JP3780731B2 - X線画像形成方法及びx線画像形成システム - Google Patents

X線画像形成方法及びx線画像形成システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばX線マンモグラフィや四肢骨等の撮影等に用いられるX線画像形成方法及びX線画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断用のX線画像撮影に用いられるシステムとしては、ハロゲン化銀写真フィルムを蛍光増感紙に密着させ、X線画像を露光し、自動現像機で現像、定着、水洗、乾燥する画像形成システムが従来より一般的に使われてきた。しかしながら、このシステムにおいてはX線画像を蛍光増感紙で光画像に変換し、ハロゲン化銀写真フィルムに露光する際に光拡散により鮮鋭性が大幅に低下することが知られている。
【0003】
一方、近年、X線画像を輝尽性蛍光体プレートに露光し、その後該プレートにレーザー光を走査露光することで輝尽性蛍光体プレートに蓄積された画像情報を光信号として取り出し電気信号に変換後、再び光信号としてハロゲン化銀写真フィルムに走査記録し、自動現像機で現像、定着、水洗、乾燥する画像形成システムが使用されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
蛍光増感紙/フィルムシステムに比べ、このシステムでは画像信号を一旦電気信号に変換するため信号処理が可能となり、階調処理、エッジ強調処理、マスキング処理などの画像処理が出来る利点を有するものの、マンモグラフィや四肢骨撮影等には鮮鋭性が十分満足できるものではなかった。
【0005】
さらに、X線画像をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタから直接画像信号を取り出す方法は原理的に高鮮鋭性が期待できるが、従来のレーザー記録システムでは、画像信号が持つ高い鮮鋭性を再生することが困難であった。レーザー記録システムとしては前記ようにハロゲン化銀写真フィルムを用いるもののほか、レーザー熱溶融転写方式を用いたものも知られているが、この方法では受像シートと熱溶融色剤シートを重ねて熱転写するものであるが、同様に鮮鋭性が十分ではなく、しかも装置が高価で、画像形成が遅い等の問題があった。
【0006】
この発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い高鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に、しかも安価な装置で得ることができるX線画像形成方法及びX線画像形成システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1記載の発明は、『X線画像をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得ることを特徴とするX線画像形成方法。』である。
この請求項1記載の発明によれば、フラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得ることで、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い高鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、『X線画像をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出すX線画像形成システムにおいて、前記画像信号をレーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置を備えることを特徴とするX線画像形成システム。』である。
【0010】
この請求項2記載の発明によれば、フラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置により、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のX線画像形成方法及びX線画像形成システムの実施の形態を、図面に基づいて説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。
【0012】
図1はX線画像形成システムの概略構成図、図2はフラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略断面図、図3はフラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略平面図である。
【0013】
X線画像形成システムは、図1に示すように、X線管1から照射されるX線により被写体60の撮影を行い、X線画像をフラットパネルディテクタ(FPD)2に捕獲する。このフラットパネルディテクタ(FPD)からX線画像を画像信号として取り出し、画像処理部3で画像処理してネットワーク4に送る。ネットワーク4にはCRTディスプレイ5やレーザイメージャー6等が接続されており、CRTディスプレイ5にX線画像を表示したり、レーザイメージャー6でX線画像をプリントして出力する。
【0014】
フラットパネルディテクタ(FPD)2は、図2及び図3に示すように構成される。
【0015】
この発明に係る放射線画像生成方法として、フラットパネルディテクタ(FPD)の具体例が特開平6−342098に開示されている。つまり、被写体を透過したX線をa−Se層等の光導電層で吸収してX線強度に応じた電荷を発生させ、その電荷量を画素毎に検知するものである。他の方式のFPDの例としては、特開平9−90048に開示されているように、X線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発生させ、その蛍光の強度を画素毎に設けたフォトダイオード等の光検出器で検知するものがある。蛍光の検知手段としては他に、CCDやC−MOSセンサを用いる方法もある。
【0016】
特に上記の特開平6−342098に開示された方式のFPDでは、X線量を画素毎の電荷量に直接変換するため、FPDでの鮮鋭性の劣化が少なく、鮮鋭性の優れた画像が得られるので、本発明のX線画像記録システム及びX線画像記録方法による効果が大きく好適である。
【0017】
フラットパネルディテクタ(FPD)2は、図2に示すように、誘電基板層20に、光導電層21、誘電層22、前面導電層23を順に積層して構成される。誘電基板層20上には、複数の第1の微小導電電極マイクロプレート24が設けられ、この第1の微小導電電極マイクロプレート24の寸法によって、フラットパネルディテクタ(FPD)2が解像できる最小画素の輪郭が定まる。複数の第1の微小導電電極マイクロプレート24上には、静電容量誘電材25が形成されている。フラットパネルディテクタ(FPD)2から誘電層22を除いてもX線画像を形成することができ、この発明を実現できるが、この場合は、電荷蓄積キャパシタ36で蓄積された電荷量の保持性やX線画像の鮮鋭度が多少は低下する可能性がある。
【0018】
さらに、誘電基板層20上には、2個の電極26,27とゲート28を有する複数のトランジスタ29が積層されている。さらに、誘電基板層20上には、複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30が積層されている。
【0019】
図3に示すように、少なくとも1つのトランジスタ29は、複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30をXアドレスライン41とYセンスライン42に接続している。電荷蓄積キャパシタ36は、第1の微小導電電極マイクロプレート24、第2の微小導電電極マイクロプレート30及び静電容量誘電材25によって形成されている。第2の微小導電電極マイクロプレート30はトランジスタ29の電極27にも接続されている。第1の微小導電電極マイクロプレート24はアースに接続されている。
【0020】
トランジスタ29は双方向スイッチの働きをし、バイアス電圧がXアドレスライン41を介してゲートに印加されたかどうかに応じて、Yセンスライン42と電荷蓄積キャパシタ36との間に電流を流す。
【0021】
複数の第2の微小導電電極マイクロプレート30間のスペースには、導電電極またはXアドレスライン41、及び導電電極またはYセンスライン42が配置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン42は、図示のように相互に対してほぼ直交するように配置されている。Xアドレスライン41とYセンスライン42は、リード線またはコネクタを通して、フラットパネルディテクタ(FPD)2のサイドまたはエッジに沿って個別にアクセス可能になっている。
【0022】
Xアドレスライン41の各々は、バイアス電圧をラインに、したがって、アドレスされるXアドレスライン41に接続されたされたトランジスタ29のゲートに印加することによって順次にアドレスされる。これにより、トランジスタ29は導通状態になり、対応する電荷蓄積キャパシタ36に蓄積された電荷はYセンスライン42に流れると共に、電荷検出器46の入力側に流れる。電荷検出器46はYセンスライン42上で検出された電荷に比例する電圧出力を発生する。電荷検出器46の出力は順次にサンプリングされて、アドレスしたXアドレスライン41上のマイクロキャパシタの電荷分布を表す画像信号が得られ、各マイクロキャパシタは1つのイメージ画素を表す。Xアドレスライン41上の画素のあるラインから信号が読み出されると、電荷増幅器はリセットライン49を通してリセットされる。次のXアドレスライン41がアドレスされ、このプロセスは、すべての電荷蓄積キャパシタ36がサンプリングされて、イメージ全体が読み出されるまで繰り返される。
【0023】
レーザイメージャー6は、感光材料処理装置73を備えており、図4はレーザイメージャーの概略構成図である。
【0024】
レーザイメージャー6は、画像信号をレーザー光強度変化に変換する制御手段70と、レーザー光により平均アスペクト比が2以上の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料Pに露光して記録する露光手段71と、ハロゲン化銀写真感光材料Pを搬送する搬送手段72と、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る感光材料処理装置73、例えば自動現像機を備える。
【0025】
感光材料処理装置73は、現像槽73a、定着槽73b、水洗槽73c及び乾燥部73dから構成され、露光されたハロゲン化銀写真感光材料Pを現像槽73a、定着槽73b、水洗槽73cのそれぞれの処理液により現像処理し、乾燥部73dで乾燥して排出させX線画像を得る。
【0026】
このように、フラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置により、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い高鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【0027】
以下、この発明のハロゲン化銀写真感光材料について詳細に述べる。
【0028】
この発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤としては、平均アスペクト比が2より大きい平板状粒子であり、好ましくは3以上20以下の平板状粒子である。ここで言うアスペクト比とは平板状粒子の主平面の直径〔粒径)と厚みの比を言う。ここにハロゲン化銀粒子の主平面の直径とは、主平面の投影面積に等しい面積の円の直径を言う。この発明において平板状ハロゲン化銀粒子の主平面の直径は好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.l〜1.5μm、特に好ましくは0.l5〜1.0μmである。一般に、平板状ハロゲン化銀粒子は、二つの平行な主平面を有する平板状であり、従ってこの発明における「厚み」とは平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な主平面の距離で表される。
【0029】
係る平板状粒子は、例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4.439,520号、同4,433、048号、同4,414,310号、同4,434,226号、特開昭58−113927号、同58−127921号、同63−l38342号、同63−284272号、同63−305343号等で開示されており、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製することができる。更に、米国特許4,063,951号、同4,386,156号、同5,275,930号、同5,314,798号に記載されている(100)主平面を有する平板状粒子も好ましく用いられる。
