JP2000221644A - X線写真画像形成方法 - Google Patents

X線写真画像形成方法

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JP2000221644A
JP2000221644A JP2736299A JP2736299A JP2000221644A JP 2000221644 A JP2000221644 A JP 2000221644A JP 2736299 A JP2736299 A JP 2736299A JP 2736299 A JP2736299 A JP 2736299A JP 2000221644 A JP2000221644 A JP 2000221644A
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silver halide
ray image
image forming
forming method
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JP2736299A
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English (en)
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Masaaki Taguchi
雅昭 田口
Koji Amitani
幸二 網谷
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮鋭性が向上し、且つ、乳房の癌等の診断能
に優れたX線写真画像形成方法を提供する。 【解決手段】 X線画像をフラットパネルディテクタに
捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を
電気信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハロ
ゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像、定着、水洗
及び乾燥処理を行ってX線写真画像を得るX線写真画像
形成方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料の少な
くとも一つのハロゲン化銀乳剤層が平均粒径0.02μ
m以上、0.2μm未満であるハロゲン化銀粒子を含有
し、且つ、該ハロゲン化銀粒子を含有する側の少なくと
も一層が現像主薬の酸化体と反応して青色染料を与える
ロイコ化合物を含有することを特徴とするX線写真画像
形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線写真画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療診断用のX線画像撮影に用い
られるシステムとしては、ハロゲン化銀写真フィルムを
蛍光増感紙に密着させ、X線画像を露光し、自動現像機
で現像、定着、水洗、乾燥するスクリーン/フィルムシ
ステムやX線画像を輝尽性蛍光体を使用したイメージン
グプレートで捕獲し、レーザ光をプレートに走査露光す
ることで画像信号を取り出して信号をデジタル変換した
後、レーザ光強度に変換し、X線画像をハロゲン化銀写
真感光材料に露光するシステム等が従来より一般的に使
われてきた。
【0003】一方、近年、X線画像をフラットパネルデ
ィテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタから
X線画像を電気信号として取り出し、レーザ光強度に変
換し、X線画像をハロゲン化銀写真感光材料に露光する
システムが知られている。
【0004】上記記載のシステムは、従来のスクリーン
/フィルムシステムや輝尽性蛍光体を用いるシステムと
比較して、鮮鋭性の高いX線写真画像を得られるメリッ
トがあった。
【0005】しかしながら、上記フラットパネルディテ
クタを用いたシステムにおいても、例えば、乳房領域に
生じる癌等においては、乳房内に生成する微小石灰質状
の病巣に対する診断能が充分ではなく、診断能の向上の
為、更に一段と鮮鋭性のよいシステムが要望されてい
た。また、X線写真画像をより迅速に作製するために、
現像、定着、水洗等の処理の迅速化が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鮮鋭
性の向上したX線写真画像形成方法の提供、更に詳しく
は、乳房の癌等の診断能に優れたX線写真画像形成方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
に示す項目1〜2によって達成された。
【0008】1.X線画像をフラットパネルディテクタ
に捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像
を電気信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハ
ロゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像、定着、水
洗及び乾燥処理を行ってX線写真画像を得るX線写真画
像形成方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料の少
なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層が平均粒径0.02
μm以上、0.2μm未満であるハロゲン化銀粒子を含
有し、且つ、該ハロゲン化銀粒子を含有する側の少なく
とも一層が現像主薬の酸化体と反応して青色染料を与え
るロイコ化合物を含有することを特徴とするX線写真画
像形成方法。
【0009】2.X線画像をフラットパネルディテクタ
に捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像
を電気信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハ
ロゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像、定着、水
洗及び乾燥処理を行ってX線写真画像を得るX線写真画
像形成方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料がハ
ロゲン化銀乳剤層と該ハロゲン化銀乳剤層を担持する支
持体の間にレーザ光を吸収する染料を含有する層を有す
ることを特徴とするX線写真画像形成方法。
【0010】3.ハロゲン化銀乳剤層と該ハロゲン化銀
乳剤層を担持する支持体の間にレーザ光を吸収する染料
を含有する層を有するハロゲン化銀写真感光材料である
ことを特徴とする前記1に記載のX線写真画像形成方
法。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のX線画像形成方法に用いられるフ
ラットパネルディテクタを用いたX線画像形成システム
の実施の形態を、図面に基づいて説明するが、本発明は
これらに限定されない。
【0013】図1はX線画像形成システムの概略構成
図、図2はフラットパネルディテクタ(以下、FPDと
略す)を示す概略断面図、図3はFPD、図4はレーザ
イメージャの概略構成図である。
【0014】X線画像形成システムは、図1に示すよう
に、X線管1から照射されるX線により被写体60の撮
影を行い、X線画像情報をFPD2に捕獲する。このF
PD2からX線画像情報を画像信号として取り出し、画
像処理部3で画像処理してネットワーク4に送る。ネッ
トワーク4にはCRTディスプレイ5やレーザイメージ
ャ6等が接続されており、CRTディスプレイ5にX線
画像を表示したり、レーザイメージャ6でX線画像をプ
リントして出力する。
【0015】FPD2は、図2及び図3に示すように構
成される。
【0016】FPD2は、図2に示すように、誘電基板
層20に、光導電層21、誘電層22、前面導電層23
を順に積層して構成される。ガラス板等の誘電基板層2
0上には、複数の第1の微小導電電極マイクロプレート
24が設けられる。複数の第1の微小導電電極マイクロ
プレート24上には、静電容量誘電材25が形成されて
いる。FPD2から誘電層22を除いてもX線画像を形
成することができ、この発明を実現できるが、この場合
は、電荷蓄積キャパシタ36で蓄積された電荷量の保持
性やX線画像の鮮鋭度が多少は低下する可能性がある。
【0017】更に、誘電基板層20上には、2個の電極
26,27とゲート28を有する複数のトランジスタ2
9が積層されている。更に、誘電基板層20上には、複
数の第2の微小導電電極マイクロプレート30が積層さ
れている。
【0018】図3に示すように、少なくとも1つのトラ
ンジスタ29は、複数の第2の微小導電電極マイクロプ
レート30をXアドレスライン41とYセンスライン4
2に接続している。電荷蓄積キャパシタ36は、第1の
微小導電電極マイクロプレート24、第2の微小導電電
極マイクロプレート30及び静電容量誘電材25によっ
て形成されている。第2の微小導電電極マイクロプレー
ト30はトランジスタ29の電極27にも接続されてい
る。第1の微小導電電極マイクロプレート24はアース
に接続されている。
【0019】トランジスタ29は双方向スイッチの働き
をし、バイアス電圧がXアドレスライン41を介してゲ
ートに印加されたかどうかに応じて、Yセンスライン4
2と電荷蓄積キャパシタ36との間に電流を流す。
【0020】複数の第2の微小導電電極マイクロプレー
ト30間のスペースには、導電電極またはXアドレスラ
イン41、及び導電電極またはYセンスライン42が配
置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン
42は、図のように相互に対してほぼ直交するように配
置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン
42は、リード線またはコネクタを通して、FPD2の
サイドまたはエッジに沿って個別にアクセス可能になっ
ている。
【0021】Xアドレスライン41の各々は、バイアス
電圧をラインにしたがって、アドレスされるXアドレス
ライン41に接続されたトランジスタ29のゲートに印
加することによって順次にアドレスされる。これによ
り、トランジスタ29は導通状態になり、対応する電荷
蓄積キャパシタ36に蓄積された電荷はYセンスライン
42に流れると共に、電荷検出器46の入力側に流れ
る。電荷検出器46はYセンスライン42上で検出され
た電荷に比例する電圧出力を発生する。電荷検出器46
の出力は順次にサンプリングされて、アドレスしたXア
ドレスライン41上のマイクロキャパシタの電荷分布を
表す画像信号が得られ、各マイクロキャパシタは1つの
イメージ画素を表す。Xアドレスライン41上の画素の
あるラインから信号が読み出されると、電荷増幅器はリ
セットライン49を通してリセットされる。次のXアド
レスライン41がアドレスされ、このプロセスは、すべ
ての電荷蓄積キャパシタ36がサンプリングされて、イ
メージ全体が読み出されるまで繰り返される。
【0022】本発明のX線画像形成方法に用いられるX
線画像情報検出装置の検出用デバイスとして具体的に
は、2次元的に配列された複数のコンデンサを用い、照
射されたX線の強度に応じて光導電層に生成した電荷を
蓄積するようにした。
【0023】更に本発明においては、検出用デバイスを
他の物に替えて構成したX線画像情報検出装置も用いる
ことが出来る。例えば、X線の強度分布を増感紙などの
シンチレータの蛍光強度分布に変換し、その蛍光強度分
布を2次元に配列された複数のフォトダイオードで検出
してX線画像情報を得ることも出来る。
【0024】また、スイッチング素子として具体的には
図2のトランジスタ29で説明したが、トランジスタの
代わりにダイオードを用いることもできる。
【0025】本発明においては、上記のレーザイメージ
ャ6は、感光材料処理装置73を備えており、例えば、
図4のようなレーザイメージャの概略構成図で表され
る。
【0026】レーザイメージャ6は、画像信号をレーザ
光強度変化に変換する制御手段70と、レーザー光によ
りハロゲン化銀写真感光材料Pに露光して記録する露光
手段71と、ハロゲン化銀写真感光材料Pを搬送する搬
送手段72と、現像、定着、水洗、乾燥することにより
X線画像を得る感光材料処理装置73、例えば、自動現
像機を備える。
【0027】感光材料処理装置73は、現像槽73a、
定着槽73b、水洗槽73c及び乾燥部73dから構成
され、露光されたハロゲン化銀写真感光材料Pを現像槽
73a、定着槽73b、水洗槽73cの各々の処理液に
より現像処理し、乾燥部73dで乾燥し、搬送方向74
の方向に排出させ、X線写真画像を得る。
【0028】このように、FPDからX線画像情報を画
像信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハロゲ
ン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥
することによりX線画像を得る装置により、例えば、マ
ンモグラフィ(乳房レントゲン造影法)や四肢骨等に要
求される高い鮮鋭性の高画質のX線画像を迅速に且つ、
確実に得ることができる。
【0029】以下、本発明に用いられるハロゲン化銀写
真感光材料について詳細に述べる。
【0030】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料のハロゲン化銀乳剤としては、正常晶、平板状粒
子、エピタキシャル粒子等、いずれでもよいが、中で
も、正常晶が好ましく用いられる。
【0031】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径について説明する。
【0032】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料において、ハロゲン化銀粒子を含有する側の少なく
とも1層が現像主薬の酸化体と反応して青色染料を与え
るロイコ化合物を含有する場合においては、少なくとも
一つのハロゲン化銀乳剤層に平均粒径0.02μm以
上、0.2μm未満であるハロゲン化銀粒子が用いられ
るが、平均粒径が0.05μm〜0.15μmの範囲で
あるハロゲン化銀乳剤粒子が更に、好ましく用いられ
る。
【0033】更にまた、上記のロイコ化合物と平均粒径
0.02μm以上、0.2μm未満のハロゲン化銀粒子
が同一のハロゲン化銀乳剤層が用いられることが特に好
ましい。
【0034】本発明においては、上記記載のような小粒
径のハロゲン化銀粒子を用いることにより、FPDから
取り出された高画質の画像信号を忠実に再現すること
で、粒状性等に優れた高画質なハロゲン化銀写真画像の
提供を可能にし、また、小粒径のハロゲン化銀粒子の画
像にしばしば見られる銀色調の劣化という重大な問題点
を本発明に用いられるロイコ化合物を用いることによっ
て解決した。
【0035】次に、本発明に用いられるハロゲン化銀写
真感光材料において、ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間
に、レーザ光を吸収する染料を含有する層が用いられて
いる場合には、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に
含有されるハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.02μm
以上、0.2μm未満であることが好ましく、更に、平
均粒径が0.05μm〜0.15μmの範囲のハロゲン
化銀粒子が好ましく用いられる。
【0036】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
乳剤は、沃化銀3モル%未満の沃臭化銀、沃塩臭化銀、
臭化銀、塩臭化銀、塩化銀であり、特に好ましくは沃化
銀の含有率が1.0モル%未満の臭化銀、沃臭化銀また
は沃塩化銀である。上述した乳剤は、粒子表面に潜像を
形成する表面潜像型或いは粒子内部に潜像を形成する内
部潜像型、表面と内部潜像を形成する型の何れの乳剤で
あってもよい。
【0037】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は単
分散性であることが好ましく、更に平均体積粒径の変動
係数が20%以内の範囲、特に10%以内の範囲に含ま
れるものが好ましく用いられる。本発明において、平均
体積粒径とは、平板状粒子の場合は平板状粒子の体積を
同体積を有する立方体の体積に換算して、個々の粒子の
体積を換算した立方体の一辺の長さの平均を言う。その
他の形状を有する粒子の場合も同じく換算する。尚、上
記した立方体、14面体の粒子と平板状粒子を混合して
用いてもよい。
【0038】平均体積粒径の変動係数が10%以内の範
囲に含まれる単分散性乳剤を少なくとも1種用い、2種
以上の乳剤を混合して使用する方法が好ましい。更には
混合する複数の乳剤において最も高感度な乳剤に平板状
乳剤を用い、最も低感度な乳剤に立方体乳剤を用いる方
法である。
【0039】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に
は、Fe、Co、Ru、Rh、Re、Os、Irから選
ばれる金属の錯体を含有することが好ましく、1種類で
も同種或いは異種の金属錯体または金属錯体イオンを2
種以上併用しても良い。
【0040】含有率としては、銀1モルに対し1×10
-9モルから1×10-2モルの範囲が好ましく、1×10
-8モルから1×10-4の範囲がより好ましい。本発明に
おいて用いられる金属錯体または金属錯体イオンとして
は、下記一般式で表される6配位金属錯体イオンが好ま
しく用いられる。
【0041】一般式(ML6m 式中、Mは周期表の6〜10族の元素から選ばれる遷移
金属、Lは配位子、mは0、1−、2−、3−または4
−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロ
ゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シア
ン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナー
ト、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニ
トロシル、チオニトロシル等が挙げられるが、アコ、ニ
トロシル及びチオニトロシル等が好ましく用いられる。
【0042】アコ配位子が存在する場合には、配位子の
一つまたは二つを占めることが好ましい。Lは同一でも
よく、また異なっていてもよい。
【0043】本発明において、Mとして、ロジウム(R
h)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、オスミ
ウム(Os)及びイリジウム(Ir)が用いられている
場合の好ましい具体例を下記に示す。
【0044】1:〔RhCl63- 2:〔RhCl5(H2O)〕2- 3:〔Rh(NO)2Cl4- 4:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 5:〔Rh(NS)Cl52- 6:〔RuCl63- 7:〔RuBr63- 8:〔Ru(NO)Cl52- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 10:〔Ru(NS)Cl52- 11:〔RuBr4(H2O)〕2- 12:〔Ru(NO)(CN)52- 13:〔ReCl63− 14:〔Re(NO)Cl2- 15:〔Re(NO)(CN)52- 16:〔Re(NO)Cl(CN)42- 17:〔Re(NO)Cl5- 18:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 19:〔OsCl63- 20:〔Os(NO)Cl52- 21:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 22:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 23:〔IrCl52- 24:〔Ir(NO)Cl52- クロム、コバルト、鉄の化合物については6シアノ金属
錯体が好ましく用いられる。以下に具体例を示す。
【0045】25:〔Cr(NO)Cl52- 26:〔CrCl64- 27:[Fe(CN)64- 28:[Fe(CN)6]3- 29:[Co(CN)63- これらの金属のイオン、金属錯体または金属錯体イオン
を提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加
し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好まし
く、ハロゲン化銀粒子の作製、つまり核形成、成長、物
理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよい
が、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが
好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好
ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加
に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハ
ロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできる。
【0046】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌード
ル水洗法、フロキュレーション沈降法、限外濾過法等の
水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法としては、例
えば、特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む
芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、または
特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G
3,G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として
挙げられる。
【0047】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀粒
子は化学増感されていることが好ましく、増感方法とし
てはイオウ増感、セレン増感、テルル増感、貴金属増
感、還元増感等公知の増感法を用いることができる。
【0048】また、これら増感法は2種以上組み合わせ
て用いることもできる。イオウ増感にはチオ硫酸塩、チ
オ尿素化合物、無機イオウ等を用いることができる。セ
レン増感、テルル増感に好ましい化合物としては、特開
平9−230527号記載の化合物を挙げることができ
る。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物として
は、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリ
ウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、或
いは米国特許第2,448,060号、英国特許第61
8,061号等に記載されている化合物を挙げることが
できる。
【0049】還元増感法の具体的な化合物としてはアス
コルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラジ
ン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化
合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以
上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することに
より還元増感することができる。
【0050】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料には、分光増感色素としてシアニン色素、メロシア
ニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレック
スメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチ
リル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミ
オキソノール色素等を用いることができる。例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
第4,639,414号、同第4,740,455号、
同第4,741,966号、同第4,751,175
号、同第4,835,096号に記載された増感色素が
使用できる。
【0051】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ばResearch Disclosure Item
17643IV−A項(1978年12月p.23)、同
Item18431(1979年8月p.437)等に
記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0052】特に各種レーザイメージャやスキャナの光
源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利
に選択することができる。例えば特開平9−34078
号、同9−54409号、同9−80679号記載の化
合物が好ましく用いられる。
【0053】有用なシアニン色素としては、例えば、チ
アゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン
核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及
びイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素
である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上
記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニ
ン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、
バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核
及びピラゾロン核などの酸性核も含む。
【0054】上記記載の増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素或い
は可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感
を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
【0055】有用な増感色素、強色増感を示す色素の組
合せ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロー
ジャ(Research Disclosure)17
6巻17643(1978年12月発行)第23頁IVの
J項、或いは特公平9−25500号、同43−493
3号、特開昭59−19032号、同59−19224
2号等に記載されている。
【0056】分光増感色素の添加は、メタノールのよう
な有機溶媒に溶解した溶液として添加することができ
る。更に固体微粒子状の分散物を作製して添加すること
もできる。分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳剤
条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当た
り1〜900mgが好ましく、5〜400mgが特に好
ましい。分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に添加
するのが好ましく、化学熟成の終了前に数回に分けて添
加してもよい。更に好ましくはハロゲン化銀粒子の成長
工程終了後から化学熟成工程の終了前であり、特に化学
熟成開始前が好ましい。
【0057】本発明において、化学増感(化学熟成)を
停止させるには乳剤の安定性を考慮すると化学熟成停止
剤を用いることが好ましい。この化学熟成停止剤として
は、ハロゲン化物(例えば、臭化カリウム、塩化ナトリ
ウム等)、カブリ防止剤または安定剤として知られてい
る有機化合物(例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン)等が挙げられ
る。これらは単独もしくは複数の化合物を併用してもよ
い。
【0058】本発明に用いられる感光材料の乳剤は、物
理熟成または化学熟成前後の工程において、各種の写真
用添加剤を用いることができる。
【0059】次に、現像主薬の酸化体と反応して青色染
料を与えるロイコ化合物について説明する。
【0060】本発明に用いられるロイコ化合物とは、例
えば、インドアニリン系ロイコ化合物、インダミン系ロ
イコ化合物、トリフェニルメタン系ロイコ化合物、トリ
アリールメタン系ロイコ化合物、スチリル系ロイコ化合
物、N−アシルオキサジン系ロイコ化合物、N−アシル
チアジン系ロイコ化合物、N−アシルジアジン系ロイコ
化合物、キサンテン系ロイコ化合物等を挙げることがで
きる。中でも、特に好ましいものは下記一般式(I)〜
(VII)で表される化合物である。
【0061】
【化1】
【0062】式中、R1はアリール基または複素環基を
表し、R2は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子
を表し、R3は水素原子、アルキル基またはアシルアミ
ノ基を表し、R2とR3は、互いに結合して環形成する事
が出来る。Z1−R1は−NHCO−R1、−CONH−
1または−NHCONH−R1を表し、Z2は−OHま
たは−NHSO212(R12はアルキル基またはアリー
ル基を表す)を表し、CDは下記一般式(VIII)で表さ
れる基を表す。R9、R10、R11は各々、水素原子また
は非金属の原子団を表し、R10、R11は互いに連結して
環を形成してもよい。
【0063】
【化2】
【0064】式中、R4は水素原子、−COR13、−S
213(R13はアルキル基またはアリール基を表す)
を表し、R5、R6は各々、水素原子、アルキル基、アル
コキシル基、アシルアミノ基またはハロゲン原子を表
し、R7、R8は各々、水素原子、アルキル基、アリール
基、アシル基または、互いに連結し或いはR6と連結し
た5または6員の含窒素複素環を表す。
【0065】上記記載の一般式(I)〜(VII)におい
て、R1で表されるアリール基としては、炭素数6〜1
0のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)
が挙げられ、更に、置換基(例えば、アルキル基、ジア
ルキルアミノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、アルコキシカル
ボニル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アルキル
カルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルス
ルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、スルファ
モイル基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホ
ニル基、シアノ基、ニトロ基等)を有していても良い。
【0066】上記記載の一般式(I)〜(VII)におい
て、R1で表される複素環基としては、例えば、ピリジ
ル基、キノリル基、フリル基、ベンゾチアゾリル基、オ
キサゾリル基、イミダゾリル基等が挙げられ、該複素環
基は、前記のアリール基の置換基として記載された置換
基を有していても良い。
【0067】上記記載の一般式(I)〜(VII)におい
て、R2またはR3で表されるアルキル基としては、炭素
数1〜3のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基等)が挙げられる。
【0068】上記記載の一般式(I)〜(VII)におい
て、R2とR3により環形成する場合の好ましい例として
は、ベンゼン環を形成するものが挙げられる。
【0069】Z1−R1は−NHCO−R1、−CONH
−R1または−NHCONH−R1を表し、Z2は−OH
または−NHSO212(R12はアルキル基またはアリ
ール基等)を表す。
【0070】上記記載の一般式(I)〜(VIII)におい
て、R2、R5またはR6で表されるハロゲン原子(例え
ば、フッソ原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)の
中で好ましいものは、塩素原子である。
【0071】上記記載の一般式(I)〜(VIII)におい
て、R5、R6、R7、R8、R12またはR13で表されるア
ルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、n−オクチル基、n−ヘキサデシル基等)が挙げら
れる。前記アルキル基は、置換基(例えば、ハロゲン原
子、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、水酸基、ア
シルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ス
ルホンアミド基、シアノ基等)を有していても良い。
【0072】上記記載の一般式(I)〜(VIII)におい
て、R7、R8、R12またはR13で表されるアリール基と
しては、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル
基、m−アセチルアミノフェニル基、p−メトキシフェ
ニル基等)が挙げられる。
【0073】上記記載の一般式(I)〜(VIII)におい
て、R5またはR6で表されるアルコキシル基としては、
炭素数1〜20のアルコキシル基(例えば、メトキシ
基、エトキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ
基、n−デシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、2−
メトキシエトキシ基、2−クロロエトキシ基)が好まし
い。
【0074】上記記載の一般式(VIII)において、
3、R5またはR6で表されるアシルアミノ基として
は、炭素数2〜30のアシルアミノ基(例えば、アセチ
ルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ
基、ミリストイルアミノ基、ステアロイルアミノ基、ピ
バロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ)が好ましく、置
換基(例えば、アルコキシル基、フェノキシ基、アルキ
ル置換フェノキシ基等)を有していても良い。
【0075】上記記載の一般式(VIII)において、R7
またはR8で表されるアシル基としては、炭素数2〜2
0のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、ベンゾイル基、ラウロイルイソブチリル基
等)が好ましい。
【0076】上記記載の一般式(VIII)において、R7
とR8が連結して形成される5または6員の含窒素複素
環としては、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン
環等を挙げることができる。また、R7とR6が連結して
5または6員の含窒素複素環を形成しても、R7とR6
びR8とR6が各々窒素原子を共有し、独立に連結して5
または6員の含窒素複素環を形成しても良い。
【0077】上記記載の一般式(I)〜(VII)におい
て、R9、R10及びR11は、各々、水素原子または非金
属の置換基を表す。更に詳しくは、R9、R10及びR11
は、各々、水素原子、アリール基、複素環基、アルキル
基、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノカ
ルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アミノ基
(アニリノ基を含む)、アルコキシル基、アリールオキ
シ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ヘテリルチオ基、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基基、ニトロ基、スルファモイル基、スル
ホニル基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキ
シ基、イミド基、スルフィニル基、ホスホノ基、アゾリ
ル基等を表す。
【0078】R9、R10及びR11の好ましい具体例とし
ては、水素原子、炭素数6〜20のアリール基(例えば
フェニル基、m−アセチルアミノフェニル基、p−メト
キシフェニル基等)、炭素数1〜20のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)、シアノ基、
炭素数1〜20のアシル基(例えば、アセチル基、ピバ
ロイル基、ベンゾイル基、フロイル基、2−ピリジルカ
ルボニル基等)、炭素数1〜20のカルバモイル基(例
えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、
ジメチルカルバモイル基、n−オクチルカルバモイル基
等)、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イ
ソプロポキシカルボニル基等)、炭素数7〜20のアリ
ールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル
基、p−メトキシフェノキシカルボニル基、m−クロロ
フェノキシカルボニル基、o−メトキシフェノキシカル
ボニル基等)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例え
ば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニ
ルアミノ基、シアノアセチルアミノ基等)、炭素数7〜
20のアリールカルボニルアミノ基(例えば、ベンゾイ
ルアミノ基、p−トルイルアミノ基、ペンタフルオロベ
ンゾイルアミノ基、m−メトキシベンゾイルアミノ基
等)、炭素数4〜20の複素環カルボニルアミノ基(例
えば、2−ピリジルカルボニルアミノ基、3−ピリジル
カルボニルアミノ基、フロイルアミノ基等〕、炭素数2
〜20のアルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキ
シカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、
メトキシエトキシカルボニルアミノ基等)、炭素数7〜
20のアリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フ
ェノキシカルボニルアミノ基、p−メトキシフェノキシ
カルボニルアミノ基、p−メチルフェノキシカルボニル
アミノ基、m−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、
o−クロロフェノキシカルボニルアミノ基等)、炭素数
1〜20のスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホ
ニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエン
スルホニルアミノ基等)、炭素数1〜20のアミノカル
ボニルアミノ基(例えば、メチルアミノカルボニルアミ
ノ基、エチルアミノカルボニルアミノ基、アニリノカル
ボニルアミノ基、ジメチルアミノカルボニルアミノ基
等)、炭素数1〜20のスルファモイルアミノ基(例え
ば、メチルアミノスルホニルアミノ基、エチルアミノス
ルホニルアミノ基、アニリノスルホニルアミノ基等)、
炭素数0〜20のアミノ基(例えば、アミノ基、メチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、n−ブチルアミノ基、アニリノ基等)、炭
素数1〜20のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、メト
キシ基、n−ドデシルオキシ基等)、炭素数6〜20の
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、m−クロロ
フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、o−メトキ
シフェノキシ基等)、炭素数3〜20のシリルオキシ基
(例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメ
チルシリルオキシ基、セシルジメチルシリルオキシ基、
フェニルジメチルシリルオキシ基等)、炭素数3〜20
の複素環オキシ基(例えば、テトラヒドロピラニルオキ
シ基、3−ピリジルオキシ基、2−(1,3−ベンゾイ
ミダゾリル)オキシ基等)、炭素数1〜20のアルキル
チオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基等)、炭素数6〜20の
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、炭素数
3〜20の複素環チオ基(例えば、2−ピリジルチオ
基、2−(1,3−ベンゾオキサゾリル)チオ基、1−
ヘキサデシル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チ
オ基、1−(3−N−オクタデシルカルバモイル)フェ
ニル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チオ基
等)、炭素数3〜20の複素環基(例えば、2−ベンゾ
オキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−フェニ
ル−2−ベンズイミダゾリル基、5−クロロ−1−テト
ラゾリル基、1−ピロリル基、2−フラニル基、2−ピ
リジル基、3−ピリジル基等)、ハロゲン原子(フッ
素、塩素、臭素等)、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素
数0〜20のスルファモイル基(例えば、メチルスルフ
ァモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、炭素数1
〜20のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニ
ル基(例えばメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル
基、トルエンスルホニル基等)、炭素数3〜20のアゾ
基(例えば、p−ニトロフェニルアゾ基等)、炭素数1
〜20のアシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、
アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、炭素数1
〜20のカルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバ
モイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基等)、
炭素数4〜20のイミド基(例えば、こはく酸イミド
基、フタルイミド基等)、スルフィニル基(好ましくは
炭素数1〜20、例えばジエチルアミノスルフィニル
基)、ホスホノ基(好ましくは炭素数0〜20、例え
ば、ジアミノホスホノ基等)、炭素数2〜20のアゾリ
ル基、例えば3−ピラゾリル等)などが挙げられる。
【0079】上記記載の中でも、本発明において特に好
ましく用いられるのは、前記一般式(I)において、R
1がアリール基を表し、R2が水素原子を表し、R3がア
シルアミノ基を表す化合物である。
【0080】以下に、本発明に用いられる一般式(I)
〜(VII)で表される化合物の具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されない。
【0081】
【化3】
【0082】
【化4】
【0083】
【化5】
【0084】
【化6】
【0085】
【化7】
【0086】
【化8】
【0087】
【化9】
【0088】
【化10】
【0089】
【化11】
【0090】
【化12】
【0091】
【化13】
【0092】本発明に用いられるロイコ化合物の添加量
としてはハロゲン化銀1モルあたり1×10-6モルない
し5×10-2モル含有されるのが好ましく、特に1×1
-5モルないし2×10-2モルの範囲が好ましい添加量
である。
【0093】本発明に用いられるロイコ化合物は、適当
な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチル
セルソルブ等に溶解して用いることが出来る。また、既
に良く知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテート、或いはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることが出
来る。或いは固体分散法として知られている方法によっ
て、ロイコ化合物の粉末を水の中にボールミル、コロイ
ドミル、或いは超音波によって分散して用いることもで
きる。本発明に用いられるロイコ化合物を添加する層は
特に制限はしないが、乳剤層及び/または隣接する親水
性コロイド層に添加することが好ましい。
【0094】次に、本発明に用いられるレーザ光を吸収
する染料について説明する。
【0095】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料は、少なくとも一種のレーザ光を吸収する染料を含
有する染料層を有し、該染料層には、レーザ露光波長の
吸光度として0.1以上増加するように染料が含有(添
加)されることが好ましい。
【0096】本発明に用いられるレーザ光を吸収する染
料としては、公知の青色または赤外光に吸収極大をもつ
ものが好ましく用いられるが、吸収波長域が400nm
〜900nmにあるものが更に好ましく用いられる。
【0097】上記記載の染料の好ましい含有量として
は、レーザ露光波長の吸光度として0.2以上、より好
ましくは0.3以上である。
【0098】また、レーザ光を吸収する染料を染料層に
添加する場合、溶液状態で添加しても、固体分散状態で
添加することが出来るが、他層への拡散、その結果生じ
る感度低下等の影響を避けるためには、固体分散状態で
の添加が好ましい。
【0099】レーザ光を吸収する染料は、例えば、特開
平6−67338号、同6−102624号等に記載さ
れた方法を参照することにより、固体分散状態で添加す
る事が出来る。
【0100】本発明に用いられるレーザ光を吸収する染
料としては、下記の一般式(1)〜(7)で表される化
合物が好ましく用いられる。
【0101】
【化14】
【0102】
【化15】
【0103】式中、Zはベンゾチアゾール核、ナフトチ
アゾール核またはベンゾオキサゾール核を形成するのに
必要な非金属原子群を表す。Qはピラゾロン、バルビツ
ール酸、チオバルビツール酸または3−オキシチオナフ
テンを形成するに必要な原子群を表す。Rはアルキル基
を表し、R1、R2、R3及びR4は、各々、水素原子、ア
ルコキシル基、ジアルキルアミノ基またはスルホ基、R
5は水素原子またはハロゲン原子を表す。R6、R7
8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16
びR17は、各々、水素原子、塩素原子、アルキル基、ヒ
ドロキシル基、アルコキシル基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、カルボキシル基またはスルホ基を表す。但し、R
12とR13とは、互いに結合してベンゼン環を形成しても
よい。R18は、水素原子、アシル基またはアルコキシカ
ルボニル基、R19は、水素原子またはアルキル基、
20、R21及びR22は、各々、水素原子、アルキル基ま
たはスルホ基を表す。Mは水素原子、ナトリウム原子ま
たはカリウム原子、Xはアニオン、m、n1及びn2は
各々、1、2または3を表す。但し、mが1の時、分子
内塩を形成する。Yは、アルキル基またはカルボキシル
基を表す。
【0104】以下に、本発明に用いられるレーザ吸収染
料の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0105】
【化16】
【0106】
【化17】
【0107】
【化18】
【0108】
【化19】
【0109】
【化20】
【0110】
【化21】
【0111】
【化22】
【0112】
【化23】
【0113】
【化24】
【0114】
【化25】
【0115】上記以外にも、例えば、本発明に用いられ
るレーザ吸収染料としては、特開平4−80747号、
同6−67338号、同6−102624号等に記載の
染料を用いることが出来る。
【0116】本発明に用いられる支持体は、現像処理後
に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の
変形を防ぐためにプラスチックフイルム(例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート)であることが好ましい。
【0117】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)、ポリエ
チレンナフタレート(以下PENと略す)、及びシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラ
スチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられる。
支持体の厚みとしては50〜300μm程度が好まし
く、更に好ましくは70〜180μmである。
【0118】また熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間
に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、
好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40
℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の
融点を超えた温度で加熱しては本発明の効果は得られな
い。
【0119】次に、本発明に用いられるプラスチックに
ついて説明する。
【0120】PETはポリエステルの成分が全てポリエ
チレンテレフタレートからなるものであるが、ポリエチ
レンテレフタレート以外に、酸成分としてテレフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル
酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、アジピン酸等と、グリコール成分としてエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステ
ル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリ
エステルであってもよい。
【0121】PENとしては、ポリエチレン2,6−ナ
フタレート及びテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエス
テル及びこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主
要な構成成分とするポリエステルが好ましい。また、更
に他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポ
リエステルが混合されていても良い。
【0122】SPSは通常のポリスチレン(アタクチッ
クポリスチレン)と異なり立体的な規則性を有したポリ
スチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分
をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、或いは
それ以上と規則的な部分がより多くあることが好まし
く、本発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖で85%以
上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上、それ以
上の連鎖で30%以上であることが好ましい。SPSの
重合は特開平3−131843号に記載の方法に準じて
行うことが出来る。
【0123】本発明に用いられる支持体の製膜方法及び
下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好
ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕
〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0124】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料は迅速処理に適するように、該感材の塗布工程にお
いて、予め適量の硬膜剤を添加しておき、現像−定着−
水洗工程での水膨潤率を調整することで乾燥開始前の感
光材料中の含水量を少なくしておくことが好ましい。
尚、本発明に用いられる感光材料は現像処理中の膨潤率
が50〜150%が好ましく、膨潤後の膜厚が20μm
以下が好ましい。水膨潤率が150%を越えると乾燥不
良を生じ、例えば自動現像機処理、特に迅速処理におい
て搬送不良も併発する、また、水膨潤率が50%未満で
は現像した際に現像ムラや残色が増加する悪い傾向があ
る。ここで言う水膨潤率とは、各処理液中で膨潤した後
の膜厚と現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前
の膜厚で除して100倍したものを言う。
【0125】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料はハロゲン化銀乳剤に更に目的に応じて種々の添加
剤を添加することができる。使用される添加剤その他と
しては例えばRD−17643(1978年12月)、
同18716(1979年11月)及び同308119
(1989年12月)に記載されたものが挙げられる。
それらの記載箇所を以下に掲載した。
【0126】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料を現像処
理する工程において、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の
如き固形処理剤などを使用しても良く、更に必要に応じ
防湿加工を施したものを使用しても良い。
【0127】本発明に用いられる粉末とは、微粒結晶の
集合体のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造
粒工程を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状
物のことをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末または顆
粒を一定の形状に圧縮成型したもののことを言う。
【0128】写真性能を安定に保つためには、自動現像
機中の現像液の開口係数を小さくすることが有効であ
る。特に開口係数が50cm2/リットル以下が好まし
い。すなわち、開口係数が50cm2/リットルを超え
ると未溶解の固形処理剤や溶解した直後の濃厚な液が空
気酸化を受け易くその結果、不溶物やスカム等が発生
し、自現機或いは処理される感材を汚染する等の問題を
発生するが、開口係数を50m2/リットル以下に設定
することにより、これらの問題が解決される。本発明に
おいて、前記開口係数とは、処理液単位体積当たりの空
気との接触面積で表され、単位は(cm2/リットル)
である。
【0129】本発明においては、自動現像機の開口係数
は50cm2/リットル以下が好ましく、更に好ましく
は30〜3cm2/リットルであり、特に好ましくは2
0〜5cm2/リットルである。開口係数は一般に空気
遮断する樹脂等を浮き蓋とすることで小さくしたり、ま
た、特開昭63−131138号、同63−21605
0号、同63−235940号等に記載のスリット型現
像装置によって小さくできる。
【0130】本発明に用いられる固形処理剤は現像剤、
定着剤、安定剤等写真用処理剤に用いられる。本発明に
用いられる固形処理剤はある処理剤の1部の成分のみ固
形化しても良いが、好ましくは該処理剤の全成分が固形
化されていることである。各成分は別々の固形処理剤と
して成型され、同一個装されていることが望ましい。又
別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番に
包装されていることも望ましい。
【0131】固形処理剤を処理槽に供給する供給手段と
しては、例えば、固形処理剤が錠剤である場合、実開昭
63−137783号公報、同63−97522号公
報、実開平1−85732号公報等公知の方法があるが
要は錠剤を処理槽に供給する機能が最低限付与されてい
ればいかなる方法でも良い。
【0132】また、固形処理剤が顆粒または粉末である
場合には実開昭62−81964号、同63−8415
1号、特開平1−292375号記載の重力落下方式や
実開昭63−105159号、同63−195345号
等記載のスクリューまたはネジによる方式が公知の方法
としてあるがこれらに限定されない。
【0133】また、現像剤中には、現像主薬として特開
平6−138591号(19〜20頁)記載のジヒドロ
キシベンゼン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類
の他に特開平5−165161号記載のレダクトン類も
好ましく用いられる。使用されるピラゾリドン類のうち
特に4位が置換されたもの(ジメゾン、ジメゾンS等)
は水溶性や固形処理剤自身の経時による変化が少なく特
に好ましい。保恒剤として亜硫酸塩の他、有機還元剤を
保恒剤として用いることができる。その他にキレート剤
や硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を添加することができる。
また銀スラッジ防止剤として特開平5−289255
号、特開平6−308680号(一般式[4−a][4
−b])記載の化合物を添加することも好ましい。
【0134】シクロデキストリン化合物の添加も好まし
く、特開平1−124853号記載の化合物が特に好ま
しい。現像剤にアミン化合物を添加することもでき、米
国特許第4,269,929号記載の化合物が特に好ま
しい。
【0135】現像剤には、緩衝剤を用いることが必要
で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウ
ム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナト
リウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ
酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、o−
ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロ
キシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリ
ウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム
等を挙げることができる。
【0136】現像促進剤としては、特公昭37−160
88号、同37−5987号、同38−7826号、同
44−12380号、同45−9019号及び米国特許
第3,813,247号等に記載のチオエーテル系化合
物、特開昭52−49829号及び同50−15554
号等に記載のp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭
50−137726号、特公昭44−30074号、特
開昭56−156826号及び同52−43429号等
に記載の4級アンモニウム塩類、米国特許第2,61
0,122号及び同第4,119,462号記載のp−
アミノフェノール類、米国特許第2,494,903
号、同第3,128,182号、同第4,230,79
6号、同第3,253,919号、特公昭41−114
31号、米国特許第2,482,546号、同第2,5
96,926号及び同第3,582,346号等に記載
のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42
−25201号、米国特許第3,128,183号、特
公昭41−11431号、同42−23883号及び米
国特許第3,532,501号等に記載のポリアルキレ
ンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン
類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イミダゾール
類等を必要に応じて添加することができる。
【0137】カブリ防止剤としては、臭化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使
用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニ
トロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾー
ル、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−チアゾリルベンズイミダゾール、2
−チアゾリルメチルベンズイミダゾール、インダゾー
ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニン、1−フェ
ニル−5−メルカプトテトラゾール等を例として挙げる
ことができる。更に、現像剤組成物には、必要に応じ
て、メチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド、シクロデキストリン化合物、その他特
公昭47−33378号、同44−9509号各公報記
載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤
として使用することができる。更にまた、その他ステイ
ン防止剤、スラッジ防止剤等各種添加剤を用いることが
できる。
【0138】処理に先立ち、スタータを添加することも
好ましく、スタータを固形化して添加することも好まし
い、スタータとしてはポリカルボン酸化合物の如き有機
酸の他にKBrの如きアルカリ金属のハロゲン化物や有
機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0139】スタータにより調製された現像液のpHは
9〜12の範囲が好ましく、更に好ましくは、9.5〜
10.5の範囲である。現像温度としては20〜60
℃、好ましくは30〜45℃である。
【0140】次に本発明に用いられる定着液について説
明する。定着液としては、チオ硫酸塩を含有することが
好ましい。チオ硫酸塩は、通常、リチウム、カリウム、
ナトリウム、アンモニウム塩として用いられるが、好ま
しくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムであ
る。アンモニウム塩として用いることにより定着速度の
速い定着液が得られるが、保存性等の点からはナトリウ
ム塩が好ましい。チオ硫酸塩の濃度は好ましくは0.1
〜5モル/リットルであり、更に、好ましくは0.5〜
2モル/リットル、特に好ましくは0.7〜1.8モル
/リットルである。
【0141】その他、定着剤として沃化物塩やチオシア
ン酸塩等も用いることができる。定着液は好ましくは亜
硫酸塩を含有し、該亜硫酸塩の濃度は、チオ硫酸塩と亜
硫酸塩の水系溶媒に対する溶解混合時において、0.2
モル/リットル以下である。
【0142】亜硫酸塩としては、固体のリチウム、カリ
ウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられ、前記
の固体チオ硫酸塩と共に溶解して用いられる。本発明に
用いられる定着液は、水溶性クロム塩または水溶性アル
ミニウム塩等を含有してもよい。水溶性クロム塩として
はクロム明ばん等が挙げられ、水溶性アルミニウム塩と
しては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウ
ム、塩化アルミニウム等を挙げることができる。これ
ら、クロム塩またはアルミニウム塩の添加量は定着液1
リットル当たり0.2〜3.0gで、好ましくは1.2
〜2.5gである。また定着剤には、酢酸、クエン酸、
酒石酸、リンゴ酸、琥珀酸、フェニル酢酸及びこれらの
光学異性体等が含まれてもよい。これらの塩としては、
例えば、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン
酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチ
ウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水
素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニ
ウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウム
カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸アンモニウ
ム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウム等に代表さ
れるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩
等が好ましいものとして挙げられる。上記化合物の中で
より好ましいものとしては、酢酸、クエン酸、イソクエ
ン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸及びこれらの塩である。
化合物の添加量は0.2〜0.6モル/リットルが好ま
しい。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸
のような無機酸及び塩や、蟻酸、プロピオン酸、シュウ
酸、リンゴ酸等の有機酸類等が挙げられるが、好ましく
は、ホウ酸、アミノポリカルボン酸類等の酸及び塩であ
る。アミノカルボン酸で特に好ましいものはβ−アラニ
ン、ピペリジン酸等がある。酸の好ましい添加量は0.
5〜40g/リットルである。キレート剤としては、例
えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のア
ミノポリカルボン酸類及びこれらの塩等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スル
ホン化物等のアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコ
ール系、エステル系等のノニオン界面活性剤、特開昭5
7−6840号記載の両性界面活性剤等が挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキ
レングリコール等が挙げられる。定着促進剤としては、
例えば、特開昭45−35754号、特公昭58−12
2535号、同58−122536号記載のチオ尿素誘
導体、分子内に三重結合を有するアルコール、米国特許
第4,126,459号記載のチオエーテル等が挙げら
れる。定着液の溶解或いは希釈後のpHは通常3.8以
上が好ましく、更に好ましくは4.2〜5.5である。
定着温度としては20〜60℃が好ましく、更に好まし
くは30〜45℃である。
【0143】現像時間は3〜90秒が好ましく、更に好
ましくは5〜60秒であり、定着時間は3〜90秒が好
ましく、更に好ましくは5〜60秒である。現像、定
着、水洗、乾燥を含む全処理時間はDry to Dr
yで15〜210秒が好ましく、更に好ましくは15〜
90秒である。
【0144】
【実施例】以下、本発明を実施例にて、更に具体的に説
明する。
【0145】実施例1 (乳剤EM−1の作製)60℃、pAg=8、pH=
2.0にコントロールしつつ、ダブルジェット法で平均
粒径0.01μmの沃化銀2モル%を含む沃臭化銀の単
分散立方晶種乳剤を得た。この乳剤は電子顕微鏡写真か
ら双晶の発生率は個数で1%以下であった。この種乳剤
を以下のように成長させた。
【0146】即ち40℃に保たれた保護ゼラチン及び必
要に応じてアンモニアを含む溶液8.5リットル、この
種晶を分散させ、更に酢酸によりpHを調整した。この
液を母液としてpHを8.0、pAgを8.5に保ち、
3.2規定のアンモニア性硝酸銀水溶液及び銀1モル当
たり5×10-7モルのK2IrCl6を含有する臭化カリ
ウム水溶液をダブルジェット法で添加し成長させた。
【0147】その後、臭化カリウム溶液をノズルで8分
かけて添加しpAgを9.7に上げ、その臭化カリウム
溶液の添加終了10分後に混合を終了させた。
【0148】得られた乳剤は、平均粒径が0.23μm
の頂点が丸みを有する14面体の単分散乳剤で粒子全体
の平均沃化銀含有率は0.2モル%であった。
【0149】次に過剰な可溶性塩類を除去するために脱
塩を行なった。即ち乳剤を40℃に保ち、ナフタレンス
ルホン酸ソーダのホルムアルデヒド縮合物と硫酸マグネ
シウムを加え、攪拌静置しデカンテーションにより過剰
の塩類を除去した。
【0150】(乳剤EM−2〜4の作製)単分散立方晶
種乳剤の使用量を変化した以外は、上記乳剤EM−1と
同様の方法で乳剤EM−2、3、4を作製した。平均粒
径は各々0.17μmと0.12μmと0.08μmで
あった。
【0151】次に、ゼラチン中に分散した脱塩後の乳剤
を55℃にしてから下記増感色素を添加し、更にチオシ
アン酸アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウム
の適量を加えて化学増感を行った。
【0152】最高感度に達した時点で4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンをハ
ロゲン化銀1モル当たり0.8g添加して安定化した。
【0153】以上のようにして得られたEM−1〜EM
−4を用いて、下記に示す塗布液を作製して試料を作製
した。
【0154】 (バッキング層下層塗布液) ゼラチン 400g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 0.4g ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量15万) 50g ジエチレングリコール 5g ハレーション防止染料16 10g グリオキザール(40%) 2g 染料乳化分散液(下記内容のもの) 33g
【0155】
【化26】
【0156】水で7リットルに仕上げる。
【0157】《染料乳化分散液の作製法》下記染料10
kgをトリクレジルホスフェート28リットルと酢酸エ
チル85リットルからなる溶媒に55℃で溶解した。こ
れをオイル系溶液とする。一方、下記のアニオン性界面
活性剤(AS)1.35kgを含む9.3%ゼラチン溶
液270リットルを作製した。これを水系溶液とした。
次にオイル系溶液と水系溶液を分散釜に入れ、液温を4
0℃に保ちながら分散した。得られた分散液にフェノー
ルと1,1′−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロ
メタンの適量を加え水で240kgに仕上げた。
【0158】
【化27】
【0159】 (バッキング層上層塗布液) ゼラチン 400g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 10g ポリメチルメタクリレート(平均粒径6μm) 12g SAM−1 3g C817SO3K 0.3g グリオキザール(40%) 13.6g
【0160】
【化28】
【0161】水で7リットルに仕上げる。
【0162】(ハロゲン化銀乳剤層塗布液)得られた乳
剤にはハロゲン化銀1モル当たり下記を添加してハロゲ
ン化銀乳剤層塗布液を作製した。
【0163】 ロイコ化合物 表1に記載の量 トリメチロールプロパン 10g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 1g C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1,1−ジメチロール−1−ブロム−ニトロメタン 10mg ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量15万) 10g
【0164】
【化29】
【0165】(乳剤層側の保護層塗布液)下記の添加量
はフィルム1m2当たりである。
【0166】 石灰処理イナートゼラチン 0.8g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 27mg ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3μmのマット剤) 28mg 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μm) 10mg ルドックスAM(コロイドシリカ{デュポン社製}) 50mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩の (2%水溶液) 5mg トップサイド300(Permchem Asia Ltd製) 1mg SAM−1 20mg C817SO3K 2mg
【0167】
【化30】
【0168】なお、本発明に用いられるロイコ化合物
は、表1に示したように各々乳剤層塗布液に添加した。
【0169】支持体として両面に2軸延伸熱セット後、
コロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(厚さ175μm)上に特開昭59−18945
号実施例1記載の下引き用ラテックス(合成例1化合
物)を塗布し、得られた支持体上に前記のハロゲン化銀
乳剤層の銀量が表1記載量、ゼラチン量が乳剤層が1.
5g/m2、保護層が0.8g/m2になるよう塗布し
た。
【0170】反対側には前記のバッキング下層と上層を
塗布した。バッキング下層と上層のゼラチン量は各々
1.5g/m2と0.9g/m2になるようスライドホッ
パーにて同時塗布した。
【0171】得られた各試料について、前述のFPDで
得たX線画像(乳房画像:マンモグラフィー)を現像処
理後の画像濃度が同等になるようにレーザスキャナで露
光し、現像・定着剤TC−DF1(コニカ社製)を用
い、全処理時間が38秒になるよう改造した自動現像機
TCX−201(コニカ社製)で38秒処理し、得られ
た画像をシャーカステン上で観察し目視評価した。
【0172】なお処理温度は各々現像が35℃、定着が
33℃、水洗が20℃、乾燥が50℃で行った。
【0173】《鮮鋭性評価》上記試料を下記評価基準に
従って鮮鋭性を目視評価した。結果を表1に示す。
【0174】 A:特に優れる B:優れる C:普通 D:やや劣る E:劣る 《銀色調の評価》上記試料を下記評価基準に従って銀色
調を目視評価した。結果を表1に示す。
【0175】 A:純黒調 B:やや赤味を帯びた黒色 C:やや黄色味を帯びた黒色 D:黄色味を帯びた黒色 《濃度ムラの評価》得られた試料に現像処理後の濃度が
約1.0になるように均一な露光をレーザスキャナで行
い、上記X線画像を得た場合と同様にして、現像処理を
行った。その試料をシャーカステン上で観察し、濃度ム
ラについて下記の評価基準に従って評価した。結果を表
1に示す。
【0176】 A:濃度ムラが認められない B:注視するとフィルム辺縁部に僅かに濃度ムラが認め
られるが、実用上問題ないレベルである C:注視するとフィルム全体に僅かに濃度ムラが認めら
れるが、実用上問題ないレベルである D:フィルム辺縁部にはっきりと濃度ムラが発生し実用
上支障がある E:フィルム全体に強く濃度ムラが発生し、実用不可能
である。
【0177】
【表1】
【0178】表1から、本発明の試料は、比較の試料と
比べて鮮鋭性に優れかつ銀色調に優れていることが分か
る。更に濃度ムラの発生においても、良好な特性をしめ
していることが明らかである。
【0179】実施例2 ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に染料層を設けたこと
以外は、実施例1と同様にして、ハロゲン化銀写真感光
材料試料を作製し評価した。
【0180】(染料層塗布液)下記の添加量は感材1m
2当たりの量である。
【0181】 ゼラチン 0.3g 表2記載の染料 表2記載量 クエン酸 0.3mg ポリスチレンスルホン酸カリウム(分子量15万) 15mg
【0182】
【表2】
【0183】表2から、本発明の試料は、比較の試料と
比べて、鮮鋭性に優れ、且つ、診断能に優れていること
が明らかである。
【0184】
【発明の効果】鮮鋭性が向上し、且つ、乳房の癌等の診
断能に優れたX線写真画像形成方法を提供するが出来
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線画像形成システムの概略構成図である。
【図2】FPDを示す概略断面図である。
【図3】FPDを示す概略平面図である。
【図4】レーザイメージャの1例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 X線管 2 FPD 3 画像処理部 4 ネットワーク 5 CRTディスプレイ 6 レーザイメージャー 70 制御手段 71 露光手段 72 搬送手段 73 感光材料処理装置 74 フィルムの搬送方向を示す

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線画像をフラットパネルディテクタに
    捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を
    電気信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハロ
    ゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像、定着、水洗
    及び乾燥処理を行ってX線写真画像を得るX線写真画像
    形成方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料の少な
    くとも一つのハロゲン化銀乳剤層が平均粒径0.02μ
    m以上、0.2μm未満であるハロゲン化銀粒子を含有
    し、且つ、該ハロゲン化銀粒子を含有する側の少なくと
    も一層が現像主薬の酸化体と反応して青色染料を与える
    ロイコ化合物を含有することを特徴とするX線写真画像
    形成方法。
  2. 【請求項2】 X線画像をフラットパネルディテクタに
    捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を
    電気信号として取り出し、レーザ光強度に変換し、ハロ
    ゲン化銀写真感光材料に走査露光後、現像、定着、水洗
    及び乾燥処理を行ってX線写真画像を得るX線写真画像
    形成方法において、該ハロゲン化銀写真感光材料がハロ
    ゲン化銀乳剤層と該ハロゲン化銀乳剤層を担持する支持
    体の間にレーザ光を吸収する染料を含有する層を有する
    ことを特徴とするX線写真画像形成方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤層と該ハロゲン化銀乳
    剤層を担持する支持体の間にレーザ光を吸収する染料を
    含有する層を有するハロゲン化銀写真感光材料であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のX線写真画像形成方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011215297A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた黒白画像の形成方法

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