片が吸気口側へ飛び出すのを、吸気側ロータと主軸によって阻止できる。
【0012】
また、前記2つ以上に分割されたロータはそれぞれの気体排気部が、同一材料で構成されていることが好ましい。これにより、ロータの気体排気部全体を比強度の高い同一材料で構成して、異なる材料による温度変化に伴なう寸法変化の違い等に起因するロータ結合部における強度の低下を阻止できる。このため、ロータの高速回転が可能となり、排気性能の良いポンプを提供できる。
【0013】
また、前記ロータが破壊した時に前記ロータの破片が、前記ロータの吸気口側に飛散するのを防止する飛散防止部材が設けられていることが好ましい。これにより排気側ロータの破壊の程度が激しく、更に吸気側ロータが破壊・損傷した場合でも、損傷したロータの破片は飛散防止部材によって吸気口に接続された処理装置のチャンバ内への飛散を阻止される。また飛散防止部材の形状を吸気側ロータが破壊しにくい形状及び組立状態に設定しておけば、吸気側ロータが吸気口側へ飛び出した場合にも、その影響によるチャンバ内等の破壊を阻止、または破壊の程度を軽減することがでる。
【0014】
また、前記飛散防止部材が、高強度材、又は高エネルギ吸収材で構成されているか、又は衝撃吸収構造を有していることが好ましい。これにより吸気側ロータがより激しく破壊して、破損したロータの破片が吸気口から処理装置のチャンバ内等へ飛び出そうとした場合でも、飛散防止部材が高強度材料及び/又は高エネルギ吸収材で構成されているか、又は衝撃吸収構造を有しているので、破損したロータの破片の飛散を効率的に阻止することができる。また衝撃吸収構造を設けることにより、破損したロータ破片の飛散の大きな衝撃を有効に吸収できるので、破損したロータの破片の飛散防止がよりいっそう確実になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図中において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態のターボ分子ポンプを示すものである。この実施の形態では、ロータRが翼排気部30を形成する吸気側ロータ115と溝排気部34aを形成する排気側ロータ116とに分割されている。
両ロータの結合部100においては、両ロータ115,116は焼嵌による嵌合やボルト締結、また接着等の方法により、軸方向に沿って、及び径方向に沿って結合されている。換言すれば、ロータRは結合部100において吸気側ロータ115と排気側ロータ116とに分割されている。その他の構成においては、従来技術として示した図16と同様である。
なお、本実施例では結合部100を翼排気部(回転翼)30と溝排気部(回転溝)34aの境界部に設けているが、本発明の主旨に沿ってその場所は、任意であり、分割数、分割方向も任意に設定してよい。
【0017】
ロータRを吸気側ロータ115と排気側ロータ116とに分割することにより、次の効果が得られる。
真空ポンプにおいてロータ破壊の一因となる腐食は相対的に圧力が高く、また排気ガスの攪拌熱が発生しやすく高温になりやすい、すなわち腐食条件の厳しい排気側で起こりやすい。また比較的圧力の高い領域で適用されるねじ溝式のポンプで、ロータ側にねじ溝山が形成されている場合、ねじ溝山の底部に応力が集中しやすく、腐食条件の厳しさとあいまってロータの破壊が起こりやすい。また、高温になりやすい排気側ロータは、クリープ現象も出やすく、破壊に到る可能性が高い。特に、生成物の析出防止の為に、排気側ロータは高温に保持される場合が有り、そのような使用形態においては、ロータ破壊の可能性は一層高くなる。そこで上記のようにロータRを破壊の可能性の低い吸気側ロータ115と破壊の可能性の高い排気側ロータ116に分割すれば、排気側ロータ116が破損した場合でも、吸気側ロータ115は健全であるため、破損による破片が吸気口側に飛散することが防止される。
【0018】
また、排気側ロータに生じた亀裂により破壊が起こる場合、亀裂は排気側ロータ内だけで収まり、吸気側ロータに生じない。排気側ロータの破壊の程度が激しくて吸気側ロータに二次的損傷が与えられる場合でも、その程度は、分割されてない場合と比較して飛躍的に軽減される。このようにして吸気側ロータ115は損傷の程度が低いので、吸気側ロータ115自体が排気側ロータ116の破損に伴うロータ破片の飛出を阻止する部材の役目を果たすことができる。
【0019】
