JP3782051B2 - メソ−ゼアキサンチンの製造方法 - Google Patents

メソ−ゼアキサンチンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3782051B2
JP3782051B2 JP2002268971A JP2002268971A JP3782051B2 JP 3782051 B2 JP3782051 B2 JP 3782051B2 JP 2002268971 A JP2002268971 A JP 2002268971A JP 2002268971 A JP2002268971 A JP 2002268971A JP 3782051 B2 JP3782051 B2 JP 3782051B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
acid
represented
diastereomeric
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002268971A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003113159A (ja
Inventor
エルンスト ハンスゲオルグ
ヘンリッヒ クラウス
ディトリッヒ クラウス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2003113159A publication Critical patent/JP2003113159A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3782051B2 publication Critical patent/JP3782051B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C403/00Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone
    • C07C403/24Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by six-membered non-aromatic rings, e.g. beta-carotene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/74Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C35/00Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring
    • C07C35/02Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring monocyclic
    • C07C35/08Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring monocyclic containing a six-membered rings
    • C07C35/18Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring monocyclic containing a six-membered rings with unsaturation at least in the ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/62Halogen-containing esters
    • C07C69/65Halogen-containing esters of unsaturated acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/07Optical isomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメソ-ゼアキサンチンの製造のための新規方法に関する。メソ-ゼアキサンチンは、とりわけ加齢性黄斑変性(AMD)の治療及び予防のために非常に重要である。
【0002】
【従来の技術】
加齢性黄斑変性の結果起こる老年での失明は、疫学的見地から重要な問題である。より最近の調査では、あるカロテノイドは、AMDから、即ち失明から目を効果的に保護できることが示されている。この保護機能を発揮するカロテノイドは、ルテイン及びゼアキサンチンである。
【0003】
【化18】
Figure 0003782051
【0004】
ルテイン及びゼアキサンチンは、進行したAMDの予防と治療の両方のために利用できる。メソ-ゼアキサンチン及びルテインの投与は特に有効であると記載されている(米国特許第6,218,436号)。治療上利用するために、メソ-ゼアキサンチンを入手できるようにしなければならない。天然資源からの単離はできないので、部分合成(ルテインの異性化)又は全合成しか適切な方法がない。
【0005】
塩基触媒による異性化によって、ルテインをメソ-ゼアキサンチンへと変換する試みは継続的に行われている(欧州特許出願公開A-0 834 536号; 国際公開9602594号; 米国特許第5,523,434号)。これらに記載されているルテインの異性化方法ではルテインとメソ-ゼアキサンチンとの混合物が得られるのが常である。かかる混合物からでは、収率の甚大な損失を伴う非常に複雑な分離操作によらなければ、治療目的のために望まれる均質な製品を得ることがでない。
【0006】
メソ-ゼアキサンチンの、サフラナールを出発物質とする多段階全合成が、Pure Appl. Chem. 51, 535 f. (1979), Pure Appl. Chem. 51, 565 f. (1979), Helv. Chim. Acta 63, 6, 1377, (1980) 及びHelv. Chim. Acta 63, 6, 1465, (1980) に記載されている。
【0007】
こうして達成されるメソ-ゼアキサンチンの収率は低すぎるので、該合成を工業的には実施できない。反応ステップの多くは選択性が低いので、均質な最終製品を得るには、得られる中間体の多くを手間をかけて精製する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、先行技術の上記の欠点を回避した、メソ-ゼアキサンチンの製造方法を利用できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題が、メソ-ゼアキサンチン:
【化19】
Figure 0003782051
の製造方法であって、以下のステップ
a) アセチレンジオールR-I及びS-I:
【化20】
Figure 0003782051
のラセミ混合物をその鏡像異性体に分割するステップ、
b) 分離した鏡像異性体R-I及びS-Iをそれぞれ、C15-ホスホニウム塩R-II及びS-II:
【化21】
Figure 0003782051
[式中、Phはアリールであり、Xは無機酸又は有機酸のアニオン相当部である]
に変換するステップ、
c) ホスホニウム塩R-II又はS-IIを、ウィッティヒ(Wittig)反応により、一般式III:
【化22】
Figure 0003782051
[式中、置換基R1及びR2は互いに独立してC1-C8-アルキルであるか、又は、それらが結合している酸素原子及び炭素原子と共に、次の構造:
【化23】
Figure 0003782051
(ここで、R3及びR4並びにR5は、互いに独立して水素又はC1-C4-アルキルである)
で表される1,3-ジオキソラン環又は1,3-ジオキサン環を形成していてもよい]
で表されるC10-ジアルモノアセタールと反応させて、C25-アセタールR-IV又はS-IV:
【化24】
Figure 0003782051
を得るステップ、
d) C25-アセタールR-IV又はS-IVを、C25-アルデヒドR-V又はS-V:
【化25】
Figure 0003782051
に変換するステップ、及び、
e) ウィッティヒ反応によって、C25-アルデヒドR-VをC15-ホスホニウム塩S-IIと反応させて、又は、C25-アルデヒド S-VをC15-ホスホニウム塩 R-IIと反応させて、立体的に均質なメソ-ゼアキサンチンを得るステップを含む方法により解決できることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】
ステップc)に用いられるC10-ジアルモノアセタールIIIにおいて、鎖式アセタールの場合に可能なアルキル基R1及びR2は、直鎖状または分岐状のC1-C8-アルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル及びn-オクチルである。
【0011】
R1及びR2として好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルであり、特に好ましくはメチル及びエチルである。
【0012】
環状アセタールに関してR3〜R5として可能なアルキル基は、直鎖状または分岐状のC1-C4-アルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル及び1,1-ジメチルエチルである。
【0013】
R3〜R5として好ましい基は、水素及びメチルである。
【0014】
C15-ホスホニウム塩R-II及びS-IIの基であるPhは、ホスフィン及びホスホニウム塩において通常存在するフェニル、トルエン、ナフチルのようなアリール基(適切であるならばそれぞれ置換されていてもよい)を意味し、好ましくはフェニルを意味する。
【0015】
基X-は、無機酸又は有機酸の、好ましくは無機強酸又は有機強酸のアニオン相当部である。
【0016】
強酸という表現には、ハロゲン化水素酸(特に塩酸及び臭化水素酸)、硫酸、リン酸、スルホン酸及び同等の解離度を有する他の無機酸又は有機酸が含まれる。この文脈では有機強酸とは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸及びカプロン酸のようなC1-C6-アルカン酸をも意味すると理解されたい。
【0017】
より好ましいアニオンは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸及びスルホン酸からなる群から選択される酸のアニオンであり、最も好ましくは、Cl-、Br-、CnH2n+1-SO3 -(n=1〜4)、Ph-SO3 -、p-Tol-SO3 -又はCF3-SO3 -である。
【0018】
アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物の製造のためには、オキソイソホロンVIIIを出発物質として用い、既知の方法で、例えばメタノール中のラネーニッケルを使用するなどの接触水素化によってXに変換する。ここでは中間体としてラセミ体IXを経る。しかしながらそれは単離する必要はない。Xはトランス/シスジアステレオマー混合物として得られ、トランス-Xが主たる生成物である。トランス-X及びシス-Xはそれぞれラセミ体として存在する。ジアステレオマーの分離は、欧州特許出願公開A-0 775 685号に記載された方法の一つに従って行うことができ、好ましくは蒸留による方法によって行う。この場合に副生成物として得られるラセミ体シス-Xは、塩基触媒によるC6のエピマー化によって平衡化して、ラセミ体シス-X及びラセミ体トランス-Xの混合物を得て、蒸留によるジアステレオマーの分別工程に戻すことができる。純粋なラセミ体トランス-Xは、Helv. Chim. Acta. 73 (4), 868, (1990)に示されている合成に従い3段階でラセミ混合物R-I/S-Iに変換される。
【0019】
【化26】
Figure 0003782051
【0020】
このように、本発明の方法はまた、ステップa)で使用するラセミ混合物がアセチレンジオールR-I及びS-Iのジアステレオマーについて純粋なラセミ体である方法である。
【0021】
ステップa)におけるラセミ混合物の分割は、既知の方法、例えばエナンチオマーの酵素触媒による分離、キラルカラムでのクロマトグラフィー、ジアステレオマーの分離などにより行うことができる。
【0022】
本発明の方法の好ましい態様は、ステップa)において、光学的に活性な補助試薬を用いてアセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物をジアステオマー混合物へと変換し、ジアステレオマーを分離して、続いて再び補助試薬を除去することを含む。
【0023】
このように本発明では驚くべきことに、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物は、光学的に活性な補助試薬を用いた誘導体化によって、式R-VI及びS-VI:
【化27】
Figure 0003782051
[式中、置換基R6は光学的に活性なウレタン基、炭酸基、スルホン酸基又はアシル基である]
で表されるジアステレオマー中間体の混合物を得た後に、特に簡単な方法でその鏡像異性体に分割できるということが見出された。
【0024】
誘導体化は第二級OH基上で完全に選択的に起こる。驚くべきことに、アセチレンジオールR-I及びS-Iは、キラル補助基の導入、ジアステレオマー中間体R-VI及びS-VIの分離並びに補助基の除去に必要な条件に対して、化学的にも立体構造に関しても安定であることが分かった。
【0025】
好適なジアステレオマー中間体R-VI及びS-VIは、原則として、ラセミ体アルコールをその鏡像異性体に分割することを可能にする全ての誘導体である(Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of organic chemistry], alcohols, Part III, p. 785 f., 1984を参照のこと)。
【0026】
本発明の方法の好ましい実施形態は、ステップa)において、ラセミ体を、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、クロロカルボン酸エステル、スルホン酸及びイソシアナートからなる群から選択される光学的に活性な補助試薬を用いて選択的に第二級OH基上で誘導体化することを含む。
【0027】
このようにして、式R-VI及びS-VIのジアステレオマー中間体は、好ましくはカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、炭酸エステル及びウレタンであるが、例えばブルシン、エフェドリン、キニン、メチルアミン、ストリキニンなどの光学的に活性なアミンを用いることでジアステレオマー塩に変換できるジカルボン酸のモノエステルであってもよい。
【0028】
ジアステレオマーであるウレタンの製造のためには、例えば、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物を、例えば(+)-若しくは(-)-フェニルエチルイソシアナート、(+)-若しくは(-)-1-(1-ナフチル)エチルイソシアナート又は(+)-若しくは(-)-メチルイソシアナートのような光学的に活性なアミンのイソシアナートと不活性溶媒中で反応させることができる。
【0029】
炭酸エステルは、例えば、R-I又はS-Iと、クロロギ酸エステル、好ましくはクロロギ酸メチルとの反応により製造できる。
【0030】
ジアステレオマーであるカルボン酸エステル又はスルホン酸エステルの製造のためには、例えば、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物を、ω-カンファン酸、メチルオキシ酢酸、乳酸、マンデル酸、O,O-ジアセチル酒石酸メチル、α-トシルアミノカルボン酸、トランス-クリサンテム酸、ショウノウ-10-スルホン酸又はそれらの酸塩化物と反応させることができる。
【0031】
工業的な実用性に関して、ジアステレオマーエステルは特に有利である。なぜならば、キラルな補助試薬は、ジアステレオマーの分離とエステル加水分解を行った後で簡単な酸/塩基分離によって回収することができ、そして、プロセスに戻すことができるからである。
【0032】
Houben-Weyl, alcohols, Part III, p. 785 f. (1984) に記載の化合物及びこれまでに既に述べてきた化合物以外にも、例えば、α-クロロプロピオン酸、α-フェノキシプロピオン酸、フェニル基が望ましい態様で置換されたα-フェノキシプロピオン酸などのD-又はL-乳酸誘導体が好ましく、D-又はL-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸がより好ましく、D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸又は塩化D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオニルが最も好ましい。
【0033】
本発明の方法の好ましい実施形態では、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物を、1〜1.2当量の塩化D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオニルと、およそ0℃〜室温にて不活性溶媒中、塩基の存在下で反応させる。こうして、ジアステレオマーであるD-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸エステルR-VIa及びS-VIaの混合物が定量的に得られる。
【0034】
本発明の更なる有利な実施形態には、ステップa)においてジアステレオマー中間体を結晶化により分離することが含まれる。
【0035】
こうして、R体の系列に属するジアステレオマーエステルR-VIaを、ジアステレオマーの未精製1:1混合物から結晶化することにより、例えば、95面積%を超える純度で、好ましくは97面積%を超える純度で、濃縮(富化)することができる。
【0036】
【化28】
Figure 0003782051
【0037】
対応するジアステレオマーエステルS-VIは母液中に濃縮される。この方法は、特に有利なことに、純粋なS-Iを、母液中でジアステレオマーエステルの加水分解をした後に結晶化を繰り返すことによって、95%を超える純度で、好ましくは97%を超える純度で、特に好ましくは99%を超える純度で得ることができるように設計されている。
【0038】
こうして両方のエナンチオマーを、分割用試薬を用いて高純度で得ることができる。そのうえ、ラセミ体は、適切な結晶化、母液の加水分解及び再エステル化によって、事実上完全にエナンチオマーに分割できる。この手法によれば、両方のエナンチオマーを等量得ることが可能であり、このことはメソ-ゼアキサンチンの工業上の合成又は全合成にとって必須である。
【0039】
ラセミ体分割の後で、エナンチオマーR-I及びS-Iはともに、R配置を有するホスホニウム塩R-II又はS配置を有するホスホニウム塩S-IIへと選択的に変換できる。この場合、1S, 4R, 6R-I (R-I)からのR-IIの製造は、Helv. Chim. Acta 73 (4), 868 f. (1990) に記載の合成と同様に行う。同じ合成経路が、欧州特許出願公開A-0 283 979号に3R, 3’R-ゼアキサンチンの製造に関して記載されている。
【0040】
メソ-ゼアキサンチンの製造のための本発明の方法は、アセチレンジオールS-Iを反応させてホスホニウム塩S-IIを得ることを含む。このサブステップは、従来記載はないが、Helv. Chim. Acta 73 (4), 868 f. (1990) 及び欧州特許出願公開A-0 283 979号に記載されているR-IIの合成と同様にして行う。
【0041】
可能な合成経路は、例えば次のスキームで表される:
【化29】
Figure 0003782051
【0042】
上記のアセチル保護基以外に、例えばホルミル基又はプロピオニル基のような他のアシル基を使用することも当然ながら可能である。同じことが、式S-VIIcの化合物のアセタール保護基についても言える。代わりに利用できるアセタール保護基については後述する。