【0030】
この発明に用いられる更に好ましいハロゲン化銀乳剤は、沃化銀3モル%未満の沃臭化銀、沃塩臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀であり、特に好ましくは沃化銀の含有率が1.0モル%未満の沃臭化銀又は沃塩化銀である。上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像型或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面と内部潜像を形成する型のいずれの乳剤であってもよい。
【0031】
この発明に係るハロゲン化銀乳剤は単分散性であることが好ましく用いられ、平均体積粒径の変動係数が30%以内の範囲、特に20%以内の範囲に含まれるものが好ましく用いられる。尚、2種以上の平板状粒子を混合して用いてもよい。
【0032】
この発明に用いられるハロゲン化銀粒子には、Fe、Cо、Ru、Rh、Re、Os、Irから選ばれる金属の錯体を含有することがが好ましく、1種類でも同種あるいは異種の金属錯体を2種以上併用しても良い。好ましい含有率は銀1モルに対し1×l0-9モルから1×l0-2モルの範囲が好ましく、1×l0-8モルから1×l0-4モルの範囲が好ましい。
【0033】
この発明においては、遷移金属錯体は、下記一般式で表される6配位錯体が好ましい。
【0034】
一般式[ML6m
式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ばれる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、l−、2−、3―又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及ぴ沃化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナ−ト、セレノシアナート、テルロシアナ−ト、アジド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が拳げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同ーでもよく、また異なっていてもよい。
【0035】
Mとして、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)及びイリジウム(Ir)の場合の好ましい具体例を示す。
【0036】
1:〔RhCI63-
2:[RhCl5(H2O)]2-
3:[Rh(NO)2Cl4
4:[Rh(NO)(H2O)Cl4-
5:[Rh(NS)Cl52-
6:[RuCl63-
7:[RuBr63-
8:[Ru(NO)Cl52-
9:[Ru(NO)(H2O)Cl4-
10:[Ru(NS)Cl52-
11:[RuBr4(H2O)]2-
12:[Ru(NO)CN52-
13:[ReCl63-
14:[Re(NO)Cl52-
15:[Re(NO)CN52-
16:[Re(NO)ClCN42-
17:[Re(NO)Cl5-
18:[Re(NS)Cl4(SeCN)]2-
19:[OsCl63-
20:[Os(NO)Cl52-
21:[Os(NS)Cl4(TeCN)]2-
22:[Os(NS)Cl(SCN)42-
23:[IrCl52
24:[Ir(NO)Cl52
クロム、コバルト、鉄の化合物については六シアン金属錯体を好ましく用いることができる。以下に具体例を示す。
【0037】
25:[Cr(NO)Cl52-
26:[CrCl64-
27:[Fe(CN)64-
28:[Fe(CN)63-
29:[Co(CN)63-
これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調整、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできる。
【0038】
乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌ−ドル水洗法、フロキュレ−ション沈殿法、限外濾過法等の水洗方法がなされて良い。好ましい水洗法としては、例えば、特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3,G8等を用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0039】
この発明における感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されていることが好ましく、増感方法としてはイオウ増感、セレン増感、テルル増感、貴金属増感、還元増感等公知の増感法を用いることができる。また、これら増感法は2種以上組み合わせて用いることもできる。イオウ増感には、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物、無機イオウ等を用いることができる。
【0040】
セレン増感、テルル増感に好ましく用いられる化合物としては、特開平9−230527号記載の化合物を挙げることができる。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物としては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特許第2448060号、英国特許第618061号等に記載されている化合物を挙げることができる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。
【0041】
この発明の感光材料には、分光増感色素としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例えば、特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。
【0042】
この発明に使用される有用な増感色素は例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0043】
