JP3781804B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はカラー液晶におけるカラーフィルターのブラックマトリックスに応用が可能な、平板状酸化鉄顔料と粒状酸化鉄顔料を混合、塗料化することで得られる、遮光性に優れ、かつ、反射率が小さい樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶カラーフィルターの要求性能はより厳しくなりつつあり、その中でもブラックマトリックスに対する要求は低反射率、高遮光性などがあり、更にTFT用ブラックマトリックスとしては高抵抗であることも要求される。
【0003】
しかしながら、2層クロムあるいは黒色顔料フォトレジストなどの現状品はどれも一長一短である。日本印刷学会研究発表会講演予稿集92nd,1994、P77記載の如く、黒色顔料を使用したブラックマトリックスの場合、平板状黒色顔料では高遮光性であるが反射率が高くなる。また、粒状黒色顔料の場合低反射率であるが遮光性が十分でないといった問題がある。更に従来の黒色顔料としてはグラファイトやカーボンブラックなどが使用されていたがこれらは導電性を有するために高抵抗を必要とされるTFT用のブラックマトリックスには使用できないといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は黒色酸化鉄顔料を使って低反射率、高遮光性、かつ高抵抗のカラー液晶用ブラックマトリックスに応用が可能な樹脂組成物を製造することにある。
【0005】
その技術的課題を具体的にいうと、前述した、日本印刷学会講演予稿集、92nd、1994、P77記載の如く、平板状の黒鉛粒子を使用したブラックマトリックスは高遮光性であるが反射率が高くなる。また、粒状の黒色顔料の場合低反射率であるが遮光性が十分でないといった問題がある。更にTFT用のブラックマトリックスでは1×1010Ω/cm2以上の表面抵抗が必要とされており、黒鉛やカ−ボンブラック等の導電性顔料を使用した場合はこのような高抵抗のブラックマトリックスを得ることは出来ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のブラックマトリックスの欠点を改善すべく鋭意研究を行った結果、高い比抵抗値を示す平板状黒色酸化鉄顔料および粒状黒色酸化鉄顔料を所定比で混合することで、カラー液晶用ブラックマトリックスに十分応用可能な、低反射率、高遮光性かつ高抵抗である樹脂組成物が製造できることを見い出し、本発明を達成した。
【0007】
使用する黒色顔料は無機系顔料、例えば特開平2−22125号公報記載の黒色酸化亜鉛や、特開平5−279040号公報記載の黒色酸化チタン複合顔料、あるいは特開平5−254844号公報記載の銅−クロム−マンガンの黒色複合酸化物なども用いることもできるが、代表的な黒色顔料であるマグネタイトと同様の黒色度を持つ黒色酸化鉄顔料を用いることがより好ましい。
【0008】
平板状黒色酸化鉄顔料としては、Mn、Ni、Co、Al、Si、Zn等の1種またはこれらの組合せから選択される金属が固溶したものならどれでも使用できるが、なかでも黒色度の高くなるMnが好ましい。Mnを使用する場合、その含有量は鉄に対して10〜50原子%とするのが好ましい。粒子径は0.03〜1μmが好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましい。厚みは5〜300nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。
【0009】
粒状黒色酸化鉄顔料としては、Mn、Ni、Co、Al、Si、Zn等の1種またはこれらの組合せから選択される金属が固溶したものならどれでも使用できるが、なかでも黒色度の高くなるMnが好ましい。Mnを使用する場合、その含有量は鉄に対して50原子%以下とするのが好ましく、10〜50原子%とするのがより好ましい。粒子径は0.01〜0.1μmが好ましく、0.02〜0.05μmがより好ましい。
【0010】
上記の2種の黒色酸化鉄顔料の配合割合は、重量比で平板状黒色酸化鉄顔料:粒状黒色酸化鉄顔料=1:9〜9:1であり、3:7〜7:3がより好ましい。この配合割合から外れる場合は、塗料化して樹脂組成物にしたときに、それぞれの黒色酸化鉄顔料の短所である低反射率と高遮光性のどちらか一方が顕著に現れてしまうので好ましくない。
【0011】
ここでいう低反射率および高遮光性とは、一概に定量的に表現することは難しいが、例えば本発明における実施例に示す塗料化条件によって作製した樹脂組成物の塗膜の測定において、前者は反射率が10%以下であり、後者は透過率が4%以下のものをいう。
【0012】