図2は、第1の実施の形態のポンプの変形例を示すものである。本実施例のポンプ構造は、前記のような主軸がなく基部15から立設した中実のステータ突起部110とそれを覆い囲むようにロータRが形成されている。ロータRとステータ突起部110側面の間にはロータRを非接触で浮上及び回転させるための磁気軸受及びモータ111が介設されている。同様にステータ突起部110の上部には、ロータRを非接触で支持する磁気軸受111aが設けられている。また、ステータ突起部110の軸方向にはなれた2箇所の位置に非常用のタッチダウンベアリング112、113が設けられている。本実施例においても前記と同様にロータRが翼排気部117を有する吸気側ロータ115と溝排気部118を有する排気側ロータ116とに分割されており、これらが結合面102において、軸方向及び径方向に焼嵌め等により固定されている。従って、前記と同様の効果が得られる。ここで、結合面102は、この実施例においては、軸方向及び径方向に形成されているが、径方向のみに形成するようにしてもよい。
【0020】
図3は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。この実施の形態では、ロータRが主軸10と結合される箇所において吸気側ロータ121と排気側ロータ122に軸方向に分割されている。すなわち、吸気側ロータ121は、回転翼30を備え、これが固定翼32aとともに翼排気部を構成する。排気側ロータ122は、回転翼123による翼排気部と、ねじ溝34aによる溝排気部34とを一体的に備えている。吸気側ロータ121と排気側ロータ122とは、主軸10にロータ締結ボルト125を介して固定されている。すなわち、両ロータ121,122とも主軸10の上部突起部10aと嵌合されて、主軸10と同心を保持しつつ、吸気側からの締結ボルト125により、主軸10に連設したフランジ部に締結されている。
【0021】
こうすることにより次の効果が得られる。主軸10とロータ121,122の位置関係よりロータ122が破壊した場合、そのロータ破片は遠心力より半径方向外向きに飛び散るので、主軸10は損傷を受ける程度が低い。その点、ロータ121,122を主軸10との締結部において分割しておけば、初期破壊の起こったロータ122部分は主軸10から離れ、外方や任意の方向に飛散するが、主軸10と初期破壊の起こらなかったロータ121は健全であり、結合部を保持しつづける。これにより、初期破壊のロータの飛散を低減することができ、特に破壊の可能性の高い、排気側ロータ122が破損した場合には、吸気側ロータ121と主軸10は損傷の程度が低く、排気側ロータ122の破片が吸気口側に飛び出すのを有効に阻止できる。
【0022】
図4は、本発明の第2の実施の形態の変形例を示すものである。ここでは、ロータ121,122は主軸10との結合部において軸方向だけでなく径方向にも分割されている。ここで、吸気側ロータ121は締結ボルト125により直接主軸10のフランジ部10aに締結されており、排気側ロータ122は、軸方向に吸気側ロータ121と主軸フランジ10a間に挟まれるとともに、径方向に吸気側ロータ122との嵌合により組み付けられている。すなわち、吸気側ロータ121と排気側ロータ122とは、軸方向に結合面103aにより分割され、径方向に結合面103bにより分割されている。
【0023】
こうすることにより、排気側ロータ122は破壊時にロータの径方向外方に飛散するので吸気側ロータ122や締結ボルト125に与える損傷の程度を低くでき、破壊したロータの破片飛出阻止の機能を高めることができる。
【0024】
図5は、本発明の第2の実施の形態の更なる変形例を示すものである。ここでは、締結ボルト125は主軸フランジ10aの排気側から組み付けられていて、排気側ロータ122と主軸フランジ10aにボルト用穴122b,10bと吸気側ロータ121にボルト用メネジ121bが設けられて固定されている。この例においても、吸気側ロータ121と排気側ロータ122とは、軸方向に結合面103aにより、径方向に結合面103bにより分割されている。こうすることにより、排気側ロータ122が破壊した場合、排気側ロータ122はボルト用穴122bが設けられているので穴の近傍部が破壊しやすい為、吸気側ロータ121に影響を与えることが少なく、主軸10との結合部から径方向に飛散するようになる。よって、吸気側ロータ121や主軸10の健全性が保たれ、吸気口側へのロータ破片の飛出しを確実に阻止することができる。
【0025】