有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピロジン核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダゾール核等の塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾロン核等の酸性核も含む。
【0044】
これらの増感色素は単独に用いても良いが、それらの組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と共に、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組み合わせ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャ(Reseach Disclosure)176巻17643(1978年12月発行)第23頁1VのJ項、あるいは前述の特公昭9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号等に記載されている。
【0045】
分光増感色素の添加は、メタノールのような有機溶媒に溶解した溶液として添加することができる。更に固体微粒子状の分散物を作成して添加することもできる。分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳剤条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり1〜900mgが好ましく、5〜400mgが特に好ましい。分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に添加するのが好ましく、化学熟成の終了前に数回に分けて添加してもよい。更に好ましくはハロゲン化銀粒子の成長工程の終了後から化学熟成工程の終了前であり、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0046】
この発明において、化学増感(化学熟成)を停止させるには、乳剤の安定性を考慮すると化学熟成停止剤を用いることが好ましい。この化学熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば、臭化カリウム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤として知られている有機化合物(例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)等が挙げられる。これらは単独もしくは複数の化合物を併用してもよい。
【0047】
この発明に用いられる感光材料の乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いることができる。
【0048】
この発明に係る感光材料の乳剤層の膜厚は、0.5〜3.5μmの範囲が好ましく、1.0〜3.0μmの範囲がより好ましい。ここでいう乳剤層の膜厚とは、支持体の両側乳剤層を有する場合は、片側一方の乳剤層の膜厚を言い、片側に乳剤層が多層ある場合は、それら全層を合計した膜厚を言う。膜厚は、23℃、50%RHの雰囲気に少なくとも2時間放置し、この感光材料の断面を電子顕微鏡観察の写真から測定することができる。
【0049】
この発明で用いられる支持体は、現像処理後に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセレート、ポリエチレンナフタレート)であることは好ましい。
【0050】
その中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、ポリエチレンナフタレート(以下PENと略す)、及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0051】
また、熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前記プラステックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の融点を超えた温度で加熱してはこの発明の効果は得られない。
【0052】
次に用いられるプラスチックについて説明する。
【0053】
PETはポリエステルの成分が全てポリエチレンテレフタレートからなるものであるが、ポリエチレンテレフタレート以外に、酸性分としてテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリエステルであってもよい。
【0054】
PENとしては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、及びテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。また、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていてもよい。
【0055】
SPSは通常のポリスチレン(アタクチックポリスチレン)と異なり立体的に規則性を有したポリスチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、あるいはそれ以上と規則的な部分がより多くあることが好ましく、この発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖で85%以上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上それ以上の連鎖で30%以上であることが好ましい。SPSの重合は特開平3−131843号明細書記載の方法に準じて行うことができる。
【0056】
この発明に係る支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0057】
この発明の感光材料は迅速処理に適するように、この感光材料の塗布工程において、予め適量の硬膜剤を添加しておき、現像、定着、水洗工程での水膨潤率を調整することで乾燥開始前の感光材料中の含水量を少なくしておくことはが好ましい。尚、この発明の感光材料は現像処理中の膨潤率が50〜150%が好ましく、膨潤後の膜厚が20μm以下が好ましい。水膨潤率が150%を越えると乾燥不良を生じ、例えば自動現像機処理、特に迅速処理において搬送不良も併発する。また、水膨潤率が50%未満では現像した際に現像ムラや残色が増加する悪い傾向がある。ここで言う水膨潤率とは、各処理液中で膨潤した後の膜厚と現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前の膜厚で除して100倍したものを言う。