上記の2種の黒色酸化鉄顔料を混合し塗料化して、樹脂組成物とする際に使用される樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が使用できる。製造された樹脂組成物は、平板状黒色酸化鉄顔料の長所である高遮光性と粒状黒色酸化鉄の長所である低反射率がバランス良く配合されたものとなる。また、これら黒色酸化鉄顔料は顔料の比抵抗値が1×105Ω・cm以上と大きいため、塗料化して樹脂組成物とした場合、樹脂の抵抗も加わってTFT用のブラックマトリックスに必要とされる1×1010Ω/cm2を上回る表面抵抗値を示す特徴も合わせ持つ。
【0013】
以上より本発明の樹脂組成物は、カラー液晶用ブラックマトリックスに十分応用が可能であることがわかる。
【0014】
以下に上記黒色酸化鉄顔料の製造例およびこれを用いた樹脂組成物の実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0015】
【製造例】
製造例1
窒素ガスを通気しながら、10℃に調整した0.5N−NaOH水溶液5.2リットルに、同じく10℃に調整した1.43Mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液676ミリリットルと1.86Mol/リットルの硫酸マンガン水溶液174ミリリットルとを混合したMn/Fe=1/3の水溶液を添加して鉄とマンガンとの混合水酸化物を生成させ、さらに該溶液のpHを12、液温を15℃、全容量を6リットルに調整した。
【0016】
その溶液をタービン型撹拌羽根を要した撹拌機で500rpmで撹拌しながら35%の過酸化水素水67g添加し、δFeOOH構造の鉄とマンガンの複合含水酸化物を得、さらに該水溶液のpHを10に調整した後、180℃で1時間水熱処理する。該懸濁溶液を濾別、洗浄し雑塩を取り除き100℃で乾燥した。得られた粒子は平均径0.025μmのヘマタイト構造をした粒状物であった。また比抵抗値は1.6×106Ω・cmであった。この物を試料Aとした。
【0017】
製造例2
硫酸第一鉄0.45Molと硫酸マンガン0.15Molを1.5リットルに溶解した水溶液に窒素ガスを通気しながら30℃に調整する。その溶液に対して、30℃に調整した1.854NのNaOH水溶液1リットルを緩やかに撹拌しながら添加し、鉄とマンガンの複合水酸化物を生成させた後、80℃に昇温し1時間熟成を行い、引き続き30℃に冷却後、35%過酸化水素水31gを加えてδFeOOH構造の鉄とマンガンの複合含水酸化物とした。その懸濁液を濾別、洗浄し雑塩を除き110℃にて乾燥後、さらに300℃で1時間加熱処理した。得られた粒子はヘマタイト構造をした、平均径0.25μm、厚さ10nmの黒褐色の平板状物であった。また比抵抗値は2.5×106Ω・cmであった。この物を試料Bとした。
【0018】
製造例3
製造例2におけるアルカリと鉄、マンガン混合溶液の中和順序を逆に行った以外は製造例2と同様にした。得られた粒子はヘマタイト構造の平均径0.15μm、厚さ20nmの黒褐色の平板状物であった。また比抵抗値は3.2×106Ω・cmであった。この物を試料Cとした。
【0019】
製造例4
製造例3における80℃の熟成を45℃とした以外は製造例3と同様に行った。得られた粒子はヘマタイト構造の平均径0.05μm、厚さ5nmの黒褐色の平板状物であった。この物を試料Dとした。また比抵抗値は3.6×106Ω・cmであった。
【0020】
製造した試料A、B、CおよびDの特性を表1に示した。
【0021】
【実施例】
実施例1〜3
本発明の樹脂組成物を製造するための塗料化を以下の手順で行った。
【0022】
表1の顔料を表2の割合で混合したものと、下記に示す配合1の割合で120mlのマヨネーズ瓶に仕込み、レッドデビル社製のペイントコンデイショナーで30分間分散させた。更に配合2を加え、再度ペイントコンデイショナーで10分間分散を行い、これを塗料とした。
【0023】
〈配合1〉
顔料 2.00 g
大日本インキ化学工業j製アクリル樹脂 5.50 〃
アクリディック47−712(NV50%)
トルエン 2.00 〃
酢酸ブチル 0.90 〃
ソルベッソ100 0.90 〃
ガラスビーズ3φ 30.0 〃
〈配合2〉
大日本インキ化学工業j製アクリル樹脂 0.63 〃
アクリディック47−712(NV50%)
同社製メラミン樹脂 0.33 〃
スーパーベッカミンL−117(NV60%)
トルエン 3.00 〃
酢酸ブチル 1.35 〃
ソルベッソ100 1.35 〃
次に、これをドクターブレードでペットフィルムに塗布し、1時間セッティングした後130℃で20分間焼き付け、塗膜厚3.0μmの塗膜とした。塗膜は表面抵抗値を測定後、日本分光株式会社製Ubest−50にて800nmの透過率T800(%)と反射率R800(%)をペット面から測定し、その結果を表3に示した。
【0024】
また、T800とR800の関係をグラフ化して図1に示した。
【0025】
比較例1〜4
顔料を混合せずに、単独で使用した他は実施例と同様に行った。
【0026】
図1より、比較例はほぼ直線関係となるが、それに対して実施例はその直線関係から外れて下に凸の曲線となることから、黒色酸化鉄顔料を単独で用いるよりも混合した方が低反射率かつ高遮光性になることが判る。
【0027】
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 T800とR800の関係をグラフ化したものである。
【産業上の利用分野】
本発明はカラー液晶におけるカラーフィルターのブラックマトリックスに応用が可能な、平板状酸化鉄顔料と粒状酸化鉄顔料を混合、塗料化することで得られる、遮光性に優れ、かつ、反射率が小さい樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶カラーフィルターの要求性能はより厳しくなりつつあり、その中でもブラックマトリックスに対する要求は低反射率、高遮光性などがあり、更にTFT用ブラックマトリックスとしては高抵抗であることも要求される。
【0003】
しかしながら、2層クロムあるいは黒色顔料フォトレジストなどの現状品はどれも一長一短である。日本印刷学会研究発表会講演予稿集92nd,1994、P77記載の如く、黒色顔料を使用したブラックマトリックスの場合、平板状黒色顔料では高遮光性であるが反射率が高くなる。また、粒状黒色顔料の場合低反射率であるが遮光性が十分でないといった問題がある。更に従来の黒色顔料としてはグラファイトやカーボンブラックなどが使用されていたがこれらは導電性を有するために高抵抗を必要とされるTFT用のブラックマトリックスには使用できないといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は黒色酸化鉄顔料を使って低反射率、高遮光性、かつ高抵抗のカラー液晶用ブラックマトリックスに応用が可能な樹脂組成物を製造することにある。
【0005】
その技術的課題を具体的にいうと、前述した、日本印刷学会講演予稿集、92nd、1994、P77記載の如く、平板状の黒鉛粒子を使用したブラックマトリックスは高遮光性であるが反射率が高くなる。また、粒状の黒色顔料の場合低反射率であるが遮光性が十分でないといった問題がある。更にTFT用のブラックマトリックスでは1×1010Ω/cm2以上の表面抵抗が必要とされており、黒鉛やカ−ボンブラック等の導電性顔料を使用した場合はこのような高抵抗のブラックマトリックスを得ることは出来ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のブラックマトリックスの欠点を改善すべく鋭意研究を行った結果、高い比抵抗値を示す平板状黒色酸化鉄顔料および粒状黒色酸化鉄顔料を所定比で混合することで、カラー液晶用ブラックマトリックスに十分応用可能な、低反射率、高遮光性かつ高抵抗である樹脂組成物が製造できることを見い出し、本発明を達成した。
【0007】
使用する黒色顔料は無機系顔料、例えば特開平2−22125号公報記載の黒色酸化亜鉛や、特開平5−279040号公報記載の黒色酸化チタン複合顔料、あるいは特開平5−254844号公報記載の銅−クロム−マンガンの黒色複合酸化物なども用いることもできるが、代表的な黒色顔料であるマグネタイトと同様の黒色度を持つ黒色酸化鉄顔料を用いることがより好ましい。
【0008】
平板状黒色酸化鉄顔料としては、Mn、Ni、Co、Al、Si、Zn等の1種またはこれらの組合せから選択される金属が固溶したものならどれでも使用できるが、なかでも黒色度の高くなるMnが好ましい。Mnを使用する場合、その含有量は鉄に対して10〜50原子%とするのが好ましい。粒子径は0.03〜1μmが好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましい。厚みは5〜300nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。
【0009】
粒状黒色酸化鉄顔料としては、Mn、Ni、Co、Al、Si、Zn等の1種またはこれらの組合せから選択される金属が固溶したものならどれでも使用できるが、なかでも黒色度の高くなるMnが好ましい。Mnを使用する場合、その含有量は鉄に対して50原子%以下とするのが好ましく、10〜50原子%とするのがより好ましい。粒子径は0.01〜0.1μmが好ましく、0.02〜0.05μmがより好ましい。
【0010】
上記の2種の黒色酸化鉄顔料の配合割合は、重量比で平板状黒色酸化鉄顔料:粒状黒色酸化鉄顔料=1:9〜9:1であり、3:7〜7:3がより好ましい。この配合割合から外れる場合は、塗料化して樹脂組成物にしたときに、それぞれの黒色酸化鉄顔料の短所である低反射率と高遮光性のどちらか一方が顕著に現れてしまうので好ましくない。
【0011】
ここでいう低反射率および高遮光性とは、一概に定量的に表現することは難しいが、例えば本発明における実施例に示す塗料化条件によって作製した樹脂組成物の塗膜の測定において、前者は反射率が10%以下であり、後者は透過率が4%以下のものをいう。
【0012】
上記の2種の黒色酸化鉄顔料を混合し塗料化して、樹脂組成物とする際に使用される樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が使用できる。製造された樹脂組成物は、平板状黒色酸化鉄顔料の長所である高遮光性と粒状黒色酸化鉄の長所である低反射率がバランス良く配合されたものとなる。また、これら黒色酸化鉄顔料は顔料の比抵抗値が1×105Ω・cm以上と大きいため、塗料化して樹脂組成物とした場合、樹脂の抵抗も加わってTFT用のブラックマトリックスに必要とされる1×1010Ω/cm2を上回る表面抵抗値を示す特徴も合わせ持つ。
【0013】
以上より本発明の樹脂組成物は、カラー液晶用ブラックマトリックスに十分応用が可能であることがわかる。
【0014】
以下に上記黒色酸化鉄顔料の製造例およびこれを用いた樹脂組成物の実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0015】
【製造例】
製造例1
窒素ガスを通気しながら、10℃に調整した0.5N−NaOH水溶液5.2リットルに、同じく10℃に調整した1.43Mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液676ミリリットルと1.86Mol/リットルの硫酸マンガン水溶液174ミリリットルとを混合したMn/Fe=1/3の水溶液を添加して鉄とマンガンとの混合水酸化物を生成させ、さらに該溶液のpHを12、液温を15℃、全容量を6リットルに調整した。
【0016】
その溶液をタービン型撹拌羽根を要した撹拌機で500rpmで撹拌しながら35%の過酸化水素水67g添加し、δFeOOH構造の鉄とマンガンの複合含水酸化物を得、さらに該水溶液のpHを10に調整した後、180℃で1時間水熱処理する。該懸濁溶液を濾別、洗浄し雑塩を取り除き100℃で乾燥した。得られた粒子は平均径0.025μmのヘマタイト構造をした粒状物であった。また比抵抗値は1.6×106Ω・cmであった。この物を試料Aとした。
【0017】
製造例2
硫酸第一鉄0.45Molと硫酸マンガン0.15Molを1.5リットルに溶解した水溶液に窒素ガスを通気しながら30℃に調整する。その溶液に対して、30℃に調整した1.854NのNaOH水溶液1リットルを緩やかに撹拌しながら添加し、鉄とマンガンの複合水酸化物を生成させた後、80℃に昇温し1時間熟成を行い、引き続き30℃に冷却後、35%過酸化水素水31gを加えてδFeOOH構造の鉄とマンガンの複合含水酸化物とした。その懸濁液を濾別、洗浄し雑塩を除き110℃にて乾燥後、さらに300℃で1時間加熱処理した。得られた粒子はヘマタイト構造をした、平均径0.25μm、厚さ10nmの黒褐色の平板状物であった。また比抵抗値は2.5×106Ω・cmであった。この物を試料Bとした。
【0018】
製造例3
製造例2におけるアルカリと鉄、マンガン混合溶液の中和順序を逆に行った以外は製造例2と同様にした。得られた粒子はヘマタイト構造の平均径0.15μm、厚さ20nmの黒褐色の平板状物であった。また比抵抗値は3.2×106Ω・cmであった。この物を試料Cとした。
【0019】
製造例4
製造例3における80℃の熟成を45℃とした以外は製造例3と同様に行った。得られた粒子はヘマタイト構造の平均径0.05μm、厚さ5nmの黒褐色の平板状物であった。この物を試料Dとした。また比抵抗値は3.6×106Ω・cmであった。
【0020】
製造した試料A、B、CおよびDの特性を表1に示した。
【0021】
【実施例】
実施例1〜3
本発明の樹脂組成物を製造するための塗料化を以下の手順で行った。
【0022】
表1の顔料を表2の割合で混合したものと、下記に示す配合1の割合で120mlのマヨネーズ瓶に仕込み、レッドデビル社製のペイントコンデイショナーで30分間分散させた。更に配合2を加え、再度ペイントコンデイショナーで10分間分散を行い、これを塗料とした。
【0023】
〈配合1〉
顔料 2.00 g
大日本インキ化学工業j製アクリル樹脂 5.50 〃
アクリディック47−712(NV50%)
トルエン 2.00 〃
酢酸ブチル 0.90 〃
ソルベッソ100 0.90 〃
ガラスビーズ3φ 30.0 〃
〈配合2〉
大日本インキ化学工業j製アクリル樹脂 0.63 〃
アクリディック47−712(NV50%)
同社製メラミン樹脂 0.33 〃
スーパーベッカミンL−117(NV60%)
トルエン 3.00 〃
酢酸ブチル 1.35 〃
ソルベッソ100 1.35 〃
次に、これをドクターブレードでペットフィルムに塗布し、1時間セッティングした後130℃で20分間焼き付け、塗膜厚3.0μmの塗膜とした。塗膜は表面抵抗値を測定後、日本分光株式会社製Ubest−50にて800nmの透過率T800(%)と反射率R800(%)をペット面から測定し、その結果を表3に示した。
【0024】
また、T800とR800の関係をグラフ化して図1に示した。
【0025】
比較例1〜4
顔料を混合せずに、単独で使用した他は実施例と同様に行った。
【0026】
図1より、比較例はほぼ直線関係となるが、それに対して実施例はその直線関係から外れて下に凸の曲線となることから、黒色酸化鉄顔料を単独で用いるよりも混合した方が低反射率かつ高遮光性になることが判る。
【0027】
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 T800とR800の関係をグラフ化したものである。
Claims (4)
- 平板状黒色酸化鉄顔料および粒状黒色酸化鉄顔料を重量比で1:9〜9:1の割合で含有したブラックマトリックス用樹脂組成物。
- 平板状黒色酸化鉄顔料および粒状黒色酸化鉄顔料を重量比で1:9〜9:1の割合で含有したものであって、樹脂組成物の表面抵抗値が1×1010Ω/cm2以上であることを特徴とする請求項1記載のブラックマトリックス用樹脂組成物。
- 平板状黒色酸化鉄顔料が鉄に対してMnが10〜50原子%を固溶した鉄を主成分とするヘマタイト構造を示すものであり、粒状黒色酸化鉄顔料が鉄に対してMnが50原子%以下で固溶した鉄を主成分とするヘマタイト構造を示すものである、請求項1または2記載のブラックマトリックス用樹脂組成物。
- 比抵抗値が1×105Ω・cm以上である平板状黒色酸化鉄顔料および比抵抗値が1×105Ω・cm以上である粒状黒色酸化鉄顔料を重量比1:9〜9:1で混合し、更に、樹脂中で分散させることを特徴とするブラックマトリックス用樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16225995A JP3781804B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16225995A JP3781804B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912768A JPH0912768A (ja) | 1997-01-14 |
JP3781804B2 true JP3781804B2 (ja) | 2006-05-31 |
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ID=15751046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16225995A Expired - Fee Related JP3781804B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
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JP5688217B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2015-03-25 | 太陽ホールディングス株式会社 | ペースト組成物及び焼成物パターン |
JP5822058B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2015-11-24 | 戸田工業株式会社 | 耐熱性黒色粉体及びその製造方法、該耐熱性黒色粉体を用いた塗料及び樹脂組成物 |
JP5915853B2 (ja) * | 2012-03-30 | 2016-05-11 | 戸田工業株式会社 | 耐熱性黒色粉体及びその製造方法、該耐熱性黒色粉体を用いた塗料及び樹脂組成物 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP16225995A patent/JP3781804B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0912768A (ja) | 1997-01-14 |
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