【0043】
個々の反応の詳細は先に引用した文献中に示されている。
【0044】
ホスホニウム塩R-II及びS-IIから、R,R-ゼアキサンチン及びS,S-ゼアキサンチンを全く含まないメソ-ゼアキサンチンを得るためには、中央部のC10単位とR-II又はS-IIとのウィッティヒ反応を、完全に選択的に続けて行わなくてはならない。均質な生成物の合成に必要な選択性は、一般式IIIで表されるC10-ジアルデヒド(カルボニル基はアセタールとして保護されている)を使用したときにのみ保証される。
【0045】
本発明の方法には、好ましくはネオペンチルグリコールアセタールIIIaが使用される。
【0046】
アセタールR-IVa及びS-IVaを経てアルデヒドR-V及びS-Vを得るための、ホスホニウム塩R-II及びS-IIとIIIaとの反応は、Helv. Chim. Acta 64 (7), 2489, 1981に記載されている。しかしながら、その論文では該反応はmmolのスケールでしか行われていない。その方法ではアルデヒドR-V及びS-Vは、クロマトグラフィーと結晶化を組み合わせた複雑な手段によって単離されていた。メソ-ゼアキサンチンを得るための更なる反応はこの刊行物には記載されていない。
【0047】
このように、更なる目的は、工業的に実用化できる態様でR-II、S-II及びIIIの単位を連結する方法を見出すことであった。驚くべきことに、純度の高いメソ-ゼアキサンチンが、途中の中間体を精製せずに良好な収率で得られることが分かった。
【0048】
有利には、R-II又はS-II(順番はどちらでもよい)をIIIと、好ましくはIIIaと、この種のウィッティヒ反応にとっての標準的な条件下で(Carotenoids, Vol. 2, “Synthesis”, p. 79 ff.; Birkhaeuser Verlag, 1996, 及びそこに引用されている文献を参照のこと)、好ましくは潜在的な塩基 (latent base) としてオキシランを使用して反応させる手順を利用する。未精製のアセタールR-IV及びS-IVを酸触媒を用いて直接加水分解し、アルデヒドR-V及びS-Vが得られる。この場合は原則として、酸触媒によるアセタールの開裂に向く全ての条件が好適である。しかしながら、アセタールの開裂の好ましい実施形態は、触媒量のクエン酸(約5〜50mol%、好ましくは20〜30mol%)を含む水-アルコール溶媒中のアセタールを約0℃〜還流温度、好ましくは20〜30℃の温度範囲で攪拌することである。
【0049】
アセタール開裂の未精製生成物すなわち未精製のアルデヒドR-V及びS-Vを、上記のウィッティヒ反応の条件下で、ホスホニウム塩S-II(R-Vと反応させる)又はR-II(S-Vと反応させる)と反応させる。立体的に均質なメソ-ゼアキサンチンが高収率で得られる。この場合もまた、ウィッティヒ反応のオキシランを用いる態様が好ましい。なぜならば、高い純度を持つ生成物が反応混合物からの直接的な結晶化で得られるからである。
【0050】
R-II又はS-IIとIIIとの縮合は例えば不活性溶媒中で、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサン若しくはTHFのような鎖式又は環状エーテル中で、ジクロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素中で、トルエン、キシレン若しくはベンゼンのような芳香族炭化水素中で、又は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド若しくはアセトニトリルのような極性溶媒中で行うことができる。
【0051】
塩基としては、ウィッティヒ縮合に通常使われる全ての塩基が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム又は水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物が挙げられる。
【0052】
塩基としてはさらに、例えばn-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウムのような有機リチウム又はリチウムアミド、カリウムアミド若しくはナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミドが使用可能であるが、その他にもアルカリ金属ヘキサメチルジシラジド(disilazide)が使用可能である。
【0053】
用いる塩基の量は、1モルのホスホニウム塩IIに対して原則として0.8〜5 mol、好ましくは1〜3 molの範囲である。
【0054】
X-がハロゲン化物アニオンである場合、オキシランもまた潜在的な塩基として有利に用いることができる(Chem. Ber. 1974, 107, 2050を参照)。
【0055】
好ましくは、対応するアルコール又はオキシラン、特に1,2-エポキシブタン中のアルカリ金属アルコキシドの溶液(該溶液は、更なる溶媒を含んでいないか、又は、上記溶媒のうちの1つ若しくは低級アルコールとの混合物である)を、このウィッティヒ反応に塩基として使用する。
【0056】
このように、中間体を精製することのない工業的に有用な態様で、ホスホニウム塩R-II及びS-IIから化学的に純度の高い立体的に均質なメソ-ゼアキサンチンを得るという目的が達成できる。
【0057】
更に本発明はまた、式R-I及びS-I:
【化30】
Figure 0003782051
で表される光学的に純粋なアセチレンジオールの製造方法に関する。該方法は、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物を、光学的に活性な補助試薬を用いてジアステレオマー混合物に変換し、これをその鏡像異性体に分割することを含む。
【0058】
該方法は、ラセミ混合物がジアステレオマーについて純粋なラセミ体である方法である。
【0059】
該方法はさらに、ラセミ体を、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、クロロカルボン酸エステル、スルホン酸及びイソシアナートからなる群から選択される光学的に活性な補助試薬を用いて選択的に第二級OH基上で誘導体化して、式R-VI及びS-VI:
【化31】
Figure 0003782051
[式中、置換基R6は光学的に活性なウレタン基、炭酸基、スルホン酸基又はアシル基である]
で表されるジアステレオマー中間体の混合物を得る方法である。
【0060】
光学的に活性な補助試薬として、D-又はL-乳酸誘導体、特に好ましくはD-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸又は塩化D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオニルを用いることが好ましい。
【0061】
該方法の有利な実施形態はジアステレオマー中間体を結晶化により分離することを含む。
【0062】
本発明はまた、一般式R-VI及びS-VI:
【化32】
Figure 0003782051
[式中、置換基R6は光学的に活性なウレタン基、炭酸基、スルホン酸基又はアシル基である]
で表される、光学的に活性なシクロヘキサン誘導体に関する。
【0063】
本発明はまた、式R-VIa及びS-VIa並びにR-VIb及びS-VIb:
【化33】
Figure 0003782051
で表される、2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸エステルに関する。
【0064】
本発明はまた、式S-I:
【化34】
Figure 0003782051
で表される、光学的に活性なアセチレンジオールに関する。
【0065】
本発明はまた、一般式S-VII:
【化35】
Figure 0003782051
[式中、置換基は互いに独立して次の意味を有する:すなわち、
R7は、水素、C1-C12-アシル又は加水分解により開裂できるアセタール若しくはエーテル保護基であり;
R8は、水素又はC(CH3)OR9-CH=CH2であり;
R9は、リチウム又は水素である]
で表される光学的に活性なアセチレン化合物に関する。
【0066】
R7のアシル基は、分岐状又は直鎖状の、飽和又は不飽和のC1-C12-アシル基を意味すると解されたい。
【0067】
その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、イソ酪酸、ソルビン酸、n-吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸及びラウリン酸のアシル基がある。ギ酸、酢酸及びプロピオン酸のアシル基が好ましく、酢酸のアシル基が特に好ましい。
【0068】
R7の加水分解により開裂できるアセタール又はエーテル保護基は、加水分解によって水酸基に変換され得る保護基を意味すると解されたい。例としては、次式:
【化36】
Figure 0003782051
のようなエーテル基、-O-Si(CH3)3、-O-Si(CH2CH3)3、-O-Si(イソプロピル)3、-O-Si(CH2CH3)2(イソプロピル)、-O-Si(CH3)2(tert-ブチル)及び-O-Si(CH3)2(n-ヘキシル)のようなシリルエーテル基、又は、次式:
【化37】
Figure 0003782051
で表されるα-アルコキシアルキルエーテル基若しくはα-アリールオキシアルキルエーテル基のような置換されたメチルエーテル基、並びに、テトラヒドロピラニルオキシ基及び4-メチル-5,6-ジヒドロ-2H-ピラニルオキシ基のような適切なピラニルエーテル基が挙げられる。
【0069】
好ましくは、テトラヒドロピラニルオキシ基:
【化38】
Figure 0003782051
または、α-エトキシエトキシ基:
【化39】
Figure 0003782051
をR7として用いる。
【0070】
上記の保護基の導入及び除去のための適切な反応条件は、特に、T. Greene “protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, 1981, Chapter 2に記載されている。
【0071】
さらにまた本発明は、一般式S-XI:
【化40】
Figure 0003782051
[式中、R10は、非キラルC1-C12-アシル基又は加水分解により開裂できるアセタール若しくはエーテル保護基である]
で表される、光学的に活性なシクロヘキサン誘導体に関する。基R10の詳細な定義は、(一般的にも、好ましい実施形態においても)R7についての先の記載と同じである。
【0072】
以下の実施例によって、本発明の方法をより詳細に説明する。
【0073】
実施例 1a
ラセミ体 1S, 4R, 6R-I / 1R, 4S, 6S-I
156.4g(1.0mol)のラセミ体トランス-X(GCによる純度:99.9%)を250mlのTHFに溶解した。0.25g(1mmol)の4-トルエンスルホン酸ピリジニウムを添加し、その後163.2g(2.15mol)のイソプロペニルメチルエーテル(GCによる純度:95%)を45分間かけて滴下により加えた。この間、反応温度を水浴で冷却することで約25℃に保持した。イソプロペニルメチルエーテルの添加が完結した後、反応混合物を25℃にて更に2時間攪拌した。
【0074】
続いて反応混合物をTHF中のリチウムアセチリド懸濁液に0℃で1時間かけて添加した。
【0075】
リチウムアセチリド懸濁液は以下の方法で調製した:
総量で14.0g(2.0mol)のリチウム顆粒を750mlの液体アンモニア中に少量ずつ-40℃にて1時間かけて添加した。続いて該液体を-40℃にて3時間かけて150 Lのアセチレンにより処理した。750mlのTHFを-40℃にて添加した後、温度を90分間かけてゆっくりと0℃まで上昇させ、反応混合物を更にアセチレン(50 L/時間)で処理した。
【0076】
ラセミ体トランス-Xのアセチル化溶液の添加後に、反応混合物を0℃にて1時間攪拌した。400mlの氷水を0℃にて1時間かけて滴下により添加した。反応混合物を室温にした。700mlのヘキサンを添加した後、下層にあたる水層を分離し、各回700mlのヘキサンで2回再抽出した。合わせた有機層を700mlの中濃度(semiconcentrated)塩化アンモニウム溶液と中濃度の塩化ナトリウム溶液によりそれぞれ1回ずつ洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物(287g、淡黄色固体)を1300mlのTHFに溶解した。52mlの水と2.51gの4-トルエンスルホン酸ピリジニウムとを添加し、該混合物を室温にて1時間攪拌した。続いて、700mlの酢酸エチルで希釈し、500mlの飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。続いて、有機層を500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。合わせた水層を各回250mlの酢酸エチルで2回再抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を250mlの酢酸エチル及び750mlのジイソプロピルエーテルとの混合溶媒中で結晶化した。ラセミ体トランス-Xに基づいて収率が68.1%である124gの一回目の析出結晶が得られた。GCによる純度:98.9%;融点:124.5〜125℃。
【0077】
濾液を約300mlまで濃縮した。該混合物を0℃にて1時間攪拌し、二回目の析出結晶を濾過して回収した。二回目の析出結晶の最終重量:23g;収率:ラセミ体トランス-Xに基づき12.6%;GCによる純度:98.4%;融点:124〜124.5℃。
【0078】
実施例 1b
1S, 4R, 6R-I / 1R, 4S, 6S-I の、ジアステレオマーである D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオン酸エステル R-VIa 及び S-VIa への変換
182g(1.0mol)の結晶R-I/S-Iを、95g(1.1mol)のピリジン及び2000mlのメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒に溶解した。290g(1.1mol)の塩化D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオニル(GCによる純度:96.2%)を0〜5℃にて1時間かけて計量添加し、反応バッチをこの温度で1時間攪拌した。続いて300mlの水を添加した後、下層である水層を分液した。上層である有機層を、各150mlの5%濃度硫酸、水、飽和重炭酸溶液及びふたたび水により1回ずつ洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0079】
同様に操作した4バッチにおいて、得られた最終重量は下表の通りであった:
【表1】
Figure 0003782051
【0080】
実施例 1c
ジアステレオマーの分離
各バッチ840gの実施例1bで得られたジアステレオマーエステルを2バッチ、2000mlのヘキサンと200mlのジイソプロピルエーテルとの混合溶媒中にて結晶化した。両方のバッチの析出結晶を合わせ、両方のバッチの母液を合わせた。
【0081】
析出結晶の合計最終重量は575.2gであり、濃縮後における母液残留物の重量は1142gであった。
【0082】
GCによる組成分析(面積%):
【化41】
Figure 0003782051
【0083】
実施例 1d
R-VIa の高度精製
実施例1cからの析出結晶(575g)を350mlのジイソプロピルエーテルに50℃で溶解した。1725mlのn-ヘキサンを添加した後、反応バッチを室温に冷却して終夜攪拌した。析出結晶を濾過により回収し、窒素気流により乾燥させた。析出結晶の最終重量:372g; GCによる組成:R-VIaが89.9%、S-VIaが10.4%。
【0084】
濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。母液残留物の最終重量:190.9g;GCによる組成:R-VIaが42.6%、S-VIaが56.5%。
【0085】
析出結晶を、225mlのジイソプロピルエーテル及び1120mlのn-ヘキサンの混合溶媒中で再び再結晶化した。最終重量:305.2g;融点:84.5〜85℃、GCによる純度:R-VIaが>97%;比旋光度(D 25℃):+9.74°(メチルtert-ブチルエーテル中、c=1)。
【0086】
濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。母液残留物の最終重量:67.2g;
GCによる組成:R-VIaが59.2%、S-VIaが40.8%。
【0087】
合わせた母液残留物(258g)には、ジアステレオマーエステルR-VIa及びS-VIaがおよそ1:1の比で含まれており、その他の二次的成分は含まれていなかった。これらは、実施例1cによるジアステレオマーの分離操作に直接戻すことが可能であった。
【0088】
実施例 1e
ジアステレオマーエステル R-VIa の加水分解
300.0gの、実施例1dからの化合物R-VIaを1.5 Lのメタノールに溶解した。1.5 Lのメタノール中の110gの水酸化カリウムの溶液を室温にて加え、混合物を室温にて終夜攪拌した。続いて990gの10%濃度酢酸溶液を添加し、数分間攪拌した後に反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物に0.5 Lの飽和塩化ナトリウム溶液を添加した後、混合物を、750mlのメチルtert-ブチルエーテルで1回、各回250mlの同溶媒で3回抽出した。合わせた有機層を各回400mlの飽和重炭酸溶液で3回、200mlの水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0089】
濃縮後の残留物を200mlの酢酸エチル中に加温しながら溶解した。450mlのジイソプロピルエーテルを添加した後、反応バッチを5℃で終夜静置した。析出結晶を濾過して回収し、窒素気流中で乾燥させた。最終重量:116.9g、R-I;収率:理論値の85.6%;融点:150〜150.5℃;GCによる純度:98.5%のR-I(25 m Chirasil-Dex.);比旋光度(D、25℃):-28.39°(メタノール中c=1)。
【0090】
析出結晶は、文献(Helv. Chim. Acta 73, 863 (1990)及び欧州特許第283979号)中の詳細な記載にしたがって、R配置を有するC15-ホスホニウム塩R-IIに変換した。
【0091】
実施例 1f
ジアステレオマーエステル S-VIa の濃度が高い実施例 1c からの母液残留物の加水分解
実施例1cで得た母液残留物を以下のように2つの等価なバッチにおいて更に処理した:各バッチについて、533g(1.335mol)の母液残留物を2.7 Lのメタノールに溶解し、2.7 Lのメタノール中の194gの水酸化カリウムの溶液により室温にて処理した。相当時間攪拌した後、1.77kgの10%濃度酢酸を添加し、混合物を再度短時間攪拌した。両方のバッチを合わせ、ローターリーエバポレーターでバッチ温度50℃にて濃縮した。残留物を1870mlの飽和塩化ナトリウム溶液で処理し、2.7 Lのメチルtert-ブチルエーテルで1回、各回800mlの同溶媒で3回抽出した。合わせた有機層を各回1.3 Lの飽和重水素溶液で5回、700mlの水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、ロータリーエバポレーターで濃縮した。最終重量:355g;GC分析(25 m Chirasil-Dex): (1R, 4S, 6S)-I (S-I)が57.8%、(1S, 4R, 6R)-I (R-I)が34.7%。
【0092】
合わせた水層をロータリーエバポレーターでおよそ半分の容積にまで濃縮した。得られた沈殿を濾過して回収し、2 Lのメチルtert-ブチルエーテル及び1.5 Lの水に入れた。有機層を500mlの水で洗浄した。2つの水層を合わせ、各回500mlのメチルtert-ブチルエーテルで2回再抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0093】
