JP3783945B2 - 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル - Google Patents

金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル Download PDF

Info

Publication number
JP3783945B2
JP3783945B2 JP2002209229A JP2002209229A JP3783945B2 JP 3783945 B2 JP3783945 B2 JP 3783945B2 JP 2002209229 A JP2002209229 A JP 2002209229A JP 2002209229 A JP2002209229 A JP 2002209229A JP 3783945 B2 JP3783945 B2 JP 3783945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal strip
mandrel
winder
roughness
rewinding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002209229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004050209A (ja
Inventor
龍登 榎本
誠之 畠山
達朗 藤井
克之 川畑
清弘 垂水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Nippon Steel Hardfacing Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Nippon Steel Hardfacing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, Nippon Steel Hardfacing Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2002209229A priority Critical patent/JP3783945B2/ja
Publication of JP2004050209A publication Critical patent/JP2004050209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3783945B2 publication Critical patent/JP3783945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、長期間の使用でも外表面が適切な粗度に保たれるマンドレルおよびそれを用いた金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属ストリップを取り扱うラインにおいては、金属ストリップをコイルから巻き戻したり、コイルに巻き取る作業が行われる。例えば、図1に示す連続鍍金ラインでは、金属ストリップのコイルを巻き戻し機1によって巻き戻し、入側ルーパ2、鍍金タンク3、出側ルーパ4を経て、巻き取り機5によって再びコイルに巻き取られる。
【0003】
なお、図1の例は、一方向に金属ストリップが流れるラインであるので、巻き戻し機は巻き戻し専用であり、巻き取り機は巻き取り専用であるが、金属ストリップがリバースで流れるラインでは、順方向に流れるときの巻き戻し機が逆方向に流れるときの巻き取り機になり、順方向に流れるときの巻き取り機が逆方向に流れるときの巻き戻し機になる。
【0004】
ここでは、これらを総称して、金属ストリップの巻き戻し及び/又は巻き取り機という。
【0005】
図2は、巻き戻し及び巻き取り機用マンドレルの模式的な外観図である。巻き戻し機で金属ストリップをコイルから巻き戻すときには、マンドレル10をコイルの内径側に差し込んで巻き戻し、巻き取り機で金属ストリップを巻き取るときには、マンドレル10に金属ストリップを巻きつけてコイルに巻き取る。なお、コイルの着脱を容易にするために、マンドレル10は円周方向に複数個(3個ないし4個)に分割されたセグメント11を組合わせた構造になっており、それによって外径が変更できるようになっている。例えば、金属ストリップを巻き取るときはマンドレルの外径を膨らませてコイルを固定し、一方、コイルを抜き出すときにはマンドレルの外径を縮めてコイルを抜き取る。
【0006】
そして、マンドレル10の外表面には、適度な粗度が付与されている。マンドレル表面のグリップ力によって、金属ストリップとマンドレルとのスリップ防止および金属ストリップの蛇行防止を図るためである。もし、金属ストリップとマンドレルとのスリップや金属ストリップの蛇行が生じると、巻き戻し中あるいは巻き取り中の金属ストリップコイルの内径側から横ずれが発生し、金属ストリップのエッジの損傷による歩留低下さらには金属ストリップの破断による設備停止に至る危険性があるからである。ただし、マンドレルの外表面の粗度があまり高すぎると、マンドレル表面のグリップ力が強くなりすぎて、金属ストリップに張力変動が生じた時に金属ストリップが破断する危険性もある。
【0007】
従来、金属ストリップの巻き戻し及び/又は巻き取り機のマンドレル外表面に必要な粗度を付与する方法として、マンドレル表面にスチールショットまたはスチールグリッドを高速で投射し、さらに硬質Crメッキ処理する方法がとられてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のスチールショット等の高速投射と硬質Crメッキ処理により、表面に必要な粗度を付与されたマンドレルは、比較的短い使用期間で、金属ストリップとの接触によりマンドレル表面が磨耗して粗度が落ち、スリップ防止効果や蛇行防止効果が無くなるという問題があった。
【0009】
これに対して、耐磨耗性があり長期間の使用でも表面の粗度が落ちないロールとして、特開平11−47815号公報に、中心線平均粗さRaが1〜5μmでかつ凸部の平均傾斜角が6度以上である梨地状の下地の上にCrめっきを施したロールが開示されている。以下、これを従来ロールという。
【0010】
しかしながら、上記従来ロールは、金属ストリップの搬送用ロールであり、使用状況が異なる金属ストリップの巻き戻しや巻き取りには適当とはいえない。
【0011】
従って、この発明の目的は、上記の状況を鑑みて、長期間の使用でも外表面が適切な粗度に保たれる、金属ストリップの巻き戻し及び/又は巻き取り機用マンドレル、及びこのマンドレルを備えた巻き戻し及び/又は巻き取り機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、金属ストリップ搬送用ロールとは明らかに異なる、金属ストリップ巻き戻し及び/又は巻き取り機のマンドレルについて、実操業において実験検討を重ねた結果、下記の知見を得た。
【0013】
硬質Crメッキ処理したマンドレルは、金属ストリップとの接触により磨耗するため、比較的短期間の使用で金属ストリップのスリップや蛇行を生じるが、表面粗さRz(十点平均粗さ)を同一としたタングステン炭化物系サーメット溶射処理したマンドレルは、金属ストリップとの接触による磨耗が少ないため長期間の使用に対しても金属ストリップのスリップ防止や蛇行防止に好適である。
【0014】
この発明は、上記知見に基づきなされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0015】
請求項1記載の発明のマンドレルは、金属ストリップの巻き戻し及び巻き取りの少なくとも1つを行うマンドレルであって、厚さ300μm以下の表面被覆層がクロム炭化物:10〜30%、NiCr:5〜15%(何れも質量%)を含み、主に残部がタングステンの炭化物からなると共に、表面粗さRz(十点平均粗さ)が20〜140μmであることに特徴を有するものである。
【0016】
請求項2記載の発明の金属ストリップの巻き戻し機は、請求項1に記載のマンドレルを備えたことに特徴を有し、請求項3記載の発明の金属ストリップの巻き取り機は、請求項1に記載のマンドレルを備えたことに特徴を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明において限定した諸条件について、以下に説明する。
【0018】
金属ストリップとの接触による磨耗防止と経済性を目的とすることにより、被覆層の厚さ300μm以下に限定した。実用的なレベルとしては、厚さ10μm以上が妥当である。
【0019】
表面被覆層の構成成分として、クロム炭化物は、質量%で10〜30%とする。クロム炭化物は、マトリックスとなるNiCrの分解を防止する役割と耐磨耗性を付与する役割を持つ。クロム炭化物が質量%で10%未満または30%超では所望の耐磨耗性が得られない。また、マトリックスとなるNiCrの分解を防止するため、クロム炭化物とマトリックスNiCrの比率は、質量%で2:1とする。そして、タングステン炭化物は、耐磨耗性を与える。
【0020】
使用時において金属ストリップのスリップ防止や蛇行防止を行うには、適度な表面粗さが付与されたマンドレルにする必要があることは、上述した通りであるが、その条件として表面粗さRz(十点平均粗さ)を20〜140μmとした。Rz20μmは、タングステン炭化物系サーメット溶射処理したマンドレルの使用限界として得た表面粗さ数値である。Rz140μmを超えるときは、マンドレルと金属ストリップ間のグリップ力とが大となり、張力変動時に金属ストリップの破断に至る危険性がある。
【0021】
なお、この発明は、一方向に金属ストリップが流れるラインにおいて、巻き戻し機又は巻き取り機の何れか一方に適用することでもよいし、巻き戻し機と巻き取り機の両方に適用してもよい。また、金属ストリップがリバースで流れるラインにおいて巻き戻しと巻き取りの両方を行う、巻き戻し及び巻き取り機にも適用できることはいうまでもない。
【0022】
【実施例】
実施例1
マンドレルの代用としてロールを用いて、表面にタングステン炭化物系サーメット溶射処理を施して製作した本発明例のロールと、比較のために表面に硬質Crメッキ処理を施して製作した従来例のロールについて、磨耗促進試験によって表面粗さの時間的変化を比較評価した。ロール直径は300mmで、処理層の厚みは100μm、表面粗さRz40μmとした。また、ロール回転数は60rpmで、相手材にアルミ砥粒つきサンドペーパー(JISA#320)を用いた。
【0023】
図3に両ロールの表面粗さの時間的変化を示す。図3から明らかなように、従来例のロールでは、表面粗さの急激な低下が生じているが、本発明例のロールでは、表面粗さの変化が少なく安定していることが分かった。
【0024】
実施例2
図1に示した鍍金ラインにおける巻き戻し機のマンドレルについて、表面にタングステン炭化物系サーメット溶射処理を施して製作した本発明例のマンドレルを用いた場合と、表面に硬質Crメッキ処理を施して製作した従来例のマンドレルを用いた場合とのマンドレル表面粗さの時間的変化を比較評価した。マンドレル表面の処理層の厚みは50μmとし、測定個所はマンドレルの胴長方向で駆動側、中央、操作側の3個所とした。なお、金属ストリップの厚さは0.1〜3.2mmであった。
【0025】
その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003783945
【0027】
表1から明らかなように、従来例のマンドレルでは、使用開始1年後に表面粗さがかなり低下しており、2年後にはさらに表面粗さが低下して金属ストリップとのスリップが生じている。これに対して、本発明例のマンドレルでは、表面粗さの低下が少なく安定していることが分かった。
【0028】
すなわち、本発明例のマンドレルを用いた場合には、長期間の使用においても金属ストリップのスリップや蛇行を生じることがなく、従来例のマンドレルによる場合に発生したスリップや蛇行による金属ストリップコイルの内径横ずれを回避でき、金属ストリップのエッヂ損傷による歩留低下さらには金属ストリップの破断による設備停止に至ることはなくなることが明らかとなった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、マンドレルの外表面が長期間の使用によっても適切な粗度に保たれるので、金属ストリップのエッジ損傷が減少することによる歩留向上と、金属ストリップ破断のための緊急の設備停止が不要になることによる設備稼働率向上とが得られるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属ストリップ巻き戻し機及び巻き取り機が使用される連続鍍金ラインを示す概略図である。
【図2】金属ストリップ巻き戻し機及び巻き取り機のマンドレルの外観図である。
【図3】実施例1における表面粗さの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1:巻き戻し機
2:入側ルーパ
3:鍍金タンク
4:出側ルーパ
5:巻き取り機
10:マンドレル
11:セグメント

Claims (3)

  1. 金属ストリップの巻き戻し及び巻き取りの少なくとも1つを行うマンドレルであって、厚さ300μm以下の表面被覆層がクロム炭化物:10〜30%、NiCr:5〜15%(何れも質量%)を含み、主に残部がタングステンの炭化物からなると共に、表面粗さRz(十点平均粗さ)が20〜140μmであることを特徴とするマンドレル。
  2. 請求項1に記載のマンドレルを備えたことを特徴とする、金属ストリップの巻き戻し機。
  3. 請求項1に記載のマンドレルを備えたことを特徴とする、金属ストリップの巻き取り機。
JP2002209229A 2002-07-18 2002-07-18 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル Expired - Fee Related JP3783945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002209229A JP3783945B2 (ja) 2002-07-18 2002-07-18 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002209229A JP3783945B2 (ja) 2002-07-18 2002-07-18 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004050209A JP2004050209A (ja) 2004-02-19
JP3783945B2 true JP3783945B2 (ja) 2006-06-07

Family

ID=31933132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002209229A Expired - Fee Related JP3783945B2 (ja) 2002-07-18 2002-07-18 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3783945B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004050209A (ja) 2004-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3783945B2 (ja) 金属ストリップの巻き戻し機、巻き取り機およびそれに用いるマンドレル
JPH0360917A (ja) 線材皮むき方法
JP3110276B2 (ja) ブライドルロール
JP2001286926A (ja) スクイジングローラおよび金属箔用多段圧延機
JP2018126761A (ja) 金属条の製造方法
JP2006021310A (ja) 薄帯状材料のバリ取り方法及びバリ取り装置
JPH07116723A (ja) 高張力圧延機用デフレクタロール
JP3298049B2 (ja) 熱間粗圧延機用のワークロール
JP3702853B2 (ja) 薄鋼帯の巻取り方法
JP3398625B2 (ja) 金属板の冷間タンデム圧延機および冷間圧延方法
JP3250117B2 (ja) 帯状金属板の高速通板用定摩擦性プロセスロール
JP2510900B2 (ja) 薄鋼板の冷間圧延方法
JP3286658B2 (ja) 金属板圧延用ロール
JP5050383B2 (ja) 溶融めっき金属帯の製造方法及び溶融めっき金属帯製造装置
JP2730711B2 (ja) 金属帯の冷間圧延方法
JP2005066677A (ja) 金属クラッド材の製造方法
JPH11267716A (ja) 金属板圧延用ロール及びそのロールを用いた圧延方法
JP3169576B2 (ja) 電気めっき鋼帯の製造方法及び装置
JPH01233002A (ja) ブライドルロールの表面加工方法
JP2004268085A (ja) 冷間圧延鋼帯の製造装置および製造方法
JPH0679350A (ja) ストリップの巻取方法
JP2003211258A (ja) ストリップキャスティング用冷却ロールとその製造方法
JP3814171B2 (ja) 圧延ロールのオンライン研削方法
JPH0715103U (ja) 冷間圧延機におけるテンションメータロール
JPH11302746A (ja) 連続焼鈍炉用ハースロール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110324

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees