JP3780712B2 - X線画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線画像情報をフラットパネルディテクタで捕獲し、そのフラットパネルディテクタからX線画像情報を画像信号として取り出し、その信号をデジタル変換し、更にレーザ光強度に変換後、ハロゲン化銀写真感光材料に露光、現像処理してX線写真画像を形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断用のX線画像撮影に用いられるシステムとしては、ハロゲン化銀写真フィルムを蛍光増感紙に密着させ、X線画像を露光し、自動現像機で現像、定着、水洗、乾燥する画像形成システムが従来より一般的に使われてきた。
【0003】
一方、近年、X線画像情報を輝尽性蛍光体プレートに露光し、その後該プレートにレーザ光を走査露光することで輝尽性蛍光体プレートに蓄積された画像情報を光信号として取り出し電気信号に変換後、再び光信号としてハロゲン化銀写真フィルムに走査記録し、自動現像機で現像、定着、水洗、乾燥する画像形成システムが使用されるようになった。
【0004】
このシステムは、従来のスクリーン/フィルムシステムに比較してX線露光量の許容範囲が広く、また画像信号をCRTモニタなどを使用することで確認することも可能であり、ハロゲン化銀感光材料に走査露光する際の光量を調整できるため、露光量の過不足による撮影のやり直しが低減したり、画像のエッジ強調などのデータ変調を行うことで、仕上がりの調子を変えられるメリットがあった。
【0005】
しかし、一方で、たとえば肺野に生じる極初期の癌のX線画像は従来のスクリーン/フィルムシステムを用いている診断者にとっては、スリガラス状の陰影として検知されるが、上記の輝尽性蛍光体を用いたシステムではスリガラス状の陰影が欠落してしまい、極初期の癌が検知されにくいという重大な課題があった。
【0006】
この課題は、生存率の高い極初期の癌の陰影ほどその大きさが小さく検知されにくくなるので、結局、医師の早期発見が遅れ、検知できたときには生存率が大きく低下してしまうことになりかねない極めて大きな問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、再撮影などの患者さんの負荷を低減できるX線写真画像の形成方法であり、かつ、初期の肺ガンにみられるスリガラス状の陰影の検出力が高いX線写真画像の形成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記の項目1〜3によって達成された。
【0009】
1.X線画像情報をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像情報を画像信号として取り出し、レーザ光強度変化に変換し、ハロゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像処理を行って得られたX線写真画像において、カブリ+0.05からカブリ+0.5におけるガンマ値(γ1)が0.3〜0.75である特性曲線を示すことを特徴とするX線画像形成方法。
【0010】
2.カブリ+0.5からカブリ+2.5におけるガンマ値(γ2)が1.7〜2.6である特性曲線を示すことを特徴とする前記1に記載のX線画像形成方法。
【0011】
3.ローラ搬送型自動現像機を用いて現像処理することを特徴とする前記1又は2に記載のX線画像形成方法。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明に用いられるフラットパネルディテクタを用いたX線画像形成方法及びX線画像形成システムの実施の形態を、図面に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0014】
図1はX線画像形成システムの概略構成図、図2はフラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略断面図、図3はフラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略平面図である。
【0015】
X線画像形成システムは、図1に示すように、X線管1から照射されるX線により被写体60の撮影を行い、X線画像情報をフラットパネルディテクタ(FPD)2に捕獲する。このフラットパネルディテクタ(FPD)2からX線画像情報を画像信号として取り出し、画像処理部3で画像処理してネットワーク4に送る。ネットワーク4にはCRTディスプレイ5やレーザイメージャ6等が接続されており、CRTディスプレイ5にX線画像を表示したり、レーザイメージャ6でX線画像をプリントして出力する。
【0016】
フラットパネルディテクタ(FPD)2は、図2及び図3に示すように構成される。
【0017】
フラットパネルディテクタ(FPD)2は、図2に示すように、誘電基板層20に、光導電層21、誘電層22、前面導電層23を順に積層して構成される。ガラス板等の誘電基板層20上には、複数の第1の微小導電電極マイクロプレート24が設けられる。複数の第1の微小導電電極マイクロプレート24上には、静電容量誘電材25が形成されている。フラットパネルディテクタ(FPD)2から誘電層22を除いてもX線画像を形成することができ、この発明を実現できるが、この場合は、電荷蓄積キャパシタ36で蓄積された電荷量の保持性やX線画像の鮮鋭度が多少は低下する可能性がある。
【0018】
更に、誘電基板層20上には、2個の電極26,27とゲート28を有する複数のトランジスタ29が積層されている。更に、誘電基板層20上には、複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30が積層されている。
【0019】
図3に示すように、少なくとも1つのトランジスタ29は、複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30をXアドレスライン41とYセンスライン42に接続している。電荷蓄積キャパシタ36は、第1の微小導電電極マイクロプレート24、第2の微小導電電極マイクロプレート30及び静電容量誘電材25によって形成されている。第2の微小導電電極マイクロプレート30はトランジスタ29の電極27にも接続されている。第1の微小導電電極マイクロプレート24はアースに接続されている。
【0020】
トランジスタ29は双方向スイッチの働きをし、バイアス電圧がXアドレスライン41を介してゲートに印加されたかどうかに応じて、Yセンスライン42と電荷蓄積キャパシタ36との間に電流を流す。
【0021】
複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30間のスペースには、導電電極又はXアドレスライン41、及び導電電極又はYセンスライン42が配置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン42は、図のように相互に対してほぼ直交するように配置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン42は、リード線又はコネクタを通して、フラットパネルディテクタ(FPD)2のサイド又はエッジに沿って個別にアクセス可能になっている。
【0022】
Xアドレスライン41の各々は、バイアス電圧をラインにしたがって、アドレスされるXアドレスライン41に接続されたトランジスタ29のゲートに印加することによって順次にアドレスされる。これにより、トランジスタ29は導通状態になり、対応する電荷蓄積キャパシタ36に蓄積された電荷はYセンスライン42に流れると共に、電荷検出器46の入力側に流れる。電荷検出器46はYセンスライン42上で検出された電荷に比例する電圧出力を発生する。電荷検出器46の出力は順次にサンプリングされて、アドレスしたXアドレスライン41上のマイクロキャパシタの電荷分布を表す画像信号が得られ、各マイクロキャパシタは1つのイメージ画素を表す。Xアドレスライン41上の画素のあるラインから信号が読み出されると、電荷増幅器はリセットライン49を通してリセットされる。次のXアドレスライン41がアドレスされ、このプロセスは、すべての電荷蓄積キャパシタ36がサンプリングされて、イメージ全体が読み出されるまで繰り返される。
【0023】
このように、フラットパネルディテクタからX線画像情報を画像信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、感光性ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置により、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い鮮鋭性の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【0024】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料について説明する。
【0025】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料はレーザ走査露光し、現像処理した時に得られるX線写真画像の特性曲線が、カブリ+0.05からカブリ+0.5のガンマ値(γ1)が0.3〜0.75を示すハロゲン化銀写真感光材料であることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、前記特性曲線のガンマ値を示す写真感光材料を使用するときに、X線画像形成システムとして診断用として最適な画質を得ることが出来る。特に肺ガンの初期に見られるような、スリガラス状の陰影については、その効果が著しい。このスリガラス状の陰影は、初期のものに関しては、その大きさが約5mm程度と小さく、且つ、正常な部分との境界が明瞭ではないため、非常に読影する事が難しい。一般的には、X線画像形成システムの鮮鋭性が向上すれば、判別能は向上する。しかし、これは周囲との境界が明瞭な病変や、四肢骨の骨稜の診断の場合であり、前記のような初期の肺ガンに見られるスリガラス状の陰影では、単に鮮鋭性が向上しても診断能が向上するとは限らない。
【0027】
すなわち、鮮鋭性が向上するにつれ、粒状の〔あれ〕が目立ち、診断能が損なわれるからである。
【0028】
粒状性を改善するためには、撮影に用いるX線量を高めることで改善されるが、これは被爆量をあげることになり、人体に対するダメージが大きくなり、医療の現場で採用することは出来ない。
【0029】
そこで、鋭意研究の結果、本発明で規定している前記のガンマ値を有する感光材料を用いることにより、粒状の〔あれ〕が改善されることがわかった。
【0030】
また、この効果は、高鮮鋭度の画像情報が得られる画像形成システム、即ち、フラットパネルディテクタからX線画像情報を画像信号として取り出し、レーザ光強度変化に変換し、記録材料に記録するという本発明に用いられる画像形成システムにおいて、顕著に現れることがわかった。
【0031】
本発明に用いられる感光材料のガンマの測定方法は、次のようにして測定した。
【0032】
用いる感光材料の感色性に適合したレーザ光源を搭載するレーザイメージャまたはレーザスキャナを用いて、露光エネルギーを100.1倍ずつステップ状に変化させ、ウエッジ露光する。露光は温度23℃±3℃、相対湿度50%±10%の環境下で行う。露光後直ちに、画像形成に用いる現像処理システムで処理を行う。本発明に用いる感光材料のガンマの測定には、実際に診断に用いる画像を形成する処理システム(自動現像機、処理薬品、処理温度、処理時間)で処理したものを測定する。
【0033】
得られた試料の各段の濃度を測定し、横軸に対数変換した露光エネルギー、縦軸に対数変換した濃度プロットのグラフにプロットし、次の式からガンマを算出する。
【0034】
γ1=(カブリ濃度+0.5の濃度を与える露光量−カブリ濃度+0.05の濃度を与える露光量)/0.45
γ2=(カブリ濃度+2.5の濃度を与える露光量−カブリ濃度+0.5の濃度を与える露光量)/2
本発明に用いられるX線写真画像の特性曲線を得るには感光材料のハロゲン化銀乳剤粒子に感度分布を持たせる方法が挙げられるが、より具体的にはハロゲン化銀粒子の粒径分布を調製する方法、感度の異なる単分散乳剤を混合して使用する方法、感度の異なる乳剤層を2層以上重層する方法等が挙げられる。更には、処理液の組成や処理温度、処理時間を調整する方法など種々の方法を適用できる。
【0035】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層の膜厚は0.5〜2.5μmの範囲が好ましく、0.8〜2.0μmの範囲がより好ましい。該乳剤層の膜厚とは、支持体の両側に乳剤層を有する場合は、片側一方の乳剤層の膜厚を言い、片側に乳剤層が多層ある場合は、それら全層を合計した膜厚を言う。
【0036】
膜厚は、23℃、50%RHの雰囲気に少なくとも2時間放置し、この感光材料の断面の電子顕微鏡写真を用いて算出することが出来る。
【0037】
本発明に用いられる感光材料に使用される乳剤は、公知の方法を用いて製造できる。結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及び(111)面と、(100)面等の面が任意に混在する、例えば、球状の形をしていてもよい。
【0038】
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。例えば、特開平2−85846号等に開示されている内部高沃度型単分散粒子が挙げられる。
【0039】
更にまた、本発明には平均アスペクト比が2以上の平板状粒子を用いることが好ましく、アスペクト比は3〜20であることが更に好ましい。
【0040】
本発明において、アスペクト比とは平板状粒子の主平面の直径(粒径)と厚みの比を言う。該平板粒子の主平面の直径とは、主平面の投影面積に等しい面積の円の直径を言う。本発明において平板状ハロゲン化銀粒子の主平面の直径は好ましくは0.05〜2.0μm、更に好ましくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.15〜1.0μmである。
【0041】
一般に、平板状ハロゲン化銀粒子は、二つの平行な主平面を有する平板状であり、従って本発明における「厚み」とは平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な主平面の距離で表される。
【0042】
本発明に用いられる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして、例えば、英国特許第2,112,157号、米国特許第4,439,520号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号、特開昭58−113927号、同58−127921号、同63−138342号、同63−284272号、同63−305343号等で開示されており、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製することができる。
【0043】
更に米国特許4,063,951号、同4,386,156号、同5,275,930号、同5,314,798号に記載されている(100)主平面を有する平板状粒子も好ましく用いられる。
【0044】
本発明に用いられる更に好ましいハロゲン化銀乳剤は、沃化銀3モル%未満の沃臭化銀、沃塩臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀であり、特に好ましくは沃化銀の含有率が1.0モル%未満の臭化銀、沃臭化銀又は沃塩化銀である。上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像型或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面と内部潜像を形成する型の何れの乳剤であってもよい。
【0045】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散性であることが好ましく、更に平均体積粒径の変動係数が20%以内の範囲、特に10%以内の範囲に含まれるものが好ましく用いられる。本発明において、平均体積粒径とは、平板状粒子の場合は平板状粒子の体積を同体積を有する立方体の体積に換算して、個々の粒子の体積を換算した立方体の一辺の長さの平均を言う。その他の形状を有する粒子の場合も同じく換算する。尚、上記した立方体、14面体の粒子と平板状粒子を混合して用いてもよい。
【0046】
平均体積粒径の変動係数が10%以内の範囲に含まれる単分散性乳剤を少なくとも1種用い、2種以上の乳剤を混合して使用する方法が好ましい。更には混合する複数の乳剤において最も高感度な乳剤に平板状乳剤を用い、最も低感度な乳剤に立方体乳剤を用いる方法である。
【0047】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子には、Fe、Co、Ru、Rh、Re、Os、Irから選ばれる金属の錯体を含有することが好ましく、1種類でも同種或いは異種の金属錯体を2種以上併用しても良い。
【0048】
含有率としては、銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-2モルの範囲が好ましく、1×10-8モルから1×10-4の範囲がより好ましい。本発明においては、遷移金属錯体は、下記一般式で表される6配位錯体が好ましい。
【0049】
一般式(ML6m
式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ばれる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、1−、2−、3−又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられるが、アコ、ニトロシル及びチオニトロシル等が好ましく用いられる。
【0050】
アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なっていてもよい。
【0051】
本発明において、Mとして、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)及びイリジウム(Ir)が用いられている場合の好ましい具体例を下記に示す。
【0052】
1:〔RhCl63-
2:〔RhCl5(H2O)〕2-
3:〔Rh(NO)2Cl4-
4:〔Rh(NO)(H2O)Cl4-
5:〔Rh(NS)Cl52-
6:〔RuCl63-
7:〔RuBr63-
8:〔Ru(NO)Cl52-
9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4-
10:〔Ru(NS)Cl52-
11:〔RuBr4(H2O)〕2-
12:〔Ru(NO)CN52-
13:〔ReCl63-
14:〔Re(NO)Cl52-
15:〔Re(NO)CN52-
16:〔Re(NO)ClCN42-
17:〔Re(NO)Cl5-
18:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2-
19:〔OsCl63-
20:〔Os(NO)Cl52-
21:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2-
22:〔Os(NS)Cl(SCN)42-
23:〔IrCl52-
24:〔Ir(NO)Cl52-
クロム、コバルト、鉄の化合物については6シアノ金属錯体が好ましく用いられる。以下に具体例を示す。
【0053】
25:〔Cr(NO)Cl52-
26:〔CrCl64-
27:[Fe(CN)64-
28:[Fe(CN)6]3-
29:[Co(CN)63-
これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできる。
【0054】
乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌードル水洗法、フロキュレーション沈降法、限外濾過法等の水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法としては、例えば、特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3,G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0055】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されていることが好ましく、増感方法としてはイオウ増感、セレン増感、テルル増感、貴金属増感、還元増感等公知の増感法を用いることができる。
【0056】
また、これら増感法は2種以上組み合わせて用いることもできる。イオウ増感にはチオ硫酸塩、チオ尿素化合物、無機イオウ等を用いることができる。セレン増感、テルル増感に好ましく用いられる化合物としては、特開平9−230527号記載の化合物を挙げることができる。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物としては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、或いは米国特許第2,448,060号、英国特許第618,061号等に記載されている化合物を挙げることができる。
【0057】
還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。
【0058】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料には、分光増感色素としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。
【0059】
本発明に使用される有用な増感色素は例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0060】
特に各種レーザイメージャやスキャナの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾロン核などの酸性核も含む。
【0061】
上記記載の増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素或いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
【0062】
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、或いは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号等に記載されている。
【0063】
分光増感色素の添加は、メタノールのような有機溶媒に溶解した溶液として添加することができる。更に固体微粒子状の分散物を作製して添加することもできる。分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳剤条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり1〜900mgが好ましく、5〜400mgが特に好ましい。分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に添加するのが好ましく、化学熟成の終了前に数回に分けて添加してもよい。更に好ましくはハロゲン化銀粒子の成長工程終了後から化学熟成工程の終了前であり、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0064】
本発明において、化学増感(化学熟成)を停止させるには乳剤の安定性を考慮すると化学熟成停止剤を用いることが好ましい。この化学熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば、臭化カリウム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤として知られている有機化合物(例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)等が挙げられる。これらは単独もしくは複数の化合物を併用してもよい。
【0065】
本発明に用いられる感光材料の乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いることができる。
【0066】
本発明に用いられる支持体は、現像処理後に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の変形を防ぐためにプラスチックフイルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ましい。
【0067】
その中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、ポリエチレンナフタレート(以下PENと略す)、及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度が好ましく、更に好ましくは70〜180μmである。
【0068】
また熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の融点を超えた温度で加熱しては本発明の効果は得られない。
【0069】
次に用いられるプラスチックについて説明する。
【0070】
PETはポリエステルの成分が全てポリエチレンテレフタレートからなるものであるが、ポリエチレンテレフタレート以外に、酸成分としてテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリエステルであってもよい。
【0071】
PENとしては、ポリエチレン2,6−ナフタレート、及びテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。また、更に他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。
【0072】
SPSは通常のポリスチレン(アタクチックポリスチレン)と異なり立体的に規則性を有したポリスチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、或いはそれ以上と規則的な部分がより多くあることが好ましく、本発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖で85%以上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上、それ以上の連鎖で30%以上であることが好ましい。SPSの重合は特開平3−131843号明細書記載の方法に準じて行うことが出来る。
【0073】
本発明に用いられる支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0074】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料は迅速処理に適するように、該感材の塗布工程において、予め適量の硬膜剤を添加しておき、現像−定着−水洗工程での水膨潤率を調整することで乾燥開始前の感光材料中の含水量を少なくしておくことが好ましい。尚、本発明の感光材料は現像処理中の膨潤率が50〜150%が好ましく、膨潤後の膜厚が20μm以下が好ましい。水膨潤率が150%を越えると乾燥不良を生じ、例えば自動現像機処理、特に迅速処理において搬送不良も併発する、また、水膨潤率が50%未満では現像した際に現像ムラや残色が増加する悪い傾向がある。ここで言う水膨潤率とは、各処理液中で膨潤した後の膜厚と現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前の膜厚で除して100倍したものを言う。
【0075】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料はハロゲン化銀乳剤に更に目的に応じて種々の添加剤を添加することができる。使用される添加剤その他としては例えばRD−17643(1978年12月)、同18716(1979年11月)及び同308119(1989年12月)に記載されたものが挙げられる。それらの記載箇所を以下に掲載した。
【0076】
Figure 0003780712
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する工程において、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固形処理剤などを使用しても良く、更に必要に応じ防湿加工を施したものを使用しても良い。
【0077】
本発明において用いられる粉末とは、微粒結晶の集合体のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状に圧縮成型したもののことを言う。
【0078】
写真性能を安定に保つためには、自動現像機中の現像液の開口係数を小さくすることが有効である。特に開口係数が50cm2/l以下が好ましい。すなわち、開口係数が50cm2/lを超えると未溶解の固形処理剤や溶解した直後の濃厚な液が空気酸化を受け易くその結果、不溶物やスカムが発生し、自現機或いは処理される感材を汚染する等の問題を発生するが、開口係数が50m2/l以下でこれらの問題が解決される。本発明において、前記開口係数とは、処理液単位体積当たりの空気との接触面積で表され、単位は(cm2/l)である。
【0079】
本発明においては、自動現像機の開口係数は50cm2/l以下が好ましく、更に好ましくは30〜3cm2/lであり、特に好ましくは20〜5cm2/lである。開口係数は一般に空気遮断する樹脂等を浮き蓋とすることで小さくしたり、また、特開昭63−131138号、同63−216050号、同63−235940号に記載のスリット型現像装置によって小さくできる。
【0080】
本発明に用いられる固形処理剤は現像剤、定着剤、安定剤等写真用処理剤に用いられる。本発明に用いられる固形処理剤はある処理剤の1部の成分のみ固形化しても良いが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されていることである。各成分は別々の固形処理剤として成型され、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されていることも望ましい。
【0081】
本発明において固形処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば、固形処理剤が錠剤である場合、実開昭63−137783号公報、同63−97522号公報、実開平1−85732号公報等公知の方法があるが要は錠剤を処理槽に供給する機能が最低限付与されていればいかなる方法でも良い。
【0082】
また、固形処理剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−81964号、同63−84151号、特開平1−292375号記載の重力落下方式や実開昭63−105159号、同63−195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式が公知の方法としてあるがこれらに限定されない。
【0083】
また、現像剤中には、現像主薬として特開平6−138591号(19〜20頁)記載のジヒドロキシベンゼン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類の他に特開平5−165161号記載のレダクトン類も好ましく用いられる。使用されるピラゾリドン類のうち特に4位が置換されたもの(ジメゾン、ジメゾンS等)は水溶性や固形処理剤自身の経時による変化が少なく特に好ましい。保恒剤として亜硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いることができる。その他にキレート剤や硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を添加することができる。また銀スラッジ防止剤として特開平5−289255号、特開平6−308680号(一般式[4−a][4−b])記載の化合物を添加することも好ましい。
【0084】
シクロデキストリン化合物の添加も好ましく、特開平1−124853号記載の化合物が特に好ましい。現像剤にアミン化合物を添加することもでき、米国特許第4,269,929号記載の化合物が特に好ましい。
【0085】
現像剤には、緩衝剤を用いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム等を挙げることができる。
【0086】
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等に記載のチオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号等に記載のp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号等に記載の4級アンモニウム塩類、米国特許第2,610,122号及び同4,119,462号記載のp−アミノフェノール類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等に記載のポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加することができる。
【0087】
カブリ防止剤としては、臭化カリウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、2−チアゾリルベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチルベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等を例として挙げることができる。更に、現像剤組成物には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化合物、その他特公昭47−33378号、同44−9509号各公報記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用することができる。更にまた、その他ステイン防止剤、スラッジ防止剤等各種添加剤を用いることができる。
【0088】
処理に先立ち、スタータを添加することも好ましく、スタータを固形化して添加することも好ましい、スタータとしてはポリカルボン酸化合物の如き有機酸の他にKBrの如きアルカリ金属のハロゲン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0089】
スタータにより調整された現像液のpHは9〜12の範囲が好ましく、更に好ましくは、9.5〜10.5の範囲である。現像温度としては20〜60℃、好ましくは30〜45℃である。
【0090】
次に本発明に用いられる定着液について説明する。定着液としては、チオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、通常、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩として用いられるが、好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムである。アンモニウム塩として用いることにより定着速度の速い定着液が得られるが、保存性等の点からはナトリウム塩が好ましい。チオ硫酸塩の濃度は好ましくは0.1〜5モル/リットルであり、より好ましくは0.5〜2モル/リットル、更に好ましくは0.7〜1.8モル/リットルである。
【0091】
その他、定着剤として沃化物塩やチオシアン酸塩等も用いることができる。定着液は好ましくは亜硫酸塩を含有し、該亜硫酸塩の濃度は、チオ硫酸塩と亜硫酸塩の水系溶媒に対する溶解混合時において、0.2モル/リットル以下である。
【0092】
亜硫酸塩としては、固体のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられ、前記の固体チオ硫酸塩と共に溶解して用いられる。本発明に用いられる定着液は、水溶性クロム塩又は水溶性アルミニウム塩等を含有してもよい。水溶性クロム塩としてはクロム明ばん等が挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム等を挙げることができる。これら、クロム塩又はアルミニウム塩の添加量は定着液1リットル当たり0.2〜3.0gで、好ましくは1.2〜2.5gである。また定着剤には、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、琥珀酸、フェニル酢酸及びこれらの光学異性体等が含まれてもよい。これらの塩としては、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウム等に代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が好ましいものとして挙げられる。上記化合物の中でより好ましいものとしては、酢酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸及びこれらの塩である。化合物の添加量は0.2〜0.6モル/リットルが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸のような無機酸及び塩や、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、リンゴ酸等の有機酸類等が挙げられるが、好ましくは、ホウ酸、アミノポリカルボン酸類等の酸及び塩である。アミノカルボン酸で特に好ましいものはβ−アラニン、ピペリジン酸等がある。酸の好ましい添加量は0.5〜40g/リットルである。キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリカルボン酸類及びこれらの塩等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物等のアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系等のノニオン界面活性剤、特開昭57−6840号記載の両性界面活性剤等が挙げられる。湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコール等が挙げられる。定着促進剤としては、例えば、特開昭45−35754号、特公昭58−122535号、同58−122536号記載のチオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有するアルコール、米国特許第4,126,459号記載のチオエーテル等が挙げられる。定着液の溶解或いは希釈後のpHは通常3.8以上が好ましく、更に好ましくは4.2〜5.5である。定着温度としては20〜60℃が好ましく、更に好ましくは30〜45℃である。
【0093】
現像時間は3〜90秒が好ましく、更に好ましくは5〜60秒であり、定着時間は3〜90秒が好ましく、更に好ましくは5〜60秒である。現像、定着、水洗、乾燥を含む全処理時間はDry to Dryで15〜210秒が好ましく、更に好ましくは15〜90秒である。
【0094】
本発明のX線画像形成方法に用いられるX線画像情報検出装置の検出用デバイスとして具体的には、2次元的に配列された複数のコンデンサを用い、照射されたX線の強度に応じて光導電層に生成した電荷を蓄積するようにした。
【0095】
更に本発明においては、検出用デバイスを他の物に替えて構成したX線画像情報検出装置も用いることが出来る。例えば、X線の強度分布を増感紙などのシンチレータの蛍光強度分布に変換し、その蛍光強度分布を2次元に配列された複数のフォトダイオードで検出してX線画像情報を得ることも出来る。
【0096】
また、スイッチング素子として具体的には図2のトランジスタ29で説明したが、トランジスタの代わりにダイオードを用いることもできる。
【0097】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されない。
【0098】
実施例1
《感光材料の調製》
平均粒径0.1μmの臭化銀の種乳剤を用いて、2.5Nアンモニア性硝酸銀水溶液とK2IrCl6を2.4×10-6mol/l含む2.4N臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液(ハロゲン組成;Br/I=99.9/0.1)をダブルジェット法で添加し、平均粒径0.25μmの立方晶単分散乳剤を成長させた。なお、粒子成長の際のpAgは(100)面が99%以上になるようにpAgを8.1以下の値で適宜に調整した。
【0099】
添加終了後、pHを6.0に合わせた後、花王アトラス社製デモールN水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩、水洗を行なった。更にオセインゼラチン23gを用いて、水洗を行った上記乳剤を再分散した。乳剤は50℃における電位が50mV、pHは5.85であった。得られた粒子200個を任意に選び、電子顕微鏡で粒径を測定し、粒径の変動係数を求めたところ、0.08であった。この乳剤をE1とする。
【0100】
上記E1を調製する処方に対し、種乳剤の量を変化する以外はE1と同様にして乳剤を調製しE2、E3の乳剤を得た。E2、E3の乳剤は平均粒径がそれぞれ0.28μm、0.31μmである以外は、E1と同様に調製した。
【0101】
上記のようにして調製した乳剤に、下記分光増感色素を添加してから、銀1モル当たりNH4SCNの1%水溶液;5.2ml、HAuCl4の0.2%水溶液;0.78ml、Na223の0.25%水溶液;5.6ml、トリフェニルフォスフィンセレナイドの0.4%水溶液;3.5mlからなる化学増感剤を添加し50℃で化学熟成を行った。カブリの上昇が0.02になった時点でKBrを銀1モル当たり300mg添加し、更にアザインデン(4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)を銀1モルあたり2.4モル添加し、温度を下げ化学熟成を停止した。
【0102】
【化1】
Figure 0003780712
【0103】
上記で調製した乳剤塗布液には銀1モル当たり下記の化合物を添加し、乳剤の塗布液とし、感光材料1を作製した。次いで、乳剤E1、E2及びE3の混合比率を表1のように替えた以外は、感光材料1と同様にして感光材料2〜6を作製した。
【0104】
但し、感光材料5及び6については、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールの量を各々、増量し、下記の表1に示すガンマ値(γ1及びγ2)になるように調整した。
【0105】
《乳剤塗布液》
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg
1−トリメチロールプロパン 14g
t−ブチルカテコール 68mg
ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 850mg
スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.0g
ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 50mg
1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 1.7g
1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 6.2mg
n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 700mg
【0106】
【化2】
Figure 0003780712
【0107】
また乳剤の保護層液に用いた添加剤は次のとおりである。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0108】
(乳剤保護層塗布液)
平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 21mg
平均粒径3μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 28mg
【0109】
【化3】
Figure 0003780712
【0110】
【化4】
Figure 0003780712
【0111】
《バッキング層塗布液》
ゼラチン 100g
下記のハレーション防止染料 4g
硝酸カリウム 1g
グリオキザール 2g
水 1400ml
【0112】
【化5】
Figure 0003780712
【0113】
(バッキング保護層塗布液)
ゼラチン 100g
平均粒径6μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 3g
1327CONH(CH2CH2O)5H 10g
硬膜剤H 40g
上記の乳剤層及び乳剤保護層塗布液、バッキング層及びバッキング保護層塗布液を下引き済みのベース上に同時塗布した。なお銀付き量は2.0g/m2、乳剤層側のゼラチン付き量は乳剤層が1.5g/m2、乳剤保護膜層が0.5g/m2とした。またバッキング層のゼラチン付き量はバッキング層が1.5g/m2、バッキング保護層が0.5g/m2である。
【0114】
得られたハロゲン化銀写真感光材料を以下に示す現像液、定着液を用いて処理を行い評価した。
【0115】
Figure 0003780712
【0116】
【化6】
Figure 0003780712
【0117】
水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムでpH10.0に調整する。
【0118】
定着液の組成を下記に示す。
【0119】
〈定着液〉
チオ硫酸アンモニウム 130.0g
チオ硫酸ナトリウム 15.0g
亜硫酸ナトリウム 10.0g
酢酸ナトリウム 30.0g
琥珀酸 10.5g
酒石酸 2.5g
硫酸アルミニウム(8水塩) 15.0g
D−マンニット 15.0g
D−ソルビット 9.0g
水を加えて1リットルとし、水酸化ナトリウムでpH4.60に調整する。
【0120】
現像液、定着液の補充量は、現像液が現像主薬の補充量に換算して50ミリモル/m2、定着液が定着剤の補充量に換算して150ミリモル/m2と設定した。
【0121】
《ガンマの評価》
780nmの波長の半導体レーザを光源とするレーザスキャナを用いて露光エネルギーをステップ状態に変化させて露光後、下記条件で現像処理しガンマを測定した。
【0122】
【表1】
Figure 0003780712
【0123】
試料1、2、3、4、5及び6に対し各々、前述のフラットパネルディテクタ(FPD)で得たX線画像情報(初期の肺ガンによるスリガラス状陰影が存在する患者さんの胸部画像)をレーザスキャナで露光し、前述の処理液をいれたコニカ(株)製自動現像機TCX−701を用いて、現像温度35度、定着温度34℃で45秒処理を行った。同じ患者さんの同じ部位の、胸部X線画像(被爆線量をそろえる)をコニカ(株)製レジウス330(輝尽性蛍光体プレートを用いた従来のX線画像形成システム)でX線画像を入力し、試料No.1〜6のフィルムに同様に露光し、スリガラス状陰影の検出能を5段階評価した。ランク5は最もよく検出できるレベルを示し、ランク1は全くわからないレベルを示す。
【0124】
なお、上記記載の評価は、臨床経験が10年以上の4名の医師及び4名の技師により実施し、8名の評価の平均値で表した。
【0125】
【表2】
Figure 0003780712
【0126】
表2から明らかなように、フラットパネルディテクタを使用し、本発明の特性曲線を示す画像形成方法を用いて得られたX線画像の方が診断能が明らかに向上していることがわかる。
【0127】
【発明の効果】
本発明により再撮影などの患者さんの負荷を低減でき、かつ初期の肺ガンにみられるスリガラス状の陰影の検出力が高いX線写真画像の形成方法を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線画像形成システムの概略構成図である。
【図2】フラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略断面図である。
【図3】フラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 X線管
2 フラットパネルディテクタ
3 画像処理部
4 ネットワーク
5 CRTディスプレイ
6 レーザイメージャ

Claims (3)

  1. X線画像情報をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像情報を画像信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハロゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像処理を行って得られたX線写真画像において、カブリ+0.05からカブリ+0.5におけるガンマ値(γ1)が0.3〜0.75である特性曲線を示すことを特徴とするX線画像形成方法。
  2. カブリ+0.5からカブリ+2.5におけるガンマ値(γ2)が1.7〜2.6である特性曲線を示すことを特徴とする請求項1に記載のX線画像形成方法。
  3. ローラ搬送型自動現像機を用いて現像処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線画像形成方法。
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