両方の濃縮後の残留物を合わせて、高度精製に用いた(実施例1i参照)。最終重量:63.4g;GC分析(25 m Chirasil-Dex):S-Iが82.7%、R-Iが17.2%。
【0094】
実施例 1g
D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオン酸の回収
実施例1fで得た合わせた水層をロータリーエバポレーターで元の容積のおよそ半分にまで濃縮した。濃縮物を、97%濃度硫酸を室温にて滴下により添加することによりpH 1に調整した。続いて該混合物を30分間攪拌し、固形物を濾過により回収した。濾過ケーキを、各回1 Lの水で3回洗浄し、50℃/10 mbarにて乾燥させた。最終重量:565g;収率:90%;融点:110〜115℃;GCによる純度:97.8%。
【0095】
高度精製すべく、この物質を3 Lのトルエン中で再結晶化させた。融点:122〜122.5℃;比旋光度(D、25℃):+40.02°(メチルtert-ブチルエーテル、c=1)。
【0096】
実施例 1h
塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルの製造
235g(1.0mol)のD-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸を用意した。179g(1.5mol)の塩化チオニルを加え、混合物を3時間かけてゆっくりと100℃に加温した。続いて100℃にて1時間攪拌し、その後、過剰の塩化チオニルを100℃/20 mbarにて揮発させた。残留物を蒸留管(distillation bridge)を用いて精製した。245.8gの塩化D-2,4-ジクロロフェノキシプロピオニルを130℃/60 mbarで通過させた。収率:理論値の96.7%;GCによる純度:100%;比旋光度(D、25℃):+33.23°(n-ヘキサン中c=1)。
【0097】
実施例 1i
S-I の高度精製
417gの、実施例1fで得た精製した蒸留残留物を、730mlの酢酸エチルに加温しながら溶解した。1460gのジイソプロピルエーテルを添加し、熱濾過した。濾液を室温にし、続いて終夜攪拌した。析出結晶を吸引濾過して回収し、窒素気流中で乾燥させた。析出結晶1の最終重量:246.6g;GC分析(25 m Chirasil-Dex):S-Iが72.8%、R-Iが25.3%。
【0098】
濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。母液1の最終重量:167.9g;GC分析(25 m Chirasil-Dex):S-Iが43.5%、R-Iが46.8%。
【0099】
析出結晶1を450mlの酢酸エチルに加温しながら加え、900mlのジイソプロピルエーテルを加えた後、上記のように結晶化した。析出結晶2の最終重量:175.9g;GC分析(25 m Chirasil-Dex):S-Iが86.9%、R-Iが12.8%。
【0100】
濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。母液2の最終重量:70.1g;GC分析(25 m Chirasil-Dex):S-Iが48.3%、R-Iが51.3%。
【0101】
析出結晶2を再度、300mlの酢酸エチル及び630mlのジイソプロピルエーテル中で上記の通り再結晶化した。この過程で、光学的に純粋な1R,4S,6S-Iが析出結晶3として得られた。
【0102】
析出結晶3の最終重量:130.8g;融点:150.5〜151℃;GC分析 (25 m Chirasil-Dex): S-Iが99.3%(エナンチオマーであるR-Iは検出されなかった);比旋光度(D、25℃):+28.32°(メタノール中c=1)。
【0103】
濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。母液3の最終重量:44.9g;GC分析 (25 m Chirasil-Dex):S-Iが53.6%、R-Iが45.8%。
【0104】
母液残留物1〜3を合わせた(282.9g)。そこには、2つのエナンチオマーS-I及びR-Iがおよそ1:1の比で含まれていた。それらは、誘導体化の工程に直接戻して、実施例1bに従ってジアステレオマーであるD-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸エステルを得ることが可能であった。
【0105】
実施例 1j
(1R, 4S, 6S)-C 11 - モノアセテート S-XIa
【化42】
Figure 0003782051
【0106】
242.4g (1.33mol)のS-Iを463g(5.85mol)のピリジンに溶解した。混合物を0℃に冷却し、543g(5.32mol)の無水酢酸を30分間かけて加えた。混合物を室温にし、続いて50℃にて4時間攪拌した。
【0107】
後処理のために、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を1.3 Lの塩化メチレンに溶解した。得られた溶液を、650mlの5%濃度塩酸、330mlの飽和塩化ナトリウム溶液、及び330mlの飽和重炭酸溶液でそれぞれ1回ずつ洗浄した。合わせた水層を各回130mlの塩化メチレンで2回再抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物(334g)を3 Lのヘキサンに加え、約50℃にて15gの活性炭素で処理した。濾過により清澄にした後、混合物を周囲の温度にまで冷却し、続いて氷浴中で1時間攪拌した。析出結晶を吸引濾過し、冷n-ヘキサンで洗浄し、窒素気流中で乾燥させた。最終重量:246.1g;収率:理論値の82.6%;融点:69℃;GCによる純度:100%;比旋光度(D、25℃):+23.14°(EtOH中c=1)。
【0108】
母液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮後の残留物(49.7g)を200mlのn-ヘキサン中で結晶化することにより、次の二回目の析出結晶を得た:最終重量:40.3g;収率:理論値の13.5%;融点:68〜68.5℃;GCによる純度:99.44%;比旋光度(D、25℃):+23.09°(EtOH中c=1)。最終重量の合計:286.4g;総収率:理論値の96.1%。
【0109】
実施例 1k
C 11 - アセテート S-VIIa
【化43】
Figure 0003782051
【0110】
142.4g (635 mmol)のS-XIaを1.3 Lのオルト-キシレンに溶解した。15.89g (63.5 mmol)の硫酸銅(II)五水和物を添加し、混合物を加熱して還流させ、2時間で水を循環流から除いた。その後、混合物を90℃まで冷却し、15.85g(63.5mmol)の硫酸銅(II)五水和物を更に添加して、更に4時間かけて水を循環流から除いた。
【0111】
同様に操作したバッチを合わせ、セライト濾過により清澄にした。濾過ケーキを各回500mlのヘキサンで2回洗浄した。合わせた濾液を各回500mlの水で2回洗浄し、500mlの中濃度重炭酸溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物(342g)を10 cm Vigreuxカラムを通して真空蒸留により精製した。236.4g (理論値の90.4%)の、GCによれば99.1%の純度を有するS-VIIaが、9.5 mbar/105〜107℃の条件で蒸留された。比旋光度(D、25℃):+68.04°(EtOH中c=1)。
【0112】
実施例 1l
C 11 - アセチレンアルコール S-VIIb
【化44】
Figure 0003782051
【0113】
235.6g (1.14 mol)のS-VIIaを1.1 Lのメタノールに溶解した。93.2gの水酸化カリウムを5℃〜10℃にて30分間かけて少量ずつ加えた。温度を室温にし、続いて混合物を30分間攪拌した。その後、反応混合物を2.3 Lの水と34gの酢酸との混合物中に注ぎ、各回600mlの塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層を600mlの飽和塩化ナトリウム溶液及び700mlの飽和重炭酸溶液によりそれぞれ1回ずつ洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物(189g)を1 Lのn-ヘキサン中に加温しながら加え、5gの活性炭により脱色した。活性炭を除去した後、溶液を5℃に冷却し、氷-水浴中で1時間攪拌した。析出結晶を濾過により回収し、窒素気流により乾燥させた。最終重量:176.3g;収率:理論値の94.3%;融点:75〜75.5℃;比旋光度(D、25℃):+129°(エタノール中c=1);GCによる純度:99.94%。
【0114】
5.5g(理論値の2.9%)の二回目の析出結晶を、n-ヘキサン中での結晶化により母液残留物(11g)から得た。融点:70〜71℃;比旋光度(D、25℃):+121.2°(エタノール中c=1);GCによる純度:94.93%。
【0115】
実施例 1m
C 15 - ホスホニウム塩 S-II
90.33g (0.55mol)のC11-アセチレンアルコール S-VIIbを550mlのTHF中に溶解した。1.38g(5.5mmol)のピリジニウムトシレートを添加した。99.2g(1.38mol)の蒸留したばかりのイソプロペニルメチルエーテルを20℃にて30分間かけて滴下により添加した。続いて、反応混合物を周囲の温度で1時間攪拌した。
【0116】