図6は、本発明の第2の実施の形態の更なる変形例を示すものである。ここで吸気側ロータ121と排気側ロータ122の結合(接触)面104は組付時の組立アライメントがでる必要最小限にしてある(符号A参照)。こうすることにより排気側ロータ122が破壊し、径方向に飛散するときに、吸気側ロータ121との接触部が少ないので吸気側ロータ121へ破壊の影響を与えにくい。従って、吸気口側へのロータ飛散防止を確実に行なうことができる。なお、排気側ロータ122と主軸フランジとの結合(接触)面104aについても同じ方法により同様の効果が得られる。
【0026】
本実施例では、更に吸気側ロータ121のボルト座面部にロータ押さえ板131を設けている。これにより、ボルト125の締結力をボルト座面に対して均一にし、組立時のアライメントを整えやすくできるとともに、万一吸気側ロータ121が損傷をうけた場合でも、吸気側ロータ121の補強の機能を持たせることができる。
【0027】
なお、上記で述べた各実施例では、それぞれロータを主軸との結合部において2分割したものを示したが、ロータ破壊の影響の波及を極力少なくするという本発明の主旨より3分割以上に設定してもよいことは言うまでもない。
【0028】
ロータは高速回転や高温に耐えうる比強度と熱耐力性の高い材料(アルミニウム合金等)で、製作するのが望ましい。ロータを分割する場合においても組み合わせ部で温度や応力による変化を極力小さくするのが望ましい。従って、ロータを上述したように分割するに際して、これらの分割された各ロータは適切な同一材料で構成するのが望ましい。これにより、ロータを分割しても結合面における熱応力等による影響を最小限にすることができる。
【0029】
図7は、本発明の第3の実施の形態を示す。この実施形態では、ロータRが吸気側に回転翼30による翼排気部を備えた吸気側ロータ121と、排気側に回転翼123による翼排気部とねじ溝34aによる溝排気部とを備えた排気側ロータ122とから構成されていることは、上記図3に示す第2の実施形態と同様である。
更に、この実施形態では、吸気側ロータ121のより吸気側に飛散防止部材62が設けられている。ここで、飛散防止部材62は、一般にロータの材料として使用されるアルミニウム合金よりも強度の高いステンレス鋼やチタン合金で構成するのが望ましい。また衝撃吸収の観点から高エネルギ吸収材で構成するのが望ましい。これにより排気側ロータ122の破壊の程度が激しく、吸気側ロータ121が二次的に損傷を受ける場合や吸気側ロータ121がポンプ内への異物混入や大気突入等の原因により損傷する場合に、飛散防止部材62が吸気口へのロータ破片の飛出しを防止することができる。
【0030】
図8は飛散防止部材50をケーシング吸気口部に設けた例であり、同様の効果を得ることができる。この飛散防止部材50は、図9に示すように吸気口14aの中央部に配置され、ロータRを構成する吸気側ロータ121の直上方を覆う内側円盤52と、内側円盤52の外側に同心に配置され、ポンプケーシング14の吸気口14aと同じ大きさの開口を有するリング状の外側円盤56と、内側円盤52の外周面から放射状に延びて内側円盤52と外側円盤56とを連結する複数(図では3本)のステー54とから構成されている。このように構成したターボ分子ポンプにおいて、ロータRが腐食等の原因で回転中に破壊した時に、ロータRの破片は、飛散防止部材50の内側円盤52に衝突し、それによって吸気口14a側への運動エネルギが失われるので、吸気口14a側に接続されたチャンバ等を傷つけることが防止され、あるいはその程度が軽減される。
また、飛散防止部材50をアルミニウムよりも強度の高い材料で構成することで、これにアルミニウム製の回転翼などが衝突しても破壊されず、あるいは破壊の程度が低い。従ってこの飛散防止部材50は、そのような破片がさらに吸気口14aに向かって飛散することを防止する飛散防止部材としての役割を果たす。なお一層の飛散防止の効果を得るために図10に示すように外側円盤から内方に突出した突起部60を設けてもよい。
【0031】
図11は、更にこの変形例のターボ分子ポンプを示すもので、この実施の形態は、図7に示す飛散防止部材62に衝撃吸収構造を付加したものであり、他の構成は、上記第3の実施の形態とほぼ同様である。なお、図12は、図11の要部拡大図である。
【0032】
即ち、この実施の形態は、上方に開口した飛散防止部材62の内部に、図14に示す半円環状のステンレス鋼等の金属製パイプ80を互いに対峙させつつ上下に積層して構成した衝撃吸収部材82を配置し、更に主軸10を上方に延長させてその上端部に雄ねじを刻設し、この雄ねじに衝撃吸収部材押えとしてのナット84を締付けることで、衝撃吸収部材82の脱出を防止するようにしたものである。この実施の形態にあっては、ナット84を締付けて、衝撃吸収部材82を介して飛散防止部材62のフランジ部62aの下面を吸気側ロータ121に圧接させることで、飛散防止部材62を固定している。
【0033】
これにより、回転翼30や回転筒状部34aのようなロータRの破片が、飛散防止部材62に衝突した際に、飛散防止部材62が軸方向及び径方向のいずれにも容易に変形あるいは破壊して衝撃を吸収することで、この破片の運動エネルギをより一層吸収して、処理チャンバ側を防護する機能を向上させることができる。
【0034】
なお、このように、半円環状のパイプ80を使用して衝撃吸収部材82を構成したのは生産性を高めるためであり、完全なリング状のパイプや、一端が開いたリング状のパイプ、更にはコイル状のものを使用してもよいことは勿論である。また、衝撃吸収部材として、比較的柔軟な金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合素材を用いて、衝撃を吸収しやすい形状に構成したものを使用してもよい。
【0035】
図13は、更にこの変形例を示すものである。吸気側ロータ121の凹部13内に軸部90aを有するサポート90をボルト92を介して立設し、飛散防止部材62の内部に、図14に示す半円環状の金属製パイプ80を互いに対峙させつつ上下に積層するとともに、このパイプ80と飛散防止部材62との間に、例えばフッ素ゴム製のOリング94を介在させて構成した衝撃吸収部材96を配置している。サポート90の上部に刻設した雄ねじ90aに衝撃吸収部材押えとしてのナット98を締付けることで、衝撃吸収部材96の脱出を防止するようにしたものである。この実施の形態にあっては、飛散防止部材62の軸方向の動きはパイプ80によって、径方向の動きはOリング94によってそれぞれ規制され、これにより、軸方向、径方向ともに、ロータ若しくはステータの破片の衝撃を吸収することができる。
【0036】
また、吸気側ロータ121の凹部13の周囲には凸部12cが形成され、飛散防止部材62のフランジ部62aの周縁部下面には、この凸部12cと嵌合する凹部62bを区画形成する凸条部62cが形成されている。これにより、回転筒状部121の凸部12cに飛散防止部材62の凹部62bを嵌合させることで、この芯出しを行うとともに、この径方向の移動を規制するようになっている。
【0037】
この実施の形態のターボ分子ポンプによれば、ロータRの回転翼30や回転筒状部121のような破片が飛散防止部材62に衝突した際に、衝撃吸収構造内部の衝撃吸収部材96が変形あるいは破壊されることによって、この破片の運動エネルギをより一層吸収することが可能となり、さらに突起部60にも衝突するので、吸気口側へ伝達される運動エネルギをさらに小さくすることができる。なお、 図14は衝撃吸収材であるパイプの一形状を示したもので、図示のように半円弧形状にすれば製作性及び組立性が高くなる。
【0038】
図15は、衝撃吸収構造がケーシングの吸気口側、すなわちステータ側に設けられた例である。飛散防止部材の保持方法は上述した図8と同じ方法で構成されている。ここで、すなわち、飛散防止部材50の中央部に略円板状で下方に突出する軸部70aを有する内側円盤70を設け、これをステーにより吸気口固定部に固定している。この内側円盤70の軸部70aの周囲に金属製パイプ72をコイル状に二重に巻き付けて構成した衝撃吸収部材74を配置し、この衝撃吸収部材74の周囲を上方に開口したカップ状の衝撃吸収部材カバー76で囲繞し、更に内側円盤70の周縁部と衝撃吸収部材カバー76のフランジとをボルト78で締結したものである。衝撃吸収部材カバー76は、回転筒状部121の中央の設けられた凹部13内に入り込むように配置されている。
【0039】
この実施の形態のターボ分子ポンプによれば、回転翼30や回転体121のようなロータRの破片が、飛散防止部材50の内側円盤70や衝撃吸収部材カバー76に衝突した際に、衝撃吸収部材74が軸方向及び径方向のいずれにも容易に変形あるいは破壊して衝撃を吸収することで、この破片の運動エネルギをより一層吸収して、処理チャンバ側を防護する機能を向上させることができる。
【0040】
ここで、衝撃吸収部材としては、この他に、比較的柔軟な金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合素材を用いて、衝撃を吸収しやすい形状(例えば、ハニカム構造や単なる球形状の集合体)に構成したものを使用してもよい。この場合、腐食性ガスなどを排気することを考慮して、素材自身に耐食性のある素材を選ぶか、または表面にニッケルコーティング等の耐食性表面処理を行うことが好ましい。
【0041】
なお、上記各実施の形態は、ターボ分子ポンプについて例示したが、その他の形式の真空ポンプにも本発明の趣旨を同様に適用できることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータが回転中に破壊した場合にも、亀裂の進行をロータを分割することにより最小限にとどめることができる。また、破壊の影響が吸気側に及ぶ場合にも、飛散防止部材や衝撃吸収構造によりロータの破片が吸気口を飛び出すのを阻止できるため、安全性の高い真空ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図2】図1の変形例を示す要部断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図4】図3の変形例を示す要部断面図である。
【図5】図3の変形例を示す要部断面図である。
【図6】さらに、図3の変形例を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図8】図7の変形例のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図9】飛散防止部材を示す平面図である。
【図10】図9の変形例を示す平面図である。
【図11】図7の変形例のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【図12】図11の変形例のターボ分子ポンプを示す要部断面図である。
【図13】さらに、図11の変形例のターボ分子ポンプを示す要部断面図である。
【図14】衝撃吸収部材を構成する金属製パイプを示す平面図である。
【図15】図8の変形例のターボ分子ポンプを示す要部断面図である。
【図16】従来のターボ分子ポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
10 主軸
10a 主軸フランジ
12 回転筒状部
13 凹部
14 ポンプケーシング
14a 吸気口
16 固定筒状部
18 駆動用モータ
30、123 回転翼
32 固定翼
34 ねじ溝部
36 ねじ溝部スペーサ
38 固定翼スペーサ
50,62,64 飛散防止部材
52,58,70 内側円盤
54 ステー
56 リム板
60 突起部
72,80 金属製パイプ
74,82,96 衝撃吸収部材
76 衝撃吸収部材カバー
90 サポート
115,121 吸気側ロータ
116,122 排気側ロータ
125 締結ボルト
翼排気部
溝排気部
R ロータ
S ステータ

Claims (4)

  1. ポンプケーシング内部にロータとステータにより気体排気部が構成された真空ポンプにおいて、前記気体排気部を構成するロータが、軸方向、及び/又は、径方向に吸気側ロータと排気側ロータとに2つ以上に分割され、吸気側ロータは、主軸との結合部において、主軸の軸心に設けられた上部突起部と嵌合され、前記主軸と同心を保持しつつ、締結ボルトにより前記主軸に対して軸方向に締結されていることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記2つ以上に分割されたロータはそれぞれの気体排気部が、同一材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記ロータが破壊した時に前記ロータの破片が、前記ロータの吸気口側に飛散するのを防止する飛散防止部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプ。
  4. 前記飛散防止部材が、高強度材、又は高エネルギ吸収材で構成されているか、又は衝撃吸収構造を有していることを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
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