JP4682074B2 - 黒色を呈した複合酸化物粒子 - Google Patents

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Description

本発明は黒色を呈した複合酸化物粒子に関し、詳しくは銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、かつ特定量のコバルトを含有していることを特徴とする黒色を呈した複合酸化物粒子に関する。
ブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用等に用いられる導電性黒色顔料は、電気伝導性等の特性に優れ、かつ安価であることが求められている。この観点から、カーボンブラック、マグネタイトをはじめとする酸化鉄系顔料、その他複合酸化物顔料が用途に応じて利用されている。
昨今、上記いずれの分野においても高性能化、高品質化の要求のみにとどまらず、例えば、金属酸化物を主成分とする黒色顔料においても、単に黒色度に優れているのみならず、ブラックマトリックス形成の際の焼成時に要求される耐酸化性や、樹脂や溶媒等を用いて塗料化する際に要求されるビヒクル中での分散性、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性等に優れたものが求められている。このような金属酸化物を主成分とする黒色顔料の代表例としては、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化銅といった単独組成の金属酸化物粒子や、Cu−Cr系、Cu−Mn系、Cu−Cr−Mn系、Cu−Fe−Mn系、Co−Mn−Fe系、Co−Fe−Cr系等の複合酸化物粒子が挙げられる。
特開平9−237570号公報 特開平10−231441号公報
上記単独組成の金属酸化物粒子においては、粒子径が大きいものは黒色度が高いものの、サブミクロンレベルの粒子となると褐色を呈する。あるいは、そのようなレベルの粒子の製造が困難である。
また、複合酸化物粒子においても、黒色顔料に求められる性能上、一長一短がある。まず、Cu−Cr系やCu−Cr−Mn系のように、成分としてクロムを含んでいる場合、クロムの毒性上の問題に加え、サブミクロンレベルの粒子の製造が困難である。
また、特許文献1に開示されているようなCu−Mn系の粒子の場合、粒子の微粒化は容易だが、形状が不定形化し易く、粒子の凝集が生じ易く、塗料化した際の分散性や塗膜の平滑性に劣る。
同じく特許文献1に開示されているようなCu−Fe−Mn系の粒子の場合、黒色度が高く、形状が均整で分散性に優れている。また特許文献2に開示されているようなCo−Mn−Fe系の場合、形状が均整で分散性に優れている。しかし、いずれの場合も鉄を含有していることに起因して(黒色度をFe2+に依存しているが、経時劣化し易い)、耐候性に劣っており、耐酸性にも劣るとも言われている。
以上述べたように、金属酸化物を主成分とする導電性黒色顔料として、より黒色度、電気伝導性に優れ、耐酸化性、塗料化時の分散性、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性等のバランスも取れた材料については、満足のゆく材料が未だ見出されていないのが実情である。
従って、本発明の目的は、主にブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用の導電性黒色顔料として好適な黒色を呈した複合酸化物粒子を提供することにある。
また本発明の目的は、耐酸化性、塗料化時の分散性、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性等のバランスも取れた黒色を呈した複合酸化物粒子を提供することにある。
本発明者等は、各種金属酸化物を主成分とする材料を鋭意検討した結果、銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、かつ特定量のコバルトを含有している板状の複合酸化物粒子であれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の複合酸化物粒子は、銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、コバルト含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して40〜65質量%であり、粒子形状が板状であることを特徴とする。
本発明に係わる黒色を呈した複合酸化物粒子は、より黒色度、電気伝導性に優れ、耐酸化性、塗料化時の分散性、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性等のバランスも取れていることから、ブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用の黒色顔料として好適である。また、このような複合酸化物粒子を用いた導電性黒色塗料により形成された電極等成形体は、黒色度、電気伝導性、耐酸化性、焼成被膜の均一性や光沢性に優れるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の複合酸化物粒子は、銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、コバルト含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して40〜65質量%であることを特徴とする。
本発明のような導電性の黒色顔料を検討するにあたって、本発明者らがさまざまな系(組成)の複合酸化物粒子を調製したところ、板状、粒状、不定形状の如く各種形状の粒子が生成した。しかし、本発明の如く導電性の良好な黒色顔料が生成するのは稀であった。
すなわち、複合酸化物粒子の製造過程において、銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、コバルト含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して40〜65質量%であった場合に、黒色度が良好でかつ、導電性の複合酸化物粒子が生成する。
なぜ、銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、更にコバルトを含有する本発明の複合酸化物粒子が黒色度、導電性のバランスが良好であるのかは不明である。本発明者らは複合酸化物中に含有させる特定の元素種を限定することが、黒色度、導電性のバランスをとる上で重要であることを見出したのである。
実際に、酸化コバルト粒子に銅、ニッケル及びモリブテン以外の元素を添加しても、黒色粒子が生成することはあっても導電性粒子ではなかったり、逆に導電性粒子が生成しても黒色粒子ではなかったりし、黒色度、導電性の両者を満足させるものは見出せなかった。
本発明の複合酸化物粒子は、コバルト含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して40〜65質量%であることも重要である。この含有量が40質量%未満の場合、黒色度において不十分であり、65質量%を超える場合、黒色度は十分であるものの、導電性が不十分である。導電性と黒色度のバランスを考慮すれば、50〜65質量%とする必要がある。
本発明の複合酸化物粒子は、銅、ニッケル及びモリブテンの総含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して10〜30質量%であることが好ましい。この含有量が上記範囲を外れる場合、黒色度と導電性を向上させる効果に欠けたり、両者のバランスを欠いたりするおそれが生じる。
本発明の複合酸化物粒子の結晶構造は、スピネル型又は逆スピネル型をとることが、性能の安定性を発揮する上で好ましい。
本発明の複合酸化物粒子はその粒子形状が板状である。板状粒子の平面部には凹部があり、該凹部の数が1粒子あたり3個以上20個未満であると、より好ましい。球状粒子では、塗料状にして用いる際、分散安定性には優れるものの、塗布後の電気伝導性に若干問題が残るので、面接触の効果が期待できる板状品を用いる。また、粒子表面に凹部が存在すると、樹脂等含むビヒクル中に分散した際、ビヒクルが凹部中に入り込み、分散性向上を促進する効果があるので好ましい。
ここでいう、板状粒子の平面部に存在する凹部は、走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)写真より確認することができる。4万倍のSEM写真を撮影し、得られた写真の外観より凹部と判断することができる。
本発明の複合酸化物粒子は、板状粒子の平面部に存在する凹部の数が、1粒子あたり3個以上20個以下であることが好ましい。凹部の数が3個未満である場合、電気伝導性の効果が十分に発揮されず好ましくない。また、逆に、凹部の数が20個超の場合、粒子の強度が弱くなり、その結果、粒子を分散させて塗料を製造する際に粒子の破壊が起こりやすく、好ましくない。上記凹部の数は、更に好ましくは5個以上15個以下であると、電気伝導性の効果と粒子の強度のバランスが取れ、さらに好ましい。
本発明の複合酸化物粒子は、平均粒径が0.1〜1μmであると好ましい。このように微細な複合黒色酸化物粒子であれば、塗料化した際の塗膜の表面平滑性に優れ、該塗膜の光沢度が高くなる。
本発明の複合酸化物粒子は、BETによる比表面積が10〜50m/gであると好ましい。ここで、BETによる比表面積が10m/g未満である場合、粒子自体が大きすぎて、塗料化した際の着色性が不良となるおそれが生じ、50m/gを超える場合、塗料化して、塗料化した際の塗膜の表面平滑性に劣るばかりか、粒子が微細すぎて黒色度が低下するおそれがある。また本発明の複合酸化物粒子は、吸油量が20〜40ml/100gであることが好ましい。吸油量の低い本発明の黒色複合酸化物粒子は、凝集粒子の存在が少なく、その結果、塗料化したときの分散性が良好になる。
本発明の複合酸化物粒子は、かさ密度が0.1〜0.5g/cmであると好ましい。ここで、かさ密度が0.1g/cm未満である場合、塗料化する際に取り扱いが困難となったり、あまりにかさ高いため保管するのに大きな容器を必要とするため好ましくない。また逆に、0.5g/cmを超える場合、凝集しやすいために分散性を阻害することがある。
本発明の複合酸化物粒子は、コート紙上の塗膜の色がL値で18〜23であることが好ましい。塗膜によるL値が23よりも高い場合、黒色度が不十分となり好ましくない。また、逆に、塗膜によるL値が18未満とすることは実際上、困難である。
本発明の複合酸化物粒子は、電気抵抗値が10〜10Ω・cmであることが好ましい。電気抵抗を10Ω・cm未満とすることは実際上、困難である。逆に、電気抵抗が10Ω・cmを超える場合、電気伝導性が不十分となり好ましくない。
次に、本発明の複合酸化物粒子の好ましい製造方法について述べる。本発明の複合酸化物粒子は、少なくともコバルトを含有し、銅、ニッケル及びモリブテンのうち1種又は2種以上の金属元素を含有する水溶性塩を用いて調製した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持し温度40℃超60℃以下で酸化して前駆体を得、得られた前駆体を80〜150℃にて熟成し、固液分離後、固形分を温度400〜700℃、1時間超3時間以下で熱処理することにより製造できる。
本発明においては、少なくともコバルトを含有し、銅、ニッケル及びモリブテン中より選ばれた金属元素の水溶性塩を用いる。金属塩混合水溶液を調製する際には、前述したとおり、コバルト塩の量が重要である。この理由は、得られる複合酸化物粒子の黒色度を良好にし且つ導電性を確保するためである。また前述したとおり、用いる銅、ニッケル及びモリブテンの金属塩の量も重要である。具体的には、複合酸化物粒子中の銅、ニッケル及びモリブテンの総含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して10〜30質量%となるように金属塩混合水溶液を調製するのが好ましい。この理由は、得られる複合酸化物粒子の黒色度を良好にし且つ導電性を確保するためである。
使用する金属塩を水溶液中に溶解させるためには水溶液の温度を30〜60℃にすることが好ましい。30℃未満であると、未溶解の金属塩が水溶液中に残る可能性が高く、水酸化アルカリと混合して複合水酸化物を形成する際に、不均一な組成の水酸化物が形成される恐れがある。また、60℃超であると核の大きさが不均一となりやすく、最終的に得られる複合酸化物粒子のサイズもばらつくことが推測される。
なお、上記水溶液調製に用いられる各種金属塩は、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物等、水溶性であれば特に限定されるものではなく、反応系の液性に合ったものを使用すれば良い。また、水溶液中の金属イオン濃度は、生産性等を考慮すれば総イオン濃度で0.5〜2.0mol/L程度に調製すれば良い。
こうして得られた金属塩混合水溶液と水酸化アルカリを混合して、混合水酸化物スラリーを生成させる。
この中和に用いる水酸化アルカリは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリが好ましい。また、中和混合については、いかなる混合態様でも良いが、金属塩混合水溶液に水酸化アルカリを添加するのが好ましい。その添加は60〜120分間の間に行えば、均一な組成の混合水酸化物核粒子が得られる。添加時間が60分より短いと不均一な組成の水酸化物が形成されたり、不定形粒子が発生しやすい。120分を超える場合、均一な組成の混合水酸化物が形成されるが、核の成長も進行し、不定形状粒子が発生しやすい傾向にある。
得られた混合水酸化物スラリーをpH10〜13の範囲で調整し、適当な酸化剤(過酸化水素等)添加や酸素含有ガス、好ましくは空気吹き込みを行うことで、スラリー中に黒色を呈した複合酸化物粒子を生成させる。反応温度は40℃超、60℃以下が好ましい。40℃以下であると粒子が微粒化して黒色度が低下する恐れがあり、60℃を超える場合、不定形状粒子の発生が多発しやすい。
酸化反応は、スラリー中の酸化還元電位が平衡に達するまで続ける。こうして得られたスラリーを80〜150℃まで昇温する。昇温後、80〜100℃で1〜6時間攪拌するか、オートクレーブ等を用いて100〜150℃で処理するかして、スラリー中の複合酸化物粒子の熟成を行う。この熟成は、反応を進行させて粒状の粒子を形成させるために重要である。この際の処理温度が80℃未満の場合(オートクレーブを用いるときには100℃未満の場合)、反応がなかなか進行しないために粒状の粒子を形成させることができず、不定形粒子が発生しやすい。100℃を超える場合(オートクレーブを用いるときには150℃を超える場合)、反応速度が速いことに起因して得られる粒子の粒度分布が広くなり、好ましくない。
熟成の完了した複合酸化物粒子(即ち前駆体)を含むスラリーは、常法の濾過、洗浄、脱水を経て、固形分を50〜120℃にて乾燥を行った後粉砕する。それにより得られた複合酸化物粒子(即ち前駆体)を400〜700℃にて1時間超3時間以下で熱処理させ、形態を安定化させる。熱処理時間が1時間以下であると酸化物の形態が安定しないため、色相が悪くなる恐れがある。また、3時間を超えると粒子間焼結の影響により着色力を低下させる恐れがある。熱処理により得られる複合酸化物粒子は、一部凝集が見られることがあるので、常法の解砕処理を加えれば良い。
熱処理の際の温度が400℃未満では、酸化物の形態が安定せず、各種特性の安定性に欠けるおそれがある。700℃を超える場合、過剰な熱負荷により、黒色度や色相が不良となるおそれがある。なお、熱処理時の雰囲気は大気中、あるいは不活性ガス雰囲気下、いずれでも構わない。
本発明の複合酸化物粒子を用いて塗料化した導電性黒色塗料により形成された電極等の成形体は、黒色度、電気伝導性、耐酸化性、焼成被膜の均一性や光沢性に優れている。この黒色導電性塗料は、プラズマディスプレイやプラズマアドレス液晶等のディスプレイ表示素子に好適に用いられる。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
表1に示すとおり、10モルの硫酸コバルト(2価)と5モルの硫酸銅(2価)とを10リットルの水に溶解した(A液)。一方、pHを10.9に調製した水酸化ナトリウム水溶液10リットルを準備した(B液)。次にA液をB液に90分かけて一定速度で添加した。この添加の間、混合液のpHが10.9となるように1規定水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。添加が終了した段階で、液温を50℃に調整し、1リットル/分の割合で空気を吹き込み、酸化反応を2時間行い前駆体粒子を得た。更に、得られた前駆体粒子スラリーを80℃に加温し、2時間の熟成を行った。得られたスラリーを通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い固形分を得た。この固形分を乾燥させ、次いで大気雰囲気下、580℃で2時間熱処理を行った。これによって銅を含有した複合酸化物粒子を得た。得られた粒子を以下に示す方法で評価した。結果を表2に示す。