こうして得られたアセタールの溶液を-20℃に冷却した。282gの、ヘキサン中15%濃度n-ブチルリチウム溶液(=0.66molのn-ブチルリチウム)を-10℃〜-15℃にて30分間かけて加えた。続いて、該混合物を-15℃にて15分間攪拌し、410mlのTHF中の47.76g(0.55mol)の臭化リチウムの溶液を-10℃にて30分間かけて滴下により添加した。該混合物を-10℃にて10分間攪拌した後に、57.8g(0.825mol)の蒸留したばかりの1-ブテン-2-オンを-10℃にて30分間かけて添加した。続いて混合物を-10℃にて45分間攪拌した。その後、191gのジヒドロビス(2-メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウムの70%濃度トルエン溶液をこの温度で30分間かけて滴下により添加した。滴下終了後、続けて混合物を-10℃にて10分間攪拌した。混合物を0℃まで昇温させ、続いて0℃にて1時間攪拌した。
【0117】
後処理のために、n-ヘキサン/エタノール[80/40(v/v)]の混合溶媒を0℃にて加えた。続いて825mlの28%濃度水酸化ナトリウム溶液を0℃にて添加した。混合物を0℃にて15分間攪拌した後、上層である有機層を分液した。下層である水層は各回500mlのn-ヘキサンで3回再抽出した。合わせた有機層を350mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物は50℃で乾燥させた。
【0118】
以下の最終重量が二つの同様に操作したバッチから得られた;バッチA:170g;バッチB:173g。
【0119】
349.7g(1.32mol)のトリフェニルホスフィンを1.1 Lのメタノール中に懸濁した。137gの37%濃度塩酸を0℃にて滴下により添加し、続いて混合物を0℃にて15分間攪拌した。その後この混合物中に、350mlのメタノール中のバッチA及びバッチBからの合わせた濃縮後残留物(343g)の溶液を0℃にて滴下により添加した。続いて混合物を室温にて終夜攪拌した。
【0120】
後処理のために、混合物を550mlの水及び1.3 Lのn-ヘキサンで処理した。下層である水層を分液し、各回1.3 Lのn-ヘキサンで3回洗浄した。合わせたヘキサン層は廃棄した。下層である水層を900mlの水で希釈し、続いて45gの活性炭と共に30分間室温にて攪拌した。活性炭を濾過して除き、200mlの水で洗浄した。濾液を総量が約1.8 Lになるまでロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮物を各回1.5 Lの塩化メチレンで3回抽出した;合わせた有機層を各回700mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を加温しながら1.1 Lのアセトニトリルに溶解した。2.2 Lの酢酸エチルを添加後、混合物を5℃に冷却した。析出結晶を濾過により回収し、真空中で50℃にて乾燥させた。最終重量:395gのS-ホスホニウム塩S-II;収率:S-VIIbの量に基づく理論値の70.5%;融点:194℃〜195℃;HPLCによる純度:98.1%;比旋光度(D、25℃):+56.18°(CH2Cl2中c=1)、R-IIについての文献値:-57.2°(CHCl3中c=1)、Helv. Chim. Acta 73, 868 (1990)。
【0121】
母液を濃縮した後、148gの残留物を得た。アセトニトリル/酢酸エチル中での結晶化を繰り返すことにより、45.1g(S-XIIの量に基づく理論値の7.9%)の二回目の析出結晶を得た。融点:196〜197℃;比旋光度(D、25℃):+52.38°(CH2Cl2中c=1); HPLCによる純度:93.1%。
【0122】
実施例 1n
メソ - ゼアキサンチン
53.2g (103 mol)のホスホニウム塩R-II(比旋光度(D)-54.79°(CH2Cl2中c=1))、を250mlのエタノールに溶解した。25.0g(100mmol)のC10-ジアルデヒドモノネオペンチルグリコールアセタールIIIa及び75mlの1,2-エポキシブタンを添加した。続いて混合物を20時間還流しながら攪拌した。該混合物を室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターで真空中にて50℃で濃縮した。残留物(80.3g)を300mlのエタノールに溶解した。70mlの水中の4.2g (20mmol)のクエン酸一水和物の溶液を添加し、続いて混合物を室温にて攪拌した。アセタール開裂を完結させるために、一時間後に、70mlの水中の420mg (2.0mmol)のクエン酸一水和物の溶液を更に添加し、続いて混合物を室温にて1時間攪拌した。その後、反応混合物を1000mlのヘキサン及び500mlの酢酸エチルで希釈した。混合物を各回100mlの飽和重炭酸溶液で2回洗浄し、100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄した。洗浄に用いた水層を合わせ、それを各回200mlのヘキサン/酢酸エチル1:1混合溶媒で2回再抽出した。
【0123】
二つの有機層を合わせ、50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄した。
【0124】
有機層を全て合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで50℃にて濃縮した。
【0125】
濃縮後残留物(70.5g)を250mlのメタノールに溶解した。75mlの1,2-エポキシブタン及び53.26g(103mmol)のホスホニウム塩S-II(比旋光度(D、25℃):+56.18°(CH2Cl2中c=1))を添加した。続いて混合物を20時間還流しながら攪拌した。得られた懸濁液を-10℃に冷却し、続いて-10℃にて1時間攪拌した。析出結晶を濾過により回収し、各回100mlのエタノールで4回洗浄し、真空中にて50℃で乾燥させた。最終重量:メソ-ゼアキサンチン44.6g;収率:C10-ジアルネオペンチルグリコールアセタールの量に基づく理論値の79%;融点:207.5〜208℃;UVによる純度:100%;HPLCによる純度:98%;立体的な均質性:>99%のメソ-ゼアキサンチン;R,R-ゼアキサンチン及びS,S-ゼアキサンチンの含量はそれぞれ0.3%未満 [J. High. Res. Chromatogr. Chrom. Commun. 6, 612 (1989)にしたがってHPLCにて測定]。

Claims (16)

  1. メソ-ゼアキサンチン:
    Figure 0003782051
    の製造方法であって、以下のステップ
    a) アセチレンジオールR-I及びS-I:
    Figure 0003782051
    のラセミ混合物をその鏡像異性体に分割するステップであって、塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルを用いてアセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離して、続いて再び塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルを除去するステップ、
    b) 分離した鏡像異性体R-I及びS-Iをそれぞれ、C15-ホスホニウム塩R-II及びS-II:
    Figure 0003782051
    [式中、Phはアリールであり、Xは無機酸又は有機酸のアニオン相当部である]
    に変換するステップ、
    c) ホスホニウム塩R-II又はS-IIを、ウィッティヒ(Wittig)反応により、一般式III:
    Figure 0003782051
    [式中、置換基R1及びR2は互いに独立してC1-C8-アルキルであるか、又は、それらが結合している酸素原子及び炭素原子と共に、次の構造:
    Figure 0003782051
    (ここで、R3及びR4並びにR5は、互いに独立して水素又はC1-C4-アルキルである)
    で表される1,3-ジオキソラン環又は1,3-ジオキサン環を形成していてもよい]
    で表されるC10-ジアルモノアセタールと反応させて、C25-アセタールR-IV又はS-IV:
    Figure 0003782051
    を得るステップ、
    d) C25-アセタールR-IV又はS-IVを、C25-アルデヒドR-V又はS-V:
    Figure 0003782051
    に変換するステップ、及び、
    e) ウィッティヒ反応によって、C25-アルデヒドR-VをC15-ホスホニウム塩S-IIと反応させて、又は、C25-アルデヒドS-VをC15-ホスホニウム塩R-IIと反応させて、立体的に均質なメソ-ゼアキサンチンを得るステップを含む、上記方法。
  2. ステップa)で使用するラセミ混合物が、アセチレンジオールR-I及びS-Iのジアステレオマーについて純粋なラセミ体である、請求項1に記載の方法。
  3. ステップa)において、ラセミ体を、選択的に第二級OH基上で誘導体化して、式R-VIa及びS-VIa
    Figure 0003782051
    で表されるジアステレオマー中間体の混合物を得る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップa)において、ジアステレオマー中間体を結晶化により分離する、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. エナンチオマーについて純粋なR-Iを、ジアステレオマーであるD-2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸エステルR-VIa及びS-VIa:
    Figure 0003782051
    の混合物からエステルの結晶化により得て、エナンチオマーについて純粋なS-Iを、加水分解後のアルコールの結晶化により得る、請求項4に記載の方法。
  6. ステップc)において、ホスホニウム塩R-II又はS-IIを式IIIa:
    Figure 0003782051
    で表されるC10-ジアルデヒドネオペンチルグリコールモノアセタールと反応させる、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. ステップd)におけるアセタール開裂を、水-エタノール溶媒中でクエン酸を酸性触媒として添加することにより行う、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. ステップc)〜e)を中間体の精製をせずに行う、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 式R-I及びS-I:
    Figure 0003782051
    で表される光学的に純粋なアセチレンジオールの製造方法であって、アセチレンジオールR-I及びS-Iのラセミ混合物を、塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルを用いてジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、そしてその後に再び塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルを除去することを含む、上記方法。
  10. ラセミ混合物がジアステレオマーについて純粋なラセミ体である、請求項9に記載の方法。
  11. ラセミ体を、塩化 D-2,4- ジクロロフェノキシプロピオニルを用いて選択的に第二級OH基上で誘導体化して、式R-VIa及びS-VIa
    Figure 0003782051
    で表されるジアステレオマー中間体の混合物を得る、請求項9又は10に記載の方法。
  12. ジアステレオマー中間体を結晶化により分離する、請求項9〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 一般式R-VIa又はS-VIa
    Figure 0003782051
    で表される、光学的に活性なシクロヘキサン誘導体。
  14. 式R-VIa若しくはS-VIa又はR-VIb若しくはS-VIb:
    Figure 0003782051
    で表される、2,4-ジクロロフェノキシプロピオン酸エステル。
  15. 式S-I:
    Figure 0003782051
    で表される、光学的に活性なアセチレンジオール。
  16. 一般式S-VII:
    Figure 0003782051
    [式中、置換基は互いに独立して次の意味を有する:すなわち、
    R7は、水素、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、テトラヒドロピラニルオキシ基又は式 -O-CH(CH 3 )-O-CH 2 -CH 3 で表されるα−エトキシエトキシ基であり;
    R8は、水素又はC(CH3)OR9-CH=CH2であり;
    R9は、リチウム又は水素である]
    で表される光学的に活性なアセチレン化合物。
JP2002268971A 2001-09-13 2002-09-13 メソ−ゼアキサンチンの製造方法 Expired - Fee Related JP3782051B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10145223A DE10145223A1 (de) 2001-09-13 2001-09-13 Verfahren zur Herstellung von meso-Zeaxanthin
DE10145223.3 2001-09-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003113159A JP2003113159A (ja) 2003-04-18
JP3782051B2 true JP3782051B2 (ja) 2006-06-07

Family

ID=7698954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002268971A Expired - Fee Related JP3782051B2 (ja) 2001-09-13 2002-09-13 メソ−ゼアキサンチンの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US6743954B2 (ja)
EP (1) EP1293493A3 (ja)
JP (1) JP3782051B2 (ja)
CN (1) CN1294118C (ja)
DE (1) DE10145223A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10254809A1 (de) * 2002-11-22 2004-06-03 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Carotinoiden
US20060111580A1 (en) * 2004-10-01 2006-05-25 Lockwood Samuel F Methods for the synthesis of chiral dihydroxy ketone intermediates useful for the chiral synthesis of carotenoids
GB0501365D0 (en) * 2005-01-21 2005-03-02 Promar As Compositions
CN101037408B (zh) * 2006-03-17 2010-08-11 浙江医药股份有限公司新昌制药厂 4-(2,6,6-三甲基-3-羟基-1-环己烯-1-基)-3-丁烯-2-酮的纯化方法
US8212063B2 (en) * 2006-05-10 2012-07-03 Omniactive Health Technologies Limited Xanthophyll composition containing trans, meso-zeaxanthin, trans, R, R-zeaxanthin and trans, R, R-lutein useful for nutrition and health care and a process for its preparation
TW200934872A (en) * 2008-02-05 2009-08-16 Echem Hightech Co Ltd A strain of genetically reengineered escherichia coli for biosynthesis of high yield carotenoids after mutation screening
US8247615B2 (en) 2010-05-14 2012-08-21 Kalamazoo Holdings, Inc. Process of converting esterified xanthophylls from Capsicum to non-esterified xanthophylls in high yields and purities
US8716533B2 (en) 2009-05-29 2014-05-06 Kalamazoo Holdings, Inc. Methods of saponifying xanthophyll esters and isolating xanthophylls
WO2011027209A1 (en) 2009-09-02 2011-03-10 Omniactive Health Technologies Ltd. A xanthophyl composition containing macular pigments and a process for its preparation
SI2480559T1 (sl) 2009-09-21 2013-10-30 Gilead Sciences, Inc. Postopki in intermediati za pripravo 1'-ciano-karbanukleozidnih analogov
KR20200052384A (ko) * 2010-07-19 2020-05-14 길리애드 사이언시즈, 인코포레이티드 부분입체 이성질성으로 순수한 포스포라미데이트 전구약물의 제조 방법
ES2524356T3 (es) 2010-07-22 2014-12-05 Gilead Sciences, Inc. Métodos y compuestos para tratar infecciones provocadas por virus Paramyxoviridae
TWI687432B (zh) 2014-10-29 2020-03-11 美商基利科學股份有限公司 絲狀病毒科病毒感染之治療
HUE058737T2 (hu) 2015-09-16 2022-09-28 Gilead Sciences Inc Eljárások arenaviridae vírusok okozta fertõzések kezelésére
CN116036112A (zh) 2017-03-14 2023-05-02 吉利德科学公司 治疗猫冠状病毒感染的方法
ES2938859T3 (es) 2017-05-01 2023-04-17 Gilead Sciences Inc Una forma cristalina de (S)-2-etilbutilo 2-(((S)-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-aminopirrolo[2,1-f][1,2,4]triazin-7-il)-5-ciano-3,4-dihidroxitetrahidrofuran-2-il)metoxi)(fenoxi)fosforil)amino)propanoato
CN117982682A (zh) 2017-07-11 2024-05-07 吉利德科学公司 用于治疗病毒感染的包含rna聚合酶抑制剂和环糊精的组合物
JP2023512656A (ja) 2020-01-27 2023-03-28 ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド SARS CoV-2感染を治療するための方法
CA3169340A1 (en) 2020-03-12 2021-09-16 Pavel R. Badalov Methods of preparing 1'-cyano nucleosides
CA3172483A1 (en) 2020-04-06 2021-10-14 Scott Ellis Inhalation formulations of 1'-cyano substituted carbanucleoside analogs
US11975012B2 (en) 2020-05-29 2024-05-07 Gilead Sciences, Inc. Remdesivir treatment methods
AU2021296841A1 (en) 2020-06-24 2023-02-16 Gilead Sciences, Inc. 1'-cyano nucleoside analogs and uses thereof
PT4204421T (pt) 2020-08-27 2024-06-25 Gilead Sciences Inc Compostos e métodos para o tratamento de infeções virais
EP4320128A1 (en) 2022-03-02 2024-02-14 Gilead Sciences, Inc. Compounds and methods for treatment of viral infections

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US527507A (en) * 1894-10-16 Washing-machine
DE1046011B (de) * 1955-09-02 1958-12-11 Hoffmann La Roche Verfahren zur Herstellung von ª‡,ª‰-ungesaettigten Aldehyden
US2902515A (en) * 1956-08-22 1959-09-01 Hoffmann La Roche Preparation of unsaturated aldehydes
IT1041904B (it) * 1974-08-21 1980-01-10 Hoffmann La Roche Procedimento per la preparazione di derivati del cicloesano otticamente attivi
GB1508196A (en) * 1974-11-01 1978-04-19 Hoffmann La Roche (3r,3'r)-15,15'-didehydrozeaxanthin
US4153615A (en) * 1978-03-27 1979-05-08 Hoffmann-La Roche Inc. Method of producing coloring agents
DE3470032D1 (en) * 1983-01-20 1988-04-28 Basf Ag Racemic and optically actif 3-hydroxy-alpha-cyclocitral, their acetals and optically actif 3-oxo-alpha-cyclocitralacetals, and also the preparation and use of these compounds
DK171297B1 (da) * 1987-03-27 1996-08-26 Hoffmann La Roche Fremgangsmåde til fremstilling af cyclohexenderivater som mellemprodukter til fremstilling af zeaxanthin samt cyclohexenderivater
US5227507A (en) * 1987-03-27 1993-07-13 Hoffmann-La Roche Inc. Ethynylcyclohexene compounds and processes for manufacture thereof
US6218436B1 (en) 1993-06-28 2001-04-17 The Howard Foundation Pharmaceutically active carotenoids
JPH07165753A (ja) * 1993-12-08 1995-06-27 Musashino Kagaku Kenkyusho:Kk ラクチドの精製方法
KR100387459B1 (ko) * 1994-05-16 2003-11-20 메렐 파마슈티칼스 인크. 라세미성a-[4-(1,1-디메틸에틸)페닐]-4-(하이드록시디페닐메틸)-1-피페리딘부탄올및이의유도체화합물의광학분할법및이에유용한부분입체이성체염
US5523494A (en) 1994-07-20 1996-06-04 Industrial Organica, S.A. De C.V. Process for the isomerization of lutein
US5523434A (en) 1995-03-15 1996-06-04 The Procter & Gamble Company Synthesis of bleach activators
EP0834536B1 (de) 1996-10-04 2001-12-05 F. Hoffmann-La Roche Ag Umwandlung von Xanthophyllen
DE19723480A1 (de) * 1997-06-04 1998-12-10 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Zeaxanthin, Zwischenprodukte für dieses Verfahren und Verfahren zu deren Herstellung

Also Published As

Publication number Publication date
EP1293493A3 (de) 2003-07-09
US6743954B2 (en) 2004-06-01
CN1406933A (zh) 2003-04-02
DE10145223A1 (de) 2003-04-03
CN1294118C (zh) 2007-01-10
US20030092775A1 (en) 2003-05-15
US6747177B2 (en) 2004-06-08
JP2003113159A (ja) 2003-04-18
EP1293493A2 (de) 2003-03-19
US20040024264A1 (en) 2004-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3782051B2 (ja) メソ−ゼアキサンチンの製造方法
JP7330537B2 (ja) 3-ヒドロキシ-3,6-ジメチルヘキサヒドロベンゾフラン-2-オンおよびその誘導体の製造
JPH01265054A (ja) シクロヘキセン誘導体
JPH05331128A (ja) (R)−(−)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸t−ブチルエステル及びその製造方法
JP3053872B2 (ja) (+)−(1r)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタン酢酸の製造法
JPH08311021A (ja) 高い9(Z)分を含有するβ−カロチン生成物の製造
KR100743278B1 (ko) 9-시스 레티노산의 제조 방법
EP1564209A1 (en) Process for the preparation of 13-cis-retinoic acid
US4543417A (en) ω,ω-Diacyloxy-2,6-dimethyl-octatrienoates and -octatrienals, their preparation and their use for the synthesis of terpene compounds
JP4437012B2 (ja) ムスコンのアセタール付加体、その調製方法、並びに(±)−ムスコンの光学分割方法
US4009202A (en) 2(or 3)-methyl-1-acetoxy-4-alkoxy (or phenoxy)-1,3-butadienes
US5777170A (en) Process for the preparation of a naphthylbutanone
JP2004269463A (ja) ワインラクトン及びその中間体の製造法並びにその応用
JP4087329B2 (ja) ムスコンの製造法
JP4110490B2 (ja) β−シネンサールの製造法
JP7547291B2 (ja) ビニルエーテル化合物、並びにそれからのアルデヒド化合物及びカルボキシレート化合物の製造方法
JP2000143688A (ja) ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドの製造方法
TWI792440B (zh) 製備拉坦前列烯布諾德(latanoprostene bunod)之方法及其中間物與包含其之組合物
JP4511809B2 (ja) ムスコンのアセタール付加体、その調製方法、並びに(±)−ムスコンの光学分割方法
JPH0148255B2 (ja)
JP4081619B2 (ja) 光学活性な5−ヒドロキシ−2−デセン酸の製造方法および光学活性なマソイヤラクトンの製造方法
JPH0142957B2 (ja)
JPH10298183A (ja) 光学活性な新規酒石酸誘導体及びその製造方法並びにそれを用いた光学異性体分離法
CN116601136A (zh) 制造有机化合物的方法
JPH08104666A (ja) 4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040906

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050530

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees