JP4746477B2 - 水酸化コバルト粒子および酸化コバルト粒子 - Google Patents
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Description
また、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の黒色電極、遮光層形成用の黒色顔料粉として好適な黒色度と高電気抵抗とを兼ね備えた酸化コバルト粒子を提供するものである。
本発明で言う水酸化コバルト粒子とは、少なくともその主成分がコバルトであり、黒色度を更に改善する等、必要な特性向上のため、Si、Al、Mn、Ni、Zn、Cu、Mg、Ti、Zr、W、Mo、P等を少なくとも1種以上選択し、含有させても良い。
本発明の水酸化コバルト粒子は、凝集度が低い特徴を有していることから、上記粒度分布測定により捉えられる凝集粒子径の代表値D50は小さいレベルになる。
本発明の水酸化コバルト粒子は、凝集した粗大粒子が少ない。従って、上記粒度分布測定により捉えられる粗大凝集粒子径の代表値DMAXは小さいレベルになる。
このD90もD50と同様、粒子の凝集度合いをみる代表値であり、本発明の水酸化コバルト粒子においては、小さいレベルになる。
上記平均厚みが0.02μm未満の場合、粒子が薄すぎることに起因して、酸化コバルト粒子に加工した際に、凝集粒子となりやすい。0.06μmを超える場合、粒子が粗大なことに起因して、その結果、酸化コバルト粒子も粗大になる。
この比はアスペクト比として捉えられるもので、この値が5未満の場合、粒子の面方向径が厚みに比して小さいので、板状の度合いが低く、粒度にバラツキが生じ易い。また、この値が20を超える場合、粒子は略フレーク状となり、粒子の凝集が著しくなる。
このかさ密度が0.1g/cm3未満の場合、嵩高いため保管するのに大きな容器を必要とするため好ましくない。0.3g/cm3を超える場合、酸化コバルト粒子に加工した際に凝集粒子となりやすい。
この2価のコバルトの比率は、高く確保されるほど、加工後の酸化コバルト粒子の黒色度が確保できる。この2価のコバルトの比率について上限を設けていないが、95%以上の比率とすることは困難とみられる。
全コバルト含有量に占める2価コバルトの比率とは粒子全体に含有される2価のコバルト含有量を粒子全体に含有される全コバルト含有量で除した値に100を乗じた値である。酸化コバルトの一般的な形態としては四酸化三コバルト(Co3O4)、酸化コバルト(CoOやCo2O3)がある。Co3O4は全コバルト中における2価のコバルトが占める割合は33%である。またCoOは全コバルト全てが2価のコバルトであり、Co2O3は全コバルトが全てが3価である。
全コバルト中の2価のコバルトが占める割合が40%未満の場合、黒色度が不十分となり、また、70%超の場合黒色顔料ではなく青緑色を呈した顔料となってしまい本発明の効果を発揮できない。上記2価コバルトの割合については、更に好ましくは40〜60%である。
18体積%以下の不活性ガス富化空気を連続的にバブリングすることにより製造できる。
逆にpHが13よりも高い場合は、コバルト(2価)塩が過度の酸化を受けやすく、3価のコバルト水酸化物を生成するおそれがあり、好ましくない。このような水酸化コバルト粒子を用いて、次工程以降の処理を行うと、均整な形状や酸化の制御が困難であり、2価のコバルト含有量の高い酸化コバルト粒子が得られない。水酸化コバルト粒子のより安定的な生成を考慮すると、中和時のpHは11〜12であると、さらに好ましい。
逆に、バブリング酸素含有ガスの酸素濃度が低い場合、粒子表面に薄層の酸化被膜が形成されにくいので、凝集を抑制できないものとみられる。
pH12の水酸化ナトリウム水溶液80リットルを200リットルの反応容器に投入した。次いで1.2mol/リットルのコバルト(2価)を含有する硫酸コバルト(2価)水溶液60リットルを1リットル/分の速度で前記反応容器に連続投入し、同時に12mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液も連続的に添加した。水酸化ナトリウムの添加流速は反応容器中のスラリーpHを常時測定し、そのスラリーのpHが12となるように適宜調節した。その間、スラリー温度は35℃を維持し、常時、酸素濃度15体積%の窒素富化空気を10リットル/分の速度で吹き込み続けた。
混合終了後、更に30分間窒素富化空気のバブリングと撹拌を継続した。
(a)レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるD50、D90、DMAX
0.1%に調整したヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液100mlに試料0.1gを添加して、BRANSON2200(商品名)超音波バス浴中で3分間分散させた。その分散液をベックマンコールター社製LS-230(商品名)で測定した。
(b)SEM観察による粒子形状、一次粒子面方向平均径、平均厚み
走査型顕微鏡(倍率4万倍)により、粒子形状を観察した。同時に、任意に200個の粒子の面方向フェレ径と粒子厚みを計測し、それぞれの個数平均値を以って一次粒子面方向平均径、平均厚みとした。
(c)一次粒子面方向径/厚み
(b)の観察における200個の個別の一次粒子面方向径/厚み値より平均を求めた。
(d)粒子中の全コバルトに対する2価のコバルトの比率
コバルト含有粒状黒色顔料を酸に完全に溶解し、ICPにてコバルトの含有量を求め、粒子全体に対する全コバルト含有量を求めた。
次に、硫酸アンモニウム鉄(2価)溶液へコバルト含有粒状黒色顔料を加え酸で完全に溶解し、溶液中の2価の鉄イオン濃度をジフェニルアミンスルフォン酸ナトリウムを指示薬として二クロム酸カリウム標準液を用いた滴定により求めた。
次に、あらかじめ添加した2価の鉄イオン濃度と、滴定によって求められた2価の鉄イオン濃度の差を計算によって求め、3価の鉄イオン濃度を求めた。
3価の鉄イオンは以下の化学反応によって生成するため、この濃度を試料に含有されていた3価のコバルトイオン濃度とした。
Co3+ + Fe2+ → Co2+ + Fe3+
これより粒子全体に対する3価のコバルト含有量を求め、全コバルト含有量から3価のコバルト含有量を差し引いて、2価のコバルト含有量を求めた。
そして、(2価のコバルト含有量)/(全コバルト含有量)×100にて粒子中の全コバルトに対する2価のコバルトの比率を求めた。
(e)かさ密度
試料をふるい等を使用せず、そのまま内容量100cm3 の容器に投入し、重量を測定し単位体積当たりの重量を求めた。
表1に記載した条件変更以外は実施例1と同様に行い、水酸化コバルト粒子粉末を得た。得られたものを実施例1と同様の方法で評価した。評価した結果を表2に示す。
凝集度合いが不良であった。
また、粒子中の全コバルトに対し、2価のコバルトの比率が低いものもあり、加工して酸化コバルト粒子とした際に、黒色度の面でも劣るものと考えられる。
Claims (6)
- レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるD50が0.1μm〜1μmであり、D 90 が0.2μm〜2μmであり、SEM観察による一次粒子面方向平均径が0.05μm〜0.7μmである板状のものであり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるD 50 /一次粒子面方向平均径の比が1〜2であることを特徴とする水酸化コバルト粒子。
- レーザー回折散乱式粒度分布測定法によるDMAXが4μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水酸化コバルト粒子。
- 2価のコバルト塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを、pH10〜13にて混合中和し、混合中和開始以降、あるいは混合中和終了以降、反応スラリーの温度を10℃〜40℃に維持しながら、酸素濃度5体積%以上、18体積%以下の不活性ガス富化空気を連続的にバブリングすることにより製造されたものである請求項1又は2に記載の水酸化コバルト粒子。
- 黒色顔料として用いられる酸化コバルト粒子を製造するために用いられる請求項1〜3いずれかに記載の水酸化コバルト粒子。
- 一次粒子の平均厚みが0.01μm〜0.06μmであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の水酸化コバルト粒子。
- 粒子中の全コバルトに対し、2価のコバルトの比率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の水酸化コバルト粒子。
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