〔評価方法〕
(a)Co、Cu、NiおよびMo含有率
試料を溶解し、ICPにて測定した。
(b)平均粒径
SEM(走査型電子顕微鏡)で10万倍の写真を撮影し、200個の粒子のフェレ径を測定した。
(c)粒子形状、粒子平面部に存在する凹部の数
SEM(走査型電子顕微鏡)で10万倍の写真を撮影し、観察できる粒子をランダムに選択し、30個の粒子について、粒子形状、凹部の数を計測した。
(d)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(e)かさ密度
試料をふるい等を使用せず、そのまま内容量100cm3 の容器に投入し、重量を測定し単位体積当たりの重量を求めた。
(f)電気抵抗
試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2 の圧力を加えて、25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け、150kg/cm2 の加圧状態で測定した。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して粒子の電気抵抗値を求めた。
(g)吸油量
JIS K 5101に準拠して行った。
(h)黒色度、色相
粉体の黒色度測定はJIS K5101−1991に準拠して行った。試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練りこむ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後これをミラーコート紙上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC−1800型)にて、黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。
(i)鏡面反射率(塗膜の表面平滑性に伴う光沢性)
スチレンアクリル系樹脂(TB−1000F)を(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を60g、熱処理後の試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計にて黒色度、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて60度の反射率を測定した。
〔実施例2〜5及び比較例1〜3〕
表1に示すように各製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合酸化物粒子を得た。得られた複合酸化物粒子について、実施例1と同様に諸特性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004682074
Figure 0004682074
表2から明らかなとおり、実施例の複合酸化物粒子は、黒色度、電気伝導性、色相、耐酸化性および塗料化時の分散性、塗料を塗膜化したときの表面平滑性に優れている。なお表には示していないが、実施例の複合酸化物粒子は、それらの結晶構造がスピネル型であることが、XDRによる測定の結果確認された。
これに比べ、比較例1の酸化コバルト粒子は黒色度は十分なものの、銅、ニッケル、モリブテンをいずれも含有しないため、導電性に劣るものであった。
比較例2の粒子は銅、ニッケル、モリブテンを含有しているが、総含有量が多すぎるためにコバルトの含有量が低下し、導電性は十分な値を示すものの黒色度に劣るものであった。
比較例3の粒子は銅、ニッケル、モリブテンを含有しているが、総含有量が少ないためにコバルト含有量が高すぎ、その結果、黒色度は十分なものの、導電性が低いものであった。

Claims (9)

  1. 銅、ニッケル及びモリブテンのうち少なくとも1種又は2種以上を含有し、コバルト含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して40〜65質量%であり、粒子形状が板状であることを特徴とする黒色を呈した複合酸化物粒子。
  2. 銅、ニッケル及びモリブテンの総含有量が、粒子全体に対し金属元素に換算して10〜30質量%である請求項1に記載の複合酸化物粒子。
  3. 板状粒子の平面部に凹部があり、該凹部の数が1粒子あたり3個以上20個以下である請求項1又は2に記載の複合酸化物粒子。
  4. 平均粒子径が0.1〜1μmである請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
  5. 比表面積が10〜50m2/gである請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
  6. かさ密度が0.1〜0.5g/cm3である請求項1〜5のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
  7. コート紙上の塗膜の色がL値で18〜23である請求項1〜6のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
  8. 電気抵抗値が100〜102Ω・cmである請求項1〜7のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
  9. 吸油量が20〜40ml/100gである請求項1〜8のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
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