JPH10153832A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH10153832A
JPH10153832A JP31361096A JP31361096A JPH10153832A JP H10153832 A JPH10153832 A JP H10153832A JP 31361096 A JP31361096 A JP 31361096A JP 31361096 A JP31361096 A JP 31361096A JP H10153832 A JPH10153832 A JP H10153832A
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JP
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silver halide
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salt
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JP31361096A
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Shigeaki Takahashi
成明 高橋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 圧力カブリがなく、銀色調が純黒調で、且
つ、残色汚染のないハロゲン化銀写真感光材料及びその
処理方法の提供。 【解決手段】 ハロゲン化銀乳剤層にセレン化合物及び
/又はテルル化合物と下記一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且
つ、親水性コロイド層には平板状シリカを含有する。 式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子またはCH基、
P、Q、Yのうちの少なくとも1つは窒素原子である。
1は炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基、A
はヒドロキシ基等、を表す。Zは水素原子またはSM
基、Mは水素原子等、を表す。 式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子またはCH基、
P、Q、Yのうちの少なくとも1つは窒素原子である。
Aは一般式(1)のAと同義で、nは1〜2の整数を表
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧力カブリと銀色調
性及び残色性を改良したハロゲン化銀写真感光材料及び
その処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に感光材料とも言う)の迅速処理への要望は高い
ものがあり、医療用感光材料は特にその要望が著しい。
その理由としては近年、診断精度向上のために検査項目
が増加し、その結果、X線写真の撮影枚数の増加或いは
救急医療での迅速な診断の必要性から、現像処理の迅速
化が強く望まれているためである。
【0003】現像処理の迅速化のためには短時間で感度
及び画像濃度を得る必要から、感光材料の高感度化が重
要な要素技術となる。
【0004】従来よりハロゲン化銀乳剤の化学増感法の
一つとしてセレン或いはテルル化合物を用いたカルコゲ
ン増感法は広く知られている。しかしながら該技術は高
感度化はある程度、達成できる反面、感光材料の取り扱
い時や処理時に、外部から受ける圧力に起因するカブリ
の発生が著しく、特に自動現像機による迅速処理にて搬
送ローラーの圧迫によるローラーマークと言われる筋状
や黒斑点のカブリ故障を招くことである。
【0005】圧力カブリを改良する技術としては例えば
ラテックス類を用いた米国特許2,376,005号、
同3,325,386号、特公昭45−5341号、同
46−2506号、特開昭51−130217号などで
開示されている。しかし、これら従来技術ではある程度
の圧力カブリは抑制できるものの十分ではなかった。
【0006】さらに処理後のフィルムに残色汚染が多く
なる欠点及び現像処理後の画像の銀色調が黄色調になる
ことである。現像銀の色調はハロゲン化銀粒子の組成、
形状及び現像液組成などに左右され易い。
【0007】医療用X線フィルムの場合、観察者が直接
銀画像を眼で判読して診断するため処理後の銀画像の色
調は見易いことが必要で、例えば黄色味を帯びた銀色調
は判読しにくく、且つ、観察者に不快な感じを与えるた
めに嫌われている。
【0008】従来より色調剤として例えば1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾールなどのメルカプト化合物
を感光材料或いは現像処理液中に用いることがよく知ら
れている。しかし該技術は効果を得られる添加量域では
減感性と残色汚染を招く問題を有し、医療用高感度感光
材料には不適当であった。
【0009】迅速処理でのローラーマークの発生がな
く、且つ、処理後のフィルムが純黒色の銀画像を呈し、
残色汚染がないクリアーなハロゲン化銀写真感光材料が
強く望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
迅速処理に際しても圧力カブリ(ローラーマーク)がな
く、銀色調が純黒調で、且つ、残色汚染のないハロゲン
化銀写真感光材料及びその処理方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成により解決された。
【0012】(1)支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含
む親水性コロイド層を設けてなるハロゲン化銀写真感光
材料に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層にセレン化合物及
び/又はテルル化合物と下記一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且
つ、該親水性コロイド層には平板状シリカを含有するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】
【化3】
【0014】式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子また
はCH基を表し、P、Q、Yのうちの少なくとも1つは
窒素原子である。R1は炭素数1〜8の直鎖又は分岐の
アルキレン基を表し、Aはヒドロキシ基、アシルアミノ
基、カルボキシル基またはその塩、スルホ基またはその
塩、スルホアミノ基またはその塩を表す。Zは水素原子
またはSM基を表しMは水素原子、アルカリ金属原子又
はアンモニウム基を表す。
【0015】
【化4】
【0016】式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子また
はCH基を表し、P、Q、Yのうちの少なくとも1つは
窒素原子である。Aは一般式(1)のAと同義である。
nは1〜2の整数を表す。
【0017】(2)上記(1)項記載のハロゲン化銀写
真感光材料を、現像工程と定着工程を含む写真処理を行
うことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法。
【0018】(3)全処理時間が15〜90秒であるこ
とを特徴とする(2)項記載のハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。
【0019】以下、本発明を詳述する。
【0020】本発明の感光材料は支持体上にハロゲン化
銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けてなるハロゲン
化銀写真感光材料であって、具体的にはハロゲン化銀乳
剤層、保護層、中間層、下塗り層、染料層、帯電防止層
などハロゲン化銀写真感光材料に通常用いられる全ての
親水性コロイド層を指す。従って本発明に於いて平板状
シリカを含有する層は上記の層の少なくとも1層であっ
てよい。
【0021】本発明に於いて、ハロゲン化銀乳剤層には
セレン化合物及び/又はテルル化合物と前記一般式
(1)又は一般式(2)で表される化合物の少なくとも
1種を含有する。
【0022】前記一般式(1)又(2)において式中、
P、Q、Yは窒素原子、CH基を表し、P、Q、Yのう
ちの少なくとも1つは窒素原子である。具体的な複素環
としてはテトラゾール、トリアゾール、イミダゾール及
びピラゾールなどが挙げられ、好ましくはテトラゾール
環である。
【0023】R1は炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアル
キレン基を表し、Aはヒドロキシ基、アシルアミノ基、
カルボキシル基またはその塩、スルホ基またはその塩、
スルホアミノ基またはその塩を表す。ここで言う塩とは
アルカリ金属原子(例えばNa、Kなど)である。Zは
水素原子またはSM基を表し、Mは水素原子、アルカリ
金属原子(例えばNa、Kなど)又はアンモニウム基を
表す。
【0024】nは1〜2の整数を表す。
【0025】以下、本発明の一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の具体例を示すが本発明はこれ
のみに限定されない。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】上記の化合物類は写真用カブリ抑制剤とし
て公知の化合物で、例えばイソチオシアネートを出発原
料として容易に合成することができるものである。
【0030】本発明の上記一般式(1)又は(2)で表
される化合物の添加量は任意であるが通常、ハロゲン化
銀1モル当たり1×10-8〜1×10-2モルでよく、よ
り好ましくは1×10-7〜1×10-3モルである。上記
化合物の添加時期は本発明の感光材料を調製する工程の
いずれの時期に添加してもよいが、好ましくはハロゲン
化銀乳剤の化学熟成直前から乳剤塗布液調製までの任意
の時期でよい。
【0031】添加に際しては水または親水性溶媒例えば
メタノール、エタノールなどに溶解して添加してよく、
或いは微粒子状に固体分散して添加してもよい。
【0032】本発明の上記一般式(1)又は(2)で表
される化合物は単一または複数で使用してもよく、両者
を組み合わせて使用してもよい。さらに本発明外の公知
カブリ抑制剤と併用して用いてもよい。
【0033】本発明に於いて、ハロゲン化銀乳剤層には
セレン化合物及び/又はテルル化合物が化学増感剤とし
て用いられる。用いられるセレン及びテルル化合物は広
範な種類の化合物を含む。
【0034】有用なセレン増感剤としてはコロイドセレ
ン金属、イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセ
レノシアネート等)、セレノ尿素類(例えばN,N−ジ
メチルセレノ尿素、トリエチルN,N,N′−セレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロ
セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタ
フルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′
−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えばセレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ばセレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズ
アミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類
(例えば2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノ
ブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えばトリ
−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類
(トリフェニルフォスフィンセレナイド、ジエチルセレ
ナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられる。特に
好ましいセレン増感剤はセレナイド類、セレノ尿素類、
セレノアミド類、及びセレノケトン類である。
【0035】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にはハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-4
モル程度を用いる。
【0036】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は4
0〜90℃の範囲が好ましく、より好ましくは45℃以
上、80℃以下である。また乳剤pHは4〜9、pAg
は6.0〜9.5の範囲が好ましい。
【0037】以下、本発明の化学増感に用いられるセレ
ン増感剤の具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】次に本発明に用いられるテルル増感剤の有
用な例としては、テルロ尿素類(例えばN,N−ジメチ
ルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキ
シエチル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−
ジメチル−N′フェニルテルロ尿素)、ホスフィンテル
リド類(例えばトリブチルホスフィンテルリド、トリシ
クロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホ
スフィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィン
テルリド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、テ
ルロアミド類(例えばテルロアセトアミド、N,N−ジ
メチルテルロベンズアミド)、テルロケトン類、テルロ
エステル類、イソテルロシアナート類などが挙げられ
る。
【0042】テルル増感剤の使用技術はセレン増感剤の
使用技術に準じる。本発明ではセレン増感とテルル増感
を組み合わせて化学増感してもよい。
【0043】本発明に於いては還元増感を併用すること
も好ましい。還元増感はハロゲン化銀粒子の成長途中に
施すのが好ましい。成長途中に施す方法としては、ハロ
ゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感を施す方
法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断した状態
で還元増感を施し、その後に還元増感されたハロゲン化
銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0044】本発明においては、硫黄化合物や金塩のご
とき貴金属塩による化学増感もでき、これらの増感法に
上記のカルコゲン増感法を組み合わせて化学増感するこ
とができる。
【0045】本発明に適用できる硫黄増感剤の具体例と
しては1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿
素、1−エチル,3−(2−チアゾリル)チオ尿素など
のチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチアカルバミ
ン酸類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体などが好
ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体としては、斜
方晶系に属するα−硫黄が好ましい。
【0046】金増感剤としては塩化金酸、チオ硫酸金、
チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン類、
その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0047】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当たり、1×10-4モル〜1×10-9モルであるこ
とが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×1
-8モルである。
【0048】硫黄増感剤及び金増感剤の添加方法は、水
或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒に溶解
し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の溶媒或
いは、ゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散させ
て得られる分散物の形態で添加しても良い。硫黄増感及
び金増感の両者を同時に施しても良く、また、別々にか
つ段階的に施しても良い。後者の場合、硫黄増感を適度
に施した後に、或いはその途中に於いて、金増感を施す
と好ましい結果が得られることがある。
【0049】還元増感はハロゲン化銀乳剤のハロゲン化
銀粒子の成長中に行われるように、ハロゲン化銀乳剤に
還元剤及び/又は水溶性銀塩を添加することによって成
される。還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ尿素
及びアスコルビン酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
また別の好ましい還元剤としては、ヒドラジン、ジエチ
レントリアミンのごときポリアミン類、ジメチルアミン
ボラン類、亜硫酸塩類等が挙げられる。
【0050】次に本発明の親水性コロイド層に用いられ
る平板状シリカについて述べる。
【0051】本発明で言う平板状シリカとは、アルカ
リ、アルカリ土類金属、アルミニウムなどを含有する層
状ケイ酸塩類を指し、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、ス
メクタイトなどが挙げられる。カオリン鉱物としてはカ
オリナイト、デイッカイト、ナクライト、ハロイサイ
ト、蛇文石などが挙げられる。雲母粘土鉱物としてはパ
イロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フッ素雲
母、セリサイト、緑泥石など挙げられる。スメクタイト
としてはスメクタイト、バーミキュライト、膨潤性合成
フッ素バーミキュライトなどが挙げられる。
【0052】このなかで好ましいものとしては、膨潤性
とイオン交換性を有するスメクタイトである。スメクタ
イトには天然物と合成物の2種類があるが、天然物の例
としては、モンモリロナイトとバイデライトがあり、ベ
ントナイト、酸性白土などと呼ばれる粘土として得ら
れ、これらを帯電防止剤として非感光性親水性コロイド
層に使用する例が、特開昭60−202438号、同6
0−239747号に記載されている。
【0053】しかし透明性が優れている点で合成物が最
も好ましく用いられ、さらに耐熱性を高める目的でフッ
素を含有するものもある。
【0054】合成スメクタイトの具体例としては、例え
ば、コープケミカル(株)製のルーセンタイトSWN
(本発明ではSTT−1という)、同ルーセンタイトS
WF(本発明ではSTT−2という)などを挙げること
ができる。
【0055】これらの平板状シリカは、使用される全シ
リカの投影面積の総和の50%以上がアスペクト比2以
上の平板状シリカであることが好ましい。
【0056】ここでいうアスペクト比とは、平板状シリ
カの投影面積と同一の面積を有する円の直径と2つの平
行平面間距離の比を表す。本発明においてアスペクト比
は2以上、100未満、特に2以上、50未満であるこ
とが好ましい。
【0057】本発明に係る平板状シリカは、厚みが1.