【0058】
この発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤に更に目的に応じて種々の添加剤を添加することができる。使用される添加剤その他としては例えばRD−17643(1978年12月)、同18716(1979年11月)及び同308119(1989年12月)に記載されたものが挙げられる。それらの記載箇所を以下に掲載した。
【0059】
【表1】
Figure 0003780731
【0060】
この発明に係わるハロゲン化銀光材料を現像処理する工程において、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固形処理剤などを使用しても良く、更に必要に応じ防湿加工を施したものを使用しても良い。この発明で言う粉末とは、微粒結晶の集合体のことをいう。この発明で言う顆粒とは、粉末に造粒工程を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをいう。この発明で言う錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状に圧縮成形したもののことを言う。写真性能の変動原因として、自動現像機中の現像液の開口係数を小さくすることが有効である。特に開口係数が80cm2/l以下が好ましい。すなわち、開口係数が80cm2/lを越えると未溶解の固形処理剤や溶解した直後の濃厚な液が空気酸化を受け易くその結果、不溶物やスカムが発生し、自動現像機あるいは処理されるハロゲン化銀光材料を汚染する等の問題を発生するが、開口係数が80cm2/1以下でこれらの問題が解決される。ここで言う開口係数は、処理液単位体積当たりの空気との接触面積で表され、単位は(cm2/1)である。この発明においては開口係数が80cm2/1以下が好ましく、より好ましいくは50〜3cm2/1であり、さらに好ましくは35〜10cm2/1である。開口係数が一般に空気遮断する樹脂等を浮き蓋とすることで小さくしたり、また、特開昭63−131138号、同63−216050号、同63−235940号に記載のスリット型現像装置によって小さくできる。
【0061】
この発明に用いられる固形処理剤は現像剤、定着剤、リンス剤等写真用処理剤に用いられるが、この発明の効果とりわけ写真性能を安定化させる効果が大きいのは現像剤である。この発明に用いられる固形処理剤は、ある処理剤の1部の成分のみ固形化しても良いが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されていることである。各成分は別々の固形処理剤として成型され、同一包装されていることが望ましい。また別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されていることも望ましい。この発明において固形処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば、固形処理剤は錠剤である場合、実開昭63−137783号公報、同63−97522号公報、実開平1−85732号公報等の公知の方法があるが要は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればいかなる方法でも良い。また、固形処理剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−81964号、同63−84151号、特開平1−292375号等記載の重力落下方式や実開昭63−105159号、同63−195345号等記載のスクリュ−又はネジによる方式が公知の方法としてあるがこれらに限定されるものではない。
【0062】
この発明において固形処理剤を投入する場所は処理槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部と連通し、この処理部との間を処理液が流通している場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好ましい。固形処理剤は温調されている処理液中に投入されることが好ましい。また、現像剤中には、現像主薬として特開平6−138591号(19〜20頁)記載のジヒドロキシベンゼン類、アミノフェノ−ル類、ピラゾリドン類の他に特開平5−165161記載のレダクトン類も好ましく用いられる。使用されるピラゾリゾン類のうち特に4位が置換されたもの(ジメゾン、ジメゾンS等)は水溶性や固形処理剤自身の経時による変化が少なく特に好ましい。保恒剤として亜硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いることができる。その他にキレート剤や硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を添加することができる。また、銀スラッジ防止剤として特開平5−289255号、特開平6−308680号(一般式[4−a][4−b])記載の化合物を添加することも好ましい。シクロデキストリン化合物の添加も好ましく、特開平1−124853号記載の化合物が特に好ましい。現像剤にアミン化合物を添加することもでき、米国特許4269929号記載の化合物が特に好ましい。現像剤には、緩衝剤を用いることが必要で緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、 o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム等を挙げることができる。
【0063】
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許3,813,247号等に表されるチオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号に表されるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許2,610,122号及び同4,119,462号記載のp−アミノフェノ−ル類、米国特許2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許3,532,501号等に表されるポリアルキレンオキサイド、その他ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イミダゾ−ル類等を必要に応じて添加することができる。
【0064】
カブリ防止剤としては、臭化カリウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾトリア−ル、6−ニトロベンズイミダゾ−ル、5−ニトロイソインダゾ−ル、5−メチルベンゾトリアゾ−ル、5−ニトロベンゾトリアゾ−ル、5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−チアゾリルベンズイミダゾ−ル、2−チアゾリルメチルベンズイミダゾ−ル、インダゾ−ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ−ル等を例として挙げることができる。
【0065】
さらに、現像剤組成物には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノ−ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化合物、その他特公昭47−33378号、同44−9509号各公報記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用することができる。さらにまた、その他ステイン防止剤、スラッジ防止剤等各種添加物を用いることができる。
【0066】
処理に先立ち、スターターを添加することも好ましく、スターターを固形化して添加することも好ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。スターターにより調整された現像液のpHは9〜12の範囲が好ましく、更に好ましくは、9.5〜10.5の範囲である。現像温度としては20〜60℃、好ましくは30〜45℃である。
【0067】
次に、この発明に用いられる定着液について説明する。定着液としては、チオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、通常、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩として用いられるが、好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムである。アンモニウム塩として用いることにより定着速度の速い定着液が得られるが、保存性等の点からはナトリウム塩が好ましい。チオ硫酸塩の濃度が好ましくは0.1〜5モル/リットルであり、より好ましくは0.5〜2モル/リットル、更に好ましくは0.7〜1.8モル/リットルである。そのほか、定着主薬として沃化物塩やチオシアン酸塩等も用いることができる。定着液は好ましくは亜硫酸塩を含有し、この亜硫酸塩の濃度は、チオ硫酸塩と亜硫酸塩の水系溶媒に対する溶解混合時において、0.2モル/リットル以下である。亜流酸塩としては、固体のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられ、前記の固体チオ硫酸塩と共に溶解して用いられる。
【0068】
この発明に用いられる定着液は、水溶性クロム塩または水溶性アルミニウム塩等を含有しても良い。水溶性クロム塩としてはクロム明バン等が挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム等を挙げることができる。これら、クロム塩またはアルミニウム塩の添加量は定着液1リットル当たり0.2〜3.0gで、好ましくは1.2〜2.5gである。また、定着剤には、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、琥珀酸、フェニル酢酸及びこれらの光学異性体等が含まれてもよい。これらの塩としては、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウム等に代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0069】
前記化合物の中でより好ましいものとしては、酢酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸及びこれらの塩である。化合物の添加量は0.2〜0.6モル/リットルが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸のような無機酸及び塩や、蟻酸、プロピオン酸、蓚酸、リンゴ酸等の有機酸類等が挙げられるが、好ましくは、ホウ酸、アミノポリカルボン酸類等の酸及び塩である。アミノカルボン酸で特に好ましいものはβ−アラニン、ピベリジン酸等がある。酸の好ましい添加量は0.5〜40g/リットルである。キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリカルボン酸類及びこれらの塩等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物等のアニオン界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物等のアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系等のアニオン界面活性剤、特開昭57−6840号記載の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0070】
湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコール等が挙げられる。定着促進剤としては、例えば、特開昭45−35754号、特公昭58−122535号、同58−122536号記載のチオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有するアルコール、米国特許4,126,459号記載のチオエーテル等が挙げられる。定着液の溶解あるいは希釈後のpHは通常3.8以上、好ましくは4.2〜5.5を有する。定着温度としては20〜60℃、好ましくは30〜45℃である。
【0071】
現像時間は3〜90秒で、より好ましくは5〜60秒であり、定着時間は3〜90秒で、より好ましく5〜60秒である。現像、定着、水洗、乾燥を含む全処理時間はDry to Dryで15〜210秒で、より好ましくは15〜90秒である。