0μm以下、好ましくは0.5μm以下であることが好
ましい。また、平板状粒子の分布はしばしば使用される
変動係数(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを直
径Dで割った値S/Dの100倍)で30%以下、特に
20%以下である単分散物であることが好ましいが必須
要件ではない。
【0058】本発明に係る平板状シリカが添加される親
水性コロイド層としては、ハロゲン化銀写真感光材料を
構成する親水性コロイド層であれば特に限定されること
なく例えばハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層、染料
層、帯電防止層などに添加することができるが、好まし
くはハロゲン化銀乳剤層及び/又は支持体に対してハロ
ゲン化銀乳剤層より上層の親水性コロイド層が好まし
い。
【0059】これらの層に用いられる本発明の平板状シ
リカの好ましい使用量は、親水性コロイド層のバインダ
ーとして用いられている例えばゼラチン量に対して乾燥
重量比で0.05〜1.0で、特に好ましくは0.1〜
0.6である。また平板状シリカとコロイダルシリカを
併用してもよい。
【0060】本発明に用いられる平板状シリカは水分散
液として親水性コロイド層塗布液に添加するのが一般的
であり、その調製方法としては所定量の水を十分な剪断
力をもつ高速撹拌機、例えばホモミキサー、インペラー
等で撹拌しながら、平板状シリカを少量ずつ添加して分
散する方法が好ましい。分散液を調製する際に、ピロリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの多
リン酸塩、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールメタンなどの多価アルコール、ポ
リエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン
性重合体などの分散剤を適宜加えることができる。
【0061】本発明において平板状シリカを含有する親
水性コロイド層の塗布量は、バインダー量として支持体
片側当たり3.0g/m2以下、特に2.0g〜0.5
g/m2が好ましく用いられる。親水性バインダーとし
てはゼラチン、デキストラン、デキストリン、ポリアク
リルアミドのような天然または合成の親水性ポリマーの
ような親水性コロイド物質を使用することができる。
【0062】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀組成は、任意でよく例えば塩化銀、沃塩化
銀、塩臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀などのい
ずれのハロゲン化銀を用いてもよい。沃塩化銀を含む場
合の沃化銀含有量はハロゲン化銀粒子全体での平均沃化
銀含有率として0モル%以上、1.5モル%以下が好ま
しく、0モル%以上、1.0モル%以下が更に好まし
い。
【0063】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の平
均粒径は0.15〜5.0μmであることが好ましく、
0.2〜3.0μmであることがより好ましく、最も好
ましくは0.2〜2.0μmである。
【0064】ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、8面
体、双晶面を持つものなど、どのような晶癖のものでも
よいが好ましくは平板状ハロゲン化銀粒子である。
【0065】平板状ハロゲン化銀粒子とは、二つの対向
する平行な主平面を有する粒子をいい、本発明に用いら
れ得るものは(111)面を主平面としたものでも(1
00)面を主平面としたものでもどちらでもよい。
【0066】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子は、粒子厚さに対する粒径の比(以下アスペ
クト比と称す)は2以上であるが、好ましくは2.0以
上、15.0未満である。特に3以上、10未満が好ま
しい。ここで粒径とは平均投影面積径(以下、粒径と記
す)のことで、該平板状ハロゲン化銀粒子の投影面積の
円相当直径(該ハロゲン化銀粒子と同じ投影面積を有す
る円の直径)で示され、厚さとは平板状ハロゲン化銀粒
子を形成する2つの平行な主平面間の距離を示す。
【0067】本発明において平板状ハロゲン化銀粒子を
用いる場合、平均粒子厚さは0.01〜1.0μmであ
ることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.60
μm、更に好ましくは0.05〜0.50μmである。
平均粒径は0.15〜5.0μmであることが好まし
く、0.4〜3.0μmであることが更に好ましく、最
も好ましくは0.4〜2.0μmである。平板状ハロゲ
ン化銀粒子は粒径分布の狭い単分散乳剤が好ましく、具
体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0068】本発明に平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
場合、米国特許5,320,938号記載の方法で作成
することもできる。即ち、(100)面を形成しやすい
条件下で、沃度イオンの存在下、低pClで核形成させ
ることが好ましい。核形成後は、オストワルド熟成及び
/または成長を行い、所望の粒径、分布を有する平板状
ハロゲン化銀粒子を得ることができる。
【0069】平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成す
る過程及び/または成長させる過程で、カドミウム塩、
亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含
む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/または粒子表面にこれらの金属
元素を含有させることもできる。
【0070】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、メチン色素類その他によって分光増感されている
ことが必要である。本発明の感光材料に用いられる増感
色素はシアニン、メロシアニン、複合シアニン、複合メ
ロシアニン、ホロポーラー、、ヘミシアニン、スチリル
及びヘミオキソノール色素などを使用することができ
る。特に有用な色素はシアニン、メロシアニン及び複合
メロシアニンに属する色素である。
【0071】これらの色素類は通常利用されている核の
いずれをも適用できる。即ち、ピロリン核、オキサゾリ
ン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラ
ゾール核、ピリジン核などで、これらの核に脂肪式炭化
水素環が融合した核、即ちインドレニン核、ベンズイン
ドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナ
フトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチア
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原
子上に置換基を有していてもよい。
【0072】メロシアニン又は複合メロシアニンにはケ
トメチン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオン核、ロ
ーダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節
環核を適用することができる。
【0073】これらの増感色素は単独又は組み合わせて
用いてもよく組み合わせは特に強色増感の目的でしばし
ば用いられる。また、増感色素とともにそれ自身、分光
増感性を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しな
い物質であって、強色増感作用を示す物質を乳剤層中に
含有してもよい。例えば含窒素異節環核基であって置換
されたアミノスチルベン化合物、芳香族有機酸ホルムア
ルデヒド縮合物、カドミウム塩、アザインデン化合物な
どを含有してもよい。
【0074】なお、分光増感色素を有機溶媒の溶液とし
て添加するよりも、固体微粒子状の分散物として添加す
ることが好ましい。特に実質的に有機溶媒及び/又は界
面活性剤が存在しない水系中に分散させ、実質的に水に
難溶性の固体微粒子分散物の状態で添加することが好ま
しい。分散後の粒径は1μm以下が好ましい。
【0075】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
現像処理方法は自動現像機で処理され、現像、定着、水
洗、乾燥の工程を経て完了される。
【0076】即ち、感光材料の先端が現像液に浸漬され
始める時点から、処理工程を経て同先端が乾燥ゾーンを
出てくるまでの時間(いわゆるDry to Dryの
時間)が15秒〜90秒以内で、より好ましくは15秒
〜45秒である。
【0077】乾燥工程は通常35〜100℃、好ましく
は40〜80℃の熱風を吹き付けたり、遠赤外線による
加熱手段が設けられた乾燥ゾーンが自動現像機に設置さ
れていてもよい。
【0078】自動現像機には現像、定着、水洗の各工程
の間に、感光材料に水又は定着能を持たない酸性溶液の
リンス液を付与する機構を備えた自動現像機(特開平3
−264953号)を用いてもよい。さらに現像液や定
着液を調液できる装置を内蔵していてもよい。
【0079】本発明の処理方法では現像液と定着液の補
充量はそれぞれ180ml/m2以下で処理されること
が好ましく、さらに好ましくは8〜160ml/m
2で、特に10〜100ml/m2で処理されるのが好ま
しい。
【0080】本発明の処理方法には、固体処理剤を用い
る方法が好ましい。写真処理剤を固体化するには、濃厚
液または微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混
練し成型するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性
結着剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任
意の手段が採用できる(特開平4−29136号、同4
−85535号、同4−85536号、同4−8553
3号、同4−85534号、同4−172341号参
照)。
【0081】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0082】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法に於いて、用いられる現像主薬としては一般的に用
いられるものならどれでもよいが、好ましくはレダクト
ン類を主薬として含む現像液が挙げられる。保恒剤とし
て亜硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いること
ができる。その他にキレート剤や硬膜剤の重亜硫酸塩付
加物を用いることができる。また銀スラッジ防止剤を添
加することも好ましい。シクロデキストリン化合物の添
加も好ましく、特開平1−124853号記載の化合物
が特に好ましい。現像液にはアミン化合物を添加するこ
ともでき、例えば米国特許4,269,929号記載の
化合物が特に好ましい。
【0083】本発明の処理方法に於ける現像剤には、緩
衝剤を用いてもよく、緩衝剤としては炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウ
ム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナト
リウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒ
ドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキ
シ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウ
ム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム
(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げることがで
きる。
【0084】また現像促進剤として例えばチオエーテル
系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アン
モニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合
物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−
3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じ
て添加することができる。
【0085】カブリ防止剤としては沃化カリウムの如き
アルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用
できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニト
ロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、
5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾト
リアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2
−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾー
ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒
素ヘテロ環化合物を代表例1-フェニル−5−メルカプト
テトラゾールを例として挙げることができる。
【0086】さらに、本発明に用いられる現像剤組成物
には、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、ア
セトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化
合物等を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤とし
て使用することができる。さらにステイン防止剤、スラ
ッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いること
ができる。
【0087】本発明に使用される定着剤は定着剤として
公知の化合物を添加できる。定着主薬やキレート剤、p
H緩衝剤、硬膜剤、保恒剤などが添加でき、これらは例
えば特開平4−242246号(4頁)や特開平5−1
13632号(2〜4頁)記載のものが使用できる。そ
の他に硬膜剤として特願平4−586323号(20
頁)記載のキレート剤や同(21頁)記載の硬膜剤の重
亜硫酸塩付加物や公知の定着促進剤も用いることができ
る。
【0088】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターを固形化して添加することも好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0089】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で各種
の写真用添加剤を用いることができる。
【0090】このような工程で使用される化合物として
は例えば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月)、(RD)No.
18716(1979年11月)及び(RD)No.3
08119(1989年12月)に記載されている各種
の化合物を用いることができる。これら3つの(RD)
に記載されている化合物の種類と記載箇所を下記に掲載
する。
【0091】
【表1】
【0092】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体としては、上記のRDに記載されているも
のが挙げられ、適当な支持体としてはポリエチレンテレ
フタレートフィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着
性をよくするために下引き層を設けたりコロナ放電や紫
外線照射などが施されてもよい。
【0093】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0094】実施例1 (種乳剤EM−Tの調製) 〈溶液A〉 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g NaCl 16.5g 蒸留水で 7500mlとする 〈溶液B〉 硝酸銀 1500g 蒸留水で 2500mlとする 〈溶液C〉 KI 4g NaCl 140g 蒸留水で 684mlとする 〈溶液D〉 NaCl 375g 蒸留水で 1816mlとする 40℃において、特公昭58−58288号記載の混合
撹拌機中の溶液Aに、溶液Bの684mlと溶液Cの全
量を1分間かけて添加した。EAgを149mVに調整
し、20分間オストワルド熟成した後に溶液Aの残り全
量と溶液Dの全量を40分かけて添加した。その間、E
Agは149mVに制御した。
【0095】添加終了後、直ちに脱塩、水洗を行い平板
状種乳剤EM−Tとした。得られた種乳剤はハロゲン化
銀粒子の全投影面積の60%以上が(100)面を主平
面とする平板状粒子よりなり、平均厚さ0.07μm、
平均直径は0.5μm、変動係数は25%であることが
電子顕微鏡観察により判明した。
【0096】(高塩化銀乳剤EM−1の調製)以下の4
種類の溶液を用いて平板状高塩化銀乳剤EM−1を調製
した。
【0097】 〈溶液A〉 オセインゼラチン 29.4g HO(CH2CH2O)n(CH[CH3]CH2O)17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 10%メタノール水溶液 1.25ml 種乳剤EM−T 0.98モル相当 蒸留水で 3000mlとする 〈溶液B〉 3.50N AgNO3水溶液 2240ml 〈溶液C〉 NaCl 455g 蒸留水で 2240mlにする 〈溶液D〉 1.75N NaCl水溶液 下記銀電位制御量 40℃において、特公昭58−58288号記載の混合
撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶液Cの全量を同
時混合法(ダブルジェット法)により添加終了時の流速
が添加開始時の流速の3倍になるように110分の時間
を要し添加成長を行った。
【0098】この間の銀電位は溶液Dを用いて+120
mVになるように制御した。添加終了後、過剰な塩類を
除去するため以下に示す方法で沈澱脱塩を行った。
【0099】混合終了した反応液を40℃にして、フ
ェニルカルバモイル基で変性された(置換率90%)変
性ゼラチンを20g/AgX1モル加え、56wt%酢
酸を加えてpHを4.30まで落とし、静置しデカンテ
ーションを行う。
【0100】40℃の純水1.8リットル/AgX1
モルを加え、10分間撹拌させた後、静置、デカンテー
ションを行う。
【0101】上記2の工程をもう1回繰り返す。
【0102】次いで、後ゼラチン15g/AgX1モ
ルと炭酸ナトリウム、水を加え、pH6.0にして分散
させ、450ml/AgX1モルに仕上げる。
【0103】得られた乳剤EM−1のハロゲン化銀粒子
約3000個を電子顕微鏡により観察・測定し形状を分
析したところ、全投影面積の80%以上が(100)面
を主平面とする、平均直径1.17μm、平均厚さ0.
12μmの平板状粒子であり、変動係数は24%であっ
た。
【0104】(乳剤の化学増感)引き続き、この高塩化
銀乳剤EM−1を55℃にした。次いで下記に示すよう
に沃化銀微粒子の所定量、及び分光増感色素(1)、
(2)を固体微粒子状の分散物として添加した。その後
更に、硫黄増感剤、セレン増感剤及び金増感剤を加えて
総計90分間の熟成を施し、熟成終了時に安定剤として
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン(TAI)を加えた。
【0105】 沃化銀微粒子乳剤(*) 5mmol相当 分光増感色素(1) 300mg 分光増感色素(2) 30mg 硫黄増感剤 2.0mg 金増感剤 1.0mg セレン増感剤(トリフェニルフォスフィンセレナイド) 1.0mg 安定剤(TAI) 50mg (*)0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水溶液6.6 4リットルに7.06モルの硝酸銀と7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液 のそれぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸 を用いて2.0に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水 溶液を用いてpHを6.0に調整した。
【0106】
【化11】
【0107】分光増感色素は固体微粒子状分散物として
特開平5−297496号に記載の方法に準じて調製し
た。即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した
水に加え高速撹拌機(ディゾルバー)で3.500rp
mにて30〜120分間にわたって撹拌することによっ
て得た。
【0108】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、撹拌
し完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを
純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスルフ
ォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加した。
次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディゾル
バーを有する高速撹拌型分散機により50℃下において
分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。その後
速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3wt
%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除去し
た。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕
上げた。このようにして得られた分散液の一部を分取し
て上記実験に使用した。
【0109】(塗布液の調製と塗布)次に濃度0.15
に青色着色したX線用のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムベース(厚みが175μm)の両面に、下記第1
層のクロスオーバーカット層が予め塗設された支持体を
用い、その両面に下から下記の乳剤層と保護層を下記の
所定の塗布量になるように同時重層塗布、乾燥し塗布試
料No.1〜57を得た。各々塗布液に用いた添加剤は
次のとおりである。添加量は感光材料片面1m2当たり
の量で示す。
【0110】 第1層(クロスオーバーカット層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 第2層(ハロゲン化銀乳剤層) 上記で得た乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0111】 表2に示す一般式(1)、(2)の化合物 1.0×10-5モル/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ −1,3,5−トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(P) 0.2g/m2 化合物(Q) 0.2g/m2 平板状シリカ又は比較用ラテックス 表2,表3記載量 但し、ゼラチンとしては0.8g/m2になるように調
整した。
【0112】 第3層(保護層) ゼラチン 0.6g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5 −トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル I 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919O(CH2CH2O)11H 3mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)15H 2mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Na 1mg/m2 硬膜剤(B) 60mg/m2 平板状シリカ又は比較用ラテックス 表2,表3記載量
【0113】
【化12】
【0114】
【化13】
【0115】
【化14】
【0116】
【化15】
【0117】なお、上記素材の付き量は片面分であり、
乳剤層の塗布銀量は片面分で1.3g/m2になるよう
調整して塗布した。
【0118】(現像処理剤の調製)以下の操作(A〜
D)に従って固体処理剤として現像補充用錠剤、定着用
補充用錠剤を調製した。
【0119】操作(A)現像補充用錠剤A剤の作成 現像主薬としてエリソルビン酸ナトリウム13000g
を市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム4877g、
フェニドン975g、DTPA1635gを加え、ミル
中で30分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約
10分間、30mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、
調製した造粒物にD−マンニトール2167gを25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて
10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作
所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を8.715gにし
て圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠剤A剤を
作成した。
【0120】操作(B)現像補充用錠剤B剤の作成 炭酸カリウム19500g、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール8.15g、炭酸水素ナトリウム3.
25g、グルタルアルデヒド亜硫酸付加物650g、ポ
リエチレングリコール#6000を1354gを操作
(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は30.0
mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られた混
合物を上記と同様の打錠機により1錠当たりの充填量を
9.90gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補
充用錠剤B剤を作成した。
【0121】操作(C)定着補充用錠剤C剤の作成 チオ硫酸アンモニウム18560g、亜硫酸ナトリウム
1392g、水酸化ナトリウム580g、エチレンジア
ミン4酢酸2ナトリウム2.32gを操作(A)と同様
に粉砕、造粒する。水の添加量は500mlとし、造粒
後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。このようにして、得られた混合物
を上記の打錠機により1錠当たりの充填量を8.214
gにして圧縮打錠を行い、2500個の定着補充用錠剤
C剤を作成した。
【0122】操作(D)定着補充用錠剤D剤の作成 ほう酸1860g、硫酸アルミニウム・18水塩650
0g、氷酢酸1860g、硫酸(50重量%)925g
を操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は1
00mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られ
た混合物を上記の打錠機により1錠当たりの充填量を
4.459gにして圧縮打錠を行い、2500個の定着
補充用錠剤D剤を作成した。
【0123】調製した上記の現像補充用錠剤を用いて下
記組成の現像液を調製した。得られたpH10.70の
現像液16.5lに対して下記組成のスターター330
mlを添加して、pH10.45として現像開始液とし
た。
【0124】 〈現像開始液組成〉 炭酸カリウム 120.0g/l エリソルビン酸ナトリウム 40.0g/l DTPA 5.0g/l 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g/l 炭酸水素ナトリウム 20.0g/l フェニドン 3.0g/l 亜硫酸ナトリウム 15.0g/l D−マンニトール 15.0g/l グルタルアルデヒド亜硫酸付加物 4.0g/l 〈現像液スターター〉氷酢酸210g、KBr530g
に水を加えて1lとしたもの。
【0125】上記の定着補充用錠剤を用いて下記組成の
定着液を調製し、開始液とした。
【0126】 〈定着開始液組成〉 チオ硫酸アンモニウム 160.0g/l 亜硫酸ナトリウム 12.0g/l ほう酸 1.0g/l 水酸化ナトリウム 5.0g/l 氷酢酸 10.0g/l 硫酸アルミニウム・18水塩 35.0g/l 硫酸(50重量%) 5.0g/l エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム・2水塩 0.02g/l 評価 得られたフィルム試料をそれぞれ2枚の蛍光増感紙(K
O−250)で挟み、ペネトロメータB型(コニカメデ
ィカル(株)製)を介してX線照射後、SRX−502
自動現像機を用いて以下の処理時間になるように改造し
て上記処理剤にて処理した。
【0127】このとき、処理液の補充量は現像液、定着
液ともに90ml/m2とした。
【0128】 (銀色調の評価)銀色調の評価は、各試料を濃度が1.
2±0.5になるようにX線露光し、上記の処理を行っ
て得られた試料につい下記の基準で目視評価した。
【0129】A:純黒調 B:僅かに黄色味が感じられる C:黄色味が感じられる (ローラーマーク〔圧力カブリ〕の評価)上記と同様に
各試料を濃度が1.2±0.5になるようにX線露光
後、同様の処理を行った。但し、使用した自動現像機の
現像ラック、現像から定着への渡りラックは故意に疲労
させたものを用いた。即ち、各ラックのローラーは疲労
のため、約10μm程度の凹凸が全面にできていた。処
理後の試料にはこの凹凸に起因する圧力のために耐圧性
の悪い試料には細かい斑点状の濃度ムラが多数発生し
た。このレベルを以下の基準によって評価した。
【0130】A:斑点の発生が無し B:斑点が少量発生している C:斑点が多数発生している (残色の評価)未露光の試料を上記と同様の処理を行
い、得られた試料について下記基準で目視評価した。
【0131】A:残色汚染が全くない B:残色が少しあるが、気にならない C:残色がかなりあって見るに耐えない 以上、得られた結果を表2,表3に示す。
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】表2及び表3から明かなように本発明によ
る試料は、ローラーマーク(圧力カブリ)の発生がな
く、銀色調においても純黒調で、且つ、残色汚染のない
ハロゲン化銀写真感光材料を得られた。
【0135】実施例2 実施例1と同様の方法により試料を作成した。但し、本
実施例2では本発明の一般式(1)及び(2)で表され
る化合物の添加は、乳剤を55℃にしてから化学熟成
(化学増感)の開始時に2×10-6モル/m2添加して
表4,5に示す試料No.58〜114を作成した。実
施例1と同様の評価結果を表4,5に示す。
【0136】
【表4】
【0137】
【表5】
【0138】表4,5から明かなように本発明の試料は
比較試料に対して圧力カブリおよび銀色調が改良されて
いた。さらに色素、染料などによる残色汚染が少ない試
料を得られた。
【0139】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によれば
迅速処理に際してもローラーマーク(圧力カブリ)が改
良され、且つ、銀色調が純黒調で残色汚染のないハロゲ
ン化銀写真感光材料及びその処理方法を得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/26 520 G03C 5/26 520 5/29 5/29 5/38 5/38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む親
    水性コロイド層を設けてなるハロゲン化銀写真感光材料
    に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層にセレン化合物及び/
    又はテルル化合物と下記一般式(1)又は一般式(2)
    で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且つ、該
    親水性コロイド層には平板状シリカを含有することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子またはCH基を表
    し、P、Q、Yのうちの少なくとも1つは窒素原子であ
    る。R1は炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基
    を表し、Aはヒドロキシ基、アシルアミノ基、カルボキ
    シル基またはその塩、スルホ基またはその塩、スルホア
    ミノ基またはその塩を表す。Zは水素原子またはSM基
    を表しMは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウ
    ム基を表す。 【化2】 式中、P、Q、Yはそれぞれ窒素原子またはCH基を表
    し、P、Q、Yのうちの少なくとも1つは窒素原子であ
    る。Aは一般式(1)のAと同義である。nは1〜2の
    整数を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材
    料を、現現工程と定着工程を含む写真処理を行うことを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 全処理時間が15〜90秒であることを
    特徴とする請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
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