【0072】
《感光材料の調製》
下記のようにしてハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0073】
A1
オセインゼラチン 24.4g
水 9657ml
S−3(10%エタノール水溶液) 6.78ml
【0074】
【化1】
Figure 0003780731
【0075】
臭化カリウム 10.8g
10%硝酸 114ml
B1
2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml
C1
臭化カリウム 841g
ヘキサクロロイリジウム酸カリウム 2mg
水で 2825ml
D1
1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
40℃で特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により90秒間で添加し、核形成を行った。
【0076】
溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、60分間で核を含む溶液A1の温度を60℃に上昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4ml/minの流量で42分間添加した。この42℃から60℃への昇温及び溶液B1,C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択で測定)を溶液D1を用いて、それぞれ+8mV及び16mVになるように制御した。
【0077】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この臭化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.060μm、平均直径(円直径換算)は0.55μmであること(アスペクト比9.17)を電子顕微鏡にて確認した。又、厚さの変動係数は32%、双晶面間距離変動係数は35%であった。なお、この臭化銀乳剤の平均体積粒径は0.24μmであった。
【0078】
次に、前記の乳剤を60℃にした後に、分光増感色素D−1の所定量を添加した10分後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルフォスフィンセレナイドの分散物液を加え、総計90分間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンの所定量を添加した。
【0079】
なお、前記の添加剤とその添加量(AgX1モル当り)を下記に示す。
【0080】
Figure 0003780731
(乳剤層塗布液の調製)
前記で得た各乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0081】
Figure 0003780731
ゼラチン量は、2.0g/m2になるように調製した。
【0082】
(保護層塗布液の調製)
Figure 0003780731
塗布試料の作製
両面下引き済みの厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の片方の面にバッキング層液、バッキング保護層液を同時に重層塗布し、続いて、反対の面に乳剤塗布液、乳剤保護層液を同時重層塗布し、乾燥した。乳剤層の乳剤塗布量は銀に換算して1.7g/m2、ゼラチン量が2.0g/m2であり、乳剤保護層のゼラチン量は0.8g/m2であった。また、バッキング層のゼラチン量は2.5g/m2、バッキング保護層のゼラチン量は1.0g/m2であった。
【0083】
得られた試料に対し、前述のフラットパネルディテクタで得たX線画像(足部骨像)をレーザースキャナーで露光し、現像・定着剤TC−DF1(コニカ社製)を用い、レーザースキャナーに直結した自動現像機TCX−201(コニカ社製)で60秒処理を行った結果、優れた鮮鋭性を有するX線画像が得られた。
【0084】
増感色素D−1、化合物A、化合物B、化合物Cを、下記に示す。
【0085】
【化2】
Figure 0003780731
【0086】
【化3】
Figure 0003780731
【0087】
【発明の効果】
前記したように、請求項1記載の発明では、フラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得ることで、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【0088】
請求項2記載の発明では、フラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置により、例えばマンモグラフィや四肢骨等に要求される高い鮮鋭性と高解像度の高画質のX線画像を迅速に且つ確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線画像形成システムの概略構成図である。
【図2】フラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略断面図である。
【図3】フラットパネルディテクタ(FPD)を示す概略平面図である。
【図4】レーザイメージャーの概略構成図である。
【符号の説明】
1 X線管
2 フラットパネルディテクタ
3 画像処理部
4 ネットワーク
5 CRTディスプレイ
6 レーザイメージャー
70 制御手段
71 露光手段
72 搬送手段
73 感光材料処理装置

Claims (2)

  1. X線画像をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出し、レーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得ることを特徴とするX線画像形成方法。
  2. X線画像をフラットパネルディテクタに捕獲し、このフラットパネルディテクタからX線画像を画像信号として取り出すX線画像形成システムにおいて、前記画像信号をレーザー光強度変化に変換し、平均アスペクト比が2以上20以下の平板状感光性ハロゲン化銀乳剤粒子を含有するハロゲン化銀写真感光材料に記録し、現像、定着、水洗、乾燥することによりX線画像を得る装置を備えることを特徴とするX線画像形成システム。
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